WO2013179862A1 - フロートガラスの成形装置、及びフロートガラスの製造方法 - Google Patents

フロートガラスの成形装置、及びフロートガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】溶融スズを収容する浴槽を備え、前記溶融スズ上に連続的に供給される溶融ガラスを前記溶融スズ上で流動させて成形するフロートガラスの成形装置において、前記溶融スズの上面は、前記溶融ガラスで覆われていない露出部分を含み、該露出部分の上方の空間を複数の空間に仕切る仕切り壁が設けられており、該仕切り壁は、前記露出部分との間に空間を形成する天井部と、前記溶融ガラスの側縁の少なくとも一部に沿って前記露出部分の上方から前記溶融スズに挿入される側壁部とを含むフロートガラスの成形装置。

Description

フロートガラスの成形装置、及びフロートガラスの製造方法
 本発明は、フロートガラスの成形装置、及びフロートガラスの製造方法に関する。
 フロートガラスの成形装置は、溶融スズを収容する浴槽を備え、溶融スズ上に連続的に供給される溶融ガラスを溶融スズ上で流動させてガラスリボンに成形する。成形されたガラスリボンは、溶融スズから斜め上方に引き上げられ、徐冷炉に送られる。徐冷炉内で徐冷されたガラスリボンは、切断装置によって所定の寸法形状に切断され、製品である板ガラスが得られる。
 溶融スズの上方の空間は、溶融スズの酸化を防止するため、還元性ガスで満たされる。還元性ガスとしては、一般的に、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスが用いられる。還元性ガスは、溶融スズと間隔をおいて配置される天井の孔から供給される。
 溶融スズの上方の空間は、溶融スズから揮発したスズ蒸気と、外部から混入した酸素とを僅かに含んでいる。スズ蒸気が酸化されると、酸化スズ粒子が生じ、酸化スズ粒子が溶融ガラスの上面に落下し、板ガラスの品質が損なわれることがある。
 そこで、板ガラスの品質向上等を目的として、溶融スズの上方の空間を複数の空間に仕切る隔壁を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。隔壁は、溶融スズの上面のうち溶融ガラスで覆われている部分と、溶融ガラスで覆われていない露出部分との境界に沿って形成される。溶融スズの露出部分から揮発したスズ蒸気の酸化によって生じる酸化スズ粒子は、露出部分に落下し、溶融ガラスの上面に落下しないので、板ガラスの品質が良くなる。
日本国特開昭50-3414号公報
 溶融スズには、溶融スズの上方の空間に外部から混入した酸素が溶け込む。そのため、溶融スズは不純物として酸素を含んでおり、溶融スズの温度が低くなると、溶融スズ中に酸化スズ粒子が析出する。浴槽のサイド煉瓦は溶融スズよりも低温になるので、浴槽のサイド煉瓦付近で酸化スズ粒子が析出しやすい。酸化スズ粒子は、溶融スズよりも軽いので、溶融スズ上に浮上する。酸化スズ粒子が溶融ガラスの下面に付着することがあった。
 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、品質の良い板ガラスが得られるフロートガラスの成形装置の提供を目的とする。
 上記課題を解決するため、本発明の一態様によるフロートガラスの成形装置は、
 溶融スズを収容する浴槽を備え、前記溶融スズ上に連続的に供給される溶融ガラスを前記溶融スズ上で流動させて成形するフロートガラスの成形装置において、
 前記溶融スズの上面は、前記溶融ガラスで覆われていない露出部分を含み、
 該露出部分の上方の空間を複数の空間に仕切る仕切り壁が設けられており、
 該仕切り壁は、前記露出部分との間に空間を形成する天井部と、前記溶融ガラスの側縁の少なくとも一部に沿って前記露出部分の上方から前記溶融スズに挿入される側壁部とを含む。
 本発明によれば、品質の良い板ガラスが得られるフロートガラスの成形装置が提供される。
本発明の一実施形態によるフロートガラス製造装置の概略を示す断面図である。 一実施形態による成形装置の詳細を示す断面図である。 一実施形態による成形装置の下部構造を示す平面図である。 図3のIV-IV断面図である。 図4の変形例を示す断面図である。 図4の別の変形例を示す断面図である。 図3の変形例を示す平面図である。 図4のさらに別の変形例を示す断面図である。
