JP2012026583A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Hiroyuki Yamazaki
裕之 山崎
Kuninari Araki
邦成 荒木
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
Takashi Izeki
崇 井関
Yasuto Terauchi
康人 寺内
Yushi Arai
祐志 新井
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Abstract

【課題】真空断熱材の断熱性能を効果的に発揮して、断熱性能が良好な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【解決手段】外箱と内箱との間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材が固定手段により前記外箱と前記内箱から離れた状態で設置され、該固定手段は前記真空断熱材と前記外箱及び前記真空断熱材と前記内箱のそれぞれの間に、前記発泡断熱材が流動できる空間を確保した形状であることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
近年は地球温暖化の危惧等による地球環境の保護が叫ばれており、様々な状況下で省エネルギー化が推進されている。冷蔵庫もその限りではなく、様々な技術革新が進められている。またその一方で、社会背景としては、核家族化や共働き等の家庭環境の変化により、日々の物品購入から週末時のまとめ買いを行う家庭が増えており、冷蔵庫の大容量化が進んでいる。省エネルギー及び熱効率の点では、大容量冷蔵庫の方がより高い断熱効率を持っている。
冷蔵庫においては、以前は断熱性能が優れたフロン類を用いた硬質ウレタンフォームによる断熱材が主体であった。しかし、オゾン層破壊の嫌疑のために性能の劣るイソブタン等のガス類への切り替えを余儀無くされ、結果として硬質ウレタンフォームと真空断熱材を併用した構造へと変わっている。真空断熱材は、単体性能においては硬質ウレタンフォームの十倍以上の断熱性能を持つが、自在な形状を製作するのが困難なため、すき間部への充填性に優れたウレタンフォームとの併用が成されているのが現状である。
従来の技術としては、真空断熱材は、作業性を考慮して冷蔵庫筐体の外箱の平坦な面に接着して配置されている例が多い。しかしながらこの位置は、外気温の影響を受けやすく、更に放熱パイプ等の高温部品の近傍に位置するため、外被材に箔や蒸着により金属層を持つために表面熱伝導率の高い真空断熱材はヒートブリッジの影響のため、予期した性能を生かし切れない場合が多くあった。一方、内箱への配置に対しては、冷蔵庫内部の形状がそのまま複雑に現れ、また電気配線が多く張り巡らされているため、直接真空断熱材を貼り付けるのは困難であった。
そのため、真空断熱材を冷蔵庫筐体の外箱と内箱の中間部位に配置することができれば、外気からの影響が減少するために断熱特性は向上すると考えられている。
中間配置の従来技術としては、特許文献1においては、真空断熱材を、冷蔵庫筐体の両側面,天面,背面,底面及び前面の各面に配置し、外箱の表面積に対し真空断熱材の被覆率が50%を超え80%以下として省エネルギー効果を高め、外箱表面積が外気温度よりも高くなる面において、真空断熱材を外箱と内箱の中間で硬質ウレタンフォーム内に埋設して、真空断熱材の経時的な劣化を押さえようとする冷蔵庫の例が示されている。
また、特許文献2においては、外箱と内箱の間に、外箱側に固定されたスペーサに支持された真空断熱材が、外箱と内箱に接しないように配置されるとともに、外箱と真空断熱材および内箱と真空断熱材との隙間に硬質ウレタンフォームが充填された冷蔵庫が挙げられる。スペーサは、硬質ウレタンフォームの発泡方向に並列され、真空断熱材と外箱にそれぞれ接している底部と頂部を有しており、底部と外箱および頂部と真空断熱材の間に硬質ウレタンフォームが通過できる流路を設けた冷蔵庫が提案されている。また、従来の技術においては、外箱側に放熱パイプを配置する場合、スペーサの頂部と頂部の間に位置し、底部すなわち真空断熱材には接触しないため、真空断熱材が放熱パイプの熱影響を受け難い構造とした冷蔵庫の例が示されている。
特開2003−14368号公報 特開2005−55086号公報
一般に、真空断熱材の特性として、低温雰囲気中で使用した場合に比べ、高温雰囲気中で使用した場合は断熱性能が低下する。これは外被材の熱劣化による影響が大きく効いている。特に放熱パイプ等の高温部品に接して使用した場合は、真空断熱材が加熱されるために、冷蔵庫自体の寿命年数を迎える前に断熱性能が著しく低下する可能性があった。
特許文献1に示される冷蔵庫の構造では、外箱側に設けたウレタン製のスペーサにより真空断熱材を硬質ウレタンフォームの中間になるように配置しているが、真空断熱材の姿勢を安定化するために数多くのスペーサを一つ一つ配置しなくてはならず組み立て工数が増加する。また、スペーサが大きすぎると硬質ウレタンフォームの流れを阻害する要因となり、小さすぎると発泡圧に耐えることができないという問題もあった。更にウレタンスペーサが外箱と真空断熱材の間にのみ設置されていることから、硬質ウレタンフォームが発泡方向に立ち上がる際、流動抵抗等によって外箱と真空断熱材の間に多く流れた場合、発泡圧によって真空断熱材がスペーサから剥がされ、真空断熱材が内箱に接触する等、ウレタンの未充填部を発生させることがあり、真空断熱材の断熱性能を十分に発揮できていなかった。
また、特許文献2に示される冷蔵庫は、真空断熱材と外箱の間に、真空断熱材と接着された底部と、外箱に接着された頂部が互い違いになった略波形状のスペーサを発泡方向に並列するように設けているため、真空断熱材と外箱の間にもウレタンが充填されやすいという利点はあるが、頂部と外箱の接着面が分割された矩形面であるため、接着面積が十分に取れず、特許文献1と同様に外箱側のみに設置されていることから、例えば外箱と真空断熱材の間のウレタンが早く立ち上がった場合等、ウレタンの発泡圧によって真空断熱材が剥がされて内箱に接触する等、未充填部を発生させてしまうことがあった。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、外箱と内箱の間に真空断熱材を支持部材自体が発する応力によって、最小限の作業工数にて保持することが可能である冷蔵庫を提供することを目的とする。また支持部材に設けられている空孔を通してウレタンが流動及び発泡するため、未充填部の発生が起こりにくくなっている。
