JP2006058801A - 光学補償シートおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学異方性層のハイブリッド配向するディスコティック液晶性化合物の配向膜界面におけるチルト角を制御し、光学補償機能に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートを提供する。
【解決手段】
支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記配向膜が下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有し、かつ、前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物の少なくとも一種を含有する、光学補償シート。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、Wは無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、Rは、置換基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜9の整数を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】
支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記配向膜が下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有し、かつ、前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物の少なくとも一種を含有する、光学補償シート。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、Wは無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、Rは、置換基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜9の整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートに関する。さらに本発明は、前記光学補償シートを用いた液晶表示装置に関する。
光学補償シートは画像着色解消や視野角拡大のために、様々な液晶表示装置で用いられている。従来から光学補償シートとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、支持体上にディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。この光学異方性層は、通常、ディスコティック液晶性化合物を含む光学異方性層塗布液を、あらかじめラビング処理した配向膜上に塗布し、配向温度よりも高い温度に加熱してディスコティック液晶性化合物を配向させ、その配向状態を固定することにより形成される。そして、一般的に、ディスコティック液晶性化合物は、大きな複屈折率を有するとともに、多様な配向形態がある。このようなディスコティック液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折フィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になってきている。
前記のように、ディスコティック液晶性化合物では多様な配向形態が存在するため、所望の光学特性の発現には光学異方性層におけるディスコティック液晶性化合物の配向を制御する必要がある。特に光学補償性能の発現には、ディスコティック液晶性化合物のチルト角を支持体面からの距離に伴って変化するように配向させる、いわゆる「ハイブリッド配向」の状態を実現することが重要であり、光学補償シートの性能、すなわち、視野角拡大、視角変化によるコントラスト低下、階調反転、黒白反転、および色相変化等を決める最も重要な因子となる。このハイブリッド配向は、ディスコティック液晶性化合物の配向の方位角を規制する目的で支持体上に設けられる配向膜表面のチルト角と光学補償シートの最外面である空気側界面のチルト角との差を利用して実現されている。ディスコティック液晶性化合物を用いて光学補償シートを塗設、乾燥した後、ディスコティック液晶性化合物は、空気界面と配向膜界面の両方でそれぞれ安定なチルト角でモノドメイン配向する。その結果、膜の厚み方向に連続的にチルト角が変化した配向状態が形成される。ディスコティック液晶性化合物は、空気界面では50°以上の高いチルト角を持つ性質がある。さらに、50°を凌ぐ角度を得る方法としてセルロース部分エステル化物を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、所望の光学補償機能を得るためには、配向膜面側のチルト角を精密に制御する必要がある。ポリビニルアルコールを用いた配向膜は、配向膜をラビング処理することによって、配向膜界面のチルト角を0°に近く制御できるため、目的のハイブリッド配向の実現に好適に用いられてきた(例えば、特許文献2参照)。しかし、本発明者がこれらの光学補償シートを実際に使用してみたところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に(理論的に期待できる程度まで)拡大しないものもあることが判明した。このように、光学補償機能が不充分になる理由の一つとして、ディスコティック液晶性化合物のチルト角、特に配向膜界面のチルト角が充分に制御できていないことがある。
ラビング以外の配向制御方法としては、光を用いた光配向技術が知られており、ディスコティック液晶性化合物を配向させるために、光官能性基(例えば、シンナモイル基、アゾ基等)が置換した重合体を配向膜とし、これに非偏光照射を行う事で配向性を付与させる技術が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、これらに記載の方法では、ディスコティック液晶性化合物の配向膜界面のチルト角は充分に制御できていなかった。
本発明は、配向膜を利用して、光学異方性層のハイブリッド配向するディスコティック液晶性化合物の配向膜界面におけるチルト角を制御し、光学補償機能に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートを提供することを課題とする。さらに、該光学補償シートを用いた液晶表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1]支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記配向膜が下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有し、かつ、前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物の少なくとも一種を含有する、光学補償シート。
一般式(1)
(一般式(1)中、Wは無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、Rは、置換基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜9の整数を表す。)
[2]前記配向膜の配向機能が光照射によって付与されている、[1]に記載の光学補償シート。
[3]前記光照射が、単一方向からの非偏光照射である、[2]に記載の光学補償シート。
[4]前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶性化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学補償シート。
[5]前記光学異方性層が、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物から形成され、かつ、前記ハイブリッド配向が固定された、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学補償シート。
