JP2006188744A - 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006188744A
JP2006188744A JP2005090134A JP2005090134A JP2006188744A JP 2006188744 A JP2006188744 A JP 2006188744A JP 2005090134 A JP2005090134 A JP 2005090134A JP 2005090134 A JP2005090134 A JP 2005090134A JP 2006188744 A JP2006188744 A JP 2006188744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
mass
alloy plate
battery case
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005090134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006188744A5 (ja
JP3867989B2 (ja
Inventor
Kazunori Kobayashi
一徳 小林
Kozo Hoshino
晃三 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2005090134A priority Critical patent/JP3867989B2/ja
Publication of JP2006188744A publication Critical patent/JP2006188744A/ja
Publication of JP2006188744A5 publication Critical patent/JP2006188744A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3867989B2 publication Critical patent/JP3867989B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】 板厚を薄肉化しても、優れた強度、成形性、レーザー溶接性、応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)とを備える電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 Mn:0.9質量%以上1.5質量%以下、Cu:0.5質量%を超え1.0質量%以下、Mg:0.2質量%以上0.6質量%以下、Si:0.05質量%以上0.50質量%以下、Fe:0.05質量%以上0.60質量%以下を含有し、Zn:0.10質量%以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池ケース等の電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
従来、携帯電話やハンディパーソナルコンピュータ等の電源として搭載されているリチウムイオン二次電池のケース(以下、電池ケースという)には、通常、小型化と軽量化とを目的として、JISA3003合金等の軽量性と強度とを備えた多くのアルミニウム合金が使用されている。
ところで、このような電池ケースでは、電池の充電や放電が行なわれる際に電池ケースの内部の圧力が上昇する。また、夏季において、このような電池ケースが搭載された電子機器を自動車内等の高温環境下に長時間放置したような場合には、電池ケース自体が60乃至90℃にも達し、電池ケースの内部の圧力が大きく上昇すると共に、電池ケース用材料自体の内部応力が緩和される。その結果、電池ケースが膨れて変形し、場合によっては電池ケースが破損すると言った問題が生じる。このため、電子機器の性能を損ねる恐れもある。
そこで、このような電池ケースに要求される特性として、電池の充電および放電時はもとより、高温環境下で使用される状況を想定して、これらの使用状況で電池ケースの内圧が上昇した場合にも、電池ケースが所期の形状を保持できることが挙げられる。その一方で、電池の小型化や軽量化および低コスト化を図るべく、電池ケースの薄肉化を図ることが強く要求されている。
しかしながら、前記したJISA3003合金等からなるアルミニウム合金板で作製された電池ケースにおいては、電池ケースの軽量化を図るべくこのアルミニウム合金板の板厚をある程度薄くすると、変形が生じ易くなり、その結果、電池ケースの耐圧性(耐膨れ性)が低下して比較的小さな内部圧力が作用しても膨れが生じ易くなるという問題が発生する。
すなわち、従来のJISA3003合金等からなるアルミニウム合金板では、電池ケースで所望とされている軽量化を目指して薄肉化を図ると耐圧性(耐膨れ性)が得られなくなるといったように、アルミニウム合金板の薄肉化と耐圧性(耐膨れ性)とが二律背反的な関係にある。そのため、電池ケースに対してアルミニウム合金板の薄肉化と耐圧性(耐膨れ性)とを両立させて満足させることは困難であった。
このような問題を解決するため、JIS3000系のアルミニウム合金にCu等を添加することによりアルミニウム合金板の強度を向上させて、このアルミニウム合金板の板厚を薄肉化して電池ケースの軽量化を図った技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平10−284014号公報(段落番号0009〜0011、0013、0022) 特開2000−129384号公報(段落番号0010、0011、0020、0043) 特開2003−34833号公報(0006、0015、0061)
しかしながら、特許文献1のAl合金材(本発明における電池ケース用アルミニウム合金板)は、Cuの含有量が0.20wt%を超え0.5wt%以下(wt%は本発明の質量%と同義)と低いため、強度が十分でなく、また、応力緩和現象も抑制されない。その結果、このAl合金材で作製した密閉角型リチウム二次電池用外装缶(本発明における電池ケース)は、温度上昇によって外装缶内部の圧力が上昇した場合には、外装缶の膨れを抑えることができなかった。
また、特許文献2の二次電池ケース用アルミニウム合金板(本発明における電池ケース用アルミニウム合金板)は、Mgの含有量が0.20重量%以下(重量%は本発明の質量%と同義)と低いため、強度が十分でなく、また、応力緩和現象も抑制されない。その結果、この二次電池ケース用アルミニウム合金板で作製した電池ケースは、温度上昇によって電池ケース内部の圧力が上昇した場合には、電池ケースの膨れを抑えることができなかった。
