JP2006194258A - 断熱パネルおよび断熱箱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】箱体としての高い断熱性能を確保した上で、製造、保管、搬送、施工、信頼性維持の面でのコスト低減を図る。
【解決手段】断熱パネル101は、間隔を空けて互いに対向する面材102と、面材102間の内部空間に配設されている真空断熱材103と、面材102間の内部空間に充填発泡される充填断熱材104と、断熱性能を識別する手段109とで構成され、真空断熱材103の仕様を変更することにより、断熱性能が調節可能であり、断熱パネル101の厚み種類を削減することができると共に断熱パネル101の厚みを低減することができ、かつその断熱性能を容易に識別することが出来るため、断熱パネルの製造、保管、搬送コストを低減することができる。更に、断熱パネル101内部に真空断熱材103を複層することにより、ひび割れの成長を抑制することができるため、断熱箱体113の長期信頼性を確保できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、断熱パネルおよびその断熱パネルを用いて低温や高温に温度を一定に保つ断熱箱体に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から様々な分野で省エネルギー化が大きな課題となっている。中でも食品の冷凍冷蔵や室内空間の温度制御に必要となる電気エネルギーの省力化も必須課題であり、様々な取組みがなされている。
本課題を解決する一つの策として、食品の冷凍や冷蔵に用いる大型倉庫や小型プレハブを構成する断熱パネルの断熱性能を高めるべく、断熱パネルに真空断熱材を用いることが考案された。具体的には、真空断熱材だけで断熱パネルを構成することは、生産性や信頼性の観点から極めて困難なため、断熱パネル内部に真空断熱材を配設した後、断熱パネル内に充填断熱材を充填し、断熱パネルを構成する方法がとられてきた(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上述した従来の断熱パネルを説明する。
図7は、特許文献1で開示された断熱パネル1の正面図である。図7において、断熱パネル1は、間隔を空けて互いに対向している一対の面材2と、この面材2間の内部空間に配置されている複数個の真空断熱材3と、面材2間の真空断熱材3以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材4と、対向する面材2を連結して断熱パネル1を略密閉空間として構成するための枠材5とを備えている。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下その作用を説明する。
対向する面材2の内部に真空断熱材3が複数個設けられているため、施工時に所定寸法に断熱パネル1を切断する場合などにおいても、全ての真空断熱材3が破袋して断熱性能が悪化するといったことがなく、現場施工にて切断したとしても、充填断熱材4のみで構成される断熱パネル1よりも優れた断熱性能を有することができる。
一方、温度帯の異なる複数の保冷室を有する冷凍冷蔵倉庫の場合や、極低温の冷凍庫においては、断熱パネルの厚さを変えることにより庫内の断熱性能を維持している。特にマグロなどの冷凍倉庫では、一般的冷凍温度である−25℃よりも非常に温度の低い−60℃程度の極低温を維持する必要があるため、150から200mm程度の断熱パネルに別の断熱パネルを重畳する、若しくは施工現場において200mm程度の断熱パネルに発泡性樹脂材料を吹き付けることにより、400mm程度の極めて厚い断熱壁を構成して高い断熱性能を実現している。また、幾層かの断熱層を組み合わせることにより、庫内外の温度差などによるひび割れによる断熱性能の劣化を抑制し長期信頼性を確保している(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上述した従来の断熱パネルを説明する。
図8は、特許文献2で開示された冷凍冷蔵倉庫6を構成する断熱壁7の断面図である。図8において、断熱壁7は、断熱パネル1と現場にて吹き付け施工された充填断熱材4とを備え、断熱パネル1は対向する面材2を備えている。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下その作用を説明する。
