JP4756832B2 - 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置 - Google Patents

組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4756832B2
JP4756832B2 JP2004188333A JP2004188333A JP4756832B2 JP 4756832 B2 JP4756832 B2 JP 4756832B2 JP 2004188333 A JP2004188333 A JP 2004188333A JP 2004188333 A JP2004188333 A JP 2004188333A JP 4756832 B2 JP4756832 B2 JP 4756832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
carbon atoms
hydrogen atom
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004188333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005179636A (ja
Inventor
慎一 森嶌
真 高橋
昌孝 芳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2004188333A priority Critical patent/JP4756832B2/ja
Priority to US10/995,217 priority patent/US7311949B2/en
Publication of JP2005179636A publication Critical patent/JP2005179636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4756832B2 publication Critical patent/JP4756832B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、液晶性分子の配向によって発現された光学異方性を示す光学異方性層を有する、光学補償機能に優れた光学補償シートに関する。また、本発明は該光学補償シートを用いた偏光板及び液晶表示装置にも関する。さらに、本発明は、光学補償シート等の作製に有用な組成物に関する。
透明支持体との距離に伴ってチルト角が変化するように液晶性分子を配向(ハイブリッド配向)させた光学異方性層を有する光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モードやOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置の視野角拡大に有用であり、5〜50度のチルト角で配向させたディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償シートが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この光学異方性層は、通常、ディスコティック液晶化合物を含む組成物を配向膜上に塗布し、配向温度よりも高い温度に加熱してディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成される。
一方で所望の光学補償能を得るためには、空気界面側のチルト角を増大させる必要がある。通常の空気界面で得られるチルト角である50°を凌ぐ角度を得る方法としてセルロース部分エステル化物を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、フッ素置換アルキル基と親水基(スルホ基が連結基を介してベンゼン環に結合した)を有する化合物を光学異方性層に添加し、ディスコティック液晶性化合物のチルト角を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。さらに、疎水性排除体積効果化合物を光学異方性層に併用して、液晶性化合物の配向を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
従来の技術では、主に、15インチ以下の小型あるいは中型の液晶表示装置を想定して、光学補償シートが開発されていた。しかし、最近では、17インチ以上の大型、かつ輝度の高い液晶表示装置も想定する必要がある。大型の液晶表示装置の偏光板に、従来技術の光学補償シートを保護フィルムとして装着したところ、パネル上にムラが発生していることが判明した。この欠陥は、小型もしくは中型の液晶表示装置では、あまり目立っていなかったが、大型化、高輝度化に対応して、光漏れムラに対処した光学フィルムをさらに開発する必要が生じている。重合性液晶にレベリング剤なるものを含有させ、ムラの改良を行う技術が開示されているが(例えば特許文献6)、重合性液晶がホモジニアス配向の場合にのみ有効であり、本発明のように、ハイブリット配向をはじめとした複雑な配向には、適用できないことが判った。
米国特許第5,583,679号明細書 米国特許第5,646,703号明細書 特開平8−95030号公報 特開2001−330725号公報 特開2002−20363号公報 特開平11−148080号公報
本発明者らが上記の光学補償シートを実際に液晶表示装置に使用してみたところ、液晶表示装置の偏光板との組み合わせによって斜め方向からの光漏れが認められたり、視野角が充分に拡大しなかったり、光学補償機能が十分とはいえなかった。光学補償機能が不十分になる理由の一つとして、光学異方性層の液晶性分子を十分な大きさのチルト角で配向させることができなかったことが挙げられる。一方、製造においては液晶組成物を加熱して配向させることによりモノドメイン化したハイブリッド配向が達成される。そのため、製造の効率化のために熟成時間を短縮すると、配向欠陥の発生が顕著になり易いという問題があり、モノドメイン化時間の短縮を実現させる技術の開発が必要であった。特に所望の光学性能を得るために前記セルロース部分エステル化物を添加して空気界面側のチルト角を大きくした場合には、液晶組成物の粘度が高くなるため欠陥消失速度が著しく遅延化して製造の極端な非効率化を招いてしまう。そのため、表面配向欠陥の消失を阻害しない空気界面側チルト角の制御技術の開発が強く望まれていた。
本発明は、上記諸問題に鑑み、液晶性分子のハイブリッド配向によって発現した光学異方性を示す光学異方性層を有する光学補償シートにおいて、光学異方性層中のハイブリッド配向する液晶性分子のチルト角を増加させ、光学補償機能に優れた新規な光学補償シートを提供することを課題とする。特に、空気界面側のチルト角を増加させ、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物から形成された光学異方性層を有する、TNモード又はOCBモード等の液晶表示装置の視野角改善に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。とりわけ、大型の液晶表示装置においても、ムラを生じることなく、表示品位の高い画像の表示に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1] フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーの少なくとも一種と、液晶性化合物とを含有する組成物。
[2] 前記ポリマーが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である[1]に記載の組成物。
Figure 0004756832
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基または下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)−、アルキレン基およびアリーレン基;
Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、またはホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。)
[3] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である前記[3]に記載の組成物。
[5] 前記ポリマーが、40質量%以上のフルオル脂肪族基含有モノマーを有する前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6] 前記ポリマーの質量平均分子量が、10万以下である前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の組成物。
[7] さらに、下記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーの少なくとも一種を含有することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
Figure 0004756832
上記一般式(A)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。
[8] 前記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーが、さらに下記一般式(B)で表されるモノマーから導かれる繰り返し単位を少なくとも一種含む前記[7]に記載の組成物。
Figure 0004756832
