JP2005215398A - 光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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真 高橋
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Abstract

【課題】 液晶表示装置の視野角の拡大に寄与する光学補償シートを提供する。
【解決手段】透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、セルロースエステルの少なくとも一種及び下記一般式(1):(Rf−X−)mAr(−W)n[式(1)中、Arは(m+n)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Rfはアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、Wはスルホ基又はカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRfおよびXは同一でも異なっていてもよい]で表される化合物の少なくとも一種を含有する光学補償シートである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な光学補償シート、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置の分野に属する。また、本発明は、液晶、特にディスコティック液晶性化合物の空気界面における傾斜角を制御する方法の技術分野にも属する。
光学補償シートは画像着色解消や視野角拡大のために、様々な液晶表示装置で用いられている。従来から光学補償シートとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。この光学異方性層は、通常、ディスコティック液晶性化合物を含む組成物を配向膜上に塗布し、配向温度よりも高い温度に加熱してディスコティック液晶性化合物を配向させ、その配向状態を固定することにより形成される。一般に、ディスコティック液晶性化合物は、大きな複屈折率を有するとともに、多様な配向形態がある。そして、ディスコティック液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折フィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になってきている。また、一方で、ディスコティック液晶性化合物には、多様な配向形態が存在するため、所望の光学特性の発現には、光学異方性層におけるディスコティック液晶性化合物の配向を制御する技術が必要である。特に光学補償性能の発現には、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角を支持体面からの距離に伴って変化するように配向させる、いわゆる「ハイブリッド配向」の状態を実現することが重要であり、光学補償シートの性能、すなわち、視野角拡大、視角変化によるコントラスト低下、階調反転、黒白反転、および色相変化等を決める最も重要な因子となる。
このハイブリッド配向は、ディスコティック液晶性化合物の配向の方位角を規制する目的で支持体上に設けられる配向膜表面の傾斜角と、光学補償シートの最外面である空気側界面の傾斜角との差を利用して実現されている。ディスコティック液晶性化合物を用いて光学補償シートを塗設、乾燥した後、ディスコティック液晶性化合物は、空気界面と配向膜界面の両方でそれぞれ安定な傾斜角でモノドメイン配向する。その結果、膜の厚み方向に連続的に傾斜角が変化した配向状態が形成される。ディスコティック液晶性化合物は、空気界面では50°以上の高い傾斜角を持つ性質がある。そのため、ハイブリッド配向を実現するには、配向膜界面の傾斜角は、空気界面の傾斜角より大幅に小さくしなくてはならない。ポリビニルアルコールを用いた配向膜は、その傾斜角が0°に近いために目的のハイブリッド配向の実現に好適に用いられている(特許文献1)。
一方、所望の光学補償機能を得るためには、空気界面側の傾斜角を増大させる必要がある。通常の空気界面で得られる傾斜角である50°を凌ぐ角度を得る方法としてセルロース部分エステル化物を添加する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、本発明者がこれらの光学補償シートを実際に使用してみたところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に、すなわち、理論的に期待できる程度まで拡大しないものもあることが判明した。光学補償機能が不充分になる理由の一つとして、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角が充分に制御できていないことが考えられる。
また、従来の技術では、主として、15インチ以下の小型あるいは中型の液晶表示装置を想定して、光学補償シートが開発されていた。しかし、最近では、17インチ以上の大型、かつ輝度の高い液晶表示装置も想定する必要がある。大型の液晶表示装置の偏光板に、従来技術の光学補償シートを保護フィルムとして装着したところ、パネル上にムラが発生していることが判明した。この欠陥は、小型あるいは中型の液晶表示装置では、あまり目立っていなかったが、大型化、高輝度化に対応して、光漏れムラに対処した光学フィルムをさらに開発する必要が生じている。ムラの改良を行う技術として、重合性液晶にレベリング剤を含有させる方法が開示されている(特許文献3)。しかしながら、本発明者が検討したところ、この方法は重合性液晶がホモジニアス配向の場合にのみ有効であり、本発明のようにハイブリット配向をはじめとした複雑な配向には、適用できないことが判った。
特開平8−50206号公報 特開平8−95030号公報 特開平11−148080号公報
本発明は、光学異方性層のハイブリッド配向する液晶性化合物の傾斜角を制御し、光学補償機能に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートを提供することを課題とする。とりわけ、空気界面側の傾斜角を制御し、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物を光学異方性層に含有する、TNモード、OCBモード、IPSモード等の液晶表示装置の視野角改善に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。さらに、大型の液晶表示装置に適用した場合でも、ムラを生じることなく、表示品位の改善に寄与する光学補償シートを提供することにある。また、本発明は、液晶表示装置の視野角拡大に寄与する偏光板、及び視野角特性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1] 透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、セルロースエステルの少なくとも一種及び下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する光学補償シート。
一般式(1)
(Rf−X−)mAr(−W)n
[式(1)中、Arは(m+n)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Rfはアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、Wはスルホ基又はカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRfおよびXは同一でも異なっていてもよい。]
[2] 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である[1]の光学補償シート。
一般式(2)
(Rf1−X1−)2Ar1(−W1n1
[式(2)中、Ar1は(n1+2)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、X1は単結合又は2価の連結基を表し、Rf1はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、W1はスルホ基又はカルボキシル基を表し、n1は1又は2を表す。式中、2つのRf1−X1−は、同一でも異なっていてもよい。]
[3] 前記光学異方性層が、前記一般式(1)で表される化合物を少なくとも二種含有し、前記少なくとも二種の化合物のうち少なくとも一種が、前記一般式(2)で表される化合物である[2]の光学補償シート。
[4] 前記光学異方性層が、さらに、フルオロ脂肪族基含有ポリマーを含有する[1]〜[3]のいずれかの光学補償シート。
[5] 前記光学異方性層が、さらに、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の光学補償シート。
[6] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[1]〜[5]のいずれかの光学補償シート。
[7] 前記光学異方性層中、前記液晶性化合物がハイブリッド配向し、該ハイブリッド配向が固定されている[1]〜[6]のいずれかの光学補償シート。
[8] 前記セルロースエステルがセルロースアセテートブチレートである[1]〜[7]のいずれかの光学補償シート。
[9] 前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが、下記一般式(3)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される繰り返し単位を少なくとも一種有する重合体である[4]〜[8]のいずれかの光学補償シート。
Figure 2005215398
(一般式(3)においてR1は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R2)−を表し、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1〜6の整数、nは2〜4の整数を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
[10] 前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが、さらに、下記一般式(4)で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を少なくとも一種有する重合体である[9]の光学補償シート。
Figure 2005215398
(一般式(4)において、R3は水素原子またはメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換または無置換のポリ(アルキレンオキシ)基、または置換基または無置換の炭素数1〜20の直鎖、炭素数4〜20の分岐または炭素数3〜20の環状のアルキル基を示す。)
[11] [1]〜[10]のいずれかの光学補償シートを有する液晶表示装置。
[12] 少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートの製造方法であって、液晶性化合物の少なくとも一種を、セルロースエステルの少なくとも一種及び請求項1中に記載の一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
