JP2006201235A - 液晶装置の製造方法、液晶装置、投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 配向能力が高く配向安定性及び信頼性に優れ、更に電極間のリークを防止し、電極周辺部からの光抜けを防止することのできる液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板10に導電膜M2を形成し、この導電膜M2を陽極酸化して、表面に多数の微細孔を有する陽極酸化膜12Aを形成する。次に、この陽極酸化膜12Aを電極11の形状にエッチングする。エッチングは、陽極酸化膜12Aの細孔構造を下層側に転写しつつ行なう。これにより、電極11には、陽極酸化膜12Aからなる配向膜12が形成され、電極の周辺部(陽極酸化膜12Aを除去した部分)には、配向膜12と同様の細孔構造を有する凹凸面15aが形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】 基板10に導電膜M2を形成し、この導電膜M2を陽極酸化して、表面に多数の微細孔を有する陽極酸化膜12Aを形成する。次に、この陽極酸化膜12Aを電極11の形状にエッチングする。エッチングは、陽極酸化膜12Aの細孔構造を下層側に転写しつつ行なう。これにより、電極11には、陽極酸化膜12Aからなる配向膜12が形成され、電極の周辺部(陽極酸化膜12Aを除去した部分)には、配向膜12と同様の細孔構造を有する凹凸面15aが形成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ポーラスアルミナ等の陽極酸化膜を用いた液晶装置の配向制御技術に関するものである。
一般に、液晶プロジェクタのライトバルブや携帯電話等のディスプレイとして用いられる液晶装置には、その液晶層を挟持する基板の最表面に、液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されている。この配向膜としては、ポリイミド等の有機膜をラビング処理したものが広く使用されている。しかし、このような有機配向膜は、配向力に優れる反面、熱や光に弱いものは長期間の使用によってその配向力が次第に低下してしまうという問題がある。例えば高強度の光が照射されるプロジェクタに搭載した場合には、配向膜は光源からの光や熱によって次第に変性されてゆき、液晶分子を所望の配向方向に配列できなくなる場合がある。
これに対して、前記配向膜に無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、無機配向膜の一つとして陽極酸化アルミナを用いる構造が提案されている。陽極酸化アルミナは、陽極酸化条件を調節することによって多孔質な膜となるため、その微細孔による形状効果を利用することで、良好な配向特性が得られるようになる。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて、耐光性や耐熱性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
特許第2764997号公報
これに対して、前記配向膜に無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、無機配向膜の一つとして陽極酸化アルミナを用いる構造が提案されている。陽極酸化アルミナは、陽極酸化条件を調節することによって多孔質な膜となるため、その微細孔による形状効果を利用することで、良好な配向特性が得られるようになる。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて、耐光性や耐熱性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
陽極酸化アルミナを素子基板に適用する場合には、次のような工程が考えられる。
まず、図9(a)に示すように、TFT素子とコンタクトホールとを形成した基板に、画素電極を形成し、その上面にアルミニウムを成膜する。次に、図9(b)に示すように、透明電極をアノードとしてアルミニウムを陽極酸化し、ポーラス構造のアルミナとする。
しかし、この方法では、陽極酸化が進み画素間のアルミニウムが薄くなったところでアルミニウムの抵抗が上がるため、それ以上の酸化が困難になり、電極全面を完全に酸化することができない。このため、未酸化部分を介して画素間にリークを生じるという問題がある。
まず、図9(a)に示すように、TFT素子とコンタクトホールとを形成した基板に、画素電極を形成し、その上面にアルミニウムを成膜する。次に、図9(b)に示すように、透明電極をアノードとしてアルミニウムを陽極酸化し、ポーラス構造のアルミナとする。
しかし、この方法では、陽極酸化が進み画素間のアルミニウムが薄くなったところでアルミニウムの抵抗が上がるため、それ以上の酸化が困難になり、電極全面を完全に酸化することができない。このため、未酸化部分を介して画素間にリークを生じるという問題がある。
また、他の工程として次のようなものも考えられる。
まず、図10(a)に示すように、TFT素子とコンタクトホールとを形成した基板に、画素電極となる導電膜を全面に成膜し、この導電膜の上にアルミニウムを成膜する。ここで、アルミニウムは予め画素毎にパターニングしておく。次に、図10(b)に示すように、導電膜をアノードとしてアルミニウムを陽極酸化し、ポーラス構造のアルミナとする。その後、図10(c)に示すように、導電膜を画素の形状にパターニングする。