 以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、以下の図面において、同一のまたは対応する構成には、同一のまたは対応する符号を付して、説明を省略する。
 図1は、本発明の一実施形態によるフロートガラス製造装置の概略を示す断面図である。
 フロートガラス製造装置100は、ガラス原料10を溶解し溶融ガラス12とする溶解装置200と、溶解装置200から供給される溶融ガラス12を帯状に成形してガラスリボン14とする成形装置300と、成形装置300で成形されたガラスリボン14を徐冷する徐冷装置400とを備える。
 溶解装置200は、溶融ガラス12を収容する溶解槽210と、溶解槽210内に収容される溶融ガラス12の上方に火炎を形成するバーナ220とを備える。溶解槽210内に投入されたガラス原料10は、バーナ220が形成する火炎からの輻射熱によって溶融ガラス12に徐々に溶け込む。溶融ガラス12は、溶解槽210から成形装置300に連続的に供給される。
 成形装置300は、溶融スズ310を収容する浴槽320を備える。成形装置300は、溶融スズ310上に連続的に供給される溶融ガラス12を溶融スズ310上で所定方向に流動させることにより帯状に成形し、ガラスリボン14とする。ガラスリボン14は、所定方向に流動しながら冷却され、浴槽320の下流域で溶融スズ310から引き上げられる。溶融スズ310から引き上げられたガラスリボン14は、リフトアウトロール510によって徐冷装置400に搬送される。
 徐冷装置400は、成形装置300で成形されたガラスリボン14を徐冷する。徐冷装置400は、例えば、断熱構造の徐冷炉(レア)410と、徐冷炉410内に配設され、ガラスリボン14を所定方向に搬送する複数の搬送ロール420とを含む。徐冷炉410内の雰囲気温度は、徐冷炉410の入口から出口に向かうほど低温となっている。徐冷炉410内の雰囲気温度は、徐冷炉410内に設けられるヒータ440等で調整される。徐冷炉410の出口から搬出されたガラスリボン14は、切断機で所定のサイズに切断され、製品である板ガラスが得られる。
 図2は、一実施形態による成形装置の詳細を示す断面図である。図3は、一実施形態による成形装置の下部構造を示す平面図である。図3において、X方向は溶融ガラスの流動方向と平行な方向、Y方向は溶融ガラスの幅方向と平行な方向である。X方向及びY方向は互いに直交する。図4は、図3のIV-IV断面図である。
 成形装置300は、図2及び図4に示すように、溶融スズ310を収容する浴槽320、浴槽320の外周上縁に沿って設置される環状の上部側壁324、及び上部側壁324の上側開口部を覆う天井326等で構成される。天井326には、天井326と、溶融スズ310や溶融ガラス12との間に形成される空間(以下、「成形装置300の上部空間」という)に還元性ガスを供給するガス供給路330(図2参照)が設けられている。また、ガス供給路330には、加熱源としてのヒータ332が挿通されている。
 ガス供給路330は、溶融スズ310の酸化を防止するため、成形装置300の上部空間に還元性ガスを供給する。還元性ガスは、例えば、水素ガスを1体積%~15体積%、窒素ガスを85体積%~99体積%含んでいる。
 成形装置300の上部空間は、上部側壁324を構成する煉瓦同士の隙間等から大気が混入するのを制限するため、大気圧よりも高い気圧となっている。成形装置300の上部空間に供給された還元性ガスは、上部側壁324に形成される排出口等から外部に放出される。
 ヒータ332は、溶融ガラス12の温度分布を調節するため、例えば、溶融ガラス12の流動方向(X方向)及び幅方向(Y方向)に間隔をおいて複数設けられる。ヒータ332の出力は、上流側から下流に向かうほど溶融ガラス12の温度が低くなるように制御される。また、ヒータ332の出力は、溶融ガラス12の厚さが幅方向に均一になるように制御される。
 浴槽320は、上方に開放された箱状の金属ケース321、並びに金属ケース321内に設置されるボトム煉瓦322及びサイド煉瓦323で構成される。金属ケース321は、浴槽320内に側方や下方から大気が混入するのを防止する。複数のボトム煉瓦322は、2次元的に配列されており、環状に並ぶ複数のサイド煉瓦323で囲まれている。
