JP2006181448A - ダイヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 被塗工物に形成される塗工膜の厚みをより確実に均一化することができるダイヘッドを提供する。
【解決手段】 供給された塗工液が流路を介して吐出されるダイヘッドであって、前記流路は、少なくとも一方のダイ板12に形成され互いに連通する複数のマニホールド部121,122と、一対のシム板13,13により各対向平面12aの間に形成された隙間部とを備えており、シム板13は、ダイ板12の側縁に沿って前記流路の終端まで延びる第1の部分131と、隣り合うマニホールド部121,122間において該マニホールド部に沿って延びる第2の部分132とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ウェブなどの被塗工物に対して塗工液を吐出口から吐出するダイヘッドに関する。
連続的に搬送されるウェブに塗工液を均一に塗布する装置として、ダイヘッドが広く用いられている。従来のダイヘッドとして、例えば、特許文献1に開示された構成が知られている。このダイヘッドは、図7(a)及び(b)にそれぞれ断面図及び斜視図で示すように、ダイ上板51及びダイ下板52が複数のシム板53を挟持することによって構成されており、ダイ下板52に入口54、第1のマニホールド55及び第2のマニホールド56が形成されている。入口54から供給された塗工液は、第1のマニホールド55において幅方向に拡がり、第2のマニホールド56において流れが幅方向に均一化された後、複数のシム板53の間を通過して、ウェブ(図示せず)の表面に塗工される。
特開2001−29861号公報
上記従来のダイヘッドは、特にストライプ状の塗工膜を形成する際に、塗工膜の厚みを均一化できる点で優れているが、幅広の塗工膜を形成する際には、幅方向の厚みの均一化が困難であり、この点で更に改良の余地があった。
そこで、本発明は、被塗工物に形成される塗工膜の厚みをより確実に均一化することができるダイヘッドの提供を目的とする。
本発明の前記目的は、互いに対向する対向平面をそれぞれ有する一対のダイ板と、前記各対向平面の両側縁部に挟持される一対のシム板と、一対の前記ダイ板の間に形成される流路とを備え、供給された塗工液が前記流路を介して吐出されるダイヘッドであって、前記流路は、少なくとも一方の前記ダイ板に形成され互いに連通する複数のマニホールド部と、一対の前記シム板により前記各対向平面の間に形成された隙間部とを備えており、前記シム板は、前記ダイ板の側縁に沿って前記流路の終端まで延びる第1の部分と、隣り合う前記マニホールド部間において該マニホールド部に沿って延びる第2の部分とを備えるダイヘッドにより達成される。
このダイヘッドにおいて、前記シム板は、略L字状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、被塗工物に形成される塗工膜の厚みをより確実に均一化することができるダイヘッドを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るダイヘッドを示す断面図である。図1に示すように、ダイヘッド1は、一対のダイ板を構成するダイ上板11とダイ下板12とを備えている。ダイ上板11及びダイ下板12は、それぞれリップ21,22を備えており、それぞれ固定ボルト211,221により固定されている。一対のリップ21,22は、ダイ上板11及びダイ下板12におけるそれぞれの対向平面11a,12aの一部を構成している。対向平面11a,12aは、互いに略平行となるように配置されており、これら対向平面11a,12aの間に一対のシム板13(図1では一方のみ図示)が挟持されて、リップ21,22間にスリットが形成されている。
ダイ下板12には、幅方向(図面を貫通する方向)に略平行に延びる第1のマニホールド部121及び第2のマニホールド部122が形成されている。ダイ下板12の端部には、第1のマニホールド部121と連通する液入口125が形成されており、液入口125から塗工液が供給される。
第1のマニホールド部121と第2のマニホールド部122との間には、内部ブロック123が設けられており、内部ブロック123は、固定ボルト124によりダイ下板12に取り付けられている。第1のマニホールド部121及び第2のマニホールド部122は、内部ブロック123とダイ上板11との間に形成された隙間を介して連通している。また、第2のマニホールド部122は、上述した一対のリップ21,22間のスリットを介して外部と連通している。尚、本実施形態においては、第1のマニホールド部121の形状及び容積が、第2のマニホールド部122の形状及び容積と略同じとなるように形成されている。
図2に斜視図で示すように、一対のシム板13,13は、略L字状に形成されており、ダイ下板12においてそれぞれ対向平面12aの両側縁部に配置される。各シム板13は、第1のマニホールド部121と第2のマニホールド部122との間からダイ下板12の側縁に沿ってリップ22の先端まで延びる第1の部分131と、第1のマニホールド部121に沿って幅方向に延びる第2の部分132とを備えている。
このように、本実施形態のダイヘッド1は、第1のマニホールド部121,第2のマニホールド部122及び一対のシム板13,13により各対向平面11a,12a間に形成された隙間部からなる塗工液の流路が、ダイ上板11とダイ下板12との間に形成されている。
また、図1及び図2に示すように、ダイ下板12には、内部ブロック123と当接する第1の受け面12b及び第2の受け面12cを有しており、内部ブロック123は、ダイ下板12への取り付け時においてこれら第1の受け面12b及び第2の受け面12cと当接する。第1の受け面12b及び第2の受け面12cは、側面視において、対向平面12aに対して傾斜しており、本実施形態においては、対向平面12aに対する傾斜角度αを45°としている。
内部ブロック123が取付状態で外部に露出する部分は、幅方向の流量分布を均一化できるように、従来の構成と同様に断面の大きさが幅方向で変化する形状とされており、塗工液の性状や塗工条件などに応じて最適形状のものを適宜取り替え可能である。本実施形態においては、内部ブロック123がダイ上板11の対向平面11aと対向する部分が帯状面123aとされており、この帯状面123aは、略同じ幅を有するシム13の第2の部分132を、対向平面11aとの間で挟持している。