[13] 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、[1]〜[10]のいずれかの光学補償シートである偏光板。
[14] 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方が、少なくとも、偏光膜と該偏光膜の一方の表面であって液晶セルに近い側の表面に設けられた透明保護膜とを有し、且つ該透明保護膜が[1]〜[10]のいずれかの光学補償シートである液晶表示装置。
本発明では、液晶性化合物とともに、前記一般式(1)で表される化合物及びセルロースエステルを光学異方性層中に含有させることにより、光学補償機能に優れ、且つ画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する光学補償シートを提供する。本発明の光学補償シートは、種々のモードの液晶表示装置の視野角特性の改善に寄与する。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の光学補償シートについて説明する。
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、透明支持体と、該透明支持体上に、液晶性化合物の少なくとも一種、セルロースエステルの少なくとも一種及び後述する一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する光学異方性層を有する。本発明の光学補償シートは、前記透明支持体と光学異方性層との間に、配向膜を有していてもよい。
(セルロースエステル)
まず、本発明に用いられるセルロースエステルについて説明する。本発明では、光学異方性層形成用の組成物中に、バインダーとしてセルロース系高分子を混合することによって、支持体面上等に塗布した際のハジキの発生を軽減している。また、該セルロースエステルは、液晶性化合物の空気界面における傾斜角を増加させるのに寄与する。本発明に使用可能なセルロースエステルの好ましい例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。中でも、セルロースアセテートブチレートが好ましい。前記セルロースエステルの添加量は、液晶性化合物の総量に対して質量百分率で、好ましくは0.01〜8%、より好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
(一般式(1)で表される化合物)
次に本発明の光学補償シートに用いられる下記一般式(1)で表される化合物について説明する。該化合物は、液晶性化合物の空気界面における傾斜角を増加させるのに寄与する。
一般式(1)
(Rf−X−)mAr(−W)n
式(1)中、Arは(m+n)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Rfはアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、Wはスルホ基又はカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRfおよびXは同一でも異なっていてもよい。
更に詳細に説明すると、上記一般式(1)において、Arで表される(m+n)価の芳香族ヘテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12の芳香族ヘテロ環の基である。例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子の少なくとも1種を含む芳香族ヘテロ環の残基であり、より具体的には、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソキサゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、1,3,5−トリアジン環、インドール環、インダゾール環、キノリン環、カルバゾール環の残基が好ましい。Arで表される(m+n)価の芳香族炭化水素環の基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環の残基であり、ベンゼン環の残基が最も好ましい。Arは(m+n)価の芳香族炭化水素環の基であるのが好ましい。
Arで表される(m+n)価の芳香族ヘテロ環の基又は芳香族炭化水素環の基は、−X−Rf及び−W以外の置換基を有していてもよく、該置換基の例としては以下のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
Arの−X−Rf及び−W以外の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基が好ましく、特に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基である。但し、Arは、−X−Rf及び−W以外の置換基で置換されていないのが最も好ましい。
前記式(1)中、Xで表される2価の連結基はアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族基、2価のヘテロ環残基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。2価の連結基は、アルキレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる2価の連結基を少なくとも2つ組み合わせた基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、可能であれば前述のArの置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基など)によって置換されていてもよい。
Xは2価の連結基であるのが好ましく、中でもアルキレン基、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であるのがより好ましい。
Rfで表されるアルキル基は、環状構造であっても、分岐構造を有していてもよい。炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数4〜20であることがより好ましく、炭素数8〜20であることが特に好ましい。
Rfで表されるフッ素原子で置換されたアルキル基は、環状構造であっても、分岐構造を有していてもよく、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数4〜16であることがより好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましい。フッ素原子の置換率は、アルキル基に含まれる水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されていることが好ましく、60%以上が置換されていることがより好ましい。Rfは、末端がCF3基又はCF2H基であることが好ましく、CF3基であることが特に好ましい。Rfで表されるフッ素原子で置換されたアルキル基は、可能であれば前述のArの置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基など)によって置換されていてもよい。
以下に、Rfの具体例を示す。
Rf1:n−C817
Rf2:n−C613
Rf3:n−C49
Rf4:n−C817−(CH22
Rf5:n−C613−(CH22
Rf6:n−C49−(CH22
Rf7:n−C817−(CH23
Rf8:n−C613−(CH23
Rf9:n−C49−(CH23
Rf10:H−(CF28
Rf11:H−(CF26
Rf12:H−(CF24
Rf13:H−(CF28−(CH2)−
Rf14:H−(CF26−(CH2)−
Rf15:H−(CF24−(CH2)−
Rf16:n−C49−CH2CH2−(n−C49−CH2CH2−)CHCH2
Wはスルホ基であることが好ましく、mは1又は2が好ましく、nは1が好ましい。
前記一般式(1)の範囲には、下記一般式(1a)が含まれる。
Figure 2005215398
一般式(1a)において、X2は単結合又は2価の連結基を表し、Rf2はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、Rは水素原子又はアルコキシ基を表す。
一般式(1a)において、X2及びRf2は一般式(1)におけるX及びRfと同義であり、好ましい範囲も同一である。Rで表されるアルコキシ基のアルキル基部分は、環状構造であっても、分岐構造を有していてもよい。前記アルコキシ基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数4〜20であることがより好ましく、炭素数8〜20であることが特に好ましい。Rで表されるアルコキシ基は、可能であれば前述のArの置換基として例示された基によって置換されていてもよい。Rは無置換のアルコキシ基が特に好ましい。
また、前記一般式(1)の範囲には、下記一般式(2)が含まれる。
一般式(2)
(Rf1−X1−)2Ar1(−W1n1
式(2)中、Ar1は芳香族ヘテロ環又は芳香族炭化水素環を表し、X1は単結合又は2価の連結基を表し、Rf1はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、W1はスルホ基又はカルボキシル基を表し、n1は1又は2を表す。
更に詳細に説明すると、上記一般式(2)において、Ar1、X1、Rf1、W1、及びn1は、前記一般式(1)におけるAr、X、Rf、W、及びnと同義であり、好ましい範囲も同一である。式(2)中、二つのX1及びRf1は、各々同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)で表される化合物の中でも、下記一般式(2a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005215398
一般式(2a)において、X3は単結合又は2価の連結基を表し、Rf3はフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
前記一般式(2a)において、X3及びRf3は、前記一般式(2)におけるX1及びRf1と同義であり、好ましい範囲も同一である。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005215398
Figure 2005215398
Figure 2005215398
Figure 2005215398
前記一般式(1)で表される化合物は、一般的なヒドロキシ基のアルキル化反応及び芳香族化合物のスルホ化反応等を組み合わせることによって容易に合成することができる。
前記一般式(1)で表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の量の0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましく、0.05〜1質量%が最も好ましい。本発明では、前記一般式(1)で表される化合物の1種を用いてもよく、また2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、少なくとも1種は、前記一般式(2)で表される化合物であるのが好ましい。前記一般式(1a)で表される化合物の少なくとも一種と、前記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一種との組み合わせが好ましく、前記一般式(1a)で表される化合物の少なくとも一種と、前記一般式(2a)で表される化合物の少なくとも一種との組み合わせがより好ましい。
(液晶性化合物)
本発明の光学補償シートは、液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を有する。光学異方性層中において液晶性化合物の分子は、配向状態に固定されているのが好ましく、ハイブリッド配向状態に固定されているのがより好ましい。本発明に用いられる液晶性化合物については特に制限はなく、種々の化合物を用いることができる。棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いるのがより好ましい。また、液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶であってもよい。さらに、低分子液晶性化合物が層を形成する際に架橋され、もはや液晶性を示さなくなったものも含まれる。
(棒状液晶性化合物)
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、本発明の棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載のものを採用できる。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基またはエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年))に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻、70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告(J.Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
ディスコティック液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。ディスコティック液晶性化合物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物がディスコティック液晶性化合物である必要はなく、例えば、低分子のディスコティック液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(III)
D(−LQ)n
一般式(III)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
Figure 2005215398
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ハイブリッド配向では、液晶性化合物の長軸(ディスコティック液晶性化合物では円盤面)と支持体の面との角度、すなわち傾斜角が、光学異方性層の深さ(すなわち、透明支持体に垂直な)方向に増加または減少している。角度は、支持体面からの距離の増加と共に増加していることが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。しかしながら、傾斜角は連続的に変化することが好ましい。
液晶性化合物の長軸(ディスコティック液晶性化合物では円盤面)の平均方向(各分子の長軸方向の平均)は、一般に液晶性化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の液晶性化合物の長軸(ディスコティック液晶性化合物では円盤面)方向は、液晶性化合物の種類を選択することによって、及び液晶性化合物と共に使用する、上記セルロースエステル及び上記一般式(1)で表される化合物の作用により調整することができる。
光学異方性層中には、液晶性化合物、上記セルロースエステル及び上記一般式(1)で表される化合物以外に、他の添加剤を含有させてもよい。他の添加剤の例には、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどが含まれる。これらの添加剤は、液晶性化合物等の必須成分に対し相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角の制御に寄与するか、又は配向を阻害しないことが好ましい。
(フルオロ脂肪族基含有ポリマー)
前記光学異方性層は、フルオロ脂肪族基含有ポリマーをさらに含有しているのが好ましい。該フルオロ脂肪族基含有ポリマーは、光学異方性層のムラの防止に寄与する。従来の大型液晶表示装置では、光学フィルムに起因する表示ムラの問題があったが、本発明の光学補償シートを用いることによって、大型液晶表示装置のムラを軽減し、大型液晶表示装置の画像品位を改善することができる。
本発明では、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーとして、下記一般式(3)で表されるモノマーから誘導される少なくとも一種の繰り返し単位を含む重合体を用いるのが好ましい。
Figure 2005215398
一般式(3)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R2)−を表し、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Xは酸素原子が好ましい。mは1〜6の整数であり、1又は2が好ましい。nは2〜4の整数であり、2又は3が好ましい。前記重合体は、複数種の前記一般式(3)で表されるモノマーの共重合体であってもよい。
一般式(3)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーのより具体的なモノマーの例を以下にあげるがこの限りではない。
Figure 2005215398
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前記フルオロ脂肪族化合物は、テロメリゼーション法(テロマー法)またはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法)により製造することができる。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme−1に例を示した)。
Figure 2005215398
得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば(Scheme2)のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換され、フルオロ脂肪族基含有ポリマーの製造に使用される。
Figure 2005215398
前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーは、さらに下記一般式(4)で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
Figure 2005215398
一般式(4)において、R3は水素原子又はメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換もしくは無置換のポリ(アルキレンオキシ)基、置換基もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖、又は炭素数4〜20の分岐もしくは炭素数3〜20の環状のアルキル基を示す。
Yが表す2価の連結基としては、酸素原子、イオウ原子または−N(R5)−が好ましい。ここでR5は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましい。R5は、より好ましくは、水素原子又はメチル基である。Yは、酸素原子、−N(H)−および−N(CH3)−がより好ましい。
4が表す置換換基を有してもよいポリ(アルキレンオキシ)基は、(RO)xで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−又は−CH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。
前記のポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレンオキシ単位はポリ(プロピレンオキシ)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のアルキレンオキシが不規則に分布されたものであってもよい。直鎖もしくは分岐状のプロピレンオキシ又はエチレンオキシ単位、直鎖もしくは分岐状のプロピレンオキシ単位のブロック又はエチレンオキシ単位のブロックとして存在するものであってもよい。
前記ポリ(アルキレンオキシ)鎖は、複数のポリ(アルキレンオキシ)単位同士が1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など、ここでPhはフェニレン基を表す)で連結されたものであってもよい。連鎖の結合が3つまたはそれ以上の原子価を有する場合には、分岐鎖のアルキレンオキシ単位を得ることができる。また、ポリ(アルキレンオキシ)基の化合物量は250〜3000が適当である。
4で表される炭素数1〜20の直鎖、炭素数4〜20の分岐または炭素数3〜20の環状のアルキル基の例には、直鎖および分岐してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等;シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基;及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基等の多環シクロアルキル基が含まれる。
4で表されるポリ(アルキレンオキシ)基またはアルキル基は置換されていてもよく、該置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等が挙げられるが、この限りではない。
前記一般式(4)で表されるモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートまたはポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
一般式(4)で示されるモノマーの具体例を次に示すが、この限りではない。
Figure 2005215398
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なお、ポリ(アルキレンオキシ)アクリレートおよびメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)材料、例えば商品名“プルロニック”(Pluronic(旭電化工業(株)製)、“アデカポリエーテル”(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”(Carbowax(グリコ・プロダクス))、“トリトン”(Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))および“P.E.G”(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。また、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーとしては、前記一般式(3)で表されるモノマーのホモポリマー、又は前記一般式(3)で表されるモノマーと前記一般式(4)で表されるモノマー(より好ましくは、ポリアルキレンオキシ(メタ)アクリレート、さらに好ましくはポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートまたはポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレート)との共重合体が好ましい。