また、特許文献3の二次電池ケース用アルミニウム合金板は、Znの含有量が0.2超〜0.7重量%と高いため、溶接する際に、Znが飛散し、周囲を汚染する。したがって、この二次電池ケース用アルミニウム合金板は、電池ケースを作製する際のレーザー溶接性が悪かった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、板厚を薄肉化しても、絞り加工およびしごき加工の際に破断が生じることのない優れた強度および成形性と、電池ケースに成形加工された後に充放電あるいは60乃至90℃程度への温度上昇によって、この電池ケース内部の圧力が上昇した場合でも、電池ケースの膨れによる変形量を小さく抑えることが可能な優れた応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)とを備えると共に、レーザー溶接性にも優れた電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板は、 Mn:0.9質量%以上1.5質量%以下、Cu:0.5質量%を超え1.0質量%以下、Mg:0.2質量%以上0.6質量%以下、Si:0.05質量%以上0.50質量%以下、Fe:0.05質量%以上0.60質量%以下を含有し、Zn:0.10質量%以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物からなるように構成した(請求項1)。
このように構成すれば、所定範囲のMn、Cu、Mg、Siを含有することによって、これらの元素が母相内に固溶して、電池ケース用アルミニウム合金板の強度が向上する。そして、この強度向上によって電池ケース用アルミニウム合金板の板厚を薄肉化でき、その薄肉化によって、レーザー溶接時の溶け込み深さが高まる。同時に、Cuの固溶強化によるアルミニウム合金板の強度向上によって、レーザー溶接時の溶接部の強度が高まる。また、所定範囲のMn、Si、Feを含有することによって、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物が形成されて、電池ケース用アルミニウム合金板の成形性が向上する。また、所定範囲のCu、Mg、Siを含有することによって、S’(CuMgAl2)相、Mg2Siが形成されて、電池ケース用アルミニウム合金板の応力緩和が抑制される。さらに、所定範囲以下にZnを規制することによって、電池ケース用アルミニウム合金板のレーザー溶接時に、蒸気圧の低いZnが飛散せず、周囲を汚染することがない。
また、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板は、前記Cuの含有量が0.7質量%以上1.0質量%以下であるように構成した(請求項2)。
このように構成すれば、Cuの含有量が適正化されるので、前記したように、Cuの固溶強化が促進され、アルミニウム合金板の強度がより一層向上し、レーザー溶接時の溶接部の強度もより一層高まる。
また、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板は、前記Siの含有量とFeの含有量との比(Si/Fe)が0.2〜6.0であるように構成した(請求項3)。
このように構成すれば、SiおよびFeの含有量が適性化されるので、前記したように、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物およびMg2Siの形成によって、電池ケース用アルミニウム合金板の成形性が向上し、応力緩和が抑制される。
また、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池ケース用アルミニウム合金板の引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)が、6N/mm2<(σB)−(σ0.2)<50N/mm2、かつ、(σ0.2)≧240N/mm2の関係式を満足するように構成した(請求項4)。
このように構成すれば、アルミニウム合金板の強度が適正化されることにより、しごき加工等に適した加工硬化特性が得られ、しごき加工等によって作製される電池ケースの硬さが高くなり、耐圧性が向上する。
また、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を溶解・鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、前記鋳塊に均質化熱処理を施す第2工程と、均質化熱処理された前記鋳塊を熱間圧延および冷間圧延して圧延板を作製する第3工程と、前記圧延板に中間焼鈍を施す第4工程と、中間焼鈍された前記圧延板に最終冷間圧延を施してアルミニウム合金板を作製する第5工程とを含むように構成した(請求項5)。
このように構成すれば、中間焼鈍および中間焼鈍後に最終冷間圧延を施すことにより、アルミニウム合金板の加工硬化特性が上昇し、電池ケース作製の際のしごき加工等の作業が安定化する。また、応力緩和現象が抑制されると共に、耐圧性が向上する。
また、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、前記第5工程において、最終冷間圧延された前記圧延板に80〜200℃、0.5〜8時間の最終焼鈍を施すように構成した(請求項6)。
このように構成すれば、最終冷間圧延後に最終焼鈍を施すことにより、アルミニウム合金板の加工硬化特性が上昇し、電池ケース作製の際のしごき加工等の作業が安定化すると共に、応力緩和現象が抑制される。また、アルミニウム合金板の引張強度および0.2%耐力が適正化され、耐圧性がより一層向上する。
以上説明した通りに構成される本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明によれば、Mn、Cu、Mg、Si、FeおよびZnの含有量を所定の範囲内に規制することによって、板厚を薄肉化しても、電池ケースに成形された際に優れた強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性、溶接部強度)、応力緩和性、耐圧性(耐膨れ性)を有する電池ケース用アルミニウム合金板を提供することができる。特に、レーザー溶接性については、Znの含有量を規制することによって、レーザー溶接時に、Znが飛散せず、周囲を汚染することがない。
また、Cuの含有量、および/または、Siの含有量とFeの含有量との比(Si/Fe)を規制することによって、より一層優れた強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性、溶接部強度)、応力緩和性、耐圧性(耐膨れ性)を有する電池ケース用アルミニウム合金板を提供することができる。