この方法を採ると、陽極酸化が容易で導電膜の画素分離もできるが、画素間には配向膜(陽極酸化膜)がないため、画素周辺部から光抜けを起こし易いという問題がある。
まず、図10(a)に示すように、TFT素子とコンタクトホールとを形成した基板に、画素電極となる導電膜を全面に成膜し、この導電膜の上にアルミニウムを成膜する。ここで、アルミニウムは予め画素毎にパターニングしておく。次に、図10(b)に示すように、導電膜をアノードとしてアルミニウムを陽極酸化し、ポーラス構造のアルミナとする。その後、図10(c)に示すように、導電膜を画素の形状にパターニングする。
この方法を採ると、陽極酸化が容易で導電膜の画素分離もできるが、画素間には配向膜(陽極酸化膜)がないため、画素周辺部から光抜けを起こし易いという問題がある。
なお、ここでは、特に陽極酸化アルミナをアクティブマトリクス型液晶装置に適用した例について説明したが、同様の問題は陽極酸化アルミナをパッシブマトリクス型液晶装置に適用した場合についても生じる。すなわち、前記の問題は、電極を分割した構造を有する全ての液晶装置について共通の問題である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、配向能力が高く配向安定性及び信頼性に優れ、更に電極間のリークを防止し、電極周辺部からの光抜けを防止することのできる液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。また、このような製造方法によって製造された配向能力の高い液晶装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶装置の製造方法は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に、電極と、陽極酸化膜からなる配向膜とを備えた液晶装置の製造方法であって、前記一方の基板に導電膜を形成する工程と、前記導電膜を陽極酸化し、表面に多数の微細孔を有する前記陽極酸化膜を形成する工程と、前記陽極酸化膜を前記電極の形状にエッチングする工程とを備え、前記陽極酸化膜のエッチングは、前記陽極酸化膜の細孔構造を下地の基板に転写しつつ行なわれることを特徴とする。
この方法によれば、配向膜を電極形状に合わせてパターニングしているので、配向膜を介して電極間に電流リークが発生することがない。また、このパターニングを陽極酸化膜を形成した後に行ない、陽極酸化膜を除去した部分(すなわち電極周辺部)に陽極酸化膜の細孔構造を転写しているので、電極部のみならず電極周辺部にも十分な配向性能を付与することができる。このため、電極周辺部からの光抜けが防止され、コントラストの高い表示を実現することができる。なお、前記陽極酸化膜のエッチングは、不活性ガスを用いた異方性エッチングにより行なわれるものとすることができる。
この方法によれば、配向膜を電極形状に合わせてパターニングしているので、配向膜を介して電極間に電流リークが発生することがない。また、このパターニングを陽極酸化膜を形成した後に行ない、陽極酸化膜を除去した部分(すなわち電極周辺部)に陽極酸化膜の細孔構造を転写しているので、電極部のみならず電極周辺部にも十分な配向性能を付与することができる。このため、電極周辺部からの光抜けが防止され、コントラストの高い表示を実現することができる。なお、前記陽極酸化膜のエッチングは、不活性ガスを用いた異方性エッチングにより行なわれるものとすることができる。
本発明においては、前記陽極酸化膜をエッチングする前に、前記一方の基板にイオンビームを斜め照射し、前記陽極酸化膜の微細孔の表面および内部をミリング加工する工程を備えることができる。
この方法によれば、配向膜の微細孔は斜めに形成されるので、電極部の液晶に対してプレチルトを付与することができる。一方、電極周辺部においては、微細孔はエッチングによって基板に対して略垂直に掘り込まれるので、電極周辺部の液晶は略垂直な配向状態を呈することになる。このため、本方法によれば、電極部でのディスクリネーションの発生を抑制し、電極周辺部からの光抜けを防止することのできる液晶装置を提供することができる。
この方法によれば、配向膜の微細孔は斜めに形成されるので、電極部の液晶に対してプレチルトを付与することができる。一方、電極周辺部においては、微細孔はエッチングによって基板に対して略垂直に掘り込まれるので、電極周辺部の液晶は略垂直な配向状態を呈することになる。このため、本方法によれば、電極部でのディスクリネーションの発生を抑制し、電極周辺部からの光抜けを防止することのできる液晶装置を提供することができる。
本発明においては、前記陽極酸化膜の形成工程は、前記導電膜の表面のみを陽極酸化し、それ以外の導電膜を前記電極として利用するものとすることができる。
この方法によれば、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
この方法によれば、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に電極と配向膜とを備えた液晶装置であって、前記配向膜は、表面に多数の微細孔を有する陽極酸化膜からなり、前記配向膜は前記電極の形状にパターニングされており、前記電極の周辺部であって前記配向膜が配置されない部分には、前記配向膜と同様の細孔構造を有する凹凸面が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、電極部だけでなく電極周辺部にも細孔構造が形成されているので、電極周辺部での光抜けが防止され、コントラストの高い表示が可能になる。
