JP2006182202A - 船外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関からプロペラシャフトに動力が伝達されるとき、動力損失が無用に大きくならないようにし、かつ、上記両ギヤの互いの噛合部における潤滑が十分になされるようにする。
【解決手段】 船外機5が、駆動ギヤ24に噛合する従動ギヤ25,26と、駆動ギヤ24および従動ギヤ25,26を油浴させるよう潤滑油38を貯留する油貯留部40とを備える。オイルポンプ41を設ける。油貯留部40をオイルポンプ41の吸入部に連通させる吸入通路46を形成すると共に、オイルポンプ41の吐出部を油貯留部40に連通させる戻し通路51を形成する。油貯留部40への吸入通路46の開口部を、船外機5の側面視(図3)で、駆動ギヤ24の下方に位置させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関にプロペラシャフトを連動連結させるよう互いに噛合する駆動ギヤと従動ギヤとを備えた船外機に関するものである。
上記船外機には、従来、下記特許文献1,2に示されるものがある。これら公報のものによれば、船外機は、略鉛直方向に延びて船体にブラケットを介して支持可能とされるケースと、このケースの下端部に支持されるプロペラシャフトと、上記ケースの上部に支持される内燃機関と、略鉛直方向に延びてその上端部が上記内燃機関に連動連結される動力伝達軸と、この動力伝達軸の下端部に取り付けられる駆動ギヤと、上記プロペラシャフトに取り付けられて上記駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、上記駆動ギヤおよび従動ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えている。
上記内燃機関の駆動により、その駆動力が上記動力伝達軸、駆動ギヤ、および従動ギヤを順次介して上記プロペラシャフトに伝達されると、このプロペラシャフトと共にプロペラが回転駆動させられて、船が前進もしくは後進させられる。この場合、上記油貯留部において、駆動ギヤと従動ギヤとの互いの噛合部が潤滑油により潤滑され、これら駆動ギヤと従動ギヤとの間で円滑な動力伝達が確保される。
また、特に下記特許文献2のものによれば、上記油貯留部における潤滑油を吸入通路を通し吸入する一方、内燃機関側に向けて上記潤滑油を供給するオイルポンプが設けられている。
特開2003−3844号公報 特開平8−268390号公報
ところで、従来、上記油貯留部においては、駆動ギヤおよび従動ギヤは全体的に潤滑油により油浴されている。
このため、第1の課題として、上記内燃機関の駆動に伴い上記両ギヤが回転駆動するとき、その噛合部では、一方のギヤの歯面間から他方のギヤの歯が離脱することにより、上記歯面間に潤滑油が満たされるように流動させられ、その一方、上記歯面間に他方のギヤの歯が入り込むことにより、上記歯面間に満たされていた潤滑油が押し出されるよう流動させられる。
そして、上記のような噛合部におけるポンプ作用は、大きいエネルギーロスの原因となる。よって、上記内燃機関からプロペラに動力が伝達されるとき、動力損失が無用に大きくなり、プロペラの出力が低下する。
また、第2の課題として、上記両ギヤの互いの噛合部で、上記のようなポンプ作用が生じると、上記潤滑油の温度が上昇する。すると、この温度上昇に伴い潤滑油の粘性が低下して、上記両ギヤの互いの噛合部における油膜が薄くなる。この結果、上記両ギヤの噛合部における潤滑が不十分になる可能性を生じる。また、上記した潤滑油の温度上昇により、この潤滑油の品質劣化が加速されがちとなる。
そして、上記のように潤滑が不十分になったり、潤滑油の品質劣化が生じたりすると、上記ギヤの歯面には、ピッチング、スカッフィング、スポーリング、磨耗などが生じ、また、歯の自由端にチッピングが生じるなど、ギヤが早期に損傷することとなって好ましくない。
そこで、上記特許文献2において、オイルポンプにより、上記油貯留部における潤滑油を単位時間当りで多量に吸入させることが考えられる。このようにすれば、上記オイルポンプにより吸入された後、潤滑油が上記油貯留部に戻されるまでの時間遅れにより、上記油貯留部における潤滑油の油面が低下させられる。これにより、上記両ギヤが潤滑油により全体的に油浴されることが防止されて、上記第1、第2の課題に対処できる。
しかし、上記特許文献2における上記油貯留部内への上記吸入通路の開口部(図8の符号146に相当)は、上記駆動ギヤよりも後側に大きく偏位している。
ここで、上記内燃機関が駆動する船外機の「駆動状態」で、船の推進状態を変化させるため、上記船外機の下部側を後上方に向かって少し回動(トリム)させることがある。そして、このように船外機をトリムさせると、上記油貯留部における潤滑油は全体的に上記油貯留部の前側に流動する。このため、上記したように駆動ギヤよりも後側に大きく偏位した吸入通路の開口部の近傍では、潤滑油の油面は低くなりがちである。この場合には、上記吸入通路の開口部を通し潤滑油をオイルポンプにより吸入しようとしても、上記潤滑油の吸入が不十分となる。この結果、上記潤滑油の油面を上記噛合部よりも下側にまで低下させることは容易でない。