上記一般式(B)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1以上20以下の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかの組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償シート。
[10] 前記組成物中に含有される液晶性化合物がディスコティック液晶性化合物であり、前記光学異方性層の一方の界面の液晶性分子のチルト角θ1が0°≦θ1≦30°を満足し、他方の界面のチルト角θ2が50°≦θ2を満足する前記[9]に記載の光学補償シート。
[11] 配向状態に固定された液晶性化合物から形成され、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーの少なくとも一種を含有する光学異方性層を有する光学補償シート。
[12] 配向状態に固定された液晶性化合物から形成され、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーの少なくとも一種を含有する光学異方性層を有する液晶表示装置。
[13] 配向状態に固定された液晶性化合物から形成され、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーの少なくとも一種を含有する光学異方性層と、直線偏光膜とを有する楕円偏光板。
[14] 前記光学異方性層がさらに、下記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーの少なくとも一種を含有する[11]に記載の光学補償シート、[12]に記載の液晶表示装置、または[13]に記載の楕円偏光板。
Figure 0004756832
上記一般式(A)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。
[15] 前記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーがさらに、下記一般式(B)で表されるモノマーから導かれる繰り返し単位を少なくとも一種含むことを特徴とする前記[14]に記載の光学補償シート、液晶表示装置、または楕円偏光板。
Figure 0004756832
上記一般式(B)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1以上20以下の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。
なお、本発明において「ハイブリッド配向」とは、液晶性分子の長軸方向(例えば、ディスコティック液晶分子の場合はコアの円盤面)と光学異方性層の水平面(本発明では、光学異方性層が配向膜を介して支持体上に形成されているので、支持体の表面)とのなす角度(以下、「チルト角」という)が、支持体からの距離に伴い、すなわち光学異方性層の厚さ方向に変化する配向をいい、光学異方性層が有する2つの界面(例えば、光学異方性層が配向膜上に形成された場合は、配向膜との間の界面と空気界面であるが、光学異方性層が一旦形成された後、転写などにより他の支持体上に配置された場合は、2つの界面は必ずしも配向膜界面と空気界面ではない)において、チルト角が異なる配向状態にある液晶性分子によって実現される。光学異方性層を配向膜上に形成する場合は、光学異方性層/配向膜界面と、光学補償シートの最外面でもある光学異方性層/空気界面とで、チルト角が異なる液晶性分子によって実現される。本発明では、チルト角の変化の態様には、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化などいずれも含まれるものとする。間欠的変化は、厚さ方向の途中でチルト角が変化しない領域を含んでいる。本発明における「ハイブリッド配向」では、チルト角が変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していることが好ましい。さらに、チルト角は全体として支持体からの距離に伴い増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
本発明では、フッ素系ポリマーを含有する液晶性組成物から光学異方性層を形成することにより、液晶性分子の空気界面のチルト角を制御し、液晶性分子の配向のモノドメイン化時間を短縮して、高効率で光学異方性層、ひいては光学補償シートを作製することができる。本発明の光学補償シートは、画像表示装置に適用した場合に、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与する。また、本発明によれば、液晶性化合物とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、液晶性化合物、及びフルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーの少なくとも一種を含有する組成物に関する。例えば、本発明の組成物を配向膜上に適用して、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマー(以下、「フッ素系ポリマー」と略記することもある)の存在下で、液晶性化合物の分子を配向させると、前記液晶性分子を大きなチルト角、特に空気界面において大きなチルト角で配向させることができる。その結果、安定的に、液晶性分子のハイブリッド配向により発現された光学異方性層を形成することができる。さらに、前記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーの少なくとも一種を含有することによって、ムラ、ハジキなどの塗布性が改善される。以下、本発明に用いられる各材料について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
[フッ素系ポリマー]
まず、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーについて詳細に説明する。ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、PTFE類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポリマーは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
前記フッ素系ポリマーは、フルオロ脂肪族基を側鎖に有するポリマーである。前記フルオロ脂肪族基は、炭素数1〜12であるのが好ましく、6〜10であるのがより好ましい。脂肪族基は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状である場合は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。中でも、直鎖状の炭素数6〜10のフルオロ脂肪族基が好ましい。フッ素原子による置換の程度については特に制限はないが、脂肪族基中の50%以上の水素原子がフッ素原子に置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましい。フルオロ脂肪族基は、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、チオエーテル結合、芳香族環などを介してポリマー主鎖と結合した側鎖に含まれる。フルオロ脂肪族基の一つは、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれるものである。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme−1に例を示した)。
Figure 0004756832
得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば[Scheme2]のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換され、フルオロ脂肪族基含有ポリマーの製造に使用される。
Figure 0004756832
本発明のフッ素系ポリマーの製造には、下記一般式(A1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが好適に用いられる。
Figure 0004756832
上記一般式(A1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。
Xは好ましくは酸素原子であり、Hfは好ましくは水素原子であり、mは好ましくは1または2であり、nは好ましくは3または4であり、これらの混合物を用いてもよい。
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーの製造に利用可能なモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーの一態様は、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と、下記一般式(1)で表される親水性基を含有する繰り返し単位とを有する共重合体である。
Figure 0004756832
上記一般式(1)において、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Qはカルボキシル基(−COOH)またはその塩、スルホ基(−SO3H)またはその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}またはその塩を表す。Lは下記の連結基群から選ばれる任意の基、またはそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基。
