JP2006195033A - 液晶装置、電子機器、および液晶装置の製造方法 - Google Patents

液晶装置、電子機器、および液晶装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を形成することのできる液晶装置、それを用いた電子機器、および液晶装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 対向配置された一対の基板10、20の間に液晶を保持した液晶装置の製造方法において、基板10、20の表面に無機配向膜を形成する無機配向膜形成工程では、基板表面に金属膜M1を形成した後、金属膜M1の表面に多数条の溝M10を形成する。しかる後に、金属膜M1に陽極酸化を施して、表面で複数の微細孔が開口する多孔質陽極酸化膜を配向膜12、22として形成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、一対の基板の間に液晶を保持してなる液晶装置、この液晶装置を備えた電子機器、および当該液晶装置の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、液晶装置における液晶の配向制御技術に関するものである。
一般に、液晶プロジェクタなどの投射型表示装置のライトバルブや携帯電話等の表示装置として用いられる液晶装置には、液晶を保持する基板の最表面に、液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されている。かかる配向膜としては、従来、ポリイミド等の有機膜をラビング処理したものが広く使用されている。しかしながら、このような有機配向膜は配向力に優れる反面、熱や光に弱く、長期間の使用によって、その配向力が次第に低下してしまうという問題点があった。例えば、投射型表示装置では、光束密度が2〜10(lm/mm2)程度の高強度の光がライトバルブに照射されるため、有機配向膜は光源からの光や熱によって次第に分解されてしまい、液晶分子を所望のプレチルト角に配列できなくなる場合がある。
そこで、前記配向膜として無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示の技術では、斜方蒸着法により基板に対して斜めに配列した柱状構造物を形成する方法が開示されている。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
特開昭57−112714号公報
しかしながら、特許文献1に開示の無機配向膜は、それを形成する工程で真空プロセスを用いるため、製造装置が大掛かりなものになってしまう。また、アクティブマトリクス型の液晶装置の電極面に配向膜を形成する場合、スイッチング素子の形成位置に対応して電極表面に段差部が形成されており、かかる段差部においては、斜方蒸着方向からみて影となる部分が発生する場合があり、所定の配向膜を形成できないという不具合が発生しやすい。このような不具合は、配向膜としての信頼性低下につながり、例えば液晶装置を表示装置として用いた場合、表示不良を生じさせる原因となるため、好ましくない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、配向能力が高く、配向安定性および信頼性に優れた無機配向膜を備えた液晶装置、この液晶装置を備えた電子機器、および液晶装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、対向配置された一対の基板の間に液晶を保持した液晶装置において、前記一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の表面には、表面に多数条の溝が形成されているとともに、表面に多数の微細孔が開口する多孔質酸化膜からなる無機配向膜が形成され、前記液晶は、所定のプレチルト角をもって前記一対の基板の間で配向していることを特徴とする。
本発明において、無機配向膜の表面では多数の微細孔が開口しており、形状配向膜としての特性を発揮する。すなわち、液晶は、微細孔の内周面に沿って確実に配向され、高い配向能力を実現することができる。また、無機配向膜の表面には多数条の溝が形成されているため、その表面形状の影響も受ける結果、液晶は、所定のプレチルト角をもって配向するので、リバースチルトドメインなどの配向欠陥を防止することができる。さらに、配向膜は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、強い光が照射されても劣化することがない。
本発明において、前記多数条の溝は、例えば、いずれも同一方向に延びている。
本発明において、前記多孔質酸化膜は、多孔質陽極酸化膜から容易に形成することができる。すなわち、本発明を適用した液晶装置を製造する際、前記一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜を形成する無機配向膜形成工程では、少なくとも、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する金属膜形成工程と、前記金属膜の表面に多数条の溝を形成する溝形成工程と、前記多数条の溝が形成された前記金属膜に陽極酸化を施して、表面で複数の微細孔が開口する多孔質陽極酸化膜を前記無機配向膜として形成する陽極酸化工程とを行うことを特徴とする。このような陽極酸化法を用いれば、基板に対して略垂直に延びた複数の微細孔が2次元配列された酸化膜を形成することがき、かつ、複数の微細孔が形成された酸化膜を形成することができる、このような酸化膜からなる配向膜は、液晶を概ね一方向、すなわち、初期状態(電圧無印加状態)において基板面に垂直に配向させることができる。また、配向膜を形成する際、真空装置を必要とせず、製造装置の構成を簡素化、小型化できる。また、陽極酸化法の場合には、斜方蒸着法と違って、表面に凹凸が存在する場合でも蒸着方向からみて影になる部分で配向ムラが生じるようなおそれもない。しかも、陽極酸化法を用いた場合には、前記微細孔のピッチ、サイズ、形状、深さ等を陽極酸化の条件によって調節することができる。一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開口した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。それ故、これらの陽極酸化条件を制御するだけで、最適な配向膜を容易に形成することができ、配向状態の安定化を図ることができる。
