JP4734044B2 - 偏光板、偏光板用アクリル系粘着剤、及び該偏光板を用いた液晶表示装置 - Google Patents
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しかし、この方法によると液晶表示装置自体が厚くなるなどの問題点があった。
そこで、特許文献2には、偏光膜の片面に位相差板、他方の面に保護フィルムを有する楕円偏光板を用いることで、液晶表示装置を厚くすることなく、正面コントラストを高くすることができる液晶表示装置が提案されている。しかし、この提案では、位相差フィルム(光学補償シート)に、熱等の歪みにより液晶表示装置の端部に予期しない位相差が発生しやすく、耐久性に問題があることがわかった。つまり、この位相差により液晶表示装置に黒表示時に額縁状の光漏れ(液晶表示装置の端部での透過率の上昇)が生じ、液晶表示装置の表示品位が低下してしまうという問題があった。
歪みによる位相差発生の問題に対し、特許文献3および特許文献4においては、透明支持体上にディスコティック(円盤状)化合物からなる光学異方性層を塗設した光学補償シートを直接偏光板の保護フィルムとして用いることが提案されており、かかる提案により液晶表示装置を厚くすることなく、上述の耐久性に関する問題を解決した。
本発明の目的は、熱等の歪みによる光漏れを低減させる偏光板、及び該偏光板を用いた、画像表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。
また上記熱歪みによる光漏れ量は偏光板の粘着剤層の光弾性係数に依存しており、該粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以下であると上記熱歪みによる光漏れの発生をおさえることができることを発見した。
現在よく使用されている大部分のアクリル系の粘着剤は負の光弾性係数を持ち、その絶対値は約800×10-12(1/Pa)程度と大きい。本発明の発明者らは上記アクリル系の粘着剤にベースポリマーとして、単独重合したときの重合体の光弾性率が正であるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをモノマー成分として重合させてなる重合体を含ませると光弾性係数の絶対値が小さくなり、上記熱歪みによる光漏れの発生をおさえることができることを見出した。
このような粘着剤を用いて作成した偏光板を、現在市販されている一般的な液晶表示装置に組み込んだ場合、その装置の約6000cd/m2であるバックライトの明るさでは、上記光漏れ量が0.0006以下、すなわち光漏れの透過率が0.06%以下となれば上記熱歪みによる光漏れが肉眼ではほぼ観察できなくなり上記目的を達成できる。
〔1〕 重合体全質量に対して40質量%〜42.3質量%の下記一般式(I)で表される化合物をモノマーの成分とした重合体を含む粘着剤層を有する偏光板であって、該粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以下であることを特徴とする偏光板。
(式中、R1は水素原子もしくはメチル基を表し、R2は水素原子もしくは置換基を表す。
R3、R4は水素原子もしくは置換基を表す。mは0以上の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。m、nが複数の場合、複数のR2、R3、R4は同じでも異なっていてもよい。)
〔2〕 前記重合体が、重合体全質量に対して40質量%又は42.3質量%の前記一般式(I)で表される化合物をモノマーの成分としたことを特徴とする〔1〕に記載の偏光板。
〔3〕 前記一般式(I)で表される化合物が、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート又はフェニルメタクリレートであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明は、上記〔1〕〜〔4〕に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても記載している。
(1) 粘着剤層を有する偏光板であって、該粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以下であることを特徴とする偏光板。
(2) 上記粘着剤層にアクリル系粘着剤が用いられていることを特徴とする(1)に記載の偏光板。
(3) 上記アクリル系粘着剤が、単独重合したときの重合体の光弾性係数が正であるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをモノマーの成分とした重合体を含むことを特徴とする(2)に記載の偏光板。
(4) 上記アクリル系粘着剤が、下記一般式(I)で表される化合物をモノマーの成分とした重合体を含むことを特徴とする請求項(2)又は(3)に記載の偏光板。
(5) 下記一般式(I)で表される化合物をモノマーの成分とした重合体を含むことを特徴とする偏光板用アクリル系粘着剤。
また、本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板を用いてなるので、画像表示品位に優れ、TNモードの液晶表示装置の他、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)等に有利に用いることができる。
偏光板は、偏光膜および少なくとも一枚の透明保護膜からなり、通常、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。そして、本発明では、好ましくは、一方の保護膜として、後述する光学補償シートを用いる。他方の保護膜には、光透過率が80%以上の通常のポリマーフィルムを用いることができる。該ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。セルロースアセテートフィルムについては、光学補償シートに用いられる支持体として記載するものと同じものを用いることができる。
本発明の偏光板は、粘着剤層を有する偏光板であって、例えば、粘着剤層1、光学補償シート2、偏光膜3、保護層4が順次積層した層構成を有することが好ましい(図1参照)。該粘着剤層を介して偏光板は、液晶表示装置に装着される。
本発明の偏光板は、粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以下であることを特徴とするが、粘着剤層に用いる粘着剤(接着剤と呼ばれるものも含まれ得る)としては、粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以下の条件を満たせば、特に制限なく使用することができる。