一般式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または下記に例示した置換基群から選ばれる置換基を表す。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
1、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、または後述する−L−Qで表される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、−L−Qで表される基であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基であることが特に好ましく、R2およびR3が水素原子で、R1が水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、適当な置換基を有していても良い。該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
Lは、上記連結基群から選ばれる2価の連結基、またはそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。上記連結基群中、−NR4−のR4は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子又はアルキル基である。また、−PO(OR5)−のR5はアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくはアルキル基である。R4およびR5がアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す場合の炭素数は「置換基群」で説明したものと同じである。Lとしては、単結合、−O−、−CO−、−NR4−、−S−、−SO2−、アルキレン基またはアリーレン基を含むことが好ましく、単結合、−CO−、−O−、−NR4−、アルキレン基又はアリーレン基を含んでいることが特に好ましく、単結合であることが最も好ましい。Lがアルキレン基を含む場合、アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラブチレン、ヘキサメチレン基等が挙げられる。Lが、アリーレン基を含む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン、ナフタレン基等が挙げられる。Lが、アルキレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の連結基(即ちアラルキレン基)を含む場合、アラルキレン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好ましいアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が挙げられる。Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していてもよい。このような置換基としては先にR1〜R3における置換基として挙げた置換基と同様なものを挙げることができる。
以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
前記式(1)中、Qはカルボキシル基、カルボキシル基の塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなど)、ピリジニウム塩など)、スルホ基、スルホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、ホスホノキシ基、ホスホノキシ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)を表す。より好ましくはカルボキシル基、スルホ基、ホスホ基であり、特に好ましいのはカルボキシル基またはスルホ基であり、最も好ましいのはカルボキシル基である。
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーの製造に利用可能な前記式(1)に対応するモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
前記フッ素系ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。また、前記フッ素系ポリマーは、上記各繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を1種または2種以上有していてもよい。前記他の繰り返し単位については特に制限されず、通常のラジカル重合反応可能なモノマーから誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。以下、他の繰り返し単位を誘導するモノマーの具体例を挙げる。前記フッ素系ポリマーは、下記モノマー群から選ばれる1種または2種以上のモノマーから誘導される繰り返し単位を含有していてもよい。
モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3)α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
(3b)アルキルメタクリレート類
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
(3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
(3d)α、β−不飽和カルボン酸のアミド類
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
(4)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
(7)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
フルオロ脂肪族基を有さない、他の繰り返し単位を誘導するモノマーとしては、下記一般式(B1)で表されるモノマーが好適に用いられる。
Figure 0004756832
上記一般式(B1)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1以上20以下の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。Zで表される2価の連結基としては、酸素原子、イオウ原子、または−N(R5)−が好ましい。ここで、R5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチルが好ましい。R5はより好ましくは、水素原子またはメチルである。Yは、酸素原子、−NH−、または−N(CH3)−であることが特に好ましい。
上記一般式(B1)において、ポリ(アルキレンオキシ)基は(RO)xで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、または−CH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。
上記ポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレンオキシ単位は、例えばポリ(プロピレンオキシ)のように全ての単位が同一であっても良く、また互いに異なる2種以上のアルキレンオキシ単位が不規則に分布したもの(例えば、直鎖プロピレンオキシ単位、分岐状プロピレンオキシ単位およびエチレンオキシ単位が不規則に分布したもの)であっても良く、また互いに異なる2種以上のアルキレンオキシ単位のブロックが結合したもの(例えば、直鎖または分岐状のプロピレンオキシ単位のブロックとエチレンオキシ単位のブロックが結合したもの)であっても良い。
このポリ(アルキレンオキシ)鎖として、複数のポリ(アルキレンオキシ)単位同士が1つまたはそれ以上の連結基(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など、ここでPhはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連結基が3価またはそれ以上の原子価を有する場合には、これにより分岐鎖状のアルキレンオキシ単位を得ることができる。またこの共重合体を本発明に用いる場合には、ポリ(アルキレンオキシ)基の分子量は250〜3000が適当である。
7で表される炭素数1以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
7で表されるポリ(アルキレンオキシ)基またはアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。
上記一般式(B1)で表されるモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートまたはポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
上記一般式(B1)で示されるモノマーの具体例を次に示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