よって、上記特許文献2のものによっても、上記第1、第2の課題を解決する上で、改善の余地が残されている。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、内燃機関にプロペラシャフトを連動連結させるよう互いに噛合する駆動ギヤおよび従動ギヤと、これら両ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えた船外機において、上記内燃機関からプロペラシャフトに動力が伝達されるとき、動力損失が無用に大きくならないようにし、かつ、上記両ギヤの互いの噛合部における潤滑が十分になされるようにすることである。
請求項1の発明は、略鉛直方向に延びて船体3に支持可能とされるケース8と、このケース8の下端部に支持されるプロペラシャフト11と、上記ケース8に支持される内燃機関21と、略鉛直方向に延びてその上端部が上記内燃機関21に連動連結される動力伝達軸23と、この動力伝達軸23の下端部に取り付けられる駆動ギヤ24と、上記プロペラシャフト11に取り付けられて上記駆動ギヤ24に噛合する従動ギヤ25,26と、上記駆動ギヤ24および従動ギヤ25,26を油浴させるよう潤滑油38を貯留する油貯留部40とを備えた船外機において、
オイルポンプ41を設け、上記油貯留部40を上記オイルポンプ41の吸入部に連通させる吸入通路46を形成すると共に、上記オイルポンプ41の吐出部を上記油貯留部40に連通させる戻し通路51を形成し、上記油貯留部40への上記吸入通路46の開口部48を、上記船外機5の側面視(図3)で、上記駆動ギヤ24の下方に位置させたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記従動ギヤ25,26を前、後進用として前後一対設け、上記船外機5の側面視(図3)で、上記両従動ギヤ25,26のうち後側の従動ギヤ26よりも前方に上記吸入通路46の開口部48を位置させたものである。
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記吸入通路46を通しての上記オイルポンプ41による潤滑油38の単位時間当りの吸入量よりも、上記戻し通路51を通しての上記油貯留部40への潤滑油38の単位時間当りの戻り量が少なくなるよう、上記潤滑油38を滞留させる油滞留部58を上記戻し通路51に形成したものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明に加えて、上記油貯留部40よりも上側に上記油滞留部58を配置し、この油滞留部58に滞留された潤滑油38を自然流下により上記油貯留部40に流入させるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1の発明に加えて、上記戻し通路51の周りに冷却用の水2を流動させるようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1の発明に加えて、上記潤滑油38中の異物を除去する異物除去装置62を備えたものである。
請求項7の発明は、請求項4の発明に加えて、上記油滞留部58から油貯留部40に至る上記戻し通路51の少なくとも一部分を、上記動力伝達軸23に形成したものである。
請求項8の発明は、特に、図1−3,6に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記オイルポンプ41を上記動力伝達軸23に連動連結したものである。
請求項9の発明は、特に、図4,5に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記オイルポンプ41を電動式にしたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、略鉛直方向に延びて船体に支持可能とされるケースと、このケースの下端部に支持されるプロペラシャフトと、上記ケースに支持される内燃機関と、略鉛直方向に延びてその上端部が上記内燃機関に連動連結される動力伝達軸と、この動力伝達軸の下端部に取り付けられる駆動ギヤと、上記プロペラシャフトに取り付けられて上記駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、上記駆動ギヤおよび従動ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えた船外機において、
オイルポンプを設け、上記油貯留部を上記オイルポンプの吸入部に連通させる吸入通路を形成すると共に、上記オイルポンプの吐出部を上記油貯留部に連通させる戻し通路を形成し、上記油貯留部への上記吸入通路の開口部を、上記船外機の側面視で、上記駆動ギヤの下方に位置させている。
この構成において、上記オイルポンプを駆動させ、このオイルポンプに上記吸入通路を通して、上記油貯留部における潤滑油を単位時間当りで多量に吸入させる。すると、上記油貯留部における潤滑油は、上記オイルポンプにより吸入された後、上記吸入通路と戻し通路とを順次流動して上記油貯留部に戻されるまでの時間遅れにより、上記油貯留部における潤滑油の油面が低下させられる。
