JP2006193402A - 板ガラスの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】隔壁があっても作業者の作業をし易くできると共に、縁ロールを使用する場合でも隔壁の仕切り効果が低減しにくい。
【解決手段】溶融錫16が溜められると共に該溶融錫16上で所定方向に溶融ガラスリボン20を進行させて所定厚さの帯状板ガラスを成形するフロート成形用の浴槽14と、溶融ガラスリボン20のエッジ22上方に該エッジ22に略沿って設けられ、溶融錫16の浴面のうち溶融ガラスリボン20で覆われた領域の上部空間Aと覆われていない領域の上部空間Bとを仕切る一対の隔壁46とを備えた板ガラスの製造装置10において、隔壁46は、上部隔壁46Aと下部隔壁46Bとの上下分割構造に形成され、下部隔壁46Bは短冊状の下部短冊部材58同士を横方向に連設して構成され、該下部短冊部材58を上部隔壁46Aに対して着脱可能又は開閉可能とした。
【選択図】図8

Description

本発明は、フロート法によって板ガラスを成形し製造する製造装置において、溶融金属の浴面のうち溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る隔壁を備えた板ガラスの製造装置及び製造方法、特に板ガラスの製造装置のフロート成形用の浴槽の上部の構造に関する。
フロート法による板ガラスの製造装置は、浴槽に溜められた溶融錫(溶融金属)上に溶融ガラスを供給して溶融ガラスリボンを形成し、この溶融ガラスリボンを該浴槽の出口に連設されるレヤー(徐冷装置)の方向に引っ張ることにより所定の板厚の帯状板ガラスを製造する装置である。
従来、このフロート法による板ガラスの製造においては、溶融錫の酸化物が板ガラス裏面に付着したり、溶融錫浴面から蒸発した錫の酸化物、化合物が板ガラス表面に付着したりして、付着物が製品欠点となったり、あるいは、その後の板ガラス搬送の際のキズ等の欠点の一要因になるので、酸化を防止するために、溶融金属の浴面の上部空間は還元性のガス(還元性は主に水素ガス及び窒素ガスによって実現される)で満たされている。このガスは還元性ガス供給管により浴槽の天井部分に供給され、そこから浴槽のレンガ壁(ルーフレンガ)を通して溶融錫浴面の上部空間へと供給される。供給されたガスは、主に浴槽の出口やガスの排出のために設けられた排出口から浴槽外に排出される。
しかし、溶融錫浴面から蒸発する錫、錫酸化物又は錫化合物が、溶融ガラスリボン上に付着することがあり、この対策として、特許文献1には、溶融錫の浴面のうち溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る隔壁を設けるようにすることが提案されている。更に、浴槽内に設けたヒータが還元性ガスで劣化しないように、隔壁で仕切った浴面の上部空間のうち溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間には100%窒素ガスを供給し、覆われていない領域の上部空間には水素ガス10%を含む窒素ガスを供給するようにすることが提案されている。
特開平11−310421号公報
しかしながら、従来の隔壁は、浴面から蒸発した錫、錫の酸化物、化合物のガラス表面への付着やヒータの劣化防止には効果がある反面、隔壁によって溶融ガラスリボンが作業者から遮蔽されてしまうので、隔壁の内側でトラブルがあっても作業者が対処しにくいという欠点がある。
また、溶融ガラスリボンの幅を所定幅に維持するために溶融ガラスリボンのエッジをトップロールで保持する場合があるが、このトップロールは浴槽の側壁から挿入されるため、トップロールが設置できるよう隔壁の下端と溶融錫の浴面との距離を確保しなくてはならない。従って、溶融錫の浴面のうち溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間と覆われていない上部空間とを仕切る隔壁の仕切り効果が低減してしまうという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、隔壁があっても作業者の作業をし易くできると共に、トップロールを使用する場合でも対応可能な隔壁を備えた板ガラスの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、溶融金属が溜められると共に該溶融金属上で所定方向に溶融ガラスリボンを進行させて所定厚さの帯状板ガラスを成形するフロート成形用の浴槽と、前記溶融ガラスリボンの左右のエッジ付近の上方に該エッジに略沿って設けられ、前記溶融金属の浴面のうち前記溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る一対の隔壁と、を備えた板ガラスの製造装置において、前記一対の隔壁は、上部隔壁と下部隔壁との上下分割構造に形成されており、前記上部隔壁と下部隔壁のうちの少なくとも下部隔壁は短冊状の下部短冊部材同士を横方向に連設して構成され、該下部短冊部材を前記上部隔壁に対して少なくとも一部の領域において着脱可能又は開閉可能としたことを特徴とする板ガラスの製造装置を提供する。
本発明の請求項1によれば、必要時に、下部短冊部材を上部隔壁から着脱又は開閉することができるので、作業者は隔壁の内側を見通すことができる。従って、隔壁の内側でトラブルがあっても作業者が容易に対処することができる。また、下部隔壁を多数の下部短冊部材を横方向に連設して構成されているので、作業者は所望の下部短冊部材を上部隔壁から外すことができる。
請求項1に記載の「溶融ガラスリボンの左右のエッジ」とは、溶融ガラスリボンの幅方向の両端の意味である。
請求項2は請求項1において、前記一対の隔壁は、溶融ガラスリボンの左右のエッジよりも所定幅内側に入り込んだ位置に配置されることを特徴とする。
溶融ガラスリボンの左右のエッジよりも一対の隔壁を所定幅内側に配置する際の所定幅としては、0〜400mmの範囲が好ましい。
請求項3は請求項1又は2において、前記上部隔壁も短冊状の上部短冊部材同士が横方向に連設して構成されることを特徴とする。これは、隔壁は浴槽内の高温に曝されるので、上部隔壁を一枚板にすると、熱応力によって上部隔壁にヒビや割れが発生し易いためであり、上部短冊部材同士を横方向に連設して上部隔壁を構成することでヒビや割れを防止できる。
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記下部短冊部材同士は嵌合構造により連設されていることを特徴とする。これにより、隔壁の密閉性を良くすることができるので、隔壁の内側と外側との気体が混ざり合うことを更に防止できる。
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記下部短冊部材は、表面にSiC膜が設けられたカーボン製部材からなることを特徴とする。これは、溶融金属が溜められた浴槽に近い下部短冊部材は常に高温に曝されて酸化され易い環境にあるので、下部短冊部材の表面にSiC膜を設けて酸化を抑制することが好ましいからである。
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記着脱可能な構造は、前記上部隔壁の下端部付近に形成された第1の係合部と、前記下部短冊部材の上端部付近に形成された第2の係合部とを係合させることで、前記上部隔壁に前記下部短冊部材を吊り下げる構造であることを特徴とする。これにより、下部短冊部材を上部隔壁から簡単に着脱することができ、着脱構造が簡単なので下部短冊部材の製作も容易である。例えば、上部隔壁と下部短冊部材のうちの一方に突起(第1の係合部)が形成されると共に他方に該突起に対応する孔(第2の係合部)が形成され、突起に孔を挿入して下部短冊部材を上部隔壁に吊り下げる。あるいは、上部隔壁の下端と下部短冊部材の上端を互いに係合するようにフック状に屈曲させて、下部短冊部材を上部隔壁に吊り下げてもよい。
請求項7は請求項6において、前記下部短冊部材には、該下部短冊部材を着脱するのに使用する着脱棒に係合するフックが形成されていることを特徴とする。これにより、作業者は、着脱棒を使用して浴槽の外から簡単に下部短冊部材を着脱することができる。
請求項8は前記目的を達成するために、請求項1〜7の何れかの板ガラスの製造装置を用いて板ガラスを製造することを特徴とする板ガラスの製造方法を提供する。
本発明に係るフロート法の板ガラスの製造装置によれば、隔壁があっても作業者の作業をし易くできると共に、トップロールを使用する場合でも対応可能である。