 浴槽320内の溶融スズ310の上面は、図3に示すように、幅の広いワイド域Z1と、幅が徐々に狭くなる中間域Z2と、幅の狭いナロー域Z3とを上流側からこの順で備える。ワイド域Z1の温度は、アルカリ含有ガラスの場合、700℃以上に設定される。また、ワイド域Z1の温度は、無アルカリガラスの場合、900℃以上に設定される。
 浴槽320内の溶融スズ310の上面は、図3及び図4に示すように、溶融ガラス12で覆われていない露出部分311と、溶融ガラス12で覆われている部分312(図4参照)とを含む。露出部分311は、図3に示すように溶融ガラス12の幅方向両側にある。
 成形装置300は、図3及び図4に示すように、露出部分311の上方空間327を複数の空間328、329(図4参照)に仕切る仕切り壁340、350をさらに備えている。仕切り壁340、350は、溶融ガラス12の流れを妨げないように溶融ガラス12から離間して配置され、溶融ガラス12を挟んで対称に配置される。仕切り壁340、350は略同じ構造であるので、以下、代表的に一方の仕切り壁340について説明する。
 仕切り壁340は、図4に示すように、例えば下方に開放された箱形状であって、溶融スズ310の露出部分311の一部を覆っている。仕切り壁340は、溶融スズ310の露出部分311から揮発したスズ蒸気の拡散を抑制し、酸化スズ粒子の生成を低減する。また、仕切り壁340は、上部側壁324を構成する煉瓦同士の隙間等から混入した酸素ガスと溶融スズ310との接触を制限し、溶融スズ310中の酸素濃度の増加を抑制する。また、仕切り壁340は、溶融スズ310の上方から溶融スズ310に挿入されており、ヒータ332からの受熱を溶融スズ310に伝熱する。
 仕切り壁340は、溶融スズ310の露出部分311との間に空間328(以下、「処理空間328」ともいう)を形成する天井部341と、溶融ガラス12の側縁の少なくとも一部に沿って形成される側壁部342とを含む。また、仕切り壁340は、側壁部342と略対向する対向壁部343と、処理空間328の上流側の開口部を閉塞する蓋部344と、処理空間328の下流側の開口部を閉塞する蓋部345とを含む。
 天井部341は、上部側壁324の上側開口部を覆う天井326から離間して配置され、浴槽320のサイド煉瓦323から浴槽320の内側に延びている。天井部341は、上方から落下する酸化スズ粒子314を受け止め、溶融スズ310の汚染を抑制する。
 天井部341と露出部分311との間に形成される空間328は、溶融スズ310を浄化処理するための処理空間であってよい。浄化処理は、詳しくは後述するが、溶融スズ310中の不純物である酸素を取り除く処理である。浄化処理は、溶融スズ310から揮発した酸化スズ蒸気から、酸素を含むガス(例えば水蒸気又は一酸化炭素ガス)とスズ液滴とを生成し、酸素を含むガスを処理空間328の外部に排出する処理を含む。
 側壁部342は、溶融ガラス12の流動を妨げないように、溶融ガラス12から離間して配置される。側壁部342は、溶融スズ310の上面の露出部分311に上方から挿入されている。側壁部342は、浴槽320内の溶融スズ310が対流によって均質になるように、浴槽320のボトム煉瓦322から離れていてよい。
 対向壁部343は、サイド煉瓦323の凹部に固定されている。対向壁部343は、露出部分311に上方から挿入されている。対向壁部343の溶融スズ310との接触面は、サイド煉瓦323の溶融スズ310との接触面と面一となっている。
 蓋部344、345は、露出部分311に上方から挿入されている。
 ところで、溶融スズ310には、成形装置300の上部空間に外部から混入した酸素が溶け込む。そのため、溶融スズ310は不純物として酸素を含んでおり、溶融スズ310の温度が低くなると、酸化スズ粒子が析出する。浴槽320のサイド煉瓦323は溶融スズ310よりも低温になるので、浴槽320のサイド煉瓦323付近で酸化スズ粒子314が析出しやすい。酸化スズ粒子314は、溶融スズ310よりも軽いので、溶融スズ310上に浮上する。