本発明において、前記溝形成工程では、前記金属膜の表面を布で擦れば、同一方向に延びた多数条の溝を形成することができる。また、多数の微細孔は、一定のピッチで規則的に配列されることが望ましい。こうすることで、均一な配向が得られるようになる。
本発明において、多孔質陽極酸化膜としては、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(Ta)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものや、その合金の陽極酸化膜を用いることができるが、これらの金属の中でも、アルミニウムは前記のような微細孔を形成しやすい。前記多孔質陽極酸化膜として、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜の多孔質陽極酸化膜を用いる場合、前記金属膜形成工程において、前記金属膜として、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜を形成し、前記陽極酸化工程では、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜に対して、例えば、シュウ酸などの有機酸、リン酸、硫酸、あるいはクロム酸などの無機酸を配合した酸性電解液中で陽極酸化を行えばよい。
本発明において、前記多孔質酸化膜の下層側に液晶駆動電極が形成され、当該液晶駆動電極の上層に前記多孔質酸化膜が積層されている構成を採用できる。
本発明において、前記多孔質酸化膜の下層側では、液晶駆動電極の上層に絶縁膜が積層され、当該絶縁膜の上層に前記多孔質酸化膜が積層されている構成を採用してもよい。このように構成すると、陽極酸化を行った際、液晶駆動電極に腐食などが発生することを防止することができる。また、このような構成は、絶縁膜の下層側に互いに分離した液晶駆動電極が構成されている場合に効果的である。すなわち、互いに分離した液晶駆動電極の上層に絶縁膜が形成され、この絶縁膜の上層に多孔質酸化膜が形成されている場合には、多孔質酸化膜を多孔質陽極酸化膜で構成しようとした際、陽極酸化される金属の一部が残っているときでも、液晶駆動電極同士が短絡することがない。
本発明において、前記多孔質酸化膜の下層側には、当該多孔質酸化膜を構成する金属の層が残されている構成を採用することができる。すなわち、金属層の表面のみに陽極酸化を施して多孔質酸化膜の下層側に金属層を残してもよい。このように構成すると、金属層を液晶駆動電極あるいは反射層として用いることができる。
本発明において、前記一対の基板の双方に対して前記無機配向膜が形成されている構成を採用することができる。一対の基板の双方において配向膜を無機配向膜とすることにより、液晶装置の信頼性をより高めることができる。
また、前記一対の基板のうち、前記一方の基板のみに前記無機配向膜が形成され、他方の基板に有機配向膜が形成されている構成を採用してもよい。一方の基板には無機配向膜を形成する一方、他方の基板には、配向能力に優れた有機配向膜を構成すれば、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。その理由は以下の通りである。形状効果によって液晶を配向させる形状配向膜では、液晶は準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶が最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶の配向は有機配向膜と液晶との分子間力によって強固に規制されるため、前述の形状配向膜に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本形態のように他方の基板側を有機配向膜とすれば、有機配向膜の配向規制力を液晶層を介して間接的に一方の基板側に伝えることができ、その結果、無機配向膜近傍の液晶の配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。
本発明において、前記液晶は、例えば、ネマチック液晶である。
本発明を適用した液晶装置は、各種の電子機器に適用できる。例えば、光源部と、該光源部から出射された光を前記液晶装置に導く導光系と、前記液晶装置で光変調した光を拡大投射する拡大投射光学系とを有する投射型表示装置に用いることができる。投射型表示装置では、ライトバルブとして用いた液晶装置に高強度の光が照射されるが、本発明を適用して液晶装置によれば、かかる高強度の光が照射されても配向膜が劣化することがない。また、本発明を適用した液晶装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった電子機器に用いてもよい。このような電子機器は、屋外で使用されることが多いが、本発明を適用して液晶装置によれば、かかる使用環境下で太陽光を受けても配向膜が劣化することがない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で参照する各図面では、各構成要素を見易くするために各部の大きさや厚さを適宜異ならせている。
(液晶装置の構成例)
図1は、画素スイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリクス型液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。図2は、このタイプの液晶装置を対向基板側からみたときの平面図である。図3(a)、(b)は、図2のH−H′線で切断した様子を模式的に示す断面図、および複数の画素の断面構成を模式的に示す断面図である。
