JP4958007B2 - ガラス板製造方法およびガラス板製造装置 - Google Patents

ガラス板製造方法およびガラス板製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4958007B2
JP4958007B2 JP2007294125A JP2007294125A JP4958007B2 JP 4958007 B2 JP4958007 B2 JP 4958007B2 JP 2007294125 A JP2007294125 A JP 2007294125A JP 2007294125 A JP2007294125 A JP 2007294125A JP 4958007 B2 JP4958007 B2 JP 4958007B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
glass
bus
pressure
pressure control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007294125A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009120418A (ja
Inventor
修司 大岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2007294125A priority Critical patent/JP4958007B2/ja
Publication of JP2009120418A publication Critical patent/JP2009120418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4958007B2 publication Critical patent/JP4958007B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

本発明は、フロート法によるガラス板製造方法およびフロート法を実行するためのガラス板製造装置に係り、特にバスの上部空間における雰囲気ガスの圧力制御に関する。
周知のように、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)の基板に使用されるガラス板は、主としてフロートバスと称される設備からなる製造ラインを使用したフロート法により成形される。このフロートバス(単にバスとも称される)は、溶融スズで充たされた底部と、還元性の雰囲気ガスで充たされた上部空間とを有する密閉構造の設備であって、上部空間における還元性の雰囲気ガスとしては、溶融スズの酸化防止を目的として、窒素と水素とからなるガスが使用される。
上記のフロート法によれば、成形されたガラス板の上面に、径が数十μmの微小欠点が生成される場合があり、この微小欠点の生成密度が大きいガラス板は、品質不良として取り扱われる。この微小欠点の生成原因は、バスの底部に充たされた溶融スズの表面から揮発する金属化合物、例えば硫化スズ(SnS)や酸化第1スズ(SnO)が、バスの天井壁やガラス冷却に用いる冷却器等の付設物の表面に堆積した後、バスの上部空間における雰囲気ガスの急激な流れの変化によって天井壁や付設物の表面から剥離して、溶融スズ上を浮遊する帯状ガラスの上面に落下するためと考えられている。
この微小欠点は、溶融スズの表面を覆う状態にある雰囲気ガス中に含まれる揮発性物質の濃度が高くなるに連れて大量に発生する。この場合、揮発性物質の一つである上記の酸化第1スズは、構造上や操業上の不具合によりバスの密閉構造が不完全となった場合に外部からバス内に侵入した微量の酸素と金属スズとが反応すること、もしくはその酸素及びバス内の雰囲気ガスに含まれる水素の反応により得られる水蒸気と金属スズとが反応すること、または溶融ガラス中に含まれる酸素と金属スズとが反応することに起因して発生すると考えられている。一方、揮発性物質の他の一つである上記の硫化スズは、硫酸塩を含む溶融ガラスと金属スズとが反応することに起因して発生すると考えられている。
一方、フロート法によりガラス板を成形する際には、一般に、バスの上部空間における雰囲気ガスに出口側つまり下流側に向かう流れが形成されるため、高温側(上流側)で発生した揮発性物質は、その流れによって雰囲気ガスと共に低温側(下流側)に移動して凝縮する。
このような問題を解決する一方策として、特許文献1には、ガス排出口をバスの高温側である上流側端部の入口近傍に配置して、上部空間における雰囲気ガスに、低温側から高温側に向かう流れを形成することにより、揮発性物質が低温側に移動することを阻止してその凝縮が生じないようにする技術が開示されている。
また、他の方策として、特許文献2には、バスの高温側に気流コントロール装置を配置して、上部空間における雰囲気ガスに、帯状ガラスの幅方向に沿う流れを形成することにより、バスの高温側において揮発性物質を排出する技術が開示されている。
特公昭47−1473号公報 特公昭49−5605号公報