[6]前記光学異方性層の配向膜界面側のディスコティック液晶性化合物のチルト角θ1が10°≦θ1≦30°である[1]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シート。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の光学補償シートを有することを特徴とする液晶表示装置。
[1]支持体上に配向膜と光学異方性層とを有する光学補償シートであって、前記配向膜が下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有し、かつ、前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物の少なくとも一種を含有する、光学補償シート。
一般式(1)
[2]前記配向膜の配向機能が光照射によって付与されている、[1]に記載の光学補償シート。
[3]前記光照射が、単一方向からの非偏光照射である、[2]に記載の光学補償シート。
[4]前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶性化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学補償シート。
[5]前記光学異方性層が、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物から形成され、かつ、前記ハイブリッド配向が固定された、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学補償シート。
[6]前記光学異方性層の配向膜界面側のディスコティック液晶性化合物のチルト角θ1が10°≦θ1≦30°である[1]〜[5]のいずれかに記載の光学補償シート。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の光学補償シートを有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明の特定構造のアゾ化合物を配向膜(例えば、光配向膜)に利用することによって、例えば、単一方向からの非偏光照射でディスコティック液晶性化合物を配向させる機能を付与できた。特に、従来のラビング処理や配向膜では不可能な配向膜界面側の高いチルト角を実現できるため、ディスコティック液晶性化合物を迅速に配向させることができ、生産性を向上させるとともに、光学補償機能に優れ、かつ、画像表示装置に用いた場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートを提供することができた。また、光照射により配向機能を付与する方法ではラビング屑が発生しないため、配向欠陥の無い光学的均一性の高い光学補償シートが作製できた。さらに、広い面積に光照射をすることは容易であるため、広幅で長尺な光学補償シートを得ることが可能になった。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の配向膜に用いられる下記一般式(1)で表されるアゾ化合物について説明する。
一般式(1)
(一般式(1)中、Wは無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、Rは、置換基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは0〜9の整数を表す。)
まず、本発明の配向膜に用いられる下記一般式(1)で表されるアゾ化合物について説明する。
一般式(1)
上記一般式(1)中、Rは、好ましくは下記に例示した置換基群から選ばれる置換基である。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基(またはその塩を含む、(以下、特に述べない限り、同じ))、カルボキシル基(またはその塩を含む、(以下、特に述べない限り、同じ))、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、1,3,5−トリアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)、アゾ基が含まれる。
これらの置換基は、さらに上記の置換基および/または他の置換基(好ましくは上記置換基)によって置換されていてもよく、置換基を二つ以上有する場合は、それぞれの置換基は、同じでも異なってもよく、さらに、可能な場合には、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい(以下、特に述べない限り、Rの説明について同じ)。さらに、Rは、一般式(1)に表されているアゾベンゼン骨格に含まれるベンゼン環と縮合環を形成していてもよい(以下、特に述べない限り、Rの説明について同じ)。
これらの置換基は、さらに上記の置換基および/または他の置換基(好ましくは上記置換基)によって置換されていてもよく、置換基を二つ以上有する場合は、それぞれの置換基は、同じでも異なってもよく、さらに、可能な場合には、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい(以下、特に述べない限り、Rの説明について同じ)。さらに、Rは、一般式(1)に表されているアゾベンゼン骨格に含まれるベンゼン環と縮合環を形成していてもよい(以下、特に述べない限り、Rの説明について同じ)。
Rは、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールチオ基、ウレイド基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アゾ基、であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アミノ基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、フェニルチオ基、ウレイド基、ヒドロキシ基、のスルホ基、カルボキシル基、アゾ基、であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、アミノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アゾ基であることがさらに好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アゾ基であることが特に好ましい。
mは1〜4の整数を表し、好ましくは2または4である。mが2以上のとき、2つのWは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。nは0〜9の整数を表し、好ましくは0〜6であり、nが2以上の整数を表すとき、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。また、Rは、2個存在する場合は、これらは、オルト、パラ、メタのいずれの位置に結合していてもよい。
Wがカルボキシル基の塩またはスルホ基の塩の場合、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
Wがカルボキシル基の塩またはスルホ基の塩の場合、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
前記一般式(1)は、より好ましくは、一般式(1−1)である。
一般式(1−1)
一般式(1−1)中、W1は無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し、m1は1または2を表し、n1は0〜4の整数を表し、n2は0〜5の整数を表す。
一般式(1−1)
上記一般式(1)中、R1およびR2は、好ましくは、それぞれ独立に、上記一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同義である。
