JP2006195027A - 回転体のクリーニング装置、画像形成装置 - Google Patents

回転体のクリーニング装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブレード部材への異物の付着や堆積を抑えると共に、ブレード部材の清掃対象である回転体の周方向の傷つきを抑制する。
【解決手段】 感光体ドラム11には、転写後の残留トナー等を除去するクリーニングブレード52が圧接配置されている。クリーニングブレード52はブレードホルダ55に取り付けられており、ブレードホルダ55はクリーナ駆動モータ91からの駆動力を受けたフェースカム98によって感光体ドラム11の軸方向にスライドする。そして、クリーニングブレード52は、感光体ドラム11が回転を停止しているときに往復運動を行い、ブレードエッジに付着したトナーや外添剤の除去を行う。また、往復運動の開始前と終了後とで、感光体ドラム11に対するクリーニングブレード52の相対的位置を変えることで、感光体ドラム11の傷つきを抑える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子写真複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置で用いられる回転体のクリーニング装置等に係り、より詳しくは、回転体に圧接してその表面を清掃するブレード部材を備えた回転体のクリーニング装置等に関する。
従来の画像形成装置として、回転可能な感光体ドラム、この感光体ドラムを所定の電位に帯電する帯電装置、帯電された感光体ドラム表面に静電潜像を形成する露光装置、形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置、形成されたトナー像を用紙等の記録媒体に転写する転写装置、転写後の感光体ドラム表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング装置、を備えたものが知られている。これらのうち、クリーニング装置としては、感光体ドラム表面にウレタンゴム等の弾性材料からなるクリーニングブレードのエッジ(ブレードエッジ)を圧接させ、感光体ドラムに付着する残留トナーを掻き取るようにしたものが広く用いられる(特許文献1,2参照。)。
この種のクリーニング装置では、長期の使用に伴って、ブレードエッジに残留トナーや外添剤が堆積したり、あるいは、感光体ドラムとブレードエッジとの間に残留トナーや外添剤が挟み込まれたりすることがある。そして、このような挟み込みが生じると、外添剤により感光体ドラムが傷つけられたり、あるいは、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間を残留トナーがすり抜けたりすることになり、クリーニング不良を招いてしまうことになる。
そこで、上記特許文献1では、感光体ドラムを回転させた状態で、この感光体ドラムに圧接するクリーニングブレードを感光体ドラムの軸方向に往復運動させ、ブレードエッジ等に付着した残留トナーや外添剤を取り除いている。
特開平8−292691号公報(第3−4頁、図2) 特開2002−311777号公報(第2−3頁、図1)
ところで、上記特許文献1では、画像形成動作開始前あるいは画像形成動作終了後など、非画像形成中に、感光体ドラムを空回転させつつクリーニングブレードの往復運動を行わせている。上記特許文献1によれば、非画像形成中は、感光体ドラムの表面からトナーや外添剤が除去された状態となっているため、クリーニングブレードを往復運動させても感光体ドラム上に周方向に傷がつきにくいとされている。
しかしながら、感光体ドラムの表面からトナーや外添剤を完全に除去するのは非常に困難である。このため、何らかの理由により感光体ドラムの表面にトナーや外添剤が付着していた場合には、たとえ非画像形成中であっても、クリーニングブレードを往復運動させることにより感光体ドラムの周方向に傷がついてしまうことになる。
また、上記特許文献2では、クリーニングブレードを感光体ドラムに対して接離自在に配設すると共に、感光体からクリーニングブレードを離間した際にクリーニングブレードのブレードエッジをブラシに当接させ、さらにクリーニングブレードを往復運動させることで、クリーニングブレードのクリーニングを行っている。
しかしながら、この手法を採用した場合には、クリーニングブレード往復運動させる機構の他、クリーニングブレードのリトラクト機構も必要となり、装置構成が大型化、複雑化してしまう。
