JP2011251896A - ガラス板の製造装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロートチャンバー内部の溶融金属から揮発された金属蒸気がガラスリボン方向へと移動することを抑制できるように構造が改善したガラス板の製造装置及び方法を提供する。
【解決手段】溶融ガラスが流動可能な溶融金属が貯蔵されたボトムブロック110と、ボトムブロック110を覆うことができるルーフブロック120と、ボトムブロック110の両側面に存在する、溶融金属から発生する蒸気の溶融ガラス方向への進行を防止するか、溶融ガラス上部の雰囲気を維持させるためのシールド150とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス板の製造装置及び方法に関するものであって、より詳しくは、フロートチャンバー(float chamber)内部の溶融金属から揮発された金属蒸気がガラスリボン方向へと移動することを抑制できるように構造が改善したガラス板の製造装置及び方法に関する。
本出願は、2010年06月01日出願の韓国特許出願第10‐2010‐0051987号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
一般に、車両、建築物などの窓ガラス(例えば、ソーダ石灰シリカガラス)のような、産業に利用されるほとんどの平板ガラス(flat glass)は、公知のフロートガラス法で生産されている。また、TFT液晶ディスプレイなどのための薄い板ガラス(thin glass pane)またはガラスフィルム(glass film)(例えば、無アルカリガラス)もフロートガラス法によるガラス、即ち、「フロートガラス」である。
図1は、一般的なフロートガラス製造システムを概略的に示す断面図である。
図1を参照すれば、従来のガラス板の製造装置2は、例えばスズまたはスズ合金のような溶融金属Mの酸化を防止するために、内部が還元性水素(H)及び/または窒素(N)ガスで満たされた状態で密閉維持するためのフロートチャンバー1を構成する。すなわち、フロートチャンバー1は、ボトムブロック(bottom block)6と、その上部に位置したルーフブロック(roof block)7と、ボトムブロック6とルーフブロック7との間に設けられ、ベント孔(vent hole)8aが設けられたサイドシール(side seal)8とを備える。
一方、ルーフブロック7は、複数の耐火煉瓦で構成されたルーフ煉瓦層を含み、ルーフ煉瓦層には複数のヒーター9が設けられる。このようなヒーター9は、フロートチャンバー1の内部を所定温度雰囲気に維持するためのものである。
ところが、従来のガラス板の製造装置2において、フロート槽(float bath)2の内部で流動するスズから構成された溶融金属Mは、フロートチャンバー1内部に存在する酸素と反応すれば、スズ酸化物(例えば、SnO)の状態で蒸発することになり、これが凝縮、還元されれば金属スズになって溶融ガラスGの表面に落下し、最終的に生産されるフロートガラスに欠陥を発生させる。従って、このような結晶の生成を抑制することにより、高品質のフロートガラス製品を生産することが求められている。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために創案されたものであって、溶融ガラスで覆われていない溶融金属の自由端から揮発された金属(スズ)蒸気の気流がガラスリボン方向へと移動することを抑制できるように構造が改善したガラス板の製造装置及び方法を提供することにその目的がある。
上記のような目的を達成するために、本発明の望ましい実施例によるガラス板の製造装置は、溶融ガラスが流動可能な溶融金属が貯蔵されたボトムブロックと、上記ボトムブロックを覆うことができるルーフブロックと、上記ボトムブロックの両側面に存在する、上記溶融金属から発生する蒸気の上記溶融ガラス方向への進行を防止するか、上記溶融ガラス上部の雰囲気を維持させるためのシールド(shield)とを備える。
望ましくは、上記シールドは、上記溶融ガラスのエッジ位置に対応するように、上記ルーフブロックの長手方向に上記ルーフブロックにぶら下がって配置される。
望ましくは、上記シールドの端は、上記溶融金属の表面と予め決定された間隔ほど離隔して配置される。
望ましくは、上記シールドは、耐火物を含む。
望ましくは、上記耐火物は、アルミナ系またはシリカ系である。
望ましくは、上記耐火物は、シリマナイト(sillimanite)材質の耐火煉瓦を含む。
望ましくは、上記シールドは、内部に内蔵されたクーラーをさらに備える。
望ましくは、上記クーラーは、冷媒貯蔵可能なチューブを含む。
上記目的を達成するための本発明によるガラス板の製造方法は、前述の実施例のガラス板の製造装置のフロートチャンバーの入口から上記溶融金属の上に溶融状態のガラスを連続的に供給するステップと、上記溶融金属の上で上記ガラスをガラスリボンに成形するステップと、上記ガラスリボンを上記フロートチャンバーの出口から連続的に引き出すステップとを含む。
本発明によるガラス板の製造装置及び方法は、スズを含む溶融金属表面の上端にフロート槽の長手方向にヒートシールドを設けることで、溶融金属から揮発されたスズ蒸気の気流がガラスリボン方向へと移動することを防止することで、最終生産されるガラスがスズ酸化物による欠陥を有する可能性を根本的に防止することができる。
