JP5895880B2 - 光学素子、投射型画像表示装置および原盤 - Google Patents

光学素子、投射型画像表示装置および原盤 Download PDF

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Description

本技術は、光学素子、それを備える投射型画像表示装置およびそれを作製するための原盤に関する。詳しくは、液晶パネルなどの位相差補償に用いられる光学素子、それを備える投射型画像表示装置およびそれを作製するための原盤に関する。
画像をスクリーンに拡大投影することにより大画面を実現するプロジェクタ装置(投射型画像表示装置)は、幅広い分野で活用されている。近年では、光源からの出射光を液晶表示装置で光変調してスクリーンに投影する、いわゆる液晶プロジェクタ装置が特に普及している。液晶表示装置は、液晶パネルに用いられる液晶分子の種類に対応した表示モードで画像を表示する。
例えば、負の誘電異方性を有する液晶分子を、液晶パネルを構成する一対の基板間に垂直配光するように封入したVA(Vertically Aligned)モードの液晶表示装置が広く知られている。VAモードの液晶表示装置では、電界無印加時に液晶分子が基板の主面に対してほぼ垂直に配向するため、光は液晶層をその偏光面をほとんど変化させることなく通過する。従って、基板の上下に偏光板を設置することにより、電界無印加時において良好な黒色表示が可能である。このVAモードの液晶表示装置は、TN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置に比べて、高いコントラストを実現できるという利点を有している。
VAモードの液晶表示装置では、電界印加時に液晶分子を傾斜配向させて複屈折性を得るようにしている。そのため、電界無印加時において液晶分子を、あらかじめ微小な傾斜角度(プレチルト角)を持たせて配向させている。このように、電界無印加時において液晶分子が基板の主面に対し完全に垂直ではなく、小さく傾いた配向をもつため、液晶パネルに残留位相差が生じる。従って、垂直方向からの入射光の偏光面が微小ながら回転してしまい、その結果、偏光板からの光漏れが生じてコントラストが低下する。
そこで、液晶パネルの残留位相差を補償し高コントラストを得るべく、面内方向の位相差量が微小である位相差補償板を用いる技術が提案されている。その位相差補償板の位相差量は、使用される液晶パネルにより異なるが、30nm以下の微小位相差量が望ましいとされている。このような微小位相差量を有する位相差補償板としては、従来以外のものが提案されている。
特許文献1:屈折率の異なる複数の層が規則的な順序で積層された光学多層膜と、高分子フィルムとの組み合わせ体からなる位相差補償板が提案されている。
特許文献2:位相差補償板の表面に反射防止膜を設け、位相補償板に反射防止機能を付与することが提案されている。
特開2008−70666号公報 特開2007−11280号公報
したがって、本技術の目的は、位相補償と反射防止との両方の機能を有する光学素子、それを備える投射型画像表示装置およびそれを作製するための原盤を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
第1方向に延設された複数の構造体を表面に備え、
複数の構造体は、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
構造体の幅が、第1方向において周期的に変動し
構造体のピッチtpに対する、第1方向において周期的に変動する構造体の幅のうちの最大幅w max の平均割合R w/tp は、0.4以上0.8以下の範囲内である光学素子である。
第2の技術は、
光源と、液晶パネルと、光学素子とを備え、
光学素子は、
第1方向に延設された複数の構造体を表面に備え、
複数の構造体は、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
構造体の幅が、第1方向において周期的に変動し
構造体のピッチtpに対する、第1方向において周期的に変動する構造体の幅のうちの最大幅w max の平均割合R w/tp は、0.4以上0.8以下の範囲内である投射型画像表示装置である。
第3の技術は、
第1方向に延設された複数の溝を表面に備え、
複数の溝は、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
溝の幅が、第1方向において周期的に変動し
溝のピッチtpに対する、第1方向において周期的に変動する溝の幅のうちの最大幅w max の平均割合R w/tp は、0.4以上0.8以下の範囲内である原盤である。
第1および第2の技術では、第1方向に延設された複数の構造体を、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列させているので、光学素子に位相補償機能を付与することができる。また、第1方向に延設された複数の構造体の幅を周期的に変動させているので、光学素子に反射防止機能を付与することができる。
第3の技術では、第1方向に延設された複数の溝を、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで原盤の表面に配列させている。したがって、第1方向に延設されると共に、第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列された構造体を転写により成形することができる。
以上説明したように、本技術によれば、位相補償と反射防止との両方の機能を有する光学素子を提供できる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の外観の一例を示す平面図である。 図2Aは、図1に示した光学素子の表面の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのIIB−IIB線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのIIC−IIC線に沿った断面図である。 図3は、本技術の第1の実施形態に係るロール原盤の外観の一例を示す斜視図である。 図4Aは、図3に示したロール原盤の表面の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのIVB−IVB線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのIVC−IVC線に沿った断面図である。 図5は、ロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図6A〜図6Cは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図7A〜図7Dは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図8は、本技術の第2の実施形態に係る投射型画像表示装置の構成の一例を示す概略図である。 図9は、本技術の第2の実施形態に係る投射型画像表示装置の他の構成例を示す概略図である。 図10は、図8および図9に示した液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。 図11Aは、実施例1〜5の光学フィルムのリタデーションを示す図である。図11Bは、実施例4の光学フィルムの反射スペクトルを示す図である。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(光学素子の例)
2.第2の実施形態(投射型画像表示装置の例)
<1.第1の実施形態>
[光学素子の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の外観の一例を示す平面図である。光学素子1は、位相補償と反射防止との両方の機能を有する光学素子である。光学素子1は、矩形状の表面を有する基体2と、この表面に設けられた複数の構造体3とを備える。なお、基体2の表面は矩形状に限定されるものではなく、必要に応じて矩形状以外の形状を採用するようにしてもよい。本明細書では、光学素子1の表面の面内において直交する2方向をそれぞれX軸方向(第1方向)、Y軸方向(第2方向)と称し、その表面(XY平面)に垂直な方向をZ軸方向(第3方向)と称する。