なお、ポリ(アルキレンオキシ)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)、“アデカポリエーテル”(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、“トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))および“P.E.G”(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
前記フッ素系ポリマー中、フルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上であるのがより好ましく、30質量%以上であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーにおいて、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の量は、該フッ素ポリマーの構成モノマー総量の1質量%以上であるのが好ましく、2〜20質量%であるのがより好ましく、2〜10質量%であるのが特に好ましく、2〜5質量%であるのが最も好ましい。
本発明に用いる前記フッ素系ポリマーの質量平均分子量は1000以上1,000,000以下であるのが好ましく、1000以上500,000以下であるのがより好ましく、1000以上100,000以下であるのがさらに好ましい。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
前記フッ素系ポリマーを製造する際に採用される重合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニル基を利用したカチオン重合やラジカル重合、あるいは、アニオン重合等の重合方法を採ることができ、これらの中ではラジカル重合が汎用に利用できる点で特に好ましい。ラジカル重合の重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤や、ラジカル光重合開始剤等の公知の化合物を使用することができるが、特に、ラジカル熱重合開始剤を使用することが好ましい。ここで、ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド(過酸化水素、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシエステル類(tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、過硫酸塩類(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等)が挙げられる。このようなラジカル熱重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ラジカル重合方法は、特に制限されるものでなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等を採ることが可能である。典型的なラジカル重合方法である溶液重合についてさらに具体的に説明する。他の重合方法についても概要は同等であり、その詳細は例えば「高分子科学実験法」高分子学会編(東京化学同人、1981年)等に記載されている。
溶液重合を行うためには有機溶媒を使用する。これらの有機溶媒は本発明の目的、効果を損なわない範囲で任意に選択可能である。これらの有機溶媒は通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物であり、各構成成分を均一に溶解させる有機化合物が好ましい。好ましい有機溶媒の例を示すと、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。さらに、モノマーや生成するポリマーの溶解性の観点から上記有機溶媒に水を併用した水混合有機溶媒も適用可能である。
また、溶液重合条件も特に制限されるものではないが、例えば、50〜200℃の温度範囲内で、10分〜30時間加熱することが好ましい。さらに、発生したラジカルが失活しないように、溶液重合中はもちろんのこと、溶液重合開始前にも、不活性ガスパージを行うことが好ましい。不活性ガスとしては通常窒素ガスが好適に用いられる。
前記フッ素系ポリマーを好ましい分子量範囲で得るためには、連鎖移動剤を用いたラジカル重合法が特に有効である。連鎖移動剤としてはメルカプタン類(例えば、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、チオフェノール、p−ノニルチオフェノール等)、ポリハロゲン化アルキル(例えば、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1−トリブロモオクタンなど)、低活性モノマー類(α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等)のいずれも用いることができるが、好ましくは炭素数4〜16のメルカプタン類である。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活性やモノマーの組み合わせ、重合条件などにより著しく影響され精密な制御が必要であるが、通常は使用するモノマーの全モル数に対して0.01モル%〜50モル%程度であり、好ましくは0.05モル%〜30モル%、特に好ましくは0.08モル%〜25モル%である。これらの連鎖移動剤は、重合過程において重合度を制御するべき対象のモノマーと同時に系内に存在させればよく、その添加方法については特に問わない。モノマーに溶解して添加してもよいし、モノマーと別途に添加することも可能である。
以下に、フッ素系ポリマーとして本発明に好ましく用いられるフルオロ脂肪族基含有共重合体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値は、それぞれ各モノマーの組成比を示す質量百分率であり、MwはGPCにより測定されたPS換算の質量平均分子量である。a、b、c、d等の数値は質量比を表す。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
本発明の組成物は、前記フッ素系ポリマーを2種以上含有していてもよい。また、本発明の組成物は、前記フッ素系ポリマーとともに、フルオロ脂肪族基を含有するポリマーをさらに含有しているのが好ましく、中でも、下記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を少なくとも1種含むポリマーが好ましい。
Figure 0004756832
上記一般式(A)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。
上記一般式(A)の好ましい範囲は、前記一般式(A1)の好ましい範囲と同一であり、具体例としては、F1〜F70を挙げることができる。
さらに、前記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーは、下記一般式(B)で表されるモノマーから導かれる繰り返し単位を少なくとも一種含むことが好ましい。
Figure 0004756832
上記一般式(B)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有してもよいポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。
上記一般式(B)の好ましい範囲は、前記一般式(B1)の好ましい範囲と同一であり、具体例としては、A1〜A150を挙げることができる。
上記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーは、前記一般式(A)および前記一般式(B)で表されるモノマーから導かれる繰り返し単位を2種以上含んでいてもよく、またこれら以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位の具体例としては、上記モノマー群(1)〜(8)から選ばれるモノマーから誘導される繰り返し単位が挙げられる。
上記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーの具体例を次に示すが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
本発明に用いられるフッ素系ポリマーは、上記した様に公知慣用の方法で製造することができる。例えば先にあげたフルオロ脂肪族基を有するモノマー、水素結合性基を有するモノマー等を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。また、場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。上記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーの製造方法についても同様である。
組成物中における前記フッ素系ポリマーの含有量の好ましい範囲は、その用途によって異なるが、光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.2〜2.5質量%であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーの添加量が0.005質量%未満では効果が不十分であり、また8質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に悪影響を及ぼしたりする。上記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位を含むポリマーを含有する場合は、該ポリマーの含有量は、前記フッ素系ポリマーに対して0.1〜1.5質量%であるのが好ましく、0.1〜1.0質量%であるのがより好ましい。含有量が前記範囲であると、塗布時のムラ又はハジキ等をより軽減することができる。