本発明は、アクティブマトリクス型あるいはパッシブマトリクス型のいずれの液晶装置に適用でき、かつ、アクティブマトリクス型の液晶装置としては、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)、またはTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いたものを用いることができる。そこで、代表的な液晶装置として、画素スイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリクス型の液晶装置の概略構成を説明しておく。
図1に示すアクティブマトリクス型の液晶装置100では、後述する素子基板上で、互いに交差する複数のデータ線290と、複数の走査線291とが交差する部分に対応して多数の画素110がマトリクス状に配置されている。複数の画素110の各々には、画素電極250、および画素電極250を制御するための画素スイッチング用のTFT240が形成されており、画素信号を供給するデータ線290が当該TFT240のソースに電気的に接続されている。また、各画素110には、画素電極250と、後述する対向基板の対向電極との間に液晶容量が形成されている。画素電極250は、TFT240のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT240を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線290から供給される画素信号を各画素110に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極250を介して液晶容量に書き込まれた所定レベルの画素信号は、画素電極250と対向基板の対向電極との間で一定期間保持される。なお、保持された画素信号がリークするのを防ぐことを目的に、液晶容量と並列に蓄積容量270が付加されている。この蓄積容量270によって、画素電極250の電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる液晶装置200が実現できる。なお、蓄積容量270については、本形態のように、容量線292との間に形成する場合の他、前段の走査線291との間に形成する場合もある。
このような液晶装置100は、具体的には、図2および図3(a)、(b)に示すように、ITO膜(透明導電膜)などからなる多数の画素電極250がマトリクス状に配置された素子基板200と、同じくITO膜(透明導電膜)などからなる対向電極350が形成された対向基板300と、これらの基板200、300の間に封入、保持されている液晶130とから概略構成されている。素子基板200および対向基板300は、いずれも石英基板やガラス基板などから構成されている。素子基板200では、画素電極250の上層側に配向膜280が形成され、対向基板300では、対向電極250の上層側に配向膜280が形成されている。なお、対向基板300において、素子基板200の画素電極250の境界領域に対向する領域には、ブラックマトリクスと称せられる遮光膜320が形成されている。
このように構成した素子基板200と対向基板300とは、対向基板300の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材160によって所定の間隙を介して貼り合わされている。また、素子基板200と対向基板300との間では、シール材160によって液晶封入領域が区画形成され、この内側に液晶130が封入されている。ここで、液晶130は、配向膜280、380からの配向規制力を受けて所定の状態に配向している。
対向基板300は、素子基板200よりも小さく、対向基板300と素子基板200は、素子基板200の外周縁が対向基板300からはみ出た状態に貼り合わされている。素子基板200に形成された駆動回路(走査線駆動回路141やデータ線駆動回路142)や入出力端子190は、対向基板300から露出した状態にある。ここで、シール材160は部分的に途切れて、液晶注入口170が構成されており、液晶注入口170から素子基板200と対向基板300の間に液晶130を注入した後、液晶注入口170は封止材165で塞がれる。なお、対向基板300にはシール材160の内側において画像表示領域120を見切りするための表示見切り用の遮光膜150が形成されている。また、対向基板300のコーナー部のいずれにも、素子基板200と対向基板300との間で基板間導通を図るための上下導通材190が形成されている。
このように構成した液晶装置において、透過型の場合には、画素電極250および対向電極350の双方が透明電極で構成される。従って、例えば、矢印L11で示すように、対向基板300の側から入射したバックライト装置(図示せず)からの光は、素子基板200の側に透過していく途中で、画素110毎に液晶130によって光変調され、所定の画像を表示する。また、矢印L12で示すように、素子基板200の側からバックライト装置からの光を入射させて、対向基板300の側から出射することもできる。
これに対して、反射型の場合には、素子基板200および対向基板300のうちの一方側に反射層(図示せず)を設ける一方、他方側については光透過性を確保する。従って、例えば、矢印L13で示すように、対向基板300の側から入射した外光は、素子基板200の側で反射して再び対向基板300の側から出射していく途中で、画素110毎に液晶によって光変調され、所定の画像を表示する。この場合、素子基板200の側に反射層を形成することになる。また、矢印L14で示すように、素子基板200の側から入射した外光を対向基板300の側で反射して再び素子基板200の側から出射することもできる。このような場合、反射層が形成される基板は透明基板である必要はない。
さらに、半透過反射型の液晶装置の場合、素子基板200および対向基板300のうちの一方側に、光透過性を部分的に備えた部分反射層(図示せず)を設ける一方、他方側については光透過性を確保する。この半透過反射型の液晶装置では、矢印L11、L12で示した透過モードでの表示、および矢印L13、14で示した反射モードでの表示の双方が可能である。
なお、液晶装置100を用いて直視型のカラー表示装置を構成する場合には、各画素110に所定のカラーフィルタを形成する。これに対して、液晶装置100をカラーの投射型表示装置のライトバルブとして用いる場合には、一般に各ライトバルブに所定の色光を入射させて色光毎に光変調した後、合成して投射する。従って、液晶装置100自身にはカラーフィルタが形成されていない。
