JP2005189286A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な光学補償シート、および該光学補償シートを用いた偏光板、液晶表示装置に関する。また、前記光学補償シートの製造方法に関する。
【解決手段】少なくとも、透明支持体と、該透明支持体上に設けられた配向膜および光学異方性層とからなり、前記光学異方性層は、液晶性化合物と、第一の化合物と、第二の化合物とを含み(但し、前記液晶性化合物、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ異なる化合物である。)、かつ、下記式を満足することを特徴とする光学補償シート。
10 < |θA−θB
(式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な光学補償シート、および該光学補償シートを用いた偏光板、液晶表示装置に関する。また、前記光学補償シートの製造方法に関する。
光学補償シートは画像着色解消や視野角拡大のために、様々な液晶表示装置で用いられている。従来から光学補償シートとしては延伸複屈折フイルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フイルムに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。この光学異方性層は、通常、ディスコティック液晶性化合物を含む組成物を配向膜上に塗布し、配向温度よりも高い温度に加熱してディスコティック液晶性化合物を配向させ、その配向状態を固定することにより形成される。
一般に、ディスコティック液晶性化合物は、大きな複屈折率を有するとともに、多様な配向形態がある。そして、ディスコティック液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
一方、ディスコティック液晶性化合物は、多様な配向形態が存在するため、所望の光学特性の発現には光学異方性層におけるディスコティック液晶性化合物の配向を制御する必要がある。特に、光学補償性能の発現には、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角を支持体面からの距離に伴って変化するように配向させる、いわゆる「ハイブリッド配向」の状態を実現することが重要であり、光学補償シートの性能、すなわち、視野角拡大、視角変化によるコントラスト低下、階調反転、黒白反転、および色相変化等を決める最も重要な因子となる。このハイブリッド配向は、ディスコティック液晶性化合物の配向の方位角を規制する目的で支持体上に設けられる配向膜表面の傾斜角と光学補償シートの最外面である空気側界面の傾斜角との差を利用して実現されている。ディスコティック液晶性化合物を用いて光学補償シートを塗設、乾燥した後、ディスコティック液晶性化合物は、空気界面と配向膜界面の両方でそれぞれ安定な傾斜角でモノドメイン配向する。その結果、膜の厚み方向に連続的に傾斜角が変化した配向状態が形成される。ディスコティック液晶性化合物は、空気界面では50度以上の高い傾斜角を持つ性質がある。そのため、ハイブリッド配向を実現するには、配向膜界面の傾斜角は、空気界面の傾斜角より大幅に小さくしなくてはならない。ポリビニルアルコールを用いた配向膜は、その傾斜角が0度に近いために目的のハイブリッド配向の実現に好適に用いられる(特許文献1)。
一方で所望の光学補償機能を得るためには、空気界面側の傾斜角を精密に制御する必要がある。通常の空気界面で得られる傾斜角である50度を凌ぐ角度を得る方法としてセルロース部分エステル化物を添加する方法(特許文献2)またはフッ素置換アルキル基と親水基(スルホ基が連結基を介してベンゼン環に結合した)を有する化合物を添加する方法(特許文献3の第7−10頁)が提案されている。しかし、本発明者がこれらの光学補償シートを実際に使用してみたところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に(理論的に期待できる程度まで)拡大しないものもあることが判明した。さらに、発明者は、光学補償機能が不充分になる理由の1つとして、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角が充分に制御できていないことがあると考えた。
また、これらの方法では、空気界面でディスコティック液晶性化合物を方位角方向で規制することができないため、方位角方向の異なる領域が生じ、その結果、配向欠陥(シュリーレン欠陥)が生じ易い状態を形成する。光学異方性層に配向欠陥が生じると光散乱が起こり、光学特性を損なうという問題がある。配向欠陥は、温度コントロールにより液晶状態を保持して充分な配向熟成時間を与えれば、ディスコティック液晶性化合物が欠陥を打ち消し合う様に配向の方位角方向を変動させて、時間と共に消失し、最終的にはモノドメイン化して無欠陥のハイブリッド配向が達成される。そのため、製造の効率化のために熟成時間を短縮すると、配向欠陥の発生が顕著になり易いという問題があり、モノドメイン化時間の短縮を実現させる技術の開発が必要であった。特に所望の光学性能を得るために、前記の化合物を添加して空気界面側の傾斜角を大きくした場合、欠陥消失速度が著しく遅延化して製造の極端な非効率化を招いてしまう。そのため、液晶性化合物のハイブリッド配向を効率的に促進すると共に、空気界面の傾斜角を精密に制御しうる技術の開発が強く望まれていた。
さらに、従来の技術では、主に、15インチ以下の小型あるいは中型の液晶表示装置を想定して、光学補償シートが開発されていた。しかし、最近では、17インチ以上の大型、かつ輝度の高い液晶表示装置も想定する必要がある。大型の液晶表示装置の偏光板に、従来技術の光学補償シートを保護フイルムとして装着したところ、パネル上にムラが発生していることが判明した。この欠陥は、小型あるいは中型の液晶表示装置では、あまり目立っていなかったが、大型化、高輝度化に対応して、光漏れムラに対処した光学フイルムをさらに開発する必要が生じている。ムラの改良を行う技術として、重合性液晶にレベリング剤を含有させる方法が開示されている(特許文献4)。しかしながら、発明者が検討したところ、この方法は重合性液晶がホモジニアス配向の場合にのみ有効であり、本発明のようにハイブリット配向をはじめとした複雑な配向には、適用できないことが判った。
特開平8−50206号公報 特開平8−95030号公報 特開2001−330725号公報 特開平11−148080号公報
本発明は、光学異方性層のハイブリッド配向する液晶性化合物の傾斜角を制御し、光学補償機能に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートおよびその製造方法を提供することを課題とする。とりわけ、空気界面側の傾斜角を制御し、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物を光学異方性層に含有する、TNモード、OCBモード、IPSモード等の液晶表示装置の視野角改善に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。さらに、大型の液晶表示装置に適用した場合でも表示品位の高い画像を表示することができる光学フイルムを提供することにある。
(1)少なくとも、透明支持体と、該透明支持体上に設けられた配向膜および光学異方性層とからなり、前記光学異方性層は、液晶性化合物と、第一の化合物と、第二の化合物とを含み(但し、前記液晶性化合物、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ異なる化合物である。)、かつ、下記式を満足することを特徴とする光学補償シート。
10 < |θA−θB
(式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)
(2)前記θA、θBともに30度以上90度以下であることを特徴する(1)に記載の光学補償シート。
(3)前記第一の化合物および第二の化合物が、それぞれ、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光学補償シート。
一般式(1)
(R−X−)mAr(−W)n
(一般式(1)中、Arは芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合または2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基を表し、第一の化合物、第二の化合物の少なくとも一方のRはフッ素置換されておらず、Wはスルホ基またはカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1または2を表す。)
(4)前記光学異方性層が、さらに、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光学補償シート。
(5)前記光学異方性層が、フルオロ脂肪族基含有ポリマーを含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光学補償シート。
(6)前記液晶性化合物がディスコティック液晶性化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の光学補償シート。
(7)前記光学異方性層が、ハイブリッド配向した液晶性化合物を含み、かつ、該ハイブリッド配向した液晶性化合物が固定されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の光学補償シート。
(8)少なくとも、透明支持体と、該透明支持体上に設けられた配向膜および光学異方性層とからなり、前記光学異方性層は、液晶性化合物と、第一の化合物と、第二の化合物とを含み(但し、前記液晶性化合物、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ異なる化合物である。)、かつ、下記式を満足する光学補償シートの製造方法であって、
10 < |θA−θB
(式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)、
前記支持体に前記液晶性化合物を水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
(9)少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とからなり、該透明保護膜が、(1)〜(7)のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
(10)少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方は、少なくとも、偏光膜と該偏光膜の片面であって液晶セルに近い側に設けられた透明保護膜とからなり、かつ、該透明保護膜が(1)〜(7)のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする液晶表示装置。
(11)前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが、少なくとも、下記一般式(2)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合させた重合体であることを特徴とする(4)〜(7)のいずれかに記載の光学補償シート。
一般式(2)
Figure 2005189286

(一般式(2)においてR1は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R2)−を表し、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1〜6の整数、nは2〜4の整数を表す。R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(12)前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが、さらに、下記一般式(3)で表されるモノマーを重合させた重合体であることを特徴とする(11)に記載の光学補償シート。
一般式(3)
Figure 2005189286
(一般式(3)において、R3は水素原子またはメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換または無置換のポリ(アルキレンオキシ)基、または置換基または無置換の炭素数1〜20の直鎖、炭素数4〜20の分岐または炭素数3〜20の環状のアルキル基を示す。)
本発明によりハイブリッド配向する液晶性化合物の傾斜角とりわけ空気界面側の傾斜角を制御させ、光学補償機能に優れた新規な光学補償シートを提供することができる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の光学補償シートの実施の形態について詳細に説明する。本発明の光学異方性層は、液晶性化合物と第一の化合物および第二の化合物とを含む。ここで、前記液晶性化合物と前記第一の化合物と前記第二の化合物とは、それぞれ異なる化合物である。そして、本発明の光学補償シートは、下記式を満足する。
10 < |θA−θB
(式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)
第一の化合物および第二の化合物の質量混合比は、好ましくは100:20〜20:100、特に好ましくは100:40〜40:100、最も好ましくは100:60〜60:100である。
本発明の光学補償シートの傾斜角は、配向膜側が好ましくは、0度〜90度の範囲のものであり、特に好ましくは0度〜60度の範囲のものであり、最も好ましくは0度〜30度の範囲のものである。空気界面側が好ましくは、0度〜90度の範囲のものであり、さらに好ましくは30度〜90度の範囲のものであり、特に好ましくは50度〜90度の範囲のものであり、最も好ましくは70度〜90度の範囲のものである。また|θA−θB|は、好ましくは10度〜60度の範囲であり、特に好ましくは10度〜40度の範囲であり、最も好ましくは10度〜20度の範囲である。|θA−θB|が10度未満では第一の化合物または第二の化合物のみを含む場合の傾斜角と変わらず、空気界面の傾斜角を充分に制御することが出来ない。
本発明における液晶性化合物は、ハイブリッド配向していることが好ましい。ここで、ハイブリット配向とは、液晶性化合物の長軸方向(例えば、ディスコティック液晶性化合物の場合はコアの円盤面)と液晶層の水平面(例えば液晶層が支持体上に形成されている場合は支持体の表面)とのなす角度(本発明では「傾斜角」と定義する)が、液晶層の厚さ方向に連続的に変化する配向をいう。また、「水平配向」とは、液晶層の水平面(例えば液晶層が支持体上に形成されている場合は支持体の表面)に対して液晶性化合物の長軸方向(例えば、ディスコティック液晶性化合物の場合、コアの円盤面)が平行であることをいう。但し、本発明において、厳密に平行であることを要求するものではなく、液晶性化合物の長軸方向と水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。前記第一の配向工程において、液晶性化合物が水平配向した際の傾斜角は5度以下が好ましく、3度以下がより好ましく、2度以下がさらに好ましく、1度以下が最も好ましい。前記傾斜角は0度であってもよい。
第一の化合物および第二の化合物は、上記の条件を満たす限り特に限定されないが、特に下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)
(R−X−)mAr(−W)n
一般式(1)中、Arは芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合または2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基を表し、Wはスルホ基またはカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1または2を表す。Arは芳香族炭化水素環基であるのが好ましい。
前記一般式(1)中、Arで表される芳香族ヘテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12の芳香族ヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、フラン環基、ピロール環基、イミダゾール環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、ピリジン環基、ピリミジン環基、1,3,5−トリアジン環基、インドール環基、インダゾール環基、キノリン環基、カルバゾール環基が好ましい。Arで表される芳香族炭化水素環基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基であり、炭素数6のものが最も好ましい。
Arで表される芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては以下の基を挙げることができる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)。なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基は、さらに、これらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
Xで表される2価の連結基はアルキレン基、アルケニレン基、2価のアリール基、2価のヘテロ環基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。2価の連結基は、アルキレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−およびそれらの群より選ばれる2価の連結基を少なくとも2つ組み合わせた基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、可能であれば前述のAr1の置換基として例示された基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基など)によって置換されていてもよい。
Xは2価の連結基が好ましく、なかでもアルキレン基、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基であることが特に好ましい。
Rで表されるアルキル基は環状構造または分岐構造を有していてもよく、炭素数6〜60のアルキル基が好ましく、炭素数7〜50のアルキル基がより好ましく、炭素数8〜40のアルキル基がさらに好ましく、炭素数8〜30のアルキル基が特に好ましく、炭素数8〜20のアルキル基が最も好ましい。
Rで表されるアルキル基は、可能であれば前述のArの置換基として例示された基によって置換されていてもよい。置換基としてはハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。Rがフッ素原子で置換されたアルキル基を表す場合、末端がCF3基であることが好ましく、炭素数は、1〜20であることがより好ましく、4〜16であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。前記末端にCF3基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましく、アルキル基に含まれる水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されていることが好ましく、60%以上が置換されていることがより好ましい。
以下に、Rの具体例を示す。
Figure 2005189286
Wはスルホ基であることが好ましく、mは1または2が好ましく、nは1が好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005189286
Figure 2005189286
Figure 2005189286
Figure 2005189286
Figure 2005189286
前記一般式(1)で表される化合物は、一般的なヒドロキシ基のアルキル化反応、エステル化反応、およびアミド化反応等を組み合わせることによって容易に合成することができる。
第一の化合物および第二の化合物で表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の量の0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
次にフルオロ脂肪族基含有重合体について説明する。該フルオロ脂肪族基含有重合体は、例えば、光学フイルムのムラ防止剤として利用することができる。したがって、その光学フイルムを大型の液晶表示装置に適用することにより、よりムラを生じることがなく、表示品位の高い画像を表示することが可能となる。
以下、本発明に係るフルオロ脂肪族基含有重合体について詳細に説明する。
本発明で用いるフルオロ脂肪族基含有重合体は上記一般式(2)で表されるモノマーを含む重合体、一般式(2)および(3)で表されるモノマーを含む重合体、さらに、これらモノマーと重合可能なビニル系モノマーが重合した重合体も好ましい。重合体は、具体的には、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂が好ましい。なお、本発明でいう重合とは、1種類のモノマーを重合する場合のほか、2種類以上のモノマーを共重合する場合を含む趣旨である。
本発明にかかわるフルオロ脂肪族基含有重合体におけるフルオロ脂肪族基の1つは、テロメリゼーション法(テロマー法)またはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれるものである。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme−1に例を示した)。
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得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば(Scheme2)のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換されフルオロ脂肪族基含有ポリマーの製造に使用される。
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上記一般式(2)においては、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子、または−N(R2)−を表し、Hfは水素原子またはフッ素原子を表す。ここでR2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Xは酸素原子が好ましい。
一般式(2)中のmは1〜6の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
一般式(2)中のnは2〜4であって、特に2または3が好ましく、また、これらの混合物を用いてもよい。
一般式(2)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーのより具体的なモノマーの例を以下にあげるがこの限りではない。
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一般式(3)において、R3は水素原子またはメチル基を表し、Yは2価の連結基を表す。2価の連結基としては、酸素原子、イオウ原子または−N(R5)−が好ましい。ここでR5は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましい。R5のより好ましい形態は水素原子およびメチル基である。
Yは、酸素原子、−N(H)−および−N(CH3)−がより好ましい。
4は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、炭素数4〜20の分岐、または炭素数3〜20の環状のアルキル基を表す。
ポリ(アルキレンオキシ)基は(RO)xで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、または−CH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。
前記のポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレンオキシ単位はポリ(プロピレンオキシ)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のアルキレンオキシが不規則に分布されたものであっても良く、直鎖または分岐状のプロピレンオキシまたはエチレンオキシ単位であったり、または直鎖または分岐状のプロピレンオキシ単位のブロックおよびエチレンオキシ単位のブロックのように存在するものであっても良い。
このポリ(アルキレンオキシ)鎖は、複数のポリ(アルキレンオキシ)単位同士が1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など、ここでPhはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連鎖の結合が3つまたはそれ以上の原子価を有する場合には、これは分岐鎖のアルキレンオキシ単位を得るための手段を供する。またこの重合体を本発明に用いる場合には、ポリ(アルキレンオキシ)基の化合物量は250〜3000が適当である。
4で表される炭素数1〜20の直鎖、炭素数4〜20の分岐または炭素数3〜20の環状のアルキル基としては、直鎖および分岐してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基およびビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
4で表されるポリ(アルキレンオキシ)基またはアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。
一般式(3)で表されるモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートまたはポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
一般式(3)で示されるモノマーの具体例を次に示すが、この限りではない。
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なお、ポリ(アルキレンオキシ)アクリレートおよびメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)材料、例えば商品名“プルロニック”(Pluronic(旭電化工業(株)製)、“アデカポリエーテル”(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”(Carbowax(グリコ・プロダクス))、“トリトン”(Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))および“P.E.G”(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
本発明のフルオロ脂肪族基含有重合体としては、一般式(2)で表されるモノマーのホモポリマーまたは一般式(2)で表されるモノマーとポリアルキレンオキシ(メタ)アクリレートとの重合体が好ましく、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートまたはポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレートを含むことが特に好ましい。
本発明に用いる上記一般式(2)で表されるモノマーと一般式(3)で表されるモノマーの重合体は、上記各モノマーの他に、さらにこれらと共重合可能なモノマーをも加えて反応させた重合体であってもよい。この共重合可能なモノマーの好ましい共重合比率としては、全モノマー中の20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。このようなモノマーとしては、「PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)」の第2章の1〜483頁記載のものを用いることが出来る。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
具体的には、以下のモノマーをあげることができる。
アクリル酸エステル類:
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど、
メタクリル酸エステル類:
フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど、
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど
ビニルエステル類:
ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β―フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど。
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類またはモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレートなど
その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなど。
本発明で用いられるフルオロ脂肪族基含有重合体中の一般式(2)で示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の5モル%以上であり、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは30モル%以上である。
本発明のフルオロ脂肪族基含有重合体中の一般式(2)で示されるモノマーの量は、フルオロ脂肪族基含有重合体の構成モノマー総量の10モル%以上であり、好ましくは15〜70モル%であり、より好ましくは20〜60モル%である。
本発明で用いられるフルオロ脂肪族基含有重合体の好ましい重量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、6,000〜80,000がより好ましい。
更に、液晶性化合物を主とする塗布組成物(溶媒を除いた塗布成分)に対する本発明に係るフルオロ脂肪族基含有重合体の好ましい含有量は、0.005〜8質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜1質量%の範囲であり、更に好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲である。フルオロ脂肪族基含有重合体の添加量が0.005質量%以上とすることにより、より良好なものが得られ、また、8質量%以下とすることにより、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フイルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に悪影響を及ぼすのをより効果的に防止できる。
本発明で用いられるフルオロ脂肪族基含有重合体は公知の方法で製造することができる。例えば先にあげたフルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート等の単量体を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。また、場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
以下、本発明で用いられるフルオロ脂肪族基含有重合体の具体的な構造の例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは重量平均分子量を表す。
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(光学異方性層の製造方法)
本発明の光学異方性層の製造方法は、液晶性化合物をハイブリッド配向状態に固定することを特徴とする製造方法であって、液晶性化合物を水平配向させる第一の配向工程と、水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる第二の配向工程と、ハイブリッド配向した液晶性化合物をその配向状態に固定する固定化工程とを含む。本発明の製造方法では、液晶性化合物を一旦水平配向させた後、ハイブリッド配向に転移させることにより、配向欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向に迅速に転移させて製造している。
前記第一および/または第二の配向工程において、液晶性化合物に電場、磁場、放射線および熱の少なくとも1種を供与することによって、液晶性化合物を水平配向および/またはハイブリッド配向させることができる。例えば、第一と第二の配向工程において、外部から供与するエネルギーの大きさを変化させる(例えば、加熱により配向させる場合は、加熱温度を変化させる)ことによって、または供与するエネルギーの種類を替えることによって、液晶性化合物の配向状態を調整することができる。製造適性の観点から、前記第一および第二の配向工程において、液晶性化合物の加熱温度を変化させることによって、水平配向からハイブリッド配向に転移させるのが好ましい。
本発明では、前述した様に、外部からのエネルギーの供与によって、液晶性化合物を所望の配向状態に配向させることができるが、光学異方性層を配向膜上に形成することによって、または液晶性化合物の配向状態を制御し得る化合物(水平配向化剤等)を光学異方性層に添加することによっても、所望の配向状態を達成することができる。特に、後述する水素結合性基を有する化合物をはじめとする、水平配向を促進する添加剤を用いると、より迅速に、欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を製造できるので好ましい。
本発明の光学異方性層の製造方法の好ましい態様としては、以下の方法を挙げることができる。
前記第一の化合物、第二の化合物、および1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の存在下で、液晶性化合物を温度T1℃で水平配向させる第一の配向工程と、前記第一の配向工程の後、液晶性化合物を温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向させる第二の配向工程と、ハイブリッド配向した液晶性化合物をその配向状態に固定する固定化工程を含む光学異方性層の製造方法である。
前記第一の配向工程では、例えば、ディスコディック液晶性化合物、前記第一の化合物、第二の化合物、および1,3,5−トリアジン環基を有する化合物、および適宜光学異方性層の形成に必要な化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布したのち乾燥するのが好ましい。次いで、ネマチック相形成温度まで加熱し、さらに液晶相状態において水平配向状態をとる温度(T1℃)まで昇温する(第一の配向工程)。温度T1℃において、前記ディスコティック液晶は水平配向状態になる。その後、該液晶相状態を呈する温度範囲の高温度領域(T2℃)までさらに昇温して、ハイブリッド配向状態に転移させる(第二の配向工程)。最後に、UV光の照射等により重合し配向状態を固定化する(固定化工程)。この製造方法によれば、ディスコティック液晶性化合物がハイブリッド配向してなる光学異方性層を配向欠陥の発生を抑制しつつ、迅速に製造できる。
前記製造方法では、液晶性化合物の配向過程における温度制御が重要である。水平配向状態を呈する温度(T1℃)としては、50〜200℃が好ましく、70〜200℃がより好ましく、70〜120℃が特に好ましい。
水平配向状態を呈する温度(T1℃)は、ハイブリッド配向状態を呈する温度(T2℃)よりも低温である。その温度差(T2−T1)は10℃以上であるのが好ましく、20℃以上であるのがより好ましい。
なお、T1およびT2℃は、光学異方性層の膜面温度として測定される温度である。
液晶性化合物が水平配向化状態を呈する温度は、液晶性化合物および後述する添加剤の種類や添加量によって任意に制御することができ、それに応じて温度、T1およびT2を設定することができる。また、T1℃およびT2℃の各温度に維持する時間、ならびにT1℃からT2℃に変化させる時間については、液晶性化合物の種類等に応じて、適宜設定することができる。
次に、本発明の製造方法に用いられる1,3,5−トリアジン環基を有する化合物について詳細に説明する。
本発明に使用可能な1,3,5−トリアジン環基を有する化合物としては、下記一般式(4)または(5)で表される化合物が好ましい。
一般式(4)
Figure 2005189286
一般式(4)において、L1、L2およびL3は単結合または二価の連結基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。A1、A2およびA3はアルキレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。m2、m3およびm4は0以上の整数を表す。R10、R11およびR12は有機基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
一般式(5)
Figure 2005189286
一般式(5)において、X4、Y4はNRa(Raは水素原子またはアルキル基を表す)、O、Sのいずれかを表し、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。Z4は二価の連結基をあらわす。R13、R14、R15およびR16は置換基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
まず、前記一般式(4)で表される化合物について詳細に説明する。
1、L2およびL3で各々表される二価の連結基の例としては、例えば−CO−、―NRa−(Raはアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。より好ましくは、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−およびそれらの群より選ばれる二価の連結基を少なくとも2つ組み合わせである。さらに好ましくは−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−およびそれらの群より選ばれる二価の連結基の2または3つ組み合わせである。もっとも好ましくは−NRa−、−O−、−S−およびそれらの群より選ばれる二価の連結基の2または3つ組み合わせである。
1、A2およびA3はアルキレン基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキレン基で、好ましくは炭素数2〜30のアルキレン基であり、例えば−CH2−、−(CH22−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH32−、−(CH24−)である。好ましくは−(CH22−、−CH2CH(CH3)−、−(CH24−である。
2、m3およびm4は0以上の整数を表わし、好ましくは1〜10で、より好ましくは1〜5である。
10、R11およびR12で各々表される有機基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル基、
シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、多シクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基またはトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族ヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、等が挙げられる。
10、R11およびR12で各々表される有機基は置換基を有してもよく、置換基としては前記一般式(1)においてArで表される芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基の置換基として挙げた基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R10、R11およびR12で各々表される有機基の置換基は、特に好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。
特に好ましくは前記一般式(4)は、下記一般式(4a)である。
一般式(4a)
Figure 2005189286
一般式(4a)において、A1、A2およびA3はアルキレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。m2、m3およびm4は0以上の整数を表す。R10、R11およびR12は有機基であり、それぞれ同一でも異なっていても良い。m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
一般式(4a)においてA1、A2およびA3、m2、m3およびm4、R10、R11およびR12は一般式(4)で示したものと同義であり、好ましい範囲も同一である。
次に、前記一般式(5)で表される化合物について詳細に説明する。
4で表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価のアリール基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
13、R14、R15およびR16で各々表される置換基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)基、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基)、やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が得に好ましい。)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェノキシ基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2、4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイ基ル、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、
アルキル基およびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール基およびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
好ましくはR13、R14、R15およびR16は、置換たまは無置換のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基であり、さらに好ましくは置換または無置換のアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ)基、アリールアミノ基(例えばアニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2、4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基)である。置換基としては前述のR13、R14、R15およびR16の置換基として挙げた例が挙げられる。
特に好ましくは、前記一般式(5)は、下記一般式(5a)である。
一般式(5a)
Figure 2005189286
一般式(5a)において、Z5はポリ(アルキレンオキシ)基を表し、Raは水素原子またはアルキル基を表し、R17、R18、R19およびR20は置換基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数をあらわし、j1、j2、j3およびj4が2以上のとき複数の、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数をあらわす。好ましくは1、2、3の整数である。
17、R18、R19およびR20で各々表される置換基の例としては、前記一般式(5)におけるR13、R14、R15およびR16として挙げた基が挙げられる。好ましくは置換または無置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。さらに好ましくは置換または無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ基、2−パーフルオロブチルエチルオキシ基、6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ基)である。
1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005189286
Figure 2005189286
Figure 2005189286
本発明において、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の添加量としては、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)の量の0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
以下、光学フイルムに必要な構成材料について説明する。
(透明支持体)
本発明の透明支持体は、ガラス、もしくは透明なポリマーフイルムであることが好ましい。
支持体は、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフイルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボルネン系ポリマーおよびポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートンおよびゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。特に炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
なお、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、WO00/26705号公報に記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明の光学フイルムに用いることもできる。
偏光板保護フイルム、もしくは位相差フイルムに本発明の光学フイルムを使用する場合は、ポリマーフイルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0〜62.0%であることがさらに好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算によって求められる。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。本発明に用いるポリマーフイルムでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度または多い方が好ましい。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。
6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
(光学異方性層)
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2のP411〜414等に記載されている。
光学異方性層は、支持体上に直接液晶性化合物から形成するか、もしくは配向膜を介して液晶性化合物から形成する。配向膜は、10μm以下の膜厚を有することが好ましい。
光学異方性層に用いる液晶性化合物には、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物が含まれる。棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
本発明の配向膜として好ましい例は、特開平8−338913号公報に記載されている。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
本発明のように非常に均一性の高い光学フイルムを作製する場合には、表面張力が25mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以下であることが更に好ましい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
(棒状液晶性化合物)
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、本発明の棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載のものを採用できる。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基またはエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
(ディスコティック液晶性化合物)
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年))に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻、70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告(J.Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
ディスコティック液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。ディスコティック液晶性化合物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物がディスコティック液晶性化合物である必要はなく、例えば、低分子のディスコティック液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(III)
D(−LQ)n
(一般式(III)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。)
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
ハイブリッド配向では、ディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)と支持体の面との角度、すなわち傾斜角が、光学異方性層の深さ(すなわち、透明支持体に垂直な)方向でかつ偏光膜の面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。しかしながら、傾斜角は連続的に変化することが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)の平均方向(各分子の長軸方向の平均)は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック液晶性化合物の長軸(円盤面)方向は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいはディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤および重合性モノマーは、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。添加成分の中でも重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物)の添加が好ましい。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることが出来る。
光学異方性層には、本発明に係る前記のフルオロ脂肪族系ポリマーが含まれているが、さらに別のポリマーをディスコティック液晶性化合物とともに使用してもよく、そのポリマーは、ディスコティック液晶性化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
(液晶性分子の配向状態の固定)
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各公報記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各公報記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号、米国特許4239850号の各公報記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20mJ/cm2〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
(偏光膜)
本発明の光学フイルムは、偏光板と貼り合せるか、偏光板の偏光膜を保護する保護フイルムとして使用することで、その機能を著しく発揮することができる。
本発明の偏光膜は、Optiva社製のものに代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素または二色性色素からなる偏光膜が好ましい。
偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
汎用の偏光子は、例えば、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製することができる。
汎用の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。一方、厚みの上限については、特に限定はしないが、偏光板を液晶表示装置に使用した場合に発生する光漏れ現象の観点からは、薄ければ薄い程よい。現在、汎用の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置では、観察されなくなる。
偏光膜のバインダーは架橋していてもよい。架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてバインダー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、バインダー間を架橋することにより形成することができる。
架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行なうことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できれば良いため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行なっても良い。
偏光膜のバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。ポリマーの例には、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリビニルトルエン、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、塩素化ポリオレフィン(例、ポリ塩化ビニル)、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびそれらのコポリマー(例、アクリル酸/メタクリル酸重合体、スチレン/マレインイミド重合体、スチレン/ビニルトルエン重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル重合体、エチレン/酢酸ビニル重合体)が含まれる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールのケン化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましく、95〜100%が最も好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000が好ましい。
変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対して、共重合変性、連鎖移動変性あるいはブロック重合変性により変性基を導入して得られる。共重合変性では、変性基として、−COONa、−Si(OH)3、N(CH33・Cl、C919COO−、−SO3Na、−C1225を導入することができる。連鎖移動変性では、変性基として、−COONa、−SH、−SC1225を導入することができる。変性ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3000が好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある。
ケン化度が85〜95%の未変性ポリビニルアルコールおよびアルキルチオ変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、2種以上を併用してもよい。
バインダーの架橋剤は、多く添加すると、偏光膜の耐湿熱性を向上させることができる。ただし、バインダーに対して架橋剤を50質量%以上添加すると、ヨウ素、もしくは二色性色素の配向性が低下する。架橋剤の添加量は、バインダーに対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。
バインダーは、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。ただし、残存する架橋剤の量は、バインダー中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。バインダー層中に1.0質量%を超える量で架橋剤が含まれていると、耐久性に問題が生じる場合がある。すなわち、架橋剤の残留量が多い偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合に、偏光度の低下が生じることがある。
架橋剤については、米国再発行特許23297号公報に記載がある。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も、架橋剤として用いることができる。
二色性色素としては、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素あるいはアントラキノン系色素が用いられる。二色性色素は、水溶性であることが好ましい。二色性色素は、親水性置換基(例、スルホ、アミノ、ヒドロキシル)を有することが好ましい。
二色性色素の例には、C.I.ダイレクト・イエロー12、C.I.ダイレクト・オレンジ39、C.I.ダイレクト・オレンジ72、C.I.ダイレクト・レッド39、C.I.ダイレクト・レッド79、C.I.ダイレクト・レッド81、C.I.ダイレクト・レッド83、C.I.ダイレクト・レッド89、C.I.ダイレクト・バイオレット48、C.I.ダイレクト・ブルー67、C.I.ダイレクト・ブルー90、C.I.ダイレクト・グリーン59、C.I.アシッド・レッド37が含まれる。二色性色素については、特開平1−161202号、同1−172906号、同1−172907号、同1−183602号、同1−248105号、同1−265205号、同7−261024号の各公報に記載がある。二色性色素は、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩として用いられる。2種類以上の二色性色素を配合することにより、各種の色相を有する偏光膜を製造することができる。偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)を用いた偏光膜、あるいは黒色を呈するように各種の二色性分子を配合した偏光膜または偏光板が、単板透過率および偏光率とも優れており好ましい。
液晶表示装置のコントラスト比を高めるためには、偏光板の透過率は高い方が好ましく、偏光度も高い方が好ましい。偏光板の透過率は、波長550nmの光において、30〜50%の範囲にあることが好ましく、35〜50%の範囲にあることがさらに好ましく、40〜50%の範囲にある(偏光板の単板透過率の最大値は50%である)ことが最も好ましい。偏光度は、波長550nmの光において、90〜100%の範囲にあることが好ましく、95〜100%の範囲にあることがさらに好ましく、99〜100%の範囲にあることが最も好ましい。
偏光膜と光学異方性層、あるいは、偏光膜と配向膜を、接着剤を介して配置することも可能性である。接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基による変性ポリビニルアルコールを含む)やホウ素化合物水溶液を用いることができる。その中でもポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。接着剤層の厚みは、乾燥後に0.01〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜5μmの範囲にあることが特に好ましい。
(偏光板の製造)
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10〜80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。
通常の傾斜角度は45度である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45度でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