本明細書に添付される下記の図面は本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはいけない。
一般的なフロートガラス製造システムを概略的に示す断面図である。 本発明の望ましい実施例によるガラス板の製造装置を概略的に示す分離斜視図である。 図2の側断面図である。 図2のシールドの変形例を示す断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例によるガラス板の製造装置及び方法を詳しく説明する。
本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはいけず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例は本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
図2は本発明の望ましい実施例によるガラス板の製造装置を概略的に示す分離斜視図であり、図3は図2の側断面図である。
図2及び図3を参照すれば、本実施例によるガラス板の製造装置100は、溶融金属Mが貯蔵され流動するボトムブロック110と、ボトムブロック110を覆うようにその上部に位置したルーフブロック120と、ルーフブロック120とボトムブロック110との間に介されるサイドシール130とを備える。
ボトムブロック110、ルーフブロック120、及びサイドシール130は、全体的に入口102と出口104とを有する密閉構造のフロートチャンバー106を構成する。フロートチャンバー106の内部雰囲気は窒素と水素との混合気体からなり、このような混合気体は外部大気より若干高い圧力に維持され、溶融金属M及びリボン状の溶融ガラスGはルーフブロック120の煉瓦層に設けられたヒーター122によって約600〜1300℃程度に維持される。溶融ガラスGは無アルカリガラスまたはソーダ石灰ガラス(soda‐lime glass)などである。フロートチャンバー106の内部における溶融金属Mの流動発生原理と構造、及び溶融ガラスGの投入、リボン化、移動及び排出などは一般的なフロートガラス法で公知されているため、本実施例ではその詳細な説明を省略する。部材番号141は溶融ガラスGを成形するためのトップローラー、部材番号142はヒーター122に電源を供給及び/または調節するためのトランスフォーマー、部材番号143はトランスフォーマー150とヒーター122とを電気的に連結するバスバー(bus bar)、部材番号145は溶融金属Mの流動方向を制御する錫バリア(tin barrier)、部材番号146はフロートチャンバー106内部のガスを外部に排出させるためのベンティングシステム(venting system)、部材番号147はボトムブロック110を冷却させるための冷却部材をそれぞれ示す。
ボトムブロック110は、例えば、溶融スズ、溶融スズ合金などのような溶融金属Mを貯蔵可能にフロートチャンバー106の長手方向に長く配置された複数の煉瓦Bから構成され、このような煉瓦Bは金属ケーシング(図示せず)によって囲まれる。
サイドシール130は、ボトムブロック110の上面とルーフブロック120の下面とに位置することで、フロートチャンバー106の内部を外部と実質的に遮断して密閉させるためのものである。サイドシール130は実質的に立方体形状を持つ複数の構造物がフロートチャンバー106の長手方向に隣接して配置される。サイドシール130の数箇所にはベンティングシステム146と連通する排出口134が形成できる。
ルーフブロック120は、フロートチャンバー106が設けられた建物の梁などの上部構造物(図示せず)にぶら下げられている鋼鉄製ルーフケーシング124と、ルーフケーシング124の下部空間に配置されたライニング保温煉瓦製サイドブロック126とを備える。ルーフブロック120の内部空間は、ルーフ煉瓦層によって上部空間と下部空間とに分けられる。
本発明の望ましい実施例によるフロートチャンバー106は、溶融金属Mの表面、すなわち、溶融ガラスGが覆われていない溶融金属Mの表面から発生する金属(スズ)酸化物が溶融ガラスGの方向に進むことを防止することはもちろん、溶融ガラスG上の雰囲気がサイドシール130の方向に、すなわち、溶融ガラスGの進行方向からフロートチャンバー106の両側面へと移動することを遮断するためのシールド150を備える。
シールド150は、溶融ガラスGのエッジ部分に対応するように、ルーフブロック120にぶら下がって設けられ、フロートチャンバー106の長手方向に連続的にまたは非連続的に配置される。また、シールド150はフロートチャンバー106の両側面に対称的に設けられることが望ましく、トップローラー141のようなフロートチャンバー106の両側面に設けられた他の部材と干渉しないように設けられることが望ましい。また、前述のように、シールド150の上端はルーフブロック120の煉瓦層の下端にぶら下がって設けられ、それに対応するシールド150の下端は溶融金属Mの表面と予め決定された間隔ほど離隔して配置される。
シールド150はルーフブロック120と同一の材質、例えば、アルミナ系またはシリカ系の耐火物から製造される。さらに望ましくは、シールド150はシリマナイト材質の耐火煉瓦を含む。
図3に示すように、シールド150はフロートチャンバー106の内部空間を3つの区域に実質的に分割する。すなわち、両側面に設けられた2つのシールド150によってフロートチャンバー106の内部空間は、ガラス成形に必要な雰囲気に維持される中央空間105と、溶融金属Mのスズ酸化物がサイドシール130を通して外部に排出できるサイド空間107とに分けられる。従って、フロートチャンバー106の中央空間105は溶融ガラスGが溶融金属Mの表面を実質的に全部覆っているので溶融金属Mの表面からスズ酸化物が蒸発する可能性がほとんどなく、シールド150によって両側面のサイド空間107に存在するスズ酸化物が中央空間105に侵透することが抑制される。
図4は、本発明の他の実施例によるシールド部分の断面図である。
図4を参照すれば、本実施例によるシールド250は、耐火煉瓦のシールド本体251の内部にクーラー252が設けられ、クーラー252の内部には水などの冷媒254が貯蔵されたチューブ構造である。本実施例は、フロートチャンバー106内部の高温雰囲気によってシールド250が加熱されるとき、シールド250を冷却させるためにシールド250内部に別途のクーラー252を設けたものであって、クーラー252はチューブ以外の他の冷却設備を含み得、チューブに貯蔵された冷媒254は水以外の他の冷却物質が使われ得ることは当業者に自明である。
本発明の望ましい例示的実施例によるガラス板の製造方法は、前述の実施例で説明されたガラス板の製造装置100を用い、成形温度が600〜1300℃であるガラスをフロートガラス法によって製造する。すなわち、溶融ガラスGは、溶融金属Mよりも低い粘度を有し、溶融金属Mよりも2/3程度さらに軽い。溶融ガラスGはフロートチャンバーの入口3から連続的にフロートチャンバー106の内部へ供給され、溶融金属Mの上で浮動及び展開されながらフロートチャンバー106の下流側に進む。この過程において、溶融ガラスGは自分の表面張力と重力によって平衡厚さの付近に到逹することになり、ある程度凝固されたガラスストリップまたはガラスリボンGRが形成され、このようなガラスリボンGRはフロートチャンバー106の出口104に接したリフトアウトローラー(図示せず)によって引き出されて徐冷炉(図示せず)に向けて引っ張られる。また、入口102から投入される溶融ガラスGの量、リフトアウトローラーの回転速度によって決定される引っ張り速度、及びフロートチャンバー106の内部に設けられたトップローラー140のような成形手段の調節及び変化によって、生産されるガラスリボンGRの厚さを変化させることができる。従って、ガラス板の製造装置100は、循環且つ連続的な工程を含み、絶え間なく永続的に作動でき、可能な限り中断することなく数年以上平板ガラスを製造することができる。ここで、ガラスリボンGの引き出し速度は通常1〜200トン/日程度である。この過程において、溶融ガラスGが覆われていない溶融金属Mの表面から発生するスズ酸化物は、シールド150によって遮断されてフロートチャンバー106の長手方向の中心領域に侵透することが防止されることで、そのようなスズ酸化物がガラスリボンの表面に沈殿される可能性を遮断して、最終生産される製品の品質を向上させることができる。
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。

Claims (10)

  1. 溶融金属が流動可能に貯蔵されたボトムブロックと、
    上記ボトムブロックを覆うことができるルーフブロックと、
    上記ボトムブロックの長手方向の両側面において、上記溶融金属から発生する蒸気が溶融ガラス方向へ進行することを防止する、又は上記溶融ガラス上部の雰囲気を維持するシールドと
    を備えることを特徴とするガラス板の製造装置。
  2. 上記シールドは、上記溶融ガラスのエッジ位置に対応するように、上記ルーフブロックの長手方向に上記ルーフブロックにぶら下がって配置されたことを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造装置。
  3. 上記シールドの端は、上記溶融金属の表面と予め決定された間隔に離して配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板の製造装置。
  4. 上記シールドは、耐火物を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のガラス板の製造装置。
  5. 上記耐火物は、アルミナ系またはシリカ系であることを特徴とする請求項4に記載のガラス板の製造装置。
  6. 上記耐火物は、シリマナイト材質の耐火煉瓦を含むことを特徴とする請求項5に記載のガラス板の製造装置。
  7. 上記シールドは、内部に内蔵されたクーラーをさらに備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のガラス板の製造装置。
  8. 上記クーラーは、冷媒貯蔵可能なチューブを含むことを特徴とする請求項7に記載のガラス板の製造装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載のガラス板の製造装置のフロートチャンバーの入口から上記溶融金属の上に溶融状態のガラスを連続的に供給するステップと、
    上記溶融金属の上で上記ガラスをガラスリボンに成形するステップと、
    上記ガラスリボンを上記フロートチャンバーの出口から連続的に引き出すステップと
    を含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法に従って製造されたガラス板。
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