JP2008070448A - 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置 - Google Patents

光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008070448A
JP2008070448A JP2006246725A JP2006246725A JP2008070448A JP 2008070448 A JP2008070448 A JP 2008070448A JP 2006246725 A JP2006246725 A JP 2006246725A JP 2006246725 A JP2006246725 A JP 2006246725A JP 2008070448 A JP2008070448 A JP 2008070448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
optical element
convex portions
substrate
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006246725A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamitsu Fujii
隆満 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006246725A priority Critical patent/JP2008070448A/ja
Publication of JP2008070448A publication Critical patent/JP2008070448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Projection Apparatus (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】側面形状が略垂直であり、アスペクト比の大きい複数の凸部からなる周期構造を有し、精度、製造容易性、製造安定性の良好な光学素子を提供する。
【解決手段】基板10上であって前記複数の凸部20の非形成領域20rに、選択的に除去可能な犠牲層11をパターン形成する工程(A)と、基板10の犠牲層11をパターン形成した側に、基板面10sに対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜21Xを形成する工程(B)と、リフトオフ法により、犠牲層11、及び柱状構造膜21Xの犠牲層11の上に位置する部分を除去して、多数の柱状体からなる複数の凸部20を形成する工程(C)とを順次実施する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板上に、基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子とその製造方法、該光学素子を備えた位相差補償素子、偏光素子、及び液晶装置、投射型表示装置に関するものである。
液晶層を挟持して対向配置される一対の電極付基板からなる液晶セルを基本構成とし、電圧無印加時と印加時とで液晶層内の液晶分子の配向を変化させて表示等を行う液晶装置がある。液晶装置においては、オンオフを行うために偏光が利用されている。そのため、液晶装置では偏光の制御が重要であり、偏光素子及び位相差補償素子等の光学素子が備えられている。
偏光素子は、入射光から所定の直線偏光成分のみを取り出す素子である。上記液晶装置では、液晶セルの外側に偏光素子が設けられ、偏光素子を介して液晶層に光が入射され、液晶層内に入射した光が偏光素子を介して観察者側に出射される。
偏光素子としては、光吸収材料又は光反射材料からなり、基板面に対して略垂直方向に突設された複数の凸部からなるサブ波長オーダのストライプ状の周期構造を有し、一方の直線偏光を選択的に吸収又は反射させて所望の直線偏光のみを取り出す素子が知られている。
位相差補償素子は、液晶分子の複屈折性による偏光の乱れを補償して表示特性を良好にする素子である。偏光の乱れは複屈折を利用して補償することができる。構造性複屈折を利用した位相差補償素子として、透光性誘電材料からなり、基板面に対して略垂直方向に突設された複数の凸部からなるサブ波長オーダのストライプ状の周期構造を有する素子が知られている。
上記構成の偏光素子及び位相差補償素子においては、基板面に対して略垂直方向に突設された上記複数の凸部のパターンがある程度のアスペクト比でしかも高精細パターンで形成されていることが好ましい。
有機の偏光素子及び位相差補償素子において、上記複数の凸部を形成する方法として、ナノインプリンティング法等の転写成型法が知られている。
特許文献1には、ナノインプリンティング法によりフッ素化ポリイミドを加工することにより、耐熱性に優れた位相差補償素子を簡易に作製できることが記載されている(段落0013〜0014を参照)。
ところで、プロジェクタ等に搭載される液晶装置においては、高出力の光源が用いられるため、その構成部材に高い耐熱性及び耐光性が要求される。フッ素化ポリイミドは比較的耐熱性に優れる有機材料であるが、樹脂により高い耐熱性及び耐光性を実現するには限界がある。そのため、かかる用途では、偏光素子及び位相差補償素子を無機材料で構成できることが好ましい。
ナノインプリンティング法は加工対象が有機材料に限られるため、無機材料を転写成型法により直接加工することはできない。
無機材料のパターニング法としては、フォトリソグラフィ法が挙げられる。しかしながら、一般的なコンタクト露光とドライエッチングとを組み合わせたフォトリソグラフィ法では、1μm以下の加工は困難であるため、高精度かつ再現性の良いサブ波長オーダの周期構造の形成を簡易に低コストにて行うことが難しい。
ステッパを用いて、あるいはシンクロトロン光を用いるLIGA技術を用いて露光を行うことで、高精細化は可能であるが、装置が非常に高価である。また、ドライエッチングを行うフォトリソグラフィ法では、得られる凸部の側面形状がテーパ状になりやすく、ある程度のアスペクト比で凸部の側面形状を安定的に略垂直形状とすることが難しい。
特許文献2には、(1)従来のフォトリソグラフィ法により凹凸パターンを形成し、その凸部の両側壁に導電性材料からなる薄膜を形成した後、凸部をエッチングにより除去することにより偏光素子を製造する方法が開示されている。この方法によれば、フォトリソグラフィ法により得られた凹凸周期の半分の周期の凹凸構造を有する偏光素子を製造することができる。
また、特許文献2にはその他、(2)透明基板上に導電性材料からなる薄膜を成膜し、その上に成膜された被加工層にナノインプリンティング法により凹凸パターンを形成し、その後形成された凹凸パターンに応じて導電性薄膜をパターニングする方法、及び、(3)透明基板上に、凹凸形状を有する被加工層をナノインプリンティング法により形成し、凹凸パターンの凹部に導電性材料を選択的に形成する方法が開示されている。いずれの方法においてもドライエッチングを利用して導電性材料からなる凸部をパターン形成している(段落0080〜0081、段落0085〜0086を参照)。
特開2005−321611号公報 特開2005−202104号公報
