JP2005275192A - 液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を容易に形成することのできる液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 対向する一対の基板10,20間に液晶Lを挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板10,20の少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜12(22)を形成する工程と、前記無機配向膜12(22)を用いて前記液晶Lを配向させる工程とを備え、前記無機配向膜12(22)の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、複数の微細孔がランダムに開孔された陽極酸化膜12(22)を形成する工程とを含み、前記液晶Lを配向させる工程が、前記液晶Lを等方相の状態で前記無機配向膜12(22)に接触させた後、該液晶Lを磁界H中で徐冷する工程を含むようにする。
【選択図】 図4
【解決手段】 対向する一対の基板10,20間に液晶Lを挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板10,20の少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜12(22)を形成する工程と、前記無機配向膜12(22)を用いて前記液晶Lを配向させる工程とを備え、前記無機配向膜12(22)の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、複数の微細孔がランダムに開孔された陽極酸化膜12(22)を形成する工程とを含み、前記液晶Lを配向させる工程が、前記液晶Lを等方相の状態で前記無機配向膜12(22)に接触させた後、該液晶Lを磁界H中で徐冷する工程を含むようにする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、液晶装置の配向制御技術に関するものである。
一般に、液晶プロジェクタのライトバルブや携帯電話等のディスプレイとして用いられる液晶装置には、その液晶層を挟持する基板の最表面に、液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されている。この配向膜としては、ポリイミド等の有機膜をラビング処理したものが広く使用されている。しかし、このような有機配向膜は配向力に優れる反面、熱や光に弱く、長期間の使用によって、その配向力が次第に低下してしまうという問題があった。例えば光束密度が2〜10(lm/mm2)程度の高強度の光が照射されるプロジェクタに搭載した場合には、配向膜は光源からの光や熱によって次第に分解されてしまい、液晶分子を所望のプレチルト角に配列できなくなる場合がある。
これに対して、前記配向膜に無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。例えば特許文献1では、斜方蒸着法により基板に対して斜めに配列した柱状構造物を形成する方法が開示されている。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
特開昭57−112714号公報
これに対して、前記配向膜に無機配向膜を用い、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。例えば特許文献1では、斜方蒸着法により基板に対して斜めに配列した柱状構造物を形成する方法が開示されている。このような無機配向膜は、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、液晶装置の信頼性を向上させることが可能である。
しかしながら、このような従来の無機配向膜は成膜工程に真空プロセスを用いるため、装置が大掛かりなものになってしまう。また、アクティブマトリクス型の液晶装置の電極面に配向膜を形成する場合、スイッチング素子の形成位置に対応して電極表面に段差部が形成され、その段差部において斜方蒸着方向から影となる部分ができる場合がある。このような不具合は、配向膜としての信頼性低下につながり、例えば液晶装置を表示装置として用いた場合、表示不良を生じさせる原因となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を容易に形成することのできる液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配向能力が高く、配向安定性及び信頼性に優れた配向膜を容易に形成することのできる液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶装置の製造方法は、対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板の少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜を形成する工程と、該無機配向膜が形成された前記一方の基板とこれに対向する他方の基板との間に前記液晶を充填する工程を備え、前記無機配向膜の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、複数の微細孔がランダムに開孔された陽極酸化膜を形成する工程とを含み、前記液晶の充填工程が、前記液晶を等方相の状態で両基板の間に充填する工程と、該液晶を磁界中で徐冷する工程とを含むことを特徴とする。