また、アルミニウム合金板の引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)を規制することによって、より一層優れた耐圧性(耐膨れ性)を有する電池ケース用アルミニウム合金板を提供することができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、中間焼鈍および最終冷間圧延が施されることによって、板厚を薄肉化しても、電池ケースに成形された際に優れた強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性、溶接部強度)、応力緩和性、耐圧性(耐膨れ性)を有する電池ケース用アルミニウム合金板を製造できる。さらに、中間焼鈍および最終冷間圧延、それに加えて最終焼鈍が施されることによって、より一層優れた耐圧性(耐膨れ性)を有する電池ケース用アルミニウム合金板が製造できる。
さらに、このような本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板からアルミニウム合金製電池ケースを成形すれば、リチウムイオン二次電池の電池ケースをはじめとする各種の容器に対して求められている、近時の軽量化や小型化の要求を充分に満足させることができる。
以下、本発明に係る電池ケース用アルミニウム合金板(以下、単にアルミニウム合金板と称す)を、本発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこのような実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、適宜に変更することが可能である。
本発明に係るアルミニウム合金板は、一連の成形加工が順次に施されるトランスファープレスによって所望の形状に成形されて、例えば、リチウムイオン二次電池の電池ケースに好適なものである。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金板は、トランスファープレスに含まれる、多段階の絞り−しごき加工のような特に過酷な加工(以下、単に「しごき加工等」という。)に対して優れた強度および成形性(加工性)を有するものである。
また、前記したようにリチウムイオン二次電池等で放電または充電が繰り返されたり、あるいは高温環境下で使用されたりして、電池ケース内部の温度が上昇し、それに伴って圧力が上昇した場合でも、この電池ケースの膨れの変形量を適切に低く抑えることができるものである。さらに、電池ケースの作製時には、ケース本体部と蓋部とをレーザーで確実に封止できるレーザー溶接性を有するものである。このように本発明に係るアルミニウム合金板にあっては、強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性、溶接部強度)、応力緩和性、耐圧性(耐膨れ性)に優れていることが必要とされる。
〔アルミニウム合金板の構成〕
そこで、本発明においては、強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性、溶接部強度)、応力緩和性、耐圧性(耐膨れ性)を同時に満足させるアルミニウム合金板を実現するために、アルミニウム合金の組成を最適化した。すなわち、アルミニウム合金板は、Mn:0.9質量%以上1.5質量%以下、Cu:0.5質量%を超え1.0質量%以下、Mg:0.2質量%以上0.6質量%以下、Si:0.05質量%以上0.50質量%以下、Fe:0.05質量%以上0.60質量%以下を含有し、Zn:0.10質量%以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物からなる。
このアルミニウム合金の組成として、Mn、Cu、Mg、Si、FeおよびZnの各含有量を特定の値となるように数値限定した理由について説明する。
(Mnの含有量:0.9質量%以上1.5質量%以下)
Mnは、母相内に固溶して、アルミニウム合金板の強度を高め、耐圧強度を向上させる作用効果を有する。しかし、Mnの含有量が0.9質量%未満であるとこの作用効果は小さく、一方、Mnの含有量が1.5質量%を超えると粗大な金属間化合物(Al−Fe−Mn、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物)が生成し、成形時の割れの起点となりやすいため、アルミニウム合金板の成形性が低下する。したがって、Mn含有量は0.9質量%以上1.5質量%以下とする。
(Cuの含有量:0.5質量%を超えて1.0質量%以下)
Cuは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高め、耐圧強度を向上させる作用効果を有する。また、Mg、Alと結びついてS'(CuMgAl2)相を生成し応力緩和現象を抑え、アルミニウム合金板の応力緩和性を向上させる作用効果を有する。しかし、Cuの含有量が0.5質量%以下ではこの作用効果が小さく、一方、Cuの含有量が1.0質量%を超えるとアルミニウム合金板の成形性を低下させると共に、電池ケースのケース本体部と蓋部とをレーザー溶接等により固着させる際に割れが生じやすくなり、レーザー溶接性が低下する。したがって、Cuの含有量は0.5質量%を超えて1.0質量%以下とする。また、Cuの固溶強化によってレーザー溶接時の溶接部の強度を高めるためには、Cuの含有量は、0.7質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
(Mgの含有量:0.2質量%以上0.6質量%以下)
Mgは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高め、耐圧強度を向上させる作用効果を有する。また、Mgは、Siと結びついて析出物(Mg2Si)を形成したり、Al及びCuと結びついてS'(CuMgAl2)相を形成し、転位の移動を抑制する。このMg2Si、S'(CuMgAl2)相の形成によって、応力緩和を抑制することができ、アルミニウム合金板の応力緩和性を向上させる作用効果を有する。
しかし、Mgの含有量が0.2質量%未満ではこの作用効果は小さく、一方、Mgの含有量が0.6質量%を超えると、加工硬化性が高まってアルミニウム合金板の成形性が低下し、また前記レーザー溶接時に割れが生じやすくなる。したがって、Mg含有量は0.2質量%以上0.6質量%以下とする。
(Siの含有量:0.05質量%以上0.50質量%以下)
