JP2006193871A - エアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアー交絡方法によって得られたエアー交絡スラブ加工糸であって、良好なストレッチ性とスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物を得ることができるエアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物を提供する。
【解決手段】芯糸Aと鞘糸Bとがエアー交絡され、かつ糸長方向に太繊度部と細繊度部とを交互に有するエアー交絡スラブ加工糸であって、前記芯糸Aが、2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成されたスラブ加工糸に下記式で算出される撚係数5000〜42000の範囲の撚りが施されたエアー交絡スラブ加工糸。撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
【選択図】なし

Description

本発明は、エアー交絡方法によって得られたエアー交絡スラブ加工糸であって、良好なストレッチ性とスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物を得ることができるエアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物に関する。
従来、合成繊維を用いて天然繊維の自然な斑感、特にシルク等のスラブ、ネップ外観を得ようとする試みが数多くなされている。そしてその方法は、エアー交絡方法(流体噴射加工法)によるもの(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、仮撚捲縮加工方法によるもの(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)などが知られている。
一方近年では、衣服に対するストレッチ性の要求が高まっており、単にスラブ外観を呈するだけでなく、ストレッチ性をも有するものが望まれている。このため、弾性糸や潜在捲縮を有するサイドバイサイド型複合繊維などからなる芯糸用糸条と、鞘糸用糸条とを用いてストレッチ性スラブ加工糸を得ることが提案されている。
しかしながら、複合仮撚捲縮加工方法により得られた、ストレッチ性スラブ加工糸では、スラブ部分の鞘糸の巻きつきが強いために、スラブ部分のストレッチ性が消えてしまい、その結果、ストレッチ性のある部分とない部分が混在するため、かかるスラブ加工糸を用いて織編物を得たとき、シボ状の欠点が発生して外観が損なわれるという問題があった。また、エアー交絡法により得られたストレッチ性スラブ加工糸においても、スラブ加工糸を用いて織編物を得たとき、やはりシボ状の欠点が発生して外観が損なわれるという問題があった。
特開昭62−57960号公報 特開2002−348747号公報 特開平11−315438号公報 特開2001−279552号公報 特開2002−138333号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、エアー交絡方法によって得られたエアー交絡スラブ加工糸であって、良好なストレッチ性とスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物を得ることができるエアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、潜在捲縮性を有する複合繊維から構成される芯糸A用糸条と、鞘糸B用糸条とを、鞘糸B用糸条の供給量を芯糸A用糸条よりも大きくかつ変動させながら、エアー交絡ノズルを用いて両糸条をエアー交絡させることによりエアー交絡スラブ加工糸を得た後、該エアー交絡スラブ加工糸に特定範囲の撚係数で撚りを施すことにより、所望のエアー交絡スラブ加工糸および織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「芯糸Aと鞘糸Bとがエアー交絡され、かつ糸長方向に太繊度部と細繊度部とを交互に有するエアー交絡スラブ加工糸であって、前記芯糸Aが、2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成され、スラブ加工糸に下記式で算出される撚係数5000〜42000の範囲の撚りが施されていることを特徴とするエアー交絡スラブ加工糸。」が提供される。
(撚係数)
撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
その際、芯糸Aを形成する2種のポリエステル成分のうち、少なくとも一方成分がポリトリメチレンテレフタレートであると、優れたストレッチ性が得られ好ましい。一方、鞘糸Bはポリエステルで形成されることが好ましい。また、太繊度部の繊度が、細繊度部の繊度の1.3倍以上であることが好ましい。