[第1の実施の形態]
(画素の構成)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である。以下、本発明の各実施の形態を説明するが、いずれのタイプの液晶装置においても、各画素の基本的な構成は、図4に示すように表される。すなわち、液晶装置1は、対向する一対の基板10、20の間に液晶層30を挟持した構成を有し、下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成され、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成された構成を有している。ここで、図1〜図3を参照して説明したアクティブマトリクス型液晶装置の場合、下基板10および上基板20のうちの一方の基板が、TFTや画素電極が形成された素子基板に相当し、他方の基板が、対向電極が形成された対向基板に相当する。また、下電極11および上電極21のうちの一方が画素電極250に相当し、他方が対向電極350に相当する。さらに、配向膜12、22のうちの一方が配向膜280に相当し、他方が配向膜380に相当する。このような構成は、液晶装置1が透過型および反射型のいずれの場合も同様である。
本形態の液晶装置1において、配向膜12、22は、表面に多数条の微細な溝が形成されているとともに、表面に多数の微細孔が開口している多孔質のアルミナ陽極酸化膜からなる無機配向膜として構成されている。
(製造方法)
かかる配向膜12、22の詳細な構成を、図5〜図7を参照しながら、その製造方法とともに説明する。図5(a)、(b)は、図4に示す液晶装置の配向膜形成工程で行う溝形成工程の説明図である。図6(a)、(b)は、図4に示す液晶装置の配向膜形成工程で行う陽極酸化工程の説明図である。図7(a)、(b)は、本形態に係る方法で形成した配向膜によって液晶が所定のプレチルト角をもって配向する様子を示す説明図、および図4に示す溝形成工程での条件とプレチルト角との関係を示すグラフである。
本形態ではまず、図5(a)に示すように、画素電極250や対向電極350などの液晶駆動電極を下電極11あるいは上電極21として下基板10および上基板20に形成した後、金属膜形成工程において、下基板10および上基板20の全面に陽極酸化可能な金属膜M1を形成する。金属膜M1としては、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(Ta)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)などのいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができるが、アルミニウムまたはその合金が好ましい。本形態においては、金属膜M1として、例えば純度99.99%のアルミニウムをスパッタ等により下基板10および上基板20に200nm程度堆積させた膜を用いる。
次に、溝形成工程において、レーヨンなどの繊維51をロール面に備えたローラ50を回転させながら、ローラ面で金属膜M1の表面を擦るような状態のまま、ローラ50を矢印Bで示す方向に移動させる。その結果、図5(b)に示すように、金属膜M1の表面に多数条の微細な溝M10が形成される。このようにして形成した多数の溝M10は、いずれも同一方向(ローラの移動方向/矢印Bで示す方向)に延びている。
次に、アセトン等で金属膜M1の表面に脱脂処理を行なった後、図6(a)に示すように、陽極酸化工程において、所定の電解液Eを用いて金属膜M1を陽極酸化する。電解液Eとしては、シュウ酸、リン酸、硫酸、クロム酸等の弱酸性の電解液が好適であり、本例では、0.3M(mol/l)の硫酸水溶液を用いる。いずれの場合も、電解液Eとしては、金属膜M1に対する皮膜形成能力と皮膜溶解能力を備えたものが用いられる。
陽極酸化は、例えば以下の条件
電解液Eの液温:20℃
印加電圧:直流30V
陰極M2:白金(Pt)
陽極酸化時間:1時間
で行う。その際、金属膜M1に対する給電は、金属膜M1に直接、給電してもよいが、上電極11あるいは下電極21が対向電極350(図3参照)のように全面に形成された電極の場合、対向電極350を介して金属膜M1に給電してもよい。また、上電極11あるいは下電極21が画素電極250(図3参照)のように独立している電極の場合でも、画素スイッチング用TFT240をオン状態にし、画素電極250を介して金属膜M1に給電してもよい。
このような陽極酸化処理を行なうと、金属膜M1の表面では、アルミニウムの酸化と、皮膜溶解とが起こり、金属膜M1は、図6(b)に示すように、ナノメートルスケールの小さな孔(ナノホール)が規則的に配列した酸化アルミニウムからなる多孔質の陽極酸化膜40(多孔質酸化膜)が形成されていく。これは、酸化によってアルミニウム膜の体積が増加し、これによって生じた膜中のストレスを緩和するように、前記孔が自己組織的に再配列されることによる。そして更に陽極酸化を進めていくと、前記孔は孔径を広げながら下層側に延びていき、最終的に、金属膜M1を貫通したナノホールアレイが形成される。ここで、多孔質陽極酸化膜12は、セルと呼ばれる一定サイズの円柱状のアルミナ層Cが細密充填した構造からなる。各セルCの中心には均一な径の微細孔(ポア)Pが開口しており、この微細孔Pが膜面に垂直に配向して配列するという特異な幾何学構造となっている。各微細孔Pのピッチ(即ち、セルCのサイズ)、サイズ、深さ、下地のアルミニウムの残存率は、電解液Eの濃度、温度、陽極酸化時の電圧、電流密度、時間を変えることによって制御することができる。また、適切な条件を選択することで、これらの微細孔Pが、形状、サイズ、深さ等において均一で、且つこれらが長距離にわたって一定のピッチで規則配列したホールアレイ構造を形成することが可能である。このような構造を作ることで、均一な配向が得られるようになる。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウム(金属膜M1)全体を多孔質陽極酸化膜40とした。こうすることによって、可視光が透過可能になる。