これにより、上記両ギヤが潤滑油により全体的に油浴されることは防止される。よって、内燃機関からプロペラシャフトに動力が伝達されるとき、上記両ギヤが全体的に油浴されていた従来の技術に比べ、上記両ギヤの互いの噛合部におけるポンプ作用が抑制される。この結果、第1の作用効果として、動力損失が無用に大きくなることは防止される。
また、第2の作用効果として、上記潤滑油が温度上昇することは抑制される。このため、温度上昇に伴う潤滑油の粘性の低下が防止されて、上記両ギヤの互いの噛合部における油膜があまりに薄くなることが防止される。よって、上記噛合部における潤滑が十分になされる。また、上記潤滑油の温度上昇の抑制により、この潤滑油の品質劣化が防止される。
ここで、上記内燃機関が駆動する船外機の「駆動状態」で、この船外機をトリムさせると、上記油貯留部における潤滑油は全体的に上記油貯留部の前側に流動する。このため、上記油貯留部の後部側では、潤滑油の油面は低くなりがちとなるが、上記両ギヤは上記潤滑油により全体的に油浴させられたままに維持される可能性がある。
そこで、上記したように、油貯留部への吸入通路の開口部を、上記船外機の側面視で、上記駆動ギヤの下方に位置させている。
このため、上記オイルポンプは、上記吸入通路の開口部を通して上記駆動ギヤの下方域の潤滑油を吸入する。よって、上記潤滑油の油面を上記両ギヤの互いの噛合部よりも下側に向かうよう低下させることは、より確実に達成される。この結果、上記第1、第2の作用効果が、より確実に生じる。
請求項2の発明は、上記従動ギヤを前、後進用として前後一対設け、上記船外機の側面視で、上記両従動ギヤのうち後側の従動ギヤよりも前方に上記吸入通路の開口部を位置させている。
ここで、上記後側の従動ギヤよりも前方には上記両従動ギヤが存在し、これら両従動ギヤ同士の間は余剰空間が生じ易い部分である。そして、この部分には、上記潤滑油が多量に溜まりがちとなる。
このため、上記吸入通路の開口部を通してのオイルポンプによる潤滑油の単位時間当りの吸入量を多量にできる。よって、上記油貯留部における潤滑油の油面を、より確実に、かつ、迅速に低下させることができる。この結果、上記第1、第2の作用効果が、更に確実に生じる。
請求項3の発明は、上記吸入通路を通しての上記オイルポンプによる潤滑油の単位時間当りの吸入量よりも、上記戻し通路を通しての上記油貯留部への潤滑油の単位時間当りの戻り量が少なくなるよう、上記潤滑油を滞留させる油滞留部を上記戻し通路に形成している。
このため、上記オイルポンプにより、上記油貯留部における潤滑油を吸入すれば、この潤滑油の油面は確実に低下させられる。よって、前記したように、油貯留部における潤滑油の油面を低下させることは、より確実に達成できる。
請求項4の発明は、上記油貯留部よりも上側に上記油滞留部を配置し、この油滞留部に滞留された潤滑油を自然流下により上記油貯留部に流入させるようにしている。
このため、上記油滞留部は、潤滑油の自然流下を利用したものであって、単純な形状にできる。よって、上記した油貯留部における潤滑油の油面を低下させることは、簡単な構成によって達成される。また、上記船外機を長時間放置する場合には、自然流下した潤滑油により上記油貯留部の油面が上昇して、この油貯留部が満たされるため、上記ケース内の鉄製部品の腐食が防止される。
また、上記発明によれば、上記油貯留部で生じた気泡は、その浮力によって上記油滞留部に円滑に導かれる。よって、上記油貯留部に気泡が滞留することにより、この気泡が上記噛合部に噛み込むことは防止される。これにより、この噛合部における良好な潤滑が維持される。
請求項5の発明は、上記戻し通路の周りに冷却用の水を流動させるようにしている。
ここで、上記戻し通路における潤滑油は、上記オイルポンプにより加圧された直後のものであって、特に高温となりがちである。そこで、上記したように、戻し通路の周りに冷却用の水を流動させるようにしている。
このため、上記戻し通路内の潤滑油は、これがより高温である分、上記水によって、より効果的に冷却される。よって、上記潤滑油の粘性の低下が防止されて、上記した両ギヤの互いの噛合部における潤滑が、より確実に十分になされる。
請求項6の発明は、記潤滑油中の異物を除去する異物除去装置を備えている。
このため、上記両ギヤの互いの噛合によって生じる磨耗粉などの異物が潤滑油中に浮遊することになったとしても、上記異物は上記異物除去装置により捕捉、除去される。よって、上記異物が上記両ギヤの噛合部に噛み込んで、これによる損傷が加速度的に進行することは防止される。
請求項7の発明は、上記油滞留部から油貯留部に至る上記戻し通路の少なくとも一部分を、上記動力伝達軸に形成している。
つまり、上記戻し通路の一部分は上記動力伝達軸を利用することにより形成される。このため、上記戻し通路の一部分の形成のために別途の油パイプを設けないで足り、部品点数の増加を防止できる。よって、上記した油貯留部における潤滑油の油面を低下させることは、より簡単な構成によって達成できる。
請求項8の発明は、上記オイルポンプを上記動力伝達軸に連動連結している。
このため、上記内燃機関を駆動させて、船外機を「駆動状態」にさせると、上記内燃機関に上記オイルポンプが自動的に連動する。すると、上記油貯留部における潤滑油の油面が低下して、上記両ギヤが潤滑油により全体的に油浴されることが防止される。つまり、上記船外機を「駆動状態」にさせれば、上記船1、第2の作用効果が自動的に生じる。