一方、上記特許文献1,2では、クリーニングブレードのクリーニングを行った後、クリーニングブレードを元の位置に戻している。すると、例えば何らかの理由によりクリーニングブレードからトナーや外添剤が取り除けなかった場合には、感光体ドラムの同じ部位にこれらトナーや外添剤が当たってしまう。その結果、トナーや外添剤によって感光体ドラムの同一箇所がトナーや外添剤によって削られ、さらに傷つきが著しくなってしまうことになる。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ブレード部材への異物の付着や堆積を抑えると共に、ブレード部材の清掃対象である回転体の周方向の傷つきを抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される回転体のクリーニング装置は、回転可能に配設される回転体の回転方向に直交する方向に沿って延び、回転体に圧接配置されるブレード部材と、回転体が回転を停止しているときに、回転体の回転方向と直交する方向にブレード部材を移動させる移動機構とを含んでいる。
ここで、移動機構は、回転体の回転方向と直交する方向にブレード部材を往復運動させることを特徴とすることができる。また、移動機構は、ブレード部材の移動開始前と移動終了後とで、回転体に対するブレード部材の相対的位置を異ならせることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される回転体のクリーニング装置は、回転可能に配設される回転体の回転方向に直交する方向に沿って延び、回転体に圧接配置されるブレード部材と、回転体の回転方向と直交する方向にブレード部材をスライドさせるスライド機構とを含み、スライド機構は、ブレード部材のスライド開始前とスライド終了後とで、回転体に対するブレード部材の相対的位置を異ならせることを特徴としている。
ここで、スライド機構は、回転体の回転方向と直交する方向にブレード部材を往復運動させ、往復運動の開始前の位置とは異なる位置で往復運動終了後のブレード部材を停止させることを特徴とすることができる。また、スライド機構は、ブレード部材を往復運動させる際に、往路と復路とでブレード部材の移動速度を異ならせることを特徴とすることができる。さらに、回転体は、回転を開始するにあたって回転方向とは逆方向に回転した後に回転方向に回転することを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像形成装置は、回転可能に配設される像担持体と、像担持体を帯電する帯電器と、帯電器により帯電された像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光器と、露光器により形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、像担持体に形成されたトナーを記録材に転写する転写器と、像担持体の回転方向に直交する方向に沿って延びると共に像担持体に圧接配置され、像担持体に残留するトナーを掻き取るクリーニングブレードと、像担持体の回転方向と直交する方向にクリーニングブレードをスライドさせるスライド機構とを含み、スライド機構は、クリーニングブレードのスライド開始前とスライド終了後とで、像担持体に対するクリーニングブレードの相対的位置を異ならせることを特徴としている。
このような画像形成装置においては、像担持体が回転を停止しているときに、スライド機構を動作させる制御部とをさらに含むことを特徴とすることができる。また、制御部は、画像形成装置の電源が投入された後であって像担持体が回転を開始する前に、スライド機構を動作させることを特徴とすることができる。さらに、制御部は、像担持体の回転数、帯電器の使用時間、記録材へのプリント数、あるいは環境条件のうち、少なくとも一つが所定の値を超えた後に、スライド機構を動作させることを特徴とすることができる。
本発明によれば、回転体が回転を停止した状態でブレード部材を回転体の回転方向に直交する方向に移動させるようにしたので、ブレード部材への異物の付着や堆積を抑えると共に、ブレード部材の清掃対象である回転体の周方向の傷つきを抑制することができる。
また、本発明によれば、ブレード部材のスライド前後での位置を異ならせて、回転体とブレード部材との相対的位置を変えるようにしたので、ブレード部材への異物の付着や堆積を抑えると共に、ブレード部材の清掃対象である回転体の周方向の傷つきを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示している。この画像形成装置は、トナー像を形成する画像形成部10、画像形成部10で形成されたトナー像を記録材としての用紙Pに転写する転写部20、転写部20にて用紙Pに転写されたトナー像を定着する定着部30、用紙Pを搬送する用紙搬送部40、を備えている。また、画像形成装置は、おかれた環境条件(温度および湿度)を測定する環境センサ65、画像形成動作等の制御を行う制御部100を備えている。