光学素子1は、複屈折を有している。より具体的には、光学素子1は、X軸方向の屈折率nXとY軸方向の屈折率nyとが異なっている。屈折率nX、nyは、nX>nyの関係を満たしている。したがって、光学素子1の遅相軸の方向はX軸方向と一致し、進相軸の方向はY軸方向と一致する。
光学素子1の面内リタデーションReは、好ましくは3度以上8度以下、より好ましくは5度以上8度以下の範囲内である。面内リタデーションReが3度以上であると、光学素子1をプロジェクタ装置などの位相補償素子として使用して好適なものとすることができる。一方、面内リタデーションReが8度以下であると、良好な形状で位相補償素子が作製できる。
(基体)
基体2は、例えば、透明性を有し、且つ、光学等方性を有する。基体2の材料としては、例えば、樹脂材料などの有機材料、ガラスなどの無機材料を用いることができ、耐光性や良好な光学等方性の観点からすると、ガラスなどの無機材料を用いることが好ましい。ガラスとしては、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどが挙げられる。樹脂材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アモルファスポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー(商品名:アートン、ゼオノア)、シクロオレフィンコポリマー、トリアセチルセルロースまたはエポキシ樹脂などのプラスチック材料が挙げられる。
基体2として樹脂材料を用いる場合、基体表面の表面エネルギー、塗布性、すべり性、平面性などをより改善するために、表面処理として下塗り層を設けるようにしてもよい。この下塗り層の材料としては、例えば、オルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。また、下塗り層を設けるのと同様の効果を得るために、基体2の表面に対してコロナ放電、UV照射処理などの表面処理を行うようにしてもよい。
基体2の形状としては、例えば、フィルム状、板状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。ここで、フィルム状にはシート状が含まれるものと定義する。基体2の厚さは、例えば25μm〜500μm程度である。基体2がプラスチックフィルムである場合には、基体2の成形方法としては、例えば、樹脂材料をフィルム状に吐出した後に伸延する方法、または樹脂材料を溶剤に希釈した後にフィルム状に成膜して乾燥する方法などが挙げられる。基体2が、光学素子1の適用対象となる部材や機器などの構成要素であってもよい。
(構造体)
図2Aは、図1に示した光学素子の表面の一部を拡大して表す平面図である。図2Bは、図2AのIIB−IIB線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのIIC−IIC線に沿った断面図である。なお、図2Bおよび図2Cでは、光学素子1の一方の表面に複数の構造体3が設けられた例が示されているが、光学素子1の両方の表面に複数の構造体3が設けられるようにしてもよい。
複数の構造体3は、基体2の表面に対して凸状を有している。複数の構造体3は、光学素子1の表面に対して垂直な方向(Z軸方向)の側から見ると、ストライプ状を有している。より具体的には、複数の構造体3は、X軸方向(第1方向)に延設された細長い形状を有している。この延設方向が光学素子1の遅相軸の方向となる。そして、この延設された構造体3は、延設方向であるX軸方向(第1方向)とは直交するY軸方向(第2方向)にサブ波長のピッチtpで周期的に配列されている。この配列方向が光学素子1の進相軸の方向となる。このような複数の構造体3の構成により、光学素子1に位相補償機能を付与することができる。
ここで、サブ波長とは、反射の低減を目的とする光と同程度またはそれ以下の波長のことをいう。反射の低減を目的とする光の波長帯域は、例えば、紫外光の波長帯域、可視光の波長帯域または赤外光の波長帯域である。ここで、紫外光の波長帯域とは10nm〜360nmの波長帯域、可視光の波長帯域とは360nm〜830nmの波長帯域、赤外光の波長帯域とは830nm〜1mmの波長帯域をいう。
構造体3の配列方向(Y軸方向)に対する構造体3の幅wは、周期的に増加および減少を繰り返して変動している。これにより、光学素子1に反射防止機能を付与することができる。ここで、構造体3の幅wとは、構造体3の高さの半値幅(半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum))のことをいう。隣接する2つの構造体3のうち一方の構造体3の幅wが最も広くなる位置で、他方の構造体3の幅wが最も狭くなることが好ましい。これにより、隣接する2つの構造体3のうち一方の構造体3の側面Saの凹部に、他方の構造体3の側面Saの凸部が入り込んだ構成となるので、構造体3の幅wが変動しつつ、隣接する2つの構造体3の間の空間が広がりを抑制できる。したがって、構造体3の充填率が高まり、反射防止特性が向上する。
より具体的には、構造体3の両側面Saは、構造体3の幅方向(Y軸方向)に周期的に振動する波面である。隣接する波面の一方の振幅axが最大となる位置で、他方の振幅axが最小となる。すなわち、隣接する波面の周期Tは、位相が180°ずれている。ここで、波面の振幅axは、構造体3の配列方向(Y軸方向)に対する振幅である。構造体3の両側面Saは、例えば、光学素子1の表面(XY平面)に対して垂直または傾斜しており、反射防止特性の向上の観点からすると、傾斜していることが好ましい。
構造体3のピッチtpに対する構造体3の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、好ましくは0.4以上0.8以下、より好ましくは0.5を超え0.8以下、さらに好ましくは0.5を超え0.7以下の範囲内である。平均割合Rw/tpが0.4以上であると、優れた反射防止特性を得ることができる。平均割合Rw/tpが0.8以下であると、プロジェクタ装置などの位相補償素子として好適なリタデーションを光学素子1に付与することができる。なお、平均割合Rw/tpが0.5を超える場合には、隣接する2つの構造体3のうち一方の構造体3の幅wが最も広くなる位置で、他方の構造体3の幅wが最も狭くなることが好ましい。このような構成を採用することで、平均割合Rw/tpが0.5を超える場合であっても、隣接する2つの構造体3を重なり合わせることなく、構造体3の充填率を向上することができるからである。ここで、構造体3の最大幅wmaxは、構造体3の幅wの最大値を意味する。
構造体3のピッチtpに対する構造体3の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、以下のようにして求められる。まず、光学素子1の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop ViewおよびCross Section Viewで撮影する。次に、撮影したSEM写真から無作為に構造体を選び出し、その構造体の最大幅wmaxおよびピッチtpを測定する(図2A、図2C参照)。次に、これらの撮影および測定の手順を繰り返して、合計10個の構造体についての最大幅wmaxおよびピッチtpを得る。次に、合計10個の構造体それぞれについて割合(wmax/tp)を求めたのち、それらの割合(wmax/tp)を単純に平均(算術平均)して、平均割合Rw/tpを求める。
構造体3の高さhは、構造体3の延設方向(X軸方向)に対して一定であるか、もしくは変動しており、反射防止特性の向上の観点からすると、変動していることが好ましい。なお、図2Bでは、構造体3の高さhは、構造体3の延設方向(X軸方向)に対して変動する例が示されている。構造体3の幅wと高さhとの変動周期は、反射防止特性の向上の観点からすると、同期していることが好ましい。この場合、構造体3の高さhが最大になる位置で構造体3の幅wが最大となり、構造体3の高さhが最小になる位置で構造体3の幅wが最小となる。
構造体3の上面Sbは、平面または波面であり、反射防止特性の向上の観点からすると、波面であることが好ましい。なお、図2Bでは、構造体3の上面Sbが波面である例が示されている。構造体3の上面Sbが波面である場合、その波面は、構造体3の高さ方向(Z軸方向)に振幅azで周期的に振動する波面である。上面Sbの波面と両側面Saの波面との振動周期は、反射防止特性の向上の観点からすると、同期していることが好ましい。この場合、上面Sbの波面の振幅azが最大になる位置で両側面Saの波面の振幅axが最大となり、上面Sbの波面の振幅azが最小になる位置で両側面Saの波面の振幅axが最小となる。