また、本発明によれば「2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成される芯糸A用糸条と、鞘糸B用糸条とを、鞘糸B用糸条の供給量を芯糸A用糸条よりも大きくかつ変動させながら、エアー交絡ノズルを用いて両糸条をエアー交絡させることによりエアー交絡スラブ加工糸を得た後、該エアー交絡スラブ加工糸に下記式で算出される撚係数5000〜42000の範囲の撚りを施すことを特徴とするエアー交絡スラブ加工糸の製造方法。」が提供される。
(撚係数)
撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
その際、エアー交絡ノズルがタスランノズルであることが好ましい。また、エアー交絡の際、芯糸A用糸条のオーバーフィード率をOF(A)(%)、一方、鞘糸B用糸条の平均オーバーフィード率をOF(B)(%)とするとき、両者の差(OF(B)−OF(A))が1〜200%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記のエアー交絡スラブ加工糸を含む織編物が提供される。かかる織編物において、エアー交絡スラブ加工糸を配した方向のストレッチ性が5%以上であることが好ましい。
本発明によれば、エアー交絡方法によって得られたエアー交絡スラブ加工糸であって、良好なストレッチ性とスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物を得ることができるエアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明のエアー交絡スラブ加工糸に含まれる芯糸Aは、2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成される。かかる複合繊維の複合形態がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型でないと、糸条に熱が付与された際に、コイル状捲縮が発現せず、糸条にストレッチ性を付与することができず好ましくない。
また、複合繊維を形成する2種のポリエステル成分のうち、少なくとも一方成分がポリトリメチレンテレフタレートであることが好ましい。ここで、ポリトリメチレンテレフタレートは、主たる繰り返し単位をトリメチレンテレフタレートとするものであり、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレングリコールを主たるグリコール成分とする。
かかるポリトリメチレンテレフタレートには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。
その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。かかるポリトリメチレンテレフタレート中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等が必要に応じて配合されていてもよい。
このように、複合繊維を形成する2種ポリエステルのうち、少なくとも一方をポリトリメチレンテレフタレートとすることにより、ポリエチレンテレフタレート同士を貼り合せた複合繊維と比べて、良好なストレッチ性を得ることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート成分とポリトリメチレンテレフタレート成分との組合せや、固有粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレート成分同士の組合せが、優れたストレッチ性を付与することができ好ましい。
前記の複合繊維を形成する両構成成分の重量比率としては、70:30〜30:70の範囲内であることが好ましい。
複合繊維糸条の形態としては、フィラメント、ステープルのいずれでもよいが、マルチフィラメント(長繊維)が好ましい。また、複合繊維糸条の総繊度、単糸繊度、フィラメント数は特に限定されないが、総繊度33〜330デシテックス、単糸繊度1〜5デシテックス、フィラメント数10〜100本の範囲が適当である。さらに、該複合繊維の単糸繊維の断面形状も特に限定されず、丸、だるま、三角、扁平など公知の断面形状が選択でき、中空部を有するものであってもよい。
一方、本発明のエアー交絡スラブ加工糸に含まれる鞘糸Bを構成する繊維の種類は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルや、これらに第3成分を共重合させた共重合ポリエステルが好ましく例示される。なかでも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。また、ポリエステル中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等が必要に応じて配合されていてもよい。