Siは、固溶強化によりアルミニウム合金板の強度を高め、耐圧強度を向上させる作用効果を有する。また、Siは、Al、Mn、Fe等とAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物を形成し、アルミニウム合金板の成形性を向上させる作用効果を有する。さらに、Siは、Mgと結びついて析出物(Mg2Si)を形成して応力緩和を抑制することができ、アルミニウム合金板の応力緩和性を向上させる作用効果を有する。
しかし、Siの含有量が0.05質量%未満であると、その作用効果が小さく、一方、Siの含有量が0.50質量%を超えると、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物が粗大化し、成形時の割れの起点となりやすいため、アルミニウム合金板の成形性が低下する。また、レーザー溶接性も低下する。したがって、Siの含有量は、0.05質量%以上0.50質量%以下とする。
(Feの含有量:0.05質量%以上0.60質量%以下)
Feは、Siと同様にAl−Fe−Mn、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を形成するため、アルミニウム合金板の成形性を向上させる作用効果を有する。しかし、Feの含有量が0.05質量%未満であると、金属間化合物の形成量が少なく、その作用効果が小さく、一方、Feの含有量が0.60質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し、成形時の割れの起点となりやすいため、アルミニウム合金板の成形性が低下する。また、耐応力緩和特性も低下する。したがって、Feの含有量は、0.05質量%以上0.60質量%以下とする。
(Znの含有量:0.10質量%以下)
Znは、蒸気圧が低いため、前記レーザー溶接時に飛散し、周囲を汚染しやすく、アルミニウム合金板のレーザー溶接性を悪くする。したがって、Znの含有量は0質量%を超え0.10質量%以下に規制する。
(不可避的不純物)
不可避的不純物としては、Cr、Ti等が挙げられる。本発明の作用効果を奏するためには、これらの不可避的不純物のそれぞれの含有量を0.1質量%以下に抑える必要がある。
また、本発明に係るアルミニウム合金板は、前記Siの含有量とFeの含有量の比(Si/Fe)が0.2〜6.0であることが好ましい。
(Si/Feが0.2〜6.0)
Si/Feが前記範囲内であると、アルミニウム合金板の応力緩和の原因となるAl−Fe−Mn系金属間化合物の形成が妨げられ、また、応力緩和を抑制するMg2Siの形成が促進されるため、アルミニウム合金板の応力緩和性がさらに向上する。
しかし、Si/Feが0.2未満であると(Si含有量が少なく、Fe含有量が多すぎる)、Al−Fe−Mn系金属間化合物の形成が多くなると共にMg2Siの形成が少なくなるため、アルミニウム合金板の応力緩和性がやや低下する。また、Al−Fe−Mn系金属間化合物が粗大化しやすいため、アルミニウム合金板の成形性もやや低下する。また、Si含有量を少なくするためには、地金の純度を高める必要があり、ややコスト高となる。
一方、Si/Feが6.0を超えると(Si含有量が多く、Fe含有量が少なすぎる)、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物が粗大化しやすいため、アルミニウム合金板の成形性がやや低下する。また、Si含有量が多くなることにより融点が低下してレーザー溶接性がやや劣化する。さらに、Fe含有量を少なくするためには、地金の純度を高める必要があり、ややコスト高となる。
また、本発明に係るアルミニウム合金板は、前記のアルミニウム合金の各成分の条件に併せて、引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)が、以下の関係を満足することが好ましい。
(6N/mm2<(σB)−(σ0.2)<50N/mm2、かつ、(σ0.2)≧240N/mm2
引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)は、アルミニウム合金板の加工硬化特性に影響を与えるもので、前記の関係を満足しないと、しごき加工等に適した加工硬化特性が得られない。(σ0.2)≧240N/mm2であっても、(σB)−(σ0.2)が6N/mm2以下である場合には、加工硬化特性が低くなりすぎて、しごき加工等によって作製される電池ケースの硬さが低下しやすく、耐圧性が低下しやすい。また、(σB)−(σ0.2)が50N/mm2以上である場合には、加工硬化特性が高くなりすぎて、しごき加工時に成形割れが発生しやすい。
次に、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法について説明する。
〔アルミニウム合金板の製造方法〕
アルミニウム合金板は、前記組成を有するアルミニウム合金を溶解・鋳造して鋳塊を得る(第1工程)、得られた鋳塊を均質化熱処理(第2工程)した後、熱間圧延および冷間圧延(第3工程)を行ない、得られた圧延板に中間焼鈍(第4工程)を施し、中間焼鈍された圧延板を所定板厚になるように最終冷間圧延(第5工程)する方法が挙げられる。
そして、均質化熱処理を550℃以上、熱間圧延終了温度を300℃以上、中間焼鈍を連続焼鈍では400℃以上、バッチ焼鈍では300〜400℃、中間焼鈍後の最終冷間圧延における最終冷間圧延率を15〜50%で行うことが好ましい。また、製造方法としては前記方法に限定されるものではなく、例えば、中間焼鈍後の最終冷間圧延の後に、80〜200℃、0.5〜8時間の最終焼鈍を行ってもよい。
ここで、中間焼鈍後に冷間圧延を行うことによって、作製されるアルミニウム合金板の板厚が所望の板厚に調整されやすく、同時に、加工硬化によってアルミニウム合金板の強度が所望の強度になりやすい。それにより、電池ケース作製の際のしごき加工等の作業が安定化しやすくなる。また、中間焼鈍後の冷間圧延の最終冷間圧延率を15〜50%に調整することによって、応力緩和現象が抑制され易くなり、アルミニウム合金板の応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)が向上しやすくなる。
また、中間焼鈍、または、中間焼鈍と最終焼鈍とを行うことによって、アルミニウム合金板にMg2SiまたはS'(CuMgAl2)相が析出する。このMg2SiまたはS'(CuMgAl2)相の析出によって、加工硬化特性が上昇し、アルミニウム合金板の強度が所望の強度になりやすい。それにより、電池ケース作製の際のしごき加工等の作業が安定化しやすくなる。また、このMg2SiまたはS'(CuMgAl2)相が転位の移動を抑制し、応力緩和現象が抑制され易くなり、アルミニウム合金板の応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)が向上しやすくなる。