 本実施形態では、側壁部342が、溶融ガラス12の側縁の少なくとも一部に沿って形成されており、溶融スズ310の上面の露出部分311に上方から挿入されている。側壁部342は、溶融スズ310上に浮上した酸化スズ粒子を堰き止め、溶融ガラス12の下面への回り込みを抑制する。よって、板ガラスの品質が良くなる。
 仕切り壁340には、処理空間328の外部から内部に還元性ガスを供給する供給口347が貫通形成される。供給口347に供給管346が接続されている。供給管346の還元性ガスは、例えば水素ガス(H)又はアセチレンガス(C)を含む。アセチレンガスは、水素ガスよりも還元力が高く、浄化作用が強いので好ましい。供給管346の還元性ガスは、処理空間328の温度低下を防止するため、処理空間328に供給される前に温められた高温のガスであってもよく、供給管346にはバンドヒータが巻かれていてもよい。供給管346から処理空間328に供給された還元性ガスは、仕切り壁340に貫通形成される排気口を通り、排気口に接続される排気管348(図3参照)から成形装置300の外部に排気されてよい。排気は、成形装置300の外部と、処理空間328との気圧差を利用して行ってもよいし、排気管348に接続される真空ポンプなどの吸気源を用いて行ってもよい。供給口347および排気口の設置位置は、図示の位置に限定されない。
 供給管346の還元性ガスは、窒素ガス(N)等の不活性ガスを含む混合ガスであってもよく、この場合、アセチレンガスを含むことが好ましい。アセチレンガスは、水素ガスよりも比重が高く、不活性ガスとの比重差が小さいので、処理空間328の下方に行き渡りやすく、処理空間328の下方にある溶融スズ310の浄化に適している。尚、供給管346の還元性ガスは、コスト削減のため、ガス供給路330の還元性ガスと同じ種類のガスが使用されてもよい。
 供給管346の還元性ガス(例えばH)は、処理空間328内において、溶融スズ310から揮発した酸化スズ蒸気(SnO)と反応し、スズ蒸気(Sn)と水蒸気(HO)とを生成する。処理空間328内のスズの蒸気量が飽和蒸気量を超えると、新たに生成したスズ蒸気はスズ液滴となり、浴槽320内の溶融スズ310上に落下する。溶融スズ310からの酸化スズ蒸気(SnO)の揮発は、700℃以上で生じやすく、800℃以上で顕著であり、1000℃以上で特に顕著である。
 また、供給管346から処理空間328に供給された還元性ガスは、溶融スズ310中の酸素と反応し、水蒸気を生成する。この水蒸気は、還元性ガスと共に排気管348から成形装置300の外部に排気される。処理空間328の気圧は、残りの空間329の気圧よりも高く設定されてよい。残りの空間329に混入した酸素ガスの処理空間328への流入が制限される。
 供給管346から処理空間328に供給される還元性ガス中の水素ガス濃度(体積%)は、ガス供給路330から成形装置300の上部空間に供給される還元性ガス中の水素ガス濃度(体積%)よりも高いことが好ましい。供給管346が設けられない場合に比べて、処理空間328の雰囲気の還元力が高くなる。供給管346から処理空間328に供給される還元性ガスは、実質的に水素ガスのみで構成されてもよく、99体積%以上の水素ガス濃度を有してよい。供給管346から処理空間328に供給される還元性ガス中のアセチレンガス濃度(体積%)は、ガス供給路330から成形装置300の上部空間304に供給される還元性ガス中の水素ガス濃度(体積%)よりも低くてもよい。供給管346が設けられない場合に比べて、処理空間328の雰囲気の還元力が高くなればよい。
 仕切り壁340は、溶融ガラス12の流動方向(X方向)に沿って連続的に配置される複数のブロック361~368で構成されてよい。ブロック361~368毎の設置が可能であるので、設置作業が容易である。
 仕切り壁340は、カーボン(C)で形成されてよい。カーボンは、還元力を有し、酸素濃度の低い環境下で一酸化炭素ガス(CO)を生じさせる。例えば、カーボンは、処理空間328内の酸化スズ蒸気(SnO)と反応し、スズ蒸気(Sn)と、一酸化炭素ガス(CO)とを生成する。処理空間328内のスズの蒸気量が飽和蒸気量を超えると、新たに生成したスズ蒸気はスズ液滴となり、浴槽320内の溶融スズ310上に落下する。また、カーボンは、溶融スズ310中の酸素と反応し、一酸化炭素ガスを生成する。この一酸化炭素ガスは、還元性ガスと共に排気管348を通って成形装置300の外部に排気される。カーボンによる還元反応は、450℃以上で進みやすい。