画像形成部10は、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム11、感光体ドラム11を所定の電位に帯電させる帯電器12、光照射によって感光体ドラム11上に静電潜像を形成するレーザ露光器13を備えている。また、画像形成部10は、内部に収容される黒トナーにより感光体ドラム11上の静電潜像を現像して可視化する現像器14、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を構成するトナーの帯電量を転写前に調整するPTC(Pre-Transfer Corotron)15を備えている。さらに、画像形成部10は、転写後の感光体ドラム11上に残留する電荷(転写電界と同極性の電荷)を除去するPCC(Pre-Cleaning Corotron)16、感光体ドラム11上の残留トナーをクリーニングするドラムクリーナ17、光照射によりクリーニング後の感光体ドラム11表面を除電するイレーズランプ18を備えている。また、画像形成部10は、感光体ドラム11を回転させるためのドラム駆動モータ19を備えている。
回転体あるいは像担持体としての感光体ドラム11は、金属製の薄肉の円筒形ドラムの表面に有機感光層を形成したものからなり、有機感光層が負極性に帯電する材料で構成されている。また、帯電器12は、例えばスコロトロン帯電器にて構成されており、感光体ドラム11の感光層を−700Vに帯電する。そして、現像器14による現像は反転現像方式にて行われる。したがって、現像器14で使用されるトナーは負極性帯電タイプのものである。また、PTC15およびPCC16は、感光体ドラム11に対して非接触に配設されるコロトロン帯電器にて構成されており、負極性の放電を行っている。
また、ドラムクリーナ17は、回転可能に配設されるクリーニングブラシ51、このクリーニングブラシ51よりも感光体ドラム11の回転方向下流側で感光体ドラム11に対してカウンタ方向に圧接配置されるブレード部材としてのクリーニングブレード52を有している。また、ドラムクリーナ17は、これらクリーニングブラシ51およびクリーニングブレード52を収容するクリーナハウジング53を有している。このクリーナハウジング53の内部奥側には、クリーニングブラシ51やクリーニングブレード52によって除去されたトナー等の廃棄粉体を、図示しない回収ボトルへと搬送するオーガ54が配設されている。また、クリーニングブレード52の一端部は、クリーナハウジング53内に設けられるブレードホルダ55に固着されている。そして、ブレードホルダ55は、クリーナハウジング53の長手方向に対してスライド自在に配設されている。このため、クリーニングブレード52は、感光体ドラム11の軸方向に対してスライドできるようになっている。
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11、帯電器12、PTC15、PCC16、ドラムクリーナ17、イレーズランプ18を一体化し、プロセスカートリッジ60としている。このような構成を採用することで、画像形成装置の本体に対するプロセスカートリッジ60の着脱を容易にすることで、ユーザによる交換を可能としている。また、プロセスカートリッジ60には、不揮発性メモリユニット61が搭載されている。この不揮発性メモリユニット61には、例えば、感光体ドラム11の回転数、帯電器12の使用時間(高電圧印加時間)、プリント枚数など、そのプロセスカートリッジ60が装着された際の、各々のカートリッジ使用履歴情報が格納されている。プロセスカートリッジ60に不揮発性メモリユニット61が搭載されていることにより、プロセスカートリッジ60が異なる画像形成装置で用いられた場合であっても、トータルとしての自らの使用履歴情報を、プロセスカートリッジ60自らが保存することができる。その結果、プロセスカートリッジ60毎に、例えば、正しい寿命を判断することができる。
転写器としての転写部20は、二本のロール21、22に張架され矢印B方向に回動可能に配設される転写ベルト23、感光体ドラム11と転写ベルト23とが対向する部位に転写ベルト23と接するように設けられる転写ロール24、転写ベルト23の外周面をクリーニングするベルトクリーナ25、を備えている。そして、ベルトクリーナ25は、回転可能に配設されるクリーニングブラシ25a、クリーニングブラシ25aよりも転写ベルト23の回動方向下流側で転写ベルト23に対してカウンタ方向に圧接配置されるクリーニングブレード25b、これらクリーニングブラシ25aおよびクリーニングブレード25bを収容するハウジング25c、を有している。
転写ベルト23は、厚さ0.5mmのゴム系材料にて構成されている。そして、転写ベルト23を張架する二本のロール21,22のうち、ロール21は転写ベルト23を駆動する駆動ロールであり、ロール22は従動ロールである。本実施の形態では、駆動ロール21の軸の位置は固定される一方で、従動ロール22の軸の位置は矢印方向に移動可能となっており、通常は図示しない付勢機構により感光体ドラム11側に向けて付勢されている。そして、非画像形成時には、この付勢が解除されて転写ベルト23が感光体ドラム11から離間する。これにより、ゴム系材料にて構成される転写ベルト23の変形を抑制している。
