JP2014126817A - 光学フィルム、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶材料の配向により透過光に位相差を付与する光学フィルムについて、製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合等にあっても、高い品質により作成することができるようにする。
【解決手段】透明フィルム材による基材2と、透過光に位相差を与える位相差層4と、位相差層4に係る配向膜3とを少なくとも備えるようにする。位相差層4の配向膜3と接する部位は、シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムや外来光の内部反射を低減する内部反射防止フィルム等の、液晶材料の配向により透過光に位相差を付与する光学フィルムに関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイ等は、各種の光学フィルムを使用している。またこの種の光学フィルムの中には、例えばパターン位相差フィルムや内部反射防止フィルムのように、液晶材料の配向により透過光に位相差を付与するものがある。
ここでパターン位相差フィルムは、パッシブ方式の3次元画像表示に適用される光学フィルムである。パッシブ方式では、画像表示パネルの垂直方向又は水平方向に連続する画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動する。これによりパッシブ方式では、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。
パターン位相差フィルムは、この右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換して出射する。これによりパターン位相差フィルムは、対応する偏光フィルタを備えてなるめがねを装着するだけで、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することができるように、画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルムは、透明フィルムによる基材の表面に、配向規制力を制御した配向膜が作製され、さらに液晶材料が塗布される。パターン位相差フィルムは、この液晶材料が配向膜の配向規制力によりパターンニングされて硬化され、これによりこの液晶材料層により、画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与える。この配向膜は、例えば特許文献1、2に記載のように種々の作製手法があり、そのうちの1つが、賦型用金型の表面に形成された微細な凹凸形状を紫外線硬化性樹脂等による賦型用樹脂層に賦型して作製する方法である。ちなみにパターン位相差フィルムにおいて、透過光に右目用及び左目用の位相差を付与する領域は、遅相軸方向が、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度の何れかの組み合わせが採用される。
また、内部反射防止フィルムは、外来光の内部反射を低減するために用いられる光学フィルムであり、直線偏光フィルムとλ/4フィルムを組み合わせたものである。内部反射防止フィルムは、直線偏光フィルムとλ/4フィルムにより、外部からの入射光を右回り又は左回りの円偏光に変換し、フラットパネルディスプレイ内部で反射して回転方向が逆になった光を直線偏光フィルムで吸収し、これにより外来光の内部反射を低減する。反射防止フィルムに用いるλ/4フィルムは、パターニング工程を除いたパターン位相差フィルムの作製方法と同様にして作製することができ、直線偏光フィルムの透過軸に対して遅相軸が+45度又は−45度の角度をなすように積層される。
ところでこの種の光学フィルムでは、製造過程における製品保護等を目的に、適宜、保護フィルムが設けられる。この種の保護フィルムは、そもそも製品保護を目的とするものであることから、保護フィルムを設けたことによる不良品の発生は、厳に防止することが望まれる。しかしながらパターン位相差フィルム等では、保護フィルムの配置により意に反して位相差層に配向不良が発生することが判った。
この問題を詳細に検討したところ、この種の光学フィルムでは、保護フィルムを構成するシリコン系やフッ素系のレベリング剤、滑剤、離型剤が配向膜に移行し、配向膜がこれらレベリング剤、滑剤、離型剤を含むことによって、この上に積層される位相差層に配向不良が発生することが判明した。またこのような配向不良は、保護フィルムからのレベリング剤等の移行によるものに限らず、配向膜の膜厚の均一性を図ったり、欠点を防止することを目的として配向膜にレベリング剤を含ませる場合にも、同様に発生することが判明した。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、液晶材料の配向により透過光に位相差を付与する光学フィルムについて、製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合や配向膜がレベリング剤を含む場合の製品不良を防止することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、保護フィルムにより中間製品の保護を図る場合に、この保護フィルムに含まれるシリコン量やフッ素量を制御することにより、配向膜表面に移行するシリコン量やフッ素量を低減し、位相差層における配向不良を防止する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。また配向膜に含まれるシリコン量やフッ素量を制御することにより、同様の配向不良を防止する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 透明フィルム材による基材と、透過光に位相差を与える位相差層と、前記位相差層に係る配向膜とを少なくとも備え、