この構成によれば、電極部だけでなく電極周辺部にも細孔構造が形成されているので、電極周辺部での光抜けが防止され、コントラストの高い表示が可能になる。
本発明においては、前記配向膜の微細孔が、前記一方の基板に対して斜めに傾いて形成されているものとすることができる。
この構成によれば、電極部の液晶にプレチルトを付与することができる。
この構成によれば、電極部の液晶にプレチルトを付与することができる。
本発明においては、前記凹凸面の微細孔が、前記一方の基板に対して略垂直に形成されているものとすることができる。
この構成によれば、電極周辺部における光抜けを防止することができる。
この構成によれば、電極周辺部における光抜けを防止することができる。
本発明においては、前記多数の微細孔を有する陽極酸化膜の表面に、前記異方性エッチングにより一軸配向性を発現する凹凸が形成されているものとすることができる。
この構成によれば、表面に形成された凹凸に沿って液晶が均一に配向可能であるので、コントラストの高い表示が可能になる。
この構成によれば、表面に形成された凹凸に沿って液晶が均一に配向可能であるので、コントラストの高い表示が可能になる。
本発明においては、前記配向膜は、前記電極の表面を陽極酸化してなるものとすることができる。
この構成によれば、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
この構成によれば、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
本発明においては、前記液晶は、誘電異方性が負の液晶からなるものとすることができる。
誘電異方性が負の液晶を用いた場合には、表示モードとして、いわゆる垂直配向モードが採用されることになる。この表示モードにおいては、液晶の初期配向状態は基板に対して概ね垂直な方向とされるため、配向膜に形成する微細孔も概ね基板に垂直な方向でよい。
誘電異方性が負の液晶を用いた場合には、表示モードとして、いわゆる垂直配向モードが採用されることになる。この表示モードにおいては、液晶の初期配向状態は基板に対して概ね垂直な方向とされるため、配向膜に形成する微細孔も概ね基板に垂直な方向でよい。
本発明の電子機器は、前述した本発明の液晶装置の製造方法により製造された液晶装置又は本発明の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする。
この構成によれば、コントラストが高く信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
この構成によれば、コントラストが高く信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。尚、以下で参照する各図面では図を見易くするために各部の大きさや厚さを適宜異ならせている。
[第1の実施の形態]
[液晶装置]
図1は本実施形態の液晶装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1に示す液晶装置1は、対向する一対の基板10,20の間に液晶層30を挟持した構成を有する。下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成されており、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成されている。この液晶装置1は、アクティブマトリクス型若しくはパッシブ型のいずれの構造をとってもよい。アクティブマトリクス型の構造を採る場合には、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)又はMIM構造を有するTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いることもできる。また、この液晶装置1は透過型若しくは反射型のいずれの構造であってもよい、さらに、これらの基板には必要に応じてカラーフィルタを設けることができる。
[液晶装置]
図1は本実施形態の液晶装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1に示す液晶装置1は、対向する一対の基板10,20の間に液晶層30を挟持した構成を有する。下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成されており、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成されている。この液晶装置1は、アクティブマトリクス型若しくはパッシブ型のいずれの構造をとってもよい。アクティブマトリクス型の構造を採る場合には、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)又はMIM構造を有するTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いることもできる。また、この液晶装置1は透過型若しくは反射型のいずれの構造であってもよい、さらに、これらの基板には必要に応じてカラーフィルタを設けることができる。
本実施形態において配向膜12,13は、多孔質なアルミナ陽極酸化膜からなる無機配向膜として構成されている。この配向膜12,13は、形状効果(膜面に形成された構造物と対象物との相互作用)によって配向制御を行なう形状配向膜の一種であって、本例では、酸化膜表面に形成された細孔構造によって、配向膜近傍の液晶Lの配向状態を規定している。