延伸法の場合、延伸倍率は2.5〜30.0倍が好ましく、3.0〜10.0倍がさらに好ましい。延伸は、空気中でのドライ延伸で実施できる。また、水に浸漬した状態でのウェット延伸を実施してもよい。ドライ延伸の延伸倍率は、2.5〜5.0倍が好ましく、ウェット延伸の延伸倍率は、3.0〜10.0倍が好ましい。延伸工程は、斜め延伸を含め数回に分けて行ってもよい。数回に分けることによって、高倍率延伸でもより均一に延伸することができる。斜め延伸前に、横あるいは縦に若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度)を行ってもよい。
延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフイルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフイルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10〜80度斜め延伸されたバインダーフイルムが製造される。
ラビング法では、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理方法を応用することができる。すなわち、膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る。一般には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフイルムのラップ角度は、0.1〜90度が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360度以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。
長尺フイルムをラビング処理する場合は、フイルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフイルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60度の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40〜50度が好ましい。45度が特に好ましい。
偏光膜の光学異方性層とは反対側の表面には、ポリマーフイルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフイルムの配置とする)ことが好ましい。
以下、液晶表示装置であって、各液晶モードにおける光学異方性層の好ましい形態について説明する。
(TNモード液晶表示装置)
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホメオトロピック配向(円盤面が寝ている水平配向)のディスコティック液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向(長軸の傾きが偏光膜との距離に伴って変化している配向)のディスコティック液晶性化合物で補償することができる。
また、セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホモジニアス配向(長軸が寝ている水平配向)の棒状液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向のディスコティック液晶性化合物で補償することもできる。
ホメオトロピック配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が85〜95度の状態で配向している。
ホモジニアス配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が5度未満の状態で配向している。
ハイブリット配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が15度以上であることが好ましく、15度〜85度であることがさらに好ましい。
(透明)支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層、さらにはホメオトロピック配向したディスコティック液晶性化合物とホモジニアス配向した棒状液晶性化合物の混合体からなる光学異方性層は、Rthレターデーション値が40nm〜200nmであり、Reレターデーション値が0〜70nmであることが好ましい。Rthレターデーション値(Rth)は、下記式(I)で定義される値であり、Reレターデーション値(Re)は、下記式(II)で定義される値である。
(I) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(II) Re=(nx−ny)×d
(式(I)、(II)において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であり、またnzは、フイルムの厚み方向の屈折率である。そして、dは、フイルムの厚さである)。
ホメオトロピック配向(水平配向)しているディスコティック液晶性化合物層およびホモジニアス配向(水平配向)している棒状液晶性化合物層に関しては、特開平12−304931号および同12−304932号の各公報に記載されている。ハイブリット配向しているディスコティック液晶性化合物層に関しては、特開平8−50206号公報に記載がある。
(OCBモード液晶表示装置)
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性化合物を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各公報に開示されている。棒状液晶性化合物が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードと呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性化合物が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
黒表示にTNモードと液晶の配向は同じ状態であるため、好ましい態様もTNモード対応を同じである。ただし、TNモードに比べ、OCBモードの方がセル中央部で液晶性化合物が立ち上がった範囲が大きいために、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層について、若干のレターデーション値の調整が必要である。具体的には、(透明)支持体上のディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(VAモード液晶表示装置)
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性化合物が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
VAモードの液晶表示装置の黒表示において、液晶セル中の棒状液晶性化合物は、そのほとんどが、立ち上がった状態であるため、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層で液晶性化合物を補償し、別に、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向し、棒状液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の透過軸方向との角度が5度未満である光学異方性層で偏光板の視角依存性を補償することが好ましい。
(透明)支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
(その他液晶表示装置)
ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
(実施例1)
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 2.2 0
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Figure 2005189286
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフイルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフイルム(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイルム(CF−02)について、光学特性を測定した。
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、100nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
(配向膜塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
Figure 2005189286
ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行方向に配向膜にラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
(光学異方性層組成物)
下記のディスコティック液晶性化合物 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
一般式(1)の例示第一の化合物(II−3) 0.036質量部
一般式(1)の例示第二の化合物(II−1) 0.054質量部
フルオロ脂肪族基含有重合体例示化合物(P−11) 0.18質量部
1,3,5―トリアジン環基を有する例示化合物(H−6) 0.09質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
上記光学異方性層組成物を、102Kgのメチルエチルケトンに溶解して塗布液とし、これを、#3.4のワイヤーバーで塗布した。これを120℃の恒温ゾーンで1分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、60℃の雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し、下記ディスコティック液晶性化合物(1)を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シート(KH−1)を作製した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は40nmであった。
偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出出来なかった。
ディスコティック液晶性化合物(1)
Figure 2005189286
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)を偏光子(HF−1)の片側に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフイルム(TD−80U:富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。
偏光子の透過軸とPK−1の遅相軸とは平行になるように配置した。偏光子の透過軸と上記トリアセチルセルロースフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
(実施例2)
一般式(1)の例示第一の化合物(II−3)の代わりに例示第一の化合物(II−4)を添加すること以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−2)、さらには、KH−2付偏光板(HB−2)を作製した。
(実施例3)
一般式(1)の例示第二の化合物(II−1)の代わりに例示第二の化合物(II−5)を添加すること以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−3)、さらには、KH−3付偏光板(HB−3)を作製した。
(実施例4)
1,3,5―トリアジン環基を有する例示化合物(H−6)を添加せず、光学異方性層の形成を120℃の恒温ゾーンで加熱を1分間から2分間に変える以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−4)、さらには、KH−4付偏光板(HB−4)を作製した。
(比較例1)
一般式(1)の例示第一の化合物(II−3)を添加しないこと以外は、実施例4と同様にして、光学補償シート(KH−H1)、さらには、KH−H1付偏光板(HB−H1)を作製した。
(比較例2)
一般式(1)の例示第二の化合物(II−1)を添加しないこと以外は、実施例4と同様にして、光学補償シート(KH−H2)、さらには、KH−H2付偏光板(HB−H2)を作製した。
(比較例3)
一般式(1)の例示第二の化合物(II−1)を添加せず、一般式(1)の例示第一の化合物(II−3)の代わりに例示第一の化合物(II−4)を添加すること以外は、実施例4と同様にして、光学補償シート(KH−H3)、さらには、KH−H3付偏光板(HB−H3)を作製した。
(比較例4)
実施例4における一般式(1)の例示第二の化合物(II−1)の代わりに例示化合物(II−4)を用いること以外は、実施例4と同様にして、光学補償シート(KH−H4)、さらには、KH−H4付偏光板(HB−H4)を作製した。
(参考例1)
光学異方性層の加熱熟成方法を80℃の恒温ゾーンで1分間加熱した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。
(TN液晶セルでの評価)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例1で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。測定結果を第1表に示す。
(液晶性化合部の傾斜角評価)
光学補償シートの光学異方性層における液晶性化合物の配向膜近傍の傾斜角および空気界面近傍の傾斜角は、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)pp. 143−147に記載されている手法で算出した。測定波長は632.8nmであり、結果を第1表に示す。
Figure 2005189286
上記表1に示した実施例1〜4、と比較例1〜4の結果からわかるように、本発明に係る前記一般式(1)の例示第一の化合物あるいはBで表される化合物のみを含有する光学異方性層を有する光学補償シートでは、液晶性化合物の空気界面における傾斜角が低すぎる(比較例1)か、あるいは高すぎる(比較例2、3)ため、液晶表示装置の視野角が充分に拡大されていない。また、一般式(1)の例示第一の化合物あるいはBで表される化合物を両方とも含有する光学補償シートにおいて|θA−θB| < 10 (比較例4)では、液晶表示装置の視野角が充分に拡大しない。一方、一般式(1)の例示第一の化合物あるいはBで表される化合物を両方とも含有する光学補償シートにおいて、10 < |θA−θB|(実施例1〜4)では、液晶性化合物の空気界面における傾斜角が最適値に制御されているため視野角の拡大に大きく寄与している。最後に、実施例1と参考例1の比較から、本発明の光学異方性層は低温領域(80℃の恒温ゾーン)で水平配向を形成したのち、高温領域(120℃の恒温ゾーン)でハイブリッド配向に転移していることがわかる。
(実施例5)
実施例1のポリマー基材に含まれるレターデーション上昇剤〔化47〕の添加量を変えて、Rthを80、90、110、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、110、120、130nmを変えても、上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。
(実施例6)
実施例1のポリマー基材に含まれるレターデーション上昇剤〔化47〕をレターデーション上昇剤〔化50〕に変え、内層の添加量を1.4質量部にし、Rthを110nmにしたポリマー基材を作製すること以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには、光学補償シート付き偏光板を作製した。上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。
Figure 2005189286
(実施例7)
実施例6のポリマー基材に含まれるレターデーション上昇剤〔化50〕の添加量を変えて、Rthを80、90、100、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、100、120、130nmを変えても、上下左右の視野角は実施例1で得られた視野角とほぼ同等であることを確認した。

Claims (10)

  1. 少なくとも、透明支持体と、該透明支持体上に設けられた配向膜および光学異方性層とからなり、前記光学異方性層は、液晶性化合物と、第一の化合物と、第二の化合物とを含み(但し、前記液晶性化合物、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ異なる化合物である。)、かつ、下記式を満足することを特徴とする光学補償シート。
    10 < |θA−θB
    (式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)
  2. 前記θA、θBともに30度以上90度以下であることを特徴する請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 前記第一の化合物および第二の化合物が、それぞれ、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学補償シート。
    一般式(1)
    (R−X−)mAr(−W)n
    (一般式(1)中、Arは芳香族ヘテロ環基または芳香族炭化水素環基を表し、Xは単結合または2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基を表し(前記第一の化合物及び前記第二の化合物の少なくとも一方のRはフッ素置換されたものではない)、Wはスルホ基またはカルボキシル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1または2を表す。)
  4. 前記光学異方性層が、さらに、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償シート。
  5. 前記光学異方性層が、フルオロ脂肪族基含有ポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償シート。
  6. 前記液晶性化合物がディスコティック液晶性化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償シート。
  7. 前記光学異方性層が、ハイブリッド配向した液晶性化合物を含み、かつ、該ハイブリッド配向した液晶性化合物が固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学補償シート。
  8. 少なくとも、透明支持体と、該透明支持体上に設けられた配向膜および光学異方性層とからなり、前記光学異方性層は、液晶性化合物と、第一の化合物と、第二の化合物とを含み(但し、前記液晶性化合物、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ異なる化合物である。)、かつ、下記式を満足する光学補償シートの製造方法であって、
    10 < |θA−θB
    (式中、θAは、前記光学補償シートから前記第二の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示し、θBは、前記光学補償シートから前記第一の化合物を除いた光学補償シートの液晶性化合物の空気界面での傾斜角を示す。)、前記支持体上に前記液晶性化合物を水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
  9. 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とからなり、該透明保護膜が、請求項1〜7のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
  10. 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方は、少なくとも、偏光膜と該偏光膜の片面であって液晶セルに近い側に設けられた透明保護膜とからなり、かつ、該透明保護膜が請求項1〜7のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする液晶表示装置。
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