本発明の光学補償シートは、液晶性化合物、前記フッ素系ポリマー、及びその他必要に応じて添加する各種化合物を含有する組成物を、配向膜上に塗布し、液晶性化合物の分子を配向させることにより光学異方性層を形成する工程を含む方法によって作製することができる。前記光学異方性層は、液晶性化合物の分子の配向によって発現された光学異方性を示す。以下に、本発明の光学補償シートの光学異方性層に用いられる材料のうち、前記で説明したフッ素系ポリマー以外の材料について詳細に説明する。
[液晶性化合物]
本発明には、液晶性化合物として、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物のいずれを用いてもよく、また高分子液晶および低分子液晶のいずれを用いてもよい。さらに、本発明の組成物を用いて光学異方性層を形成した後は、例えば光学異方性層中に低分子液晶が架橋された状態で含有され、もはや液晶性を示さなくなってもよい。本発明に用いる液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物が好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体の液晶性化合物も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。棒状液晶性化合物についてはWO01/88574A1号50頁7行〜57頁末行に記載されている。
ディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。
本発明に用いる液晶性化合物としては、トリフェニレン液晶が特に好ましい。本発明に用いられるトリフェニレン液晶の例としては、前記C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)、またはB.Moureyらの研究報告、Mol.Cryst.84巻、193頁(1982年)に記載されているトリフェニレン誘導体などを挙げることができる。特に好ましいトリフェニレン液晶としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、および特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体を挙げることができる。
また、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物はもはや液晶性化合物である必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載があり、本発明にも適用することができる。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定する方法の一例として、ディスコティック液晶性化合物として、ディスコティックコアに置換基として重合性基が結合した液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向させた後、前記液晶性化合物を重合させて固定する方法がある。但し、ディスコティックコアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる傾向にある。そこで、ディスコティックコアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。重合性基を有する好ましいディスコティック液晶性化合物としては、下記式(2)で表わされる化合物が挙げられる。
一般式(2)
D(−L−P)n
式中、Dはディスコティックコアを表し、Lは二価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。前記ディスコティック液晶性化合物の具体例としては、WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載されている。
本発明で用いられる最も好ましい液晶性化合物としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、および特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体の中でも、トリフェニレンコアと重合性基との間に連結基を有する化合物を挙げることができる。
本発明では、2種類以上の液晶性化合物を併用してもよい。また、例えば、上記の重合性ディスコティック液晶性化合物と非重合性ディスコティック液晶性化合物とを併用することも可能である。非重合性ディスコティック液晶性化合物は、前述した重合性ディスコティック液晶性化合物の重合性基(式(2)中のP)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3)
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアを、Lは二価の連結基を、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは4〜12の整数である。
[光学異方性層の添加剤]
本発明の組成物を用いて光学異方性層を形成する場合、前記組成物中には、前記液晶性化合物、前記フッ素系ポリマーの他に、任意の添加剤を併用することができる。添加剤の例としては、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性化合物のチルト角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。以下、各添加剤について、
[ハジキ防止剤]
液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
[配向膜チルト角制御剤]
配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加することができる。極性基を有する化合物としては、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−NH−R、R−SH、R−S−R、R−CO−R、R−COO−R、R−CONH−R、R−CONHCO−R、R−SO3H、R−SO3−R、R−SO2NH−R、R−SO2NHSO2−R、R−C=N−R、HO−P(−OR)2、(HO−)2P−OR、P(−OR)3、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3、R−NO2、R−CN、等が例として挙げられる。また、有機塩(例えば、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩)でもかまわない。前記極性基を有する化合物の中でも、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−SO3H、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3もしくは有機塩が好ましい。ここで、上記各Rは非極性基を表し、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アリール基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基)が例として挙げられる。これらの非極性基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が例として挙げられる。
本発明の組成物に配向膜チルト制御剤を添加し、配向膜チルト制御剤の存在下で液晶性化合物の分子を配向させることで、配向膜側界面における液晶性分子のチルト角を調整することができるが、その時の変化量はラビング密度に関係がある。ラビング密度が高い配向膜とラビング密度の低い配向膜を比較すれば、ラビング密度の低い配向膜の方が、配向膜チルト制御剤の添加量が同一であっても、チルト角が変わりやすい。したがって、配向膜チルト制御剤の添加量の好ましい範囲は、用いる配向膜のラビング密度および所望のチルト角の大きさ等によって変動するが、一般的には、液晶性化合物の質量に対して0.0001質量%〜30質量%であるのが好ましく、0.001質量%〜20質量%であるのがより好ましく、0.005質量%〜10質量%であるのがさらに好ましい。本発明に使用可能な配向膜チルト制御剤の具体例を以下に示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 0004756832
Figure 0004756832
Figure 0004756832
[重合開始剤]
液晶性化合物の分子を配向状態に固定して光学異方性層を形成するのが好ましく、重合反応を利用して液晶性化合物の分子を固定するのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例、光重合開始財の使用量、および重合のための光照射エネルギーの値の各々は特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載が本発明に適用できる。
[重合性モノマー]
液晶性化合物とともに重合性モノマーを使用してもよい。本発明に使用可能な重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
本発明の組成物は、塗布液として調製してもよい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
塗布液の配向膜表面への塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