また、最終焼鈍を行うことによって、アルミニウム合金板の引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)が前記の関係を満足することとなる。そして、前記の最終焼鈍条件が、最終焼鈍温度が80℃未満または最終焼鈍時間が0.5時間未満の場合には、前記のMg2Siまたは(CuMgAl2)相の析出が進行し難く、最終焼鈍を行わない場合と比べて、耐圧性(耐膨れ性)等は同等となり、最終焼鈍を行うだけコストアップとなる。また、最終焼鈍温度が200℃を超える、または最終焼鈍時間が8時間を超える場合には、前記のMg2Siまたは(CuMgAl2)相の析出が進行しすぎて、最終焼鈍を行わない場合と比べて、耐圧性が低下しやすい。
〔電池ケースの作製方法〕
そして、前記アルミニウム合金板を所定形状にカットし、これに複数回にわたって絞りあるいはしごき加工を行い、徐々に有底筒形状の側壁面を高く成形し、トリミングなどの加工を必要に応じて施すことで、所定の側壁高さ、底面積を備えるケース本体部を製造する。例えば、直径60mmのブランク板から側壁高さが50mmのケース本体部を作製する。
また、アルミニウム合金板は、加工前の0.3〜0.8mm程度の板厚さを加工後0.1〜0.4mm程度へ絞り、しごき加工を行うようにしており、直方体の角型形状になるように成形される。なお、このアルミニウム合金板により成形されるケース本体部の成形品の形状は、絞り、しごき加工を施して有底筒形状となれば、特に限定されるものではない。
また、しごき加工等を行う前後の板厚減少率の適正範囲は、30〜80%であることが好ましい。この板厚減少率が30%未満である場合、あるいは、板厚減少率が80%を超える場合は、形成するケース本体部の所望の側壁厚さを達成することが困難となる。
さらに、ケース本体部の上部側に開口した注液口に対応した形状の蓋部を、ケース本体部と同材質のアルミニウム合金板で作製する。そして、後記するリチウムイオン二次電池の作製時に、この蓋部をケース本体部に溶接して電池ケースとする。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
さらに、リチウムイオン二次電池は、以下のような工程により作製される。
(1)正極材料、負極材料、セパレーターを重ねて巻き、前記ケース本体部の内部に収納する。
(2)電極材料の正極と負極を、ケース本体部の正極と負極にそれぞれ溶接する。
(3)電解液をケース本体部の注液口から注液する。
(4)注液口を蓋部で溶接によって封止する。
なお、ケース本体部の注液口を蓋部で封止する場合には、波形制御されたパルスレーザーによる溶接が一般的である。
(実施例1〜3、比較例1〜11)
以下、本発明によるところの実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に変更することが可能である。
表1に示すような組成を有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金の鋳塊に均質化熱処理(600℃)を施し、熱間圧延および冷間圧延を行ない圧延板を作製した(熱間圧延終了温度350℃)。その後、中間焼鈍として、圧延板に500℃、20秒間の連続焼鈍を施し、最終冷間圧延率30%で冷間圧延を行い、板厚が0.5mmのアルミニウム合金板を作製した。
次に、このようにして作製したアルミニウム合金板を用いて、強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)、応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)についての評価を、以下のように行った。その結果を表2に示す。
〔強度〕
前記アルミニウム合金板について、引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS5号による引張試験片を作製した。その後、JISZ2241による引張試験を実施し、引張強さ、耐力及び伸びを求めた。耐力として240N/mm2以上を良好とした。
〔成形性〕
前記アルミニウム合金板から、加工機を使用して、側壁のしごき加工率を50%として、縦5mm、横30mm、高さ50mmの角型電池ケースを成形した。この際、成形可能であったものは成形性が良好であり問題なしとして「◎」、わずかに肌荒れ「○」、割れまたは肌荒れが著しく発生したものは成形性が不良であるとして「×」と評価した。
〔レーザー溶接性(溶接割れ性)〕
前記角型電池ケースの上部に、角型電池ケースと同材質のアルミニウム合金板からなる蓋部をパルスレーザーで溶接した。溶接部に割れなどの欠陥が見られず健全で、パルス毎のビード形状が一定であるものを「◎」、溶接部に欠陥が見られず健全であるがビード形状が若干乱れているものを「○」、溶接部に割れが発生したもの、あるいは溶質元素が飛散し周囲を汚染したものを「×」として評価した。
〔応力緩和性〕
前記アルミニウム合金板に、電池ケースへの成形加工を想定し最終冷間圧延率50%の冷間圧延を行い、図1に示すように、幅10mm、長さ150mmの試験片に切り出した。その後、日本電子材料工業会標準規格EMAS−3003に記載の片持ち梁式により、試験片の50mm(L)の位置に120MPaの応力を付加し変形させ(δ0)、その状態で85℃、24時間保持した後に応力を除去し、試験片の変形量(たわみ量:ε)を測定した。なお、この場合、変形量が大きいほど、応力緩和特性に劣ることとなる。変形量(たわみ量:ε)が2.5mm以下を良好とした。
〔耐圧性(耐膨れ性)〕
前記角型電池ケースを封止した後、294kPa(3kg/cm2)の内圧を作用させた状態で、100℃の温度に加熱して2時間保持した後、室温に戻し、その後電池ケース側面の膨れの変位量を測定した。この膨れ変位量が1.0mm以下であったものは耐圧性がより優れているとして「◎」、1.0mmを超え、1.2mm以下であったものは耐圧性が優れているとして「○」、1.2mmを超え、1.5mm以下であったものは耐圧性が良好であるとして「△」、1.5mmを超えたものは不良であるとして「×」とした。また、成形性およびレーザー溶接性の少なくとも1つが不良「×」のものは、測定不能であるとして「−」とした。
Figure 2006188744
Figure 2006188744
表1および表2に示すように、実施例1〜3は、アルミニウム合金板の組成がいずれも本発明で規制した範囲内にあるため、良好な強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)、応力緩和性および耐圧性を示している。また、実施例2、実施例3はSi/Fe比が規制した範囲外であるため、実施例1(規制した範囲内)と比べ、各特性がやや低下していた。