構造体3は、例えば、構造体3の延設方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とを含むXZ平面に対して面対象な形状を有している。したがって、構造体3を配列方向(Y軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とを含むYZ平面で構造体3を切断したときの断面(YZ断面)の形状は、例えば、図2Cに示すように、Z軸に対して線対称な形状を有している。このような断面形状としては、例えば、頂部の傾きが緩やかであり、中央部から底部に傾きが徐々に急峻となる曲線形状、中央部の傾きが底部および頂部より急峻となる曲線形状、略多角形状または不定形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。曲線形状としては、例えば、略U字状、略放物線状、略部分円形状または略部分楕円形状などが挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。ここで、略放物線状、略部分円形状、略部分楕円形状、および略多角形状には、数学的に厳密に定義されるそれらの形状、およびそれらの形状に多少の変形や歪みなどが付与されたものも含まれる。部分円形状とは、円形状の一部の形状であり、例えば半円形状である。部分楕円形状とは、楕円形状の一部の形状であり、例えば半楕円形状である。多角形状としては、例えば、三角形状(V字状)、四角形状(例えば台形状など)、五角形状などが挙げられ、これらの形状の頂部に曲率Rなどが付与されていてもよい。
構造体3は、例えば、透明性を有している。構造体3は、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいる。構造体3は、必要に応じて、重合開始剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤、チキソトロピー剤、可塑剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
(中間層)
光学素子1は、必要に応じて基体2と構造体3との間に中間層4をさらに備えるようにしてもよい。中間層4は、構造体3の底部側に構造体3と一体成形される層であり、構造体3と同様の材料により構成されている。
[ロール原盤の構成]
図3は、本技術の第1の実施形態に係るロール原盤の外観の一例を示す斜視図である。
図4Aは、図3に示したロール原盤の表面の一部を拡大して表す平面図である。図4Bは、図4AのIVB−IVB線に沿った断面図である。図2Cは、図2AのIVC−IVC線に沿った断面図である。
ロール原盤11は、上述した構成を有する光学素子1を作製するための原盤である。ロール原盤11は、例えば、円柱状または円筒状の形状を有し、その円柱面または円筒面が光学素子1の表面に構造体3を形成するための成形面Sとされる。この成形面Sには、例えば、成形面Sに対して凹状を有する複数の溝12が設けられている。
ロール原盤11の成形面Sに設けられた複数の溝12と、上述の基体2の表面に設けられた複数の構造体3とは、反転した凹凸関係にある。ロール原盤11の材料としては、例えばガラスを用いることができるが、この材料に特に限定されるものではない。
複数の溝12は、ロール原盤11の成形面Sに対して垂直な方向(ロール原盤11の径方向R)の側から見ると、ストライプ状を有している。より具体的には、複数の溝12は、成形面Sの円周方向T(第1方向)に延設された細長い形状を有している。そして、この延設された溝12は、延設方向である円周方向T(第1方向)とは直交するロール原盤11の軸方向Z(第2方向)にサブ波長のピッチtpで周期的に配列されている。
溝12の配列方向(軸方向Z)に対する溝12の幅wは、周期的に増加および減少を繰り返して変動している。ここで、溝12の幅wとは、溝12の深さの半値幅(半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum))のことをいう。隣接する2つの溝12のうち一方の溝12の幅wが最も広くなる位置で、他方の溝12の幅wが最も狭くなることが好ましい。これにより、隣接する2つの溝12のうち一方の溝12の側面Saの凹部に、他方の溝12の側面Saの凸部が入り込んだ構成となるので、溝12の幅wが変動しつつ、隣接する2つの溝12の間の空間が広がりを抑制できる。したがって、溝12の充填率が高まる。
より具体的には、溝12の両側面Saは、溝12の幅方向(軸方向Z)に周期的に振動する波面である。隣接する波面の一方の振幅aDが最大となる位置で、他方の振幅aDが最小となる。すなわち、隣接する波面の周期Tは、位相が180°ずれている。ここで、波面の振幅aDは、溝12の配列方向(軸方向Z)に対する振幅である。溝12の両側面Saは、例えば、ロール原盤11の成形面に対して垂直または傾斜しており、光学素子1の反射防止特性の向上の観点からすると、傾斜していることが好ましい。
溝12のピッチtpに対する溝12の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、好ましくは0.4以上0.8以下、より好ましくは0.5を超え0.8以下、さらに好ましくは0.5を超え0.7以下の範囲内である。平均割合Rw/tpが0.4以上であると、優れた光学素子1の反射防止特性を得ることができる。平均割合Rw/tpが0.8以下であると、プロジェクタ装置などの位相補償素子として好適なリタデーションを光学素子1に付与することができる。なお、平均割合Rw/tpが0.5を超える場合には、隣接する2つの溝12のうち一方の溝12の幅wが最も広くなる位置で、他方の溝12の幅wが最も狭くなることが好ましい。このような構成を採用することで、平均割合Rw/tpが0.5を超える場合であっても、隣接する2つの溝12を重なり合わせることなく、溝12の充填率を向上することができるからである。ここで、溝12の最大幅wmaxは、溝12の幅wの最大値を意味する。
溝12のピッチtpに対する溝12の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、構造体3のピッチtpに対する構造体3の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpと同様の方法により求められる。
溝12の深さhは、溝12の延設方向(円周方向T)に対して一定であるか、もしくは変動しており、光学素子1の反射防止特性を向上する観点からすると、変動していることが好ましい。なお、図4Bでは、溝12の深さdは、溝12の延設方向(円周方向T)に対して変動する例が示されている。溝12の幅wと深さdとの変動周期は、光学素子1の反射防止特性を向上する観点からすると、同期していることが好ましい。この場合、溝12の深さdが最大になる位置で溝12の幅wが最大となり、溝12の深さdが最小になる位置で溝12の幅wが最小となる。
溝12の底面Sbは、平面または波面であり、光学素子1の反射防止特性を向上する観点からすると、波面であることが好ましい。なお、図4Bでは、溝12の底面Sbが波面である例が示されている。溝12の底面Sbが波面である場合、その波面は、溝12の深さ方向(径方向R)に振幅aRで周期的に振動する波面である。底面Sbの波面と両側面Saの波面との振動周期は、反射防止特性の向上の観点からすると、同期していることが好ましい。この場合、底面Sbの波面の振幅aRが最大になる位置で両側面Saの波面の振幅aDが最大となり、底面Sbの波面の振幅aRが最小になる位置で両側面Saの波面の振幅aDが最小となる。
溝12は、例えば、円周方向Tと径方向Rとを含む平面(TR平面)に対して面対象な形状を有している。したがって、軸方向Zと径方向Rとを含む平面(ZR平面)で溝12を切断したときの断面(ZR断面)の形状は、例えば、図4Cに示すように、径方向Rに平行な軸に対して線対称な形状を有している。その具体的な断面形状としては、上述の構造体の断面形状と同様の形状が例示される。
[露光装置の構成]
図5は、ロール原盤を作製するためのロール原盤露光装置の構成の一例を示す概略図である。このロール原盤露光装置は、光ディスクの原盤露光装置をベースとして構成されている。