さらに、定着部30は、図示しない加熱源を内蔵し回転可能に配設される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接配置される加圧ベルト32とを有している。
次に、用紙搬送部40について説明する。用紙搬送部40は、用紙Pを積載する用紙トレイ41を有している。また、用紙トレイ41の上部には、積載された用紙Pに接触して上面から取り上げる引き込みロール(ナジャーロール)42を有している。ナジャーロール42の下流側には、用紙Pを1枚ずつに捌く用紙捌き部43、その下流側には用紙Pを一旦停止させた後に所定のタイミングをもって再送するテイクアウェイロール44を有している。このテイクアウェイロール44の下流側には、原稿をさらに下流側まで搬送すると共にループ形成を行うプレレジロール45、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、転写部20に対してレジストレーション調整を施しながら用紙Pを供給するレジストレーションロール(レジロール)46を有している。
次に、この画像形成装置における作像プロセスについて説明する。
図示しないスキャナによって読み取られた画像データあるいは図示しないPC(Personal Computer)から出力された画像データは、図示しない画像処理部にて画像処理が施された後に、レーザ露光器13に出力される。
他方、感光体ドラム11は回転駆動され、その表面が帯電器12によって帯電された後、上述したレーザ露光器13から照射される露光ビームによって静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム11上に形成された静電潜像は、現像器14のトナーによって現像され、トナー像が形成される。そして、感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、PTC15によって帯電極性が揃えられた後、感光体ドラム11と転写ベルト23とが接する転写位置へと移動していく。
一方、用紙Pは、ナジャーロール42によって用紙トレイ41から取り出され、用紙捌き部43によって1枚ずつに捌かれた後、テイクアウェイロール44によって搬送され、プレレジロール45を通過してレジロール46に突き当たる位置まで搬送される。このとき、レジロール46を停止させた状態でプレレジロール45を回転させることで用紙Pにループを形成し、用紙Pの姿勢を補正する。レジロール46は、その後、所定のタイミングで回転を開始し、転写位置に対してタイミング調整を行いながら用紙Pを搬送する。
そして、感光体ドラム11と転写ベルト23とが接する転写位置において、感光体ドラム11と転写ロール24との間に印加される転写バイアスにより、感光体ドラム11上に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11に残存する残留トナーは、PCC16によって帯電された後、ドラムクリーナ17によって除去される。また、クリーニング後の感光体ドラム11表面はイレーズランプ18によって除電され、次の画像形成に備える。
また、トナー像が転写された用紙Pは、転写ベルト23によってさらに搬送された後、定着部30において加熱ロール31と加圧ベルト32とにニップされ、用紙P上のトナー像が用紙Pに加熱加圧定着される。
次に、本実施の形態で用いた帯電器12について詳細に説明する。図2(a)は、帯電器12の断面図を示している。帯電器12は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配設され、感光体ドラム11に対向する部位に正面開口が設けられた断面略E字型のシールドケース71を有している。また、帯電器12は、シールドケース71の長手方向両端に設けられた支持部材(図示せず)に支持されてシールドケース71の内側に張架される2本の放電ワイヤ72,73を有している。さらに、帯電器12は、シールドケース71の正面開口側に感光体ドラム11と対向して配設されるグリッド74とを備えている。
また、放電ワイヤ72,73には、直流または直流と交流とを重畳させた高圧電圧を印加する高圧電源75が接続されており、シールドケース71およびグリッド74には、これらシールドケース71およびグリッド74を一定電位に保持する目的で、バリスタ等の定電圧素子76が接続されている。ここで、グリッド74は、多数の通気孔が形成された金属製のメッシュにて構成される。なお、グリッド74としては、メッシュ状のものの他に、例えば板材に多数のスリットを形成したものを用いることもできる。