前記鞘糸Bの繊維形態としては、フィラメント、ステープルのいずれでもよいが、マルチフィラメント(長繊維)が好ましい。また、鞘糸Bの総繊度、単糸繊度、フィラメント数は特に限定されないが、総繊度33〜330デシテックス、単糸繊度1〜5デシテックス、フィラメント数10〜100本の範囲が適当である。
本発明のスラブ加工糸は、前記の芯糸Aと鞘糸Bとがエアー交絡され、かつ糸長方向に太繊度部と細繊度部とを交互に有するエアー交絡スラブ加工糸である。ここで、鞘糸Bの糸条は1種類でもよいし、複数種類の糸条でもよい。また、芯糸Aと鞘糸Bとは、エアー交絡ノズルによりエアー交絡されていることが肝要であり、複合仮撚加工によるスラブ加工糸では、スラブ部分(太繊度部)において鞘糸の巻きつきが強いためスラブ部分のストレッチ性が消えてしまい、その結果、ストレッチ性のある部分とない部分とが混在するため、かかる加工糸を用いて織編物を得ると、シボ状の欠点が発生して外観が損なわれ好ましくない。
前記太繊度部と細繊度部としては、(太繊度部の繊度)/(細繊度部の繊度)の比で1.3以上(より好ましくは1.6以上、特に好ましくは1.7〜2.5)であることが好ましい。また、太繊度部の長さや個数は特に限定されないが、太繊度部の長さとしては2〜20cm、太繊度部の個数としては20〜60個/100mの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明のエアー交絡スラブ加工糸には、織編物にした際にシボ状の欠点が発生せず、優れたストレッチ性を呈する上で、下記式で算出される撚係数5000〜42000(好ましくは10000〜35000)の範囲の撚りが施されている必要がある。
(撚係数)
撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
ここで、撚係数が5000未満では、エアー交絡スラブ加工糸を用いて織編物を得た際、シボ状の欠点が発生して外観が損なわれ好ましくない。逆に、撚係数が42000よりも大きいと、エアー交絡スラブ加工糸を用いて織編物を得た際、風合いが硬くなりまたストレッチ性も損なわれ好ましくない。
エアー交絡スラブ加工糸に撚係数5000〜42000(好ましくは10000〜35000)の範囲の撚りが施されていると、織編物にした際にシボ状欠点が発生しない理由はまだ明らかにされていないが、以下のように推定している。すなわち、通常、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維を含む糸条を用いて織編物を得て、かかる織編物に熱処理を施すと、複合繊維のトルクによりシボが発生するが、前記のように特定の撚係数で撚りを施すことにより、複合繊維のトルク位相と撚りのトルク位相との重ね合わせによりトルクが分散されるためではないかと推定している。
次に、本発明のエアー交絡スラブ加工糸の製造方法について説明する。
まず、前述の2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成される芯糸A用糸条と、鞘糸B用糸条を用意する。その際、芯糸A用糸条と鞘糸B用糸条は前述のとおりであり、糸条本数は特に限定されず、芯糸A用糸条および鞘糸B用糸条は各々1糸条であってもよいし、複数本糸条であってもよい。なかでも、生産性の点で1糸条(1マルチフィラメント)ずつであることが好ましい。なお、加工糸の全重量に対して30重量%以内であれば、他糸条が含まれていてもさしつかえない。
次いで、鞘糸B用糸条の供給量を芯糸A用糸条よりも大きくかつ変動させながら、芯糸A用糸条と鞘糸B用糸条を同時に、エアー交絡ノズルを用いて両糸条をエアー交絡させる。
その際、鞘糸B用糸条の供給量を変化させる方法としては、例えば、特開昭62−57960号公報の図2および図4に開示されているように、鞘糸B用糸条をエアー交絡ノズルに供給する前に凹部を有するハート形円盤状回転ガイドに接触させ、糸条が凹部に接触するときは低オーバーフィード状態、一方糸条が非凹部に接触するときは高オーバーフィード状態にする方法や、特開2002−348747号公報の図1に開示されているように、空気噴射または空気吸引ノズルによりオーバーフィードされた糸条に負荷をかけ急激に開放することで瞬間的に高オーバーフィード状態を作り出す方法などが好適に例示される。前記芯糸A用糸条のオーバーフィード率としては1〜10%(より好ましくは1〜3%)、前記鞘糸B用糸条のオーバーフィード率としては5〜200%(より好ましくは8〜20%)であることが好ましい。さらには、芯糸A用糸条のオーバーフィード率をOF(A)(%)、一方、鞘糸B用糸条の平均オーバーフィード率をOF(B)(%)とするとき、両者の差(OF(B)−OF(A))が1〜200%(より好ましくは5〜15%)の範囲内であることが好ましい。
前記エアー交絡ノズルとしては、タスランノズルやインターレースノズルなどの通常の流体噴射ノズルでよい。とりわけ、タスランノズルが好ましい。また、エアー交絡の際、芯糸A用糸条および/または鞘糸B用糸条に水を付与することは好ましいことである。