本形態では、このようにして形成した多孔質陽極酸化膜40を下基板10の配向膜12、および上基板20の配向膜22として利用する。そして、配向膜12、22を形成した後は、下基板10と上基板20とを貼り合わせて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が正の液晶30を充填(例えば真空注入)する。以上により、液晶装置1が製造される。
このように構成した液晶装置1において、配向膜12、22は、表面に多数条の溝M10が形成されているとともに、表面に多数の微細孔が開口している。これらの配向膜12、22は、形状効果(膜面に形成された構造物と対象物との相互作用)によって配向制御を行なう形状配向膜の一種であって、図7(a)に示すように、酸化膜表面に形成された溝M10および微細孔P(図示せず)によって、配向膜近傍の液晶分子Lの配向状態を規定している。すなわち、微細孔Pは、液晶分子Lを吸着することによって、液晶分子Lを、例えば、その孔の内壁に沿う方向(基板面に垂直な方向)に配向させる。
その際、液晶分子Lは、溝M10の影響を受けて所定のプレチルト角をもって配向する。例えば、図5(a)に示す溝形成工程を行う際の繊維51の接触長Amm(溝M10の深さに対応する)と、プレチルト角θpとの関係は、図7(b)に示すように表される。図7(b)に示すように、繊維51の接触長Aが0mmの場合、すなわち、溝M10を形成しない場合、液晶分子Lは、基板面に略垂直であり、プレチルト角θpが90°である。これに対して、繊維51を金属膜M1に接触させると、その接触長A(溝M10の深さ)に応じたプレチルト角θpが得られ、繊維51の金属膜M1への接触長Aが長いほど、すなわち溝M10が深いほど、液晶分子Lが基板面に向けて倒れ、プレチルト角θpが小さくなっていくことが分かる。
このような垂直配向型の配向膜12、22を形成した場合には、液晶層30として誘電異方性が正のネマチック液晶を用いることで、電圧による液晶分子Lの配向制御が可能になる。すなわち、本形態の液晶装置1では、液晶層30を構成する液晶分子Lは、両電極11、21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)では、配向膜12、22の配向規制力によって基板10、20に対して所定のプレチルト角θp分だけ、倒れた方向に配向している一方、両電極11、21間に電圧が印加される(選択状態とされる)と、基板10、20に略垂直になる。よって、この液晶装置1を、偏光方向をクロスした2枚の偏光板で挟み込めば、非選択状態において白表示、選択状態において黒表示を実現することができる。しかも、本形態では、両電極11、21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)において、液晶分子Lは、予め基板10、20に対して所定のプレチルト角θp分だけ傾いているため、選択状態において液晶分子Lはいずれも一斉に基板面に垂直な方向に向くため、リバースチルトドメインなどといった配向欠陥が発生しない。
また、本実施形態では、配向膜12、22が無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、後述する電子機器に搭載した際、強い光が照射されても劣化することがない。
さらに、本形態では、無機材料からなる配向膜12、22を形成するにあたって、陽極酸化法を用いたため、基板に対して略垂直に延びた複数の微細孔が2次元配列された酸化膜を形成することがきる、このような酸化膜からなる配向膜は、液晶分子Lを概ね一方向、すなわち、初期状態(電圧無印加状態)において垂直に配向させることができる。また、配向膜12、22を形成する際、真空装置を必要とせず、製造装置の構成を簡素化、小型化できる。また、陽極酸化法の場合には、斜方蒸着法と違って、表面に凹凸が存在する場合でも蒸着方向からみて影になる部分で配向ムラが生じるようなおそれもない。
しかも、陽極酸化法を用いた場合には、微細孔Pのピッチ、サイズ、形状、深さ等を陽極酸化の条件によって調節することができる。一般に、金属膜M1を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔Pがランダムに開口した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔Pが規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。それ故、これらの陽極酸化条件を制御するだけで、最適な配向膜を容易に形成することができ、配向状態の安定化を図ることができる。しかも、微細孔Pの径については、陽極酸化の条件によって、数nm〜数百nmの範囲で制御できる。
なお、本実施形態においては、溝M10を形成するにあたって、繊維51で擦る方法を採用したが、このような方法に限らず、金属膜M1の表面にレジストパターンを形成した後、金属膜M1の表面をエッチングしてもよい。また、本実施形態では、陽極酸化膜12に高度に規則的な2次元配列構造を形成したが、この配列構造は必ずしも膜面全体にわたって完全に規則的である必要はない。例えば、前述のような微細孔Pがその配列状態を維持したまま不規則な位置にまばらに形成されるようなものであってもよい。また、各微細孔Pは膜面に完全に垂直でなくてもよく、全体としてそれらの延在方向に方向性を持っていればよい。
また、溝M10を形成するにあたっては、繊維51で擦る方法の他、金属膜M1の表面にレジストパターンを形成した後、金属膜M1の表面をエッチングしてもよい。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である。なお、本実施形態において、前記第1の実施の形態と共通の部材または部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、電極と配向膜との間に前記電極を保護するための絶縁保護膜を配置した点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、ITO等の液晶駆動電極(下電極11、上電極21)の表面に直接、金属膜M1を形成したが、本実施形態では、金属膜M1を形成する前に、下電極11および上電極21の表面に電解液E(本例では0.5Mのシュウ酸)に対して耐食性を有する絶縁保護膜13、23を形成している。従って、金属膜M1に対する給電は、金属膜M1に直接、給電することになる。このような構成は、液晶装置1が透過型および反射型のいずれの場合も適用可能である。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように本形態では、絶縁保護膜13、23を形成してから陽極酸化を行うため、下地の電極11、21が電解液Eによって腐食されるのを防止することができる。よって、本実施形態の液晶装置1によれば、液晶装置1の歩留まりや信頼性を向上させることができる。