そこで本発明は、真空断熱材の断熱性能を効果的に発揮して、断熱性能が良好な冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、外箱と内箱との間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材が固定手段により前記外箱と前記内箱から離れた状態で設置され、該固定手段は前記真空断熱材と前記外箱及び前記真空断熱材と前記内箱のそれぞれの間に、前記発泡断熱材が流動できる空間を確保した形状であることを特徴とする。
本発明によれば、真空断熱材の断熱性能を効果的に発揮して、断熱性能が良好な冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施形態における冷蔵庫の正面図。 本発明の実施形態における冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)。 本発明の実施形態における真空断熱材の概略断面図。 本発明の実施例1における冷蔵庫の縦断面図(図2のX−X断面図)。 本発明の実施例1における冷蔵庫の横断面図(図1のZ−Z断面図)。 本発明の実施例のスペーサ配置説明図。 本発明の実施例2における冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)。 本発明の実施例2における冷蔵庫の横断面図(図1のZ−Z断面図。 比較例1の真空断熱材配置説明図。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態を示す冷蔵庫の正面図であり、図2は図1のA−A断面図を示している。
図1に示す本実施形態を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2,貯氷室3(と切替室),冷凍室4,野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a,6b,冷蔵室扉6a,6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉には冷蔵庫1と密着させるためのパッキン11を備え、各扉の室内側外周縁に取り付けられている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は、厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム,発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム),真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム),真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵,冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切には仕切断熱壁が設置されている。
尚、箱体20内には上から冷蔵室2,製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a,6b,製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9に関しても回転による開閉,引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。
真空断熱材50については図3で説明するが、ホットメルト接着剤や支持部材80等で固定支持されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2,冷凍室3a,4,野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a,4の後側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示されていないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切12,14を配置し、発泡ポリスチレン33と仕切用真空断熱材50cで構成されている。この断熱仕切12,14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と仕切用真空断熱材50cに限定するものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。
これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23中に天面用真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保,強化している。
本実施例では、天面用真空断熱材50aを庫内灯43のケース43aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の天面用真空断熱材50aとしている。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。また、箱体20の後面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に底面用真空断熱材50dを配置している。
ここで、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。真空断熱材50は、芯材51と該芯材51を圧縮状態に保持するための内包材52、内包材52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリア層を有する外被材53、及び吸着剤54とから構成してある。
外被材53は真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、本実施例において、芯材51についてはバインダー等で接着や結着していない柔軟性を有する無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いた。
芯材51については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール,グラスウール以外のガラス繊維等の無機繊維等でもよい。
芯材51の種類によっては内包材52が不要の場合もある。また、芯材51については、無機系繊維材料の他に、有機系樹脂繊維材料を用いることができる。有機系樹脂繊維の場合、耐熱温度等をクリヤーしていれば特に使用に際しては制約されるものではない。具体的には、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレン等をメルトブローン法やスパンボンド法等で1〜30μm程度の繊維径になるように繊維化するのが一般的であるが、繊維化できる有機系樹脂や繊維化方法であれば特に問うものではない。