m1は1または2を表し、好ましくは1である。m1が2のとき、2つのWは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。n1は0〜4の整数を表し、好ましくは0〜3であり、n1が2以上の整数を表すとき、複数個のR1は同一でも異なっていてもよい。n2は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜3であり、n2が2以上の整数を表すとき、複数個のR2は同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物の中でも、下記一般式(1−2)で表されるアゾ化合物が好ましい。
一般式(1−2)
一般式(1−2)中、W2は無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、R3はベンゼン環のいずれかの位置に結合している置換基を表し、m2は1〜4の整数を表し、n3は0〜17の整数を表す。
一般式(1−2)
W2は好ましくは、無置換のスルホ基もしくはその塩である。R3で表される置換基は、前記一般式(1)におけるRで表される置換基と同義であり、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基であり、特に好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基である。
m2は好ましくは、2〜4である。n3は好ましくは、0〜8の整数であり、特に好ましくは、2〜8の整数である。
前記一般式(1−2)で表されるアゾ化合物の中でも、下記一般式(1−3)で表されるアゾ化合物が特に好ましい。
一般式(1−3)
一般式(1−3)中、W3およびW4は無置換のスルホ基もしくはその塩を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に置換基を表し、n4は0〜5の整数を表し、n5は0〜5の整数を表す。
一般式(1−3)
R4およびR5で表される置換基は、前記一般式(1−2)におけるR3で表される置換基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。n4は好ましくは、2であり、n5は好ましくは、2である。
以下に本発明で好ましく用いることのできる一般式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前記一般式(1)で表わされるアゾ化合物は、無置換のカルボキシル基もしくはその塩または無置換のスルホ基(−SO3H)もしくはその塩を有するため、水あるいは極性有機溶媒に高い溶解性を示す傾向にある。従って、水あるいは極性有機溶媒に溶解した塗布液を、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により塗布した後、水あるいは極性有機溶媒を除去することによって配向膜を形成することができる。配向膜の厚さは、0.01〜2μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがより好ましい。
本発明の配向膜に配向機能を付与するため、膜に対して単一な方向から光を照射することができる(光配向膜)。照射する光はX線、電子線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)が用いられている。紫外線を用いることが特に好ましい。紫外線の波長は400nm以下であることが好ましく、180〜360nmであることがさらに好ましい。光源としては低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、あるいはショートアーク放電ランプが好ましく用いられる。光は可能な限り単一方向に揃えて膜に照射する。この単一方向とは、膜平面(光の方向を膜平面に投影した向き)において単一の方向であることを意味し、膜平面に対して水平または垂直の方向も含む。ただし、膜平面に対して斜め方向から照射することが好ましい。照射方向はディスコティック液晶性化合物を配向させたい方向によって調節する。
液晶セルに配向膜を用いる従来技術では、一般的に、両面配向膜の間に液晶層を設けてから光照射が実施されていた。しかしながら本発明ではディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を設ける前に光照射を実施することが好ましい。よって、支持体側からではなく、直接、配向膜に対して光照射を実施することができる。また、一般には直線偏光を照射していたが、本発明では非偏光の光照射によっても配向機能を付与することができる。照射量は10mJ/cm2〜30000mJ/cm2が好ましく、20mJ/cm2〜6000mJ/cm2であることが最も好ましい。
本発明の光学補償シートは、ディスコティック液晶性化合物、及びその他必要に応じて添加する各種化合物を含有する光学異方性層塗布液を、本発明の配向膜上に塗布し、ディスコティック液晶性化合物を配向させることにより光学異方性層を形成する工程を含む方法によって作製することができる。前記光学異方性層は、ディスコティック液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を示す。以下に、本発明の光学補償シートの光学異方性層に用いられる材料のうち、上記で説明したアゾ化合物系配向膜以外の材料について詳細に説明する。
[ディスコティック液晶性化合物]
ディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。
ディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。
本発明に用いるディスコティック液晶性化合物としては、トリフェニレン液晶性化合物が特に好ましい。本発明に用いられるトリフェニレン液晶性化合物の例としては、前記C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)、またはB.Moureyらの研究報告、Mol.Cryst.84巻、193頁(1982年)に記載されているトリフェニレン誘導体などを挙げることができる。特に好ましいトリフェニレン液晶性化合物としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、および特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体を挙げることができる。
また、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物は必ずしも液晶性化を有している必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等での反応により重合または架橋し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載があり、本発明にも適用することができる。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定する方法の一例として、ディスコティック液晶性化合物として、ディスコティックコアに置換基として重合性基が結合した液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向させた後、前記液晶性化合物を重合させて固定する方法がある。但し、ディスコティックコアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる傾向にある。そこで、ディスコティックコアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。重合性基を有する好ましいディスコティック液晶性化合物としては、下記一般式(2)で表わされる化合物が好ましい例として挙げられる。
一般式(2)
D(−L−P)n
