JP2005275193A - 液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を形成することのできる液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 対向する一対の基板10,20間に液晶Lを挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板10,20の少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜12(22)を形成する工程と、前記無機配向膜12(22)を用いて前記液晶Lを配向させる工程とを備え、前記液晶Lの配向工程が、前記液晶Lを等方相の状態で前記無機配向膜12(22)に接触させた後、該液晶Lを、前記無機配向膜12(22)によって規定される前記液晶のチルトの方位角と同じ方位角を有する磁界H中で徐冷する工程を含むようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶装置の配向制御技術に関するものである。
一般に、液晶プロジェクタのライトバルブや携帯電話等のディスプレイとして用いられる液晶装置には、その液晶層を挟持する基板の最表面に、液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されている。この配向膜としては、ポリイミド等の有機膜をラビング処理したものが広く使用されている。しかし、このような有機配向膜は配向力に優れる反面、熱や光に弱く、長期間の使用によって、その配向力が次第に低下してしまうという問題があった。例えば光束密度が2〜10(lm/mm)程度の高強度の光が照射されるプロジェクタに搭載した場合には、配向膜は光源からの光や熱によって次第に分解されてしまい、液晶分子を所望のプレチルト角に配列できなくなる場合がある。
これに対して、前記配向膜に無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。例えば特許文献1では、斜方蒸着法により基板に対して斜めに配列した柱状構造物を形成する方法が開示されている。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
特開昭57−112714号公報
このような無機配向膜では、液晶注入直後の配向状態を安定させることが一つの課題となっている。つまり、表面の形状効果によって配向を行なう無機配向膜では、その配向規制力が、ラビング等で配向処理する有機配向膜に比べて1桁以上小さい。このため、液晶注入時にフローの影響や他の外的な不純物等の影響を受け易く、配向不良が発生し易い。このような配向の不安定性は、例えば液晶装置を表示装置として用いた場合に、表示不良等の原因になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を形成することのできる液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶装置の製造方法は、対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板の少なくとも一方の基板の表面に前記液晶をチルト配向させることが可能な無機配向膜を形成する工程と、該無機配向膜が形成された前記一方の基板とこれに対向する他方の基板との間に前記液晶を充填する工程を備え、前記液晶の充填工程が、前記液晶を等方相の状態で両基板の間に充填する工程と、該液晶を、前記無機配向膜によって規定される前記液晶のチルトの方位角と同じ方位角を有する磁界中で徐冷する工程とを含むことを特徴とする。
本方法は、無機配向膜による配向力を磁界によってアシストすることで、安定な配向状態への遷移を促すようにしたものである。本方法によれば、液晶に対する配向規制力を磁界によって高めることができるため、液晶充填時のフローの影響や液晶セル内の不純物の影響を受けないで均一に液晶を配向させることができる。また、配向膜が無機膜からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、無機膜表面の微細形状で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。
なお本方法では、磁界の方向と、無機配向膜が液晶を安定的に配向可能な方向(エネルギー的に最も安定な液晶の配向方向)とは必ずしも一致している必要はない。液晶は磁界に平行な方向に配向しようとするため、磁界の方位角方向(基板面に投影したときの方向)と、前記最も安定な配向状態における液晶のダイレクタの方位角方向とが概ね平行であれば、それらの極角方向異なっていても、該方位角方向における液晶の配向変化を促すことができる。
本発明の液晶装置の製造方法では、前記無機配向膜の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて磁界中で陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、前記液晶を配向させるための複数の微細孔を有する陽極酸化膜を形成する工程とを含むものとすることができる。
一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開孔した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。本方法は、陽極酸化法を用いて基板の表面に多孔質の陽極酸化膜を形成し、この陽極酸化膜の表面に形成された多数の微細孔によって液晶の配向を制御するようにしたものである。