一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開孔した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。このような微細孔は、陽極酸化の条件によって、数nm〜数百nmの径のものを形成することが可能である。このような微細な孔を有する陽極酸化膜を配向膜として使用した場合、係る微細孔に液晶Lを吸着させることによって、液晶Lをその孔の内壁に沿う方向又はそれに垂直な方向に配向させることができる。本実施形態では、このような微細孔を使って液晶Lの配向を制御している。特に本実施形態では、適切な陽極酸化条件を選択することにより、このような微細孔を膜面に規則的に配列形成し、液晶Lのダイレクタの方向を概ね一方向に揃えている。具体的には、これらの微細孔を基板に対して略垂直に形成し、液晶Lを初期状態において垂直配向させるようにしている。
このような垂直配向型の配向膜12,22を形成した場合には、前記液晶Lとして誘電異方性が負のネマチック液晶を用いることで、電圧による液晶Lの配向制御が可能になる。つまり、係る構成の液晶装置1では、液晶層30を構成する液晶分子Lは、両電極11,21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)では、配向膜12,22の配向規制力によって基板10,20に対して概ね垂直方向に配向し、前記両電極間に電圧が印加される(選択状態とされる)と、基板10,20の面方向に向かって倒れるように動作する。よって、この液晶装置1を、偏光方向をクロスした2枚の偏光板で挟み込めば、非選択状態において黒表示、選択状態において白表示を実現することができる。
[液晶装置の製造方法]
次に、図2,図3を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図2は基板に配向膜を形成する工程の一例を示す模式図、図3は陽極酸化膜の構造を示す模式図である。
次に、図2,図3を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図2は基板に配向膜を形成する工程の一例を示す模式図、図3は陽極酸化膜の構造を示す模式図である。
本方法ではまず、図2(a)に示すように、電極11となる第1の導電膜M1を備えた基板10の表面に陽極酸化可能な第2の導電膜M2を形成し、アセトン等で脱脂処理を行なった後、図2(b)に示すように、第1の導電膜M1をアノード(陽極)として第2の導電膜M2を陽極酸化する。ここで、基板10や電極11としては公知のものを用いることができる。本例では、透過表示を行なうために、例えば基板10の基材10Aをガラス等の透光性基板とし、電極11をITO等の透光性導電膜とする。基材10Aには、必要に応じて、画素スイッチング用の回路やカラーフィルタ等を形成することができる。図2においては、基材10Aの表面に画素スイッチング素子としてのTFT素子Sと絶縁膜15が形成されており、絶縁膜15に設けたコンタクトホールHを介して第1の導電膜M1(電極11)とTFT素子Sが導電接続されている。第2の導電膜M2としては、アルミニウム(Al),タングステン(Ta),チタン(Ti),マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができる。中でもアルミニウムは前述のような規則的な細孔配列構造を形成し易いため、本例では前記第2の導電膜M2としてアルミニウムを用いる。この第2の導電膜M2は、例えば純度99.99%のアルミニウムをスパッタ等により基板10上に堆積させることにより得られる。
なお、本実施形態では、第2の導電膜M2を陽極酸化した後に画素分離を行なう方法を採用する。このため、第1の導電膜M1と第2の導電膜M2は、画素形状にパターニングせずに表示領域全面にベタで形成している。こうすることで、第2の導電膜M2全体を均一に陽極酸化することができる。
また、本実施形態においては、絶縁膜15の厚みは400nm程度、第1の導電膜M1の厚みは80nm程度、第2の導電膜M2の厚みは100nm〜200nm程度に設定されている。第2の導電膜M2は配向膜12となるものであるため、その厚みは少なくとも10nm以上であることが望ましい。また、陽極酸化に用いる電解液としては、シュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液が好適である。本例では、0.3M(mol/l)の硫酸水溶液を用いる。
また、本実施形態においては、絶縁膜15の厚みは400nm程度、第1の導電膜M1の厚みは80nm程度、第2の導電膜M2の厚みは100nm〜200nm程度に設定されている。第2の導電膜M2は配向膜12となるものであるため、その厚みは少なくとも10nm以上であることが望ましい。また、陽極酸化に用いる電解液としては、シュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液が好適である。本例では、0.3M(mol/l)の硫酸水溶液を用いる。
陽極酸化は、例えば以下の条件で行なう。電解液の液温:20℃、印加電圧:直流30V、陰極:白金(Pt)、陽極酸化時間:1時間。このような陽極酸化処理を行なうと、第2の導電膜M2の表面には、電気分解反応によって微細な孔が垂直に開いていく。そして、反応の進行に伴って、第2の導電膜M2の表面にナノメートルスケールの小さな孔(ナノホール)が規則的に配列した酸化アルミニウムの薄い膜12Aが形成される。これは、酸化によってアルミニウム膜の体積が増加し、これによって生じた膜中のストレスを緩和するように、前記孔が自己組織的に再配列されることによる。そして更に反応を進めていくと、前記孔は孔径を広げながら下層側に延びていき、ナノホールアレイが形成される。
図3は、陽極酸化膜12Aの概略構造を示す模式図である。この陽極酸化膜12Aは、セルと呼ばれる一定サイズの円柱状のアルミナ層Cが細密充填した構造からなる。各セルCの中心には均一な径の微細孔(ポア)Pが開孔しており、この微細孔Pが膜面に垂直に配向して配列するという特異な幾何学構造となっている。各微細孔Pのピッチ(即ち、セルCのサイズ),サイズ,深さ、下地のアルミニウムの残存率は、電解液の濃度,温度、陽極酸化時の電圧,電流密度,時間を変えることによって制御することができる。また、適切な条件を選択することで、これらの微細孔Pが、形状,サイズ,深さ等において均一で、且つこれらが長距離にわたって一定のピッチで規則配列したホールアレイ構造を形成することが可能である。このような構造を作ることで、均一な配向が得られるようになる。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウムを略ゼロとした。こうすることによって、可視光が透過可能になり、透過型の表示装置に利用できるようになる。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウムを略ゼロとした。こうすることによって、可視光が透過可能になり、透過型の表示装置に利用できるようになる。
次に、図2(c)に示すように、陽極酸化膜12Aの表面にレジストRを塗布し、このレジストRを露光処理及び現像処理して電極11の形状にパターニングする。続いて、図2(d)に示すように、レジストRをマスクとして、陽極酸化膜12Aと第1の導電膜M1をエッチングする。これにより、複数の電極11が形成される。それと同時に、電極11毎に分離された複数の配向膜12が形成される。このエッチングは、不活性ガスを用いた異方性エッチングによる。具体的には、画素間の陽極酸化膜12Aと第1の導電膜M1とが除去されるまでArプラズマエッチングを行なう。これにより、第1の導電膜M1の下層の絶縁膜15に陽極酸化膜12Aの細孔構造が転写され、電極11の周辺部(すなわち、電極11と電極11との間に露出した絶縁膜15)に、配向膜12と同様の配向性能を持った凹凸面15aが形成される。
エッチングが終了したら、レジストRを除去する。以上により、下基板10が形成される。
エッチングが終了したら、レジストRを除去する。以上により、下基板10が形成される。
次に、同様の方法を用いて上基板20に配向膜22を形成する。そして、これらの基板10,20を用いて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を充填(例えば真空注入)する。以上により、液晶装置1が製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶Lが配向膜12,22の微細孔に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、この配向膜12,22は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐熱性に優れており、又、微細孔で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。さらに、陽極酸化法を用いることで製造装置を小型化でき、斜方蒸着のように影になる部分がないので配向ムラが生じることもない。また、陽極酸化法を用いた場合には、前記微細孔のピッチ,サイズ,形状,深さ等を陽極酸化の条件によって調節することができるため、最適化によって安定な配向状態を容易に実現することが可能である。
また、本実施形態では、配向膜12を電極形状に合わせてパターニング(画素分離)しているので、配向膜12を介して電極間(画素間)に電流リークが発生することがない。また、この画素分離を陽極酸化膜12Aを形成した後に行ない、陽極酸化膜12Aを除去した部分(すなわち電極間の部分)に陽極酸化膜12Aの細孔構造を転写しているので、電極部のみならず電極周辺部(画素間の領域)にも十分な配向性能を付与することができる。このため、電極周辺部からの光抜けが防止され、コントラストの高い表示を実現することができる。
なお、本実施形態では陽極酸化膜12に高度に規則的な2次元配列構造を形成したが、この配列構造は必ずしも膜面全体にわたって完全に規則的である必要はない。例えば、前述のような微細孔Pがその配列状態を維持したまま不規則な位置にまばらに形成されるようなものであってもよい。また、各微細孔Pは膜面に完全に垂直でなくてもよく、全体としてそれらの延在方向に方向性を持っていればよい。
また、本実施形態では、アクティブマトリクス型液晶装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、パッシブマトリクス型液晶装置等、電極を分割した構造を有する他の液晶装置に本発明を適用することも可能である。