以下添付図面に従って本発明に係るフロート法の板ガラスの製造装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、フロート法の板ガラス製造装置10の平面図が示されている。液晶用等のフラットパネルディスプレー(FPD)用のガラスは、一般に約0.7mmの板厚が要求され、また、平坦度も高精度に要求される。板ガラス製造装置10は、樋状体12を利用したエッジ22を非接触で保持する方式のフロート板ガラス製造装置10が適用され、このフロート板ガラス製造装置10によれば、FPD用の板ガラスとして要求される板厚や平坦度を満足した板ガラスを製造することができる。
フロート板ガラス製造装置10の樋状体12は、図2に示す浴槽14の溶融ガラスリボン20の下部に配設され、浴槽14に溜められた溶融錫(溶融金属)16に浸漬配置されると共に、溶融ガラス炉から浴槽14の図1に示した供給口18へ連続供給された溶融ガラスリボン20の両エッジ22、22に沿って配置される。また、溶融ガラスリボン20は、溶融錫面上を図1のX方向であるレヤーの方向に引っ張られながら進行し、浴槽14の溶融ガラスリボン20の高温域(ソーダライムガラスでは約930〜1300℃)及び成形域(ソーダライムガラスでは約800〜約930℃)においてエッジ22、22が浴面24(図2)の凹部26に保持されている。また、凹部26によってエッジ22、22が保持された溶融ガラスリボン20は、溶融ガラスリボン20の引っ張り速度によって、板厚が調整され、その後、安定した状態で浴槽後段に送られ、冷却されて前記のレヤーへ送られる。尚、実施の形態のガラスはソーダライムであり、前記高温域における溶融錫16は、電気ヒータによって加熱されている。尚、浴槽14は耐火煉瓦で造られている。
図2は、図1のF−F断面図である。これらの図に示すように、樋状体12は断面略L字状に形成されると共に、上部開口部28が形成された鉛直流路30と、下部開口部32が形成された水平流路34とからなる。また、浴槽14の底部で樋状体12の水平流路34の下方にはリニアモータ40が設置され、このリニアモータ40によって水平流路34内の溶融錫16に駆動力が与えられ、溶融錫16が樋状体12の鉛直流路30と水平流路34とにおいて矢印Hで示す方向に流動する。この動作により、浴面24に対して略垂直な方向であって、浴槽14の底に向かう溶融錫16の流れが発生するので、溶融ガラスリボン20のエッジ22の下方に負圧が発生し、この負圧によって、エッジ22近傍の溶融錫16の液面レベルがその周囲の液面レベルよりも低くなる。そして、この低くなった浴面24の凹部26に溶融ガラスリボン20のエッジ22が流入する。これにより、溶融ガラスリボン20のエッジ22が凹部に保持されるので、溶融ガラスリボンの幅広化(溶融ガラスリボンが幅方向に狭まるのを防止)ができ、その幅広状態を維持することができ、平衡厚さよりも薄い板ガラスが製造される。
リニアモータ40は、溶融錫16を直接駆動でき、流量制御が容易である利点がある。リニアモータ40は、櫛歯状の一次鉄心にコイルを形成し、このコイルに三相交流電圧を印加し、コイルを順次磁化することにより、一定の方向に移動する磁界を発生する。この
リニアモータ40は、樋状体12の浴槽14底面の下方に配置され、樋状体12の水平流路34内にある溶融錫16に対して駆動力(付勢力)を作用するような位置に配置されている。これにより、鉛直流路30及び水平流路34内の溶融錫16は、リニアモータ40の駆動力によって、矢印Hの如く溶融ガラスリボン20のエッジ22の直下から浴槽14の側壁15に向かって流動し、矢印Iの如く流動の向きを変える。また、鉛直流路30の上部開口部28にて発生している吸引力により、縁部浴槽14Aの溶融錫16及び中央部浴槽14Bの溶融錫16は、上部開口部28側に導かれて上部開口部28に吸引される。これによって、浴面24に安定した凹部26が形成され、エッジ22が凹部26に安定して保持される。
次に、図3〜図9を用いて浴槽14の天井構造及び隔壁46について説明する。
図3は製造装置の長手方向の断面図であり、図4は図3のK−K断面図であり、図5は図4のL−L断面図であり、図6は図3のM−M断面図である。