請求項9の発明は、上記オイルポンプを電動式にしている。
このため、上記オイルポンプは、上記内燃機関の回転数に関連せずに、別個に駆動させることができる。よって、上記油貯留部における潤滑油の単位時間当りの吸入量を所望量にできる。この結果、上記潤滑油の油面を、より確実に、かつ、迅速に低下させることができる。
本発明の船外機に関し、内燃機関にプロペラシャフトを連動連結させるよう互いに噛合する駆動ギヤおよび従動ギヤと、これら両ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えた船外機において、上記内燃機関からプロペラシャフトに動力が伝達されるとき、動力損失が無用に大きくならないようにし、かつ、上記両ギヤの互いの噛合部における潤滑が十分になされるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、船外機は、略鉛直方向に延びて船体に支持可能とされるケースと、このケースの下端部に支持されるプロペラシャフトと、上記ケースの上部に支持される内燃機関と、略鉛直方向に延びてその上端部が上記内燃機関に連動連結される動力伝達軸と、この動力伝達軸の下端部に取り付けられる駆動ギヤと、上記プロペラシャフトに取り付けられて上記駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、上記駆動ギヤおよび従動ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えている。
この構造(船外機)内にオイルポンプが設けられている。このオイルポンプは、上記油貯留部における潤滑油を吸入する一方、この潤滑油を吐出可能とする。上記油貯留部を上記オイルポンプの吸入部に連通させる吸入通路が形成されると共に、上記オイルポンプの吐出部を上記油貯留部に連通させる戻し通路が形成される。上記油貯留部への上記吸入通路の開口部を、上記船外機の側面視で、上記駆動ギヤの下方に位置させられている。そして、上記内燃機関を駆動させ、動力伝達軸、駆動ギヤ、および従動ギヤを介し上記内燃機関に上記プロペラシャフトを連動させた船外機の「駆動状態」で、上記油貯留部における潤滑油の油面が、上記駆動ギヤと従動ギヤとの噛合部よりも下側にまで低下可能とされる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−3に従って説明する。
図1−3において、符号1は船である。この船1は、水2面上に浮かべられる船体3と、この船体3の後端部に支持される船外機5とを備えている。また、図中矢印Frは、この船1の推進方向の前方を示している。
上記船外機5は、上記船体3の後端部に支持されるブラケット7と、略鉛直方向に長く延びてその上部が上記ブラケット7により枢支され、下部側が水2中に没入させられるケース8と、船1の長手方向に延びる軸心9回りに回転可能となるよう上記ケース8の下端部に複数の軸受10により支持されるプロペラシャフト11と、上記ケース8の下端部の後方域で、上記プロペラシャフト11の後端部に支持されるプロペラ12とを備えている。上記船外機5は、その下部側が後上方に向かって回動(トリム)可能となるよう上記ブラケット7に枢支されている。
上記プロペラ12は、上記軸心9上で上記プロペラシャフト11の後端部に取り付けられるボス部15と、上記軸心9上で上記ボス部15に外嵌される円筒体16と、上記軸心9回りに配置されて、上記円筒体16を上記ボス部15に支持させる複数の支持体17と、上記円筒体16の外面に突設される複数のプロペラ羽根18とを備えている。上記ボス部15と円筒体16との間には、プロペラ12の軸方向に貫通する貫通路19が形成されている。
上記船外機5は、上記ケース8の上部に支持される内燃機関21と、略鉛直方向に延びる軸心22回りに回転可能となるよう上記ケース8に支持されて、その上端部が上記内燃機関21に連動連結される動力伝達軸23と、上記軸心22上で上記動力伝達軸23の下端部に取り付けられるベベルギヤである駆動ギヤ24と、上記軸心9上で上記プロペラシャフト11の前端部に取り付けられて上記駆動ギヤ24に噛合する前、後一対の従動ギヤ25,26と、これら従動ギヤ25,26のうちのいずれか一方を選択的に上記プロペラシャフト11に連動連結可能とさせるドグ式クラッチ27と、このクラッチ27に上記連動連結の動作をさせるよう外部の操作力を入力可能とする操作部28とを備えている。
上記ケース8には、略鉛直方向に延びて上記内燃機関21から排出される排気31を下方に向かって流動させる排気通路32が形成されている。この排気通路32の下端部は、上記プロペラ12の上記貫通路19の前端部に連通している。
上記ケース8には、上記排気通路32の周りを取り囲むように冷却水通路33が形成されている。また、この冷却水通路33に隣接して略鉛直方向に延びる排水通路34が形成され、この排水通路34の下端部は上記ケース8に形成された水出口部35を通して、船1外に連通している。
上記動力伝達軸23に連動連結される水ポンプ36が設けられている。この水ポンプ36は、上記動力伝達軸23に連動して船1外の水2を吸入する一方、この水2を上記内燃機関21に供給すると共に、上記冷却水通路33の底部側に供給する。この冷却水通路33内に供給された水2は、冷却用の水2として上記冷却水通路33内を上方に流動し、上記排気通路32周りのケース8の部分を冷却する。上記冷却水通路33の上端部に達した水2は、上記冷却水通路33から上記排水通路34の上部に流入し、この排水通路34を降下した後、上記水出口部35を通し、船1外に排水される。