また、絶縁保護膜13、23は、SiO等の無機絶縁膜によって構成されている。このため、図3に示す画素電極250の上層側に形成した金属膜M1を陽極酸化した際、金属膜M1の一部が酸化されずに残ったとしても、これによって画素電極250間に短絡が生じることはない。なお、画素スイッチング素子として、TFDを用いた液晶装置において、帯状に形成される対向電極においても、本実施形態を適用すれば、対向電極同士の短絡を防止できる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である。なお、本実施形態に係る液晶装置は反射型であるが、前記第1の実施の形態と共通の部材または部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、まず、下基板10において、下電極11′については、高反射率の金属膜からなる反射電極として構成し、かつ、この金属膜の表面を、第1の実施形態と同様、陽極酸化して多孔質陽極酸化膜からなる配向膜12を形成した点にある。次に、上基板20側の配向膜22′については、ポリイミド等の有機配向膜とした点である。
このように構成すると、液晶駆動電極や反射層を別途、形成する必要がないので、工程数を削減できる。
また、上基板20側の配向膜22については、配向能力に優れる有機配向膜としたため、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。すなわち、無機配向膜からなる配向膜12のように形状効果によって液晶分子Lを配向させる形状配向膜では、液晶分子Lは準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶分子Lが最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶分子Lの配向は有機配向膜と液晶分子Lとの分子間力によって強固に規制されるため、前述の無機配向膜12に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本実施形態のように上基板20の配向膜22′を有機配向膜とすることで、その有機配向膜の配向規制力を液晶層30を介して間接的に下基板10側に伝えることができ、この結果、配向膜12近傍の液晶分子Lの配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。それ故、本実施形態によれば、液晶装置1の配向安定性や信頼性を更に高めることができる。
[電子機器への搭載例1]
次に、第1の実施形態および第2の実施形態に係る液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、液晶装置をライトバルブ(光変調手段)として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図10は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図に示す投射型表示装置500において、510は光源部、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
光源部510はメタルハライド等のランプ511とランプの光を反射するリフレクタ512とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー513は、光源部510からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー517で反射されて、第1および第2の実施形態に係る液晶装置1を備えた赤色光用液晶ライトバルブ522に入射される。一方、ダイクロイックミラー513で反射された色光のうち緑色光は、緑色光反射のダイクロイックミラー514によって反射され、第1および第2の実施形態に係る液晶装置1を備えた緑色光用液晶ライトバルブ523に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー514も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ518、リレーレンズ519、出射レンズ520を含むリレーレンズ系からなる導光手段521が設けられ、これを介して青色光が第1および第2の実施形態に係る液晶装置1を備えた青色光用液晶ライトバルブ524に入射される。赤色光用液晶ライトバルブ522、緑色光用液晶ライトバルブ523、青色光用液晶ライトバルブ524の前後にはそれぞれ入射側偏光板522a、523a、524aと出射側偏光板522b、523b、524bが設置されている。入射側偏光板522a、523a、524aで直線偏光となった光は液晶ライトバルブ522、523、524により変調された後、出射側偏光板522a、523a、524aを通過するが、その際、決められた振動方向の光しか透過できないため調光が可能となる。
各液晶ライトバルブ522、523、524、入射側偏光板522a、523a、524a、および出射側偏光板522a、523a、524aにより調光された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム525に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、拡大投射光学系である投射レンズ526によってスクリーン527上に投射され、画像が拡大されて表示される。