レーザー光源21は、記録媒体としてのロール原盤11の表面に着膜されたレジスト層を露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザー光14を発振するものである。レーザー光源21から出射されたレーザー光14は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)22へ入射する。電気光学素子22を透過したレーザー光14は、ミラー23で反射され、変調光学系25に導かれる。
ミラー23は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー23を透過した偏光成分はフォトダイオード24で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子22が制御されてレーザー光14の位相変調が行われる。
変調光学系25において、レーザー光14は、集光レンズ26により、ガラス(SiO2)などからなる音響光学素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)27に集光される。レーザー光14は、音響光学素子27により強度変調され発散した後、レンズ28によって平行ビーム化される。変調光学系25から出射されたレーザー光14は、ミラー32によって反射され、移動光学テーブル33上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル33は、ビームエキスパンダ34、および対物レンズ35を備えている。移動光学テーブル33に導かれたレーザー光14は、ビームエキスパンダ34により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ35を介して、ロール原盤11上のレジスト層へ照射される。ロール原盤11は、スピンドルモータ36に接続されたターンテーブル37の上に載置されている。そして、ロール原盤11を回転させると共に、レーザー光14をロール原盤11の軸方向Zに移動させながら、レジスト層へレーザー光14を照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。レーザー光14の移動は、移動光学テーブル33の矢印R方向への移動によって行われる。
ロール原盤露光装置は、上述したロール原盤11の溝12の形状パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構31を備えている。制御機構31は、フォマッター29とドライバ30とを備える。フォマッター29は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザー光14の照射タイミングを制御する。ドライバ30は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子27を制御する。
このロール原盤露光装置では、潜像の形状パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォマッター信号と回転コントロラーを同期させて信号を発生し、音響光学素子27により強度変調している。角速度一定(CAV)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチでパターニングすることにより、潜像の形状パターンを記録することができる。
[光学素子の製造方法]
図6A〜図7Dは、本技術の第1の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。
(レジスト成膜工程)
まず、図6Aに示すように、円柱状または円筒状のロール原盤11を準備する。このロール原盤11は、例えばガラス原盤である。次に、図6Bに示すように、ロール原盤11の表面にレジスト層13を形成する。レジスト層13の材料としては、例えば、有機系レジストおよび無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えば、ノボラック系レジストまたは化学増幅型レジストなどを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、金属化合物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図6Cに示すように、ロール原盤11の表面に形成されたレジスト層13に、レーザー光(露光ビーム)14を照射する。具体的には、図5に示したロール原盤露光装置のターンテーブル37上にロール原盤11を載置し、ロール原盤11を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)14をレジスト層13に照射する。このとき、レーザー光14をロール原盤11の軸方向(高さ方向)Zに移動させながら、レーザー光14を照射することで、レジスト層13を全面にわたって露光する。これにより、レーザー光14の軌跡に応じた潜像15が、レジスト層13の全面にわたって形成される。潜像15は、例えば、ロール原盤11が有する複数の溝12の形状に対応した形状を有している。
(現像工程)
次に、例えば、ロール原盤11を回転させながら、レジスト層13上に現像液を滴下して、レジスト層13を現像処理する。これにより、図7Aに示すように、レジスト層13に複数の開口部16が形成される。レジスト層13をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光14で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図7Aに示すように、潜像(露光部)15に応じたパターンがレジスト層13に形成される。
(エッチング工程)
次に、ロール原盤11の表面に形成されたレジスト層13のパターン(レジストパターン)をマスクとして、ロール原盤11の円柱面または円筒面をエッチング処理する。これにより、図7Bに示すように、例えば、ロール原盤11の円柱面または円筒面にその円周方向に延在された複数の溝12が形成される。すなわち、ロール原盤11の成形面Sが形成される。エッチングとしては、例えば、ドライエッチングまたはウエットエッチングを用いることができる。エッチング処理とアッシング処理とを交互に行うことにより、例えば略U字状または略放物線状などの断面(ZR断面)を有する溝12を形成するようにしてもよい。以上により、目的とするロール原盤11が得られる。
(光学素子作製工程)
次に、図7Cに示すように、ロール原盤11を回転させながら、ロール原盤11の成形面Sと、帯状の基体2の表面に塗布された転写材料17とを密着させると共に、紫外線などのエネルギー線をエネルギー線源18から転写材料17に照射して転写材料17を硬化させる。次に、ロール原盤11の回転を維持しつつ、硬化した転写材料17と一体となった基体2をロール原盤11の成形面Sから剥離する。これにより、図7Dに示すように、複数の構造体3が帯状の基体2の表面に順次形成されて、帯状の光学素子1が得られる。この際、必要に応じて構造体3と基体2との間に中間層4を形成するようにしてもよい。
エネルギー線源18としては、転写材料17を硬化可能なエネルギー線を放出可能なものであればよく、特に限定されるものではない。エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波または高周波などが挙げられる。
転写材料17としては、エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物が、必要に応じてフィラーや機能性添加剤などを含んでいてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物は、例えばアクリレートおよび開始剤を含んでいる。紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーなどを含み、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチル アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピル アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル アクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチル アクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