一般式(2)中、Dはディスコティックコアを表し、Lは2価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。このようなディスコティック液晶性化合物の具体例としては、国際公開WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載のものが挙げられる。
D(−L−P)n
一般式(2)中、Dはディスコティックコアを表し、Lは2価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。このようなディスコティック液晶性化合物の具体例としては、国際公開WO01/88574A1号公報の58頁6行〜65頁8行に記載のものが挙げられる。
本発明で用いられる最も好ましいディスコティック液晶性化合物としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、およ
び特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導
体の中でも、トリフェニレンコアと重合性基との間に連結基を有する化合物を挙げることができる。
び特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導
体の中でも、トリフェニレンコアと重合性基との間に連結基を有する化合物を挙げることができる。
本発明では、2種類以上のディスコティック液晶性化合物を併用してもよい。また、例えば、上記の重合性ディスコティック液晶性化合物と非重合性ディスコティック液晶性化合物とを併用することも可能である。非重合性ディスコティック液晶性化合物は、前述した重合性ディスコティック液晶性化合物の重合性基(上記一般式(2)中のP)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3)
Di(−L−Ri)ni
一般式(3)中、Diはディスコティックコアを、Lは2価の連結基を、Riは水素原子またはアルキル基を表し、niは4〜12の整数である。このようなディスコティック液晶性化合物の具体例として、(特開平8−50206号公報)に記載のものが挙げられる。
Di(−L−Ri)ni
一般式(3)中、Diはディスコティックコアを、Lは2価の連結基を、Riは水素原子またはアルキル基を表し、niは4〜12の整数である。このようなディスコティック液晶性化合物の具体例として、(特開平8−50206号公報)に記載のものが挙げられる。
[光学異方性層の添加剤]
本発明の光学補償シートに含まれる光学異方性層を形成する場合、前記ディスコティック液晶性化合物と任意の添加剤を併用した光学異方性層塗布液を採用することができる。添加剤の例としては、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性化合物のチルト角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。以下、各添加剤について説明する。
本発明の光学補償シートに含まれる光学異方性層を形成する場合、前記ディスコティック液晶性化合物と任意の添加剤を併用した光学異方性層塗布液を採用することができる。添加剤の例としては、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性化合物のチルト角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。以下、各添加剤について説明する。
[風ムラ防止剤]
ディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時の風ムラを防止するための材料としては、一般にフッ素系ポリマーを好適に用いることができる。使用するフッ素系ポリマーとしては、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。風ムラ防止剤として使用可能なフッ素ポリマーの例としては、特願2002−364034号公報、特願2003−129354号公報、特願2003−394998号公報、特願2004−12139号公報に記載がある。ディスコティック液晶性化合物とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。液晶性化合物の配向を阻害しないように、風ムラ防止目的で使用されるフッ素系ポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜2質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜1質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.4〜1質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時の風ムラを防止するための材料としては、一般にフッ素系ポリマーを好適に用いることができる。使用するフッ素系ポリマーとしては、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。風ムラ防止剤として使用可能なフッ素ポリマーの例としては、特願2002−364034号公報、特願2003−129354号公報、特願2003−394998号公報、特願2004−12139号公報に記載がある。ディスコティック液晶性化合物とフッ素系ポリマーとを併用することによって、ムラを生じることなく表示品位の高い画像を表示することができる。さらに、ハジキなどの塗布性も改善される。液晶性化合物の配向を阻害しないように、風ムラ防止目的で使用されるフッ素系ポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜2質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜1質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.4〜1質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
[ハジキ防止剤]
ディスコティック液晶性化合物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
[配向膜チルト角制御剤]
配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加することができる。分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物としては、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−NH−PO、PO−SH、PO−S−PO、PO−CO−PO、PO−COO−PO、PO−CONH−PO、PO−CONHCO−PO、PO−SO3H、PO−SO3−PO、PO−SO2NH−PO、PO−SO2NHSO2−PO、PO−C=N−PO、HO−P(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、P(−OPO)3、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3、PO−NO2およびPO−CNならびに有機塩が好ましい例として挙げられる。ここで、有機塩としては、上記化合物の有機塩(例えば、アンモニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等)の他、ピリジニウム塩等も好ましく採用することができる。前記分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物の中でも、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−SO3H、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3もしくはこれらの有機塩が好ましい。ここで、上記各POは非極性基を表し、POが複数ある場合は、それぞれのRは同一でも異なっていてもよい。