上記軸受10、駆動ギヤ24、従動ギヤ25,26、およびクラッチ27を潤滑油38によりそれぞれ潤滑する潤滑装置39が設けられている。
上記潤滑装置39は、上記ケース8の下端部に形成され、上記各軸受10、駆動ギヤ24、従動ギヤ25,26、およびクラッチ27を油浴させるよう上記潤滑油38を貯留する油貯留部40と、上記動力伝達軸23に連動連結されるオイルポンプ41とを備えている。このオイルポンプ41は、上記ケース8の内部に配置されて、このケース8に支持されるポンプケース42と、このポンプケース42に収容され、上記軸心22上で上記動力伝達軸23に支持されて、この動力伝達軸23と共に回転するロータ43とを備えている。
上記油貯留部40を上記オイルポンプ41の吸入部に連通させる吸入通路46が上記ケース8の内部に形成されている。具体的には、略鉛直方向に延びる金属性の油パイプ47が設けられている。そして、この油パイプ47の内部が上記吸入通路46とされている。上記油パイプ47の下端部が上記油貯留部40に配置され、上端部が上記オイルポンプ41の吸入部に連結されている。この場合、上記油貯留部40における吸入通路46の下端の開口部48(油パイプ47の下端部)は、上記駆動ギヤ24と従動ギヤ25,26との噛合部49よりも下側に位置させられている。また、上記船外機5の側面視(図3)で、上記開口部48は、上記前、後従動ギヤ25,26のうち後側の従動ギヤ26よりも前方に位置させられている。より具体的には、上記開口部48は、上記両従動ギヤ25,26同士の間に位置させられている。
上記オイルポンプ41の吐出部を上記油貯留部40に連通させる戻し通路51が上記ケース8の内部に形成されている。具体的には、上記オイルポンプ41よりも上側に位置して略鉛直方向に延び互いに並設される金属性の第1、第2油パイプ52,53と、上記オイルポンプ41よりも上側から、下側の上記動力伝達軸23の軸方向の中途部に向かって延びるゴムチューブ製の第3油パイプ54とが設けられている。また、上記動力伝達軸23の中途部から上記油貯留部40にまで貫通するよう上記動力伝達軸23の下部に油孔55が形成されている。この油孔55は上記軸心22上に形成されている。また、上記動力伝達軸23の中途部から上記プロペラシャフト11用の軸受10側に向かって延びる第4油パイプ56が設けられている。
上記第1油パイプ52の下端部が上記オイルポンプ41の吐出部に連結されている。また、上記第1、第2油パイプ52,53の上端部同士が互いに連結されている。上記第2油パイプ53の下端部と第3油パイプ54の上端部が互いに連結されている。この第3油パイプ54の下端部と、油孔55の上端部、および上記第4油パイプ56の上端部とが互いに連結されている。そして、上記第1−第4油パイプ52−54,56の内部と上記油孔55とが互いに連通させられて、これらが上記戻し通路51とされている。
上記吸入通路46を通しての上記オイルポンプ41による潤滑油38の単位時間当りの吸入量よりも、上記戻し通路51を通しての上記油貯留部40への潤滑油38の単位時間当りの戻り量が少なくなるよう、上記潤滑油38を滞留させる油滞留部58が上記戻し通路51の長手方向の中途部に形成されている。具体的には、上記油滞留部58は、上記第2油パイプ53により形成され、上記油貯留部40よりも上側に配置されている。上記油滞留部58に滞留された潤滑油38は、上記第3油パイプ54、油孔55、および第4油パイプ56を通り、自然流下により上記油貯留部40に流入することとされている。この場合、第4油パイプ56を流下する潤滑油38は、上記各軸受10を潤滑して、上記油貯留部40に戻される。
上記第3油パイプ54の下端部には、微小孔のノズル部59が形成されている。このノズル部59は、上記油滞留部58内の潤滑油38が、上記第3油パイプ54を通り上記油孔55に徐々に流入するようにさせる。上記第2油パイプ53は、上記第1油パイプ52、第3油パイプ54、油孔55、および第4油パイプ56よりも横断面の面積が、より大きくされて容積が大きくされている。
上記第1油パイプ52と第2油パイプ53とは、上記冷却水通路33の内部に配置されている。この冷却水通路33を流動する冷却用の水2が、上記第1油パイプ52と第2油パイプ53内における戻し通路51の周りを流動する。これにより、この戻し通路51内の潤滑油38は、上記した冷却用の水2により冷却される。
上記第1油パイプ52の中途部には、この第1油パイプ52内の戻し通路51を流動する潤滑油38中の異物を除去する異物除去装置62が介設されている。この異物除去装置62はオイルフィルターである。詳図しないが、この異物除去装置62は、その外殻を構成するケーシングと、このケーシング内の上、下流部を仕切るエレメントとを備えている。上記異物は、例えば、上記両ギヤ24,25,26の互いの噛合により生じる磨耗粉である。