マグロ用の冷凍倉庫のように庫内を−60℃程度まで下げる冷凍庫では、冷やし込み開始時に生じる充填断熱材4の収縮などにより、充填断熱材4にひびが発生するが、断熱パネル1と充填断熱材4の二層構造を成しているため、ひびの進行を断熱パネル1の面材2で止め、断熱性能の低下を抑制することができる。また、断熱パネル1の庫内側に充填断熱材4を吹き付けることにより、断熱パネル1の庫外側面材2で湿気の透過を遮断することが出来るため、断熱壁7の断熱性能低下を抑制することが出来る。
特開平10−219866号公報 特開平11−337256号公報
しかしながら、上記従来の構成では、温度帯の異なる複数の保冷室を有する場合には温度帯毎に断熱パネル1の壁厚を変える必要があるため、例えば壁厚の異なる断熱パネル1の接合に用いる専用部品や専用断熱パネルが必要なため部品点数や種類が多く画一的に施工できないので、施工コストの低減という課題を有していた。
また、何種類もの壁厚の異なる断熱パネル1を製造するためにはそれに相当した製造冶具などを保有する必要があるので、断熱パネル1自体の製造コスト低減という課題も有していた。
更に、マグロの保冷に必要とされる200から400mmの断熱壁を施工するためには200mmの断熱パネルを重畳したり現場発泡を行うので、施工コストの低減という課題があるばかりか、200mmもの厚みの断熱パネルを大量に製造工場から施工現場まで搬送する搬送コストや保管コストの低減も大きな課題であった。
一方、従来から断熱パネルに真空断熱材を適用し断熱性能を高めるための考案や、現場加工性を高めるための考案は数多くなされてきたが、上述した課題を解決するための考案はなされていない。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、箱体としての高い断熱性能を確保した上で、製造、保管、搬送、施工、信頼性維持の面でのコスト低減を図ることができる真空断熱材を用いた断熱パネルを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の断熱パネルは、複層する真空断熱材の仕様を調節することにより、断熱パネルの断熱性能を任意に調節することができる。
また、面材に凹凸のあるキースパンパネルに対しては、凹凸部の機密性を確保し安定した断熱性能を確保できるように真空断熱材を配設するので、平滑な面材で構成される断熱パネルと同様に、真空断熱材の仕様を調節することにより断熱性能を任意に調節することができる。
つまり、断熱パネルの厚みを一定としたままで断熱性能を調節することができるため、従来に比べて断熱パネルの厚み種類を大幅に削減することができるという作用を有する。また、厚みの薄い寸法に統一することにより、従来の断熱パネルに比べて厚みを劇的に低減することができるという作用を有する。更に、厚みを薄くすることで重量を削減することができるという作用も期待できる。
本発明の断熱パネルは、従来の断熱パネルの何種類もの厚み種類を大幅に削減すると共に、その厚み自体を劇的に薄肉化することにより、高い断熱性能を確保した上で製造、保管、搬送コストを削減することができると共に、冷凍冷蔵倉庫や保冷庫の施工コストや信頼性維持にかかるコストの削減を可能とすることができるという効果を有する。
請求項1に記載の断熱パネルの発明は、間隔を空けて互いに対向する面材と、前記面材間の内部空間に配設されている真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材と、断熱性能を識別する手段とで構成される断熱パネルにおいて、前記真空断熱材の仕様を変更することにより断熱性能が調節可能であるものであり、断熱パネルの厚み種類を削減することができると共に断熱パネルの厚みを低減することができ、かつその断熱性能を容易に識別することが出来ることとなり、断熱パネルの製造、保管、搬送コストを低減することができる。
請求項2に記載の断熱パネルの発明は、間隔を空けて互いに対向する面材と、前記面材間の内部空間に配設されている真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルにおいて、前記面材の少なくとも一方が凹凸を有する場合には、凹凸部の密閉性を確保するように前記真空断熱材を配設するものであり、高い断熱性能を安定して確保することができることとなり、面材に凹凸を有する断熱パネルの厚さを低減することができる。
請求項3に記載の断熱パネルの発明は、請求項2に記載の発明に加えて、断熱性能を識別する手段を備え、前記真空断熱材の仕様を変更することにより断熱性能が調節可能であるものであり、断熱パネルの厚み種類を削減することができ、かつその断熱性能を容易に識別することが出来ることとなり、断熱パネルの製造、保管、搬送コストを低減することができる。