配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加することができる。分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物としては、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−NH−PO、PO−SH、PO−S−PO、PO−CO−PO、PO−COO−PO、PO−CONH−PO、PO−CONHCO−PO、PO−SO3H、PO−SO3−PO、PO−SO2NH−PO、PO−SO2NHSO2−PO、PO−C=N−PO、HO−P(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、P(−OPO)3、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3、PO−NO2およびPO−CNならびに有機塩が好ましい例として挙げられる。ここで、有機塩としては、上記化合物の有機塩(例えば、アンモニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等)の他、ピリジニウム塩等も好ましく採用することができる。前記分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物の中でも、PO−OH、PO−COOH、PO−O−PO、PO−NH2、PO−SO3H、HO−PO(−OPO)2、(HO−)2PO−OPO、PO(−OPO)3もしくはこれらの有機塩が好ましい。ここで、上記各POは非極性基を表し、POが複数ある場合は、それぞれのRは同一でも異なっていてもよい。
POとしては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アリール基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基)が例として挙げられる。これらの非極性基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が好ましい例として挙げられる。
本発明では、光学異方性層塗布液等に配向膜チルト制御剤を添加し、配向膜チルト制御剤の存在下で液晶性化合物の分子を配向させることで、配向膜側界面における液晶性化合物のチルト角を調整することができる。配向膜チルト角制御剤の添加量は、一般的には、液晶性化合物の質量に対して0.0001質量%〜30質量%であるのが好ましく、0.001質量%〜20質量%であるのがより好ましく、0.005質量%〜10質量%であるのがさらに好ましい。本発明に使用可能な配向膜チルト制御剤の具体例を以下に示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
[重合開始剤]
液晶性化合物の分子を配向状態に固定して光学異方性層を形成するのが好ましく、重合反応を利用して液晶性化合物の分子を固定するのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例、光重合開始財の使用量、および重合のための光照射エネルギーの値の各々は特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載が本発明に適用できる。
液晶性化合物の分子を配向状態に固定して光学異方性層を形成するのが好ましく、重合反応を利用して液晶性化合物の分子を固定するのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例、光重合開始財の使用量、および重合のための光照射エネルギーの値の各々は特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載が本発明に適用できる。
[重合性モノマー]
液晶性化合物とともに重合性モノマーを使用してもよい。本発明に使用可能な重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
液晶性化合物とともに重合性モノマーを使用してもよい。本発明に使用可能な重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
本発明の光学異方性層は、塗布液として調製するのが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
本発明の光学異方性層は、塗布液として調製するのが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
光学異方性層塗布液の配向膜表面への塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、光学異方性層塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
光学異方性層塗布液の配向膜表面への塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、光学異方性層塗布液における液晶性化合物の含有量は1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
[光学異方性層の特性]
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
本発明の光学異方性層塗布液を配向膜上に適用すると、液晶性化合物は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。本発明の光学異方性層塗布液を配向膜の表面に塗布後、液晶性化合物を均一配向(モノドメイン配向)させることで、実態ではないが、イメージで表すと空気界面から配向膜界面に向けて、つまり光学異方性層の深さ方向に液晶性化合物のチルト角(ディスコティック液晶性化合物の円盤面の法線と支持体の配向膜を設ける面の法線とがなす角)が連続的に変化するハイブリッド配向を実現することができる。液晶性化合物をハイブリッド配向させ、且つその配向状態に固定することによって形成された光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与し、並びに視角変化に対するコントラスト低下、階調または黒白反転、および色相変化等を防止するのに寄与する。
一般的に、空気界面側のディスコティック液晶性化合物のチルト角は、所望により添加される他の化合物(例えば、前記水素結合性基を有する少なくとも2種の化合物より形成される水平配向化剤など)を選択することにより調整することができ、本発明の光学補償シートを適用する液晶表示装置の表示モードに応じて、好ましいハイブリッド配向状態を実現することができる。
また、配向膜側の液晶性化合物のチルト角は、前記した方法(配向膜の光照射方向、配向膜チルト角制御剤等)により制御することができる。
また、配向膜側の液晶性化合物のチルト角は、前記した方法(配向膜の光照射方向、配向膜チルト角制御剤等)により制御することができる。
[チルト角]
チルト角とは、液晶性化合物の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)の法線がなす角度を指す。配向膜側のチルト角は小さすぎると、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物をモノドメイン配向させるのに要する時間が長くなるため大きい方が好ましい傾向にあり、また、チルト角を有る程度小さくすることにより、光学補償シートとして好ましい光学性能がより効果的に得られる。したがって、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能の両立の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は5°〜50°、さらに好ましくは10°〜50°、特に好ましいのは10°〜40°、最も好ましくは10°〜30°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は40°〜80°、さらに好ましくは50〜80°、特に好ましいのは50〜70°である。配向膜側のチルト角は、配向膜の光照射方向を変える方法、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。なお、上述した様に、光学異方性層が一旦形成された後、転写などにより2つの層間に配置されている場合等は、必ずしも光学異方性層の界面は配向膜界面と空気界面でなく、かかる態様では、光学異方性層が有する2つの界面のうち一方の界面側および他方の界面側それぞれにおける液晶性化合物のチルト角が、上記配向膜側チルト角の範囲および上記空気界面側のチルト角の範囲であるのが好ましい。
チルト角とは、液晶性化合物の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)の法線がなす角度を指す。配向膜側のチルト角は小さすぎると、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物をモノドメイン配向させるのに要する時間が長くなるため大きい方が好ましい傾向にあり、また、チルト角を有る程度小さくすることにより、光学補償シートとして好ましい光学性能がより効果的に得られる。したがって、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能の両立の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は5°〜50°、さらに好ましくは10°〜50°、特に好ましいのは10°〜40°、最も好ましくは10°〜30°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は40°〜80°、さらに好ましくは50〜80°、特に好ましいのは50〜70°である。配向膜側のチルト角は、配向膜の光照射方向を変える方法、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。なお、上述した様に、光学異方性層が一旦形成された後、転写などにより2つの層間に配置されている場合等は、必ずしも光学異方性層の界面は配向膜界面と空気界面でなく、かかる態様では、光学異方性層が有する2つの界面のうち一方の界面側および他方の界面側それぞれにおける液晶性化合物のチルト角が、上記配向膜側チルト角の範囲および上記空気界面側のチルト角の範囲であるのが好ましい。
[支持体]
本発明に使用する支持体は透明な支持体(透明支持体)であるのが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号公報に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
本発明に使用する支持体は透明な支持体(透明支持体)であるのが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号公報に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度、およびその範囲、並びにセルロースアセテートの化学構造は、特開2002−196146号公報の段落番号[0021]の記載を適用できる。セルロースアシレートフィルムを、非塩素系溶媒を用いて製造することについて、発明協会公開技報2001−1745号に詳しく記載されており、そこに記載されたセルロースアシレートフィルムも本発明に好ましく用いることができる。
透明支持体として用いるセルロースエステルフィルムの厚み方向のレターデーション値、および複屈折率の範囲は、特開2002−139621号公報の段落番号[0018]〜[0019]の記載を適用できる。
透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアシレートフィルムのレターデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物の好ましい範囲、および使用量は、特開2002−139621号公報の段落番号[0021]〜[0023]の記載を適用できる。このようなレターデーション上昇剤については国際公開WO01/88574A1号公報、国際公開WO00/2619A1号公報、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、特願2002−70009号明細書等に記載されている。
セルロースアシレートフィルムは、調製されたセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて、ドープの2層以上流延によるフィルム化もできる。フィルムの形成は、特開2002−139621号公報の段落番号[0038]〜[0040]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、特開2002−139621号公報の段落番号[0043]の態様、および好ましい範囲が本発明に適用できる。
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開2002−139621号公報の段落番号[0044]の記載を適用できる。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
セルロースアシレートフィルムの表面処理、および固体の表面エネルギーについては、特開2002−196146号公報の段落番号[0051]〜[0052]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。
[光学補償シートの用途]
本発明の光学補償シートは、偏光膜と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
本発明の光学補償シートは、偏光膜と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
[楕円偏光板]
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は前記光学補償シートの光学異方性層側に積層する。偏光膜の光学補償シートを積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくはトリアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートの利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。また、表示ムラのない高品位の画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書および国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許第2866372号公報に記載がある。
本発明の光学補償シートの利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。また、表示ムラのない高品位の画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書および国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許第2866372号公報に記載がある。
本発明において、上記公報を参考にして各種のモードの液晶セル用光学補償シートを作製することができる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなど、種々のモードで駆動される液晶セルと組合わせて液晶表示装置に適用できる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モードまたはOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置において特に効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作などは本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアゾ化合物(A−1)を50nmの厚さに塗布、乾燥し、波長365nm付近に輝線スペクトルを有する非偏光の紫外線をフィルム面に対して45°方向から照射し、配向膜を作製した。この時の照射量は30J/cm2であった。配向膜の上に、以下の組成の塗布液を、バーコーターを用いて塗布した。