一方、比較例1は、Mnの含有量が本発明で規制した範囲の下限値未満であるため、アルミニウム合金板の強度が不足し、耐圧性が劣るものとなっている。また、比較例2はMnの含有量が本発明で規制した範囲の上限値を超えるため、成形性が劣るものとなっている。
比較例3は、Cuの含有量が本発明で規制した範囲の下限値未満であるため、強度、応力緩和性、耐圧性が劣るものとなっている。また、比較例4はCuの含有量が本発明で規制した範囲の上限値を超えるため、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)が劣るものとなっている。
比較例5は、Mgの含有量が本発明で規制した範囲の下限値未満であるため、強度、応力緩和性、耐圧性が劣るものとなっている。また、比較例6はMgの含有量が本発明で規制した範囲の上限値を超えるため、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)が劣るものとなっている。
比較例7は、Siの含有量が本発明で規制した範囲の下限値未満であるため、強度、応力緩和特性、耐圧性が劣るものとなっている。また、比較例8は、Siの含有量が本発明で規制した範囲の上限値を超えているため、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)が劣るものとなっている。
比較例9は、Feの含有量が本発明で規制した範囲の下限値未満、Si/Fe比が本発明で規制した範囲の上限値を超えるため、成形性が劣り、レーザー溶接性(溶接割れ性)がやや劣るものとなっている。比較例10は、Feの含有量が本発明で規制した上限値を超えるため、成形性、応力緩和性が劣るものとなっている。
比較例11は、Znの含有量が本発明で規制した範囲の上限値を超えるため、レーザー溶接時にZnが飛散し周囲を汚染したため、レーザー溶接性(溶接割れ性)が劣るものとなっている。
(実施例4、5)
次に、実施例4、5として、表3に示す組成のアルミニウム合金を用いて、実施例1〜3と同様にアルミニウム合金板を作製した。そして、実施例4、5のアルミニウム合金板および前記実施例1〜3のアルミニウム合金板を用いて、レーザー溶接性(溶接部強度)ついての評価を、以下のように行った。その結果を表4に示す。
〔レーザー溶接性(溶接部強度)〕
前記アルミニウム合金板にパルスレーザーを照射して、直径500μmの単点スポットを形成させ、単点スポットの内部硬度(スポット硬度)をビッカース硬度計で測定した。なお、単点あたりの照射エネルギーは4Jとした。
Figure 2006188744
Figure 2006188744
表4に示すように、実施例1〜5は、スポット硬度が高く、実際に角型電池ケースと蓋部を溶接する際にも良好なレーザー溶接性(溶接部強度)が得られることを示している。また、実施例1〜3は、実施例4、5に比べてCuの含有量が多いため(表1、3参照)、スポット硬度が約7%高くなり、さらに良好なレーザー溶接性(溶接部強度)を示している。
また、実施例4、5については、実施例1〜3と同様にして、アルミニウム合金板での強度、および角型電池ケースでのレーザー溶接性(溶接割れ性)の評価を行い、その結果を表5に示す。表5に示すように、実施例4、5は、良好な強度、レーザー溶接性(溶接割れ性)を示している。
Figure 2006188744
(実施例6〜12)
次に、実施例1のアルミニウム合金を用いて、最終冷間圧延後に最終焼鈍を施す以外は実施例1と同様にして、アルミニウム合金板を作製した。なお、最終焼鈍条件については表6に示す条件で行い、実施例6〜9が請求項6の最終焼鈍条件を満足する例、実施例10〜12が最終焼鈍条件を満足しない例とした。
このように作製したアルミニウム合金板を用いて、実施例1と同様にして、強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)、応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)について評価を行った。また、成形性の評価において作製した角型電池ケースを用いて、ケース成形後の硬さの測定を以下のように行った。その結果を表6に示す。なお、表6では、実施例1の評価、測定結果についても合わせて記載した。
(ケース成形後の硬さ)
ケース成形後の硬さ測定は、図2に示すように、角型電池ケース1の広幅面の上部から1/4,2/4,3/4の測定ポイントP1、P2、P3での硬さをマイクロビッカース硬度計を用いて測定し、平均値を求めた。なお、測定条件は、荷重300gで時間20秒である。
Figure 2006188744
表6に示すように、実施例6〜12は、良好な強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)、応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)を示している。また、実施例6〜9は、所定の最終焼鈍を行うことにより、ケース成形後の硬さが高くなり、耐圧性(耐膨れ性)が向上することを示している。
(実施例13、14)
次に、実施例1のアルミニウム合金を用いて、最終冷間圧延を圧延率15%(実施例13)、圧延率50%(実施例14)で行う以外は実施例1と同様にして、アルミニウム合金板を作製した。このように作製したアルミニウム合金板を用いて、実施例1と同様にして、強度、成形性、レーザー溶接性(溶接割れ性)、応力緩和性および耐圧性(耐膨れ性)について評価を行った。その結果、実施例13、14は、実施例1と同等であった。
本発明に係るアルミニウム合金板での応力緩和試験の模式図である。 本発明に係る電池ケース用アルミニウ合金板の加工後における角型電池ケースでのビッカース硬さの測定部位を示す模式図である。
符号の説明
1 角型電池ケース
P1 測定ポイント
P2 測定ポイント
P3 測定ポイント

Claims (6)

  1. Mn:0.9質量%以上1.5質量%以下、Cu:0.5質量%を超え1.0質量%以下、Mg:0.2質量%以上0.6質量%以下、Si:0.05質量%以上0.50質量%以下、Fe:0.05質量%以上0.60質量%以下を含有し、Zn:0.10質量%以下に規制し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成されることを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板。
  2. 前記Cuの含有量が0.7質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電池ケース用アルミニウム合金板。