フィラーとしては、例えば、無機微粒子および有機微粒子のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば、金属酸化物を含む微粒子を挙げることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)および酸化アルミニウム(Al23)などからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
機能性添加剤としては、例えば、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などを挙げることができる。基体2の材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラスなどが挙げられる。
基体2の成形方法は特に限定されるものではなく、射出成形法、押し出し成形法およびキャスト成形法のいずれの方法を用いてもよい。必要に応じて、コロナ処理などの表面処理を基体表面に施すようにしてもよい。
ロール原盤11の離型性向上の観点からすると、ロール原盤11の表面にシリコーン系離型剤またはフッ素系離型剤などの離型剤を塗布する、もしくは転写材料17にフッ素系添加材またはシリコーン系添加材などの添加剤を添加することが好ましい。
(切り出し工程)
次に、必要に応じて、帯状の光学素子1から、矩形状を有する複数の光学素子1を切り出す。この際、帯状の光学素子1の長手方向に対する切り出しの角度を選択することで、光学素子1の遅相軸および進相軸の方向を選択することができる。
以上により、目的とする光学素子1が得られる。
[効果]
第1の実施形態に係る光学素子1では、基体2の表面には複数の構造体3が設けられている。これらの複数の構造体3は、X軸方向(第1方向)に延設されると共に、延設方向であるX軸方向(第1方向)とは直交するY軸方向(第2方向)にサブ波長のピッチtpで周期的に配列されているので、光学素子1に位相補償機能を付与することができる。また、X軸方向(第1方向)に延設された複数の構造体3の幅が周期的に変動しているので、光学素子1に反射防止機能を付与することができる。したがって、位相補償と反射防止との両方の機能を有する光学素子1を提供できる。
[変形例]
(第1の変形例)
上述の第1の実施形態では、基体2と構造体3とが別成形されている例について説明したが、基体2と構造体3とが一体成形されるようにしてもよい。この場合、基体2と構造体3とは、同一のエネルギー線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などにより構成される。
(第2の変形例)
上述の第1の実施形態では、転写材料17としてエネルギー線硬化性樹脂を用いて光学素子1を形成する例について説明したが、転写材料17として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いて光学素子1を作製するようにしてもよい。
転写材料17として熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば光学素子1を以下のようにして作製することができる。まず、ロール原盤11を回転させながら、ロール原盤11の成形面Sを、帯状の基体2の表面に塗布された転写材料17に押しつけ、ロール原盤11により熱硬化性樹脂を硬化温度まで加熱し、硬化させる。次に、ロール原盤11の回転を維持しつつ、硬化した転写材料17と一体となった基体2をロール原盤11の成形面Sから剥離する。
転写材料17として熱可塑性樹脂を用いる場合には、例えば光学素子1を以下のようにして作製することができる。まず、ロール原盤11を回転させながら、ロール原盤11の成形面Sを、転写材料17からなる帯状の基体2に押しつけ、例えば基体2をそのガラス転移点付近またはそれ以上に加熱する。次に、ロール原盤11の回転を維持しつつ、硬化した転写材料17と一体となった基体2をロール原盤11の成形面Sから剥離する。
なお、上述のようにして光学素子1を作製する場合、ロール原盤11としては、例えば、その内部にヒータなどの熱源を備え、ロール原盤11の成形面Sに密着した熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を加熱可能に構成されたものが用いられる。
(第3の変形例)
上述の第1の実施形態では、基体2として光学等方性を有するものを用いる場合を例として説明したが、基体2として複屈折を有するものを用いてもよい。この場合、面内リタデーションを大きくする観点からすると、基体2の遅相軸の方向と構造体3の延設方向(X軸方向)とが平行であることが好ましい。複屈折を有する基体2としては、例えば、従来公知の位相差フィルムなどを用いることができる。この位相差フィルムは、位相差安定性、面内光軸方向安定性、高透過率および密着性などを有することが好ましい。また、高耐熱性、低吸水性および低光弾性係数などの特性を有することが更に好ましい。これらの特性を満たすフィルムとして、例えばノルボルネン系フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムなどが挙げられる。構造体3を基体2の表面に形成して光学素子1を得たのち、光学素子1を構造体3(X軸方向)の延設方向に延伸して、リタデーションを調整するようにしてもよい。
<2.第2の実施形態>
[投射型画像表示装置の構成]
図8は、本技術の第2の実施形態に係る投射型画像表示装置の構成の一例を示す概略図である。投射型画像表示装置115Aは、赤、緑および青の各色用の液晶ライトバルブを3枚用いてカラー画像表示を行う、いわゆる3板方式液晶プロジェクタ装置である。図8に示すように、この投射型画像表示装置115Aは、液晶表示装置101R、101G、101Bと、光源102と、ダイクロイックミラー103、104と、全反射ミラー105と、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bと、合成プリズム108と、投射レンズ109とを備えている。
光源102は、カラー画像表示に必要とされる青色光LB、緑色光LGおよび赤色光LRを含んだ光源光(白色光)Lを発するものであり、例えばハロゲンランプ、メタルハライドランプまたはキセノンランプなどを備える。
ダイクロイックミラー103は、光源光Lを青色光LBとその他の色光LRGとに分離する機能を有している。ダイクロイックミラー104は、ダイクロイックミラー103を通過した光LRGを赤色光LRと緑色光LGとに分離する機能を有している。全反射ミラー105は、ダイクロイックミラー103によって分離された青色光LBを偏光ビームスプリッタ106Bに向けて反射する。
偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bは、それぞれ、赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路に沿って設けられたプリズム型の偏光分離素子である。これらの偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bは、それぞれ、偏光分離面107R、107G、107Bを有し、この偏光分離面107R、107G、107Bにおいて、入射した各色光を互いに直交する2つの偏光成分に分離する機能を有している。偏光分離面107R、107G、107Bは、一方の偏光成分(例えばS偏光成分)を反射し、他方の偏光成分(例えばP偏光成分)は透過するようになっている。
液晶表示装置101R、101G、101Bには、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bの偏光分離面107R、107G、107Bによって分離された所定の偏光成分(例えばS偏光成分)の色光が入射される。液晶表示装置101R、101G、101Bは、画像信号に基づいて与えられた駆動電圧に応じて駆動され、入射光を変調させると共に、その変調された光を偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bに向けて反射する機能を有している。
偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bと液晶表示装置101R、101G、101Bの各液晶パネル111との間には、1/4波長板113R、113G、113Bと光学素子1とがそれぞれ配置されている。1/4波長板113R、113G、113Bは、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bの有する入射光の角度依存性に起因するコントラストの低下を補正する機能を有する。光学素子1は、液晶表示装置101R、101G、101Bを構成する液晶パネルの残留位相差を補償する機能を有する。
合成プリズム108は、液晶表示装置101R、101G、101Bから出射され、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bを通過した所定の偏光成分(例えばP偏光成分)の色光を合成する機能を有している。投射レンズ109は、合成プリズム108から出射された合成光をスクリーン110に向けて投射する機能を有している。
[投射型画像表示装置の動作]
次に、以上のように構成された投射型画像表示装置115Aの動作について説明する。
まず、光源102から出射された白色光Lは、ダイクロイックミラー103の機能によって青色光LBとその他の色光(赤色光および緑色光)LRGとに分離される。このうち青色光LBは、全反射ミラー105の機能によって、偏光ビームスプリッタ106Bに向けて反射される。
一方、その他の色光(赤色光および緑色光)LRGは、ダイクロイックミラー104の機能によって、さらに赤色光LRと緑色光LGとに分離される。分離された赤色光LRおよび緑色光LGは、それぞれ、偏光ビームスプリッタ106R、106Gに入射される。
偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bは、入射した各色光を偏光分離面107R、107G、107Bにおいて互いに直交する2つの偏光成分に分離する。このとき、偏光分離面107R、107G、107Bは、一方の偏光成分(例えばS偏光成分)を液晶表示装置101R、101G、101Bに向けて反射する。液晶表示装置101R、101G、101Bは、画像信号に基づいて与えられた駆動電圧に応じて駆動され、入射した所定の偏光成分の色光を画素単位で変調させる。
液晶表示装置101R、101G、101Bは、変調した各色光を偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bに向けて反射する。偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bは、液晶表示装置101R、101G、101Bからの反射光(変調光)のうち、所定の偏光成分(例えばP偏光成分)のみを透過させ、合成プリズム108に向けて出射する。
合成プリズム108は、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bを通過した所定の偏光成分の色光を合成し、投射レンズ109に向けて出射する。投射レンズ109は、合成プリズム108から出射された合成光を、スクリーン110に向けて投射する。これにより、スクリーン110に、液晶表示装置101R、101G、101Bによって変調された光に応じた映像が投影され、所望の映像表示がなされる。
[変形例]
図9は、本技術の第2の実施形態に係る投射型画像表示装置の他の構成例を示す概略図である。投射型画像表示装置115Bは、偏光分離素子として、図8に示したプリズム型の偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bに代えて、ワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bを備えている。なお、図8に示した投射型画像表示装置と対応する部分には同一の符号を付している。
ワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bは、プリズム型の偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bに比べて入射光の角度依存性が小さく耐熱性にも優れるため、1/4波長板が不要であり、光量の大きな光源102を使用する投射型画像表示装置115B用の偏光分離素子として好適に用いることができる。この投射型画像表示装置115Bにおいても、図8に示した投射型画像表示装置115Aと同様な作用でスクリーン(図示略)上に画像を表示する。
この投射型画像表示装置115Bは、全反射ミラー117およびリレーレンズ118R、118G、118Bをさらに備えている。全反射ミラー117は、ダイクロイックミラー103により分離された光LRGをダイクロイックミラー1−4に向けて反射する。リレーレンズ118Rは、ダイクロイックミラー104からワイヤーグリッド偏光子116Rの光路間に設けられる。リレーレンズ118Gは、ダイクロイックミラー104からワイヤーグリッド偏光子116Gの光路間に設けられる。リレーレンズ118Bは、全反射ミラー105からワイヤーグリッド偏光子116Bの光路間に設けられる。
図9では光源102の一構成例を示している。この光源102は、光源光Lを発生するランプユニット125と、光源光Lの輝度を均一化する一対のマイクロレンズアレイ126、127と、光源光Lの偏光方向を一方向の偏光波に変換するPS変換素子128と、光源光Lの照射位置を調整する位置調整用レンズ129とを備える。
ワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bは、ガラスなどの透明基板上に、ピッチ、幅および高さが入射光の波長より小さい複数の金属細線を格子状に形成したものである。このような構成を有するワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bは、金属細線と平行する偏光成分を反射し、金属細線と直交する偏光成分を透過させることで所定の偏光特性を出現させる。ワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bは、入射光に対して垂直に配置される場合は偏光子として機能する。一方、図9に示すように入射光に対して非垂直に配置される場合には、偏光ビームスプリッタとして機能する。また、このワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bを偏光ビームスプリッタとして用いた場合、液晶表示装置に偏光板が不要となる。
[液晶表示装置]
図10は、図8および図9に示した液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。図10に示すように、この液晶表示装置101R、101G、101Bは、ライトバルブである液晶パネル111と、液晶パネル111の表面に設けられた光学素子1とを備える。光学素子1は、液晶パネル111の表面のうち偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bまたはワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bに対向配置される側の面に設けられる。
液晶パネル111は、例えば、電圧無印加状態で液晶分子が垂直配向された反射型垂直配向液晶表示素子であって、互いに対向配置された対向基板120および画素電極基板130と、これらの対向基板120および画素電極基板130の間に液晶を封入してなる液晶層112とを備える。液晶層112を構成する液晶としては、負の誘電異方性を有する液晶、例えば、負の誘電異方性を有するネマティック液晶が用いられている。
対向基板120は、透明基材121上に、透明電極122、配向膜123が順次積層されて構成される。透明基材121は、例えばソーダガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどからなるガラス基板である。透明電極122は、例えば酸化すず(SnO2)と酸化インジウム(In23)との固溶体であるITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電性酸化物材料からなる。この透明電極122は、全画素領域で共通の電位(例えば接地電位)とされている。
配向膜123は、例えばポリイミド系の有機化合物からなる。この配向膜123の液晶層112側となる表面には、液晶層112を構成する液晶分子を所定方向に配向させるために、ラビング処理が施されている。