本方法によれば、液晶が微細孔の内周面に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、陽極酸化法を用いた場合には、前記微細孔のピッチ,サイズ,形状,深さ等を陽極酸化の条件によって調節することができるため、最適化によって安定な配向状態を容易に実現することが可能である。また、本方法では陽極酸化を磁界中で行なっているので、この磁界の制御によって微細孔の延在方向を制御することが可能である。つまり、陽極酸化は、電解液中の酸素イオンを電気的な作用によって金属膜の表面に引き寄せて金属表面を酸化するものであるため、陽極酸化を磁界中で行なった場合には、このイオンの動きに異方性が生じ、酸化膜の成長方向が指向性を持つようになる。このような酸化膜の成長方向の異方性は磁界の強さによって変化するため、この磁界の強さを調節することによって微細孔の傾斜量(即ち、液晶のチルト角)を制御することが可能である。
この方法では、前記陽極酸化膜の形成工程が、前記磁界を前記一方の基板に対して平行又は斜めに印加し、前記複数の微細孔を前記一方の基板に対して傾斜した状態で配列形成する工程であるものとすることができる。このように微細孔を傾斜させた場合には、液晶は初期状態において基板面に対して一様にチルトした配向状態を示すことになる。また、傾斜に応じて液晶のチルト角を制御することができ、リバースドメイン等の配向欠陥をなくすことが可能である。また、このような微細孔を2次元的に配列することで、液晶を概ね一方向に配向させることができる。なお、この方法では、前記陽極酸化膜の形成工程における前記磁界の強さが1T以上であることが望ましい。こうすることで、十分なチルトが得られるようになる。
またこの方法では、前記金属膜がアルミニウム(Al)からなるものとすることができる。前記金属膜としては、この他にタングステン(Ta),チタン(Ti),マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができるが、この中でもアルミニウムは前記のような微細孔を形成しやすい。またこの方法では、前記電解液がシュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液からなるものを好適に用いることができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記無機配向膜の形成工程が、無機材料を斜方蒸着又は斜めスパッタにより前記一方の基板の表面に堆積させる工程を含むものとすることができる。このように無機材料を斜方蒸着又は斜めスパッタした場合、基板の表面には、該基板に対して所定の角度で配列した柱状構造物が形成される。液晶はこの柱状構造物の配列方向に沿う方向若しくはそれに垂直な方向に配向することになる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記液晶の徐冷工程における前記磁界の強さが0.1T以上であることが望ましい。こうすることで、配向むらの少ない安定した配向状態を実現することができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記一対の基板の他方の基板の表面に前記無機配向膜を形成する工程を備えることができる。このように双方の基板の配向膜を無機配向膜とすることで、液晶装置の信頼性をより高めることができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記一対の基板の他方の基板の表面に有機配向膜を形成する工程を備えることができる。このように他方の基板の配向膜を配向能力に優れる有機配向膜とすることで、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。つまり、形状効果によって液晶を配向させる形状配向膜では、液晶は準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶が最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶の配向は有機配向膜と液晶との分子間力によって強固に規制されるため、前述の形状配向膜に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本方法のように対向基板側を有機配向膜とすることで、その有機配向膜の配向規制力を液晶層を介して間接的に前記一方の基板側に伝えることができ、この結果、無機配向膜近傍の液晶の配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。
本発明の電子機器は、前述の方法を用いて製造された液晶装置を備えたことを特徴とする。これにより、表示品質が高く信頼性にも優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。尚、以下で参照する各図面では図を見易くするために各部の大きさや厚さを適宜異ならせている。
[第1の実施の形態]
[液晶装置]
図1は本実施形態の液晶装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1に示す液晶装置1は、対向する一対の基板10,20の間に液晶層30を挟持した構成を有する。下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成されており、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成されている。この液晶装置1は、アクティブマトリクス型若しくはパッシブ型のいずれの構造をとってもよい。アクティブマトリクス型の構造を採る場合には、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)又はMIM構造を有するTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いることもできる。また、この液晶装置1は透過型若しくは反射型のいずれの構造であってもよい、さらに、これらの基板には必要に応じてカラーフィルタを設けることができる。