一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開孔した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。本方法は、陽極酸化法を用いて基板の表面にランダムな微細孔を有する陽極酸化膜を形成し、この多数の微細孔に液晶を異方的に吸着させることによって、所望の配向状態を得るようにしたものである。
本方法によれば、液晶が微細孔の内周面に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、この配向膜は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、微細孔で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。さらに、陽極酸化法を用いることで製造装置を小型化でき、斜方蒸着のように影になる部分がないので配向ムラが生じることもない。また、本方法ではランダムに開孔した陽極酸化膜に液晶を吸着させるため、磁界の制御によって任意の配向状態を実現することができる。つまり、このような陽極酸化膜は、斜方蒸着膜等のように安定な配向状態が一しかないものと違って、液晶をあらゆる姿勢で吸着させることができるので、その吸着姿勢を磁界Hによって規定することで、様々な配向状態を作り出せるようになる。
本方法によれば、液晶が微細孔の内周面に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、この配向膜は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、微細孔で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。さらに、陽極酸化法を用いることで製造装置を小型化でき、斜方蒸着のように影になる部分がないので配向ムラが生じることもない。また、本方法ではランダムに開孔した陽極酸化膜に液晶を吸着させるため、磁界の制御によって任意の配向状態を実現することができる。つまり、このような陽極酸化膜は、斜方蒸着膜等のように安定な配向状態が一しかないものと違って、液晶をあらゆる姿勢で吸着させることができるので、その吸着姿勢を磁界Hによって規定することで、様々な配向状態を作り出せるようになる。
本発明の液晶装置の製造方法では、前記金属膜がアルミニウム(Al)からなるものとすることができる。前記金属膜としては、この他にタングステン(Ta),チタン(Ti),マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができるが、この中でもアルミニウムは前記のような微細孔を形成しやすい。またこの方法では、前記電解液がシュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液からなるものを好適に用いることができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記陽極酸化膜の形成工程が、前記金属膜の表面のみを陽極酸化し、それ以外の前記金属膜を前記液晶に電圧を印加するための電極として残す工程であるものとすることができる。こうすることで、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程が簡単になる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記一方の基板の表面に前記液晶に電圧を印加するための電極を備え、前記無機配向膜の形成工程が、前記電極と前記金属膜との間に前記電極の表面を保護するための保護膜を形成する工程を含むものとすることができる。このように保護膜を形成してから陽極酸化を行なうようにすることで、下地の電極膜が電解液によって腐食されるのを防止することができる。また、電極と金属膜との間に絶縁性の保護膜を設けた場合には、例えば前記陽極酸化膜の形成工程において前記金属膜の一部が酸化されずに残ったとしても、これによって電極間に短絡が生じることはない。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記液晶の徐冷工程における前記磁界の強さが0.1T以上であることが望ましい。こうすることで、配向むらの少ない安定した配向状態を実現することができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記一対の基板の他方の基板の表面に前記無機配向膜を形成する工程を備えることができる。このように双方の基板の配向膜を無機配向膜とすることで、液晶装置の信頼性をより高めることができる。
