JP2006185698A - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素分圧及び低温条件下において、安定した開回路電圧を得ることができる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】多孔質金属から成る支持体と、支持体上に形成され、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層を空気極層及び燃料極層で狭持して成る発電要素とを有する固体酸化物形燃料電池。固体電解質層と燃料極層との間に、還元防止層を有し、還元防止層は、燃料極層以上の緻密性を有し、且つ固体電解質層以上の耐還元性を有し、且つ酸化物イオン伝導性及び電子伝導性の一方又は双方を有する。
固体酸化物形燃料電池の製造方法である。燃料極層、還元防止層、固体電解質層又は空気極層、及びこれらの任意の組み合わせに係る層をスパッタリング法により形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に係り、更に詳細には、低酸素分圧及び低温条件下において、安定した開回路電圧を得ることができる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関する。
一般的に、固体電解質を燃料極と空気極で狭持して構成される固体酸化物形燃料電池は、固体電解質としてサマリウムやガドリニウム、カルシウムをドープしたセリアを用いると、その電気伝導率はアノード側の酸素分圧に大きく依存し、例えば還元雰囲気中(代表的には、酸素分圧が10−24〜10−16atm程度。)、700℃の条件下では、電解質中でCe4+からCe3+へと還元されるに伴って、電子伝導性が支配的となり、電池の開回路電圧が著しく低下してしまうという問題が知られている。
このような問題が発生するため、例えばサマリウムをドープしたセリアを固体電解質として用いる場合には、燃料極側の電極にサマリウムをドープしたセリアと水素を直接接触させないように酸化物保護膜を用いることが提案されている。
具体的には、第1の酸素イオン導電性物質(サマリウムドープセリア:SDC)の基体に、第2の酸素イオン導電性物質(銅バリウムドープイットリア:YBCO)の酸化物保護膜を生成する際に、第2の酸素イオン導電性物質を溶融又は軟化させて膜生成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−245816号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術にあっては、SDCの電解質に保護膜を接合する方法には、スパッタリング、EB(エレクトロンビーム)蒸着などの真空蒸着法が使用されるが、この方法では真空蒸着装置内を真空に引くので、生産性が悪く、量産ができない等、種々の問題点が指摘されている一方で、固体電解質、燃料極及び空気極といったいわゆる電池要素と酸化物保護膜以外の構成部材については何ら開示がなされていない。
本発明者らは、多孔質金属支持体を適用することとし、多孔質金属支持体上に電池要素と還元防止層を形成する条件について、更に研究を重ねたところ、新たな解決すべき課題を見出した。
即ち、例えばステンレス鋼やニッケルなどの多孔質金属支持体を用いる場合には、上記のような溶融又は軟化させて膜生成するプロセスにおいては、1200℃程度の高温で焼成を行うことが必要であるため、多孔質金属支持体が酸化され易いという問題がある。
また、このような酸化を防止するためには、多孔質金属支持体が酸化され難い低温(例えば、室温〜700℃程度)にて電池要素体や還元防止層を形成させることが望ましく、更に、還元防止層の性能をより向上させるという観点からスパッタリング法により形成することが望ましいという技術知見を得た。
本発明は、このような従来技術の有する課題及び技術知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低酸素分圧及び低温条件下において、安定した開回路電圧を得ることができる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、多孔質金属から成る支持体上に、燃料極層と、所定の還元防止層と、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層と、空気極層とを形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の固体酸化物形燃料電池は、多孔質金属から成る支持体と、該支持体上に形成され、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層を空気極層及び燃料極層で狭持して成る発電要素と、を有する。