[実施例1]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用いた。透明支持体上にアゾ化合物(A−1)を50nmの厚さに塗布、乾燥し、波長365nm付近に輝線スペクトルを有する非偏光の紫外線をフィルム面に対して45°方向から照射し、配向膜を作製した。この時の照射量は30J/cm2であった。配向膜の上に、以下の組成の塗布液を、バーコーターを用いて塗布した。
(光学異方性層塗布液)
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
増感剤
(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3.3質量部
増感剤
(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
次に、上記塗布層を膜面温度120℃で加熱熟成した後、約20秒間で80℃まで冷却した。次いで、同温度を保持したまま0.4J/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは1.8μmであった。以上の如く光学異方性層を形成し光学補償シートを作製した。
(光学補償シートの評価)
光学補償シートの光学異方性層における液晶性分子の配向膜近傍のチルト角及び空気界面近傍のチルト角は、得られた光学補償シートを斜め切削し、偏光ラマン分光法で測定した。結果を表1に示す。また、表中の配向時間とは、加熱熟成を開始してからディスコティック液晶性化合物がモノドメイン配向するまでに要した時間を表す。
光学補償シートの光学異方性層における液晶性分子の配向膜近傍のチルト角及び空気界面近傍のチルト角は、得られた光学補償シートを斜め切削し、偏光ラマン分光法で測定した。結果を表1に示す。また、表中の配向時間とは、加熱熟成を開始してからディスコティック液晶性化合物がモノドメイン配向するまでに要した時間を表す。
[実施例2〜4、比較例1]
表1に記載の如くアゾ化合物を代えた以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、チルト角算出および配向時間評価を行った。結果を表1に示す。
表1に記載の如くアゾ化合物を代えた以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、チルト角算出および配向時間評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
アゾ化合物を比較例1で用いたAA−1に変更し、85℃に加熱した状態で実施例1と同条件で光照射した。それ以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、チルト角算出および配向時間評価を行った。結果を表1に示す。
アゾ化合物を比較例1で用いたAA−1に変更し、85℃に加熱した状態で実施例1と同条件で光照射した。それ以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製し、チルト角算出および配向時間評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
表1に記載の如くアゾ化合物を、アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)に変更し、0.5μmの厚さに塗布して、乾燥させ、その表面をラビング処理した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。結果を表1に示す。
表1に記載の如くアゾ化合物を、アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)に変更し、0.5μmの厚さに塗布して、乾燥させ、その表面をラビング処理した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。結果を表1に示す。
上記表1に示した結果から、光学異方性層の形成において、本発明のアゾ化合物を配向膜として使用した実施例1〜4場合、配向の迅速性を損なうことなく高い界面チルト角、特に高い配向膜界面チルト角を有したハイブリッド配向を実現できていることが分かる。一方で、従来のアゾ化合物を使用した場合、比較例1ではシュリーレン欠陥が起こり、比較例2やポリビニルアルコールを使用しラビング処理した比較例3では、ハイブリッド配向は実現できるものの、界面のチルト角は低く、配向速度も遅延化した。これらの結果から、特定構造のアゾ化合物を配向膜として使用し、該配向膜上で形成された光学異方性層は、光学補償シートとしての性能に必要な大きな界面チルト角を形成し、且つ液晶性分子の配向速度の遅延化を引き起こさないことがわかった。
次に、液晶表示装置としての応用例を示す。
[実施例5]
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
───────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
───────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤)3.9質量部 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 293質量部 314質量部
メタノール(第2溶媒) 71質量部 76質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5質量部 1.6質量部
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0質量部 0.8質量部
下記レターデーション上昇剤 1.4質量部 0質量部
────────────────────────────────────
[実施例5]
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
───────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
───────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤)3.9質量部 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 293質量部 314質量部
メタノール(第2溶媒) 71質量部 76質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5質量部 1.6質量部
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0質量部 0.8質量部
下記レターデーション上昇剤 1.4質量部 0質量部
────────────────────────────────────
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃にて乾燥させた。その後、140℃の温度で30分間乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルムをポリマー基材として、光学特性を測定した。