上記の特許文献1に開示された技術によれば、バスの上部空間における雰囲気ガスに、低温側から高温側に向かう流れを形成するものであるため、低温側(下流側)に存在していた雰囲気ガスによって高温側(上流側)が冷却されることになるため、本来的には高温に維持されて溶融ガラスもしくは帯状ガラス流を円滑に流動させるべき領域が、その目的に反して冷却されて固化されるという逆行現象が生じ、致命的な欠陥を招き得る。そのため、この技術では、バスの上流側に極めて多量の熱量を供給するための大掛かりな加熱手段が必要となり、しかもその加熱手段と雰囲気ガスとの温度調和を図るための温度コントロールが極めて複雑化されるという不測の事態が生じる。
一方、上記の特許文献2に開示の技術によれば、バスの高温側に配置された気流コントロール装置によって、上流側では雰囲気ガスに帯状ガラスの幅方向に沿う流れが形成されるものの、依然として、雰囲気ガスには上流側から下流側に向かう流れが形成される。しかも、その流れは必然的に大きな圧力変動を伴うものであるため、一旦揮発性物質がバスの天井壁や付設物の表面に堆積すると、その堆積物は、雰囲気ガスの流れによって容易に剥離して落下し、その結果、ガラス板上面に微小欠点を発生させ得ることになる。
本発明は、上記事情に鑑み、円滑に流動すべきバス内領域にある帯状ガラス流等がその目的に反して冷却されて固化されるという致命的な欠陥を招き得る事態を回避した上で、雰囲気ガスの流れが不当な圧力変動を伴うことを回避することにより、バスの天井壁等に堆積した揮発性物質が雰囲気ガスの流れによって剥離落下する事態及びこれに起因してガラス板上面に微小欠点が発生する事態を可及的に低減することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、底部が溶融金属で充たされ且つ上部空間が還元性の雰囲気ガスで覆われたバスに、その上流側端部の入口から溶融ガラスを流し込み、該溶融ガラスを前記溶融金属上に浮遊させた状態で下流側に流動させて帯状のガラス流を形成した後、該帯状のガラス流を冷却固化させて、その下流側端部の出口から板状のガラスとして搬出させるガラス板製造方法において、前記バスの上部空間を、上下流方向に対して複数の圧力制御ゾーンに仮想区画すると共に、これら複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、バス全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定し、且つ前記各圧力値を各圧力制御ゾーン毎の設定目標値に維持させる制御を行うことに特徴づけられる。
ここで、上記の「バス全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定し」とは、一部の隣接する圧力制御ゾーンにおいて上流側よりも下流側が相対的に高くなる箇所があっても、バス全体としては、上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定していることを意味する。
このような構成によれば、複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値が、バス全体として、下流側よりも上流側の方が相対的に高く設定され、各圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値が、各ゾーン毎に予め設定された目標値に維持される。これにより、雰囲気ガスに上流側から下流側に向かう適度な流れが形成された上で、各圧力制御ゾーンで不当な圧力変動が生じなくなる。すなわち、仮に各圧力制御ゾーンで雰囲気ガスの圧力を目標値に維持するための制御を行っていなければ、雰囲気ガスは、何の流通抵抗も受けることなく、バス内に必然的に発生する圧力変動を伴って上流側から下流側に向かって制約を受けずに流れることになる。しかしながら、上流側から下流側に向かう雰囲気ガスの流れは、個々の圧力制御ゾーン内において設定目標値への圧力維持という制約を伴って適度な流通抵抗を受け且つ圧力変動も抑制されることになるため、その流れは、バス内の温度の変動等による悪影響を受け難くなる。その結果、雰囲気ガスの圧力変動を伴う流れに起因してバスの天井壁等に堆積した揮発性物質が剥離落下する事態及びこれに起因してガラス板上面に微小欠点が発生するという事態を可及的に低減できると共に、このような利点を享受できるにも拘わらず、下流側(低温側)に存する雰囲気ガスを上流側(高温側)に向かって大量に逆流させる必要がなくなり、溶融ガラス或いは帯状ガラス流の不当な冷却固化が回避されて、上流側に大掛りな加熱手段を付加設置する必要がなくなる。
この場合、前記複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値は、それぞれの変動幅が1Pa(0.1mmH2O)以下になるように制御することが好ましい。
このようにすれば、雰囲気ガスは、不当な圧力変動を伴うことなく各圧力制御ゾーンを順々に通過していくことになるため、天井壁からの堆積物の剥離落下を適切に抑制することが可能となる。すなわち、個々の圧力制御ゾーンで各圧力値の制御を行った結果、それぞれの圧力変動幅が1Paを超えると、天井壁から堆積物が剥離落下する確率が高くなるが、圧力変動幅が1Pa以下であると、そのような剥離落下が生じ難くなる。換言すれば、個々の圧力制御ゾーンで各圧力値の制御を行う場合、圧力変動幅1Paは、上記剥離落下の問題が生じるか否かの判断基準となる。