また、本実施形態では、アクティブマトリクス型液晶装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、パッシブマトリクス型液晶装置等、電極を分割した構造を有する他の液晶装置に本発明を適用することも可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図4及び図5を用いて説明する。本実施形態において、第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、配向膜16,26の微細孔が基板10,20に対して斜めに傾いて形成されている点のみである。すなわち、第1の実施形態では、陽極酸化膜を形成した後、これをそのままエッチングし配向膜として使用した。これに対して、本実施形態では、陽極酸化膜を形成した後、陽極酸化膜をエッチングする前に、基板にイオンビームを斜め照射し、陽極酸化膜の微細孔の表面および内部をミリング加工している。これにより、微細孔Pの内面は概ね斜めに傾いた状態となり、その内面に配向する液晶Lにプレチルトが付与されるようになる。さらに微細孔Pの表面にはミリング耐性が比較的強い部分と比較的弱い部分とが存在するために、ミリング加工の条件によりビーム照射方向とほぼ平行な方向性をもった凹凸を形成することができる。この凹凸により液晶に一軸配向性を付与することができる。図5は、微細孔Pがイオンビームにより斜めに掘り込まれた状態を模式的に示している。チルト角θcはイオンビームの照射角度によって制御することができる。本実施形態では、チルト角θcは例えば1°〜10°に制御される。
次に、本発明の第2の実施の形態を図4及び図5を用いて説明する。本実施形態において、第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、配向膜16,26の微細孔が基板10,20に対して斜めに傾いて形成されている点のみである。すなわち、第1の実施形態では、陽極酸化膜を形成した後、これをそのままエッチングし配向膜として使用した。これに対して、本実施形態では、陽極酸化膜を形成した後、陽極酸化膜をエッチングする前に、基板にイオンビームを斜め照射し、陽極酸化膜の微細孔の表面および内部をミリング加工している。これにより、微細孔Pの内面は概ね斜めに傾いた状態となり、その内面に配向する液晶Lにプレチルトが付与されるようになる。さらに微細孔Pの表面にはミリング耐性が比較的強い部分と比較的弱い部分とが存在するために、ミリング加工の条件によりビーム照射方向とほぼ平行な方向性をもった凹凸を形成することができる。この凹凸により液晶に一軸配向性を付与することができる。図5は、微細孔Pがイオンビームにより斜めに掘り込まれた状態を模式的に示している。チルト角θcはイオンビームの照射角度によって制御することができる。本実施形態では、チルト角θcは例えば1°〜10°に制御される。
イオンビームを斜め照射した後、陽極酸化膜はエッチングされる。このエッチング工程は第1の実施形態と同様である。すなわち、エッチングによって電極間に陽極酸化膜の細孔構造が転写され電極周辺部に配向膜16,26と同様の細孔構造を有する凹凸面が形成される。しかし、電極周辺部においては、微細孔はエッチングによって基板に対して略垂直に掘り込まれるので、電極周辺部の液晶Lは略垂直な配向状態を呈することになる。
このように、本実施形態によれば、電極部においてはディスクリネーションの発生を抑制し、電極周辺部においては光抜けを防止することのできる液晶装置を提供することができる。
このように、本実施形態によれば、電極部においてはディスクリネーションの発生を抑制し、電極周辺部においては光抜けを防止することのできる液晶装置を提供することができる。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図6は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図において、510は光源、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図6は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図において、510は光源、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
光源510はメタルハライド等のランプ511とランプの光を反射するリフレクタ512とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー513は、光源510からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー517で反射されて、前記実施形態の液晶装置を備えた赤色光用液晶ライトバルブ522に入射される。一方、ダイクロイックミラー513で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー514によって反射され、前記実施形態の液晶装置を備えた緑色光用液晶ライトバルブ523に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー514も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ518、リレーレンズ519、出射レンズ520を含むリレーレンズ系からなる導光手段521が設けられ、これを介して青色光が前記実施形態の液晶装置を備えた青色光用液晶ライトバルブ524に入射される。赤色光用液晶ライトバルブ522、緑色光用液晶ライトバルブ523、青色光用液晶ライトバルブ524の前後にはそれぞれ入射側偏光板522a、523a、524aと出射側偏光板522b、523b、524bが設置されている。入射側偏光板で直線偏光となった光は液晶ライトバルブにより変調された後、出射側偏光板を通過するが、この時決められた振動方向の光しか透過できないため調光が可能となる。