これらの図に示すように、浴槽14の天井構造42(ルーフ)は、天井壁44を構成するレンガ壁(ルーフレンガ)により、溶融錫16の上部に展開する空間から通気可能な状態に隔てられている。図4及び図5から分かるように、溶融錫16の上部空間は、溶融ガラスリボン20のエッジ22、22の略上方に垂直に設けられた一対の隔壁46により、溶融ガラスリボン20で覆われた領域の上部空間Aと覆われていない領域の上部空間Bとに仕切られる。隔壁46は、その上端が天井壁44まで達することで気密性が確保される一方、その下端が溶融ガラスリボン20の上面に対して間隙が形成される位置まで延設される。この間隙の寸法は通常10〜300mmの範囲で形成される。また、隔壁46は溶融ガラスリボン20のエッジ22近傍で、溶融ガラスリボン20で覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とに仕切るが、エッジ22位置よりも所定幅(W)内側に入り込んだ位置で上部空間A,Bを仕切るようにするとよい。この場合、所定幅としては0〜400mmの範囲が好ましく、50〜200mmの範囲がより好ましい。
天井構造42は、主として天井壁44と、天井壁44との間に空間が生じるように設けられたケーシング48とからなり、該空間は隔壁46にそれぞれ対応する第1の仕切り壁50により長手方向に仕切られ、空間Aに対応する空間aと空間Bに対応する空間bが形成される。ケーシング48にはガス供給管52が設けられ、空間aには不活性ガスが供給され、空間bには還元性ガスが供給される。これらのガスは、天井壁44同士の間隙や天井壁44とヒーター54との間隙を通過して溶融錫16上の空間A又は空間Bに供給される。この場合、図6に示すように、天井構造42内の空間を、幅方向に仕切る複数の第2の仕切り壁57(図6では3枚で示す)で仕切ると一層好ましい。更に仕切り壁57に対応する隔壁47が溶融ガラスリボン20の上部空間に設けられることが好ましい。隔壁47は、その上端が天井壁44まで達することで気密性が保持される一方、その下端が溶融ガラスリボン20の上面に対して間隙が形成される位置まで延設される。この間隙の寸法は通常10〜300mmの範囲で形成され、仕切り壁50に対応する隔壁46の下端位置とほぼ同じであると好ましい。この第2の仕切り壁57により、天井構造42内の上記した空間aはa1、a2、a3、a4の各部屋に区画されると共に、天井構造42内の上記した空間bはb1、b2、b3、b4の各部屋に区画される。そして、a1、a2、a3、a4の各部屋には、不活性ガスである窒素100%のガスを部屋ごとに流量を変えて供給し、b1、b2、b3、b4の各部屋には、還元性ガスである水素ガスと窒素ガスとの混合ガスの組成比及び流量を変えて供給する。したがって、第2の仕切り壁57及び隔壁47により、溶融錫16の浴面24のうち溶融ガラスリボン20で覆われた領域の上部空間Aに供給する不活性ガスの流量、及び溶融ガラスリボン20で覆われていない領域の上部空間Bに供給する還元性ガスの組成、流量を、溶融ガラスリボン20の進行段階に応じて適宜調整することができる。
この空間A、Bへの不活性ガス、還元性ガスの供給において、隔壁46は、上記したように、その下端が溶融ガラスリボン20との間に微小な間隙を有するだけなので、空間Aと空間Bとのガスが実質的に相互に混ざり合うことないよう制御できる。しかし、隔壁46により溶融ガラスリボン20が製造装置10を操作する作業者から遮断されてしまい、隔壁46の内側でトラブルがあっても作業者が対処しにくいという欠点がある。
そこで、本発明では、図7及び図8に示すように、隔壁46は、上部隔壁46Aと下部隔壁46Bとの上下分割構造に形成されると共に、上部隔壁46Aと下部隔壁46Bのうちの少なくとも下部隔壁46Bは短冊状の下部短冊部材58同士を横方向(溶融ガラスリボンの進行方向相当)に連設して構成され、該下部短冊部材58が上部隔壁46Aに対して着脱できるようにした。
本実施の形態では、上部隔壁46Aも下部隔壁46Bと同様に、短冊状の上部短冊部材60を横方向に連設させることで構成するようにした。これは、隔壁46は空間A,B内の高温に曝されるので、上部隔壁46Aを一枚板にすると、熱応力によって上部隔壁46Aにヒビや割れが発生し易いためであり、上部短冊部材60同士を横方向に連設して上部隔壁46Aを構成することでヒビや割れを防止できる。また、実施の形態では、上部短冊部材60の幅と下部短冊部材58の幅とを同じにしたが、上部隔壁46Aは固定した状態で使用されるので、同じであることに限定する必要はない。即ち、上部短冊部材60が熱応力でヒビや割れが発生しない範囲で上部短冊部材60を幅広にしてもよい。
また、下部短冊部材58及び上部短冊部材60の厚さは1mm以上あればよく、好ましくは5〜300mmである。また、上部隔壁46Aは、固定状態で使用され半永久的な寿命が要求されることから、上部短冊部材60を例えばシリマナイトなどのレンガを好適に使用できる。一方、下部隔壁46Bは下部短冊部材58を着脱使用すると共に、下部短冊部材58に後記する孔64やフック66を一体形成する関係上、耐衝撃性、耐酸化性、更には加工性が要求される。従って、下部短冊部材58は、レンガの他、耐衝撃性及び加工性に優れたカーボン製のものを好適に使用できる。
また、下部短冊部材58は、SiCの焼成体や窒化ホウ素による成形体も使用することができる。しかし、取扱い性、熱衝撃性、成形性、コスト等を考慮すると、カーボンが特に好ましい。
下部短冊部材58は常に高温に曝されるため、表面には酸化防止膜が設けられることが好ましい。酸化防止膜は、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素などのセラミックコーティング材をスプレーや刷毛などにより塗布して設けることができる。しかし、塗布むらが発生した場合には、下部短冊部材58との熱膨張率の差により酸化防止膜が剥がれ易くなる。また、衝撃等によっても酸化防止膜が剥がれることがある。従って、下部短冊部材58に酸化防止膜を均一な塗布厚みに塗布することが好ましい。
一方、スパッタ(CVD法、CVI法等)によりSiCの酸化防止膜を設けることもできる。この場合、厚さは略一定となるため、下部短冊部材58との熱膨張率との差による酸化防止膜の剥がれは発生しにくい。また、SiCは強度的にも強いため、衝撃等による酸化防止膜の剥がれも発生しにくい。SiCの膜厚は1〜1000μmが好ましい。薄過ぎると衝撃等で剥がれ易くなり、厚過ぎると下部短冊部材58との熱膨張率との差が大きくなり、剥がれ易くなる。より好ましい膜厚は、10〜500μm、更に好ましくは50〜200μm、特に好ましくは80〜120μmである。
図8に示すように、上部短冊部材60の下端部付近には左右一対の突起62、62が形
成されると共に、下部短冊部材58の上端部付近には突起62に対応して左右一対の孔64、64が形成される。そして、上部短冊部材60の突起62に下部短冊部材58の孔64を挿入することで、下部短冊部材58が上部短冊部材に吊り下げられる。この場合、上部短冊部材60に孔64を形成して、下部短冊部材58に突起62を形成してもよい。また、下部短冊部材58の外側面(空間B側の面)の略中央部には、左右一対のフック66、66が下向きに形成される。一方、作業者(図示せず)が使用する着脱棒68の先端には、下部短冊部材58の一対のフック66、66に係合するコ字形状の係合部68Aが形成される。これにより、作業者は、浴槽14の図示しない監視孔から着脱棒68を挿入し、図8(A)に示すように、着脱棒68先端の係合部68Aを下部短冊部材58の一対のフック66、66に係合して手前に引くことにより、図8(B)に示すように下部短冊部材58を上部短冊部材60から外すことができる。
これにより、作業者は、下部短冊部材58が外された孔から隔壁46の内側を見通すことができるので、隔壁46の内側でトラブルがあっても作業者が容易に対処することができる。また、下部隔壁46Bを多数の下部短冊部材58を横方向に連設して構成されているので、作業者は所望の下部短冊部材58を上部短冊部材60から外すことができる。
また、本実施の形態では、浴槽14の高温域(浴槽14の上流側)及び成形域(前記高温域の下流側)に樋状体12を使用して溶融ガラスリボン20のエッジ22を保持するようにした。しかし、もし樋状体12等にトラブルなどが生じ、トップロールを使用して溶融ガラスリボン20のエッジ22、22を保持する場合、本発明のように隔壁46を構成すれば、トップロールを使用する部分の下部短冊部材58を外して、トップロールを設置することが可能であり、製造装置10の利便性も向上する。
また、図9(A)、(B)に示すように、下部短冊部材58同士や上部短冊部材60同士を横方向に連設する構造としては、インターロック構造やラビリンス構造等の嵌合構造を好適に使用することができる。
図9(A)に示すインターロック構造は、下部短冊部材58の両側部をL字状に切り欠いて段差面58Aを形成し、隣接する下部短冊部材58同士の段差面58A同士を合わせる方法である。また、図9(B)に示すラビリンス構造は、上部短冊部材60の両側辺の一方に突起58Bを形成すると共に他方に溝58Cを形成し、隣接する上部短冊部材60同士の突起58Bと溝58Cを嵌合させる方法である。このように、下部短冊部材58同士や上部短冊部材60の連設構造を、インターロック構造又はラビリンス構造にすることで、下部短冊部材58や上部短冊部材60を横方向に連設して上部隔壁46Aや下部隔壁46Bを構成しても密閉性が確保される。従って、空間Aと空間Bとのガスが相互に混ざり合うことを更に防止できる。インターロック構造とラビリンス構造の比較では、取り外しの作業性を考慮すると、下部短冊部材58は図9(A)に示すインターロック構造が好ましい。
この場合、インターロック構造及びラビリンス構造の何れの場合も、隣接する下部短冊部材58同士や上部短冊部材60同士の間には微小な隙間Lを形成するように連設することが好ましい。これは、下部短冊部材58は、浴槽14において高温に曝されるために膨張するので、膨張による下部短冊部材58の破損を防止できる。
尚、本実施の形態では下部短冊部材58を上部隔壁46Aに対して着脱するようにしたが、下部短冊部材58を上部隔壁46Aに対して開閉可能な、例えばヒンジ構造で連結しておき、下部短冊部材58を開閉することで、隔壁46の内側が見えるようにすることも可能である。
本発明の板ガラスの製造装置の平面図 図1のF−F線上から見た樋状体の断面図 本発明の板ガラスの製造装置の長手方向の断面図 図3のK−K断面図 図4のL−L断面図 図3のM−M断面図 隔壁を説明する説明図 隔壁の下部隔壁を構成する下部短冊部材を着脱する説明図 下部短冊部材の連設構造を説明する説明図
符号の説明
10…板ガラスの製造装置、12…樋状体、14…浴槽、16…溶融錫、18…供給口、20…溶融ガラスリボン、22…エッジ、24…浴面、26…凹部、28…上部開口部、30…鉛直流路、32…下部開口部、34…水平流路、40…リニアモータ、42…天井構造、44…天井壁、46…隔壁、46A…上部隔壁、46B…下部隔壁、47…隔壁、48…ケーシング、50…第1の仕切り壁、52…ガス供給管、54…ヒーター、56…排気管、57…第2の仕切り壁、58…下部短冊部材、60…上部短冊部材、62…突起、64…孔、66…フック、68…着脱棒

Claims (8)

  1. 溶融金属が溜められると共に該溶融金属上で所定方向に溶融ガラスリボンを進行させて所定厚さの帯状板ガラスを成形するフロート成形用の浴槽と、前記溶融ガラスリボンの左右のエッジ付近の上方に該エッジに略沿って設けられ、前記溶融金属の浴面のうち前記溶融ガラスリボンで覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る一対の隔壁と、を備えた板ガラスの製造装置において、
    前記一対の隔壁は、上部隔壁と下部隔壁との上下分割構造に形成されており、前記上部隔壁と下部隔壁のうちの少なくとも下部隔壁は短冊状の下部短冊部材同士を横方向に連設して構成され、該下部短冊部材を前記上部隔壁に対して少なくとも一部の領域において着脱可能又は開閉可能としたことを特徴とする板ガラスの製造装置。
  2. 前記一対の隔壁は、溶融ガラスリボンの左右のエッジよりも所定幅内側に入り込んだ位置に配置されることを特徴とする請求項1の板ガラスの製造装置。
  3. 前記上部隔壁も短冊状の上部短冊部材同士が横方向に連設して構成されることを特徴とする請求項1又は2の板ガラスの製造装置。
  4. 前記下部短冊部材同士は嵌合構造により連設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1の板ガラスの製造装置。
  5. 前記下部短冊部材は、表面にSiC膜が設けられたカーボン製部材からなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の板ガラスの製造装置。
  6. 前記着脱可能な構造は、前記上部隔壁の下端部付近に形成された第1の係合部と、前記下部短冊部材の上端部付近に形成された第2の係合部とを係合させることで、前記上部隔壁に前記下部短冊部材を吊り下げる構造であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の板ガラスの製造装置。
  7. 前記下部短冊部材には、該下部短冊部材を着脱するのに使用する着脱棒に係合するフックが形成されていることを特徴とする請求項6の板ガラスの製造装置。
  8. 請求項1〜7の何れかの板ガラスの製造装置を用いて板ガラスを製造することを特徴とする板ガラスの製造方法。
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