上記内燃機関21を停止させた船外機5の「停止状態」では、上記吸入通路46と戻し通路51の潤滑油38は全体的に上記油貯留部40に向けて自然流下する。この自然流下が完了したとき、上記第1油パイプ52と第2油パイプ53内の戻し通路51における潤滑油38の油面64は、上記噛合部49よりも上側で、かつ、上記第1油パイプ52と第2油パイプ53の長手方向の中途部に位置している。上記油面64よりも上側の上記戻し通路51の内部は空間とされている。
上記内燃機関21を駆動させて、船外機5を「駆動状態」にさせると、上記内燃機関21の駆動力は、上記動力伝達軸23、駆動ギヤ24、および各従動ギヤ25,26に伝達される。ここで、上記操作部28への操作により、上記クラッチ27により上記前、後従動ギヤ25,26のうち、後従動ギヤ26を上記プロペラシャフト11に連動連結させると、上記プロペラシャフト11と共にプロペラ12が正転Aして、船1が前方に推進させられる。一方、前従動ギヤ25を上記プロペラシャフト11に連動連結させると、上記プロペラシャフト11と共にプロペラ12が逆転Bして、船1が後方に推進させられる。
なお、上記船外機5を「駆動状態」にさせる始期では、上記両ギヤ24,25,26は、上記油貯留部40において全体的に潤滑油38により油浴されているため、上記両ギヤ24,25,26の噛合は円滑になされる。
また、上記「駆動状態」では、上記動力伝達軸23に上記水ポンプ36が連動して、前記したように、冷却水通路33内を冷却用の水2が流動することにより、上記排気通路32周りのケース8の部分が冷却されると共に、上記戻し通路51内の潤滑油38が冷却される。
また、上記「駆動状態」では、上記動力伝達軸23に上記オイルポンプ41が連動して、上記油貯留部40内の潤滑油38が上記吸入通路46を通し上記オイルポンプ41に吸入される。また、その一方、上記オイルポンプ41に吸入された潤滑油38は、上記戻し通路51を通し上記油貯留部40に戻される。
ここで、上記したように、吸入通路46を通しての上記オイルポンプ41による潤滑油38の吸入量よりも、上記戻し通路51を通しての上記油貯留部40への潤滑油38の戻り量が、上記油滞留部58によって、少なくされている。これにより、上記動力伝達軸23、駆動ギヤ24、および従動ギヤ25,26を介し上記内燃機関21にプロペラシャフト11を連動させた船外機5の「駆動状態」では、上記油貯留部40における潤滑油38の油面65は、上記両ギヤ24,25,26の噛合部49よりも下側にまで低下可能とされている。
上記の場合、油貯留部40における潤滑油38の油面65が低下すると、これに伴い、上記第1油パイプ52と第2油パイプ53内の戻し通路51における潤滑油38の油面64は、上記内燃機関21の「停止状態」の場合よりも上昇して、上記戻し通路51の上部側にまで達する(図2中一点鎖線)。
上記内燃機関21を停止させれば、船外機5は前記した「停止状態」に戻る。
上記構成によれば、オイルポンプ41を設け、上記油貯留部40を上記オイルポンプ41の吸入部に連通させる吸入通路46を形成すると共に、上記オイルポンプ41の吐出部を上記油貯留部40に連通させる戻し通路51を形成し、上記油貯留部40への上記吸入通路46の開口部48を、上記船外機5の側面視(図3)で、上記駆動ギヤ24の下方に位置させている。
この構成において、上記オイルポンプ41を駆動させ、このオイルポンプ41に上記吸入通路46を通して、上記油貯留部40における潤滑油38を単位時間当りで多量に吸入させる。すると、上記油貯留部40における潤滑油38は、上記オイルポンプ41により吸入された後、上記吸入通路46と戻し通路51とを順次流動して上記油貯留部40に戻されるまでの時間遅れにより、上記油貯留部40における潤滑油38の油面65が低下させられる。
これにより、上記両ギヤ24,25,26が潤滑油38により全体的に油浴されることは防止される。よって、内燃機関21からプロペラシャフト11に動力が伝達されるとき、上記両ギヤ24,25,26が全体的に油浴されていた従来の技術に比べ、上記両ギヤ24,25,26の互いの噛合部49におけるポンプ作用が抑制される。この結果、第1の作用効果として、動力損失が無用に大きくなることは防止される。
また、第2の作用効果として、上記潤滑油38が温度上昇することは抑制される。このため、温度上昇に伴う潤滑油38の粘性の低下が防止されて、上記両ギヤ24,25,26の互いの噛合部49における油膜があまりに薄くなることが防止される。よって、上記噛合部49における潤滑が十分になされる。つまり、上記各ギヤ24,25の損傷が防止される。また、上記潤滑油38の温度上昇の抑制により、この潤滑油38の品質劣化が防止される。
ここで、上記内燃機関21が駆動する船外機5の「駆動状態」で、この船外機5をトリムさせると、上記油貯留部40における潤滑油38は全体的に上記油貯留部40の前側に流動する。このため、上記油貯留部40の後部側では、潤滑油38の油面65は低くなりがちとなるが、上記両ギヤ24−26は上記潤滑油38により全体的に油浴させられたままに維持される可能性がある。
そこで、上記したように、油貯留部40への吸入通路46の開口部48を、上記船外機5の側面視(図3)で、上記駆動ギヤ24の下方に位置させている。
このため、上記オイルポンプ41は、上記吸入通路46の開口部48を通して上記駆動ギヤ24の下方域の潤滑油38を吸入する。よって、上記潤滑油38の油面65を上記両ギヤ24−26の互いの噛合部49よりも下側にまで低下させることは、より確実に達成される。この結果、上記第1、第2の作用効果が、より確実に生じる。
また、前記したように、従動ギヤ25,26を前、後進用として前後一対設け、上記船外機5の側面視(図3)で、上記両従動ギヤ25,26のうち後側の従動ギヤ26よりも前方に上記吸入通路46の開口部48を位置させている。
ここで、上記後側の従動ギヤ26よりも前方には、上記両従動ギヤ25,26が存在し、これら両従動ギヤ25,26同士の間は余剰空間が生じ易い部分である。そして、この部分には、上記潤滑油38が多量に溜まりがちとなる。
このため、上記吸入通路46の開口部48を通してのオイルポンプ41による潤滑油38の単位時間当りの吸入量を多量にできる。よって、上記油貯留部40における潤滑油38の油面65を、より確実に、かつ、迅速に上記噛合部49よりも下側にまで低下させることができる。この結果、上記第1、第2の作用効果が、更に確実に生じる。
また、前記したように、吸入通路46を通しての上記オイルポンプ41による潤滑油38の単位時間当りの吸入量よりも、上記戻し通路51を通しての上記油貯留部40への潤滑油38の単位時間当りの戻り量が少なくなるよう、上記潤滑油38を滞留させる油滞留部58を上記戻し通路51の中途部に形成している。
このため、上記オイルポンプ41により、上記油貯留部40における潤滑油38を吸入すれば、この潤滑油38の油面65は確実に低下させられる。よって、前記したように、油貯留部40における潤滑油38の油面65を上記噛合部49よりも下側にまで低下させることは、より確実にできる。
また、前記したように、油貯留部40よりも上側に上記油滞留部58を配置し、この油滞留部58に滞留された潤滑油38を自然流下により上記油貯留部40に流入させるようにしている。
このため、上記油滞留部58は、潤滑油38の自然流下を利用したものであって、単純な形状にできる。よって、上記した油貯留部40における潤滑油38の油面65を上記噛合部49よりも下側にまで低下させることは、簡単な構成によって達成される。また、上記船外機5を長時間放置する場合には、自然流下した潤滑油38により上記油貯留部40の油面65が上昇して、この油貯留部40が満たされるため、上記ケース8内の鉄製部品の腐食が防止される。
また、上記構成によれば、上記油貯留部40で生じた気泡は、その浮力によって上記油滞留部58に円滑に導かれる。よって、上記油貯留部40に気泡が滞留することにより、この気泡が上記噛合部49に噛み込むことは防止される。これにより、この噛合部49における良好な潤滑が維持される。
また、前記したように、戻し通路51の周りに冷却用の水2を流動させるようにしている。
ここで、上記戻し通路51における潤滑油38は、上記オイルポンプ41により加圧された直後のものであって、特に高温となりがちである。そこで、上記したように、戻し通路51の周りに冷却用の水2を流動させるようにしている。
このため、上記戻し通路51内の潤滑油38は、これがより高温である分、上記水2によって、より効果的に冷却される。よって、上記潤滑油38の粘性の低下が防止されて、上記した両ギヤ24,25,26の互いの噛合部49における潤滑が、より確実に十分になされる。
しかも、上記潤滑油38の冷却用の水2は、上記排水通路34周りのケース8の部分を冷却するためのものを利用している。よって、この利用の分、上記潤滑油38の冷却は簡単な構成で達成される。
また、前記したように、潤滑油38中の異物を除去する異物除去装置62を備えている。
このため、上記両ギヤ24,25,26の互いの噛合によって生じる磨耗粉などの異物が潤滑油38中に浮遊することになったとしても、上記異物は上記異物除去装置62により捕捉、除去される。よって、上記異物が上記両ギヤ24,25,26の噛合部49に噛み込んで、これによる損傷が加速度的に進行することは防止される。
また、前記したように、油滞留部58から油貯留部40に至る上記戻し通路51の少なくとも一部分を、上記動力伝達軸23に形成される油孔55により構成している。
つまり、上記戻し通路51の一部分は上記動力伝達軸23を利用することにより形成される。このため、上記戻し通路51の一部分(油孔55)の形成のために別途の油パイプを設けないで足り、部品点数の増加を防止できる。よって、上記した油貯留部40における潤滑油38の油面65を上記噛合部49よりも下側にまで低下させることは、より簡単な構成によって達成できる。
また、前記したように、上記オイルポンプ41を上記動力伝達軸23に連動連結している。
このため、上記内燃機関21を駆動させて、船外機5を「駆動状態」にさせると、上記内燃機関21に上記オイルポンプ41が自動的に連動する。すると、上記油貯留部40における潤滑油38の油面65が低下して、上記両ギヤ24−26が潤滑油38により全体的に油浴されることが防止される。つまり、上記船外機5を「駆動状態」にさせれば、上記船1、第2の作用効果が自動的に生じる。
以下の図4−6は、実施例2−4を示している。これら各実施例2−4は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図4に従って説明する。
上記構成によれば、上記オイルポンプ41を電動式にしている。
このため、上記オイルポンプ41は、上記内燃機関21の回転数に関連せずに、別個に駆動させることができる。よって、上記油貯留部40における潤滑油38の単位時間当りの吸入量を所望量にできる。この結果、上記潤滑油38の油面65を、より確実に、かつ、迅速に上記噛合部49よりも下側にまで低下させることができる。
なお、以上は図示の例によるが、上記油貯留部40における潤滑油38の油面65をセンサーにより検出して、上記油面65が所望位置となるよう上記オイルポンプ41の駆動、停止を制御するようにしてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図5に従って説明する。
図5において、上記オイルポンプ41は電動式とされている。具体的には、上記オイルポンプ41は電動モータ駆動ポンプとされている。
この構成による作用効果は、上記実施例2のものと同様である。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例4を添付の図6に従って説明する。
図6において、上記第1油パイプ52と第2油パイプ53とが2重管構造となっており、第1油パイプ52が第2油パイプ53に内嵌されている。この場合、異物除去装置62は、上記第1油パイプ52もしくは第2油パイプ53により形成される油滞留部58の上流側、もしくは下流側に設けられる。
実施例1を示し、船外機の全体側面図である。 実施例1を示し、図1の一部分の拡大断面図である。 実施例1を示し、図1の他部分の拡大断面図である。 実施例2を示し、図2の一部に相当する図である。 実施例3を示し、図2の一部に相当する図である。 実施例4を示し、図2に相当する図である。
符号の説明
1 船
2 水
3 船体
5 船外機
8 ケース
9 軸心
10 軸受
11 プロペラシャフト
12 プロペラ
21 内燃機関
22 軸心
23 動力伝達軸
24 駆動ギヤ
25 従動ギヤ
26 従動ギヤ
27 クラッチ
31 排気
32 排気通路
33 冷却水通路
34 排水通路
35 水出口部
36 水ポンプ
38 潤滑油
39 潤滑装置
40 油貯留部
41 オイルポンプ
46 吸入通路
48 開口部
49 噛合部
51 戻し通路
52 第1油パイプ
53 第2油パイプ
54 第3油パイプ
55 油孔
56 第4油パイプ
58 油滞留部
59 ノズル部
62 異物除去装置
64 油面
65 油面
A 正転
B 逆転

Claims (9)

  1. 略鉛直方向に延びて船体に支持可能とされるケースと、このケースの下端部に支持されるプロペラシャフトと、上記ケースに支持される内燃機関と、略鉛直方向に延びてその上端部が上記内燃機関に連動連結される動力伝達軸と、この動力伝達軸の下端部に取り付けられる駆動ギヤと、上記プロペラシャフトに取り付けられて上記駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、上記駆動ギヤおよび従動ギヤを油浴させるよう潤滑油を貯留する油貯留部とを備えた船外機において、
    オイルポンプを設け、上記油貯留部を上記オイルポンプの吸入部に連通させる吸入通路を形成すると共に、上記オイルポンプの吐出部を上記油貯留部に連通させる戻し通路を形成し、上記油貯留部への上記吸入通路の開口部を、上記船外機の側面視で、上記駆動ギヤの下方に位置させたことを特徴とする船外機。
  2. 上記従動ギヤを前、後進用として前後一対設け、上記船外機の側面視で、上記両従動ギヤのうち後側の従動ギヤよりも前方に上記吸入通路の開口部を位置させたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  3. 上記吸入通路を通しての上記オイルポンプによる潤滑油の単位時間当りの吸入量よりも、上記戻し通路を通しての上記油貯留部への潤滑油の単位時間当りの戻り量が少なくなるよう、上記潤滑油を滞留させる油滞留部を上記戻し通路に形成したことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の船外機。
  4. 上記油貯留部よりも上側に上記油滞留部を配置し、この油滞留部に滞留された潤滑油を自然流下により上記油貯留部に流入させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の船外機。
  5. 上記戻し通路の周りに冷却用の水を流動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  6. 上記潤滑油中の異物を除去する異物除去装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  7. 上記油滞留部から油貯留部に至る上記戻し通路の少なくとも一部分を、上記動力伝達軸に形成したことを特徴とする請求項4に記載の船外機。
  8. 上記オイルポンプを上記動力伝達軸に連動連結したことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  9. 上記オイルポンプを電動式にしたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
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