各液晶ライトバルブと2枚の偏光板により調光された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム525に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ526によってスクリーン527上に投写され、画像が拡大されて表示される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図7を用いて説明する。本実施形態において、第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、下基板10側の電極を高反射率の金属反射電極14とした点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、第1の導電膜M1(電極11)の表面に、これとは別の第2の導電膜M2を形成し、この第2の導電膜M2を全て陽極酸化することによって電極11の表面にポーラスな無機配向膜12を形成した。これに対して本実施形態の液晶装置2では、基板10に第1の導電膜M1(電極11)を設けずに、基板表面に直接陽極としての第2の導電膜M2を成膜する。そして、陽極酸化膜の形成工程において、第2の導電膜M2の表面のみを陽極酸化し、それ以外の第2の導電膜M2を液晶Lに電圧を印加するための電極14として残している。こうすることで、別途、液晶配向制御用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
このように、本実施形態によれば、製造が容易で信頼性の高い反射型の液晶装置を提供することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図7を用いて説明する。本実施形態において、第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、下基板10側の電極を高反射率の金属反射電極14とした点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、第1の導電膜M1(電極11)の表面に、これとは別の第2の導電膜M2を形成し、この第2の導電膜M2を全て陽極酸化することによって電極11の表面にポーラスな無機配向膜12を形成した。これに対して本実施形態の液晶装置2では、基板10に第1の導電膜M1(電極11)を設けずに、基板表面に直接陽極としての第2の導電膜M2を成膜する。そして、陽極酸化膜の形成工程において、第2の導電膜M2の表面のみを陽極酸化し、それ以外の第2の導電膜M2を液晶Lに電圧を印加するための電極14として残している。こうすることで、別途、液晶配向制御用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
このように、本実施形態によれば、製造が容易で信頼性の高い反射型の液晶装置を提供することができる。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。図8は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。図8は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。
本例の液晶プロジェクタは、システム光軸Lに沿って配置した光源部710、インテグレータレンズ720、偏光変換素子730から概略構成される偏光照明装置700、この偏光照明装置700から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面741により反射させる偏光ビームスプリッタ740、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー742、分離された青色光(B)を変調する反射型液晶ライトバルブ745B、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクイロックミラー743、分離された赤色光(R)を変調する反射型液晶ライトバルブ745R、ダイクロイックミラー743を通過する残りの光の緑色光(G)を変調する反射型液晶ライトバルブ745G、3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bにて変調された光をダイクイロックミラー743、742、偏光ビームスプリッタ740にて合成し、この合成光をスクリーン760に投写する投写レンズからなる投写光学系750から構成されている。
前記3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bには、それぞれ前述の実施形態で説明した液晶装置が用いられている。
前記3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bには、それぞれ前述の実施形態で説明した液晶装置が用いられている。