画素電極基板130は、支持基板131上に、反射電極層133、配向膜134を順次積層して構成される。支持基板131は、例えばシリコン基板であり、この支持基板131上には、例えばC−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のスイッチング素子132が設けられている。反射電極層133は、複数の反射型の画素電極を備える。この画素電極には、上述のスイッチング素子132によって、駆動電圧が印加されるようになっている。
画素電極を構成する材料としては、可視光で高い反射率を有するものが好ましく、例えばアルミニウムが用いられる。配向膜134は、対向基板120の配向膜123と同様に、例えばポリイミド系の有機化合物からなり、この配向膜134の液晶層112側となる表面には、液晶層112を構成する液晶分子を所定方向に配向させるために、ラビング処理が施されている。
[光学素子]
光学素子1は、偏光ビームスプリッタ106R、106G、106Bまたはワイヤーグリッド偏光子116R、116G、116Bと液晶パネル111の前面との間にそれぞれ設けられている(図8、図9)。液晶パネル111に垂直な軸を回転軸として光学素子1を回転させ、液晶パネル111の遅相軸に対する各光学素子1の遅相軸の回転角度を適宜設定することで、コントラストの調整を行うことが可能である。光学素子1としては、上述の第1の実施形態に係る光学素子1が用いられる。
光学素子1は、液晶分子のプレチルトによる位相差を補償する機能を有する。光学素子1は、面内に微小な位相差を有し、かつ、負の垂直方向位相差を有する位相差素子である。
光学素子1は、入射光(例えば赤色光、緑色光、青色光)の反射を防止する機能をさらに有する。この入射光に対する光学素子1の反射率を1%以下とすることが好ましい。反射率を1%以下とすることにより、反射光によるコントラストの低下を抑えることができる。
なお、投射型画像表示装置115A、115Bが、光学素子1に代えて位相差補償器を備えるようにしてもよい。この位相差補償器としては、例えば、上述の特許文献1、2に開示されたものを用いることができる。この場合、位相差補償器が備える位相差補償板に代えて、第1の実施形態に係る光学素子1が用いられる。
[効果]
第2の実施形態に係る投射型画像表示装置115A、115Bでは、液晶パネル111の表面に、位相補償と反射防止との両方の機能を有する光学素子1を備えている。したがって、優れたコントラストを実現でき、かつ、光源102から出射された光源光Lの利用効率を高めることができる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例において、構造体の平均幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tp(=Σ(wmax/tp)/n:但し、nは、wmaxおよびtpを測定した構造体の個数)は以下のようにして求めた。
まず、光学フィルムの表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いてTop ViewおよびCross Section Viewで撮影した。次に、撮影したSEM写真から無作為に構造体を選び出し、その構造体の最大幅wmaxおよびピッチtpを測定した(図2A、図2C参照)。次に、これらの撮影および測定の手順を繰り返して、合計10個の構造体についての最大幅wmaxおよびピッチtpを得た。次に、それらの最大幅wmaxおよびピッチtpをそれぞれ単純に平均(算術平均)して、構造体の平均幅Wmaxおよび平均ピッチTpを求めた。次に、合計10個の構造体それぞれについて割合(wmax/tp)を求めたのち、それらの割合(wmax/tp)を単純に平均(算術平均)して、平均割合Rw/tpを求めた。
(実施例1)
(サンプル2−1)
まず、外径126mmのガラスロール原盤を準備し、このガラスロール原盤の円柱面に以下のようにしてレジスト層を着膜した。すなわち、シンナーでフォトレジストを1/10に希釈し、この希釈レジストをディッピング法によりガラスロール原盤の円柱面上に厚さ70nm程度に塗布することにより、レジスト層を着膜した。次に、記録媒体としてのガラスロール原盤を、図5に示したロール原盤露光装置に搬送し、レジスト層を露光することにより、潜像をレジスト層にパターニングした。
次に、ガラスロール原盤上のレジスト層に現像処理を施して、露光した部分のレジスト層を溶解させて現像を行った。具体的には、図示しない現像機のターンテーブル上に未現像のガラスロール原盤を載置し、ターンテーブルごと回転させつつガラスロール原盤の円柱面に現像液を滴下してその円柱面上のレジスト層を現像した。これにより、レジスト層に開口パターンを有するガラスロール原盤が得られた。
次に、ロールエッチング装置を用い、CHF3ガス雰囲気中でのプラズマエッチングを行った。これにより、ガラスロール原盤の円柱面において、レジスト層から露出している部分のみエッチングが進行し、その他の領域はレジスト層がマスクとなりエッチングはされず、複数の溝がガラスロール原盤の円柱面に形成された。これらの複数の溝は、図4A〜図4Cに示すように、ガラスロール原盤の円柱面の円周方向に延設されたストライプ状を有していた。また、それらの溝の幅は周期的に変動すると共に、隣接する2つの溝のうち一方の溝幅が最も広くなる位置で、他方の溝幅が最も狭くなる構成を有していた。なお、エッチング量(溝深さ)は、エッチング時間によって調整した。最後に、O2アッシングにより完全にレジスト層を除去した。
次に、上記ガラスロール原盤を用いて、UVインプリントにより複数の構造体を帯状のTAC(トリアセチルセルロース)シート上に作製した。具体的には、ガラスロール原盤を回転させながら、ガラスロール原盤の成形面と、帯状のTACシートの表面に塗布された紫外線硬化樹脂とを密着させ、その密着させた部分に紫外線を照射し硬化させながら、ガラスロール原盤からTACシートを剥離した。これにより、複数の構造体が帯状のTACシート表面に順次形成された。これらの構造体は、図2A〜図2Cに示すように、TACシート表面の一方向(長手方向)に延設されたストライプ状を有していた。また、それらの構造体の幅は周期的に変動すると共に、隣接する2つの構造体のうち一方の構造体幅が最も広くなる位置で、他方の構造体幅が最も狭くなる構成を有していた。この構造体の最大幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tpは以下に示す値であった。
平均最大幅Wmax:69nm
平均ピッチTp:173nm
平均割合Rw/tp:0.4
以上により、目的とする光学フィルムが得られた。
(実施例2)
次に、露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下に示す平均最大幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tpを有する複数の構造体をTACシート表面に形成する以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
平均最大幅Wmax:87nm
平均ピッチTp:173nm
平均割合Rw/tp:0.5
(実施例3)
次に、露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下に示す平均最大幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tpを有する複数の構造体をTACシート表面に形成する以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
平均最大幅Wmax:121nm
平均ピッチTp:173nm
平均割合Rw/tp:0.7
(実施例4)
次に、露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下に示す平均最大幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tpを有する複数の構造体をTACシート表面に形成する以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
平均最大幅Wmax:138nm
平均ピッチTp:173nm
平均割合Rw/tp:0.8
(実施例5)