粘着剤の素材としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等の感圧系の粘着剤が好ましい。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレン−イソプレン−スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ゴム等があげられる。
シリコーン系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられる。
ポリエーテル系粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルブチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等があげられる。
粘着剤層の光弾性係数を所望の値に合わせるには、粘着剤に用いられる主剤としてのポリマーを、選択する方法がある。それ以外には以下の方法が考えられるが、これらの方法に限定されることはない。
その一つは、樹脂の分子自身の光学異方性即ち固有複屈折を調節する方法であるが、これは有効な手段である。固有複屈折を調節する方法としては、「光学用透明樹脂」,技術情報協会,(2001年刊),20頁に(1)分子構造の変性、(2)ランダム共重合法、(3)アロイ化法が述べられており、これらの方法は本発明においても応用することが可能である。
更に、成形加工,(2003年),第15巻,第3号,196頁に述べられているような、異方性低分子のドープ法も好ましく用いることが出来る。
また、SCIENCE,(2003),VOL301,P812に開示されている、異方性無機粒子ドープ法も特に好ましく用いることが出来る。
また粘着剤層の弾性率を所望の値に合わせるには、粘着剤に用いられるポリマーの分子量を調整したり、素材の混合比を調整したりすればよい。
例えば、ポリメチルメタクリレートの光弾性係数の値は、−3.8×10-12(1/Pa)である一方、ポリベンジルメタクリレート、ポリベンジルアクリレート、ポリフェニルメタクリレートの光弾性係数の値は、おおよそ+40×10-12〜+50×10-12(1/Pa)であるが、これらのモノマーであるベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルメタクリレートのような化合物をモノマー成分として粘着剤用の重合体に含有させることが好ましい。
以上のような観点からアクリル系粘着剤としては、主として下記一般式(I)で表される化合物を含む組成物をモノマーとした重合体を含むものが好ましい。
一般式(I)中、R1は水素原子もしくはメチル基を表し、好ましくはメチル基を表す。
またR2は水素原子もしくは置換基を表す。置換基の例としては下記置換基群Tを挙げることが出来る。
置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2-エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル基)等の置換基が挙げられる。
また、上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。
さらに、前記粘着剤には、必要に応じて、従来公知の、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各適宜に使用することもできる。
偏光板上への、粘着剤層の形成方法としては、特に制限されず、偏光板に粘着剤の溶液を塗布し乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等の従来公知の方法があげられる。
粘着剤層の厚さは特に限定されないが、乾燥膜厚で10〜40μm程度とするのが好ましい。
以上のようにして偏光板の光学補償シートの上面(光学異方性層のある面)に粘着剤層を設けて粘着剤層付偏光板が得られる。
本発明での光学補償シートは、液晶表示装置の偏光板の液晶セル側に配される光学補償シートである。
本発明で用いられる光学補償シートとしては、例えば、トリアセチルセルロースやノルボルネン類の重合体等の高分子の光学補償性フィルム、または透明支持体上に液晶化合物からなる光学異方性層が備えられているフィルムを用いることができる。
高分子の光学補償シートや光学補償シートの透明支持体としては、特に制限無く使用することができるが、光透過率が80%以上であるポリマーフィルムを用いることが好ましい。
また偏光板の保護層としては、上記高分子の光学補償シートや光学補償シートの透明支持体と同様のものを用いることができる。
該ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース))、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネートおよびポリスルホンが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン(JSR製)、ゼオノア(日本ゼオン製)など)を用いてもよい。
なかでもセルロースエステルがとりわけ好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルは、セルロースアセテートであることが最も好ましい。
セルロースアセテートの酢化度は、55.0乃至62.5%であることが好ましく、59.0乃至61.5%であることがさらに好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
また、本発明に使用するセルロースエステル(セルロースアセテート)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値は、1.0乃至1.7の範囲にあることが好ましく、1.3乃至1.65の範囲にあることがさらに好ましく、1.4乃至1.6の範囲にあることが最も好ましい。
セルロースアセテートフィルムを光学補償シートの支持体として用いる場合、支持体のレターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用するのが好ましく、0.05乃至15質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
なお、本明細書においては、水素原子が水素原子以外の原子で置換されている場合の、該水素原子以外の原子も便宜上置換基として取り扱う。
アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。
アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。
脂肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。
脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族スル
ホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。
脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノが含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチルカルバモイルが含まれる。
脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。
脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。
非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
次に、セルロースアセテートフィルムの製造方法について述べる。上記セルロースアセテートフィルムを製造する方法及び設備は、セルロースアセテートフィルム製造に供する、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。
中でも、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%
であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
なお、例えば、酢化度が60.9%、粘度平均重合度が299のセルロースアセテートを冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保持する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
セルロースアセテートフィルムには、機械的物性を改良するためにポリエステルウレタンを添加することが好ましい。またポリエステルウレタンは、下記一般式(1)で表されるポリエステルジオールと、ジイソシアナートとの反応物であることが好ましく、さらに、ジクロロメタンに可溶であることが好ましい。
一般式(1):
H−(−O−(CH2)p−OOC−(CH2)m−CO)n−O−(CH2)p−OH
一般式(1)中、pは、2乃至4の整数を表し;mは、2乃至4の整数を表し;nは、1乃至100の整数を表す。
さらに詳細に述べると、その構成ポリエステルは、グリコール成分が、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、または1,4−ブタンジオールであり、二塩基性酸成分が、コハク酸、グルタル酸、またはアジピン酸からなる両末端にヒドロキシル基を有するポリエステルであり、その重合度nは1〜100の範囲にある。その最適な重合度は、用いるグリコールおよび二塩基性酸の種類により若干異なり、ポリエステルの分子量として1000乃至4500の範囲となることが特に好ましい。
ジクロロメタン可溶のポリエステルウレタン樹脂は、一般式(1)のポリエステルとジイソシアナートとの反応により得られ、下記一般式(2)で表される繰返し単位を有する
化合物である。
−CONH−R−NHCO−(O−(CH2)p−OOC−(CH2)m−CO)n−O−(CH2)p−O)−
一般式(2)中、pは、2乃至4の整数を表し;mは、2乃至4の整数を表し;nは、1乃至100の整数を表し;Rは、2価の原子団残基を表す。2価の原子団残基の例としては、例えば下式のようなものが挙げられる。
ナフチレンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート、および、m−キシリレンジイソシアナート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。これらの中でも、トリレンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、およびテトラメチレンジイソシアナートは、入手も容易であり、比較的安定で取扱いも容易であり、そして、ポリウレタン化した場合にセルロースアセテートとの相溶性が優れているので好ましい。
本発明に用いるジクロロメタン可溶性ポリエステルウレタン樹脂は、酢化度58%以上のセルロースアセテートと極めて相溶性がよい。樹脂の構造により若干の相異は認められるが、ポリエステルウレタンの分子量が10,000以下の場合、酢酸繊維素100質量部に対してポリエステルウレタン200質量部でも相溶する。
従来、皮膜の耐折強度や引裂き強度を向上するのに、低分子可塑剤が用いられていた。この方法では、常温、高湿状態においてはある程度の効果はあるが、低温、高湿状態においては皮膜の柔軟性がなくなり、必ずしも満足すべき結果は得られなかった。さらに、低分子可塑剤により機械的性質の改善を試みると、可塑剤の添加量と共に引張り強度の様な機械的性質が著しく低下するのが一般的であった。ジクロロメタン可溶性ポリエステルウレタン樹脂をセルロースアセテートに添加した場合は、樹脂の添加量と共に若干の引張り強度の低下は認められるが、低分子可塑剤添加の場合と比較して、明らかに強度の低下が少く、無添加の場合とほぼ同等の耐折強度の大きい強靱なフィルムが得られる。
さらに、ポリエステルウレタンを混合することにより、低温、高湿における可塑剤の移行を防止できる。そのため、フィルム相互が接着せず、かつ非常に柔軟性があり、しわもきしむことのない透明で光沢のあるフィルムが得られる。
可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、仮想歪みを低減させるために、延伸処理をすることが好ましい。延伸することにより、延伸方向の仮想歪みが低減できるので、面内すべての方向で歪みを低減するために二軸延伸することがさらに好ましい。二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法があるが、連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましく、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフィルムを剥ぎ取り、幅方向(長手方法)に延伸した後、長手方向(幅方向)に延伸される。幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。フィルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、5乃至50%の範囲にあることが好ましく、10乃至40%の範囲にあることがさらに好ましく、15乃至35%の範囲にあることが最も好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましい。フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
セルロースアセテートフィルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。
上記支持体の厚さは、10〜200μmとするのが好ましく、20〜150μmとするのがさらに好ましい。
光学補償シートは、支持体(以下、上記支持体の好ましい例示であるセルロースアセテートフィルムを支持体の代表として用いて説明する)の上に、液晶性化合物から形成された光学異方性層を設けることにより作製されるものであるが、セルロースアセテートフィルム上に設ける光学異方性層との間に、配向膜を設けることができる。このように、本明細書において「支持体上」というのは、支持体に直接設けられることの他、配向膜などの他の層を介して設けられる場合も含む意である。
配向膜は、光学異方性層に用いる液晶性化合物を一定の方向に配向させるように機能する。従って、光学補償シートを製造する上では、配向膜は必須である。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしてしまい、光学補償シート自体には特に必要のないものであるため、光学補償シートの層構成上は必須の構成要素ではない。よって、一旦配向膜上で光学異方性層の配向を行い、さらに形成した配向状態を固定し、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみをセルロースアセテートフィルム上に転写して、配向膜のない支持体と光学異方性層とからなる光学補償シートを作製することも可能である。
たはエポキシアルキル基を表し;Wは、ハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表し;Xは、活性エステル、酸無水物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表し;pは、0または1を表し;そしてnは、0乃至4の整数を表す。上記の特定の変性ポリビニルアルコールは、さらに下記一般式で表される化合物によるポリビニルアルコールの変性物であることが好ましい。
な原子群を表し、そしてmは2乃至24の整数を表す。
塗布方法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。この中でも、特にE型塗布法が好ましい。
本発明において、液晶性化合物から形成される光学異方性層は、セルロースアセテートフィルム上に直接または配向膜などの他の層を介して形成される。光学異方性層に用いる重合性基を有する液晶性化合物には、棒状液晶性化合物および円盤状液晶性化合物が用いられる。光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布し、重合反応により、液晶性化合物の配向を固定することで形成できる。
光学異方性層の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。本発明に用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物、円盤状液晶性化合物が挙げられ、特に円盤状液晶性化合物を用いることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。
棒状液晶性化合物については、日本化学会編「季刊化学総説第22巻液晶の化学」(1994)の第4章、第7章および第11章、および日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」の第3章に記載がある。棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001乃至0.7の範囲にあることが好ましい。棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが必要である。重合性基(Q)の例を、以下に示す。
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、円盤状液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであればこれらに限定されるものではない。
一般式(3): D(−L−P)n
一般式(3)中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、そして、nは4乃至12の整数である。一般式(3)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
一般式(3)において、上記したように、nは4乃至12の整数である。具体的な数字
は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定することができる。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
本発明においては、液晶性化合物が重合性基を有しているので配向させた液晶性化合物の配向状態を維持して固定することができ、これにより光学異方性層の配向性が固定される。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2乃至50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。
また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。以上のように、セルロースアセテートフィルム上に光学異方性層を設けることにより光学補償シートを作製することができる。
上記の本発明の光学補償シートと偏光膜とを貼り合わせて作製される偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
すなわち、本発明の液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。本発明の偏光板は、液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板のうちの少なくとも一方として用いればよい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