特許文献2に記載の方法(1)〜(3)は、いずれも工程が非常に複雑である。また、ナノインプリンティング法を用いた(2)及び(3)の方法においても、最終的にはドライエッチングを行うため、ドライエッチングを用いた場合の上記問題を解消することはできず、基板面に対して略垂直方向に突設された複数の凸部を、ある程度のアスペクト比でしかも高精細パターンで低コストに形成することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、側面形状が略垂直であり、アスペクト比の大きい複数の凸部を有する光学素子を、安定的に、高精細パターンで、低コストにて製造できる光学素子の製造方法、及び該方法により製造された光学素子、該光学素子を備えた液晶装置及び投射型表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明は特に無機材料で上記光学素子を実現することを目的とするものであるが、有機材料にも適用可能なものである。
また本発明は、側面形状が略垂直である複数の凸部を有する上記光学素子を提供することを目的とするものであるが、側面形状が非平行である複数の凸部を有する光学素子にも適用可能である。
本発明の光学素子の製造方法は、基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子の製造方法において、
前記基板上であって前記複数の凸部の非形成領域に、選択的に除去可能な犠牲層をパターン形成する工程(A)と、
前記基板の前記犠牲層をパターン形成した側に、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を形成する工程(B)と、
リフトオフ法により、前記犠牲層、及び前記柱状構造膜の前記犠牲層の上に位置する部分を除去して、前記多数の柱状体からなる前記複数の凸部を形成する工程(C)とを順次実施することを特徴とするものである。
本明細書において、「複数の凸部の非形成領域」は、隣接する凸部と凸部の間等の凸部を形成しない領域のことである。
本明細書において、「基板面に対して非平行方向」とは、基板面に対し90±80°の範囲内の方向と定義する。
工程(A)は、転写成型法により前記犠牲層をパターン形成する工程(A−1)を含むことが好ましい。工程(A−1)の後に、前記複数の凸部の形成領域に前記犠牲層の残渣が存在する場合、工程(A)は、残渣を除去する工程(A−2)を更に含むことが好ましい。
本発明の光学素子は、上記本発明の光学素子の製造方法により製造されたものであることを特徴とするものである。
本発明の光学素子は、基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子において、前記複数の凸部は、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜がパターン形成されたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子において、個々の前記凸部が、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなり、前記凸部の側面に露出した多数の前記柱状体は、該柱状体の界面で切れていることを特徴とする光学素子を提供することができる。
本発明の光学素子において、前記複数の凸部のパターンは、略規則的なパターンであることが好ましい。
本発明の光学素子において、前記多数の柱状体の平均柱径は、2nm以上であり、かつ、前記複数の凸部の平均ピッチの1/5以下であることが好ましい。
本明細書において、「多数の柱状体の平均柱径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面写真を撮像して任意の10個の柱状体の径を求め、これらの平均値により求めるものとする。
本発明の光学素子において、前記複数の凸部は無機材料からなることが好ましい。
本発明の光学素子において、前記複数の凸部は透光性誘電材料により構成することができる。前記複数の凸部は光吸収材料又は光反射材料により構成することもできる。
本発明の位相差補償素子は、前記複数の凸部が透光性誘電材料からなる上記本発明の光学素子を備えたことを特徴とするものである。また、本発明の偏光素子は、前記複数の凸部が光吸収材料又は光反射材料からなる上記本発明の光学素子を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第1の液晶装置は、液晶層を挟持して対向配置され、電圧無印加時の前記液晶層内の液晶分子の配向を規定する配向膜を有する一対の基板を備え、該一対の基板に前記液晶層に電圧を印加する電極が設けられた液晶セルに、上記本発明の位相差補償素子が対向配置されたことを特徴とするものである。
また、本発明の第2の液晶装置は、液晶層を挟持して対向配置され、電圧無印加時の前記液晶層内の液晶分子の配向を規定する配向膜を有する一対の基板を備え、該一対の基板に前記液晶層に電圧を印加する電極が設けられた液晶セルに、上記本発明の偏光素子が対向配置されたことを特徴とするものである。
本発明の投射型表示装置は、光源と、該光源から出射された光を変調する単数または複数の光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射光学系とを備えた投射型表示装置において、少なくとも一つの前記光変調装置が上記本発明の液晶装置からなることを特徴とするものである。
本発明の光学素子は、複数の凸部が、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜がパターン形成されたものである。かかる構成では、パターン形成する膜が多数の柱状体からなるため、パターン形成の際に、凸部の側面の面方向が柱状体の成長方向と合った構造になりやすい。柱状構造膜を構成する多数の柱状体は、成膜過程において略同一方向に成長することから、柱状体の成長方向が略垂直方向である場合には、容易にかつ安定的に、略垂直形状の側面を有する複数の凸部をパターン形成することができる。
本発明の光学素子は、基板上であって複数の凸部の非形成領域に、選択的に除去可能な犠牲層をパターン形成する工程(A)と、
基板の犠牲層をパターン形成した側に、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状構造体からなる柱状構造膜を形成する工程(B)と、
リフトオフ法により、犠牲層、及び柱状構造膜の犠牲層の上に位置する部分を除去して、前記多数の柱状体からなる複数の凸部を形成する工程(C)とを順次実施する製造方法により、製造されたものであることが好ましい。かかる方法により製造すると、柱状体同士の機械的な分離し易さにより、リフトオフ法により犠牲層及び犠牲層上に位置する柱状構造膜部分を除去する工程(C)において、柱状構造膜の必要部分と不要部分とを柱状体の界面で良好に分離することができるので、形成される凸部の側面の面方向を柱状体の成長方向に略一致させることができる。従って、凸部の側面の角度のばらつきを高レベルに抑制することができ、また側面の平滑性も良好となる。また、リフトオフ法は、ドライエッチングのような高真空プロセスを要しないために、コスト面でも優れている。
更に、工程(A)を、転写成型法を含む工程とした場合には、高精細化が可能であり、しかも高精細化を高い精度で低コストに実現することができる。
以上のように、本発明によれば、側面形状が略垂直であり、アスペクト比の大きい複数の凸部を有する光学素子を、安定的に、高精細パターンで、低コストにて製造することができる。本発明では、無機材料でも、高精細パターンの上記光学素子を実現することができる。