請求項4に記載の断熱パネルの発明は、請求項1または3に記載の発明において、前記真空断熱材の厚みを変更することにより断熱性能が調節可能であるものであり、真空断熱材の構成部品の種類を変えることなく容易に断熱性能を調節することが可能となり、断熱パネルの製造コストを更に削減することができる。
請求項5に記載の断熱パネルの発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記面材端部に断熱強化手段を設けたものであり、真空断熱材の断熱効果により、従来より大幅に薄肉化した断熱パネルの面材端部での断熱性能を強化することとなり、面材端部での結露を阻止することができる。
請求項6に記載の断熱パネルの発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明における前記真空断熱材が、複数の芯材から構成され、かつ各々の芯材が独立に真空包装されているものであり、釘打ちなどの現場施工により断熱パネル全体の断熱性能が低下することを防止することとなり、断熱パネルの信頼性を高めることができる。また、1枚の断熱パネルに複数の真空断熱材を複層する手間を削減することができる。
請求項7に記載の断熱パネルの発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明に加えて、施工方向を識別する手段を設けたものであり、より温度の低い面に間違いなく真空断熱材を配設することができることとなり、真空断熱材の断熱性能の経年劣化を抑制することができる。
請求項8に記載の断熱箱体の発明は、温度帯の異なる複数の断熱室を有する断熱箱体において、請求項1から7のいずれか一項に記載の断熱パネルを適用したものであり、断熱パネルの厚み寸法を一定にすることができるため、施工部品や断熱パネルの種類を大幅に削減することが出来ることとなり、施工コストを大幅に削減することができる。
請求項9に記載の断熱箱体の発明は、庫内温度が−30℃以下の極低温となる断熱箱体において、請求項1から8のいずれか一項に記載の断熱パネルを適用したものであり、200mm程度の断熱パネルにて断熱性能を確保することが出来ることとなり、断熱パネルを重畳するあるいは現場発泡を併用するといった施工コストを大幅に削減することができる。
また、真空断熱材を庫内側に配設することにより、極低温での運転開始時などに充填断熱材に生じるひび割れを抑制することができ、かつ庫外側からの湿気の侵入は庫外側面材で遮断することができるため高い信頼性を確保することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における断熱パネルを連結してなる冷凍冷蔵倉庫の縦断正面図である。図2は、同実施の形態の断熱パネルの正面図である。図3は、同実施の形態の断熱パネルの水平断面図である。図4は、同実施の形態の断熱パネル接合部の要部断面図である。図5は、同実施の形態の断熱パネルの断熱性能の特性図である。図6は、同実施の形態の断熱パネルを連結して異温度帯の保冷室を構成した場合の断熱箱体接続部の要部断面図である。
まず、冷凍冷蔵倉庫120内部に構成された断熱箱体113の基本的な構成について説明する。断熱箱体113は、冷凍冷蔵倉庫120の建物躯体121に連結された吊り下げ部材124を介して建物躯体121に連結支持されている。また、断熱箱体113は、複数の断熱パネル101を連結して構成されることにより、略密閉した保冷室を構成している。なお、床面は、地面を掘り下げた後に充填断熱材104を吹き付け施工した上にコンクリート125を施工することにより断熱している。
一方、庫内を一定温度に維持するために、断熱箱体113の断熱性能を基にして能力設計された冷却システム(図示せず)が取り付けられており、断熱箱体113内部を所定の温度に保つ構成としている。
なお、本実施の形態の断熱箱体113は、0℃から5℃程度の温度に保つ冷蔵室122と、−25℃以下の温度に保たれる冷凍室123という温度帯の異なる保冷室が設けられた構成としている。
断熱パネル101は、大別すると断熱箱体113の天井を構成するパネルと、側壁を構成するパネルと、開閉部材やガスケットを設けることにより開閉自在に取り付けられた扉パネルに分けることができる。
断熱パネル101は幅900mmが基本寸法であり、高さはニーズ応じて1800mm程度以上の様々な寸法が用意されており、天面は長さ2400mmから2700mmの断熱パネル101を基本に構成され、本実施の形態のような冷凍冷蔵倉庫120を構成する断熱箱体113の壁面は、6000m程度にも及ぶ大型の断熱パネル101が用いられる場合が多い。
次に、断熱パネル101の基本構成について説明する。断熱パネル101は、互いに間隔を空けて対向する一対の略矩形の面材102と、面材102の端部に配設されている枠材105を備えており、面材102の端部に形成されたフランジ102fが枠材105に設けられた切り欠き部105cに差し込まれた構成としている。
面材102は、厚み0.4mmから0.5mm程度の圧延鋼板を用いることが一般的であり、枠材105は、本実施の形態では断熱性を有しかつ若干の弾力性を有する押出し成形による発泡ポリスチレンを用いている。発泡ポリスチレンの熱伝導率は0.030W/mK程度であり、基本厚みはおよそ10mmとしている。また、枠材105は、互いに断面形状が異なる凸型枠材105aと凹型枠材105bとにより構成されており、枠材の沿面距離は断熱パネル101の厚みに比べて1.5倍好ましくは2倍以上の長さになるように構成されている。そして、断熱パネル101は、枠材105同士を突き合わした後、シリコンなどの目地シール材112で固定され連結される。参考までに、目地シール112をなすシリコンの熱伝導率は0.2W/mK程度が一般的である。
なお、本実施の形態では冷蔵室122を構成する断熱パネル101aは、壁厚42mmに10mmの厚みの真空断熱材103aを複層しており、冷凍室123を構成する断熱パネル101bは壁厚42mmに20mmの厚みの真空断熱材103bを複層する構成としている。
ここで、断熱パネル101の面材102表面には、断熱性能識別手段109と、真空断熱材103の複層部位を表示することによる施工方向識別手段111としてラベル109,111を貼り付けている。
一方、真空断熱材103は、両面テープやホットメルトで断熱箱体101の面材102に密着固定する方法、或いはスペーサーなどの部材を用いて面材102に間接的に固定する方法により固定する。本実施の形態では、凹凸のあるキーストンパネルに真空断熱材103を複層する例として、凹凸のある面材側を避け平滑な面材102に直接固定する方法を用いている。
そして真空断熱材103が配設された後、充填断熱材104であるウレタンフォームを断熱パネル101内部に充填発泡し、断熱パネル101内の空間を埋めることにより、断熱パネル101が完成する。ここで、ウレタンフォーム104の熱伝導率は0.02W/mK程度である。
次に、真空断熱材103の構成およびその配設方法について更に詳しく述べる。
真空断熱材103は、粉体や発泡体或いは繊維から成る芯材116と、ガスバリア性のあるフィルムから成り、金属箔フィルム114であるアルミ箔フィルムと、金属蒸着フィルム115であるアルミ蒸着フィルムとから構成されている。
ここで、両フィルムは、大別して、熱溶着層と、ガスバリア層と、保護層の3層構造を成し、金属箔フィルム114はガスバリア層としてアルミ箔層を採用し、金属蒸着フィルム115はガスバリア層としてアルミ蒸着層を採用している。
そして真空断熱材103は、アルミ箔フィルム114とアルミ蒸着フィルム115の間に、単独或いは複数の芯材116を挟んで真空引きした後に、両フィルムを熱溶着して完成する。
その結果、真空断熱材103は、熱伝導率で0.002〜0.005W/mK程度の性能を有し、ウレタンフォーム104の熱伝導率に対して4〜10倍の高い断熱性能を得ることが出来る。なお、本実施の形態の真空断熱材103では、溶着部117の幅はガスバリア性を十分確保できる3mmから5mm程度にしている。
なお、真空断熱材103の断熱パネル101への組み付けに際しては、真空断熱材103の端部と枠材105の間隔が約5mm程度以下になるように配置しており、部分的に接触するほど近接して構成している。
本実施の形態では、天面を構成する断熱パネル101の寸法2700mm×900mmに対して530mm×430mm程度の芯材116を10個並べて形成した真空断熱材103を複層することが可能であり、この場合には断熱パネル101の面積に対する芯材116の面積の比率(以下、被複率とする)は93%程度の高比率を達成できる。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下にその動作、作用を説明する。
まず、断熱パネル101は、93%もの被複率を達成できるため、真空断熱材103の高い断熱性能を効率よく引き出すことが出来る。また、図3に示すように面材102に凹凸のあるキーストンパネルにおいても凹凸部と間隔を空けて真空断熱材103を配設することにより、充填断熱材であるウレタンフォーム104の流動性を妨げるがないため、空隙なくウレタンフォームを確実に充填することができ、安定した断熱性能を得ることが出来る。