帯電器12では、放電に伴って生成される窒素酸化物等の汚れが放電ワイヤ72,73やグリッド74に付着すると、放電能力が低下し、感光体ドラム11の帯電電位が低下して画像不良を招いてしまうことになる。そこで、本実施の形態では、帯電器12をクリーニングする機構が設けられている。
図2(b)は帯電器12の放電ワイヤ72,73およびグリッド74を清掃する帯電クリーナ80を説明するための図であり、図3は、この帯電クリーナ80が装着された帯電器12の斜視図を示している。帯電クリーナ80は、グリッド74と接するように配設されたブラシ81と、放電ワイヤ72,73を挟み込むように構成されたパッド82,83とを有している。また、帯電クリーナ80は、これらブラシ81およびパッド82,83を保持する保持部材84を備えている。この帯電クリーナ80は、感光体ドラム11の軸方向に沿って移動可能に配設されており、保持部材84の上部には、螺旋状の溝が形成された貫通孔85が形成されている。また、この貫通孔85には、螺旋状の羽根が形成され、帯電器12の軸方向両端に設けられた支持部によって回動可能に支持されたスパイラルシャフト86が挿入されている。そして、スパイラルシャフト86の一端(本実施の形態では画像形成装置の奥側)には後述する駆動機構に装着するためのカップリング部材87が取り付けられている。
また、帯電クリーナ80は、図3に示すように、通常は帯電器12の一端部側(本実施の形態では本実施の形態では画像形成装置の手前側で感光体ドラム11の非画像形成領域と対向する位置)に停止するようになっており、画像形成動作を阻害しないように構成されている。そして、スパイラルシャフト86を回動させることにより、帯電クリーナ80を帯電器12の軸方向に移動させるようになっている。
図4は、画像形成装置にプロセスカートリッジ60が装着された場合における帯電クリーナ80の駆動機構を示す図である。なお、図4には、プロセスカートリッジ60を構成する各機構のうち、感光体ドラム11、帯電器12、およびドラムクリーナ17におけるクリーニングブレード52およびブレードホルダ55のみを示している。
画像形成装置の本体には、帯電クリーナ80を軸方向に移動させるためのクリーナ駆動モータ91が設けられており、このクリーナ駆動モータ91の回転軸には、歯車92が取り付けられている。この歯車92は、同軸上に設けられた中間歯車93,94を介して歯車95に駆動力を伝達している。そして、この歯車95の回転軸には、スパイラルシャフト86に取り付けられたカップリング部材87がはめ込まれるカップリング受け部材96が取り付けられている。
また、本実施の形態では、上述したクリーナ駆動モータ91を用いて、クリーニングブレード52も感光体ドラム11の軸方向に移動させることが可能となっている。すなわち、中間歯車93を介して歯車97に伝達された駆動力が、歯車を備えたフェースカム98に伝達されるようになっている。このフェースカム98は、斜め方向にカットされた面を有している。本実施の形態では、これらクリーナ駆動モータ91、中間歯車93、歯車97、フェースカム98等によって移動機構あるいはスライド機構が構成されている。
一方、クリーニングブレード52を保持するブレードホルダ55の一端部側(画像形成装置の奥側)には、軸方向に延びるシャフト56が突出配置されている。そして、このシャフト56の自由端部にはキャップ57が装着されており、このキャップ57が上述したフェースカム98の面に当接している。また、ブレードホルダ55のもう一方の一端部側(画像形成装置の手前側)には、バネ58が装着されており、ブレードホルダ55をフェースカム98に向けて付勢している。なお、これらクリーナ駆動モータ91、中間歯車93、歯車97、フェースカム98等も、上述した移動機構あるいはスライド機構を構成している。
ここで、図5(a)〜(b)は、フェースカム98の回転動作に伴うブレードホルダ55およびブレードホルダ55に取り付けられたクリーニングブレード52の動作を説明するための図である。
フェースカム98が回転すると、フェースカム98とブレードホルダ55に取り付けられたシャフト56(キャップ57)との当接位置が感光体ドラム11の軸方向に変動する。このとき、ブレードホルダ55は、バネ58によりフェースカム98に向けて付勢されている。シャフト56が装着されるブレードホルダ55は、感光体ドラム11の軸方向にスライドする。その結果、ブレードホルダ55に取り付けられたクリーニングブレード52も、感光体ドラム11の軸方向に移動することになる。したがって、例えばフェースカム98を一回転させると、クリーニングブレード52は感光体ドラム11の軸方向に沿って一往復することになる。
次に、上述したクリーナ駆動モータ91を駆動することにより、帯電器12を構成する放電ワイヤ72,73のクリーニング、および、ドラムクリーナ17を構成するクリーニングブレード52と感光体ドラム11との間に挟まったトナー等の除去が同時に行われる。
次に、このクリーニング動作の実行タイミングについて説明する。
図6は、制御部100の機能ブロック図を示している。但し、図6には、帯電器12およびドラムクリーナ17のクリーニング動作に関連する機能ブロックのみを示している。制御部100のCPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従い、RAM103との間で適宜データのやりとりを行いながら処理を実行する。また、この制御部100には、入出力インタフェース104を介して、不揮発性メモリユニット61に格納された感光体ドラム11の回転数、帯電器12の使用時間(高電圧印加時間)、トータルのプリント枚数が入力される。また、制御部100には、環境センサ65からの環境情報(温度、湿度情報)が入力される。一方、制御部100は、入出力インタフェース104を介して、クリーナ駆動モータ91およびドラム駆動モータ19を制御する。
次に、図7を参照しながら、帯電器12およびドラムクリーナ17のクリーニング決定プロセスについて説明する。
このプロセスでは、まず、感光体ドラム11の回転数が、予め定められた所定の回転数(例えば10000回転)を超えたか否かを判断する(ステップ101)。ここで、感光体ドラム11の回転数が所定の回転数を超えていない場合には、次に、帯電器12の使用時間が予め定められた所定の時間(例えば500時間)を超えたか否かを判断する(ステップ102)。そして、帯電器12の使用時間が所定の時間を超えていない場合には、次に、プリント枚数が予め定められた所定の枚数(例えば1000枚)を超えたか否かを判断する(ステップ103)。さらに、プリント枚数が所定の枚数を超えていない場合には、次に、環境センサ65で測定された温度が予め定められた所定の許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップ104)。そして、温度が所定の温度範囲内にある場合には、次に、環境センサ65で測定された湿度が予め定められた所定の許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップ105)。ここで、湿度が予め定められた所定の許容温度内にある場合には、ステップ101へと戻る。
一方、ステップ101において感光体ドラム11の回転数が所定の回転数を超えていた場合、ステップ102において帯電器12の使用時間が所定の時間を超えていた場合、ステップ103においてプリント枚数が所定の枚数を超えていた場合、ステップ104において温度が所定の温度範囲内になかった場合、ステップ105において湿度が予め定められた所定の許容温度内になかった場合は、次の画像形成動作を開始する前にクリーニング動作を実行し(ステップ106)、処理を終了する。
では、帯電器12およびドラムクリーナ17のクリーニング動作について、図8に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、帯電器12およびドラムクリーナ17のクリーニング動作は、上述した条件を満足した場合の他、画像形成装置のスイッチが投入されたとき(主電源が入ったとき)にも行われる。
主電源が投入されていないとき、ドラム駆動モータ19およびクリーナ駆動モータ91は停止しており、帯電クリーナ80およびクリーニングブレード52も停止している。
次に、主電源が投入されると、その直後、クリーナ駆動モータ91が正方向に速度V1で回転駆動される。このとき、ドラム駆動モータ19は停止したままの状態を維持する。クリーナ駆動モータ91が正方向に回転駆動されると、スパイラルシャフト86が回動し、これに伴って帯電クリーナ80が正方向(図4において手前側から奥側)に移動していく。帯電クリーナ80の移動に伴って、放電ワイヤ72,73はパッド82,83によりクリーニングされ、グリッド74はブラシ81によりクリーニングされる。また、クリーナ駆動モータ91が正方向に回転駆動されると、フェースカム98が回転し、これに伴ってクリーニングブレード52が感光体ドラム11の軸方向に沿って往復運動を開始する。
次に、帯電クリーナ80が帯電器12の画像形成装置奥側端部に到達するタイミングで、クリーナ駆動モータ91が今度は逆方向に速度V2で回転駆動される。このときも、ドラム駆動モータ19は停止したままの状態を維持する。クリーナ駆動モータ91が逆方向に回転駆動されると、スパイラルシャフト86が逆方向に回動し、これに伴って帯電クリーナ80が逆方向(図4において奥側から手前側)に移動していく。帯電クリーナ80の移動に伴って、放電ワイヤ72,73はパッド82,83によりクリーニングされ、グリッド74はブラシ81によりクリーニングされる。また、クリーナ駆動モータ91が逆方向に回転駆動されると、フェースカム98が逆回転し、これに伴ってクリーニングブレード52が感光体ドラム11の軸方向に沿って往復運動を続ける。