本発明に用いるフルオロ脂肪族基含有ポリマーは、上記一般式(3)及び上記一般式(4)で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んだ、共重合体であってもよい。上記各モノマーと共重合可能なモノマーの好ましい共重合比率としては、全モノマー中の20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。このようなモノマーとしては、「PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)」の第2章の1〜483頁記載のものを用いることが出来る。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
具体的には、以下のモノマーを挙げることができる。
アクリル酸エステル類:
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど、
メタクリル酸エステル類:
フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど、
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど
ビニルエステル類:
ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β―フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど。
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類またはモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレートなど
その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなど。
前記フルオロ脂肪族基含有ポリマー中の前記一般式(3)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の5モル%以上であるのが好ましく、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上である。本発明のフルオロ脂肪族基含有ポリマー中の前記一般式(4)で表されるモノマーの量は、フルオロ脂肪族基含有ポリマーの構成モノマー総量の10モル%以上であるのが好ましく、より好ましくは15〜70モル%であり、さらに好ましくは20〜60モル%である。
前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの好ましい重量平均分子量は、3000〜100,000であり、より好ましく6,000〜80,000である。
更に、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの、光学異方性層形成用の組成物中における含有量は、好ましくは0.005〜8質量%であり、より好ましくは0.01〜1質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの添加量を0.005質量%以上とすることにより、より良好なものが得られ、また8質量%以下とすることにより、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に悪影響を及ぼすのをより効果的に防止できる。
前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーは公知の方法で製造することができる。例えば先にあげたフルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート等の単量体を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。また、場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
以下、本発明で用いられるフルオロ脂肪族基含有ポリマーの具体的な構造の例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは重量平均分子量を表す。
Figure 2005215398
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(1,3,5−トリアジン環基を有する化合物)
前記光学異方性層は、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を含有していてもよい。該化合物は、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物を、水平配向状態からハイブリッド配向状態に安定的に転移させるのに寄与する。本発明に使用可能な1,3,5−トリアジン環基を有する化合物としては、下記一般式(5)または(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005215398
一般式(5)において、L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し、A1、A2およびA3はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、m2、m3およびm4は0以上の整数を表す。R10、R11およびR12はそれぞれ独立に有機基であり、m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
Figure 2005215398
一般式(6)において、X4及びY4はそれぞれ独立に、NRa(Raは水素原子またはアルキル基を表す)、O及びSのいずれかを表し、Z4は二価の連結基を表し、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に、置換基を表す。
まず、前記一般式(5)で表される化合物について詳細に説明する。
1、L2およびL3で各々表される二価の連結基の例としては、例えば−CO−、―NRa−(Raはアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。より好ましくは、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる二価の連結基であり、さらに好ましくは−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群選ばれる二価の連結基、又は該群から選ばれる二価の連結基の2種又は3種の組み合わせである。最も好ましくは、−NRa−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる二価の連結基、又は該群から選ばれる二価の連結基の2種又は3種の組み合わせである。
1、A2およびA3で各々表されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また置換されていてもよい。前記置換もしくは無置換のアルキレン基は、炭素数2〜30のアルキレン基であるのが好ましく、その例には、−CH2−、−(CH22−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH32−及び−(CH24−)が含まれる。好ましくは−(CH22−、−CH2CH(CH3)−、−(CH24−である。
2、m3およびm4は0以上の整数を表わし、好ましくは1〜10で、より好ましくは1〜5である。
10、R11およびR12で各々表される有機基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル基、
シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、多シクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基またはトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族ヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、等が挙げられる。
10、R11およびR12で各々表される有機基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、前記一般式(1)においてArで表される芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基の置換基として挙げた基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R10、R11およびR12で各々表される有機基の置換基は、特に好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基である。
前記一般式(5)で表される化合物の中でも、下記一般式(5a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005215398
一般式(5a)において、A1、A2およびA3はそれぞれ独立し、アルキレン基を表し、m2、m3およびm4は0以上の整数を表し、R10、R11およびR12はそれぞれ独立し有機基であり、m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
一般式(5a)においてA1、A2およびA3、m2、m3およびm4、R10、R11およびR12は一般式(5)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同一である。
次に、前記一般式(6)で表される化合物について詳細に説明する。
式中、Z4で表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価のアリール基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
13、R14、R15およびR16で各々表される置換基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)基、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基)、やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が得に好ましい。)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェノキシ基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2、4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイ基ル、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、
アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールアゾ基およびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
上記置換基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基などが挙げられる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、それらの置換基は同一でも、異なっていてもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
好ましくはR13、R14、R15およびR16は、置換もしくは無置換のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基又はヘテロ環アミノ基であり、さらに好ましくは置換もしくは無置換のアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ)基、アリールアミノ基(例えばアニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2,4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基)である。
前記一般式(6)で表される化合物の中でも、下記一般式(6a)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2005215398
一般式(6a)において、Z5はポリ(アルキレンオキシ)基を表し、Raは水素原子またはアルキル基を表し、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ独立に置換基を表し、j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数を表す。j1、j2、j3およびj4が2以上のとき複数の、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数を表す。好ましくは1、2又は3である。
17、R18、R19およびR20で各々表される置換基の例としては、前記一般式(6)におけるR13、R14、R15およびR16として挙げた基が挙げられる。好ましくは置換もしくは無置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。さらに好ましくは置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ基、2−パーフルオロブチルエチルオキシ基、6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ基)である。
本発明に使用可能な1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005215398
Figure 2005215398
Figure 2005215398
1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の添加量としては、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのがさらに好ましい。
(光学異方性層の製造方法)
光学異方性層は、支持体表面に直接又は配向膜表面に、液晶性化合物等を含有する組成物を適用して形成することができる。光学異方性層形成用の組成物は、液晶性化合物、および種々の添加剤を含有する。これらの原料を溶媒に溶解して塗布液として、支持体表面等に塗布するのが好ましい。光学異方性層の形成に用いられる配向膜については特に制限はなく、ポリビニルアルコール等のポリマー層を形成した後、該ポリマー層の表面を所定の方向にラビング処理することによって形成された配向膜などが利用できる。配向膜として好ましい例は、特開平8−338913号公報に記載されている。前記配向膜の膜厚は、10μm以下であるのが好ましい。なお、配向膜は光学異方性層の形成時のみに用い、光学異方性層を形成した後は、剥離可能な場合は剥離してもよい。かかる場合は、仮支持体上に配向膜を形成し、配向膜上で光学異方性層を形成した後に、該光学異方性層を、透明支持体に転写して、本発明の光学補償シートを作製してもよい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。均一性の高い光学フィルムを作製する場合には、塗布液の表面張力は、25mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以下であることが更に好ましい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。本発明では、セルロースエステルが必須成分として光学異方性層形成用の塗布液中に含有されているので、塗布時のハジキ等、塗布欠陥の発生が軽減される。
前記塗布液を、支持体表面もしくは配向膜表面に塗布した後、液晶性分子を所望の配向状態にする。以下、液晶性分子をハイブリッド配向させて、光学異方性層を形成する方法について、詳細に説明する。まず、液晶性化合物を、セルロースエステル、前記一般式(1)で表される化合物、および所望により他の添加剤の存在下で水平配向させ(第一の配向工程)、その後、水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向に転移させる(第二の配向工程)のが好ましい。この方法によれば、配向欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向に、迅速に転移させることができ、生産性が改善される。
前記第一および/または第二の配向工程において、液晶性化合物に電場、磁場、放射線および熱の少なくとも1種を供与することによって、液晶性化合物を水平配向および/またはハイブリッド配向させることができる。例えば、第一と第二の配向工程において、外部から供与するエネルギーの大きさを変化させる(例えば、加熱により配向させる場合は、加熱温度を変化させる)ことによって、または供与するエネルギーの種類を替えることによって、液晶性化合物の配向状態を水平配向からハイブリッド配向へ転移することができる。製造適性の観点から、前記第一および第二の配向工程において、液晶性化合物の加熱温度を変化させることによって、水平配向からハイブリッド配向に転移させるのが好ましい。
前述した様に、外部からのエネルギーの供与によって、液晶性化合物を所望の配向状態に配向させることができるが、光学異方性層を配向膜上に形成することによって、または液晶性化合物の配向状態を制御し得る化合物(水平配向化剤等)を光学異方性層に添加することによっても、所望の配向状態を達成することもできる。特に、前記一般式(1)で表される化合物とともに、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物等の水平配向を促進する添加剤を用いると、より迅速に、欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を製造できるので好ましい。
前記光学異方性層の製造方法の好ましい態様としては、以下の方法を挙げることができる。
液晶性化合物、セルロースエステル、前記一般式(1)で表される化合物(好ましくは前記一般式(2)で表される化合物、より好ましくは前記一般式(1a)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物)、および所望により1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の存在下で、液晶性化合物を温度T1℃で水平配向させる第一の配向工程と、前記第一の配向工程の後、液晶性化合物を温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向させる第二の配向工程と、ハイブリッド配向した液晶性化合物をその配向状態に固定する固定化工程を含む光学異方性層の製造方法である。
前記第一の配向工程では、ネマチック相形成温度まで加熱し、さらに液晶相状態において水平配向状態をとる温度(T1℃)まで昇温する(第一の配向工程)。温度T1℃において、前記液晶(特にディスコティック液晶)は水平配向状態になる。その後、該液晶相状態を呈する温度範囲の高温度領域(T2℃)までさらに昇温して、ハイブリッド配向状態に転移させる(第二の配向工程)。最後に、UV光の照射等により重合し、配向状態を固定化する(固定化工程)。この製造方法によれば、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物が、ハイブリッド配向してなる光学異方性層を配向欠陥の発生を抑制しつつ、迅速に製造できる。
前記製造方法では、液晶性化合物の配向過程における温度制御が重要である。水平配向状態を呈する温度(T1℃)としては、50〜200℃が好ましく、70〜200℃がより好ましく、70〜120℃が特に好ましい。
水平配向状態を呈する温度(T1℃)は、ハイブリッド配向状態を呈する温度(T2℃)よりも低温である。その温度差(T2−T1)は10℃以上であるのが好ましく、20℃以上であるのがより好ましい。
なお、T1およびT2℃は、光学異方性層の膜面温度として測定される温度である。
液晶性化合物が水平配向化状態を呈する温度は、液晶性化合物および後述する添加剤の種類や添加量によって任意に制御することができ、それに応じて温度、T1およびT2を設定することができる。また、T1℃およびT2℃の各温度に維持する時間、ならびにT1℃からT2℃に変化させる時間については、液晶性化合物の種類等に応じて、適宜設定することができる。
液晶性化合物を、所望の配向状態とした後、その配向状態に固定して光学異方性層を形成する。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。塗布液中には、液晶性化合物の固定化に寄与する、重合性モノマーや重合開始剤を含有させるのが好ましい。重合性モノマーとしては、例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して、一般に1〜50質量%であり、5〜30質量%であるのが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができる。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各公報記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各公報記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号、米国特許4239850号の各公報記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20mJ/cm2〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
この様にして形成された光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。また、光学異方性層上に、保護層を設けてもよい。
(透明支持体)