そして、固体電解質層と燃料極層との間に、還元防止層を有し、かかる還元防止層は、燃料極層以上の緻密性を有し、且つ固体電解質層以上の耐還元性を有し、且つ酸化物イオン伝導性及び電子伝導性の一方又は双方を有する。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、上記本発明の固体酸化物形燃料電池を製造するに当たり、上記燃料極層、還元防止層、固体電解質層又は空気極層、及びこれらの任意の組み合わせに係る層をスパッタリング法により形成して、所望の固体酸化物形燃料電池を得る製造方法である。
本発明によれば、多孔質金属から成る支持体上に、燃料極層と、所定の還元防止層と、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層と、空気極層とを形成することなどとしたため、低酸素分圧及び低温条件下において、安定した開回路電圧を得ることが可能な固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の固体酸化物形燃料電池について説明する。
上述の如く、本発明の固体酸化物形燃料電池は、多孔質金属から成る支持体と、該支持体上に形成され、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層を空気極層及び燃料極層で狭持して成る発電要素とを有し、更に、該固体電解質層と該燃料極層との間に、還元防止層を有し、該還元防止層は、該燃料極層以上の緻密性を有し、且つ該固体電解質層以上の耐還元性を有し、且つ酸化物イオン伝導性及び電子伝導性の一方又は双方を有する。
このような構成とすることにより、10−30〜10−15atm程度の低酸素分圧及び500〜600℃程度の低温条件下においても、開回路電圧の低下を抑制し、安定した開回路電圧を得ることができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の固体酸化物形燃料電池のセル構造の一例を示す断面図である。同図に示すように、固体酸化物形燃料電池1は、多孔質金属支持体10上に、燃料極層30、還元防止層50、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層20及び空気極層40を備える。
低酸素分圧及び低温条件下において安定した開回路電圧を得ることが可能な固体酸化物形燃料電池とするためには、固体電解質層20と燃料極層30の間に設ける還元防止層50は、隣接する燃料極層30以上の緻密性を有することを要し、隣接する固体電解質層20以上の耐還元性を有することを要し、更に、酸化物イオン伝導性及び電子伝導性の少なくとも一方を有することを要する。
なお、詳しくは後述するが、燃料極層30が多孔質であって、隣接する還元防止層50の緻密性がこのような燃料極層30と同等であり、還元防止層の耐還元性が隣接する固体電解質層20と同等である場合は、還元防止層50としての機能が発揮できないため、本発明の範囲には含まれない。
例えば、燃料極層30は緻密質であっても多孔質であってもよく、燃料ガスの十分な拡散を確保できるように多孔質なものとする場合には、還元防止層50は、燃料極層30より緻密質であることが望ましい。また、還元防止層50は、固体電解質層20より緻密であることがより望ましい。
なお、燃料極層30が多孔質であり且つ還元防止層50の緻密性が燃料極層30と同等の場合には、還元防止層50は、固体電解質層20に含まれる希土類元素ドープセリアより還元され難いことを要し、具体的には、例えば10−30〜10−15atm程度の低酸素分圧下において、還元され難い性質(耐還元性)を有することが好ましい。
また、例えば還元防止層50が固体電解質層20より緻密である場合には、還元防止層50は固体電解質層20と少なくとも同等の耐還元性を有すればよく、固体電解質層20より高い耐還元性を有することが望ましい。なお、緻密性に関しての詳細は後述する。
このように還元防止層50は、その機能を発揮するために、緻密性及び耐還元性を併有していることが特に望ましく、このような構成とすることにより、燃料極層30側に存在する還元性ガス(代表的には、水素)が希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層20に直接接触することが抑制ないし防止され、安定した開回路電圧を得ることができる。
本発明において、多孔質金属としては特に限定されるものではないが、機械的強度が高いことが好ましく、また、例えば溶接やろう付け、接着材などによりスタック化が容易であることが好ましい。このような多孔質金属の好適例としては、フェライトステンレス鋼やニッケルなどを含有するものを挙げることができる。
また、本発明において、固体電解質層に含まれる希土類元素ドープセリアは、低温条件下においても酸化物イオン伝導性を有すれば特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(1)
(CeO1−x(LnO1.5…(1)
(式中のLnは、Sm、Gd、Pr、Nd、Yb、La、Dy又はHoの元素を示し、xは、0<x<0.3の関係を満たす。)で表される希土類元素ドープセリアが含まれることが望ましい。このような組成を有する希土類元素ドープセリアは特に高い酸化物イオン伝導性を有する。