また、前記複数の圧力制御ゾーンのうち、一部の隣接する圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、上流側よりも下流側が相対的に高くなるように設定することができる。
このようにすれば、雰囲気ガスが上流側から下流側に向かって流れる際に、バスの設備の影響等で、その流速が不当に高くなり得る状況下にあっても、一部の隣接する圧力制御ゾーンでは、その流れを逆流させようとする流体圧力が作用することになるため、バス全体としての雰囲気ガスの流れは、適度な速度で上流側から下流側に向かうことになる。これにより、圧力変動を伴う雰囲気ガスが不当に高速で流れることによる天井壁からの堆積物の剥離落下が効果的に抑制されると共に、雰囲気ガスの流れが必然的に高速化され得るバスについての基本的な設備設計が不当な制約を受けなくなる。
上述の構成においては、前記複数の圧力制御ゾーン毎に、前記雰囲気ガスの圧力値を検出する圧力検出手段と、前記雰囲気ガスをバス外に排出および/またはバス内に供給するガス給排手段と、該ガス給排手段による前記雰囲気ガスのバス外への排出量および/またはバス内への供給量を調整するガス給排量調整手段とが設けられていることが好ましい。
このようにすれば、個々の圧力制御ゾーンでそれぞれ、圧力検出手段により圧力値が検出されると共に、ガス給排手段及びガス給排量調整手段により、バス内からバス外に排出量を調整して雰囲気ガスを排出させること、またはバス外からバス内に供給量を調整して雰囲気ガスを供給すること、もしくはこれらの双方が行われる。その結果、複数の圧力制御ゾーンでは、全てのゾーンについて緻密な圧力制御が行われ得る状態となる。
この場合、前記複数の圧力制御ゾーンに設けられた圧力検出手段による検出結果に基づいて前記ガス給排量調整手段を制御するガス圧力制御手段を備えていることが好ましい。
このようにすれば、ガス圧力制御手段が、圧力検出手段による検出結果に基づいてガス給排量調整手段を制御することにより、ガス給排手段を通じて雰囲気ガスのバス外への排出もしくはバス内への供給または双方が行われる。これにより、複数の圧力制御ゾーンの各圧力値を設定目標値に維持させるための制御の完全自動化を図ることが可能となる。
このような構成において、前記ガス給排手段が、前記雰囲気ガスをバス外に排出させるガス排出手段であり、且つ前記ガス給排量調整手段が、前記ガス排出手段による前記雰囲気ガスのバス外への排出量を調整するガス排出量調整手段であることが好ましい。
このようにすれば、各圧力制御ゾーンにおける圧力値の制御は、圧力検出手段の検出結果に基づいてガス排出量調整手段により調整された量の雰囲気ガスを、ガス排出手段からバス外に排出させることによって行われる。このような構成であると、仮に各ゾーンの圧力値の制御を雰囲気ガスのバス内への供給により行うとしたならば、供給される雰囲気ガスの温度の高低がバス内の各ゾーンの圧力値に影響を及ぼすため、圧力制御が複雑になるという事態を招くが、雰囲気ガスの排気によりバス内の各ゾーンの圧力制御を行えば、このような不具合は生じ難い。
この場合、前記圧力検出手段と、前記ガス排出手段と、前記ガス排出量調整手段とが、バスの側壁に配設されていることが好ましい。
このようにすれば、バスの天井壁に雰囲気ガスを供給するためのガス供給手段を設けた場合に、このガス供給手段が、バスの側壁に設けられているガス排出手段及びガス排出量調整手段と干渉しなくなり、レイアウト面での問題を回避することが可能となる。
一方、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、底部が溶融金属で充たされ且つ上部空間が還元性の雰囲気ガスで覆われたバスに、その上流側端部の入口から溶融ガラスを流し込み、該溶融ガラスを前記溶融金属上に浮遊させた状態で下流側に流動させて帯状のガラス流を形成した後、該帯状のガラス流を冷却固化させて、その下流側端部の出口から板状のガラスとして搬出させるように構成したガラス板製造装置において、前記バスの上部空間を、上下流方向に対して複数の圧力制御ゾーンに区画すると共に、これら複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定し、且つ前記各圧力値をそれぞれの設定目標値に維持させる制御を行うように構成されていることに特徴づけられる。
このような装置によるにしても、既述の方法の基本構成による場合と同一の作用効果を得ることが可能となる。
以上のように本発明によれば、雰囲気ガスの圧力変動を伴う流れに起因してバスの天井壁等に堆積した揮発性物質が剥離落下する事態及びこれに起因してガラス板上面に微小欠点が発生するという事態を可及的に低減できると共に、このような利点を享受できるにも拘わらず、下流側に存する雰囲気ガスを上流側に向かって大量に逆流させる必要がなくなり、溶融ガラス或いは帯状ガラス流の不当な冷却固化が回避されて、上流側に大掛りな加熱手段を付加設置する必要がなくなる。
以下、本発明の実施形態に係るガラス板製造装置及びこれを用いたガラス板製造方法を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス板製造装置の要部を示す概略平面図である。同図に示すように、ガラス板製造装置1は、底部が溶融金属(溶融スズ)で充たされ且つ上部空間が還元性の雰囲気ガスで覆われたバス(フロートバス)2を有する。バス2の上流側端部(同図の左側端部)には、溶融窯からの溶融ガラスGを流し込ませるための入口(入口端)3が形成されると共に、バス2の下流側端部(同図の右側端部)には、溶融ガラスGを帯状ガラス流とした後に冷却固化させて板状ガラスG1として搬出させるための出口(出口端)4が形成されている。