また、図3に拡大図で示すように、一対のリップ21,22は、上述した一対のシム板(図3においては不図示)により対向平面11a,12aの間にスリット30を形成しており、一方のリップ21における対向平面11aの先端縁部31が側面視円弧状に形成されている。本実施形態においては、先端縁部31の円弧半径Rは、0.5mmである。
次に、上記構成を備えたダイヘッド1の作動を説明する。液入口125から供給された塗工液は、第1のマニホールド部121において幅方向に拡げられた後、内部ブロック123とダイ上板11との間隙を通過して、第2のマニホールド部122に供給される。第1のマニホールド部121と第2のマニホールド部122との間には、一対のシム板13,13における第2の部分132,132が側縁部から幅方向内方に延びているため、塗工液の流路は、この部分で一旦狭められた後、第2のマニホールド部122において再び拡げられる。そして、一対のシム板13,13における第1の部分131,131に沿って一対のリップ21,22の間を通過し、ウェブなどの被塗工物に吐出される。
このような一対のシム板13,13の作用によって、塗工液の幅方向の流量分布は均一化され、エッジ部の盛り上がりを防止した良好な塗工膜を被塗工物に形成することができる。シム板13の形状は、必ずしもL字状に限定されるものではないが、L字状に形成した場合には、塗工液の流動性が妨げられない範囲で第2の部分132が第1の部分131から突出する長さを長くすることが好ましく、具体的には10mm以上を例示することができる。
また、本実施形態においては、図4に示すように、一方のリップ21の先端縁部31を側面視円弧状に形成しているので、先端縁部31の曲面に沿って塗工液が吐出される。この結果、塗工中において、リップ21の先端縁部に塗工液の凝集体がひっかかるおそれが少なくなり、吐出圧力によって凝集体をスムーズに排出することができるので、凝集し易い塗工液を塗工する場合であっても、矢示方向に搬送されるウェブwに形成された塗工膜fにおけるキズの発生や厚みの不均一化を防止して、塗工精度を良好に維持することができる。先端縁部31の円弧半径Rは、必ずしも本実施形態で示す数値に限定されないが、小さすぎると上記効果が十分得られない一方、大きすぎると吐出口幅が拡がり均一な塗膜の形成が困難になることから、0.1〜1mmであることが好ましい。
本実施形態のダイヘッド1において、塗工液や塗工条件を変更する場合には、これらに応じて内部ブロック123を取り替えることにより、幅方向の均一な流量分布を維持することができる。本実施形態においては、ダイ下板12に形成され内部ブロック123と当接する第1の受け面12b及び第2の受け面12cが、側面視において対向平面12aに対して傾斜しているので、例えば、内部ブロック123の近傍において塗工液が凝集した場合であっても、内部ブロック123を取り替える際に、これらが第1の受け面12b及び第2の受け面12cに堆積するのを防止することができる。このため、凝集された塗工液などがダイ下板12と内部ブロック123との間に噛み込まれるおそれが少なくなり、内部ブロック123の取り付けを正確に行うことができるので、塗工液の流量分布を確実に均一化することができる。第1の受け面12b及び第2の受け面12cの対向平面12aに対する傾斜角度αは、大きすぎると上記効果が十分得にくくなる一方、小さすぎると内部ブロック123の安定した取り付けが困難になる傾向があることから、30〜60°が好ましく、約45°とすることがより好ましい。第1の受け面12bの傾斜角度と第2の受け面12cの傾斜角度とは、必ずしも一致する必要はない。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、内部ブロック123は、塗工液の流路の途中に設けられるものであれば形状や配置は特に限定されず、例えば、図5に示すように、内部ブロック223がマニホールド部221の全体を含む構成としたり、或いは、図6に示すように、内部ブロック323が、マニホールド部321を有するダイ板とは異なるダイ板(ダイ上板11)に設けられた構成としてもよい。尚、図5及び図6において、図1と同様の構成部分には同一の符号を付している。
また、L字状に形成されたシム板13は、本実施形態のような内部ブロック123を有しないダイヘッドに用いることも可能であり、複数のマニホールド部間において、該マニホールド部に沿って第2の部分132が延びるように配置すればよい。
本発明の一実施形態に係るダイヘッドを示す断面図である。 前記ダイヘッドにおける要部斜視図である。 前記ダイヘッドにおける他の要部の拡大断面図である。 前記ダイヘッドを用いた塗工状態を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態に係るダイヘッドを示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係るダイヘッドを示す断面図である。 従来のダイヘッドを示す断面図及び斜視図である。
符号の説明
1 ダイヘッド
11 ダイ上板
11a 対向平面
12 ダイ下板
12a 対向平面
12b 第1の受け面
12c 第2の受け面
121 第1のマニホールド部
122 第2のマニホールド部
123 内部ブロック
124 固定ボルト
125 液入口
13 シム板
131 第1の部分
132 第2の部分
21,22 リップ
30 スリット
31 先端縁部

Claims (2)

  1. 互いに対向する対向平面をそれぞれ有する一対のダイ板と、
    前記各対向平面の両側縁部に挟持される一対のシム板と、
    一対の前記ダイ板の間に形成される流路とを備え、
    供給された塗工液が前記流路を介して吐出されるダイヘッドであって、
    前記流路は、少なくとも一方の前記ダイ板に形成され互いに連通する複数のマニホールド部と、一対の前記シム板により前記各対向平面の間に形成された隙間部とを備えており、
    前記シム板は、前記ダイ板の側縁に沿って前記流路の終端まで延びる第1の部分と、隣り合う前記マニホールド部間において該マニホールド部に沿って延びる第2の部分とを備えるダイヘッド。
  2. 前記シム板は、略L字状に形成されている請求項1に記載のダイヘッド。




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