更に、本発明において、固体電解質の厚みは5〜30μmであることが好ましい。
厚みが薄いほど内部抵抗(IR抵抗)は減少する傾向にあるが、厚みが5μm未満の場合には、還元防止層を透過した水素ガスが空気極側へ更に透過してしまうことを防止できない可能性があり、空気極側の酸素分圧と燃料極側の酸素分圧の差が生じない場合がある。
一方で、厚みが30μmを超える場合には、水素ガスの透過防止性能を向上させることはできるが、内部抵抗(IR抵抗)が増大するため、好ましくない。
また、本発明において、還元防止層は、上記性質を有すれば特に限定されるものではないが、例えばジルコニア系酸化物、インジウム系ブラウンミラライト型酸化物又はランタンガレート系酸化物及びこれらの任意の組み合わせに係る酸化物を含有することが望ましい。
ここで、「ジルコニア系酸化物」とは、例えばカルシウムやマグネシウム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、イッテルビウム、スカンジウム、イットリウムなどをドープした部分安定化ジルコニアないし安定化ジルコニアなどをいう。より具体的には、例えばYSZ、ScSZなどを挙げることができる。
また、「インジウム系ブラウンミラライト型酸化物」とは、インジウムを含有するブラウンミラライト型の酸化物であって、例えば酸化インジウムバリウムなどをいう。より具体的には、例えばBaInなど挙げることができる。
更に、「ランタンガレート系酸化物」とは、例えばストロンチウムやバリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、クロム、銅などをドープした酸化ガリウムランタンなどをいう。より具体的には、例えばLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2などを挙げることができる。
更に、本発明において、還元防止層の厚みは1〜10μmであることが好ましい。10μmを超える場合には、内部抵抗(IR抵抗)が増大することにより、出力密度が著しく低下する可能性があり好ましくない。また、上述したように厚みが薄いほど内部抵抗(IR抵抗)は減少する傾向にあるが、厚みが1μm未満の場合には、均一な層を形成することが難しく、十分な性能を発揮する還元防止層を得られない可能性がある。
また、本発明において、燃料極層としては、上述したように緻密質であっても多孔質であってよく、他の特性についても特に限定されるものではなく、例えば、従来公知のニッケルとサマリウムドープセリアのサーメット構造を有する電極やニッケルとYSZのサーメット構造を有する電極などを適宜用いることができる。
更にまた、本発明において、空気極層は、特に限定されるされるものではなく、例えば、従来公知のランタンストロンチウムコバルタイト系酸化物やランタンストロンチウムマンガナイト系酸化物、サマリウムストロンチウムコバルタイト系酸化物などを適宜用いることができる。
次に、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、上記本発明の固体酸化物形燃料電池を製造する方法であって、多孔質金属支持体上に、燃料極層、還元防止層、固体電解質層及び空気極層を形成するに当たり、燃料極層、還元防止層、固体電解質層又は空気極層、及びこれらの任意の組み合わせに係る層をスパッタリング法により形成することを特徴とする。
このように、スパッタリング法により層形成をすることによって、多孔質金属支持体の酸化による劣化を防止することができる。
また、特に固体電解質層及び還元防止層をスパッタリング法により形成することにより、所望の固体酸化物形燃料電池を効率良く製造することができる。
ここで、スパッタリング法としては、従来公知のDC2極スパッタリング法やRF2極スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、バイアススパッタリング法、リアクティブスパッタリング法などを挙げることができ、酸化防止の観点から、基板温度を室温〜700℃、雰囲気を不活性雰囲気ないし弱酸化性雰囲気で行うことが好ましい。
また、スパッタリング法によって形成しない層については、例えば平均粒径0.8〜1.0μmのNiO粉末と平均粒径0.3〜0.5μmのSDC粉末などの電極構成材料を含むペーストをスクリーン印刷法などにより成形し、乾燥・焼成することにより燃料極層を形成してもよい。
なお、この場合には、多孔質金属支持体の酸化が進行し難い条件で乾燥・焼成を行うことが望ましく、例えば80〜150℃で乾燥させ、大気中、500〜700℃で1〜2時間焼成すればよい。より具体的には、約80℃で乾燥させ、大気中、600℃で2時間焼成すればよい。例えば、多孔質金属としてクロムを含むステンレス鋼を用いる場合には、酸化されやすいので低温での焼成が望ましい。
また、本発明の製造方法において、還元防止層をRF2極スパッタリング法により形成することが望ましい。
直流電流の代わりにインピーダンス整合回路を介した高周波電源(代表的には13.56MHz)を用いたRF2極スパッタリング法で形成することにより、層形成速度は小さいが、水素リーク量の少ない還元防止層を得ることができる。RF2極スパッタリング法により層形成する際は、例えばターゲットパワーを100〜200W、基板バイアスを−75〜−25V、基板温度を300〜700℃のような条件とすることが好ましい。
更に、本発明の製造方法において、固体電解質層はDC2極リアクティブスパッタリング法により形成することが望ましい。
例えば、金属ターゲットを用い、酸素を流しながら行う直流グロー放電を利用したDC2極リアクティブスパッタリング法では、上述したRF2極スパッタリング法で形成するより緻密(水素リーク量が少ない)層を形成することは困難であるが、層内部応力が低減されるとともにクラックが発生し難い層を形成することができる。
従って、DC2極リアクティブスパッタリング法により固体電解質層を形成することが電池要素の耐久性向上の観点から有効である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[多孔質金属支持体の作製]
平均粒径3μmのSUS430L粉末を用いて、グリーンシートを作製し、焼結することにより多孔質金属支持体(基板)を得た。
[燃料極層の作製]
次いで、得られた多孔質金属基板上に、70%NiO−30%SDCの焼結体ターゲット(豊島製作所製、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表1に示す条件下でRF2極スパッタリング法により、燃料極層を形成した。得られた燃料極層の厚みは6μmであった。
なお、以下の表1〜7中、「T−S距離」とは、「ターゲットと基板の距離」を意味する。また、「Ar流量」及び「酸素流量」については、標準状態(0℃、1atm)における値である。更に、表3中、例えば「Ce 3N」とは、「純度99.999%のCe」を意味し、「Sm0.8Sr0.2CoO」の記載において、xは不定比性を示す。
Figure 2006185698
[還元防止層の作製]
次いで、形成された燃料極層上に、8mol%YSZのターゲット(豊島製作所製、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表2に示す条件下でRF2極スパッタリング法により、還元防止層を形成した。なお、得られた還元防止層の厚みは10μmであった。
Figure 2006185698
[固体電解質層の作製]
更に、形成された還元防止層上に、セリウムのターゲット(高純度化学製、Ce 3N、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)とサマリウムのターゲット(高純度化学製、Sm 3N、サイズ:長さ10mm、幅10mm、厚み1mm)2枚を用いて、表3に示す条件下でDC2極リアクティブスパッタリング法により、固体電解質層を形成した。なお、得られた固体電解質層の厚みは27μmであった。
また、図2はサマリウムターゲット数とサマリウム組成の関係を示すグラフである。本例においては上記(1)式においてx=0.2となるように固体電解質層を形成した。以下実施例2及び比較例1についても同じである。
Figure 2006185698
[空気極層の作製]
しかる後、形成された固体電解質層上に、ストロンチウム複合サマリウムコバルト酸化物のターゲット(豊島製作所製、Sm0.8Sr0.2CoO、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表4に示す条件下でRF2極スパッタリング法により、空気極層を形成して、本例の固体酸化物形燃料電池(単セル)を得た。なお、得られた空気極層の厚みは0.5μmであった。
Figure 2006185698
(実施例2)
実施例1の還元防止層の作製工程において、形成された燃料極層上に、8mol%YSZのターゲット(豊島製作所製、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表5に示す条件下でRF2極スパッタリング法により、還元防止層を形成した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の固体酸化物形燃料電池(単セル)を得た。なお、得られた還元防止層の厚みは5μmであった。
Figure 2006185698
(比較例1)
実施例1の還元防止層の作製工程を実施せず、形成された燃料極層上に、固体電解質層を形成した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の固体酸化物形燃料電池(単セル)を得た。
[性能評価]
(開回路電圧測定)
上記各例の固体酸化物形燃料電池(単セル)を用い、下記条件下における開回路電圧を測定した。なお、アノード側酸素分圧は、アノード側から導入する水素及びArガスの流量を調整することにより得ることとした。得られた結果を図3に示す。
(測定条件)
・アノード側酸素分圧:10−30atm、10−25atm、10−20atm、10−15atm、10−10atm
・セル温度 :600℃