[光学異方性層の特性]
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
本発明の組成物を配向膜上に適用すると、液晶性分子は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。本発明の組成物を配向膜の表面に塗布後、液晶性化合物を均一配向(モノドメイン配向)させることで、実態ではないが、イメージで表すと空気界面から配向膜界面に向けて、つまり光学異方性層の深さ方向に液晶性化合物のチルト角(ディスコティック液晶性化合物の円盤面の法線と透明支持体の配向膜を設ける面の法線とがなす角)が連続的に変化するハイブリッド配向を実現することができる。液晶性分子をハイブリッド配向させ、且つその配向状態に固定することによって形成された光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与し、並びに視角変化に対するコントラスト低下、階調または黒白反転、および色相変化等を防止するのに寄与する。
前記フッ素系ポリマーの存在下では、液晶性分子を、空気界面のチルト角50°以上で配向させることができる。光学補償シートとして好ましい性能を発揮できる状態のハイブリッド配向を実現するためには、配向膜側の液晶性分子のチルト角は3°〜30°とするのが好ましい。この配向膜側の液晶性分子のチルト角は、前記した方法(配向膜のラビング密度、配向膜チルト角制御剤等)により制御することができる。一方、空気界面側の液晶性分子のチルト角は、前記フッ素系ポリマーを用いることによって、および所望により添加される他の化合物(例えば、前記水素結合性基を有する少なくとも二種の化合物より形成される水平配向化剤など)を選択することにより調整することができ、本発明の光学補償シートを適用する液晶表示装置の表示モードに応じて、好ましいハイブリッド配向状態を実現することができる。
[チルト角]
チルト角とは、液晶性化合物の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)の法線がなす角度を指し、本発明では、配向膜のチルト角は3°〜30°、空気界面側のチルト角は40〜80°であるのが好ましい。配向膜のチルト角は小さすぎると、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物をモノドメイン配向させるのに要する時間が長くなるため大きい方が好ましいが、チルト角が大きくなりすぎると、光学補償シートとして好ましい光学性能が得られなくなるため逆に好ましくない。したがって、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能の両立の観点から、好ましい配向膜のチルト角は5°〜30°、更に好ましくは10〜30°、特に好ましいのは20〜30°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は40〜80°、更に好ましくは50〜80°、特に好ましいのは50〜70°である。配向膜側のチルト角は、配向膜のラビング密度を変える方法、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。なお、上述した様に、光学異方性層が一旦形成された後、転写などにより2つの層間に配置されている場合等は、必ずしも光学異方性層の界面は配向膜界面と空気界面でなく、かかる態様では、光学異方性層が有する2つの界面のうち一方の界面側および他方の界面側それぞれにおける液晶性分子のチルト角が、上記配向膜側チルト角の範囲および上記空気界面側のチルト角の範囲であるのが好ましい。
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性化合物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、配向膜のチルト角の制御し易さの点から、特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では「液晶便覧」(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。配向膜に用いられるポリマーは、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の光学補償フィルム用の配向膜ではポリビニルアルコールおよびその誘導体が好ましく用いられる。特に好ましくは、疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜についてはWO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
[配向膜のラビング密度]
配向膜のラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善(株))に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl{1+(2πrn/60v)}
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。ラビング密度と配向膜のチルト角との間には、ラビング密度を高くするとチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとチルト角は大きくなる関係がある。
なお、液晶性分子を配向させて、重合等によりその状態を固定すれば、配向膜がなくてもその配向状態を維持することができる。従って、前記光学異方性層を配向膜(例えば仮支持体上に形成された配向膜)上に形成した後、透明支持体上に光学異方性層のみを転写することによって、本発明の光学補償シートを作製することもできる。即ち、本発明には、配向膜を含まない光学補償シートの態様も含まれる。
[透明支持体]
本発明に使用する支持体は透明であるのが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであってもWO00/26705号明細書に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度、およびその範囲、並びにセルロースアセテートの化学構造は、特開2002−196146号公報の段落番号[0021]の記載を適用できる。セルロースアシレートフィルムを非塩素系溶媒を用いて製造することについて、発明協会公開技報2001−1745号に詳しく記載されており、そこに記載されたセルロースアシレートフィルムも本発明に好ましく用いることができる。
透明支持体として用いるセルロースエステルフィルムの厚み方向のレターデーション値、および複屈折率の範囲は、特開2002−139621号公報の段落番号[0018]〜[0019]の記載を適用できる。
透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアシレートフィルムのレターデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物の好ましい範囲、および使用量は、特開2002−139621号公報の段落番号[0021]〜[0023]の記載を適用できる。このようなレターデーション上昇剤についてはWO01/88574A1、WO00/2619A1、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、特願2002−70009号明細書等に記載されている。
セルロースアシレートフィルムは、調製されたセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて、ドープの2層以上流延によるフィルム化もできる。フィルムの形成は、特開2002−139621号公報の段落番号[0038]〜[0040]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、特開2002−139621号公報の段落番号[0043]の態様、および好ましい範囲が本発明に適用できる。
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開2002−139621号公報の段落番号[0044]の記載を適用できる。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
セルロースアシレートフィルムの表面処理、および固体の表面エネルギーについては、特開2002−196146号公報の段落番号[0051]〜[0052]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。
[光学補償シートの用途]
本発明の光学補償シートは、偏光膜と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
[楕円偏光板]
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は前記光学補償シートの光学異方性層側に積層する。偏光膜の光学補償シートを積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくはトリアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートの利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。また、表示ムラのない高品位の画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書および国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