また本発明の光学補償シートは、TNモードの液晶セル以外にも、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)等の液晶表示装置にも有利に利用できる。
すなわち、本発明の液晶表示装置は、TNモード、OCB、VA、IPSなどに適用することができる。
(セルロースアセテートフィルムの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 8.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 250質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
作製したセルロースアセテートフィルムを2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥し鹸化処理を行った。
作製したセルロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフィルムの長手方向と平行な方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
配向膜上に、下記の円盤状(液晶性)化合物91.0g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)9.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)2.0g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.5g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3.0g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0gを、207gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3.6のワイヤーバーで6.2cc/m2塗布した。これを130℃の恒温ゾーンで2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。次に、60℃の雰囲気下で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
下記の(A)の共重合体10質量部に、下記(B)のモノマー混合物90質量部をグラフト重合させたスチレン系ポリマー170gを二塩化メチレン830gに溶解させた。
(A)スチレン/ブタジエン共重合体(質量比:20/80)
(B)スチレン/アクリロニトリル/α−メチルスチレン(質量比:60/20/20)
この溶液を乾燥後の膜厚が70μmとなるようにガラス板上に流延し、5分間室温で放置した後、45℃の温風で20分間乾燥させ、得られたフィルム(膜)をガラス板から剥した。このフィルムを矩形の枠に張り付け、70℃で1時間乾燥させた。更に110℃で15時間乾燥させた後、115℃の条件でテンターを用いて、1.9倍の倍率で一軸延伸を行なった。上記のようにして、IPS用光学補償シートとして使用できる17インチ大のスチレン系ポリマーの一軸延伸フィルムを作製した。(株)島津製作所製エリプソメーター(AEP−100)を用いて得られたフィルムのレターデーションを測定した。面内リターデーションは122nmであり、厚さ方向のリターデーションは0nmであった。また、シートの光軸はフィルム面に平行な方向にあった(即ちフィルム面内にあった)。
以下用いられた物質の略語は下記の通りである。
BA:n−ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
AA:アクリル酸
2−HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
BZMA:ベンジルメタアクリレート
PHMA:フェニルメタアクリレート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
EA(EAc):酢酸エチル
以上の粘着剤層の光弾性係数を日本分光社製エリプソメーターM−150で測定したところ−500×10-12(1/Pa)であった。
共重合体の製造窒素ガスが還流され温度調節が容易になるように冷却装置を設置した1000cc反応器に、n−ブチルアクリレート(BA)49.5質量部、アクリル酸(AA)10質量部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEMA)0.5質量部、フェニルメタアクリレート(PHMA)44質量部、で構成される単量体の混合物を投入した。そして、溶剤として酢酸エチル(EA)100質量部を投入した。次に、酸素を系外に除去するために窒素ガスで20分間パージングし、65℃に維持して均一にした後、反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03質量部を50%濃度に酢酸エチルに希釈して投入し、10時間反応させて最終アクリル系ポリマーを得た。
以上の粘着剤層の光弾性係数を日本分光社製エリプソメーターM−150で測定したところ−500×10-12(1/Pa)であった。
共重合体の製造窒素ガスが還流され温度調節が容易になるように冷却装置を設置した1000cc反応器に、n−ブチルアクリレート(BA)94.5質量部、アクリル酸(AA)5質量部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEMA)0.5質量部で構成される単量体の混合物を投入した。そして、溶剤として酢酸エチル(EA)100質量部を投入した。次に、酸素を系外に除去するために窒素ガスで20分間パージングし、65℃に維持して均一にした後、反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03質量部を50%濃度に酢酸エチルに希釈して投入し、10時間反応させて最終アクリル系ポリマーを得た。
以上の粘着剤層の光弾性係数を日本分光社製エリプソメーターM−150で測定したところ−750×10-12(1/Pa)であった。
NR(ペールクレープ)60質量部、SBR(B/S=71/29)40質量部、ポリイソブチレン10質量部、ポリテルペン樹脂(軟化点115℃)60質量部、水添ロジングリセロールエステル10質量部、抗酸化剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−クルゾール)2質量部を、固形分が20%となるようにn−ヘキサンに溶解して、粘着剤シロップとした。