バス2の上部空間は、上流側から順に、第1ゾーンaと、第2ゾーンbと、第3ゾーンcと、第4ゾーンdとの計四つの圧力制御ゾーン(二点鎖線を境界とするゾーン)に仮想区画され、個々のゾーン毎に、雰囲気ガスの圧力値を制御するように構成されている。詳しくは、四つのゾーンa、b、c、dの各圧力値は、バス2全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定され、且つ、それらの各圧力値をそれぞれのゾーン毎の設定目標値に維持させる制御を行うように構成されている。この実施形態では、第1ゾーンaと第2ゾーンbとの圧力値は、同一(若しくは、第1ゾーンaが第2ゾーンbよりも僅かに高い)であって高圧とされ、第3ゾーンcの圧力値は、第1、第2ゾーンa、bよりも低圧とされ、第4ゾーンdの圧力値は、第3ゾーンcよりも高圧であって第1、第2ゾーンa、bよりも低圧とされている。そして、各ゾーン内での圧力値の変動幅は、1Pa以下となるように制御が行われる。
このような制御を行うための具体的構成は、バス2の両側壁2hに、第1ゾーンa、第2ゾーンb、第3ゾーンc及び第4ゾーンdにそれぞれ対応して、排気口5に弁体6を配置してなるガス排気手段7と、ガス排気手段7の弁体6による雰囲気ガスの排出量を調整するガス排出量調整手段8と、雰囲気ガスの圧力値を検出する圧力検出手段9とが設けられている。更に、この具体的構成としては、各ゾーンの圧力検出手段9からの信号に基づいて、対応する各ゾーンのガス排出量調整手段8を制御するガス圧力制御手段10を備えている。
尚、この実施形態では、各ゾーンの全ての圧力検出手段9からの信号(バス2の一方の側壁2h側に設けられた各圧力検出手段9からの信号については図示略)が、単一のガス圧力制御手段10に入力され、この単一のガス圧力制御手段10から、各ゾーンの全てのガス排出量調整手段8に信号(バス2の一方の側壁2h側に設けられた各ガス排出量調整手段8への信号については図示略)を送出するように構成されているが、各ゾーン毎または個々に設けられたガス圧力制御手段10を対象として、対応する圧力検出手段9からの信号の入力と、対応するガス排出量調整手段8への送出とを行わせるようにしてもよい。また、それぞれのガス排出手段7の弁体6とガス排出量調整手段8とは、別体であっても一体であってもよい。
次に、上記構成を備えたガラス板製造装置1を使用してガラス板を製造する方法について説明する。
バス2の上流側端部の入口3からバス2内に流し込まれた溶融ガラスGは、溶融スズ上を下流側に流動して帯状ガラス流となった後、冷却固化されていき、バス2の下流側端部の出口4から板状のガラスG1として搬出されていく。このように、溶融ガラスGがバス2内に流し込まれてから、板状のガラスG1としてバス2外に搬出されるまでの間においては、四つのゾーンa、b、c、dにおける雰囲気ガスの各圧力値を、バス2全体として、上流側の方が下流側よりも相対的に高く設定し、且つ、各ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、各ゾーン毎に予め設定された目標値に維持するための制御を行うことにより、各ゾーン内での圧力変動が1Pa以下とされる。
これにより、雰囲気ガスに上流側から下流側に向かう適度な流れが形成された上で、各ゾーンで不当な圧力変動が生じなくなる。そして、上流側から下流側に向かう雰囲気ガスの流れは、個々のゾーン内で設定目標値への圧力維持の制御が行われていることにより適度な流通抵抗を受け且つ圧力変動も抑制されるため、その流れは、バス2内の温度の変動等による悪影響を受け難くなる。その結果、雰囲気ガスの圧力変動を伴う流れに起因してバス2の天井壁等における揮発性物質の凝縮物が剥離落下する事態及びこれに起因して板状のガラスG1上面に微小欠点が発生するという事態を可及的に低減させることが可能となる。
尚、上記実施形態では、圧力制御ゾーンを計四つのゾーンに仮想区画したが、ゾーンの個数はこれに限定されるわけではない。
本発明が所期の目的を達成するか否かを認識すべく、以下に示すような対比試験を行った。すなわち、本発明の実施例として、バスの上部空間を上流側から下流側に向かって計四つのゾーンに仮想区画し(図1に示す態様と同一)、上流側のゾーンから順に、雰囲気ガスの圧力値の設定目標値を、30Pa、28Pa、20Pa、22Paとした上で、各ゾーンのそれぞれの圧力変動幅が1Paとなるように圧力制御を行った。このような圧力制御を行いつつ、バス内に溶融ガラスを流し込んで、溶融スズ上で帯状ガラス流とした後、冷却固化させて板状ガラスとしてバス外に搬出させるというガラス板製造を行った結果、バスの天井壁から落下した揮発性物質の凝縮物の個数は0.1個/m2であった。これに対し、比較例として、上述のように四つのゾーン毎に圧力制御を行うのではなく、バスの上部空間の全域を一つのゾーンとして、そのゾーンにおける圧力変動幅を10Pa(1mmH2O)とし、同様にバス内に溶融ガラスを流し込み且つバス外に板状のガラスを搬出させるというガラス板製造を行った。その結果、バスの天井壁から落下した揮発性物質の凝縮物の個数は1.3個/m2であった。以上のように、本発明の実施例によれば、比較例に比して、バスの天井壁から落下する揮発性物質の凝縮物の落下が1/10未満に低減していることを知得するに至った。