そして、帯電クリーナ80が帯電器12の画像形成装置手前側端部にほぼ到達するタイミングで、クリーナ駆動モータ91の駆動が停止される。クリーナ駆動モータ91の駆動停止に伴って、帯電クリーナ80およびクリーニングブレード52も停止する。
なお、クリーナ駆動モータ91が逆方向に回転駆動される場合、その回転速度V2は、正方向の回転速度V1よりも低速に設定される。なお、図8には、逆方向の回転速度V2が正方向の回転速度V1の略半分に設定される例を示しており、帯電クリーナ80の挙動に着目すると、往路(画像形成装置の手前側から奥側)に比べて復路(画像形成装置の奥側から手前側)に、ほぼ倍の時間がかかっていることが理解される。本実施の形態では、クリーニングブレード52が感光体ドラム11に接触した状態で往復運動するため、クリーニングブレード52が変形する可能性がある。そこで、このような速度設定を行うことにより、ある程度の高速化を行いながら、クリーニング終了後のクリーニングブレード52の変形を抑えることができる。
そして、クリーナ駆動モータ91の駆動が停止されてから所定の期間が経過した後、ドラム駆動モータ19の駆動が開始される。ドラム駆動モータ19は、まず、感光体ドラム11を正方向(図1に示すA方向)の逆方向にわずかに回転させる。そして、ドラム駆動モータ19は、感光体ドラム11を正方向に回転させ、以後、画像形成が行われる。ここで、感光体ドラム11を最初に逆方向に回転させているのは、往復運動によってクリーニングブレード52にかかっていた負荷を開放させるためである。
なお、図8では、主電源の投入に伴って行われるクリーニング動作を示しているが、図7で説明した条件を満足した場合にも、画像形成動作を開始する前に上述した手順で帯電器12およびドラムクリーナ17のクリーニング動作が行われる。
このように、本実施の形態では、画像形成動作を開始する前に、感光体ドラム11を停止させた状態で、感光体ドラム11に圧接配置されるクリーニングブレード52を軸方向に往復運動させ、クリーニングブレード52のブレードエッジに付着するトナー等の異物や感光体ドラム11とクリーニングブレード52との間に挟まった異物を除去するようにした。これにより、効果的に異物を取り除くことが可能となる。つまり、クリーニングブレード52への異物の付着や堆積を抑えることができ、長期にわたって良好なクリーニング性を得ることができる。また、本実施の形態では、感光体ドラム11の回動を停止した状態でクリーニングブレード52の往復運動を行わせているため、感光体ドラム11を回動させながらクリーニングブレード52の往復運動を行わせる従来の方式と比較して、感光体ドラム11の周方向への傷つきを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、帯電器12をクリーニングする帯電クリーナ80の駆動源とクリーニングブレード52を往復運動させるための駆動源とを共用化しているため、装置構成を簡易化、小型化できると共に、かかるコストも低減することができる。
また、本実施の形態では、クリーニングブレード52の往復動作を行う前後で、感光体ドラム11とクリーニングブレード52との相対的な位置関係をわずかにずらすようにしている。具体的には、図8に示すタイミングチャートにおいて、クリーナ駆動モータ91の逆回転時間tを毎回わずかに変化させている。なお、ずらす量は例えば0.5mm程度で十分である。
感光体ドラム11とクリーニングブレード52との相対的な位置関係をわずかにずらすと、感光体ドラム11に対するクリーニングブレード52の当接部位が変わる(例えば図5を参照)。このため、往復動作によってクリーニングブレード52のブレードエッジに付着したトナーが除去できなかった場合にも、この部位は感光体ドラム11の他の部位に当接することになり、感光体ドラム11の同じ領域だけが連続して傷つけられ、周方向に深い傷になってしまう事態を防止することができる。
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11に設けられたドラムクリーナ17のクリーニングブレード52をクリーニングする例について説明を行ったが、これに限られるものではなく、例えばベルトクリーナ25に設けられたクリーニングブレード25bに適用することもできる。また、本実施の形態では、帯電器12のクリーニング動作およびドラムクリーナ17のクリーニング動作を共通のクリーナ駆動モータ91で行うようにしていたが、別々に行ってもよい。さらに、本実施の形態では、フェースカム98を用いてクリーニングブレード52の往復運動を行わせていたが、これに限られるものではなく、他の方式を用いてもよいことは勿論である。
本実施の形態が適用される画像形成装置を示す図である。 (a)は帯電器の断面を、(b)は帯電クリーナが装着された帯電器の断面を、それぞれ示す図である。 帯電器の構成を示す斜視図である。 帯電クリーナおよびクリーニングブレードの駆動機構を示す斜視図である。 (a)(b)はフェースカムの回転動作に伴うクリーニングブレードの動作を説明するための図である。 制御部の機能ブロック図である。 帯電器およびドラムクリーナのクリーニング決定プロセスを示すフローチャートである。 帯電器およびドラムクリーナのクリーニング動作を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、17…ドラムクリーナ、19…ドラム駆動モータ、20…転写部、30…定着部、40…用紙搬送部、51…クリーニングブラシ、52…クリーニングブレード、53…クリーナハウジング、54…オーガ、55…ブレードホルダ、56…シャフト、57…キャップ、58…バネ、60…プロセスカートリッジ、61…不揮発性メモリユニット、65…環境センサ、71…シールドケース、72,73…放電ワイヤ、74…グリッド、80…帯電クリーナ、81…ブラシ、82,83…パッド、84…保持部材、85…貫通孔、86…スパイラルシャフト、87…カップリング部材、91…クリーナ駆動モータ、98…フェースカム、100…制御部

Claims (11)

  1. 回転可能に配設される回転体の回転方向に直交する方向に沿って延び、当該回転体に圧接配置されるブレード部材と、
    前記回転体が回転を停止しているときに、当該回転体の回転方向と直交する方向に前記ブレード部材を移動させる移動機構と
    を含む回転体のクリーニング装置。
  2. 前記移動機構は、前記回転体の回転方向と直交する方向に前記ブレード部材を往復運動させることを特徴とする請求項1記載の回転体のクリーニング装置。
  3. 前記移動機構は、前記ブレード部材の移動開始前と移動終了後とで、前記回転体に対する当該ブレード部材の相対的位置を異ならせることを特徴とする請求項1記載の回転体のクリーニング装置。
  4. 回転可能に配設される回転体の回転方向に直交する方向に沿って延び、当該回転体に圧接配置されるブレード部材と、
    前記回転体の回転方向と直交する方向に前記ブレード部材をスライドさせるスライド機構とを含み、
    前記スライド機構は、前記ブレード部材のスライド開始前とスライド終了後とで、前記回転体に対する当該ブレード部材の相対的位置を異ならせることを特徴とする回転体のクリーニング装置。
  5. 前記スライド機構は、前記回転体の回転方向と直交する方向に前記ブレード部材を往復運動させ、当該往復運動の開始前の位置とは異なる位置で当該往復運動終了後の当該ブレード部材を停止させることを特徴とする請求項4記載の回転体のクリーニング装置。
  6. 前記スライド機構は、前記ブレード部材を往復運動させる際に、往路と復路とで当該ブレード部材の移動速度を異ならせることを特徴とする請求項5記載の回転体のクリーニング装置。
  7. 前記回転体は、回転を開始するにあたって前記回転方向とは逆方向に回転した後に当該回転方向に回転することを特徴とする請求項4記載の回転体のクリーニング装置。
  8. 回転可能に配設される像担持体と、
    前記像担持体を帯電する帯電器と、
    前記帯電器により帯電された前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光器と、
    前記露光器により形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、
    前記像担持体に形成されたトナーを記録材に転写する転写器と、
    前記像担持体の回転方向に直交する方向に沿って延びると共に当該像担持体に圧接配置され、当該像担持体に残留するトナーを掻き取るクリーニングブレードと、
    前記像担持体の回転方向と直交する方向に前記クリーニングブレードをスライドさせるスライド機構とを含み、
    前記スライド機構は、前記クリーニングブレードのスライド開始前とスライド終了後とで、前記像担持体に対する当該クリーニングブレードの相対的位置を異ならせることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記像担持体が回転を停止しているときに、前記スライド機構を動作させる制御部と
    をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記画像形成装置の電源が投入された後であって前記像担持体が回転を開始する前に、前記スライド機構を動作させることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記像担持体の回転数、前記帯電器の使用時間、前記記録材へのプリント数、あるいは環境条件のうち、少なくとも一つが所定の値を超えた後に、前記スライド機構を動作させることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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