その結果、複層する真空断熱材103の芯材116の厚みに応じて、断熱方向の合成熱伝導率の理論に則って、理論値に近い断熱性能を得ることができ、比較的容易に断熱性能を調節することが出来る。
なお、本実施の形態では、真空断熱材103の芯材116の厚みにより、断熱性能を調節しているが、真空断熱材103内部の真空度によっても断熱性能の調節が可能であり、この場合には、芯材116の仕様を変えることなく製造工程における真空引き時間を調節するだけで、断熱性能を調節することが出来るため、非常に効率よく様々な断熱性能の真空断熱材103を提供することが可能となる。
更に、真空断熱材103の金属蒸着フィルム115側を面材102に向けて配設していることにより、芯材116の周囲にある溶着部117に向けて熱が伝導する現象を抑制することができるため、ヒートブリッジ現象を低減して断熱パネル101の断熱性能を更に高めることができる。
ここで、本実施の形態の断熱パネル101は、図2に示すように断熱性能識別手段109を備えているため全く厚みが同一の断熱パネル101であっても確実に断熱性能を識別することが出来るため建設現場での施工においても断熱パネル101の施工ミスを発生させる心配が無い。
更に、本実施の形態では、図4に示すように、断熱パネル101の接合部において、面材102のフランジ部102fを枠材105の切り欠き部105cに差し込むと共に、枠材105の沿面距離を、断熱パネル101の厚みの1.5倍好ましくは2倍以上長くし、かつ真空断熱材103を枠材105の極近傍まで配設することにより、断熱強化手段110を構成することが出来るため、断熱パネル101の接合部における断熱性能を高めることが可能であり、庫内が−25℃以下、特にマグロの冷凍温度である−60℃であっても断熱パネル101の厚みが42mm程度で結露を阻止することが可能となる。
図5には、断熱パネル101の厚みが42mm、100mm、200mmの場合において、複層する真空断熱材103の芯材116の厚みを変化させたときの断熱性能の特性図として断熱パネル101の熱貫流率であるK値を比較している。
図5より、厚み42mmの断熱パネル101に10mm程度の真空断熱材103を複層することにより、ウレタンフォームのみにより断熱される厚み100mmの断熱パネル以上の断熱性能を得ることが出来ることがわかる(図中記号A)。
更に、20mm程度の真空断熱材103を複層することにより、ウレタンフォームのみからなる厚み200mmの断熱パネル101同等の断熱性能を得ることが出来る(図中記号B)ことが確認できる。また、厚み100mmに断熱パネル101に10mm程度の真空断熱材103を複層することによっても、厚み200mmのウレタンフォーム104からなる断熱パネル101と同等以上の断熱性能を得ることが出来る(図中記号C)。
本作用を利用することにより、本実施の形態の冷凍冷蔵倉庫120内部に構成される温度帯の異なる二室からなる断熱箱体113の断熱パネル101を、同じ厚みの断熱パネル101で構成することが出来る。冷蔵室122を形成する断熱パネル101aは厚み10mmの真空断熱材103aを複層しているため、ウレタンフォーム104のみからなる厚み100mmの断熱パネル以上の断熱性能を有することから、ウレタンフォーム104で構成される厚み42mmの従来の冷蔵専用断熱パネルと比較して断熱箱体113の断熱性能を大幅に高めることが出来る。
その結果、冷蔵室122の冷却に必要となる消費電力量を、大幅に低減することが出来る。一方、冷凍室123を構成する断熱パネル101bは、厚み42mmの断熱パネル101bに厚み20mmの真空断熱材103bを複層しているため、ウレタンフォーム104のみからなる厚み200mmの断熱パネルと同等の断熱性能を得ることが出来る。
その結果、隣接する異温度帯の保冷庫に用いる断熱パネル101の厚みを42mmに統一することで、断熱パネル101の製造コストの低減に貢献する。また従来200mmであった断熱パネル101の厚みを42mmに低減することが出来るため、搬送コストや施工コストを劇的に低減することが出来る。
なお、本実施の形態では、厚みの異なる42mmと200mmの断熱パネルを42mmの断熱パネルに集約したが、実際には断熱性能に応じて42mmから200mmまで何種類もの厚み種類が存在する。
これに対し、本実施の形態のように真空断熱材103の厚みや真空度をといった仕様を調節することにより、2種類程度に厚み種類を集約することが可能となるため、断熱パネルの製造冶具などを集約でき製造コストを大幅に削減できる。