本例の投射型表示装置500は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。本例では、従来、ポリイミド有機膜を配向膜に用いた場合に2000時間であった寿命を10000時間以上にすることができた。
なお、本例では赤色光用、緑色光用、青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、必ずしも全ての液晶ライトバルブに本発明が適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
[電子機器への搭載例2]
次に、第3の実施の形態に係る液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、液晶装置をライトバルブ(光変調手段)として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。
図11は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。図11に示す投射型表示装置700は、システム光軸Lに沿って配置した光源部710、インテグレータレンズ720、偏光変換素子730から概略構成される偏光照明装置700、この偏光照明装置700から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面741により反射させる偏光ビームスプリッタ740、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロックミラー742、分離された青色光(B)を変調する反射型液晶ライトバルブ745B、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロックミラー743、分離された赤色光(R)を変調する反射型液晶ライトバルブ745R、ダイクロックミラー743を通過する残りの光の緑色光(G)を変調する反射型液晶ライトバルブ745G、3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bにて変調された光をダイクロックミラー743、742、偏光ビームスプリッタ740にて合成し、この合成光をスクリーン760に投射する投射レンズからなる拡大投射光学系750から構成されている。前記3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bには、それぞれ前述の実施形態で説明した液晶装置が用いられている。
光源部710から出射されたランダムな偏光光束は、インテグレータレンズ720により複数の中間光束に分割された後、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子720により偏光光束がほぼ揃った一種類の偏光光束(S偏光光束)に変換されてから偏光ビームスプリッタ740に至るようになっている。偏光変換素子730から出射されたS偏光光束は、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741によって反射され、反射された光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロックミラー742の青色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Bによって変調される。また、ダイクロックミラー742の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束はダイクロックミラー743の赤色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Rによって変調される。一方、ダイクロックミラー743の赤色光反射層を透過した緑色光(G)の光束は反射型液晶ライトバルブ745Gにより変調される。以上のようにして反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bによって色光の変調がなされる。これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。
なお、本例では赤色光用、緑色光用、青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、必ずしも全ての液晶ライトバルブに本発明が適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
[その他の電子機器への搭載例]
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、前記各実施の形態の液晶装置は、前述した投射型表示装置に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。このような電子機器としては、例えば、図12(a)に示す携帯電話1000、図12(b)に示すページャ1100、図12(c)に示すモバイルコンピュータ1200を挙げることができ、本発明を適用した液晶装置1は、これらの電子機器に表示部1001、1101、1201として搭載される。このような電子機器は、屋外で使用されることが多いが、本発明を適用して液晶装置を用いれば、かかる使用環境下で太陽光を受けても配向膜が劣化することがない。
また、本発明を適用した液晶装置1は、その他にも、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器などに対して表示装置として搭載される。
また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