本発明の光学補償シートは支持体を有する。支持体は、ガラス又は透明なポリマーフィルムであることが好ましい。支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボルネン系ポリマーおよびポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートンおよびゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。特に炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
なお、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、WO00/26705号公報に記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明の光学フィルムに用いることもできる。
偏光板保護フィルム、もしくは位相差フィルムに本発明の光学補償シートを利用する場合は、支持体として用いるポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0〜62.0%であることがさらに好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算によって求められる。
支持体として用いるセルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。本発明に用いるポリマーフィルムでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度または多い方が好ましい。2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
本発明の光学補償シートは、単独で液晶表示装置の部材に用いることができるが、偏光板と一体化して、偏光板中の一部材として液晶表示装置に組み込むこともできる。本発明の光学補償シートが一体化された偏光板は、偏光機能を有するのみならず、液晶表示装置の視野角の拡大にも寄与する。さらに、偏光膜の保護フィルムとして本発明の光学補償シートを用いた偏光板を用いることは、液晶表示装置の薄型化にも寄与する。
以下、本発明の光学補償シートを付加した偏光板について詳細に説明する。
[偏光板]
偏光板は一般に、基材フィルムに二色性物質を吸着、配向させて作製された偏光膜と、該偏光膜の少なくとも片面に貼合された保護膜とを有する。偏光膜の基材フィルムに使用されるポリマーとしては、ポリビニルアルコール(以下、PVA)系ポリマーが一般的である。二色性物質としてはヨウ素あるいは、二色性染料が単独、あるいは組み合わせて用いられる。保護膜としては、低複屈折性、透明性、適度な透湿性、寸度安定性等の物性が求められ、従来はセルロースアセテートフィルムが広く用いられ、その作製において塩素系有機溶媒であるメチレンクロライドを使用しており、環境保全の観点でその改良が望まれている。非塩素系有機溶媒を用いて作製されたセルロースアシレートフィルムは、その作製に際して非塩素系溶媒で流延しフィルム化することで、これらの改良したものである。
ここで偏光膜に用いるPVAは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性、偏光性、耐熱、耐湿性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、フィルム強度や耐熱、耐湿性、延伸性などから1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。また、PVAのシンジオタクチシチーについては特に限定されず、目的に応じ任意の値をとることもできる。
PVAを染色、延伸して偏光膜を作製する手順には、原反となるPVAフィルムを乾式または湿式で延伸した後、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬する方法、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液中でPVAフィルムを延伸し配向させる方法、ヨウ素あるいは二色性染料にPVAフィルムを浸漬後、湿式または乾式で延伸し配向させる方法などがある。また、PVA原反を溶液製膜法により製膜する際、PVA溶液中に二色性物質をあらかじめ含有させる手法もとることができる。
代表的な偏光板の湿式延伸による製造法を以下に述べる。まず、原反PVAフィルムを水溶液で予備膨潤する。次いで二色性物質の溶液に浸漬し、二色性物質を吸着させる。さらにホウ酸等のホウ素化合物の水溶液中で進行方向に一軸延伸する。必要に応じ色味調整浴、硬化浴等をこの後に設けても良い。ある程度乾燥したところでPVA等の接着剤を用い保護膜を貼合する。さらに乾燥して偏光板が得られる。
予備膨潤液中には、各種有機溶媒、無機塩、可塑剤、ホウ酸類等を水溶液中に添加してもよい。
染色液は、二色性物質としてヨウ素を用いる場合を例にすると、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液を用いる。ヨウ素は0.1〜20g/リットル、ヨウ化カリウムは1〜100g/リットル、ヨウ素とヨウ化カリウムの重量比は1〜100が好ましい。染色時間は30〜5000秒が好ましく、液温度は5〜50℃が好ましい。染色液中にホウ素化合物等PVAを架橋する化合物を含有させることも好ましい。延伸浴中のホウ素化合物は、ホウ酸が特に好ましい。ホウ酸濃度は、好ましくは1〜200g/リットルであり、さらに好ましくは10〜120g/リットルである。延伸浴には、ホウ素化合物の他にヨウ化カリウム等の無機塩、各種有機溶媒、あるいは二色性染料等を含むことができる。色味調整浴、硬化浴には二色性染料のほか、ヨウ化カリウム等の無機塩、ホウ素化合物等を必要に応じ含有させる。
PVAの延伸工程としては、上に例示した如く連続フィルムの進行方向に張力を付与し、進行方向にフィルムを延伸、配向させる方法が一般的であるが、いわゆるテンター方式等の延伸手段でフィルムの幅手方向に張力を付与し、幅手方向に配向させる方法も適用可能である。延伸は一軸方向に3倍以上行うことが好ましく、4.5倍以上がより好ましい。偏光膜の使用目的により二軸延伸を行ってもよい。延伸後の膜厚は特に限定されないが、取り扱い性、耐久性、経済性の観点より、5〜100μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。延伸時の温度は延伸条件によって異なるが、通常10〜250℃である。100℃以上の温度で乾式延伸する場合は、窒素等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、予め延伸したフィルムを染色する前には、100℃以上の温度で結晶化処理を行うことが好ましい。
染色方法としては上に例示した浸漬法だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、既に述べた液層吸着のみでなく、寄贈による吸着も必要に応じ行うことができる。二色性色素で染色することも好ましい。二色性色素の具体例としては、例えばアゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物をあげることができる。水溶性のものが好ましいが、この限りではない。又、これらの二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入されていることが好ましい。
二色性分子の代表的なものとしては、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド28、シー.アイ.ダイレクト.レッド39、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド83、シー.アイ.ダイレクト.レッド89、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、シー.アイ.アシッド.レッド37等が挙げられ、さらに特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開200048105号、特開200065205号、特開平7−261024号の各公報に記載の色素等を挙げることができる。特に、シー.アイ.ダイレクト.レッド28(コンゴーレッド)は古くよりこの用途に好ましいとして知られている。これらの二色性分子は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。
これらの二色性分子は2種以上を配合することにより、各種の色相を有する偏光子を製造することができる。偏光素子または偏光板として偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)や黒色を呈するように各種の二色性分子を配合したものが単板透過率、偏光率とも優れており好ましい。
偏光膜の耐熱、耐湿性を高める観点から、偏光膜の製造工程においてPVAに架橋させる添加物を含ませることが好ましい。架橋剤としては、米国再発行特許第232897号に記載のものが使用できるが、ホウ酸、ホウ砂が実用的に好ましく用いられる。また、亜鉛、コバルト、ジルコニウム、鉄、ニッケル、マンガン等の金属塩を偏光膜に含有させることも、耐久性を高めることが知られており好ましい。これら架橋剤、金属塩は、上に述べた予備膨潤浴、二色性物質染色浴、延伸浴、硬化浴、色調整浴等のいずれの工程に含有させても良く、工程の順序は特に限定されない。保護膜と偏光膜を接着する接着剤としては特に限定はなく、PVA系、変性PVA系、ウレタン系、アクリル系等、知られているものを任意に用いることができる。接着層の厚みは0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。
ラビング法では、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理方法を応用することができる。すなわち、膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る。一般には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフィルムのラップ角度は、0.1〜90度が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360度以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60度の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40〜50度が好ましい。45度が特に好ましい。
偏光膜の一方の表面には、本発明の光学補償シート(支持体表面が偏光膜と接する様に)貼合し、その反対側の表面には、セルロースアシレート等からなるポリマーフィルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)のが好ましい。
本発明の光学補償シートは、種々の液晶表示装置に用いることができる。本発明の光学補償シートは、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償するように、光学異方性層の光学特性を決定するのが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なるので、前記光学異方性層の光学特性の好ましい範囲も、用途によって異なる。液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2のP411〜414等に記載されている。