以上の粘着剤層の光弾性係数を日本分光社製エリプソメーターM−150で測定したところ500×10-12(1/Pa)であった。
NR(ペールクレープ)60質量部、SBR(B/S=71/29)30質量部、ポリイソブチレン10質量部、ポリテルペン樹脂(軟化点115℃)60質量部、水添ロジングリセロールエステル10質量部、抗酸化剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−クルゾール)2質量部を、固形分が20%となるようにn−ヘキサンに溶解して、粘着剤シロップとした。
以上の粘着剤層の光弾性係数を日本分光社製エリプソメーターM−150で測定したところ800×10-12(1/Pa)であった。
[粘着剤の作製1]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製1」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.04%であった。
[粘着剤の作製1]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製2」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.03%であった。
[粘着剤の作製1]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製3」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.02%であった。
[粘着剤の作製2]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製1」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.04%であった。
[粘着剤の作製2]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製2」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.03%であった。
[粘着剤の作製2]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製3」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.02%であった。
[粘着剤の作製4]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製1」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.04%であった。
[粘着剤の作製4]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製2」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.03%であった。
[粘着剤の作製4]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製3」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れはほとんど観測されなかった。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.02%であった。
[粘着剤の作製3]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製1」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.1%であった。
[粘着剤の作製3]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製2」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.08%であった。
[粘着剤の作製3]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製3」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.07%であった。
[粘着剤の作製5]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製1」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.1%であった。
[粘着剤の作製5]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製2」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.08%であった。
[粘着剤の作製5]で得られた粘着剤層を、ラミネータを用いて「偏光板の作製3」で得られた偏光板に積層加工した。
石英ガラス板の両面に、以上のようにして作製した偏光板を、一枚ずつ貼り付けた。2枚の偏光板の透過軸は直交するように配置した。
本発明の偏光板を貼り付けたガラス板を、80℃ドライの乾燥機に120時間入れ取り出した後、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して光漏れを評価した。その結果、偏光板周辺において光漏れが観測された。また輝度計にて輝度分布を測り漏れ光量を測定した。その結果最大漏れ光の透過率は0.07%であった。
以上の実施例および比較例の結果から、本発明の偏光板は、熱歪みによる光漏れが低減されていることがわかる。したがって、そのような偏光板を備えた液晶表示装置は、熱歪みによる光漏れを低減させることが明らかである。
2 光学補償シート
3 偏光膜
4 保護層
Claims (4)
- 前記重合体が、重合体全質量に対して40質量%又は42.3質量%の前記一般式(I)で表される化合物をモノマーの成分としたことを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート又はフェニルメタクリレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
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