 カーボンは、溶融ガラス12との濡れ性がよいので、溶融ガラス12の流れの変化によって溶融ガラス12が仕切り壁340と接触した場合に、溶融ガラス12の流れを妨げにくい。
 このようにして、処理空間328内で、溶融スズ310の酸素を取り除く(1)~(3)の浄化処理が行われる。(1)溶融スズ310から揮発した酸化スズ蒸気(SnO)と還元性ガスとの反応によりスズ蒸気及び水蒸気が生じ、スズ蒸気から液化したスズ液滴が溶融スズ310に戻り、水蒸気が外部に排出される。(2)溶融スズ310中の酸素と還元性ガスとの反応により水蒸気が生じ、水蒸気が外部に排出される。(3)溶融スズ310から揮発した酸化スズ蒸気(SnO)とカーボンとの反応によりスズ蒸気及び一酸化炭素ガスが生じ、スズ蒸気から液化したスズ液滴が溶融スズ310に戻り、一酸化炭素ガスが外部に排出される。尚、上記の(1)~(3)の浄化処理のうち、少なくともいずれか1つの浄化処理が行われればよく、全部の浄化処理が行われなくてもよい。
 ここで、仮に側壁部342が溶融スズ310に挿入されておらず、側壁部342と溶融スズ310との間に隙間が形成される場合、本実施形態の場合と比べて、処理空間328内に還元性ガスが貯まりにくく、上記(1)の浄化処理の効果、及び上記(2)の浄化処理の効果が得られにくい。また、溶融スズ310上に浮上した酸化スズ粒子を堰き止める効果が得られない。そこで、本実施形態では、側壁部342を溶融スズ310に挿入している。
 仕切り壁340のX方向寸法L1(図3参照)は、溶融スズ310のX方向寸法L2(図3参照)の50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。50%以上であれば、溶融スズ310上に浮上した酸化スズ粒子を堰き止める効果が十分に得られる。尚、仕切り壁340のX方向寸法L1は、溶融スズ310のX方向寸法L2の100%以下である。
 仕切り壁340のサイド煉瓦323から突出する部分のY方向寸法Y1と、当該サイド煉瓦323と溶融ガラス310との間のY方向寸法Y2との比(Y1/Y2)の平均値は1/2以上であることが好ましく、7/10以上であることがより好ましい。また、上記比(Y1/Y2)の平均値は、9/10以下であることが好ましい。
 仕切り壁340は、高温のワイド域Z1に設けられてよい。ワイド域Z1の温度は一般的に酸化スズ蒸気(SnO)の揮発が始まる700℃以上であるので、酸化スズ蒸気から、酸素を含むガス(例えば水蒸気又は一酸化炭素ガス)とスズ液滴とを生成する反応が進む。
 天井部341と、露出部分311との間の間隔H(図4参照)は、好ましくは2mm~35mm、より好ましくは5mm~25mm、さらに好ましくは5mm~10mmである。間隔Hが2mm以上であると、浄化処理のための還元性ガスの量を十分に確保できる。また、間隔Hが35mm以下であると、処理空間328の換気効率が良く、また、仕切り壁340の剛性が良い。
 処理空間328の1時間当たりの換気回数は、少なすぎると浄化処理が十分に行われず、多すぎるとコストがかさむので、好ましくは3回~20回、より好ましくは8回~10回である。ここで、換気回数は、1時間の間に処理空間328に供給される還元性ガスの標準状態(1気圧、25℃)での体積(Nm)と、処理空間328の体積との比で算出される。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
 例えば、上記実施形態の仕切り壁340には、供給管346及び排気管348が接続されているとしたが、接続されていなくてもよい。供給管346が接続されていなくても、少なくとも(1)溶融スズ310の露出部分311から揮発したスズ蒸気の拡散の抑制、(2)上部側壁324の隙間等から混入する酸素ガスと溶融スズ310との接触の制限、(3)溶融スズ310中で生じた酸化スズ粒子の溶融ガラスへの付着の制限を図ることができる。また、供給管346及び排気管348が接続されていなくても、例えば図7に示すように仕切り壁340に開口部349が穿設されていれば、仕切り壁340で仕切られた処理空間328と、残りの空間329との間で還元性ガスが往き来できるので、処理空間328内での還元性ガスによる浄化処理が行われる。