また本発明の液晶装置の製造方法では、前記一対の基板の他方の基板の表面に有機配向膜を形成する工程を備えることができる。このように他方の基板の配向膜を配向能力に優れる有機配向膜とすることで、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。つまり、形状効果によって液晶を配向させる形状配向膜では、液晶は準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶が最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶の配向は有機配向膜と液晶との分子間力によって強固に規制されるため、前述の形状配向膜に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本方法のように対向基板側を有機配向膜とすることで、その有機配向膜の配向規制力を液晶層を介して間接的に前記一方の基板側に伝えることができ、この結果、無機配向膜近傍の液晶の配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。
本発明の電子機器は、前述の方法を用いて製造された液晶装置を備えたことを特徴とする。これにより、表示品質が高く信頼性にも優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。尚、以下で参照する各図面では図を見易くするために各部の大きさや厚さを適宜異ならせている。
[第1の実施の形態]
[液晶装置]
図1は本実施形態の液晶装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1に示す液晶装置1は、対向する一対の基板10,20の間に液晶層30を挟持した構成を有する。下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成されており、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成されている。この液晶装置1は、アクティブマトリクス型若しくはパッシブ型のいずれの構造をとってもよい。アクティブマトリクス型の構造を採る場合には、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)又はMIM構造を有するTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いることもできる。また、この液晶装置1は透過型若しくは反射型のいずれの構造であってもよい、さらに、これらの基板には必要に応じてカラーフィルタを設けることができる。
[液晶装置]
図1は本実施形態の液晶装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1に示す液晶装置1は、対向する一対の基板10,20の間に液晶層30を挟持した構成を有する。下基板10の内面側(液晶層側)には下電極11と配向膜12とが順次形成されており、上基板20の内面側には上電極21と配向膜22とが順次形成されている。この液晶装置1は、アクティブマトリクス型若しくはパッシブ型のいずれの構造をとってもよい。アクティブマトリクス型の構造を採る場合には、画素スイッチング素子として、TFT(Thin Film Transistor;三端子素子)又はMIM構造を有するTFD(Thin Film Diode;二端子素子)のいずれを用いることもできる。また、この液晶装置1は透過型若しくは反射型のいずれの構造であってもよい、さらに、これらの基板には必要に応じてカラーフィルタを設けることができる。
本実施形態において配向膜12,13は、多孔質なアルミナ陽極酸化膜からなる無機配向膜として構成されている。この配向膜12,13は、形状効果(膜面に形成された構造物と対象物との相互作用)によって配向制御を行なう形状配向膜の一種であって、本例では、酸化膜表面に形成された細孔構造によって、配向膜近傍の液晶Lの配向状態を規定している。
一般に、金属膜を陽極酸化した場合、その陽極酸化の条件を変えることによって緻密で欠陥のない膜から多孔質な膜まで様々な膜を形成することができる。例えば大きな電流で短時間陽極酸化を行なった場合には、多数の微細孔がランダムに開孔した多孔質膜が形成され、逆に小さな電流で長時間陽極酸化を行なった場合には、緻密で欠陥のない膜が形成される。また、その中間の条件をとった場合には、多数の微細孔が規則的に配列した2次元配列構造を有する多孔質膜が形成されるようになる。このような微細孔は、陽極酸化の条件によって、数nm〜数百nmの径のものを形成することが可能である。このような微細な孔を有する陽極酸化膜を配向膜として使用した場合、係る微細孔に液晶Lを吸着させることによって、液晶Lをその孔の内壁に沿う方向又はそれに垂直な方向に配向させることができる。本実施形態では、このような微細孔を使って液晶Lの配向を制御している。特に本実施形態では、このような微細孔を膜面にランダムに開孔し、特定の外場条件で液晶Lを異方的に吸着させることによって、全体として液晶Lのダイレクタに一定の方向性を持たせている。具体的には、液晶Lを磁界によって斜めに傾けた状態で陽極酸化膜に吸着させ、液晶Lを初期状態において概ね一方向にチルト配向させるようにしている。本例では、基板面からのプレチルト角を液晶全体の平均で概ね85°としている。
このような配向膜12,22を形成した場合には、前記液晶Lとして誘電異方性が負のネマチック液晶を用いることで、電圧による液晶Lの配向制御が可能になる。つまり、係る構成の液晶装置1では、液晶層30を構成する液晶分子Lは、両電極11,21に電圧が印加されていない状態(非選択状態、初期配向状態)では、配向膜12,22の配向規制力によって基板10,20に対して概ね垂直方向に配向し、前記両電極間に電圧が印加される(選択状態とされる)と、基板10,20の面方向に向かって倒れるように動作する。よって、この液晶装置1を、偏光方向をクロスした2枚の偏光板で挟み込めば、非選択状態において黒表示、選択状態において白表示を実現することができる。この際、本実施形態では、液晶Lが無機配向膜によって基板に対して傾斜配向されているので、液晶Lは選択状態においてその傾斜方向に一様に傾倒されるようになる。このため、傾倒方向の異なる領域(リバースドメイン)が複数形成されるのを防ぐことができ、これらの境界に生じるディスクリネーション等の表示むらを抑えることができる。
[液晶装置の製造方法]
次に、図2〜図5を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図2は基板に配向膜を形成する工程の一例を示す模式図、図3は陽極酸化膜の断面構造を示す模式図、図4は液晶注入後の徐冷工程の一例を示す模式図、図5は徐冷時の液晶の吸着状態を示す模式図である。
次に、図2〜図5を参照しながら、本発明の液晶装置の製造方法の一例について説明する。図2は基板に配向膜を形成する工程の一例を示す模式図、図3は陽極酸化膜の断面構造を示す模式図、図4は液晶注入後の徐冷工程の一例を示す模式図、図5は徐冷時の液晶の吸着状態を示す模式図である。
本方法ではまず、図2に示すように、電極11を備えた基板10の全面に陽極酸化可能な金属膜(陽極)M1を形成し、アセトン等で脱脂処理を行なった後、所定の電解液Eを用いて前記金属膜M1を陽極酸化する。ここで、基板10や電極11としては公知のものを用いることができる。本例では、透過表示を行なうために、例えば基板10をガラス等の透光性基板とし、電極11をITO等の透光性導電膜とする。基板10には、必要に応じて、画素スイッチング用の回路やカラーフィルタ等を形成することができる。金属膜M1としては、アルミニウム(Al),タングステン(Ta),チタン(Ti),マグネシウム(Mg)等のいわゆるバルブ金属と呼ばれるものやその合金を使用することができる。中でもアルミニウムは前述のような細孔構造を形成し易いため、本例では前記金属膜M1としてアルミニウムを用いる。この金属膜M1は、例えば純度99.99%のアルミニウムをスパッタ等により基板10上に200nm程度堆積させることにより得られる。また、前記電解液Eとしては、シュウ酸,リン酸,硫酸,クロム酸等の弱酸性の電解液が好適である。本例では、0.3M(mol/l)の硫酸水溶液を用いる。
陽極酸化は、例えば以下の条件で行なう。電解液Eの液温:20℃、印加電圧:直流50V、陰極M2:白金(Pt)、陽極酸化時間:0.2時間。このような陽極酸化処理を行なうと、金属膜M1の表面には電気分解反応によって多数の微細孔が開いていく。これらの微細孔Pは、図3に示すように、その径,サイズ,孔の延在方向等がランダムに形成される。各微細孔Pは液晶Lを吸着可能な吸着サイトとして機能するため、液晶Lはあらゆる向きに配向可能となる。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウムを略ゼロとした。こうすることによって、可視光が透過可能になり、透過型の表示装置に利用できるようになる。
なお、本例では、長時間(例えば1時間)の陽極酸化を行なうことによって、下地のアルミニウムを略ゼロとした。こうすることによって、可視光が透過可能になり、透過型の表示装置に利用できるようになる。
次に、同様の方法を用いて上基板20に配向膜22を形成し、これらの基板10,20を用いて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶をヒーター50で加熱しながら等方相の状態で充填(例えば真空注入)する。そして、このように液晶Lが充填された液晶セルを、図4に示すように、磁界H中で徐冷する。こうすることで、ランダムな微細孔を持つアルミナ陽極酸化膜12上にネマチック液晶Lを異方的に(即ち、液晶Lのダイレクタが概ね一方向に揃った状態で)吸着させることができる。つまり、磁界をかけずに液晶Lを吸着させた場合には、液晶Lは各微細孔Pに対してランダムに吸着されるため、無秩序な配向状態を示すことになる。一方、このような処理を磁界H中で行なった場合には、この磁界Hによって液晶Lの配向方向は特定の向きに規制されるため、各液晶Lは、多数存在する微細孔Pの中で該液晶の配向方向に沿った向きに開孔した微細孔Pに対して選択的に吸着されるようになる、このため、吸着後の液晶Lの配向姿勢は、図5に示すように、概ね磁界Hの向きに揃えられることになり、液晶層全体として見たときには、その平均的なチルト角θcは、基板法線方向から磁界Hの方位角方向に傾いた方向に規定されることなる。
この際、磁界Hの強さは、液晶のチルトの大きさだけでなく液晶の配向秩序度にも影響するため、これらの条件を考慮した上で磁界Hの強さや印加方向(基板面に対する磁界の角度θH)を決めることが望ましい。図10は、磁界Hを液晶セルの基板面に平行に印加した場合における、磁界Hの強さ(磁束密度)と液晶の配向秩序度との関係を示す図である。この図からわかるように、液晶の配向の均一性は磁界を強くするに従って良くなり、一定の強さ(例えば0.1T)以上になると殆ど変化しなくなる。よって、良好な配向状態を得るには、磁界Hを0.1T以上とすればよい。なお、配向秩序度は概ね磁界の強さに依存するため、印加方向を基板面に対して傾けても配向秩序度は殆ど変化しない。本例では、徐冷時の磁界Hの強さを2Tとし、磁界Hの印加方向を基板面に対して30°をなす方向としている。これにより、均一な配向状態を実現しながら、液晶Lの平均的なチルト角を概ね5°(基板面からのプレチルト角は85°)に規定することができる。
そして、徐冷によって液晶Lが等方相から液晶相に転移したら、磁界Hを止める。この際、陽極酸化膜12に吸着した液晶Lは磁界Hを取り去った後もその傾斜配向状態を維持される。
以上により、液晶装置1が製造される。
以上により、液晶装置1が製造される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶Lが配向膜12,22の微細孔に沿って確実に配向されるため、高い配向能力を実現することができる。また、この配向膜12,22は無機材料からなるため、ポリイミド等の有機配向膜に比べて耐光性や耐溶剤性に優れており、又、微細孔で液晶配向を実現している(即ち、形状配向膜の一種である)ので、安定した配向が得られる。さらに、斜方蒸着のように影になる部分がないので配向ムラが生じることもない。また、本方法では徐冷時(即ち、液晶Lを無機配向膜に吸着させる際)の液晶Lの配向姿勢を磁界Hによって規定しているので、所望の配向状態を安定的に得ることができる。特に本実施形態では、ランダムに開孔した陽極酸化膜の表面に液晶Lを異方的に吸着させる方法をとっているので、磁界Hの制御によって任意の配向状態を実現することができる。つまり、このような陽極酸化膜は、斜方蒸着膜等のように安定な配向状態が一しかないものと違って、液晶Lをあらゆる姿勢で吸着させることができるので、その吸着姿勢を磁界Hによって規定することで、様々な配向状態を作り出せるようになる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、電極と配向膜との間に前記電極を保護するための保護膜を配置した点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、ITO等の電極11,21の表面に直接金属膜M1を形成したが、本実施形態では、金属膜M1を形成する前に予め電極11,21の表面に電解液E(本例では0.5Mのシュウ酸)に対して耐食性を有する保護膜13,23を形成している。このように保護膜13,23を形成してから陽極酸化を行なうようにすることで、下地の電極11,21が電解液Eによって腐食されるのを防止することができる。なお、保護膜13,23はSiO2等の無機絶縁膜によって構成されている。このため、仮に陽極酸化工程において金属膜M1の一部が酸化されずに残ったとしても、これによって電極間に短絡が生じることはない。
なお、本例では液晶の徐冷工程を0.5Tの磁界中で行なうことにより、液晶Lのチルト角を概ね5°(即ち、非選択状態において液晶Lは基板に対して平行配向から概ね5°傾斜したチルト配向をする)とし、液晶Lに誘電異方性が正のネマチック液晶を用いている。
このように本実施形態によれば、液晶装置2の配向安定性や信頼性を更に高めることができ、液晶装置2を製造する際の歩留まりを高めることも可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、電極と配向膜との間に前記電極を保護するための保護膜を配置した点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、ITO等の電極11,21の表面に直接金属膜M1を形成したが、本実施形態では、金属膜M1を形成する前に予め電極11,21の表面に電解液E(本例では0.5Mのシュウ酸)に対して耐食性を有する保護膜13,23を形成している。このように保護膜13,23を形成してから陽極酸化を行なうようにすることで、下地の電極11,21が電解液Eによって腐食されるのを防止することができる。なお、保護膜13,23はSiO2等の無機絶縁膜によって構成されている。このため、仮に陽極酸化工程において金属膜M1の一部が酸化されずに残ったとしても、これによって電極間に短絡が生じることはない。
なお、本例では液晶の徐冷工程を0.5Tの磁界中で行なうことにより、液晶Lのチルト角を概ね5°(即ち、非選択状態において液晶Lは基板に対して平行配向から概ね5°傾斜したチルト配向をする)とし、液晶Lに誘電異方性が正のネマチック液晶を用いている。
このように本実施形態によれば、液晶装置2の配向安定性や信頼性を更に高めることができ、液晶装置2を製造する際の歩留まりを高めることも可能である。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図7は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図において、510は光源、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた透過型の投射型表示装置について説明する。
図7は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図において、510は光源、513、514はダイクロイックミラー、515、516、517は反射ミラー、518は入射レンズ、519はリレーレンズ、520は出射レンズ、522、523、524は透過型液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投射レンズを示す。
光源510はメタルハライド等のランプ511とランプの光を反射するリフレクタ512とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー513は、光源510からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー517で反射されて、前記実施形態の液晶装置を備えた赤色光用液晶ライトバルブ522に入射される。一方、ダイクロイックミラー513で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー514によって反射され、前記実施形態の液晶装置を備えた緑色光用液晶ライトバルブ523に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー514も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ518、リレーレンズ519、出射レンズ520を含むリレーレンズ系からなる導光手段521が設けられ、これを介して青色光が前記実施形態の液晶装置を備えた青色光用液晶ライトバルブ524に入射される。赤色光用液晶ライトバルブ522、緑色光用液晶ライトバルブ523、青色光用液晶ライトバルブ524の前後にはそれぞれ入射側偏光板522a、523a、524aと出射側偏光板522b、523b、524bが設置されている。入射側偏光板で直線偏光となった光は液晶ライトバルブにより変調された後、出射側偏光板を通過するが、この時決められた振動方向の光しか透過できないため調光が可能となる。
各液晶ライトバルブと2枚の偏光板により調光された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム525に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ526によってスクリーン527上に投写され、画像が拡大されて表示される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。本例では、従来、ポリイミド有機膜を配向膜に用いた場合に2000時間であった寿命を10000時間以上にすることができた。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図8を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、下基板10側の電極を高反射率の金属反射電極14とし、上基板20側の配向膜をポリイミド等の有機配向膜24とした点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、電極11,21の表面に、これとは別の金属膜M1を形成し、この金属膜M1を全て陽極酸化することによって電極11,21の表面にポーラスな無機配向膜12,22を形成した。これに対して本実施形態の液晶装置3では、基板10に電極11を設けずに、基板表面に直接陽極としての金属膜M1を成膜する。そして、陽極酸化膜の形成工程において、該金属膜M1の表面のみを陽極酸化し、それ以外の前記金属膜M1を液晶Lに電圧を印加するための電極14として残している。こうすることで、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図8を用いて説明する。本実施形態において、前記第1の実施の形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態において前記第1の実施形態と異なる点は、下基板10側の電極を高反射率の金属反射電極14とし、上基板20側の配向膜をポリイミド等の有機配向膜24とした点のみである。すなわち、前記第1の実施形態では、電極11,21の表面に、これとは別の金属膜M1を形成し、この金属膜M1を全て陽極酸化することによって電極11,21の表面にポーラスな無機配向膜12,22を形成した。これに対して本実施形態の液晶装置3では、基板10に電極11を設けずに、基板表面に直接陽極としての金属膜M1を成膜する。そして、陽極酸化膜の形成工程において、該金属膜M1の表面のみを陽極酸化し、それ以外の前記金属膜M1を液晶Lに電圧を印加するための電極14として残している。こうすることで、別途、液晶配向用の電極を形成する必要がなくなり、工程を簡単にすることができる。
また、上基板側の配向膜を配向能力に優れる有機配向膜24としたため、液晶充填後の初期の配向状態(例えば液晶注入直後の配向状態)を安定させることができる。つまり、無機配向膜12のように形状効果によって液晶Lを配向させる形状配向膜では、液晶Lは準安定な配向状態をとり易く、液晶充填直後の配向状態は不安定になり易い。このため、液晶Lが最も安定な配向状態に遷移できるように、前述の形状効果による配向力の他に、これをアシストするような何らかの配向力を付与することが望ましい。一方、ポリイミド等の有機配向膜では、液晶Lの配向は有機配向膜と液晶Lとの分子間力によって強固に規制されるため、前述の無機配向膜12に比べて安定配向への遷移が確実に行なわれ、遷移するまでの時間も短い。このため、本実施形態のように上基板20側を有機配向膜24とすることで、その有機配向膜24の配向規制力を液晶層30を介して間接的に下基板10側に伝えることができ、この結果、無機配向膜12近傍の液晶Lの配向状態を最も安定な状態に短時間で確実に遷移させることが可能になる。
なお、本例では液晶の徐冷工程を1Tの磁界中で行なうことにより、液晶Lのチルト角を概ね5°(即ち、非選択状態において液晶Lは基板に対して平行配向から概ね5°傾斜したチルト配向をする)とし、有機配向膜24に垂直配向性のポリイミド膜を用いている。そして、液晶Lに誘電異方性が正のネマチック液晶を用いて、これを上下基板間でハイブリッド配向させている。
このように本実施形態によれば、液晶装置3の配向安定性や信頼性を更に高めることができる。
なお、本例では液晶の徐冷工程を1Tの磁界中で行なうことにより、液晶Lのチルト角を概ね5°(即ち、非選択状態において液晶Lは基板に対して平行配向から概ね5°傾斜したチルト配向をする)とし、有機配向膜24に垂直配向性のポリイミド膜を用いている。そして、液晶Lに誘電異方性が正のネマチック液晶を用いて、これを上下基板間でハイブリッド配向させている。
このように本実施形態によれば、液晶装置3の配向安定性や信頼性を更に高めることができる。
[電子機器]
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。図9は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。
次に、前述の液晶装置を備えた電子機器について説明する。ここでは、一例として、前記液晶装置を光変調手段として備えた反射型の投射型表示装置について説明する。図9は、本例の投射型表示装置の一例である3板式のカラー液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。
本例の液晶プロジェクタは、システム光軸Lに沿って配置した光源部710、インテグレータレンズ720、偏光変換素子730から概略構成される偏光照明装置700、この偏光照明装置700から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面741により反射させる偏光ビームスプリッタ740、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロックミラー742、分離された青色光(B)を変調する反射型液晶ライトバルブ745B、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロックミラー743、分離された赤色光(R)を変調する反射型液晶ライトバルブ745R、ダイクロックミラー743を通過する残りの光の緑色光(G)を変調する反射型液晶ライトバルブ745G、3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bにて変調された光をダイクロックミラー743、742、偏光ビームスプリッタ740にて合成し、この合成光をスクリーン760に投写する投写レンズからなる投写光学系750から構成されている。前記3つの反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bには、それぞれ前述の実施形態で説明した液晶装置が用いられている。
光源部710から出射されたランダムな偏光光束は、インテグレータレンズ720により複数の中間光束に分割された後、第2のインテグレータレンズを光入射側に有する偏光変換素子720により偏光光束がほぼ揃った一種類の偏光光束(S偏光光束)に変換されてから偏光ビームスプリッタ740に至るようになっている。偏光変換素子730から出射されたS偏光光束は、偏光ビームスプリッタ740のS偏光光束反射面741によって反射され、反射された光束のうち、青色光(B)の光束がダイクロックミラー742の青色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Bによって変調される。また、ダイクロックミラー742の青色光反射層を透過した光束のうち、赤色光(R)の光束はダイクロックミラー743の赤色光反射層にて反射され、反射型液晶ライトバルブ745Rによって変調される。一方、ダイクロックミラー743の赤色光反射層を透過した緑色光(G)の光束は反射型液晶ライトバルブ745Gにより変調される。以上のようにして反射型液晶ライトバルブ745R、745G、745Bによって色光の変調がなされる。
これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
これらの液晶パネルの画素から反射された色光のうち、S偏光成分はS偏光を反射する偏光ビームスプリッタ740を通過せず、P偏光成分は通過する。この偏光ビームスプリッタ740を透過した光により画像が形成される。
本例の投射型表示装置は、前記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、量産性に優れ、液晶層を構成する液晶分子に対する配向規制力が高く、さらに光や熱に対する耐久性に優れた、高信頼性の表示装置である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
なお、本例では赤色光用,緑色光用,青色光用の各液晶ライトバルブに前記実施形態の液晶装置を用いたが、係る液晶装置は必ずしも全ての液晶ライトバルブに適用される必要はなく、少なくともいずれかの液晶ライトバルブに適用すれば、耐久性の向上を図ることができる。この場合、特に光のエネルギーが高い青色光用の液晶ライトバルブに適用するのが効果的である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、前記各実施の形態の液晶装置は、前述した投射型表示装置に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。この電子機器としては例えば、携帯電話、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等があり、前記液晶装置はこれらの画像表示手段として好適に用いることができる。また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1,2,3・・・液晶装置、10,20・・・基板、11,14,21・・・電極、12,22・・・無機配向膜(陽極酸化膜)、13,23・・・保護膜、24・・・有機配向膜、30・・・液晶層、E・・・電解液、H・・・磁界、L・・・液晶、M1・・・金属膜、P・・・微細孔
Claims (9)
- 対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板の少なくとも一方の基板の表面に無機配向膜を形成する工程と、該無機配向膜が形成された前記一方の基板とこれに対向する他方の基板との間に前記液晶を充填する工程を備え、
前記無機配向膜の形成工程が、前記一方の基板の表面に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電解液を用いて陽極酸化することにより、前記一方の基板の表面に、複数の微細孔がランダムに開孔された陽極酸化膜を形成する工程とを含み、
前記液晶の充填工程が、前記液晶を等方相の状態で両基板の間に充填する工程と、該液晶を磁界中で徐冷する工程とを含むことを特徴とする、液晶装置の製造方法。 - 前記金属膜がアルミニウムからなることを特徴とする、請求項1記載の液晶装置の製造方法。
- 前記電解液が酸性の電解液からなることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶装置の製造方法。
- 前記陽極酸化膜の形成工程が、前記金属膜の表面のみを陽極酸化し、それ以外の前記金属膜を前記液晶に電圧を印加するための電極として残す工程であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記一方の基板の表面に前記液晶に電圧を印加するための電極を備え、
前記無機配向膜の形成工程が、前記電極と前記金属膜との間に前記電極の表面を保護するための保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記液晶の徐冷工程における前記磁界の強さが0.1T以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記一対の基板の他方の基板の表面に前記無機配向膜を形成する工程を備えたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記一対の基板の他方の基板の表面に有機配向膜を形成する工程を備えたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の液晶装置の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかの項に記載の方法を用いて製造された液晶装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
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JP2004090828A JP2005275192A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 液晶装置の製造方法、電子機器 |
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CN100430791C (zh) * | 2005-10-13 | 2008-11-05 | 精工爱普生株式会社 | 液晶面板、液晶面板的制造方法及电子设备 |
JP2009199990A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Toshiba Corp | 光透過型金属電極およびその製造方法 |
-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004090828A patent/JP2005275192A/ja not_active Withdrawn
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