  3. 前記Siの含有量とFeの含有量との比(Si/Fe)が0.2〜6.0であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池ケース用アルミニウム合金板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池ケース用アルミニウム合金板の引張強度(σB)および0.2%耐力(σ0.2)が、6N/mm2<(σB)−(σ0.2)<50N/mm2、かつ、(σ0.2)≧240N/mm2の関係式を満足することを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を溶解・鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、
    前記鋳塊に均質化熱処理を施す第2工程と、
    均質化熱処理された前記鋳塊を熱間圧延および冷間圧延して圧延板を作製する第3工程と、
    前記圧延板に中間焼鈍を施す第4工程と、
    中間焼鈍された前記圧延板に最終冷間圧延を施してアルミニウム合金板を作製する第5工程とを含むことを特徴とする電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  6. 前記第5工程において、最終冷間圧延された前記圧延板に80〜200℃、0.5〜8時間の最終焼鈍を施すことを特徴とする請求項5に記載の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
JP2005090134A 2004-03-31 2005-03-25 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3867989B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005090134A JP3867989B2 (ja) 2004-03-31 2005-03-25 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004108302 2004-03-31
JP2004357786 2004-12-10
JP2005090134A JP3867989B2 (ja) 2004-03-31 2005-03-25 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006188744A true JP2006188744A (ja) 2006-07-20
JP2006188744A5 JP2006188744A5 (ja) 2006-10-19
JP3867989B2 JP3867989B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=36796204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005090134A Expired - Fee Related JP3867989B2 (ja) 2004-03-31 2005-03-25 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3867989B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277588A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Furukawa Sky Kk 多段加工性に優れた電池ケース用アルミニウム合金圧延板及びその製造方法
JP2008127656A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2009228031A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2010236036A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2011038122A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Mitsubishi Alum Co Ltd 二次電池ケース用アルミニウム合金板及びその製造方法
CN103122430A (zh) * 2013-03-06 2013-05-29 苏州有色金属研究院有限公司 锂离子电池壳用铝合金
KR20140116820A (ko) 2013-03-25 2014-10-06 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 대형 각통 전지 케이스용 알루미늄 합금판
JP2014198904A (ja) * 2014-05-26 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
KR101460407B1 (ko) 2011-10-14 2014-11-10 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 전지 케이스
JP2014210977A (ja) * 2014-06-23 2014-11-13 株式会社神戸製鋼所 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法ならびに電池ケース
JP2015232183A (ja) * 2015-07-28 2015-12-24 株式会社神戸製鋼所 イレギュラー・ビード防止性に優れる電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
KR20160006666A (ko) 2013-05-09 2016-01-19 가부시키가이샤 유에이씨제이 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 그 제조 방법

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277588A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Furukawa Sky Kk 多段加工性に優れた電池ケース用アルミニウム合金圧延板及びその製造方法