「光学素子」
図1を参照して、本発明に係る一実施形態の光学素子について説明する。図1は、光学素子1の斜視図、図2は製造工程図である。図1に示されるように、本実施形態の光学素子1は、基板10の一方の基板面10sに、該面に対して突設された複数の凸部20を備えたものである。複数の凸部20は、基板面10sに対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜21がパターン形成されたものである。本実施形態において、複数の凸部20はストライプ状の周期構造を有し、略規則的にパターン形成されている。
本実施形態の光学素子1は、偏光素子や位相差補償素子等として利用可能なものである。これらの用途に用いる場合は、複数の凸部20は、基板面10sに対して略垂直方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜21がパターン形成されたものであることが好ましい。本明細書において、「基板面10sに対して略垂直方向」とは、基板面に対し90±15°の範囲内の方向と定義する。
光学素子1の製造方法は、特に制限されない。光学素子1としては、図2に示される転写成型法とリフトオフ法を組み合わせた方法により製造されたものが好ましい。かかる方法で製造を行うと、高精細化が可能であり、しかも高精細化を高い精度で再現性良く低コストに実現することができる。以下にその製造方法について説明する。
(工程(A))
<工程(A−1)>
はじめに図2(a)〜(c)に示されるように、基板10上であって複数の凸部20の非形成領域20rに、後工程(C)(リフトオフ工程)において選択的に除去可能な犠牲層11を転写成型法によりパターン形成する。基板10を用意し、その上に、犠牲層11の構成材料からなるベタ犠牲層11Xを成膜し、上記パターンを有するモールド12を、ベタ犠牲層11Xに押し当ててベタ犠牲層11Xに上記パターンを転写する(図2(a)及び(b))。
転写成型には熱サイクル方式と光硬化方式があり、どちらの方式を用いても構わない。熱サイクル方式においては、ベタ犠牲層11Xとして熱可塑性樹脂を用い、熱可塑性樹脂をガラス転位温度(Tg)以上まで加熱して軟化させた樹脂に、モールド12をプレス転写する。ベタ犠牲層11Xの材質は熱可塑性樹脂であれば制限なく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルの単独重合体又は共重合体を主成分とする(メタ)アクリル樹脂(PMMA樹脂)や、イミド樹脂等が挙げられる。
ベタ犠牲層11XとしてPMMA樹脂を用いた場合は、120〜150℃程度まで加熱してPMMA樹脂を軟化させ(PMMA樹脂のTgは105℃付近)、モールド12を5〜10MPaにてプレスし、プレスした状態で基板を冷却することにより樹脂を硬化させ、モールド12のパターンを転写することができる。
また、光硬化方式は、ベタ犠牲層11Xとして光硬化樹脂を塗布し、モールド12をプレスした後に紫外線等を照射することで樹脂を硬化させて転写する方法である。この場合はベタ犠牲層11Xの材料として光硬化樹脂を含むフォトレジスト等を使用できる。
ベタ犠牲層11Xの膜厚は特に制限なく、0.1〜5.0μmが好ましい。モールド12の材質は特に制限なく、石英やSi、及びTi、Ni、Mo、W等からなる硬質の合金等が好ましく、光硬化方式の転写成型においては透光性材料である必要がある。モールド12のパターンを、1μm以下のナノオーダのパターンとした場合は、転写成型法はナノインプリンティング法と呼ばれ、容易にサブ波長オーダのパターニングができる。モールド12は、例えば、電子線描画、ドライエッチング加工等により高精細にパターニングされる。
プレス成型後、樹脂が充分硬化した後、モールド12を剥離することにより、基板10上の複数の凸部20の非形成領域20rに、選択的に除去可能な犠牲層11をパターン形成することができる(図2(c))。
<工程(A−2)>
モールド12の剥離後に、基板10上の複数の凸部20の形成領域に、ベタ犠牲層11Xの残渣が残る場合がある。この場合、酸素の反応性イオンエッチング、燃焼、酸素プラズマ照射等による全面アッシング、溶液によるエッチング等により、残渣を除去することが好ましい。残渣の量は少ないので、残渣が除去された時点でアッシングを終了すれば、全面アッシングを行っても、凸部20の非形成領域上の犠牲層11を残したまま残渣のみを除去することができる。
(工程(B))
次に、図2(d)に示されるように、基板10の犠牲層11をパターン形成した側に、基板面10sに対して略垂直方向に延びる多数の柱状体からなる無機のベタ膜(柱状構造膜)21Xを成膜する。ベタ膜21Xの成膜方法は特に制限されないが、基板面10sに対して略垂直方向に延びる柱状体を形成する場合には、正面蒸着法が好ましい。蒸着方法としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法等の気相成長法が挙げられる。結晶成長する条件では、ベタ膜21Xは例えば略(100)方向に結晶配向性を有する膜となる。
ベタ膜21Xは、アモルファス構造であっても構わない。材料に応じて、成膜温度、圧力等の条件を調整することで、所望の平均柱径の柱状体からなるベタ膜21Xを成膜することができる。
ベタ膜21Xの膜厚は特に制限されず、位相差補償素子及び偏光素子等の用途であれば、0.5〜5.0μmが好ましい。ベタ膜21Xをなす多数の柱状体の平均柱径は特に制限されず、2nm以上であり、かつ、複数の凸部20の平均ピッチPの1/5以下であることが好ましい。凸部20の好ましい平均ピッチPについては後記する。
後工程(C)において形成される個々の凸部20は多数の柱状体からなり、後工程(C)のリフトオフにおいて、隣接する柱状体同士は、機械的に分離されやすいため、柱状体の側面で切れてパターニングされやすい。そのため、精度の点で柱状体の平均柱径は小さい方が好ましいが、柱状体の平均柱径が2nm未満であると、緻密膜に近くなるために良好にリフトオフを行うことが難しくなる恐れがある。また、柱状体の平均柱径が複数の凸部20の平均ピッチPの1/5より大きくなると、凸部20同士の形状やサイズのばらつきが大きくなり、良好な精度が得られなくなる恐れがある。
ベタ膜21Xの成膜が容易であり、しかも耐熱性及び耐光性に優れた光学素子1を製造できることから、ベタ膜21Xは無機材料で成膜することが好ましい。ただし、上記柱状体を良好に成長でき、有機材料でも問題のない用途であれば、有機材料でベタ膜21Xの成膜を行ってもよい。有機材料の場合のベタ膜21Xの成膜方法としては、プラズマ化学蒸着法や、分子線蒸着法等が挙げられる。
(工程(C))
次いで、図2(e)に示されるように、リフトオフ法により、犠牲層11、及びベタ膜21Xの犠牲層11の上に位置する不要部分を除去する。この工程後に、基板面10sに対して突設した複数の凸部20を備えた光学素子1が製造される。
リフトオフは、熱処理により犠牲層11を酸化して剥離する方法、あるいは犠牲層11が可溶な有機溶剤により溶解させる方法等により実施することができる。リフトオフ条件は、犠牲層11の構成材料に応じて適宜設計できる。
上記したように、隣接する柱状体同士は互いに機械的に分離されやすいので、この工程においては、ベタ膜21Xの不要部分と必要部分とを柱状体の界面で良好に分離し、不要部分のみを簡易に高精度に除去することができる。
また、ベタ膜21Xの不要部分と必要部分とは柱状体の界面で分離されるので、柱状構造膜21の凸部20の側面20aに露出した多数の柱状体は、柱状体の界面で切れたものとなる。同様の柱状体からなるベタ柱状膜であっても、ドライエッチングによるパターニングでは、柱状体の界面で切れることはなく、切断面はランダムである。個々の柱状体の基板面10sに対する成長方向は、均一性が高いため、基板面10sに対する柱状体の成長方向を略垂直となるようにベタ膜21Xを成膜すれば、柱状構造膜21の凸部20の側面20aの形状を安定的に略垂直形状とすることができる。
上記のような加工特性を有するので、ベタ膜21Xは、膜厚が厚くなっても同様に柱状体の界面に沿った形状で良好に加工され、従って、本実施形態によれば、高アスペクト比であっても、周期構造を精度良く形成することができる。本実施形態によればアスペクト比が10以上の高アスペクト比であり、形状精度の良好な複数の凸部20を備えた光学素子1を製造することが可能である。
凸部20の平均ピッチP及びアスペクト比は特に制限されない。偏光素子及び位相差補償素子等の用途であれば、凸部20の平均ピッチPは100〜900nmが好ましく、アスペクト比は2〜15が好ましい。
本実施形態の光学素子1は、複数の凸部が、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜がパターン形成されたものである。かかる構成では、パターン形成する膜が多数の柱状体からなるため、パターン形成の際に、凸部の側面の面方向が柱状体の成長方向と合った構造になりやすい。柱状構造膜を構成する多数の柱状体は、成膜過程において略同一方向に成長することから、柱状体の成長方向が略垂直方向である場合には、容易にかつ安定的に、略垂直形状の側面を有する複数の凸部をパターン形成することができる。
本実施形態の光学素子1は、基板上であって複数の凸部の非形成領域に、選択的に除去可能な犠牲層をパターン形成する工程(A)と、
基板の犠牲層をパターン形成した側に、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を形成する工程(B)と、
リフトオフ法により、犠牲層、及び柱状構造膜の犠牲層の上に位置する部分を除去して、多数の柱状体からなる複数の凸部を形成する工程(C)とを順次実施する製造方法により、製造されたものである。
かかる方法により製造すると、柱状体同士の機械的な分離し易さにより、リフトオフ法により犠牲層及び犠牲層上に位置する柱状構造膜部分を除去する工程(C)において、柱状構造膜の必要部分と不要部分とを柱状体の界面で良好に分離することができるので、形成される凸部の側面の面方向を柱状体の成長方向に略一致させることができる。従って、凸部の側面の角度のばらつきを高レベルに抑制することができ、また側面の平滑性も良好となる。また、リフトオフ法は、ドライエッチングのような高真空プロセスを要しないために、コスト面でも優れている。
本実施形態では更に、工程(A)において、転写成型法により犠牲層のパターニングを実施する構成としたので、高精細化が可能であり、しかも高精細化を高い精度で低コストに実現することができる。
以上のように、本実施形態によれば、側面形状が略垂直であり、アスペクト比の大きい複数の凸部を有する光学素子1を、安定的に、高精細パターンで、低コストにて製造することができる。本実施形態では、無機材料でも、高精細パターンの光学素子1を実現することができる。
上記実施形態では、工程(A)における犠牲層のパターニングを転写成型法により実施する場合について説明したが、犠牲層のパターニング法は転写成型法に限定されない。犠牲層の他のパターニング法としては、フォトリソグラフィ法等が挙げられる。この場合にも、パターン形成する膜が多数の柱状体からなるため、パターン形成の際に、凸部20の側面の面方向が柱状体の成長方向と合った構造になりやすく、柱状体の成長方向が略垂直方向である場合には、略垂直形状の側面を有する複数の凸部をパターン形成することができる。ただし、材料に関係なく、高精細パターンを高い精度で低コストに実現できることから、ナノインプリンティング法等の転写成型法とリフトオフ法とを組み合わせた上記実施形態の方法がより好ましい。
上記実施形態では、複数の凸部20がストライプ状の周期構造を有する場合について説明したが、光学素子1の周期構造は用途に応じて適宜設計できる。本発明はランダムパターンの複数の凸部を有する光学素子にも適用可能である。
本実施形態の光学素子1は、基板10の光入射側の基板面10sに、該面に対して非平行方向に突設された複数の凸部20を備えたものである。光学素子1は、用途に応じた材料選択及びサイズ設計により、液晶装置の偏光制御に用いられる偏光素子や位相差補償素子等として用いることができる。
偏光素子や位相差補償素子等の用途においては、上記したように、複数の凸部20は、基板面10sに対して略垂直方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜21がパターン形成されたものであることが好ましい。周期構造の形状は特に制限されず、ストライプ状等が好ましい。周期構造の平均ピッチPは、入射光の波長よりも小さいことが好ましく、従って、複数の凸部20のサイズは1μm以下のサブ波長オーダであることが好ましい。
光吸収材料や光反射材料からなり、入射光の波長よりも充分小さく、方向性の揃ったストライプ状の周期構造は、偏光素子としての機能を有する。この場合、入射光は、ストライプ状に配列する周期構造の配列に沿った方向にのみ振動可能であるため、その方向に平行な偏光方向を有する光のみがサブ波長オーダの周期構造により吸収または反射され、これと直交する偏光方向を有する光のみを取り出すことができる。したがって、本実施形態の光学素子1において、複数の凸部20を光吸収材料または光反射材料により構成することにより、偏光素子を提供することができる。
透過型の液晶装置の用途では、偏光素子において、基板10の材質は制限されず、ガラス、サファイア、水晶等の透光性基板が好ましく用いられる。他の用途では、非透光性基板が用いられることもある。
偏光素子の用途において、凸部20(柱状構造膜21)の材質は、光吸収性材料または光反射材料であれば特に制限されない。凸部20(柱状構造膜21)の材質としては、プロジェクタ用途の液晶装置に用いる場合は、光源の高出力性により、高い耐熱性及び耐光性が必要となることから無機材料が好ましく、Al,Ag,SUS(ステンレス鋼),Ni,Mo,Cr,Cu等の金属材料又はこれらの合金、又はこれらの窒化物、酸化物、炭化物等、そしてカーボン等が挙げられる。
光学素子1を上記のような材料で構成することにより、高精細で、形状精度の良好な周期構造を有し、優れた偏光制御特性を有する偏光素子を提供できる。1個の光学素子1により良好な偏光特性を有する偏光素子を提供することができるが、光学素子1を複数重ねたり、光学素子1と他の光学素子とを重ねて偏光素子を構成することもできる。
一方、透光性誘電材料からなり、基板面に対して略垂直方向に突設された複数の凸部からなるサブ波長オーダの周期構造を有する構造性複屈折素子は、位相差補償素子としての機能を有する。このような位相差補償素子においては、材料選択及び凸部のアスペクト比の設計により、所望の位相差を補償することができる。
有効媒質理論(Effective Medium Theory: EMT)によれば、光の波長より短いピッチを持つ構造は、周期を持つ方向と持たない方向とで異なる有効屈折率nTE,nTMを持つため、この有効屈折率差により各偏波方向の光の伝搬速度に差ができて通過する光に位相差δを生じる(Konica Minolta Technology Report Vol. 3,p62−66,(2006))。nTEは、入射光の図中のxy平面に対して平行方向に振動する波(TE波成分)に対する有効屈折率、nTMは入射光の図中のxy平面に対して垂直方向に振動する波(TM波成分)に対する有効屈折率である。そのため、周期構造をなす各凸部は、周期構造を形成する基板面に対して略垂直に突設されることが好ましい。各有効屈折率及び得られる位相差δは下記式(1)〜(3)により見積もることができる。
TE={f・nexp2+(1−f)・nexp2}exp(1/2) ・・・(1)
TM={f・nexp(−2)+(1−f)・nexp(−2)}exp(−1/2) ・・・(2)
δ=(nTE―nTM)・H ・・・(3)
(式中、fはf=L/Pで表されるフィリングファクタであり、Lは周期構造の凸部の幅、Pは周期構造ピッチである。Hは周期構造の凸部の高さ、nは周期構造の周りの屈折率、nは周期構造を形成する材料の屈折率である。)
上記式(1)〜(3)のとおり、所望の位相差δは、周期構造を形成する材料及びサイズにより設計することができる。
光学素子1において、複数の凸部20を透光性誘電材料により構成することにより、上記構造性複屈折を利用した高精度な位相差補償素子を提供することができる。
位相差補償素子において、基板10の材質は、透光性材料であれば特に制限されず、ガラス、サファイア、水晶等の透光性材料が挙げられる(好ましい材料を補充下さい)。凸部20(柱状構造膜21)の材質は、透光性の誘電材料であれば特に制限ないが、柱状構造膜21に、屈折率の高い透光性誘電材料を用いた場合には、式(1)より、高さHは小さくてすむ。高さHが大きくなればなるほど、安定的に形成することが難しくなるので、柱状構造膜21は、ある程度屈折率の高い材料により構成される方が設計マージンも広くなり、好ましい。
また、偏光素子と同様に、プロジェクタ用途の液晶装置に用いる場合は、光源の高出力性により、高い耐熱性及び耐光性が必要となる。従って、凸部20(柱状構造膜21)の材質は、比較的屈折率が高く、耐熱性、耐光性に優れる無機材料が好ましい。無機の透光性誘電材料としては、TiO、ZrO、SiO、MgF、CaF、CeO、SnO、Ta、In、ZrTiO、HfO、Al、MgO、AlF 、ダイヤモンド薄膜、LaTiO、酸化サマリウム等が挙げられる。
位相差補償素子においては、光入射側及び光出射側の最表面に各々、反射防止層が形成されていることが好ましい。かかる構成とすることで、光の入射面および出射面における反射光による影響を抑制することができる。
光学素子1を上記のような材料で構成することにより、高精細で、形状精度の良好な周期構造を有し、優れた位相差補償特性を有する位相差補償素子を提供できる。1個の光学素子1により良好な位相差補償特性を有する位相差補償素子を提供することができるが、光学素子1を複数重ねたり、光学素子1と他の光学素子とを重ねて位相差補償素子を構成することもできる。位相差補償素子では、複屈折性を有すればよいので、凸部20の周期構造はストライプ状である必要はなく、適宜設計できる。
図3に示すように、位相差補償素子においては、基板10の両面にそれぞれ、位相差を補償するようにアスペクト比等が設計された複数の凸部20をパターン形成した光学素子1Aを用いてもよい。かかる構成では、詳細については後記する、液晶装置における略一軸配向及びハイブリッド配向の両方の複屈折性に対して同時に位相差補償を行うことが可能な位相差補償素子を提供することができる。
「液晶装置」
図4を参照して、本発明に係る一実施形態の液晶装置について説明する。図4は液晶装置の厚み方向の断面構造を示す概略構成図である(図4ではハッチング省略)。図4においては、図示上側が光入射側、図示下側が光出射側である。図中、光源から出射され、入射側偏光素子2inに入射する光に符号L1、液晶セル40から出射され、位相差補償素子3に入射する光に符号L2、位相差補償素子3から出射され、出射側偏光素子2outに入射する光に符号L3、出射側偏光素子2outから出射される光に符号L4を付してある。図4において、視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものと適宜異ならせてある。
本実施形態の液晶装置4は、複数の凸部20が無機の光吸収材料又は光反射材料により構成された上記実施形態の光学素子1からなる偏光素子2と、複数の凸部20が無機の透光性誘電材料により構成された上記実施形態の光学素子1からなる位相差補償素子3を備えた液晶装置である。
図4に示されるように、本実施形態の液晶装置4は、電圧無印加時に明状態となるノーマリホワイトモードのTNモードの透過型液晶装置である。
液晶装置4は、液晶層47を挟持して対向配置された一対の基板(ガラス基板等)41、42からなる液晶セル40を基本構成とするものである。液晶装置4において、基板41が光入射側の基板、基板42が光出射側の基板であり、基板41の内面に電極43と配向膜45とが積層形成され、基板42の内面にも同様に電極44と配向膜46とが積層形成されている。液晶装置4はTNモードであるので、配向膜45と配向膜46の配向軸は互いに直交する関係にある。図では、配向膜45の配向軸が図示左右方向、配向膜46の配向軸が図示紙面垂直方向の場合について図示してある。
液晶装置4はパッシブマトリクス型又はアクティブマトリクス型の駆動方式を採用することができ、駆動方式に応じて、電極43及び電極44のパターンが設計される。例えば、アクティブマトリクス型の場合、電極43、44のうち一方は多数の画素電極により構成され、他方は1個の共通電極により構成される。
液晶セル40の光入射側の面(基板41の外面)に入射側偏光素子2inが対向配置され、液晶セル40の光出射側の面(基板42の外面)に位相差補償素子3及び出射側偏光素子2outが対向配置されている。入射側偏光素子2in/液晶セル40/位相差補償素子3/出射側偏光素子2outは互いに接合されることが好ましい。ただし、これらは互いに微小間隙を空けて離間配置されてもよい。
光源からの出射光L1は入射側偏光素子2inを介して液晶セル40に入射し、液晶セル40からの出射光L2は位相差補償素子3に入射し、位相差補償素子3からの出射光L3が出射側偏光素子2outに入射し、出射側偏光素子2outからの出射光L4が観察者側に出射されるようになっている。
ノーマリホワイトモードにおいては、液晶セル40を挟んで配置された一対の偏光素子2は、偏光軸が互いに直交するクロスニコル配置とされる。本実施形態では、入射側偏光素子2inの偏光軸と配向膜45の配向軸が一致し、出射側偏光素子2outの偏光軸と配向膜46の配向軸が一致するよう、設計されている。
液晶層47内の液晶分子47mは、電圧無印加時には配向膜45、46による規制を受けて、ツイスト配向状態(ツイスト角90°)となり、電圧印加時には電極43、44間に発生する縦電界に沿って配向が変化し、略垂直配向状態(略一軸配向状態)となる。
電圧印加時には上記のように、液晶層47内の液晶分子47mは全体的に略垂直配向状態(略一軸配向状態)となるが、配向膜45、46近傍については配向膜の影響を受けて、略垂直方向から配向膜の配向方向に向けて連続的に液晶分子47mの配向方向が変化するハイブリッド配向状態が現れることがある。
図4は電圧印加時の状態を示す図であり、液晶層47の略垂直配向状態の領域に符号V、ハイブリッド配向状態の領域に符号Hを付してある。なお、図では、ハイブリッド配向状態を説明しやすくするため、配向膜45、46に接した液晶分子47mの長軸方向が配向膜45、46の配向方向と略完全に一致している場合について図示してあるが、実際には、ハイブリッド配向状態の領域Hにおける液晶分子47mの配向不良のレベルは図示よりはるかに小さいものである。
本実施形態の位相差補償素子3は、構造性複屈折を利用した位相差補償素子であり、凸部20のアスペクト比の設計により、所望の位相差を補償することができるので、電圧印加時に略一軸配向状態となる液晶分子47mの複屈折性に対して位相差補償を行う素子として用いることもできるし、電圧印加時に配向膜45、46近傍の液晶分子47mが配向膜45、46の影響を受けて、略垂直方向から配向膜の配向方向に向けて連続的に液晶分子47mの配向方向(チルト角等)が変化しハイブリッド配向状態となる液晶分子47mの複屈折性に対して位相差補償を行う素子として用いることもできる。また、上記した基板10の両面にそれぞれ、位相差を補償するようにアスペクト比等が設計された凸部20が形成された構成とした位相差補償素子3を用いれば、一つの位相差補償素子で略一軸配向及びハイブリッド配向の両方の複屈折性に対して位相差補償を行うことができる(図4を参照)。
液晶装置4は、以上のように構成されている。
本実施形態の液晶装置4は、上記本実施形態の光学素子1からなる偏光素子2及び位相差補償素子3を備えたものであるので、偏光制御特性と位相差補償特性に優れ、コントラストや視野角等の表示品質に優れ投射型表示装置の使用条件においても長期使用安定性に優れたものとなる。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
本実施形態において、位相差補償素子3を液晶セル40の光出射側にのみ配置する場合について説明したが、液晶装置4では、位相差補償素子3を液晶セル40の光入射側及び/又は光出射側に配置することができる。また、位相差補償素子3を複数重ねた構成とすることもできる(複数の位相差補償素子3の間には微小間隙を空けてもよい)。
また、本実施形態では、偏光素子と位相差補償素子の両方に、上記実施形態の光学素子1を適用した例について示したが、いずれか一方の素子にのみ上記実施形態の光学素子1を適用した構成とすることもできる。
また、ノーマリホワイトモードのTNモードの透過型液晶装置を例として説明したが、本発明の偏光素子及び位相差補償素子は、他のタイプの液晶装置にも使用することができる。
投射型表示装置搭載用の液晶装置について説明したが、本発明の偏光素子及び位相差補償素子は、単独でディスプレイとして使用される液晶装置用としても使用することができる。ディスプレイ用の液晶装置では、通常、画素パターンに応じた赤(R)、緑(G)、青(B)の着色パターンを有するカラーフィルタが内蔵され、R、G、Bの3ドットにより一画素が構成される。この場合、表示ドットによって異なる色光が出射されるので、例えば、位相差補償素子を、表示ドットごとに、液晶セルから出射される色光の中心波長に応じて各層の位相差δを設計したマイクロアレイ構造とすることで、高品位な位相差補償を行うことができる。
本発明の偏光素子及び位相差補償素子は、液晶装置以外の用途にも使用することができる。
「投射型表示装置」
次に、図5に基づいて、本発明に係る実施形態の投射型表示装置について説明する。本実施形態は、赤色光L(R)、緑色光L(G)、青色光L(B)を各々変調する液晶装置(光変調装置)4R、4G、4Bを搭載したフルカラーの投射型表示装置である。本実施形態では、プロジェクタを例として説明する。
液晶装置4R、4G、4Bはいずれも上記実施形態の液晶装置4からなり、各々上記実施形態の位相差補償素子3である位相差補償素子3R、3G、3Bが用いられている。位相差補償素子3R、3G、3Bは同一の光学特性を有するものでもよいが、液晶層47で生じる位相差は入射光の波長によって変わるから、変調対象の色光の基準波長に応じて位相差補償機能が最適化された光学特性の異なる位相差補償素子3R、3G、3Bを用いることが好ましい。例えば、位相差補償素子3R、3G、3Bごとに、変調対象の色光の基準波長に応じてアスペクト比等の設計を変えるなどして、位相差補償機能を最適化することができる。液晶装置4R、4G、4Bの位相差補償素子3R、3G、3B以外の構成要素(液晶セル40及び偏光素子2in、2out)は同一である。
本実施形態の投射型表示装置5は、1個の光源51と、光源51から出射された光を赤色光L(R)、緑色光L(G)、青色光L(B)に分離する色光分離光学系(符号略)と、赤色光L(R)、緑色光L(G)、青色光L(B)を各々変調する3個の液晶装置(光変調装置)4R、4G、4Bと、液晶装置4R、4G、4Bにより変調された光を合成する合成プリズム61(合成光学系)と、合成プリズム61により合成された光を投射する投射レンズ62(投射光学系)とから概略構成されている。
光源51は、高圧水銀ランプ、発光ダイオード(LED)、レーザ等からなり、光源51と色光分離光学系との間には、光源51から出射された光から不要な紫外光及び赤外光をカットするカットフィルタ52と、カットフィルタ52から出射された白色光をホモジナイズするインテグレータ(ロッドレンズ等)53と、インテグレータ53からの出射光を平行光束化するリレーレンズ54及びコリメートレンズ55と、コリメートレンズ55からの出射光を色光分離光学系側に反射させるミラー56とが設けられている。
色光分離光学系は、ダイクロイックミラー57R、57G、及びミラー57B、60により構成されている。
ミラー56で反射された白色光は、赤色光L(R)を選択的に透過し、他の波長域の光を反射するダイクロイックミラー57Rに入射し、分離される。ダイクロイックミラー57Rにより分離された赤色光L(R)は、ミラー58により反射されて液晶装置4Rに入射し、画像信号に応じて変調される。ダイクロイックミラー57Rにより反射された光は、緑色光L(G)を選択的に反射し、他の波長域の光を透過するダイクロイックミラー57Gに入射し、分離される。ダイクロイックミラー57Gにより分離された緑色光L(G)は液晶装置4Gに入射し、画像信号に応じて変調される。ダイクロイックミラー57Gを透過した青色光L(B)は、ミラー57B及び60により反射され、液晶装置4Bに入射し、画像信号に応じて変調される。
液晶装置4R、4G、4Bにより変調された光は各々、同一の合成プリズム61(合成光学系)に入射する。合成プリズム61はその内部に2つのダイクロイック面61a,61bを有し、液晶装置4R、4G、4Bからの出射光を合成して一方向に出射する。本実施形態の投射型表示装置5はスクリーン70と組み合わせて使用され、合成プリズム61から出射された合成光は、投射レンズ62(投射光学系)を介してスクリーン70に拡大投射される。
本実施形態の投射型表示装置5は以上のように構成されている。本実施形態の投射型表示装置5は、上記実施形態の液晶装置4である液晶装置4R〜4Bを用いたものであるので、コントラストや視野角等の表示品質に優れ、長期使用安定性に優れたものとなる。
液晶装置4R〜4Bがいずれも無機の偏光素子及び位相差補償素子を備えた上記実施形態の液晶装置4である場合について説明したが、液晶装置4R及び/又は液晶装置4Gについては有機の偏光素子及び位相差補償素子を用いる構成としてもよい。紫外光に近い青色光L(B)は、赤色光L(R)及び緑色光L(G)よりも、偏光素子及び位相差補償素子に与える影響がはるかに大きい。したがって、少なくとも青色光L(B)用の液晶装置4Bについて、耐熱性や耐光性が良好な無機の偏光素子及び位相差補償素子を用いる構成とすればよい。
本実施形態では、プロジェクタを例として説明したが、本発明はリアプロジェクションディスプレイ等にも適用可能である。
本発明の光学素子は、偏光素子及び位相差補償素子等に好ましく利用することができる。本発明の光学素子は特に、投射型表示装置に搭載される液晶装置用の偏光素子及び位相差補償素子等に好ましく利用することができる。
本発明に係る実施形態の光学素子の斜視図 (a)〜(e)は本発明に係る実施形態の光学素子の製造工程図 図1の光学素子の設計変更例 本発明に係る実施形態の液晶装置の断面構造を示す図 本発明に係る実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図
符号の説明
1 光学素子
10 基板
10s 基板面
11 犠牲層
20 凸部
20r 凸部の非形成領域
21 柱状構造膜
21X ベタ膜(柱状構造膜)
2 偏光素子
3 位相差補償素子
4 液晶装置
41、42 基板
43、44 電極
45、46 配向膜
47 液晶層
47m 液晶分子
V 電圧印加時に液晶分子が略垂直配向状態(略一軸配向状態)となる領域
H 電圧印加時に液晶分子がハイブリッド配向状態となる領域
5 投射型表示装置
51 光源
4R、4G、4B 液晶装置(光変調装置)
62 投射レンズ(投射光学系)

Claims (16)

  1. 基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子の製造方法において、
    前記基板上であって前記複数の凸部の非形成領域に、選択的に除去可能な犠牲層をパターン形成する工程(A)と、
    前記基板の前記犠牲層をパターン形成した側に、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を形成する工程(B)と、
    リフトオフ法により、前記犠牲層、及び前記柱状構造膜の前記犠牲層の上に位置する部分を除去して、前記多数の柱状体からなる前記複数の凸部を形成する工程(C)とを順次実施することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 工程(A)は、転写成型法により前記犠牲層をパターン形成する工程(A−1)を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 工程(A)は、工程(A−1)の後に、前記複数の凸部の形成領域に残存する前記犠牲層の残渣を除去する工程(A−2)を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子において、
    請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学素子。
  5. 基板上に、該基板の基板面に対して突設された複数の凸部を備えた光学素子において、
    前記複数の凸部は、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜がパターン形成されたものであることを特徴とする光学素子。
  6. 前記凸部の側面に露出した多数の前記柱状体は、該柱状体の界面で切れていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子。
  7. 前記複数の凸部のパターンが略規則的なパターンであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の光学素子。
  8. 前記多数の柱状体の平均柱径が、2nm以上であり、かつ、前記複数の凸部の平均ピッチの1/5以下であることを特徴とする請求項7に記載の光学素子。
  9. 前記複数の凸部が無機材料からなることを特徴とする請求項4〜8のいずかに記載の光学素子。
  10. 前記複数の凸部が透光性誘電材料からなることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の光学素子。
  11. 前記複数の凸部が光吸収材料又は光反射材料からなることを特徴とする4〜10のいずれかにいずれかに記載の光学素子。
  12. 請求項10に記載の光学素子を備えたことを特徴とする位相差補償素子。
  13. 請求項11に記載の光学素子を備えたことを特徴とする偏光素子。
  14. 液晶層を挟持して対向配置され、電圧無印加時の前記液晶層内の液晶分子の配向を規定する配向膜を有する一対の基板を備え、該一対の基板に前記液晶層に電圧を印加する電極が設けられた液晶セルに、請求項12に記載の位相差補償素子が対向配置されたことを特徴とする液晶装置。
  15. 液晶層を挟持して対向配置され、電圧無印加時の前記液晶層内の液晶分子の配向を規定する配向膜を有する一対の基板を備え、該一対の基板に前記液晶層に電圧を印加する電極が設けられた液晶セルに、請求項13に記載の偏光素子が対向配置されたことを特徴とする液晶装置。
  16. 光源と、該光源から出射された光を変調する単数または複数の光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射光学系とを備えた投射型表示装置において、
    少なくとも一つの前記光変調装置が請求項14又は15に記載の液晶装置からなることを特徴とする投射型表示装置。
JP2006246725A 2006-09-12 2006-09-12 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置 Pending JP2008070448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006246725A JP2008070448A (ja) 2006-09-12 2006-09-12 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006246725A JP2008070448A (ja) 2006-09-12 2006-09-12 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010287898A Division JP5345127B2 (ja) 2010-12-24 2010-12-24 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008070448A true JP2008070448A (ja) 2008-03-27

Family

ID=39292112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006246725A Pending JP2008070448A (ja) 2006-09-12 2006-09-12 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008070448A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011123474A (ja) * 2009-11-16 2011-06-23 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