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、82nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、アゾ化合物(A−1)を50nmの厚さに塗布、乾燥し、波長365nm付近に輝線スペクトルを有する非偏光の紫外線を、ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行方向、且つ、基材面に対して45°方向から照射し、配向膜を作製した。この時の照射量は30J/cm2であった。
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、82nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、アゾ化合物(A−1)を50nmの厚さに塗布、乾燥し、波長365nm付近に輝線スペクトルを有する非偏光の紫外線を、ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行方向、且つ、基材面に対して45°方向から照射し、配向膜を作製した。この時の照射量は30J/cm2であった。
(光学異方性層の形成)
光学異方性層の組成物A
実施例1のディスコティック液晶性化合物 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
光学異方性層の組成物A
実施例1のディスコティック液晶性化合物 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
上記を含む塗布組成物Aを、102Kgのメチルエチルケトンに溶解し塗布液とし、これを配向膜上に#3.6のワイヤーバーで連続的に塗布し、130℃の状態で2分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層付き光学補償シート(KH−1)を作製した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は38nmであった。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は38nmであった。
(偏光子の作製)
平均重合度4000、鹸化度99.8mol%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーのついたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜した。
このフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45度方向に斜め延伸してそのままよう素0.5g/L、よう化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、よう化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、さらに水洗槽で、20℃で10秒間水洗したのち80℃で5分間乾燥してよう素系偏光子(HF−01)を得た。偏光子は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
平均重合度4000、鹸化度99.8mol%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーのついたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜した。
このフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45度方向に斜め延伸してそのままよう素0.5g/L、よう化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、よう化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、さらに水洗槽で、20℃で10秒間水洗したのち80℃で5分間乾燥してよう素系偏光子(HF−01)を得た。偏光子は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)をポリマー基材(PK−1)面で偏光子(HF−01)の片側に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80U:富士写真フィルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。
偏光子の透過軸とポリマー基材(PK−1)の遅相軸とは平行になるように配置した。偏光子の透過軸と上記トリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)をポリマー基材(PK−1)面で偏光子(HF−01)の片側に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80U:富士写真フィルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。
偏光子の透過軸とポリマー基材(PK−1)の遅相軸とは平行になるように配置した。偏光子の透過軸と上記トリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
[実施例6〜8、比較例4]
実施例5で配向膜に用いたアゾ化合物(A−1)を表2のよう変更した以外は、実施例5と同様に行い光学補償シートおよび偏光板を作製した。なお、アゾ化合物AA−1は、85℃に加熱した状態で光照射を行った。
実施例5で配向膜に用いたアゾ化合物(A−1)を表2のよう変更した以外は、実施例5と同様に行い光学補償シートおよび偏光板を作製した。なお、アゾ化合物AA−1は、85℃に加熱した状態で光照射を行った。
[比較例5]
表2に記載の如くアゾ化合物を、アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)に変更し、0.5μmの厚さに塗布して、乾燥させ、その表面をラビング処理した以外は、実施例5と同様にして光学補償シートおよび偏光板を作製した。
表2に記載の如くアゾ化合物を、アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)に変更し、0.5μmの厚さに塗布して、乾燥させ、その表面をラビング処理した以外は、実施例5と同様にして光学補償シートおよび偏光板を作製した。
(TN液晶セルでの評価)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。実施例6〜8、比較例3、4についても同様にして液晶表示装置を作製し、視野角を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
上記表2に示した実施例5〜8と比較例4、5の結果から分かるように、本発明のアゾ化合物を配向膜として使用した実施例5〜8場合、本発明の光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に大きく寄与する。これは、実施例の光学補償シートでは、光学異方性層において、液晶性化合物のチルト角が増加しているためと考えられる。
Claims (6)
- 前記配向膜の配向機能が光照射によって付与されている、請求項1に記載の光学補償シート。
- 前記光照射が、単一方向からの非偏光照射である、請求項2に記載の光学補償シート。
- 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶性化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償シート。
- 前記光学異方性層が、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物から形成され、かつ、前記ハイブリッド配向が固定された、請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償シートを有することを特徴とする液晶表示装置。
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