本実施形態において配向膜12,13は、SiO等の斜方蒸着膜として構成されている。この無機配向膜12,13は、形状効果(膜面に形成された構造物と対象物との相互作用)によって配向制御を行なう形状配向膜の一種であって、本例では、無機材料を斜方蒸着又は斜方スパッタすることによって形成された柱状構造(カラム)によって、配向膜近傍の液晶Lの配向状態を規定している。具体的には、基板面からのプレチルト角が概ね85°となるような配向膜として構成されている。
このような配向膜12,22を形成した場合には、前記液晶Lとして誘電異方性が負のネマチック液晶を用いることで、電圧による液晶Lの配向制御が可能になる。つまり、係る構成の液晶装置1では、液晶層30を構成する液晶分子Lは、両電極11,21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)では、配向膜12,22の配向規制力によって基板10,20に対して概ね垂直方向に配向し、前記両電極間に電圧が印加される(選択状態とされる)と、基板10,20の面方向に向かって倒れるように動作する。よって、この液晶装置1を、偏光方向をクロスした2枚の偏光板で挟み込めば、非選択状態において黒表示、選択状態において白表示を実現することができる。この際、本実施形態では、液晶Lが無機配向膜によって基板に対して傾斜配向されているので、液晶Lは選択状態においてその傾斜方向に一様に傾倒されるようになる。このため、傾倒方向の異なる領域(リバースドメイン)が複数形成されるのを防ぐことができ、これらの境界に生じるディスクリネーション等の表示むらを抑えることができる。
[液晶装置の製造方法]
次に、図2,図3を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図2は液晶充填後の徐冷工程の一例を示す模式図、図3は徐冷時の液晶の吸着状態を示す模式図である。
本方法ではまず、電極11を備えた基板10の全面に無機材料を斜方蒸着又は斜方スパッタする。ここで、基板10や電極11としては公知のものを用いることができる。本例では、透過表示を行なうために、例えば基板10をガラス等の透光性基板とし、電極11をITO等の透光性導電膜とする。基板10には、必要に応じて、画素スイッチング用の回路やカラーフィルタ等を形成することができる。斜方蒸着等する無機材料としては公知のものを使用することができる。具体的には、SiO,Al,CeO,Cr,Ga,HfO,NiO,MgO,ITO,Nb,Ta,Y,WO,TiO,Ti,TiO,ZnO,ZrO+TiO(複合酸化物),ZrO,AlF,CaF,CeF,LaF,LiF,MgF,NbF,NaF等がある。本例では、この無機材料としてSiOを用いる。この無機材料は、例えば純度99%のSiOを加熱蒸着法により基板上に50nm程度堆積させることにより得られる。蒸着角度は、例えば基板法線方向から80°(基板面からは10°)とする。
次に、同様の方法を用いて上基板20に配向膜22を形成する。そして、これらの基板10,20を用いて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶Lをヒーター50で加熱しながら等方相の状態で充填(例えば真空注入)する。そして、このように液晶Lが充填された液晶セルを、図2に示すように、磁界H中で徐冷する。この際、磁界Hの方位角方向と、無機配向膜12,22によって規定される液晶Lのチルトの方位角方向とが概ね一致するようにする。こうすることで、磁界Hによる配向規制力を無機配向膜12,22の持つ配向規制力をアシストする形で液晶Lに作用させることができ、安定な配向状態への遷移をスムーズに行なうことが可能になる。
この際、磁界Hの強さは、液晶のチルトの大きさだけでなく液晶の配向秩序度にも影響するため、これらの条件を考慮した上で磁界Hの強さや印加方向(基板面に対する磁界の角度θ)を決めることが望ましい。図10は、磁界Hを液晶セルの基板面に平行に印加した場合における、磁界Hの強さ(磁束密度)と液晶の配向秩序度との関係を示す図である。この図からわかるように、液晶の配向の均一性は磁界を強くするに従って良くなり、一定の強さ(例えば0.1T)以上になると殆ど変化しなくなる。よって、良好な配向状態を得るには、磁界Hを0.1T以上とすればよい。なお、配向秩序度は概ね磁界の強さに依存するため、印加方向を基板面に対して傾けても配向秩序度は殆ど変化しない。本例では、徐冷時の磁界Hの強さを2Tとし、磁界Hの印加方向を基板面に対して30°をなす方向としている。これにより、均一な配向状態を実現しながら、液晶のチルト角を無機配向膜によって規定された所望のチルト角θ(本例では例えば基板面から85°)に規定することができる。
そして、徐冷によって液晶Lが等方相から液晶相に転移したら、磁界Hを止める。この際、陽極酸化膜12に吸着した液晶Lは磁界Hを取り去った後もその傾斜配向状態を維持される。
以上により、液晶装置1が製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶に対する配向規制力を磁界Hによって高めることができるため、液晶充填時のフローの影響や液晶セル内の不純物の影響を受けないで均一に液晶Lを配向させることができる。また、配向膜12,22が無機膜からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、無機膜表面の微細形状で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図4〜図6を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、両基板10,20の配向膜が多孔質の陽極酸化膜によって構成されている点のみである。図4に示す液晶装置2において、配向膜15,25は前述の配向膜12,22と同様に形状配向膜の一種であって、本例では、酸化膜表面に形成された細孔構造によって、配向膜近傍の液晶Lの配向状態を規定している。
一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開孔した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。このような微細孔は、陽極酸化の条件によって、数nm〜数百nmの径のものを形成することが可能である。このような微細な孔を有する陽極酸化膜を配向膜として使用した場合、係る微細孔に液晶Lを吸着させることによって、液晶Lをその孔の内壁に沿う方向又はそれに垂直な方向に配向させることができる。本実施形態では、このような微細孔を使って液晶Lの配向を制御している。特に本実施形態では、適切な陽極酸化条件を選択することにより、このような微細孔を膜面に規則的に配列形成し、液晶Lのダイレクタの方向を概ね一方向に揃えている。具体的には、これらの微細孔を基板の法線に対して概ね5°傾斜させた状態で形成し、液晶Lを初期状態において一方向にチルト配向(基板面からのプレチルト角は概ね85°)させるようにしている。
このような配向膜15,25を形成した場合には、前記液晶Lとして誘電異方性が負のネマチック液晶を用いることで、電圧による液晶Lの配向制御が可能になる。つまり、係る構成の液晶装置2では、液晶層30を構成する液晶分子Lは、両電極11,21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)では、配向膜15,25の配向規制力によって基板10,20に対して概ね垂直方向に配向し、前記両電極間に電圧が印加される(選択状態とされる)と、基板10,20の面方向に向かって倒れるように動作する。よって、この液晶装置2を、偏光方向をクロスした2枚の偏光板で挟み込めば、非選択状態において黒表示、選択状態において白表示を実現することができる。この際、本実施形態では、液晶Lが前述の微細孔によって基板に対して傾斜配向されているので、液晶Lは選択状態においてその傾斜方向に一様に傾倒されるようになる。このため、傾倒方向の異なる領域(リバースドメイン)が複数形成されるのを防ぐことができ、これらの境界に生じるディスクリネーション等の表示むらを抑えることができる。
[液晶装置の製造方法]
次に、図5,図6を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図5は基板に配向膜を形成する工程の一例を示す模式図、図6は陽極酸化膜の構造を示す模式図である。
本方法ではまず、図4に示すように、電極11を備えた基板10の全面に陽極酸化可能な金属膜(陽極)M1を形成し、アセトン等で脱脂処理を行なった後、所定の電解液Eを用いて、基板面に平行な磁界H′中で前記金属膜M1を陽極酸化する。ここで、基板10や電極11としては公知のものを用いることができる。本例では、透過表示を行なうために、例えば基板10をガラス等の透光性基板とし、電極11をITO等の透光性導電膜とする。基板10には、必要に応じて、画素スイッチング用の回路やカラーフィルタ等を形成することができる。金属膜M1としては、アルミニウム(Al),タングステン(Ta),チタン(Ti),マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができる。中でもアルミニウムは前述のような規則的な細孔配列構造を形成し易いため、本例では前記金属膜M1としてアルミニウムを用いる。この金属膜M1は、例えば純度99.99%のアルミニウムをスパッタ等により基板10上に200nm程度堆積させることにより得られる。また、前記電解液Eとしては、シュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液が好適である。本例では、0.3M(mol/l)の硫酸水溶液を用いる。
陽極酸化は、例えば以下の条件で行なう。電解液Eの液温:20℃、磁界H′:2T(20kG)、印加電圧:直流30V、陰極M2:白金(Pt)、陽極酸化時間:1時間。このような陽極酸化処理を行なうと、金属膜M1の表面には、電気分解反応によって微細な孔が開いていく。そして、反応の進行に伴って、金属膜M1の表面にナノメートルスケールの小さな孔(ナノホール)が規則的に配列した酸化アルミニウムの薄い膜15が形成される。これは、酸化によってアルミニウム膜の体積が増加し、これによって生じた膜中のストレスを緩和するように、前記孔が自己組織的に再配列されることによる。そして更に反応を進めていくと、前記孔は孔径を広げながら下層側に延びていき、最終的に、下地の層(基板10や電極11)まで貫通したナノホールアレイが形成される。
ところで、このような微細孔は通常、基板に対して垂直な方向に開いていく。しかし、本実施形態では、このような陽極酸化処理を基板面に平行な磁界中で行なっているため、前記微細孔は基板に対して斜め方向に開孔されることになる。つまり、陽極酸化は、電解液中の酸素イオンを電気的な作用によって金属膜の表面に引き寄せて金属表面を酸化するものであるため、陽極酸化を磁界中で行なった場合には、このイオンの動きに異方性が生じ、酸化膜の成長方向が指向性を持つようになる。例えば、磁界を基板の法線に対して非平行な方向に印加した場合には、酸化膜は、基板の法線方向から磁界の方位角方向側に傾いた方向に成長するようになる。本例では、磁界を基板面に平行な方向に印加しているので、微細孔はその磁界の方向に向けて傾倒した状態で開孔されることになる。