また、真空断熱材103は、複数の芯材116で構成されているため、冷却システム(図示せず)の配管用の貫通孔などを現場施工する部位において、局所的に断熱性能が低下するのみであり、断熱パネル101全体の断熱性能が低下することはなく、面材102の接線方向の熱伝導により急激に面材102の表面温度が低下することがないため、結露が生じる心配もほとんど無い。
更に、冷却システムの貫通孔などは、予め設計段階で位置決めすることが可能であるため、この場合には施工に合わせて芯材116の配置パターンを適正化することにより、断熱性能をほとんど劣化させない施工も可能である。
なお、本実施の形態では、複数の芯材116で構成される真空断熱材103を用いているが、単一の芯材116からなる大きさの異なる真空断熱材103を複数用いて、配設パターンを適正化することによっても、同様の効果を得ることが出来る。
また、冷凍庫123が−60℃のマグロ冷凍庫である場合には、庫内の極低温が原因してウレタンフォームのひび割れが心配されるが、本実施の形態では施工方向識別手段111として面材102にラベルを貼っているため、低温側の面材102に真空断熱材103を配設することが可能であり、ひび割れの発生を抑制することが出来ると共に、万が一ひび割れが発生した場合にも、その成長を抑制することができる。
この結果、急激な断熱性能の劣化を招くことなく信頼性の高い断熱箱帯113を提供することが出来る。なお、断熱パネル102が面材102により構成されていることにより、庫外側の湿気が断熱パネル101内部に進入する心配が無いことは言うまでも無い。
以上のように、本発明にかかる断熱パネルは、施工性を考慮した上で真空断熱材を用いた断熱パネル全体の断熱性能を高めることが出来るため、低温や高温に温度を一定に保つ冷凍冷蔵庫や倉庫など様々な空調空間を構成する断熱箱体や断熱壁に用いることができ、温度コントロールに必要となる電気エネルギーの省力化に貢献できると共に、断熱パネルの製造コストなどをトータルに削減することができる。
本発明の実施の形態1における冷凍冷蔵倉庫の縦断正面図 同実施の形態における断熱パネルの正面図 同実施の形態における断熱パネルの水平断面図 同実施の形態における断熱パネル接合部の要部断面図 同実施の形態における断熱パネルの断熱性能の特性図 同実施の形態における断熱箱体接合部の要部断面図 従来例1における断熱パネルの正面図 従来例2における断熱パネルの構成図
符号の説明
101 断熱パネル
102 面材
103 真空断熱材
104 充填断熱材
109 断熱性能識別手段
110 断熱強化手段
111 施工方向識別手段
116 芯材

Claims (9)

  1. 間隔を空けて互いに対向する面材と、前記面材間の内部空間に配設されている真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材と、断熱性能を識別する手段とで構成される断熱パネルにおいて、前記真空断熱材の仕様を変更することにより断熱性能が調節可能であることを特徴とする断熱パネル。
  2. 間隔を空けて互いに対向する面材と、前記面材間の内部空間に配設されている真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルにおいて、前記面材の少なくとも一方が凹凸を有する場合には、凹凸部の密閉性を確保するように前記真空断熱材を配設することを特徴とする断熱パネル。
  3. 断熱性能を識別する手段を備え、前記真空断熱材の仕様を変更することにより断熱性能が調節可能であることを特徴とする請求項2に記載の断熱パネル。
  4. 前記真空断熱材の厚みを変更することにより断熱性能が調節可能であることを特徴とする請求項1または3に記載の断熱パネル。
  5. 前記面材端部に断熱強化手段を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の断熱パネル。
  6. 前記真空断熱材が複数の芯材から構成され、かつ各々の芯材が独立に真空包装されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の断熱パネル。
  7. 施工方向を識別する手段を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の断熱パネル。
  8. 温度帯の異なる複数の断熱室を有する断熱箱体において、請求項1から7のいずれか一項に記載の断熱パネルを適用したことを特徴とする断熱箱体。
  9. 庫内温度が−30℃以下の極低温となる断熱箱体において、請求項1から8のいずれか一項に記載の断熱パネルを適用したことを特徴とする断熱箱体。
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