前記位相差層の前記配向膜と接する部位は、
シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である。また好ましくは、0.0009質量%以上、0.01質量%以下であり、より好ましくは0.0009質量%以上、0.005質量%以下である。
(1)によれば、保護フィルムを配置してこの保護フィルムに含まれるシリコン及び又はフッ素が配向膜に移行する場合であっても、保護フィルムに含まれるシリコン量又はフッ素量の制御等により、配向膜表面のシリコン量又はフッ素量を制御することにより、位相差層における配向不良を防止することができる。これにより製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。また配向膜の材料にレベリング剤等のシリコン及び又はフッ素を含む材料を含ませる場合であっても、配向不良を防止することができる。
(2) (1)において、
前記位相差層は、
透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の領域が順次交互に設けられる。
(2)によれば、より具体的構成の光学フィルムに適用して、保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。
(3) (2)において、
前記第1の領域が、
右目用画像データで駆動される画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える右目用領域であり、
前記第2の領域が、
左目用画像データで駆動される前記画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える左目用領域である。
(3)によれば、画像表示パネルとの対応により、より具体的構成の光学フィルムに適用することができる。
(4) (1)、(2)、又は(3)に記載の光学フィルムを画像表示パネルの表側面に配置した画像表示装置。
(4)によれば、製品不良を防止した光学フィルムによる画像表示装置を提供することができる。
(5) 透明フィルム材による基材と、透過光に位相差を与える位相差層と、前記位相差層に係る配向膜とを少なくとも備える光学フィルムの製造方法において、
防汚層が最表層である保護フィルムが、前記防汚層が最も外側になるように一方の面に貼り付けられ、他方の面には前記配向膜が設けられた前記基材を積層して保持する積層工程と、
前記積層工程で積層された前記基材について、前記配向膜の上層に、前記位相差層を作成する位相差層の作成工程とを備え、
前記防汚層は、
シリコン及び又はフッ素の含有率が、0.0009質量%以上、0.07質量%以下である。
(5)によれば、保護フィルムを配置してこの保護フィルムが配向膜に付着する場合であっても、この保護フィルムから配向膜へのシリコン及び又はフッ素の移行を抑圧できることにより、位相差層における配向不良を防止することができる。これにより製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。
(6) (5)において、
前記積層工程は、
長尺による前記基材に前記保護フィルムを貼り付ける貼り付け工程と、
前記基材に前記配向膜を作成する工程と、
前記基材をロールにより巻き取る巻き取り工程とを備え、
前記位相差層の作成工程は、
前記巻き取り工程で巻き取ったロールより前記基材を引き出して前記位相差層を作成し、
前記保護フィルムは、
前記防汚層の下層に、前記ロールより基材を引き出す際の帯電を防止する帯電防止層が設けられる。
(6)によれば、
保護フィルムを設けて帯電による配向不良を防止する場合に適用して、保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。
(7) 透明フィルム材による基材に配向膜を作製する配向膜作製工程と、
前記配向膜の上に位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記配向膜作製工程は、
シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である配向膜作製材料を前記透明フィルム材に塗布して前記配向膜を作製する。
(7)によれば、配向膜表面のシリコン量又はフッ素量を制御することができ、位相差層における配向不良を防止することができる。これにより配向膜の材料にレベリング剤等のシリコン及び又はフッ素を含む材料を含ませる場合であっても、配向不良を防止することができる。