JP2011170135A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
JP2011170136A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
KR20120003042A (ko) * 2010-07-02 2012-01-10 엘지디스플레이 주식회사 스위처블 입체 전환 수단 및 이의 제조 방법과 이를 적용한 입체 영상 표시 장치
KR101461075B1 (ko) * 2013-05-21 2014-11-19 광주과학기술원 전사 인쇄용 기판, 전사 인쇄용 기판 제조 방법 및 전사 인쇄 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000147229A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Corning Inc ナノメ―トルのスケ―ルのパタ―ンの複製
JP2006030461A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Ricoh Co Ltd 波長板、立体画像表示装置、及び波長板の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000147229A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Corning Inc ナノメ―トルのスケ―ルのパタ―ンの複製
JP2006030461A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Ricoh Co Ltd 波長板、立体画像表示装置、及び波長板の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011123474A (ja) * 2009-11-16 2011-06-23 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
JP2011170135A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
JP2011170136A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Seiko Epson Corp 偏光素子及びプロジェクター
KR20120003042A (ko) * 2010-07-02 2012-01-10 엘지디스플레이 주식회사 스위처블 입체 전환 수단 및 이의 제조 방법과 이를 적용한 입체 영상 표시 장치
KR101715849B1 (ko) * 2010-07-02 2017-03-14 엘지디스플레이 주식회사 스위처블 입체 전환 수단의 제조 방법
US9715121B2 (en) 2010-07-02 2017-07-25 Lg Display Co., Ltd. Switchable 3-dimensional conversion device, method for manufacturing the same and stereoscopic image display device using the same
KR101461075B1 (ko) * 2013-05-21 2014-11-19 광주과학기술원 전사 인쇄용 기판, 전사 인쇄용 기판 제조 방법 및 전사 인쇄 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW594129B (en) Microlens array substrate and fabrication method thereof, and projection-type liquid crystal display device using same
RU2514152C2 (ru) Оптический элемент, устройство отображения, противоотражающий оптический компонент и мастер-форма
JP6450965B2 (ja) マイクロレンズアレイ基板、マイクロレンズアレイ基板を備えた電気光学装置、及び投写型表示装置
JP2007101833A (ja) マイクロレンズの製造方法、マイクロレンズ、空間光変調装置、スクリーン及びプロジェクタ
US20110249338A1 (en) Microfabricated member and method for manufacturing the same, and etching apparatus
JP4499770B2 (ja) 偏光制御システム及びプロジェクタ
US11994687B2 (en) Meta-optics for virtual reality and augmented reality systems
JP2008070448A (ja) 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置
JP2007000974A (ja) 放電加工用電極型、放電加工用電極型の製造方法
JP5345127B2 (ja) 光学素子とその製造方法、液晶装置、及び投射型表示装置
US8471984B2 (en) Polarizing element, method for producing same, liquid crystal device, electronic apparatus, and projection display
JP2008542828A (ja) 液晶ディスプレイ用フィルタアレイ及び該フィルタアレイの製造方法
CN113031252A (zh) 一种具有微纳结构的微镜、微镜制备方法及激光显示系统
WO2019102902A1 (ja) 光学素子及び投射型画像表示装置
Kitamura et al. Fabrication method of double-microlens array using self-alignment technology
JP5895880B2 (ja) 光学素子、投射型画像表示装置および原盤
US7046444B2 (en) Wave plate and optical device using the same
JP2005070666A (ja) マイクロレンズ基板の製造方法
JP2019095776A (ja) 光学素子及び投射型画像表示装置
JP2006350205A (ja) 光学素子の製造方法、投射型表示装置
JP2005352378A (ja) 波長板・波長板の作製方法・立体画像表示装置
JP2006030461A (ja) 波長板、立体画像表示装置、及び波長板の製造方法
JP2004240413A (ja) 光学機能膜及びその形成方法、並びにこの光学機能膜を用いた光変調素子、光変調素子アレイ、画像形成装置、平面表示装置
JP2007078779A (ja) クロスダイクロイックプリズム、光学装置、プロジェクタ、および、クロスダイクロイックプリズムの製造方法
JP2006178160A (ja) マイクロレンズ付基板の製造方法、液晶表示パネルの対向基板の製造方法及び液晶パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110412