図6は、陽極酸化膜15の概略構造を示す模式図であり、図6(a)はその部分斜視図、図6(b)はその部分断面図である。この陽極酸化膜15は、セルと呼ばれる一定サイズの円柱状のアルミナ層Cが細密充填した構造からなる。各セルCの中心には均一な径の微細孔(ポア)Pが開孔しており、この微細孔Pが膜面に垂直に配向して配列するという特異な幾何学構造となっている。各微細孔Pのピッチ(即ち、セルCのサイズ),サイズ,深さ、下地のアルミニウムの残存率は、電解液Eの濃度,温度、陽極酸化時の電圧,電流密度,時間を変えることによって制御することができる。また、適切な条件を選択することで、これらの微細孔Pが、形状,サイズ,深さ等において均一で、且つこれらが長距離にわたって一定のピッチで規則配列したホールアレイ構造を形成することが可能である。このような構造を作ることで、均一な配向が得られるようになる。
また、本実施形態では、陽極酸化膜を磁界H′によって斜めに成長させているので、各微細孔Pは基板の法線に対して一定の角度θで傾斜している。この傾斜角θは、酸化膜の成長過程における異方性の大きさ、即ち、磁界H′の強さを変えることによって制御することができる。例えば、磁界H′が1T(10kG)以上になると、微細孔Pは基板法線に対して傾斜を生じ、それに応じて液晶Lはチルト配向を示すようになる。本例では、磁界H′を2Tとして微細孔Pの傾斜角θを5°程度としている。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウムを略ゼロとした。こうすることによって、可視光が透過可能になり、透過型の表示装置に利用できるようになる。
次に、同様の方法を用いて上基板20に配向膜25を形成する。そして、これらの基板10,20を用いて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を充填(例えば真空注入)する。この液晶の注入工程以降の工程は前記第1の実施形態と同様である。すなわち、空セルの中に誘電異方性が負の液晶Lをヒーターで加熱しながら等方相の状態で真空注入し、磁界中でセルを徐冷する。この際、磁界の方位角方向と、無機配向膜15,25によって規定される液晶Lのチルトの方位角方向とが概ね一致するようにする。こうすることで、磁界Hによる配向規制力を無機配向膜15,25の持つ配向規制力をアシストする形で液晶Lに作用させることができ、安定な配向状態への遷移をスムーズに行なうことが可能になる。なお、本例では、徐冷時の磁界H′の強さを2Tとし、磁界H′の印加方向を基板面に対して30°をなす方向とする。
以上により、液晶装置1が製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶Lが配向膜15,25の微細孔に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、この配向膜15,25は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、微細孔で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。さらに、陽極酸化法を用いることで製造装置を小型化でき、斜方蒸着のように影になる部分がないので配向ムラが生じることもない。また、陽極酸化法を用いた場合には、前記微細孔のピッチ,サイズ,形状,深さ等を陽極酸化の条件によって調節することができるため、最適化によって安定な配向状態を容易に実現することが可能である。また、本方法では陽極酸化を磁界中で行なっているので、この磁界の方向及び大きさを制御することによって、微細孔Pの傾き(即ち、液晶Lのチルト)を制御することが可能である。
なお、本実施形態では陽極酸化膜15に高度に規則的な2次元配列構造を形成したが、この配列構造は必ずしも膜面全体にわたって完全に規則的である必要はない。例えば、前述のような微細孔Pがその配列状態を維持したまま不規則な位置にまばらに形成されるようなものであってもよい。また、各微細孔Pは膜面に対して全て同じ角度で傾斜していなくてもよく、全体としてそれらの延在方向が基板法線に対して傾斜した方向に方向性を持っていればよい。
また、本実施形態では陽極酸化の条件を最適化することによって前述のような2次元配列構造を形成したが、規則的な細孔構造を形成する方法はこのようなものに限定されない。例えば、金属膜M1の表面に予め規則的な突起形状を作っておき、これを陽極酸化する方法も考えられる。この場合、酸化膜は前記突起部を核として成長するため、結果として、微細孔が規則的に2次元配列したポーラスな陽極酸化膜が形成されることになる。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図7は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図において、510は光源、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
光源510はメタルハライド等のランプ511とランプの光を反射するリフレクタ512とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー513は、光源510からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー517で反射されて、前記実施形態の液晶装置を備えた赤色光用液晶ライトバルブ522に入射される。一方、ダイクロイックミラー513で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー514によって反射され、前記実施形態の液晶装置を備えた緑色光用液晶ライトバルブ523に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー514も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ518、リレーレンズ519、出射レンズ520を含むリレーレンズ系からなる導光手段521が設けられ、これを介して青色光が前記実施形態の液晶装置を備えた青色光用液晶ライトバルブ524に入射される。赤色光用液晶ライトバルブ522、緑色光用液晶ライトバルブ523、青色光用液晶ライトバルブ524の前後にはそれぞれ入射側偏光板522a、523a、524aと出射側偏光板522b、523b、524bが設置されている。入射側偏光板で直線偏光となった光は液晶ライトバルブにより変調された後、出射側偏光板を通過するが、この時決められた振動方向の光しか透過できないため調光が可能となる。
各液晶ライトバルブと2枚の偏光板により調光された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム525に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ526によってスクリーン527上に投写され、画像が拡大されて表示される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。本例では、従来、ポリイミド有機膜を配向膜に用いた場合に2000時間であった寿命を10000時間以上にすることができた。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図8を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、下基板10側の電極を高反射率の金属反射電極14とし、上基板20側の配向膜をポリイミド等の有機配向膜24とした点のみである。
本例の液晶装置3では上基板側の配向膜を配向能力に優れる有機配向膜24としたため、前記第1の実施形態のものに比べて、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。つまり、無機配向膜12のように形状効果によって液晶Lを配向させる形状配向膜では、液晶Lは準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶Lが最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶Lの配向は有機配向膜と液晶Lとの分子間力によって強固に規制されるため、前述の無機配向膜12に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本実施形態のように上基板20側を有機配向膜24とすることで、その有機配向膜24の配向規制力を液晶層30を介して間接的に下基板10側に伝えることができ、この結果、無機配向膜12近傍の液晶Lの配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。
なお、本例では斜方蒸着膜12の成膜条件や液晶注入後の徐冷条件を調節することにより、液晶Lのチルト角を概ね5°(即ち、非選択状態において液晶Lは基板に対して平行配向から概ね5°傾斜したチルト配向をする)とし、有機配向膜24に垂直配向性のポリイミド膜を用いている。そして、液晶Lに誘電異方性が正のネマチック液晶を用いて、これを上下基板間でハイブリッド配向させている。
このように本実施形態によれば、液晶装置3の配向安定性や信頼性を更に高めることができる。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。図9は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。
本例の液晶プロジェクタは、システム光軸Lに沿って配置した光源部710、インテグレータレンズ720、偏光変換素子730から概略構成される偏光照明装置700、この偏光照明装置700から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面741により反射させる偏光ビームスプリッタ740、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロックミラー742、分離された青色光(B)を変調する反射型液晶ライトバルブ745B、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロックミラー743、分離された赤色光(R)を変調する反射型液晶ライトバルブ745R、ダイクロックミラー743を通過する残りの光の緑色光(G)を変調する反射型液晶ライトバルブ745G、3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bにて変調された光をダイクロックミラー743、742、偏光ビームスプリッタ740にて合成し、この合成光をスクリーン760に投写する投写レンズからなる投写光学系750から構成されている。前記3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bには、それぞれ前述の実施形態で説明した液晶装置が用いられている。