本発明において、上記公報を参考にして各種のモードの液晶セル用光学補償シートを作製することができる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなど、種々のモードで駆動される液晶セルと組合わせて液晶表示装置に適用できる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モードまたはOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置において特に効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の上に、以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて塗布した。
(光学異方性層塗布液)
フッ素系ポリマー(P−1) 0.2質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
増感剤
(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
Figure 0004756832
次に、上記塗布層を膜面温度120℃で約120秒間加熱熟成した後、約20秒間で80℃まで冷却した。次いで、同温度を保持したまま0.4J/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.8μmであった。以上の如く光学異方性層を形成し光学補償シートを作製した。
(光学補償シートの評価)
作製した光学補償シートのムラを目視にて観察した。また、光学補償シートの光学異方性層における液晶性分子の配向膜近傍のチルト角及び空気界面近傍のチルト角は、エリプソメーター(APE−100、島津製作所(株)製)を用いて観察角度を変えてレターデーションを測定し、屈折率楕円体モデルと仮想し、Designing Concepts of the Discotic Negative Birefringence Compensation Films,SID98 DIGEST に記載されている手法で算出した。測定波長は632.8nmであり、結果を表1に示す。なお、表中の配向時間とは、加熱熟成を開始してからディスコティック液晶性化合物がモノドメイン配向するまでに要した時間を表す。
[実施例2〜10、比較例1〜4]
表1に記載の如くフッ素系ポリマーの種類と添加量を代えた以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、同様にムラ評価およびチルト角算出を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004756832
比較例で使用したポリマーの構造
K−1:セルロースブチレートアセテート
K−2:ポリブチルメタクリレート(質量平均分子量 Mw=31000)
K−3:ポリヒドロキシエチルメタクリレート(質量平均分子量 Mw=22000)
上記第1表に示した結果から、光学異方性層の形成において、フッ素系ポリマーを含有する実施例1〜10の光学異方性層では、いずれの場合においても、配向の迅速性を損なうことなく高い界面配向角を有したハイブリッド配向を実現できていることが分かる。一方で、フッ素系ポリマーを含有しない比較例1では、配向速度こそ速いものの、空気界面の配向角は極端に低く、十分なハイブリッド配向を形成できなかった。また、フッ素系ポリマー以外のポリマー(K−1〜K−3)を用いて作製した光学異方性層を有する比較例2〜4では、均一な面状を得られない(比較例4)か、または比較的大きな界面配向角を発現できてはいても、配向速度が著しく遅延化した結果を示した(比較例2および3参照)。これらの結果から、フッ素系ポリマーを含有する組成物から形成された光学異方性層は、光学補償シートとしての性能に必要な大きな界面配向角を形成し、且つ液晶性分子の配向速度の遅延化を引き起こさないことがわかった。さらに、比較例1〜3の結果から、フッ素系ポリマーを含有しない組成物により形成した光学異方性層では、格子状のムラが発生することがわかった。
次に、液晶表示装置としての応用例を示す。
[実施例11]
(透明支持体の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して、セルロースアセテート溶液(ドープ)を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルフォスフェート 6.5質量部
ビフェニルジフェニルフォスフェート 5.2質量部
下記のレターデーション上昇剤(1) 0.1質量部
下記のレターデーション上昇剤(2) 0.2質量部
メチレンクロライド 310.25質量部
メタノール 54.75質量部
1−ブタノール 10.95質量部
Figure 0004756832
Figure 0004756832
得られたドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の領域で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、120℃を越える領域で機械方向の延伸率が実質0%、(剥ぎ取り時に機械方向に4%延伸することを考慮して)幅方向の延伸率と機械方向の延伸率との比が0.75となるように調整して、厚さ100μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。作製したフィルムのレターデーションを波長632.8nmで測定したところ、厚み方向のレターデーションが40nm、面内のレターデーションが4nmであった。作製したセルロースアセテートフィルムを透明支持体として用いた。
(第1下塗り層の形成)
上記の透明支持体の上に、下記の組成の塗布液を28ml/m2塗布し、乾燥して、第1下塗り層を形成した。
(第1下塗り層塗布液組成)
ゼラチン 5.42質量部
ホルムアルデヒド 1.36質量部
サリチル酸 1.60質量部
アセトン 391質量部
メタノール 158質量部
メチレンクロライド 406質量部
水 12質量部
(第2下塗り層の形成)
第1下塗り層の上に、下記の組成の塗布液を7ml/m2塗布し、乾燥して、第2下塗り層を形成した。
(第2下塗り層塗布液組成)
下記のアニオン性ポリマー 0.79質量部
クエン酸モノエチルエステル 10.1質量部
アセトン 200質量部
メタノール 877質量部
水 40.5質量部
Figure 0004756832
(バック層の形成)
透明支持体の反対側の面に、下記の組成の塗布液を25ml/m2塗布し、乾燥して、バック層を形成した。
(バック層塗布液組成)
酢化度55%のセルロースジアセテート 6.56質量部
シリカ系マット剤(平均粒径:1μm) 0.65質量部
アセトン 679質量部
メタノール 104質量部
(配向膜の形成)
第2下塗り層の上に、実施例1で用いたアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)の水溶液を塗布し、60℃の温風で90秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜層の膜厚は0.5μmであった。配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行とした。
(光学異方性層の形成)
配向膜の上に、前記実施例1で用いた光学異方性層塗布液と同一組成の塗布液を、#4のワイヤバーを用いて塗布した。塗布層の厚さは1.74μmであった。上記の塗布液を塗布したフィルムを、130℃の恒温槽中に入れ、約20秒間かけて膜面温度120℃まで加熱し、そのまま約120秒間保持した後、次いで約20秒間で80℃まで冷却した。同温度を保持したまま0.4J/cm2の紫外線を照射して液晶性分子の配向状態を固定し、光学異方性層を形成した。室温まで放冷して、光学補償シートを得た。
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。棒状液晶性分子の複屈折Δnは0.0969であった。以上のように作製したTN液晶セルの両側に、上記作製した光学補償シート二枚を光学異方性層が液晶セルの基板と対面するように貼り付けた。さらにそれらの外側に、偏光板二枚を貼り付けて液晶表示装置を作製した。光学補償シートの配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。また、偏光板の吸収軸と液晶セルのラビング方向とが、平行になるように配置した。液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示2Vおよび黒表示5Vそれぞれにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10、かつ階調反転のない領域を視野角として測定した。結果を表2に示す。
(液晶表示装置パネル上でのムラ評価)
実施例8の液晶表示装置の表示パネルを全面中間調に調整し、ムラを評価した。
[実施例12〜18、比較例5]
表2に記載の如くフッ素系ポリマーの種類と添加量を代えた以外は実施例11と同様にして液晶表示装置を作製し、同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004756832