図4は、膜厚と水素リーク量の関係を示すグラフである。ここで、水素リーク量は単セルのアノード側から3vol%HO含有水素を導入し、10分経過後、Arガスで置換したカソード側の排気口に設けられた水素ガスセンサ(理研計器(株)製、GD−D8)で水素ガス濃度を測定したものである。
なお、単セルは、多孔質金属基板、燃料極層、固体電解質層及び空気極層は実施例1と同様に形成し、還元防止層の形成を8mol%YSZのターゲット(豊島製作所製、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表6に示す条件下でRF2極スパッタリング法により行ったもの(図中A)、又は還元防止層の形成を8mol%YSZのターゲット(豊島製作所製、サイズ:直径76.2mm、厚み3mm)を用いて、表7に示す条件下でDC2極リアクティブスパッタリング法により行ったもの(図中B)を用いた。
Figure 2006185698
Figure 2006185698
図3より、本発明の範囲に属する実施例1及び2は、本発明外の比較例1よりも低酸素分圧及び低温条件下で安定した開回路電圧を得ることができることが分かる。
また、図4より、同膜厚の部分でRF2極スパッタリング法とDC2極リアクティブスパッタリング法を比較するとRF2極スパッタリング法で成膜した還元防止層の方が緻密であり、ガスリークをより抑制することが可能であることがわかる。
なお、水素リーク量が少ないほど好ましいが、このような測定方法により測定された水素リーク量が、例えば1000ppm以下程度であれば、低酸素分圧及び低温条件下で安定な開回路電圧を得ることができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池のセル構造の一例を示す断面図である。 サマリウムターゲット数とサマリウム組成の関係を示すグラフである。 酸素分圧と開回路電圧の関係を示すグラフである。 膜厚と水素リーク量の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 固体酸化物形燃料電池
10 多孔質金属支持体
20 固体電解質層
30 燃料極層
40 空気極層
50 還元防止層

Claims (9)

  1. 多孔質金属から成る支持体と、該支持体上に形成され、希土類元素ドープセリアを含有する固体電解質層を空気極層及び燃料極層で狭持して成る発電要素と、を有する固体酸化物形燃料電池であって、
    上記固体電解質層と上記燃料極層との間に、還元防止層を有し、
    上記還元防止層は、上記燃料極層以上の緻密性を有し、且つ上記固体電解質層以上の耐還元性を有し、且つ酸化物イオン伝導性及び/又は電子伝導性を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 上記多孔質金属が、フェライトステンレス鋼及び/又はニッケルを含有することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 上記希土類元素ドープセリアが、次の一般式(1)
    (CeO1−x(LnO1.5…(1)
    (式中のLnは、Sm、Gd、Pr、Nd、Yb、La、Dy及びHoから成る群より選ばれたいずれか1種の元素を示し、xは、0<x<0.3の関係を満たす。)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 上記固体電解質層が、5〜30μmの厚みを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 上記還元防止層が、ジルコニア系酸化物、インジウム系ブラウンミラライト型酸化物及びランタンガレート系酸化物から成る群より選ばれた少なくとも1種の酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 上記還元防止層が、1〜10μmの厚みを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  7. 請求項1〜6のいずか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池を製造するに当たり、上記燃料極層、還元防止層、固体電解質層及び空気極層から成る群より選ばれた少なくとも1種の層をスパッタリング法により形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  8. 上記固体電解質層をDC2極リアクティブスパッタリング法により形成することを特徴とする請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  9. 上記還元防止層をRF2極スパッタリング法により形成することを特徴とする請求項7又は8に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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