外被材53のラミネート構成についてはガスバリア性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層,ガスバリア層a,ガスバリア層b,熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、ガスバリア層aは樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリア層bは酸素バリア性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリア層aとガスバリア層bは金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。
熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン,ポリアミド,ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム,ガスバリア層aをアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム,ガスバリア層bをアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン,ポリプロピレン等の各フィルムとした。
この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えばガスバリア層として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物,ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリアコート材,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリア膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリア性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。
表面層についてはガスバリア層aの保護材であるが、真空断熱材の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。また、通常ガスバリア層bに使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリア性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリア性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。
尚、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法,サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも何ら構わない。
また、内包材52については本実施例では熱溶着可能なポリエチレンフィルム、吸着剤54については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材52についてはポリプロピレンフィルム,ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良く、吸着剤54については水分やガスを吸着するもので、物理吸着,化学反応型吸着のどちらでも良い。
実施例1の冷蔵庫について、図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は、図2におけるX−X断面及びZ−Z断面をそれぞれ示すものである。
実施例1の冷蔵庫1は、箱体20に使用する真空断熱材50のうち、外箱21の両側面21eに配置する側面用真空断熱材50eを、硬質ウレタンフォーム23の中間に埋設した例である。その他、天面と後面については従来品の仕様で外箱21a,21bにそれぞれ天面用真空断熱材50a,後面用真空断熱材50bを直接貼り付け、底面については内箱22面に貼り付けた。仕切断熱12,13については図4中には仕切用真空断熱材50cを図示しているが、実施例1においては仕切用真空断熱材50cを使用しなかった。図示の通り、仕切用真空断熱材50cについては使用しても何ら問題はない。
次に、実施例1のスペーサ70(固定部材)について説明する。図6に示すように、連続した波形の曲面からなる構造であり、スペーサ頂点70a,70bにてそれぞれ外箱と内箱に接することとなる。このスペーサ70には、切り込み部位71が空けられており、この部位にて真空断熱材50を支える。また、スペーサ70には空孔72が空けられており、この孔を介して原料ウレタンが流動及び発泡することとなる。スペーサ70のサイズはウレタンの流動性や真空断熱材50の大きさにより適宜調節が可能である。また後板の面取部に接するスペーサ底面は面取角度に合わせてやると良い。
スペーサ70の材料として、本実施例ではPP樹脂板を用いた。PP樹脂は内箱にも使われている材料であることから選定したものであるが、材質についてはPS,AS,ABS,PET及びその他の樹脂を用いてもよく、成形方法についても平板曲げ加工,押出成形やその他の方法等、特に限定するものではない。
スペーサ70の側面用真空断熱材50eの組込方法は、側面用真空断熱材50eの上下の端部付近にスペーサ70の切り込み部位を差し込んだ。
冷蔵庫1への側面用真空断熱材50eの組み込みについては、スペーサ70を取り付けた側面用真空断熱材50eを所定の中間となる位置に設置して、側板21eを被せてスペーサの応力にて固定した。
また、本実施例に用いた真空断熱材50については、外被材53のラミネート構成として、表面層を二軸延伸ポリプロピレンフィルム,ガスバリア層aをアルミニウム蒸着付き二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム,ガスバリア層bをアルミニウム蒸着付き二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、熱溶着層を未延伸タイプの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。芯材51については、無機系繊維材料である平均繊維径4μmのガラス繊維の集合体であるノンバインダーのグラスウールを用いた。その他の材料については前述の実施形態で述べた通りである。
以上の仕様で硬質ウレタンフォームを注入した結果、外箱21eと側面用真空断熱材50eの間及び内箱22と側面用真空断熱材50eのそれぞれの空間には、未充填部は確認されず、硬質ウレタンフォーム23が均一に充填されていることを確認した。