上記表2に示した実施例11〜18と比較例5の結果から分かるように、フッ素系ポリマーを含有する組成物から形成した光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に大きく寄与する。これは、実施例の光学補償シートでは、光学異方性層において、液晶性分子のチルト角が増加しているためと考えられる。さらに、比較例5の結果からわかるように、フッ素系ポリマーを含有しない組成物から形成された光学異方性層を有する液晶表示装置では、格子状のムラが観測された。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位と、下記一般式(A1)で表されるモノマーから誘導される繰り返し単位とを有するポリマーの少なくとも一種、液晶性化合物、及び下記一般式(A)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから導かれる繰り返し単位と、下記一般式(B)で表されるモノマーから導かれる繰り返し単位とを含むポリマーの少なくとも一種を含有する組成物。
    Figure 0004756832
    (式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基または下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
    (連結基群)
    単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基;
    Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、またはホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。)
    Figure 0004756832
    (上記一般式(A1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。)
    Figure 0004756832
    (上記一般式(A)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。)
    Figure 0004756832
    (上記一般式(B)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有していても良い炭素数1以上20以下の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。)
  2. 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である請求項2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償シート。
  5. 前記光学異方性層中、液晶化合物がハイブリッド配向状態に固定されている請求項4に記載の光学補償シート。
  6. 請求項4又は5に記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
JP2004188333A 2003-11-26 2004-06-25 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置 Active JP4756832B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004188333A JP4756832B2 (ja) 2003-11-26 2004-06-25 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置
US10/995,217 US7311949B2 (en) 2003-11-26 2004-11-24 Composition, optical film, polarizing plate and liquid crystal display

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003394998 2003-11-26
JP2003394998 2003-11-26
JP2004188333A JP4756832B2 (ja) 2003-11-26 2004-06-25 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005179636A JP2005179636A (ja) 2005-07-07
JP4756832B2 true JP4756832B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=34797195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004188333A Active JP4756832B2 (ja) 2003-11-26 2004-06-25 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4756832B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4382620B2 (ja) * 2004-09-27 2009-12-16 富士フイルム株式会社 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置
JP4895088B2 (ja) * 2005-11-22 2012-03-14 Dic株式会社 重合性液晶組成物及び光学異方体
JP2007217656A (ja) * 2006-01-23 2007-08-30 Fujifilm Corp 組成物、位相差板、液晶表示装置および、位相差板の製造方法
JP2020158577A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 第一工業製薬株式会社 含フッ素共重合体含有組成物及び消泡剤

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11209787A (ja) * 1998-01-28 1999-08-03 Dainippon Ink & Chem Inc フッ素系界面活性剤及びその組成物
JP4309022B2 (ja) * 2000-05-18 2009-08-05 富士フイルム株式会社 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005179636A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007093879A (ja) 光学補償フィルム、偏光板、および液晶表示装置
JP2007108732A (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JP2005194451A (ja) 組成物、光学補償フィルム及び液晶表示装置
JP4619249B2 (ja) 光学異方性体、偏光板及び液晶表示装置
JP2007093864A (ja) 位相差板、偏光板および液晶表示装置
JP5186151B2 (ja) 液晶性組成物、光学異方性膜、光学フィルム、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2006276817A (ja) 位相差板、偏光板および液晶表示装置
JP2008209870A (ja) 光学補償シート、楕円偏光板及び液晶表装置
JP4253259B2 (ja) 液晶表示装置
JP2007045993A (ja) 液晶組成物、光学補償シート、及び液晶表示装置
JP4756832B2 (ja) 組成物、それを用いた光学補償シートおよび液晶表示装置
JP2006259129A (ja) 光学補償シートおよびこれを用いた液晶表示装置、光学補償シートの製造方法
JP2008058589A (ja) 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2007241011A (ja) 光学異方性膜、位相差板、及び液晶表示装置
JP2006091205A (ja) 光学補償シート、その製造方法、該光学補償シートを備えた偏光板および液晶表示装置
JP2006267183A (ja) 光学補償シート、その製造方法、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2007033712A (ja) 光学フィルムおよびこれを用いた偏光板、液晶表示装置
JP2007025203A (ja) 光学補償シート及び液晶表示装置
JP2004069730A (ja) 光学補償シートおよびその製造方法
JP5186150B2 (ja) 液晶性組成物、光学異方性膜、光学フィルム、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2006058801A (ja) 光学補償シートおよび液晶表示装置
JP2006251642A (ja) 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2006023543A (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2006195204A (ja) 光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置
JP2010223973A (ja) 配向膜、塗布組成物、基材フィルム、及び光学フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061212

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4756832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250