JP2008127656A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2009228031A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2010236036A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kobe Steel Ltd 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2011038122A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Mitsubishi Alum Co Ltd 二次電池ケース用アルミニウム合金板及びその製造方法
KR101460407B1 (ko) 2011-10-14 2014-11-10 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 전지 케이스
CN103122430A (zh) * 2013-03-06 2013-05-29 苏州有色金属研究院有限公司 锂离子电池壳用铝合金
KR20140116820A (ko) 2013-03-25 2014-10-06 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 대형 각통 전지 케이스용 알루미늄 합금판
KR20160006666A (ko) 2013-05-09 2016-01-19 가부시키가이샤 유에이씨제이 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 그 제조 방법
JP2014198904A (ja) * 2014-05-26 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2014210977A (ja) * 2014-06-23 2014-11-13 株式会社神戸製鋼所 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法ならびに電池ケース
JP2015232183A (ja) * 2015-07-28 2015-12-24 株式会社神戸製鋼所 イレギュラー・ビード防止性に優れる電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース

Also Published As

Publication number Publication date
JP3867989B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3867989B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5204517B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2008127656A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP4290165B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
KR101460407B1 (ko) 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 전지 케이스
KR101217428B1 (ko) 전지 케이스용 알루미늄 합금판 및 전지 케이스
JP5684617B2 (ja) レーザ溶接性に優れる二次電池大型角型缶用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法
KR100688764B1 (ko) 알루미늄 합금판, 그 제조 방법 및 알루미늄 합금제 전지케이스
JP2002134069A (ja) 耐高温フクレ性に優れたケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2007211290A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2008111159A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2009249708A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板材およびその製造方法
JP4539913B2 (ja) 二次電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5726430B2 (ja) 電池ケース本体用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2011208229A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2004232009A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法ならびにアルミニウム合金製電池ケース
JP5599588B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法ならびに電池ケース
JP5798710B2 (ja) イレギュラー・ビード防止性に優れる電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース
JP2006037129A (ja) 二次電池ケースの封口板用アルミニウム合金板
JP3719661B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびアルミニウム合金製電池ケース
JP2008057014A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP3724798B2 (ja) 二次電池ケース用アルミニウム合金板及びこれを用いた二次電池ケース
JP5726554B2 (ja) 電池ケース本体用アルミニウム合金板および電池ケース
JP3788915B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5943288B2 (ja) イレギュラー・ビード防止性に優れる電池ケース用アルミニウム合金板および電池ケース

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060904

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060904

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3867989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees