JP2006190535A - 導電性パタンを形成するための処理方法及びその処理装置 - Google Patents

導電性パタンを形成するための処理方法及びその処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大量生産が可能で、高い導電性を有する導電性パタンを安定的に得るための処理方法及びその処理装置を提供する。
【解決手段】基材上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層とをこの順に有する前駆体を露光後、該前駆体を搬送させながら、現像処理、及びハロゲン化銀乳剤層の除去処理を施して、基材上に導電性パタンを形成する処理方法であって、少なくとも現像処理の間は、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する面は非接触の状態で搬送せしめることを特徴とする処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上に金属銀からなる導電性パタンを形成するための処理方法及びその処理方法に用いられる処理装置に関する。更に詳細には、透明基材上に導電性パタン(例えば格子状のパタン)が形成された、電磁波シールドフィルムやタッチパネル等の用途に用いることができる透明導電性フィルムの処理方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性フィルム(電磁波シールドフィルム)が開発されている。例えば、特開平9−53030号、同平11−126024号、特開2000−294980号、同2000−357414号、同2000−329934号、同2001−38843号、同2001−47549号、同2001−51610号、同2001−57110号、同2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性フィルムの製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられている。近年、透明導電性フィルムの需要が拡大する中にあって、低コストで生産性が高い製造方法が求められている。
本発明が対象とする、現像処理によって物理現像核層に金属銀を析出させて導電性パタンを形成する方法は、特公昭42−23745号公報(特許文献1)、特開2003−77350号公報(特許文献2)に記載されている。更に、金属銀からなる導電性パタンを触媒として金属メッキすることがWO2004/007810号公報(特許文献3)に記載されている。
しかしながら、上記の金属銀からなる導電性パタンの形成方法において、高い導電性を安定的に得るための処理方法は、未だ確立されていない。特に、工業的に、連続的に多量の処理を安定的に行うことができる処理方法は確立されていなかった。
特公昭42−23745号公報 特開2003−77350号公報 WO2004/007810号公報
従って、本発明の目的は、大量生産が可能で、高い導電性を有する導電性パタンを安定的に得るための処理方法及びその処理装置を提供することにある。本発明の他の目的は、金属銀からなる導電性パタンを触媒として金属メッキを施して、導電性の高い透明導電性フィルムを製造するのに好適な処理方法及びその処理装置を提供することにある。本発明の更に他の目的は、省スペースの処理装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)基材上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層とをこの順に有する前駆体を露光後、該前駆体を搬送させながら、現像処理、及びハロゲン化銀乳剤層の除去処理を施して、基材上に導電性パタンを形成する処理方法であって、少なくとも現像処理の間は、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する面は非接触の状態で搬送せしめることを特徴とする処理方法。
2)前記現像処理が浸漬現像と空中現像から成り、合計の現像時間が60秒以上であり、かつ合計の現像時間に対する浸漬現像時間の比率が0.5〜0.9の範囲である上記1)に記載の処理方法。
3)湿球温度が20℃以下の雰囲気下で現像処理する上記1)または2)に記載の処理方法。
4)ロール・ツー・ロールで処理する上記1)に記載の処理方法。
5)前記前駆体の搬送方向を反転した後に現像処理される1)に記載の処理方法。
6)上記1)の処理方法に用いられる処理装置であって、ロール状の前駆体を保持する巻き出し軸と、現像槽と、空中現像部と、該前駆体が現像槽に到達する前に該前駆体の搬送方向を反転させるための反転ローラと、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を除去するための水洗処理部と、リンス部と、乾燥部と、処理され乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻き取り軸と、該巻き取り軸を駆動回転するための手段とを有し、該前駆体が該現像槽の現像液中に浸入した時点から空中現像が終了する時点までの間は、該物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を有する面が非接触の状態で搬送されるようにしたことを特徴とする処理装置。
本発明の処理方法を実施することによって、高い導電性を有する導電性パタンを安定的に大量生産することが可能になる。更に、本発明の処理によって得られた金属銀からなる導電性パタンを触媒として金属メッキを施して製造された透明導電性フィルムは高い導電性が安定して得られる。
本発明が対象とする導電性パタンを形成するために用いられる元の材料(前駆体という)は、基材上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層とをこの順に有する。この前駆体に像様に露光し、次いで現像処理とハロゲン化銀乳剤層の除去処理を施して、基材上に導電性パタンが形成される。基材としてプラスチック樹脂フィルムのような透明基材を用いると透明導電性フィルムが得られる。透明導電性フィルムの場合は、金属銀からなる導電性パタン(例えば格子状パタン)を触媒として更に金属メッキを施すことによって更に導電性の高い透明導電性フィルムが得られる。
前駆体の現像処理において、未露光部は可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の作用により銀錯塩拡散転写現像が起こり、物理現像核に金属銀が析出する。次のハロゲン化銀乳剤層の除去処理で物理現像核層の上の層(ハロゲン化銀乳剤層及び必要に応じて設けられる中間層や保護層を含む)が除去されて、金属銀からなるパタン(導電性パタン)が表面に露出する。ハロゲン化銀乳剤層の除去処理としては、スクラビングローラで掻き取る方法、吸い取り紙でハロゲン化銀乳剤層を吸着して剥離する方法、あるいは温水を吹き付けて除去する方法等があるが、本発明においては温水を吹き付ける方法が好ましく採用される。以降、ハロゲン化銀乳剤層の除去処理は、単に水洗処理という。
本発明の処理方法の特徴は、少なくとも現像処理の間は、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する面(以降、単に乳剤層側面という)は非接触の状態で搬送せしめられる。ここで、現像処理の間とは、前駆体の乳剤層側面が現像液に接触した時点からハロゲン化銀乳剤層の除去処理(水洗処理)が開始するまでの間である。また、乳剤層側面が非接触の状態で搬送するとは、ロール等の固体物には接触しないことを意味する。
本発明において好ましくは、乳剤層側面の非接触搬送は、現像処理に引き続いて更に水洗処理でも継続されることである。即ち、現像処理を開始してから、ハロゲン化銀乳剤層等の物理現像核層の上に設けられた層が完全にあるいはほとんど除去される(5〜10%程度の残膜があることは許容される)まで非接触搬送されることが好ましい。
現像処理の間、更には水洗処理の間、乳剤層側面を非接触搬送することによって、導電性の高い導電性パタンが得られる。
本発明の処理において、現像温度は低い方が高い導電性が得られるので好ましい。従って、現像液の温度は23℃以下が好ましく、特に21℃以下が好ましい。そして、このような低い温度で比較的長く現像するのが好ましく、現像時間は50秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましく、更には70秒以上が好ましい。本発明において、現像温度の下限は10℃以上が好ましく、13℃以上がより好ましく、更には15℃以上が好ましい。また、現像時間の上限は120秒程度が好ましい。
上記したような比較的長い現像時間の全てを浸漬現像のみで行うとすると、大きな現像槽が必要になることから処理装置が肥大化し、一方、小さい現像槽内で前駆体をジグザグに何度もターンさせて現像時間を稼ぐ方式は、ガイドローラ等に乳剤層側面が接触して所期の目的を達成できなくなるという不都合が生じる。従って、本発明は、浸漬現像と空中現像を組み合わせるのが好ましく、これによって浸漬現像時間が短縮でき、その結果現像槽を小さくすることが可能になる。ここで、空中現像とは、現像槽から排出された前駆体の乳剤層側面には現像液が乳剤層中及び表面に浸透・付着しており、この浸透・付着した現像液のみで現像することを意味する。即ち、現像槽の現像液中から排出された時点から次の処理(水洗処理)が開始されるまでの間が空中現像部である。
しかし、空中現像は限られた現像液量で、それも新しく現像液が供給されない状態で現像されるので、あくまでも浸漬現像の補助的に行われるものである。従って、全現像時間に対する浸漬現像時間の比率は、0.5〜0.9の範囲が好ましく、0.6〜0.9の範囲がより好ましい。現像処理の開始は、前駆体の乳剤層側面が現像液に接触する時点であり、終了は乳剤層側面に水洗処理のための温水が吹き付けられた時点である。本発明では、現像処理と水洗処理の間に中和処理を施してもよく、この場合の現像終了は、乳剤層側面が中和液と接触した時点である。
本発明において、上述した現像処理は、湿球温度が20℃以下の雰囲気下で行うのが好ましい。即ち、浸漬現像に続いて行われる空中現像は、雰囲気中の温度及び湿度の影響を受けやすくなるが、高導電性のパタンを得るためには、空中現像時の前駆体の乳剤層側面の表面温度を上昇させないことが好ましく、湿球温度が20℃以下の雰囲気下で現像処理を行うことによって表面温度の上昇を抑えるこできる。
次に、本発明の現像処理方法を実現する処理装置について説明する。図1は、本発明の処理装置の一実施態様の概略側断面図である。この処理装置は、ロール・ツウ・ロール(roll−to−roll)で処理されるように設計されている。ここで、ロール・ツー・ロールで処理するとは、ロール状に巻かれた前駆体(以降、前駆体ロールという)を連続的に処理し、再度ロール状に巻き取る方式である。
図1において、前駆体ロール21は、巻き出し軸1に装着され、矢印の方向に連続的に搬送される。前駆体ロール21は、内巻き(乳剤層側面を内側にして巻き取られている)になっている。前駆体ロール21の搬送は、主に巻き取り軸11の駆動回転によって行われ、巻き出し軸1は図示しない回転制御手段(例えば、パウダーブレーキ)で回転が制御されている。前駆体ロール21には、最上巻きと最下巻きには、処理装置の搬送経路の全長に相当する長さのリードフィルムが設けられており、前駆体の製品部分は常に搬送速度及びテンションが制御された状態で搬送されるようになっている。
前駆体が搬送されて現像槽3に入る前に、前駆体は反転ローラ2で搬送方向が反転される。この反転ローラ2と後述の反転ローラ4によって、現像槽中で乳剤層側面は非接触の状態で搬送される。現像槽3は、図に示すように縦長で薄型の槽が好ましく、槽内の下部に設けられている反転ローラ4で前駆体の裏面を支持しながら搬送方向を反転させることによって、小さい設置スペースで現像時間(現像液に浸漬している時間)を稼ぐことができる。
現像槽3の容量は、30〜50リットル程度が適当である。現像槽3には現像液12がほぼ満杯に貯留されており、現像処理によって消費された現像液は、図示しない補充装置で補充されるようになっている。本発明において、現像開始時点とは、現像槽3の現像液12に前駆体が浸入した時点である。従って、反転ローラ2が現像開始前に接触する最後の固体物(ローラ)であり、後述する絞りローラ対7までは、前駆体の乳剤層側面は非接触で搬送される。
現像槽3から搬出された前駆体は、空中現像部14で引き続き現像され、水洗処理部5に搬送される。ここで、物理現像核層の上の層(ハロゲン化銀乳剤層及び必要に応じて設けられる中間層や保護層等)は水洗除去されて、物理現像核に析出した金属銀が露出する。水洗処理は、シャワーノズル6から噴出された温水で行われる。前駆体の裏面側にもシャワーノズル6が設けられており、裏塗り層を水洗除去するようになっている。
水洗処理部5から搬出された前駆体(この段階で、前駆体は目的とする導電性パタンが基材上に形成された形態になっているが、説明の便宜上、前駆体と称す)はリンス部8に搬送され、ここでは前工程で完全に除去しきれなかった現像液成分や乳剤層成分が除去される。リンス部8には、シャワーノズル9が設けられており、水を噴出させて前駆体の両面がリンスされる。ここで用いられる水は、イオン交換処理された純水が好ましい。
水洗処理部5からリンス部8へ搬送される過程に、絞りローラ対7が設けられている。この絞りローラ対7は、リンス効果を高めるためのものであり、水洗処理部で除去しきれなかった残留物を物理的に除去する役目を有する。絞りローラ対7は、現像処理を開始してから初めて乳剤層側面に接触する固体物(ローラ)であり、絞りローラ対7に前駆体が接触するときには、物理現像核層の上の層はほぼ除去されて金属銀が露出した状態になっている。水洗処理を更に充実させてリンス部へ持ち込まれる残留物がほとんどない場合は、水洗処理で使用された水がリンス部に混入しないようにする手段(例えば、水洗処理部とリンス部との間にエアーナイフを設置するなど)を、絞りローラ対7に代えて用いてもよい。
リンス部8の絞りローラ対13を経て搬出された前駆体は、乾燥部(ドライヤー)10で乾燥され、巻き取り軸11でロール状に巻き取られる。図示していないが、巻き取り軸11には、該軸を駆動回転するための手段(例えば、モータ)が取り付けられており、本処理装置では唯一駆動回転するように設計されている。符号22は、導電性パタンが形成された基材がロール状に巻き取られたものである。
次に本発明における前駆体について詳しく説明する。前駆体は、基材上に少なくとも物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層をこの順で有する。さらには、非感光性層を基材から最も遠い最外層(保護層)及び/又は物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間(中間層)に有していても良い。非感光性層は、親水性ポリマーを主たるバインダーとする層である。ここでいう親水性ポリマーとは、後述するアルカリ処理液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層までアルカリ処理液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この非感光性層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20質量%〜100質量%の範囲が好ましく、特に30質量%〜80質量%が好ましい。
この非感光性層には、必要に応じて写真業界では公知の界面活性剤、ポリマーラテックス、マット剤、滑り剤、などを含有してもよい。また後述するように、セーフライト耐性向上のために染料を含有させることは好ましい。さらに、処理後のハロゲン化銀乳剤層の剥離を妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
前駆体における物理現像核層の物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属流化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法によってプラスチック樹脂フィルム上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
物理現像核層には、親水性バインダーを含有してもよい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。
基材としてプラスチック樹脂フィルムを用いる場合は、基材と物理現像核層との間にタンパク質からなるベース層(タンパク質含有ベース層;以降、単にベース層と云う)を有することは好ましい。基材とベース層の間には、更に塩化ビニリデンやポリウレタン等の易接着層を有することは好ましい。ベース層に用いられるタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼインあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。ベース層におけるタンパク質の含有量は1平方メートル当たり10〜300mgが好ましい。
物理現像核層には、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロートリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々タンパク質の架橋剤(硬膜剤)の一種もしくは二種以上を含有することは好ましい。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グルタルアルデヒドである。架橋剤は、ベース層及び物理現像核層に含まれる合計のタンパク質に対して0.1〜30質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
物理現像核層やベース層の塗布には、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングなどの塗布方式で塗布することができる。
前駆体のハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、ロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
また前駆体のハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
前駆体の各層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
前駆体に用いられる基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。
次に、本発明の一つの態様である透明導電性フィルムの作製方法及びそれに対する前駆体の応用について詳しく説明する。透明導電性フィルム作製の1つの方法として、例えば格子状パタンの銀薄膜(導電性パタン)の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は格子状パタンに露光されるが、露光方法として、格子状パタンの透過原稿と前駆体の乳剤層側面を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、450nm以下の発振波長の持つレーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることによって、後述する明室下(明るいイエロー蛍光灯下)でも取り扱いが可能となる。
前駆体のハロゲン化銀乳剤層は450nm以上の波長の光に対して実質的に感光性を有しないようにするのが好ましい。このハロゲン化銀乳剤層を用いることによって、450nm以下の短波長の光を実質的に除去したイエロー蛍光灯下での取り扱いが可能となる。
前駆体が、450nm以上の光に実質的に感光性を有しないとは、セーフライトとして約450nmより短波長の光を実質的に除去したイエロー蛍光灯(例えばNEC社製の純黄色蛍光灯FL−40SYF/M)を使用し、180ルックスの光が当たるようにして、その条件で5分間照射しても、照射前後で銀錯塩拡散転写現像での析出銀量に差(10%以内)が生じないことを意味する。
450nm以上の光に実質的に感度を有しないハロゲン化銀乳剤層を得る手段としては、例えば、ハロゲン化銀の粒子サイズの調整、ハロゲン化銀組成の調整、ロジウム塩の添加、メルカプト化合物等のカブリ防止剤の添加、有機減感剤の添加、450nm〜600nmの波長光を主として吸収する非増感性染料もしくは顔料の添加、またはこれらを適宜組み合わせることによって実現できる。
上記した有機減感剤は、ポーラログラフ半波電位、即ち、ポーラログラフィーで決定されるその酸化還元電位によって特徴づけられる。本応用に有効な有機減感剤としては、ポーラログラフ陽極電位とポーラログラフ陰極電位の和が正であるものである。これらの酸化還元電位の測定については、例えば、米国特許第3,501,307号明細書に記載されている。この様な有機減感剤の具体例は、数多くの特許明細書、文献に記載されており、それらはいずれも本発明に使用することができる。例えば、特公昭36−17595、同昭40−26751、同昭43−13167、同昭45−8833、同昭47−8746、同昭47−10197、同昭50−37530、特開昭48−24734、同昭49−84639、同昭56−142525、米国特許第2,271,229号、同第2,541,472号、同第3,035,917号、同第3,062,651号、同第3,124,458号、同第3,326,687号、同第3,671,254号等に記載の化合物が使用できる。
上記有機減感剤の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり0.01mg〜5gで、好ましくは、0.01mg〜1gである。
上記非増感性染料又は顔料は、例えば米国特許第2274782号、同第2527583号、同第2533472号、同第2464785号、同第261112号、同第2598660号、同第3005711号、同第2494032号、同第2956879号、同第3282699号、同第3615608号、同第3840375号、英国特許第1253933号、同第1338799号、西独公開特許第2026252号、同第2127327号、同第2321470号、同第2347590号、特開昭48−17322号、同昭48−85130号、同昭49−114420号、同昭50−23221号、同昭50−28827号、同昭50−115815号、同昭51−10927号、同昭51−77327号、同昭52−29727号、同昭52−65426号、同昭52−108115号、同昭52−111717号、同昭52−128125号、同昭55−29804号、同昭55−33103号、同昭55−33104号、同昭55−46752号、同昭55−88047号、同昭55−155350号、同昭55−161232号、同昭55−161234号、同昭55−120660号、同昭63−64039号、特公昭46−12242号等に記載されている。これらの中で、450nm〜600nmの波長の光を吸収しうる物であればその種類に関係なく用いることができる。例えばオキソノール系、アゾ系、キサンテン系、シアニン系、トリフェニルメタン系、スチリル系、メロシアニン系、アントラキノン系、インドフェノール系等が挙げられる。
上記した非増感性染料又は顔料は、450nm〜600nmの波長光を主として吸収することができる染料又は顔料である。好ましくは、層中でその様な波長域に極大吸収を有するものである。ただし、450nm、特に600nmの数値は、厳密な物でなく450nm〜600nmの範囲の波長光に対して十分な吸収を有していれば使用することができる。上記した染料または顔料は、ハロゲン化銀乳剤層、より好ましくは基材から見てハロゲン化銀乳剤層より遠い側に位置する非感光性層(保護層)に含有することができる。添加量は、1平方メートル当たり、約5mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.3以上である。
上記した非増感性染料又は顔料と同様で、かつハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有するものを、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としては、好ましくは上記したベース層あるいは物理現像核層、あるいは物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に必要に応じて設けられる中間層、または基材を挟んで設けられる裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
前述したように、この前駆体を用いて透明導電性フィルムを作製する場合は、格子状パターンのような任意の形状パターンの透過原稿と上記前駆体を密着して露光、あるいは、任意の形状パターンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記前駆体に走査露光した後、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で処理することにより物理現像が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して形状パターンの銀薄膜を得ることができる。露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、ハロゲン化銀乳剤層及び適宜設けられる中間層や保護層は水洗除去されて、形状パターンの銀薄膜が表面に露出する。このとき水洗水の温度は30℃〜40℃が好ましい。
次に、現像処理に用いられる現像液について詳しく説明する。現像液は可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤を含有するアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。
可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
これらのハロゲン化銀溶剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンを含有する現像液で処理することによって密度の高い金属銀が得られ、導電性が向上する。
アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2,2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
現像液においては、これらの可溶性銀錯塩形成剤を単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
現像液に用いられる還元剤は写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。本発明の処理液はこれらの還元剤を単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、処理液1リットル当たり、0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は処理液1リットル当たり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、燐酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の処理液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
現像液には、臭化カリウム、臭化ナトリウムなどの臭化物を加えることができる。適量の臭化物の存在下で現像を行うと、現像により得られた金属銀の導電性が良化する。好ましい臭化物濃度は1×10-4モル/L以上1×10-2モル/L以下である。
現像液のカリウムイオン濃度は、処理液中の全アルカリ金属イオンの70モル%以上であることが好ましい。カリウムイオンはいかなる形態及び方法で供給されても良い。例えば、水酸化物塩、亜硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩等として予め現像液に添加しておく方法が挙げられる。
次に、透明導電性フィルムの応用について説明する。透明電磁波シールドフィルムのような高い導電性と透過率が求められる製品に適用するために、本発明の処理方法で得られた金属銀からなる導電性パタン(格子状の細線パタン)上に銅やニッケルなどの金属による鍍金(メッキ)を施すことができる。金属メッキした細線パターンの厚みは所望とする特性により任意に変えることができるが、0.5〜15μm、好ましくは2〜12μmの範囲である。このメッキ処理を施すことにより、30MHz〜1,000MHzのような広い周波数帯に亘って30dB以上のシールド効果を発揮することができる。
上記のメッキは、無電解メッキ法、電解メッキ法あるいは両者を組み合わせたメッキ法のいずれでも可能であるが、本発明の製造方法で得られた導電性の良い透明導電性フィルムは、電解メッキが容易に行うことができる。本発明において、金属メッキ法は公知の方法で行うことが出来る。
このような場合においても、本発明の処理方法で得られた透明導電性フィルムには、連続で(ロール・ツウ・ロール)メッキを施すことができるので、生産性の面で極めて有利である。
以下に、透明導電性フィルム作製の実施例を示す。
《前駆体の作製》
透明基材として、厚み100μmの塩化ビニリデンを含有する下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。物理現像核層を塗布する前に、このフィルムにゼラチンが50mg/m2のベース層を塗布し乾燥した。次に、下記のようにして作製した硫化パラジウムからなる物理現像核層を塗布し、乾燥した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製;塗液2000ml当たりの組成>
前記硫化パラジウムゾル 50ml
2質量%のグルタルアルデヒド溶液 20ml
界面活性剤(S−1) 1g
この物理現像核層塗液を硫化パラジウムが固形分で0.4mg/m2になるように、ベース層の上に塗布し、乾燥した。
Figure 2006190535
続いて、上記物理現像核層を塗布した側と反対側に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
染料1 200mg
界面活性剤(S−1) 400mg
界面活性剤(S−2) 5mg
Figure 2006190535
続いて、下記組成のハロゲン化銀乳剤層及び保護層を上記物理現像核層の上に塗布した。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.1μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
ハロゲン化銀乳剤 3g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 30mg
<保護層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
界面活性剤(S−2) 0.1mg
このようにして作製した前駆体を、幅660mm、巻き長さ100mのロール状物に仕上げた。尚、このロール状物は、最上巻きと最下巻きにそれぞれ、長さが6mのリードフィルムが取り付けられている。この前駆体ロールを密着プリンターで繰り返し露光して100m全てに露光を実施した。密着プリンターは水銀灯を光源とし、400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔200μmの格子状パタンの透過原稿を密着させて露光した。続いて、図1に示す処理装置及び下記の現像液を用いて、以下の処理条件で処理した。上記の前駆体ロールを1日当たり7本処理することを5日間繰り返し実施した。
<処理条件>
現像液の温度;20℃
現像時間;浸漬現像時間が60秒、空中現像時間が25秒、全現像時間は85秒
現像時の雰囲気;乾球温度25℃、湿球温度18℃
<現像液;1リットル当たりの組成>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 20g
pH=13に調整する。
上記のようにして得られた透明導電性フィルムの表面抵抗率を、(株)ダイアインスツルメンツ製のロレスタ−GP/ESPプローブを用い、JIS−K7194に従って、ロール毎に測定した。その結果、表面抵抗率はいずれのロールも180±5Ω/□の範囲内に入っており、高い導電性が安定して得られることが分かる。
更に上記透明導電性フィルムに無電解メッキを行った。メッキ条件はアクチベーター処理が25℃で3分間、銅メッキ処理が25℃で10分間とした。
<アクチベーター処理液;1リットル当たりの組成>
1規定塩酸 60ml
塩化パラジウム 0.5g
<銅メッキ液;1リットル当たりの組成>
硫酸銅5水和物 10g
ロッシェル塩 40g
ホルマリン(37%) 25ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
pH=12.5に調整する。
このようにして作製された透明導電性フィルムの表面抵抗率を上記と同様にして測定したところ、いずれのロールも0.5Ω/□以下であり、高い導電性が安定して得られた。
本発明の処理によって得られる導電性パタンは、電磁波シールドフィルムやタッチパネル等の用途に用いられる透明導電性フィルム等に利用可能である。
本発明の処理装置の概略側断面図
符号の説明
1 巻き出し軸
2 反転ローラ
3 現像槽
5 水洗処理部
8 リンス部
14 空中現像部
21 前駆体ロール

Claims (6)

  1. 基材上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層とをこの順に有する前駆体を露光後、該前駆体を搬送させながら、現像処理、及びハロゲン化銀乳剤層の除去処理を施して、基材上に導電性パタンを形成する処理方法であって、少なくとも現像処理の間は、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層を有する面は非接触の状態で搬送せしめることを特徴とする処理方法。
  2. 前記現像処理が浸漬現像と空中現像から成り、合計の現像時間が60秒以上であり、かつ合計の現像時間に対する浸漬現像時間の比率が0.5〜0.9の範囲である請求項1に記載の処理方法。
  3. 湿球温度が20℃以下の雰囲気下で現像処理する請求項1または2に記載の処理方法。
  4. ロール・ツー・ロールで処理する請求項1に記載の処理方法。
  5. 前記前駆体の搬送方向を反転した後に現像処理される請求項1に記載の処理方法。
  6. 請求項1の処理方法に用いられる処理装置であって、ロール状の前駆体を保持する巻き出し軸と、現像槽と、空中現像部と、該前駆体が現像槽に到達する前に該前駆体の搬送方向を反転させるための反転ローラと、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を除去するための水洗処理部と、リンス部と、乾燥部と、処理され乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻き取り軸と、該巻き取り軸を駆動回転するための手段とを有し、該前駆体が該現像槽の現像液中に浸入した時点から空中現像が終了する時点までの間は、該物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を有する面が非接触の状態で搬送されるようにしたことを特徴とする処理装置。
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