液晶材料の配向により透過光に位相差を付与する光学フィルムについて、製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。膜厚の均一化、欠点の防止を目的としてレベリング剤を配向膜の材料に含ませる場合であっても、位相差層における配向不良を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学フィルムを示す図である。 図1の光学フィルムにおける保護フィルムの配置の説明に供する図である。 図1の光学フィルムの製造工程を示す図である。 図3の続きを示す図である。 検査工程の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられ、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
パターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、透過光に与える位相差が異なる領域である、右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
なお基材2は、TACに代えてポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等、種々の透明部材を適用することができる。なおこの実施形態では、第1及び第2の領域A及びBで遅相軸角度を異ならせて、透過光に与える位相差が異なる2つの領域を構成するものの、この透過光に与える位相差が異なる2つの領域は、この実施形態のように遅相軸角度を異ならせる場合の他に、位相差の大きさ(リタデーション)自体を異ならせる場合、これらを組み合わせる場合等が含まれる。また基材2については、配向膜3とは逆側面に、防眩処理、多層膜の積層構造による反射防止処理、モスアイ構造による反射防止処理等を実行してもよい。なおここでモスアイ構造による反射防止は、微細突起を密接配置してモスアイ(蛾の目)の原理により反射防止を図るものである。
配向膜3は、基材2の表面に、微細な凹凸形状の賦型に供する樹脂である賦型用樹脂が塗付されて賦型用樹脂層5が形成された後、この賦型用樹脂層5の賦型処理により凹凸形状が作製されて形成される。この実施形態では、この賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なお紫外線硬化樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、エポキシ系等の単量体、プレポリマー、或いはこれらの混合物にベンゾフェノン、芳香族ヨードニウム等の光重合開始剤を添加したものを適用することができる。
このため配向膜3は、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bとで90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(水平方向であり、図1においては右上と左下とを結ぶ方向)に対して45度傾くように形成される。なおこの各領域の延長方向に対する傾きにあっては、基材2のリタデーションが無視できない程度に大きい場合には、リタデーション値に応じて、適宜、増減される。これによりパターン位相差フィルム1は、各領域A、Bの延長方向に対して位相差層4の遅相軸がそれぞれ45度の角度をなすように形成される。
パターン位相差フィルム1は、基材2の他方の面に、保護フィルム7が配置される。ここで保護フィルム7は、製造工程における中間製品保護の目的で設けられることにより、最終工程において取り除かれる。しかしながら製品搬送時における製品保護、画像表示パネルへのアッセンブリの際の製品保護を兼用させるようにしてもよく、これらの場合には、兼用させる目的に応じて、例えばパターン位相差フィルム1を画像表示パネルに配置した後に取り除かれる。
保護フィルム7は、基材8Bの一方の面に粘着剤層8Aが設けられ、この粘着剤層8Aによりパターン位相差フィルム1に保持される。また保護フィルム7は、基材8Bの他方の面に、順次、帯電防止層8C、防汚層8Dが設けられる。ここで基材2は、パターン位相差フィルム1の製造工程に係る耐熱性、機械的強度、パターン位相差フィルム1の光学特性を阻害しない程度に十分な透明性を備え、さらに汎用性の高いフィルム材が適用される。この実施形態ではこのような条件を満足するPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが基材8Bに適用される。
さらにこの実施形態において、基材8Bは、リタデーション値が4000以下の、低配向PETフィルムが適用される。また図2に示すように、位相差層4における1方の領域A又はBの遅相軸角度θに対して、遅相軸角度θ8Bが概ね45度の角度となるように、より技術的には、これら2つの角度θ及びθ8Bの角度の差θ−θ8Bの絶対値を取った場合に、この絶対値が45−20度以上、45度+20度以下となるように、すなわち位相差層の第1又は第2の領域における遅相軸に対して、基材8Bの遅相軸が45±15度の範囲の角度を成すように配置される。この基材8Bの選定により、この実施形態では、直交二コルにより位相差層4の配向欠陥を検査する際に、保護フィルム7を配置した状態でも、十分に精度良く配向欠陥を検査することができる。
帯電防止層8Cは、基材2等の剥離帯電を低減する目的で設けられ、各種の界面活性剤、導電性材料等による帯電防止剤を含有する樹脂により形成される。すなわちこの実施形態では、後述するように、基材2に配向膜を作成した後、基材2を一旦ロールに巻き取り、その後、ロールから基材2を引き出して位相差層4を作成する。基材2は、このロールから引き出す際に剥離帯電し、その結果、位相差層を作成する際に、帯電した電荷の放電により配向不良が発生する。そこでこの実施形態では、ロールから引き出す際の基材2の剥離帯電を防止するために帯電防止層8Cを備えてなる保護フィルム7が設けられる。
防汚層8Dは、指紋等の付着を防止する耐指紋性を確保し、さらには滑り性を向上する目的で設けられる。
さらにパターン位相差フィルム1は、位相差層4の上に粘着剤層9A、PETフィルム等によるセパレータフィルム9Bが設けられる。パターン位相差フィルム1は、セパレータフィルム9Bを除去して粘着剤層9Aを露出させ、画像表示パネルのパネル面に押し付けることにより、粘着剤層9Aによる粘着力により画像表示パネルのパネル面に保持される。なおパターン位相差フィルム1は、これらの構成に加えて、必要に応じて反射防止フィルム等が設けられる。
〔製造工程〕
図3は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示す略線図である。この製造工程10は、配向膜3の作成に係る工程である。この製造工程10は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール11から供給する。製造工程10は、さらに保護フィルム7が供給リール12により提供され、この保護フィルム7からセパレータフィルムを剥離して粘着剤層8Aを露出させた後、供給リール11から供給される基材2に貼り合わせる。なお基材2に保護フィルム7を貼り付けた状態でこの製造工程に基材2を供給するようにしても良い。
この製造工程10は、続いて基材2の、保護フィルム7を貼り付けた側とは逆側面に、ダイ13により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。なお紫外線硬化性樹脂の塗付にあっては、ダイによる場合に限らず、種々の手法を広く適用することができる。この製造工程10において、ロール版20は、パターン位相差フィルム1の配向膜3に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型である。製造工程10は、紫外線硬化樹脂が塗布された基材2を加圧ローラ14によりロール版20の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置15による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程10は、ロール版20の周側面に形成された凹凸形状を基材2に転写する。これによりこの工程10は、基材2に配向膜3を作成する。その後、この工程10は、剥離ローラ16により、硬化した紫外線硬化性樹脂と一体に基材2をロール版20より剥離し、巻き取りリール18に巻き取る。これによりこの製造工程10は、配向膜3及び保護フィルム7を設けた基材2を積層させて巻き取りリール18に保持することになる。
図4は、続く位相差層4の作成に供する製造工程を示す図である。この製造工程30は、前工程により配向膜3を作成して巻き取りリール18に巻き取った基材2を順次引き出し、ダイ33により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置37による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール38に巻き取る。これによりこの製造工程30は、リール18により積層して保持した基材2を引き出して、配向膜3の上に位相差層4を作成する。パターン位相差フィルム1は、その後、中間検査工程を経た後、巻き取りリール38に巻き取ったシート材に、粘着剤層9A、セパレータフィルム9Bが配置され、出荷時又は出荷先で所望の大きさに切断される。またその後、画像表示パネルに配置される。
図5は、この中間検査工程の説明に供する図である。ここで中間検査工程50は、サンプリングにより製造されたパターン位相差フィルム1の光学特性を検査し、工程10、30の異常等を検出するために設けられる。ここでこの光学特性の検査は、位相差層4における配向欠陥である。この実施形態において、検査工程40では、偏光板51及び52の間に、保護フィルム7を貼り付けた状態でパターン位相差フィルム1を配置し、偏光板52側に配置した光源53により照明する。この状態でこの検査工程40は、撮像装置54により各部を撮影し、撮影結果をモニタ装置で表示してパターン位相差フィルム1の位相差層4における欠陥の有無を検査する。
ここで偏光板51、52には、クロスニコル配置による直線偏光板が適用される。これによりパターン位相差フィルム1は、撮像結果における輝度レベルの相違により配向結果を検出することができる。また保護フィルム7に低配向PETフィルムが適用され、位相差層4における領域A又はBの遅相軸角度θに対して、遅相軸角度θ8Bが概ね45度の角度となるように配置されていることにより、保護フィルム7の影響を受けないようにして製品検査することができる。これによりこの実施形態では、保護フィルム7を配置した状態でも、精度良く製品検査することができる。
〔配向不良対策〕
ところで帯電防止層8Cについて上述したように、この実施形態の製造工程10、30では、基材2に配向膜3を作成した後、基材2を一旦巻き取りリール18に巻き取り(図3)、その後、巻き取りリール18から基材2を引き出して位相差層4を作成する(図4)。基材2は、このロールから引き出す際に剥離帯電し、その結果、何ら工夫を講じない場合、位相差層を作成する際に、帯電した電荷の放電により配向不良が発生する。そこでこの実施形態では、ロールから引き出す際の基材2の剥離帯電を防止するために帯電防止層8Cを備えてなる保護フィルム7が設けられる。
しかしながらこのように帯電防止層8Cを備えた保護フィルム7を配置して放電による配向不良を防止すると、位相差層4には、放電による配向不良とは異なる配向不良が発生することが判った。因みに、放電による配向不良は、放電軌跡によるツリー形状により発生する。これに対して保護フィルム7の配置による配向不良は、ある程度一定の領域において、液晶材料の配向方向にばらつきが生じて発生する。この保護フィルム7による配向不良を詳細に検討したところ、基材2を巻き取りリール18に巻き取った際の基材2の積層により、保護フィルム7に設けられた防汚層8Dの成分が配向膜3の表面に移行し、この移行した成分により配向不良が発生することが判った。またさらに詳細に検討したところ、この移行した成分のうちで、シリコン(ケイ素)が配向不良を生じさせる成分であることが判った。
これによりこの実施形態では、防汚層8Dにおけるシリコンの含有率を0.0009質量%以上、0.07質量%以下に設定し、これにより配向膜3の表面におけるシリコンの量を、配向不良を生じない程度に充分に抑圧した。実際上、防汚層8Dにおけるシリコン含有量を種々に変化させて検討した結果、完成したパターン位相差フィルム1において、配向欠陥を生じていない場合に、位相差層4の配向膜3と接する部位は、シリコンの含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下であった。
なお種々に検討した結果によれば、シリコンの含有率を0.0009質量%以上、0.07質量%以下に設定して実用上十分に配向不良を防止することができるものの、好ましくはシリコンの含有率を0.0009質量%以上、0.01質量%以下に設定して、位相差層における液晶材料の配向性を向上することができ、さらにより好ましくは0.0009質量%以上、0.005質量%以下に設定して一段と液晶の配向性を向上して光学特性を向上することができる。
以上の構成によれば、防汚層におけるシリコンの含有率を0.0009質量%以上、0.07質量%以下に設定することにより、この防汚層を備えた保護フィルムを設ける場合であっても、位相差層の配向欠陥を防止することができ、これにより液晶材料の配向により透過光に位相差を付与する光学フィルムについて、製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。
またこれに対応して光学フィルムであるパターン位相差フィルムでは、位相差層の配向膜と接する部位において、シリコンの含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%であるように設定することにより、製品保護等を目的とした保護フィルムを設ける場合の製品不良を防止することができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、第1実施形態について上述した構成において、シリコンに代えてフッ素を含有させて防汚層を作製してなる保護フィルム、若しくはシリコンに代えてシリコン及びフッ素を含有させて防汚層を作製してなる保護フィルムを適用する。またこの保護フィルムにおいて、防汚層におけるフッ素、若しくはシリコン及びフッ素の含有率を、0.0009重量%以上、0.07重量%以下に設定する。
この実施形態によれば、シリコンに代えて、フッ素、若しくはシリコン及びフッ素の含有により保護フィルムを構成する場合でも、これらの含有率の制御により、第1実施形態と同一の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
この実施形態では、配向膜作製材料に、シリコンを含有するレベリング剤、フッ素を含有するレベリング剤、若しくはシリコン及びフッ素を含有するレベリング剤を添加する。またこれらシリコン及び又はフッ素にあっては、揮発成分を除いた含有率が、0.0009重量%以上、0.07重量%以下に設定される。
この実施形態によれば、配向膜作製材料にシリコン又はフッ素を含有させる場合にあっても、この含有量の制御により第1実施形態又は第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、領域A及びBの双方で位相差を付与する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、領域A及びBの一方のみで位相差を付与する場合にも広く適用することができる。なおこの場合、領域A又はBを位相差0に設定し、領域B又はAに250nm程度のリタデーションを設定することによりパターン位相差フィルムを構成することができる。
また上述の実施形態では、紫外線硬化性樹脂を賦型用樹脂に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種の賦型用樹脂を広く適用することができる。
また上述の第2実施形態では、レベリング剤によりシリコン及び又はフッ素を配向膜材料層に含有させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、滑剤、離型剤により配向膜材料層にシリコン及び又はフッ素を含有させる場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、賦型処理により配向膜を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光配向の手法により配向膜を作成する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、本発明をパターン位相差フィルムに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させて位相差層を構成する各種の光学フィルムに広く適用することができる。具体的に、透過光に1/2波長の位相差を付与する1/2位相差板、透過光に1/4波長の位相差を付与する1/4位相差板、1/2波長位相差板と1/4位相差板との積層による位相差板等に適用することができる。
また上述の実施形態では、PETフィルムにより保護フィルムを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、保護フィルムに適用される各種フィルム材により構成する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版によりパターン位相差フィルムを生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板によりパターン位相差フィルムを生産する場合にも広く適用することができる。
また上述の第1及び第2実施形態では、帯電防止機能を備えた保護フィルムを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、防汚層を備えた保護フィルムを配置する場合に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
5 賦型用樹脂層
7 保護フィルム
8A、9A 粘着剤層
8B 基材
8C 帯電防止層
8D 防汚層
9B セパレータフィルム
10、30 製造工程
11、12 供給リール
13、33 ダイ
14 加圧ローラ
15、37 紫外線照射装置
16 剥離ローラ
18、38 巻き取りリール
20 ロール版
40 母材
41 下地層
42、44 無機材料層
50 検査工程
51、52 偏光板
53 光源
54 撮像装置

Claims (7)

  1. 透明フィルム材による基材と、透過光に位相差を与える位相差層と、前記位相差層に係る配向膜とを少なくとも備え、
    前記位相差層の前記配向膜と接する部位は、
    シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である
    光学フィルム。
  2. 前記位相差層は、
    透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の領域が順次交互に設けられた
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記第1の領域が、
    右目用画像データで駆動される画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える右目用領域であり、
    前記第2の領域が、
    左目用画像データで駆動される前記画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える左目用領域である
    請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の光学フィルムを画像表示パネルの表側面に配置した
    画像表示装置。
  5. 透明フィルム材による基材と、透過光に位相差を与える位相差層と、前記位相差層に係る配向膜とを少なくとも備える光学フィルムの製造方法において、
    防汚層が最表層である保護フィルムが、前記防汚層が最も外側になるように一方の面に貼り付けられ、他方の面には前記配向膜が設けられた前記基材を積層して保持する積層工程と、
    前記積層工程で積層された前記基材について、前記配向膜の上層に、前記位相差層を作成する位相差層の作成工程とを備え、
    前記防汚層は、
    シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である
    光学フィルムの製造方法。
  6. 前記積層工程は、
    長尺による前記基材に前記保護フィルムを貼り付ける貼り付け工程と、
    前記基材に前記配向膜を作成する工程と、
    前記基材をロールにより巻き取る巻き取り工程とを備え、
    前記位相差層の作成工程は、
    前記巻き取り工程で巻き取ったロールより前記基材を引き出して前記位相差層を作成し、
    前記保護フィルムは、
    前記防汚層の下層に、前記ロールより基材を引き出す際の帯電を防止する帯電防止層が設けられた
    請求項5に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 透明フィルム材による基材に配向膜を作製する配向膜作製工程と、
    前記配向膜の上に位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記配向膜作製工程は、
    シリコン及び又はフッ素の含有率が0.0009質量%以上、0.07質量%以下である配向膜作製材料を前記透明フィルム材に塗布して前記配向膜を作製する
    光学フィルムの製造方法。
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