本発明の実施形態に係るガラス板製造装置の主要部を示す概略平面図である。
符号の説明
1 ガラス板製造装置
2 バス(フロートバス)
2h バスの側壁
3 入口
4 出口
7 ガス排出手段
8 ガス排出量調整手段
9 圧力検出手段
10 ガス圧力制御手段
a 圧力制御ゾーン(第1ゾーン)
b 圧力制御ゾーン(第2ゾーン)
c 圧力制御ゾーン(第3ゾーン)
d 圧力制御ゾーン(第4ゾーン)
G 溶融ガラス
G1 板状のガラス

Claims (8)

  1. 底部が溶融金属で充たされ且つ上部空間が還元性の雰囲気ガスで覆われたバスに、その上流側端部の入口から溶融ガラスを流し込み、該溶融ガラスを前記溶融金属上に浮遊させた状態で下流側に流動させて帯状のガラス流を形成した後、該帯状のガラス流を冷却固化させて、その下流側端部の出口から板状のガラスとして搬出させるガラス板製造方法において、
    前記バスの上部空間を、上下流方向に対して複数の圧力制御ゾーンに仮想区画すると共に、これら複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、バス全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定し、且つ前記各圧力値を各圧力制御ゾーン毎の設定目標値に維持させる制御を行うことを特徴とするガラス板製造方法。
  2. 前記複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、それぞれの変動幅が1Pa以下になるように制御することを特徴とする請求項1に記載のガラス板製造方法。
  3. 前記複数の圧力制御ゾーンのうち、一部の隣接する圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値は、上流側よりも下流側が相対的に高くなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板製造方法。
  4. 前記複数の圧力制御ゾーン毎に、前記雰囲気ガスの圧力値を検出する圧力検出手段と、前記雰囲気ガスをバス外に排出および/またはバス内に供給するガス給排手段と、該ガス給排手段による前記雰囲気ガスのバス外への排出量および/またはバス内への供給量を調整するガス給排量調整手段とを設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板製造方法。
  5. 前記複数の圧力制御ゾーンに設けられた圧力検出手段による検出結果に基づいて前記ガス給排量調整手段を制御するガス圧力制御手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のガラス板製造方法。
  6. 前記ガス給排手段が、前記雰囲気ガスをバス外に排出させるガス排出手段であり、且つ前記ガス給排量調整手段が、前記ガス排出手段による前記雰囲気ガスのバス外への排出量を調整するガス排出量調整手段であることを特徴とする請求項5に記載のガラス板製造方法。
  7. 前記圧力検出手段と、前記ガス排出手段と、前記ガス排出量調整手段とが、バスの側壁に配設されていることを特徴とする請求項6に記載のガラス板製造方法。
  8. 底部が溶融金属で充たされ且つ上部空間が還元性の雰囲気ガスで覆われたバスに、その上流側端部の入口から溶融ガラスを流し込み、該溶融ガラスを前記溶融金属上に浮遊させた状態で下流側に流動させて帯状のガラス流を形成した後、該帯状のガラス流を冷却固化させて、その下流側端部の出口から板状のガラスとして搬出させるように構成したガラス板製造装置において、
    前記バスの上部空間を、上下流方向に対して複数の圧力制御ゾーンに区画すると共に、これら複数の圧力制御ゾーンにおける雰囲気ガスの各圧力値を、全体として上流側が下流側よりも相対的に高くなるように設定し、且つ前記各圧力値をそれぞれの設定目標値に維持させる制御を行うように構成されていることを特徴とするガラス板製造装置。
JP2007294125A 2007-11-13 2007-11-13 ガラス板製造方法およびガラス板製造装置 Active JP4958007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007294125A JP4958007B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 ガラス板製造方法およびガラス板製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007294125A JP4958007B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 ガラス板製造方法およびガラス板製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009120418A JP2009120418A (ja) 2009-06-04