本発明の光学補償シートの光学特性は、前記した様に、その用途、例えば、いずれのモードの液晶セルの光学補償に用いられるかによって、好ましい範囲が異なる。一般的には、光学異方性層のReは0〜70nmであるのが好ましく、20〜70nmであるのがより好ましく、Rthは50〜400nmであるのが好ましく、100〜400nmであるのがより好ましい。かかる光学特性を示す光学異方性層を形成するには、例えば、ディスコティック液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向に固定して光学異方性層を形成する場合は、最小傾斜角0〜90°(より好ましくは0〜60°)で、且つ最大傾斜角が30〜90°(より好ましくは50〜90°)のハイブリッド配向とするのが好ましい。また、透明支持体のReは0〜70nmであるのが好ましく、0〜50nmであるのがより好ましく、Rthは、10〜400nmであるのが好ましく、40〜250nmであるのがより好ましい。但し、前記一例であり、本発明の光学補償シートの光学特性は、この範囲に限定されるものではない。なお、Re及びRthは、それぞれ以下の式で定義される。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
Re=(nx−ny)×d
式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、またnzはフィルムの厚み方向の屈折率である。そして、dは、フィルムの厚さである。
以下、液晶表示装置であって、各液晶モードにおける、本発明の光学補償シートの好ましい形態について説明する。
(TNモード液晶表示装置)
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホメオトロピック配向(円盤面が寝ている水平配向)のディスコティック液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向(長軸の傾きが偏光膜との距離に伴って変化している配向)のディスコティック液晶性化合物で補償することができる。また、セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホモジニアス配向(長軸が寝ている水平配向)の棒状液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向のディスコティック液晶性化合物で補償することもできる。
ホメオトロピック配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が85〜95度の状態で配向している。
ホモジニアス配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が5度未満の状態で配向している。
ハイブリット配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が15度以上であることが好ましく、15度〜85度であることがさらに好ましい。
(透明)支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層、さらにはホメオトロピック配向したディスコティック液晶性化合物とホモジニアス配向した棒状液晶性化合物の混合体からなる光学異方性層は、Rthレターデーション値が40nm〜200nmであり、Reレターデーション値が0〜70nmであることが好ましい。Rthレターデーション値(Rth)は、下記式(I)で定義される値であり、Reレターデーション値(Re)は、下記式(II)で定義される値である。
(I) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(II) Re=(nx−ny)×d
(式(I)、(II)において、nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは、フィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、またnzは、フィルムの厚み方向の屈折率である。そして、dは、フィルムの厚さである)。
ホメオトロピック配向(水平配向)しているディスコティック液晶性化合物層およびホモジニアス配向(水平配向)している棒状液晶性化合物層に関しては、特開平12−304931号および同12−304932号の各公報に記載されている。ハイブリット配向しているディスコティック液晶性化合物層に関しては、特開平8−50206号公報に記載がある。
(OCBモード液晶表示装置)
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性化合物を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各公報に開示されている。棒状液晶性化合物が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードと呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性化合物が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
黒表示にTNモードと液晶の配向は同じ状態であるため、好ましい態様もTNモード対応を同じである。ただし、TNモードに比べ、OCBモードの方がセル中央部で液晶性化合物が立ち上がった範囲が大きいために、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層について、若干のレターデーション値の調整が必要である。具体的には、(透明)支持体上のディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(VAモード液晶表示装置)
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性化合物が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
VAモードの液晶表示装置の黒表示において、液晶セル中の棒状液晶性化合物は、そのほとんどが、立ち上がった状態であるため、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層で液晶性化合物を補償し、別に、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向し、棒状液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の透過軸方向との角度が5度未満である光学異方性層で偏光板の視角依存性を補償することが好ましい。
(透明)支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(その他液晶表示装置)
ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 2.2 0
────────────────────────────────────
Figure 2005215398
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(CF−02)について、光学特性を測定した。
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、100nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥して、ポリビニルアルコール層を形成した。
(配向膜塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
Figure 2005215398
形成したポリビニルアルコール層の表面にラビング処理を施して、配向膜を形成した。ラビング処理は、ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行な方向に、配向膜にラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
下記の組成物を、102Kgのメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
一般式(1)の例示化合物(II−2) 0.09質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.045質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−11) 0.18質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
Figure 2005215398
調製した塗布液を、#3.4のワイヤーバーで、上記配向膜の表面に塗布し、さらに120℃の恒温ゾーンで2分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物をハイブリッド配向させた。次に、60℃の雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合して、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シート(KH−1)を作製した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は50nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(液晶性化合物の傾斜角評価)
光学異方性層における液晶性化合物の配向膜近傍の傾斜角および空気界面近傍の傾斜角を、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)pp. 143−147に記載されている手法で算出した。測定波長は632.8nmであった。結果は、第1表に示す。以下に示す実施例2〜7、ならびに比較例1及び2についても同様に、傾斜角を求めた。
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)を、前前述の方法に従って作製したPVA系偏光子(HF−1)の片側表面に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80U:富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子(HF−1)の反対側表面に貼り付けた。
偏光子(HF−1)の透過軸と、光学補償シートの支持体であるポリマーフィルム(PK−1)の遅相軸とが平行になるように配置した。偏光子(HF−1)の透過軸と上記トリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