光源部710から出射されたランダムな偏光光束は、インテグレータレンズ720により複数の中間光束に分割された後、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子720により偏光光束がほぼ揃った一種類の偏光光束(S偏光光束)に変換されてから偏光ビームスプリッタ740に至るようになっている。偏光変換素子730から出射されたS偏光光束は、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741によって反射され、反射された光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロックミラー742の青色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Bによって変調される。また、ダイクロックミラー742の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束はダイクロックミラー743の赤色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Rによって変調される。一方、ダイクロックミラー743の赤色光反射層を透過した緑色光(G)の光束は反射型液晶ライトバルブ745Gにより変調される。以上のようにして反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bによって色光の変調がなされる。
これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、前記各実施の形態の液晶装置は、前述した投射型表示装置に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。この電子機器としては例えば、携帯電話、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等があり、前記液晶装置はこれらの画像表示手段として好適に用いることができる。また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す断面模式図。 同、液晶装置の製造方法を説明するための図。 液晶の配向に対する磁界の作用を説明するための図。 本発明の第2実施形態に係る液晶装置の構成を示す断面模式図。 同、液晶装置の製造方法を説明するための図。 同、液晶装置の配向膜の構造を模式的に示す斜視図。 本発明の電子機器の一例である投射型表示装置の概略構成を示す図。 本発明の第3実施形態に係る液晶装置の構成を示す断面模式図。 本発明の電子機器の一例である投射型表示装置の概略構成を示す図。 徐冷時に印加する磁界の強さと液晶の配向秩序度との関係を示す図。
符号の説明
1,2,3・・・液晶装置、10,20・・・基板、11,14,21・・・電極、12,22・・・無機配向膜、15,25・・・無機配向膜(陽極酸化膜)、24・・・有機配向膜、30・・・液晶層、E・・・電解液、H,H′・・・磁界、L・・・液晶、M1・・・金属膜、P・・・微細孔

Claims (10)

  1. 対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
    前記一対の基板の少なくとも一方の基板の表面に前記液晶をチルト配向させることが可能な無機配向膜を形成する工程と、該無機配向膜が形成された前記一方の基板とこれに対向する他方の基板との間に前記液晶を充填する工程を備え、
    前記液晶の充填工程が、前記液晶を等方相の状態で両基板の間に充填する工程と、該液晶を、前記無機配向膜によって規定される前記液晶のチルトの方位角と同じ方位角を有する磁界中で徐冷する工程とを含むことを特徴とする、液晶装置の製造方法。
  2. 前記無機配向膜の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて磁界中で陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、前記液晶を配向させるための複数の微細孔を有する陽極酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする、請求項1記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記陽極酸化膜の形成工程が、前記磁界を前記一方の基板に対して平行又は斜めに印加し、前記複数の微細孔を前記一方の基板に対して傾斜した状態で配列形成する工程であることを特徴とする、請求項2記載の液晶装置の製造方法。
  4. 前記金属膜がアルミニウムからなることを特徴とする、請求項2又は3記載の液晶装置の製造方法。
  5. 前記電解液が酸性の電解液からなることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記無機配向膜の形成工程が、無機材料を斜方蒸着又は斜めスパッタにより前記一方の基板の表面に堆積させる工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の液晶装置の製造方法。
  7. 前記液晶の徐冷工程における前記磁界の強さが0.1T以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 前記一対の基板の他方の基板の表面に前記無機配向膜を形成する工程を備えたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
  9. 前記一対の基板の他方の基板の表面に有機配向膜を形成する工程を備えたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの項に記載の方法を用いて製造された液晶装置を備えたことを特徴とする、電子機器。

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WO2016192137A1 (zh) * 2015-06-04 2016-12-08 深圳市华星光电技术有限公司 液晶配向方法

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