JP4958007B2 true JP4958007B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=40813001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007294125A Active JP4958007B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 ガラス板製造方法およびガラス板製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4958007B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5664375B2 (ja) * 2010-03-26 2015-02-04 日本電気硝子株式会社 ガラス板製造装置、及びガラス板製造方法
US9758418B1 (en) * 2016-04-06 2017-09-12 Corning Incorporated Methods of producing glass ribbon
CN107879598B (zh) * 2016-09-30 2020-09-15 安瀚视特控股株式会社 玻璃基板的制造方法、及玻璃基板制造装置
JP6847620B2 (ja) * 2016-09-30 2021-03-24 AvanStrate株式会社 ガラス基板の製造方法、およびガラス基板製造装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4078688B2 (ja) * 1997-06-30 2008-04-23 旭硝子株式会社 フロート法による板ガラスの製造方法および該方法に使用する製造装置
JP4725161B2 (ja) * 2004-04-07 2011-07-13 旭硝子株式会社 板ガラスの製造装置及び製造方法
DE102005039378A1 (de) * 2005-08-19 2007-02-22 Schott Ag Verfahren zur Vermeidung von Oberflächendefekten bei gefloatetem Flachglas

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009120418A (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5743146B2 (ja) フロートガラスの製造装置
JP4958007B2 (ja) ガラス板製造方法およびガラス板製造装置
KR101347775B1 (ko) 유리판 제조용 플로트 배스 시스템
KR20100099509A (ko) 유리판 제조용 플로트 배스 시스템 및 유리판 제조용 플로트 배스 냉각 방법
KR101529753B1 (ko) 플로트 유리의 제조 장치 및 제조 방법
US8201419B2 (en) Apparatus for manufacturing float glass
KR101516509B1 (ko) 연속 용융 도금 설비에 있어서의 스나우트 내 금속 흄 제거 방법 및 장치
JP5983406B2 (ja) フロート板ガラスの製造装置およびフロート板ガラスの製造方法
US8276403B2 (en) Method and apparatus for reducing tin oxide in float glass production
JP3846026B2 (ja) 板ガラスの製造方法および該方法に使用する装置
RU2705846C2 (ru) Способ и устройство для управления реакцией
JP5409693B2 (ja) ガラス板製造用フロート槽、これを用いたフロートガラスの成形方法、及びフロート槽にバリアを施工する方法
WO2013179862A1 (ja) フロートガラスの成形装置、及びフロートガラスの製造方法
JP5664375B2 (ja) ガラス板製造装置、及びガラス板製造方法
US8266925B2 (en) Apparatus for manufacturing float glass
TWI836167B (zh) 熱處理裝置
KR20190092028A (ko) 플로트 유리 제조 장치
JP2003328098A (ja) 連続溶融金属めっき方法および装置
JP2022043377A (ja) 板ガラスの製造装置および板ガラスの製造方法
KR102639801B1 (ko) 판유리 제조 장치
KR102639796B1 (ko) 판유리 제조 장치
KR20110020160A (ko) 유리판 제조 장치
JP2010070417A (ja) ガラス板の製造装置および製造方法
JPH11100649A (ja) 溶融アルミ亜鉛合金の連続めっき方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120308

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4958007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150