(実施例2)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、一般式(1)の例示化合物(I−1)を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−2)、さらには、KH−2付偏光板(HB−2)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、48nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例3)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、一般式(1)の例示化合物(II−2)の代わりに、一般式(1)の例示化合物(II−3)を加えた以外は、実施例2と同様にして、光学補償シート(KH−3)、さらには、KH−3付偏光板(HB−3)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、48nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例4)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)の代わりに、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)を加えた以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−4)、さらには、KH−4付偏光板(HB−4)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、50nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例5)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)の代わりに、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)を加えた以外は、実施例2と同様にして、光学補償シート(KH−5)、さらには、KH−5付偏光板(HB−5)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、45nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例6)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、1,3,5―トリアジン環基を有する例示化合物(H−6)を添加し、フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−11)の代わりに、フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−67)を加え、光学異方性層の形成時の120℃の恒温ゾーンでの加熱を2分間から1分間に変えた以外は、実施例2と同様にして、光学補償シート(KH−6)、さらには、KH−6付偏光板(HB−6)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、40nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例7)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、1,3,5―トリアジン環基を有する例示化合物(H−6)を添加し、フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−11)の代わりに、フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P−67)を加え、光学異方性層の形成時の120℃の恒温ゾーンでの加熱を2分間から1分間に変えた以外は、実施例3と同様にして、光学補償シート(KH−7)、さらには、KH−7付偏光板(HB−7)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、42nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(比較例1)
光学異方性層形成用塗布液の調製において、一般式(1)の例示化合物(II−2)を添加しないかった以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H1)、さらには、KH−H1付偏光板(HB−H1)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、30nmであった。
(比較例2)
光学異方性層形成用塗布液の調製において、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H2)、さらには、KH−H2付偏光板(HB−H2)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、28nmであった。
(参考例1)
光学異方性層の加熱熟成方法を80℃の恒温ゾーンで1分間加熱した以外は、実施例6と同様にして光学補償シートを作製した。
(TN液晶セルでの評価)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例1で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。測定結果を第1表に示す。
(液晶表示装置パネル上でのムラ評価)
実施例1〜7、比較例1、2、および参考例1の液晶表示装置の表示パネルを全面中間調に調整し、ムラを評価した。結果を第1表に示す。
Figure 2005215398
上記表1に示した実施例1〜7と、比較例1及び2の結果からわかるように、前記一般式(1)で表される化合物及びセルロースエステルのうち一方のみを含有する光学異方性層は、液晶性化合物の空気界面における傾斜角が低すぎる(比較例1、2)ため、該光学異方性層を有する光学補償シートでは、液晶表示装置の視野角を充分に拡大することはできない。一方、前記一般式(1)で表される化合物及びセルロースエステルの双方を含有する光学異方性層は、液晶性化合物の空気界面における傾斜角が最適値に制御されているので、該光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に大きく寄与する。さらに、実施例6及び7と参考例1との比較から、光学異方性層は低温領域(80℃の恒温ゾーン)で水平配向を形成したのち、高温領域(120℃の恒温ゾーン)でハイブリッド配向に転移していることがわかる。
(実施例8)
実施例1で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを80、90、110、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、110、120、130nmに変えても、上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。
(実施例9)
実施例1で用いたレターデーション上昇剤を、下記のレターデーション上昇剤に代え、内層の添加量を1.4質量部にし、Rthを110nmにしたポリマー基材を作製した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには、光学補償シート付き偏光板を作製した。上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。
Figure 2005215398
(実施例10)
実施例9で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを80、90、100、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、100、120、130nmに変えても、上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。

Claims (11)

  1. 透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、セルロースエステルの少なくとも一種及び下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有する光学補償シート。
    一般式(1)
    (Rf−X−)mAr(−W)n
    [式(1)中、Arは(m+n)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Rfはアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、Wはスルホ基又はカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1又は2を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRfおよびXは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の光学補償シート。
    一般式(2)
    (Rf1−X1−)2Ar1(−W1n1
    [式(2)中、Ar1は(n1+2)価の芳香族ヘテロ環基又は芳香族炭化水素環基を表し、X1は単結合又は2価の連結基を表し、Rf1はフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、W1はスルホ基又はカルボキシル基を表し、n1は1又は2を表す。式中、2つのRf1−X1−は、同一でも異なっていてもよい。]
  3. 前記光学異方性層が、前記一般式(1)で表される化合物を少なくとも二種含有し、前記少なくとも二種の化合物のうち少なくとも一種が、前記一般式(2)で表される化合物である請求項2に記載の光学補償シート。
  4. 前記光学異方性層が、さらに、フルオロ脂肪族基含有ポリマーを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  5. 前記光学異方性層が、さらに、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  6. 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  7. 前記光学異方性層中、前記液晶性化合物がハイブリッド配向し、該ハイブリッド配向が固定されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
  9. 少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有する光学補償シートの製造方法であって、液晶性化合物の少なくとも一種を、セルロースエステルの少なくとも一種及び請求項1中に記載の一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
  10. 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学補償シートである偏光板。
  11. 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方が、偏光膜と該偏光膜の一方の表面であって液晶セルに近い側の表面に設けられた透明保護膜とを少なくとも有し、且つ該透明保護膜が請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学補償シートである液晶表示装置。

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