光源部710から出射されたランダムな偏光光束は、インテグレータレンズ720により複数の中間光束に分割された後、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子720により偏光光束がほぼ揃った一種類の偏光光束(S偏光光束)に変換されてから偏光ビームスプリッタ740に至るようになっている。偏光変換素子730から出射されたS偏光光束は、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741によって反射され、反射された光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロイックミラー742の青色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Bによって変調される。また、ダイクロイックミラー742の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束はダイクロイックミラー743の赤色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Rによって変調される。一方、ダイクロイックミラー743の赤色光反射層を透過した緑色光(G)の光束は反射型液晶ライトバルブ745Gにより変調される。以上のようにして反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bによって色光の変調がなされる。
これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、前記各実施の形態の液晶装置は、前述した投射型表示装置に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。この電子機器としては例えば、携帯電話、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等があり、前記液晶装置はこれらの画像表示手段として好適に用いることができる。また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1,2,3…液晶装置、10,20…基板、11,14,21…電極、12,22…配向膜、12A…陽極酸化膜、15a…凹凸面、L…液晶、M2…導電膜、P…微細孔
Claims (11)
- 一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に、電極と、陽極酸化膜からなる配向膜とを備えた液晶装置の製造方法であって、
前記一方の基板に導電膜を形成する工程と、前記導電膜を陽極酸化し、表面に多数の微細孔を有する前記陽極酸化膜を形成する工程と、前記陽極酸化膜を前記電極の形状にエッチングする工程とを備え、前記陽極酸化膜のエッチングは、前記陽極酸化膜の細孔構造を下地の基板に転写しつつ行なわれることを特徴とする、液晶装置の製造方法。 - 前記陽極酸化膜をエッチングする前に、前記一方の基板にイオンビームを斜め照射し、前記陽極酸化膜の微細孔の表面および内部をミリング加工する工程を備えたことを特徴とする、請求項1記載の液晶装置の製造方法。
- 前記陽極酸化膜のエッチングは、不活性ガスを用いた異方性エッチングにより行なわれることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶装置の製造方法。
- 前記陽極酸化膜の形成工程は、前記導電膜の表面のみを陽極酸化し、それ以外の導電膜を前記電極として利用するものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
- 一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に電極と配向膜とを備えた液晶装置であって、
前記配向膜は、表面に多数の微細孔を有する陽極酸化膜からなり、前記配向膜は前記電極の形状にパターニングされており、前記電極の周辺部であって前記配向膜が配置されない部分には、前記配向膜と同様の細孔構造を有する凹凸面が形成されていることを特徴とする、液晶装置。 - 前記配向膜の微細孔は、前記一方の基板に対して斜めに傾いて形成されていることを特徴とする、請求項5記載の液晶装置。
- 前記凹凸面の微細孔は、前記一方の基板に対して略垂直に形成されていることを特徴とする、請求項5又は6記載の液晶装置。
- 前記多数の微細孔を有する陽極酸化膜の表面に、前記異方性エッチングにより一軸配向性を発現する凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項5〜7記載の液晶装置。
- 前記配向膜は、前記電極の表面を陽極酸化してなるものであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 前記液晶は、誘電異方性が負の液晶からなることを特徴とする、請求項5〜9のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の方法により製造されてなる液晶装置又は請求項5〜10のいずれかの項に記載の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする、投射型表示装置。
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JP2005010042A JP2006201235A (ja) | 2005-01-18 | 2005-01-18 | 液晶装置の製造方法、液晶装置、投射型表示装置 |
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JP2007033967A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Seiko Epson Corp | 液晶装置の製造方法、液晶装置および電子機器 |
-
2005
- 2005-01-18 JP JP2005010042A patent/JP2006201235A/ja not_active Withdrawn
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