次いで、かかるエアー交絡複合糸に、下記式で算出される撚係数5000〜42000(好ましくは10000〜35000)の範囲の撚りを施すことにより、本発明のエアー交絡スラブ加工糸が得られる。
(撚係数)
撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
次に、本発明の織編物は、前記のスラブ加工糸を含む織編物である。かかる織編物の組織は特に限定されず、通常の方法で製編織されたものでよい。例えば、織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
該織編物には、前記の混繊糸が、織編物の総重量に対して30%以上(より好ましくは40%以上)含まれていることが好ましい。
かかる織編物に染色加工を施すと、染色加工の際の熱によりスラブ加工糸に含まれる複合繊維糸条がコイル状捲縮を発現し混繊糸の芯部に位置するため、優れたストレッチ性が得られる。同時に良好なスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物が得られる。なお、ストレッチ性としては、エアー交絡スラブ加工糸を配した方向で5%以上(より好ましくは6〜20%)であることが好ましい。
本発明の織編物において、シボ状欠点が発生しない理由は、前述のようにまだ明らかにはされていないが、複合繊維のトルク位相と撚りのトルク位相との重ね合わせによりトルクが分散されるためではないかと推定している。
なお、かかる織編物には、通常の親水加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<固有粘度>
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
<ストレッチ性>
JIS−L−1096−8.14.1B法(定荷重法)により伸縮率(%)を測定した。
<表面品位>
織編物の表面品位を熟練者5人により官能判定し、1級(大きなシボやシワがあり極めて不良)、2級(シボやシワがあり不良)、3級(普通)、4級(シボやシワがあまりなく良好)、5級(シボやシワがなく極めて良好)の5段階で評価した。
<スラブ外観>
織編物のスラブ外観を熟練者5人により官能判定し、1級(スラブ外観ではない)、2級(あまりスラブ外観でない)、3級(普通)、4級(ややスラブ外観である)、5級(スラブ外観である)の5段階で評価した。
<太繊度部および細繊度部の繊度比>
ツエルベガーウースター社製のイブネステスター「USTER TESTER3」により測定した。
[実施例1]
固有粘度が1.26のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)と固有粘度が0.92のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)をそれぞれ別に溶融し、紡糸温度260℃で複合紡糸口金よりPET/PTTの重量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度1450m/分で紡糸した未延伸糸を、87℃で2.9倍に延伸して、56dtex/36フィラメントの複合繊維糸条(延伸糸、芯糸A用糸条)を得た。
一方、固有粘度が0.68のポリエチレンテレフタレートを溶融し、吐出孔が三角形の紡糸口金を使用して同様に紡糸・延伸することにより、110dtex/36フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸(鞘糸B用糸条)を得た。
次いで、特開昭62−57960号公報の図4および図2に示される加工機を用いてスラブ加工糸(180dtex/60フィラメント)を得た。すなわち、芯糸A用糸条Aと鞘糸B用糸条Bはそれぞれフィードローラ3,3’によって、エアー交絡ノズル(タスランノズル)8に供給される。このとき、芯糸A用糸条Aはフィードローラ3’(速度147m/分)とデリベリーローラ9(速度150m/分)との間で一定のオーバーフィード率(2%)で走行している。一方、鞘糸B用糸条Bは芯糸A用糸条Aよりは全体的に大きいオーバーフィード率(平均オーバーフィード率10%)でかつ間欠的に供給量を変化させてエアー交絡ノズル(タスランノズル)8に供給される。すなわち、フィードローラ3から供給された鞘糸B用糸条Bはハート型円盤状回転ガイド6の非凹部に接触するときは低オーバーフィード状態で供給され、凹部に接触するときに瞬間的に高オーバーフィード状態となって供給される。また、エアー交絡ノズル(タスランノズル)8のエアー圧力は7.8×10Pa(8kgf/cm)であり、鞘糸B用糸条Bにはエアー交絡ノズルにはいる前に水を付与した。
得られたスラブ加工糸において、太繊度部の繊度356dtex、細繊度部の繊度169dtexであり、(太繊度部の繊度)/(細繊度部の繊度)が2.1であった。また、太繊度部の個数は31個/100mであった。