次に、露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下に示す平均最大幅Wmax、平均ピッチTpおよび平均割合Rw/tpを有する複数の構造体をTACシート表面に形成する以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
平均最大幅Wmax:156nm
平均ピッチTp:173nm
平均割合Rw/tp:0.9
(比較例1)
次に、上記実施例1〜5と同様に露光工程およびエッチング工程の条件を調整することにより、以下に示す構造体形状にて複数の構造体をTACシート表面に形成する以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
構造体径:250nm
配置:六方格子
ピッチTp:216nm
構造体形状:放物面形状
(リタデーションの評価)
上述のようにして得られた実施例1〜5の光学フィルムのリタデーションを、方法としてはセナルモン法を用い、クロスニコル間に光学フィルムをセットし、セナルモンコンペンセータを挿入して、サンプルが明るくなる位置と暗くなる位置の角度より求めた。
(反射スペクトルの評価)
上述のようにして得られた実施例1〜5の光学フィルムの反射スペクトルを以下のようにして評価した。まず、複数の構造体が形成された光学フィルムの裏面にブラックテープを貼り合わせた。次に、ブラックテープが貼り合わされた側とは反対側となる表面から光を入射して、光学フィルムの反射スペクトル(波長帯域350nm〜800nm)を、日本分光社製の評価装置(V−550)を用いて測定した。
(評価結果)
図11Aは、実施例1〜5の光学フィルムのリタデーションの評価結果を示す。図11Bは、実施例4の光学フィルムの反射スペクトルの評価結果を示す。ここでは、反射スペクトルの評価結果として、特に優れた反射スペクトルが得られた実施例4の評価結果を代表して図示する。
上記リタデーションの評価結果から以下のことがわかった。
平均割合Rw/tpが0.4≦Rw/tp≦0.5の範囲内では、リタ−デーションが約0.7の高い値に維持される。
平均割合Rw/tpが0.5<Rw/tp≦0.9の範囲内では、リタ−デーションが低下する傾向にある。しかし、この範囲内でも、リタ−デーションの低下の割合に変化があり、0.7<Rw/tp≦0.9の範囲では、0.5<Rw/tp≦0.7の範囲に比してリタ−デーションの低下の割合が大きくなる傾向にある。
平均割合Rw/tpを0.4≦Rw/tp≦0.8の範囲内にすると、リタデーションを3°以上とすることができる。平均割合Rw/tpを0.4≦Rw/tp≦0.7の範囲内にすると、リタデーションを5°以上とすることができる。光学フィルムをプロジェクタ装置などの位相補償素子として使用することを考慮すると、光学フィルムのリタデーションを3°以上とすることが好ましく、5°以上とすることがより好ましい。
また、比較例1の構造では、リタデーションの値はほとんど0であることが確認された。
上記反射スペクトルの評価結果から以下のことがわかった。
平均割合Rw/tpが増加するに従って、反射率防止特性が向上する。平均割合Rw/tpが0.5を超えると、特に優れた反射率防止特性が得られる。これは、隣接する2つの構造体のうち一方の構造体幅が最も広くなる位置で、他方の構造体幅が最も狭くなる構成を採用することで、充填率が向上したためと推測される。
平均割合Rw/tpが0.5を超える実施例4では、図11Bに示すように、波長帯域350nm〜800nmの範囲内において、反射率が1%以下に抑えられている。
以上により、プロジェクタ装置に適用して好適な位相補償機能と、優れた反射防止機能とを得るためには、平均割合Rw/tpは、好ましくは0.4以上0.8以下、より好ましくは0.5以上0.8以下、さらに好ましくは0.5以上0.7以下の範囲内である。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
第1方向に延設された複数の構造体を表面に備え、
上記複数の構造体は、上記第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
上記構造体の幅が周期的に変動している光学素子。
(2)
隣接する上記構造体のうち一方の構造体の幅が最も広くなる位置で、他方の構造体の幅が最も狭くなる(1)に記載の光学素子。
(3)
上記構造体のピッチtpに対する上記構造体の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、0.4以上0.8以下の範囲内である(1)から(2)のいずれかに記載の光学素子。
(4)
上記構造体の高さは、周期的に変動し、
上記構造体の幅と高さとの変動周期が同期している(1)から(3)のいずれかに記載の光学素子。
(5)
面内リタデーションが、3度以上8度以下である(1)から(4)のいずれかに記載に光学素子。
(6)
複屈折を有する基体を含み、
上記基体の遅相軸の方向と上記第1の方向とが平行である(1)から(5)のいずれかに記載の光学素子。
(7)
(1)から(6)のいずれかに記載の光学素子を備える投射型画像表示装置。
(8)
(1)から(6)のいずれかに記載の光学素子を備える液晶表示装置。
(9)
第1方向に延設された複数の溝を表面に備え、
上記複数の溝は、上記第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
上記溝の幅が周期的に変動している原盤。
(10)
隣接する上記溝のうち一方の溝の幅が最も広くなる位置で、他方の溝の幅が最も狭くなる(9)に記載の原盤。
(11)
上記溝のピッチtpに対する上記溝の最大幅wmaxの平均割合Rw/tpは、0.4以上0.8以下の範囲内である(9)から(10)のいずれかに記載の原盤。
(12)
上記溝の深さは、周期的に変動し、
上記溝の幅と深さとの変動周期が同期している(9)から(11)のいずれかに記載の原盤。
(13)
上記表面は円柱面または円筒面であり、
上記第1方向が上記円柱面または円筒面の円周方向である(9)から(12)に記載の原盤。
1 光学素子
2 基体
3 構造体
4 中間層
11 ロール原盤
12 溝
13 レジスト層
14 レーザー光
15 潜像
16 開口部
17 転写材料
18 エネルギー線源
115A、115B 投射型画像表示装置

Claims (9)

  1. 第1方向に延設された複数の構造体を表面に備え、
    上記複数の構造体は、上記第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
    上記構造体の幅が、上記第1方向において周期的に変動し
    上記構造体のピッチtpに対する、上記第1方向において周期的に変動する上記構造体の幅のうちの最大幅w max の平均割合R w/tp は、0.4以上0.8以下の範囲内である光学素子。
  2. 隣接する上記構造体のうち一方の構造体の幅が最も広くなる位置で、他方の構造体の幅が最も狭くなる請求項1に記載の光学素子。
  3. 上記複数の構造体は、ストライプ状を有している請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 上記構造体の高さは、周期的に変動し、
    上記構造体の幅と高さとの変動周期が同期している請求項1から3のいずれかに記載の光学素子。
  5. 面内リタデーションが、3度以上8度以下である請求項1から4のいずれかに記載に光学素子。
  6. 複屈折を有する基体を含み、
    上記基体の遅相軸の方向と上記第1の方向とが平行である請求項1から5のいずれかに記載の光学素子。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光学素子を備える投射型画像表示装置。
  8. 第1方向に延設された複数の溝を表面に備え、
    上記複数の溝は、上記第1方向とは直交する第2方向にサブ波長のピッチで配列されており、
    上記溝の幅が、上記第1方向において周期的に変動し
    上記溝のピッチtpに対する、上記第1方向において周期的に変動する上記溝の幅のうちの最大幅w max の平均割合R w/tp は、0.4以上0.8以下の範囲内である原盤。
  9. 上記表面は円柱面または円筒面であり、
    上記第1方向が上記円柱面または円筒面の円周方向である請求項8に記載の原盤。
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