次に、実施例2の冷蔵庫について、図7及び図8を用いて説明する。図7は図1のA−A断面図、図8は図7におけるZ−Z断面を示すものである。
実施例2の冷蔵庫1は、箱体20に使用する真空断熱材50のうち、外箱21の後面21bに配置する後面用真空断熱材50bを、硬質ウレタンフォーム23の中間に埋設した例である。それ以外は実施例1と同じとした。
実施例2のスペーサ73(固定部材)について説明する。図7に示されるように、基本的構造は実施例1のスペーサ70と同じであるが、後面は後面用真空断熱材50bの横に設置されることになるため、重力の影響でたわみ易くなる。従って重力のかかる下部について後面用真空断熱材50bのたわみの影響が出ない長さまで、スペーサ下部73aを延長した。なお、スペーサ上部はたわみの影響は少ないため、実施例1の程度まで短くした。スペーサ73の他の部位のサイズは、ウレタンの流動性や真空断熱材50の大きさにより適宜調節が可能である。また後板の面取部に接するスペーサ底面は面取角度に合わせてやると良い。また、スペーサ73の材料としてはスペーサ70と同じで良い。
スペーサ73の側面用真空断熱材50eの組込方法は、側面用真空断熱材50eの左右の端部付近にスペーサ下部73bが下の配置となるようスペーサ73の切り込み部位を差し込んだ。
冷蔵庫1への後面用真空断熱材50bの組み込みについては、スペーサ73を取り付けた後面用真空断熱材50bを所定の中間となる位置に設置して、後板21bを被せてスペーサの応力にて固定した。
以上の仕様で硬質ウレタンフォーム23を注入した結果、後箱21bと後面用真空断熱材50bの間及び内箱22と後面用真空断熱材50bのそれぞれの空間に、未充填部は確認されず、実施例1と同様に硬質ウレタンフォーム23が均一に充填されていることを確認した。
(比較例1)
比較例1に示す冷蔵庫は、実施例1において側面用真空断熱材50eを固定するスペーサ70の代わりに、図9のようにスチロフォームからなるブロック材75を複数用い、側面用真空断熱材50eにホットメルト接着剤を用いて貼り付けた後、外箱21eに接着配置した。尚、内箱22側には支持部材80を設けない仕様とした。それ以外は実施例1と同じとした。
以上の仕様で硬質ウレタンフォームを注入した結果、硬質ウレタンフォームが側面用真空断熱材50eと外箱21eの間のブロック材75が少ない部位に多く流れてしまい、硬質ウレタンフォーム23の発泡圧で側面用真空断熱材50eが内箱22側に押され、ブロック材75から剥がれてしまった。これにより側面用真空断熱材50eは変形して内箱22に大きく接近し、この部位に大きな未充填部が発生したため、硬質ウレタンフォーム23を均一に充填することができなかった。
何度か同仕様で試作を行い、硬質ウレタンフォーム23の注入配分や注入量を調整することで未充填部の発生を防止できる場合もあったが、ウレタン充填不良の発生頻度が多く、不安定な結果となった。
以上より、本発明によれば、スペーサ(固定部材)の曲げ具合により、曲げ応力を調整することができるため、設置状況に応じた適切な保持力を持たせることができる。また切り込み量も自在に加減できるため、ウレタン流量の多い部位にはウレタン流通孔を広く、真空断熱材の保持力を増やすためには深く切れ込むといった調整が容易である。
また、真空断熱材が高温になる放熱パイプと一定の距離を確保できるため、熱影響による断熱性能の劣化や、ヒートブリッジによる断熱性能の悪化を抑制できるため、断熱性能が良好な冷蔵庫を提供することができるものである。
以上をまとめると、本発明により、断熱性能すなわち省エネ性能が良好で、組み立て作業工数を低減できる、コストパフォーマンスに優れた冷蔵庫を提供することができる。
以上のように本発明に係る冷蔵庫は、真空断熱材を硬質ウレタンフォームの略中間に配置することで、真空断熱材特有のヒートブリッジ影響を低減することができ、断熱性能の良好な省エネ冷蔵庫を提供できるものである。本発明のように、真空断熱材の固定部材が自己の応力により保持できる構造にしたことで、組み立て作業性が飛躍的に向上し、組み立てにかかる工数低減によるコスト低減に効果を発揮するものである。
なお、本発明は冷蔵庫のみならず、断熱材を必要とする製品,機器,住宅・建物及び自動車や電車等の車両分野にも広く適用できる。
1 冷蔵庫
20 箱体
50 真空断熱材
50a 天面用真空断熱材
50b 後面用真空断熱材
50c 仕切用真空断熱材
50d 底面用真空断熱材
50e 側面用真空断熱材
51 芯材
52 内包材
53 外被材
54 吸着剤
70,73 スペーサ(固定部材)
70a,70b スペーサ頂点
71 切り込み部
72 空孔
73a スペーサ下部
75 ブロック材
80 支持部材

Claims (4)

  1. 外箱と内箱との間に発泡断熱材と真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材が固定手段により前記外箱と前記内箱から離れた状態で設置され、該固定手段は前記真空断熱材と前記外箱及び前記真空断熱材と前記内箱のそれぞれの間に、前記発泡断熱材が流動できる空間を確保した形状であることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記固定手段は、前記真空断熱材と前記外箱及び前記内箱との間隔を保持する連続した波形曲面からなり、且つ前記外箱と前記内箱のそれぞれの面に接する形状であることを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記固定手段は、前記真空断熱材を保持するための切れ込みを有することを特徴とする、請求項1又は2記載の冷蔵庫。
  4. 前記固定手段は、前記発泡断熱材の発泡時の膨張を妨げないように複数の空孔が開けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013146286A1 (ja) * 2012-03-26 2015-12-10 三菱電機株式会社 断熱箱体、及びこの断熱箱体を備えた冷蔵庫及び貯湯装置
CN105180569A (zh) * 2015-06-10 2015-12-23 滁州银兴新材料科技有限公司 一种真空绝热板的装配方法
EP3315882A4 (en) * 2015-06-29 2018-06-20 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Refrigerator
JP2020125903A (ja) * 2018-11-28 2020-08-20 東芝ライフスタイル株式会社 冷蔵庫

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