開口部349は、仕切り壁340の天井部341に穿設されてよい。尚、開口部349の穿設位置は図示の位置に限定されない。また、仕切り壁340が多孔質であって通気性を有していれば、仕切り壁340に開口部が穿設されていなくてもよい。仕切り壁340に開口部349が穿設される場合、仕切り壁340が多孔質であって通気性を有している場合、仕切り壁340の内壁面の開口率は1%~15%であることが好ましい。開口率が1%より小さいと、還元性ガスの往き来が不十分となる。開口率が15%よりも大きいと、上部側壁324の隙間等から混入する酸素ガスが処理空間328内に入り込みやすく、上記(2)の効果が十分に得られない。
 また、仕切り壁340上には、仕切り壁340の焼失を抑制するため、例えば図8に示すように酸化防止膜371が形成されていてもよい。酸化防止膜371は、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスで形成される。酸化防止膜371の形成方法としては、例えば溶射法等がある。酸化防止膜371は、仕切り壁340の表面全体を覆っていてよい。
 また、上記実施形態の仕切り壁340は、下方に開放された箱形状であって、対向壁部343でサイド煉瓦323に固定されているが、対向壁部343はなくてもよい。例えば、図5に示すように仕切り壁340Aは、天井部341Aでサイド煉瓦323に固定されていてもよい。また、図6に示すように仕切り壁340Bは、天井部341Bと溶融スズ310との間の間隔H(図4参照)を狭めるため、天井部341Bに段差が形成されている。
 本出願は、2012年5月28日に日本国特許庁に出願された特願2012-121348号に基づく優先権を主張するものであり、特願2012-121348号の全内容を本国際出願に援用する。
100 フロートガラス製造装置
200 溶解装置
300 成形装置
310 溶融スズ
311 露出部分
320 浴槽
327 空間(露出部分の上方の空間)
328 空間(処理空間)
340 仕切り壁
341 天井部
342 側壁部
346 供給管
348 排気管
361~368 ブロック
371 酸化防止膜
400 徐冷装置

Claims (8)

  1.  溶融スズを収容する浴槽を備え、前記溶融スズ上に連続的に供給される溶融ガラスを前記溶融スズ上で流動させて成形するフロートガラスの成形装置において、
     前記溶融スズの上面は、前記溶融ガラスで覆われていない露出部分を含み、
     該露出部分の上方の空間を複数の空間に仕切る仕切り壁が設けられており、
     該仕切り壁は、前記露出部分との間に空間を形成する天井部と、前記溶融ガラスの側縁の少なくとも一部に沿って前記露出部分の上方から前記溶融スズに挿入される側壁部とを含むフロートガラスの成形装置。
  2.  前記仕切り壁には、前記天井部と前記露出部分との間に形成される空間の外部から内部に還元性ガスを供給する供給管が接続されている請求項1に記載のフロートガラスの成形装置。
  3.  前記仕切り壁には、前記天井部と前記露出部分との間に形成される空間のガスを前記成形装置の外部に排気する排気管が接続されている請求項1又は2に記載のフロートガラスの成形装置。
  4.  前記還元性ガスは、水素ガス(H)を含む請求項2に記載のフロートガラスの成形装置。
  5.  前記仕切り壁は、カーボンで形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載のフロートガラスの成形装置。
  6.  前記仕切り壁上には、酸化防止膜が形成されている請求項5に記載のフロートガラスの成形装置。
  7.  前記仕切り壁は、多孔質であって通気性を有する、又は前記仕切り壁で仕切られる前記複数の空間を連通する開口部を有する請求項1~6のいずれか一項に記載のフロートガラスの成形装置。
  8.  請求項1~7のいずれか一項に記載のフロートガラスの成形装置を用いて板ガラスを製造するフロートガラスの製造方法。
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