次いで、該スラブ加工糸に通常の撚糸方法により1600T/M(撚係数20364)の撚糸を施した。
次いで、該スラブ加工糸を緯糸として緯糸密度24本/cm、一方、通常のポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸・延伸したポリエチレンテレフタレート延伸糸(60dtex/36フィラメント)を経糸として経糸密度38本/cmで配し、平組織の織物を得た後、該織物に通常の染色加工を施した。
得られた織物において、表面品位5級(シボやシワがなく極めて良好)、スラブ外観5級、緯方向のストレッチ性9%であった。
[実施例2]
イソフタル酸成分が全酸成分を基準として10モル%共重合された、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルと固有粘度0.45がポリエチレンテレフタレートを用いて複合繊維糸条(延伸糸、芯糸A用糸条)を得ること以外は実施例1と同様にした。
得られた織物において、表面品位5級(シボやシワがなく極めて良好)、スラブ外観5級、緯方向のストレッチ性7%であった。
[比較例1]
実施例1において、スラブ加工糸に撚糸を施さないこと以外は実施例1と同様にした。
得られた織物において、表面品位1級(大きなシボやシワがあり極めて不良)、スラブ外観5級、緯方向のストレッチ性10%であった。
[比較例2]
実施例1において、スラブ加工糸に撚数4000T/m(撚係数50000)の撚りを施すこと以外は実施例1と同様にした。 得られた織物において、表面品位5級(シボやシワがなく極めて良好)、スラブ外観3級、緯方向のストレッチ性3%であった。
[比較例3]
実施例1において、エアー交絡ノズルのかわりに複合仮撚加工を施すこと以外は実施例1と同様にした。 得られた織物において、表面品位1級(大きなシボやシワがあり極めて不良)、スラブ外観5級、緯方向のストレッチ性6%であった。
本発明によれば、エアー交絡方法によって得られたエアー交絡スラブ加工糸であって、良好なストレッチ性とスラブ外観を呈し、しかもシボ状欠点などの織編物欠点のない高品位の織編物を得ることができるエアー交絡スラブ加工糸およびその製造方法および織編物
が得られる。かかる織編物は、スポーツ衣料、紳士・婦人のファッション用途全般、中東諸国の民族衣装などの用途に使用でき、その工業的価値は極めて大である。

Claims (9)

  1. 芯糸Aと鞘糸Bとがエアー交絡され、かつ糸長方向に太繊度部と細繊度部とを交互に有するエアー交絡スラブ加工糸であって、前記芯糸Aが、2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成され、スラブ加工糸に下記式で算出される撚係数5000〜42000の範囲の撚りが施されていることを特徴とするエアー交絡スラブ加工糸。
    (撚係数)
    撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
  2. 芯糸Aを形成する2種のポリエステル成分のうち、少なくとも一方成分がポリトリメチレンテレフタレートである、請求項1に記載のエアー交絡スラブ加工糸。
  3. 鞘糸Bがポリエステルで形成される、請求項1または請求項2に記載のエアー交絡スラブ加工糸。
  4. 太繊度部の繊度が、細繊度部の繊度の1.3倍以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のエアー交絡スラブ加工糸。
  5. 2種のポリエステル成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維から構成される芯糸A用糸条と、鞘糸B用糸条とを、鞘糸B用糸条の供給量を芯糸A用糸条よりも大きくかつ変動させながら、エアー交絡ノズルを用いて両糸条をエアー交絡させることによりエアー交絡スラブ加工糸を得た後、該エアー交絡スラブ加工糸に下記式で算出される撚係数5000〜42000の範囲の撚りを施すことを特徴とするエアー交絡スラブ加工糸の製造方法。
    (撚係数)
    撚係数=撚数(T/m)×(スラブ加工糸の総繊度(dtex)×9÷10)1/2
  6. エアー交絡ノズルがタスランノズルである、請求項5に記載のエアー交絡スラブ加工糸の製造方法。
  7. エアー交絡の際、芯糸A用糸条のオーバーフィード率をOF(A)(%)、一方、鞘糸B用糸条の平均オーバーフィード率をOF(B)(%)とするとき、両者の差(OF(B)−OF(A))が1〜200%の範囲内である、請求項5または請求項6に記載のエアー交絡スラブ加工糸の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のエアー交絡スラブ加工糸を含む織編物。
  9. 織編物において、エアー交絡スラブ加工糸を配した方向のストレッチ性が5%以上である、請求項8に記載の織編物。
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