画素スイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリクス型液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す液晶装置を対向基板側からみたときの平面図である。 (a)、(b)は、図2のH−H′線で切断した様子を模式的に示す断面図、および複数の画素の断面構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である。 (a)、(b)は、図4に示す液晶装置の配向膜形成工程で行う溝形成工程の説明図である。 (a)、(b)は、図4に示す液晶装置の配向膜形成工程で行う陽極酸化工程の説明図である。 (a)、(b)は、本発明に係る方法で形成した配向膜によって液晶が所定のプレチルト角をもって配向する様子を示す説明図、および図4に示す溝形成工程での条件とプレチルト角との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である 本発明の第3の実施の形態に係る液晶装置の画素の基本構成を示す説明図である。 本発明を適用した透過型の液晶装置を用いたカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である 本発明を適用した反射型の液晶装置を用いたカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明を適用した液晶装置を搭載した電子機器の説明図である。
符号の説明
1 液晶装置、10 下基板、11 下電極、12、22 配向膜、20 上基板、21 上電極、30 液晶層、C セル、L 液晶分子、M1 金属膜、M10 溝、P 微細孔

Claims (15)

  1. 対向配置された一対の基板の間に液晶を保持した液晶装置において、
    前記一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の表面には、表面に多数条の溝が形成されているとともに、表面に多数の微細孔が開口する多孔質酸化膜からなる無機配向膜が形成され、
    前記液晶は、所定のプレチルト角をもって前記一対の基板の間で配向していることを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1において、前記多数条の溝は、いずれも同一方向に延びていることを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項1または2において、前記多孔質酸化膜は、多孔質陽極酸化膜からなることを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項3において、前記多孔質陽極酸化膜は、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜の多孔質陽極酸化膜からなることを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項3または4において、前記多孔質酸化膜の下層側に液晶駆動電極が形成され、当該液晶駆動電極の上層に前記多孔質酸化膜が積層されていることを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項3または4において、前記多孔質酸化膜の下層側では、液晶駆動電極の上層に絶縁膜が積層され、当該絶縁膜の上層に前記多孔質酸化膜が積層されていることを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項3または4において、前記多孔質酸化膜の下層側には、当該多孔質酸化膜を構成する金属の層が残されていることを特徴とする液晶装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記一対の基板の双方に対して前記無機配向膜が形成されていることを特徴とする液晶装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記一対の基板のうち、前記一方の基板のみに前記無機配向膜が形成され、他方の基板に有機配向膜が形成されていることを特徴とする液晶装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記液晶は、ネマチック液晶であることを特徴とする液晶装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の液晶装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  12. 請求項11において、光源部と、該光源部から出射された光を前記液晶装置に導く導光系と、前記液晶装置で光変調した光を拡大投射する拡大投射光学系とを有することを特徴とする電子機器。
  13. 対向配置された一対の基板の間に液晶を保持した液晶装置の製造方法において、
    前記一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜を形成する無機配向膜形成工程では、少なくとも、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する金属膜形成工程と、前記金属膜の表面に多数条の溝を形成する溝形成工程と、前記多数条の溝が形成された前記金属膜に陽極酸化を施して、表面で複数の微細孔が開口する多孔質陽極酸化膜を前記無機配向膜として形成する陽極酸化工程とを行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  14. 請求項13において、前記溝形成工程では、前記金属膜の表面を布で擦ることを特徴とする液晶装置の製造方法。
  15. 請求項13または14において、前記金属膜は、アルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜からなり、前記陽極酸化工程では、酸性電解液中で陽極酸化を行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
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JP2009052066A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Kanagawa Acad Of Sci & Technol インプリント用モールドおよびその製造方法

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