JP2006181423A - プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルム及びその製造方法並びにプラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルム及びその製造方法並びにプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】
膜厚が均一で、クレータの発生がなく、高い透明性を有する誘電体層を容易に形成することができるプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】
走行する透明支持フィルムの表面上に、プラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための塗工液を塗工し、次いで乾燥して誘電体前駆層を形成するプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法において、前記誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する前に、前記走行する透明支持フィルムを、75℃以上で接触加熱すること特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法;特に走行する透明支持フィルムの75℃以上での加熱を、前記走行する透明支持フィルムに75℃以上に加熱された回転するロールに接触させることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの誘電体層を形成するために有用なプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルム及びその製造方法、並びにこの転写フィルムを用いて得られるプラズマディスプレイパネルに関する。
従来のCRTディスプレイに代わって、最近では、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが注目され、その需要が拡大している。特に、次世代の大画面表示デバイスとしてPDPが一般的になってきている。
図2に、交流型のPDPの断面形状を示す概略図に示す。ガラス基板21,22が対向配置され、ガラス基板21、ガラス基板22及び隔壁23によりセルが区画形成されている。バス電極24がガラス基板21に固定され、アドレス電極25はガラス基板22に固定されており、また蛍光物質26がセル内に保持され、誘電体層27がバス電極24を被覆するようガラス基板21の表面に形成され、さらにその上に例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜28が形成されている。誘電体層27は、一般にガラスフリット(粉末)の焼結体で形成され、その膜厚は例えば10〜50μmである。
誘電体層27の形成方法としては、ガラスフリット、バインダ樹脂及び溶剤を含むペースト状塗工液を調製し、この塗工液をスクリーン印刷法によってガラス基板21の表面に塗工して乾燥することにより誘電体前駆層を形成し、次いでこの誘電体前駆層を焼成することにより有機物質を除去してガラスフリットを焼結させて誘電体層を得る方法が知られている。
ガラス基板21上に形成する誘電体前駆層の厚さは、焼成工程における有機物質の除去に伴う膜厚の目減り量を考慮して、形成すべき誘電体層27の膜厚の1.3〜2.0倍程度にすることが必要であり、例えば、誘電体層27の膜厚を20〜50μmとするためには、30〜100μm程度の厚さの誘電体前駆層を形成しなければならない。一方、前記ガラスペースト状塗工液をスクリーン印刷法により塗布する場合に、1回の塗布処理によって形成される塗膜の厚さは15〜25μm程度であり、このため、誘電体前駆層を所定の厚さにするためには、ガラス基板の表面に対して、当該ガラスペースト状塗工液を複数回(例えば2〜7回)にわたり繰り返して塗布(多重印刷)する必要がある。
しかしながら、スクリーン印刷法を利用する多重印刷によって誘電体前駆層を形成する場合には、この誘電体前駆層を焼成して形成される誘電体層が均一な膜厚を有するものとなり難い。これは、スクリーン印刷法による多重印刷では、ガラス基板の表面に対してガラスペースト組成物を均一に塗布することが困難だからであり、塗布面積(パネルサイズ)が大きいほど、また、塗布回数が多いほど誘電体層における膜厚のバラツキの程度は大きくなる。このため、多重印刷による塗布工程を経て得られるパネル材料(誘電体層を有するガラス基板)では、その面内において、膜厚のバラツキに起因する誘電特性にバラツキが生じ、誘電特性のバラツキは、PDPにおける表示欠陥(輝度ムラ等)の原因となる。さらに、スクリーン印刷法では、スクリーン版のメッシュ形状が膜形成材料層の表面に転写されることがあり、このような膜形成材料層を焼成して形成される誘電体層は、表面の平滑性に劣る傾向がある。
スクリーン印刷法によって誘電体前駆層を形成する場合における上記のような問題を解決する方法として、特許文献1(特開平9−102273号)には、ガラスペースト組成物を支持フィルム上に塗布(塗工)し、塗膜を乾燥して膜形成材料層(誘電体前駆層)を形成し、支持フィルム上に形成された誘電体前駆層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された誘電体前駆層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法を含むPDPの製造方法を提案されている。
特開平9−102273号
本発明者等の検討によれは、上記公報に記載の、ガラスペースト状塗工液を支持フィルム上に塗工し、塗膜を乾燥して誘電体前駆層を形成し、支持フィルム上に形成された誘電体前駆層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写する方法においては、誘電体前駆層を電極が固定されたガラス基板に転写した後、焼結して得られる誘電体層は、外観が極端に低下する場合があることが明らかとなった。さらに、本発明者がこの外観の低下の原因について検討を重ねたところ、このような外観の低下した誘電体層は、多数のクレータ(微少な凹部)が形成されていることを見いだした。
従って、本発明は、膜厚が均一で、クレータの発生がなく、高い透明性を有する誘電体層を容易に形成することができるプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、膜厚の大きい誘電体層であっても、膜厚が均一で、クレータの発生がなく、高い透明性を有するように容易に形成することができるプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法により得られるプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムを提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、上記プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムを用いて得られるプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
前述のように、前記公報に記載の方法においては、誘電体前駆層、電極が固定されたガラス基板に転写して、さらに焼結して得られる誘電体層では、外観が極端に低下する場合があること、そしてこの外観の低下の原因は、誘電体層に多数のクレータ(微少な凹部)が形成されていることを本発明者は見いだした。さらに本発明者が検討したところ、このようなクレータは、支持フィルム上に塗工、乾燥により形成された誘電体前駆層に、完全に蒸発せずに残った溶剤が、焼結時に突沸するために発生することが判明した。このような残留溶剤を除去する方法について、種々検討を行ったところ、以下の本発明に到達したものである。
従って、本発明は、
走行する透明支持フィルムの表面上に、プラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための塗工液を塗工し、次いで乾燥して誘電体前駆層を形成するプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法において、
前記誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する前に、前記走行する透明支持フィルムを、75℃以上で接触加熱すること特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法にある。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの好適態様は以下の通りである。
(1)前記走行する透明支持フィルムの75℃以上での接触加熱を、前記走行する透明支持フィルムに75℃以上に加熱された回転するロールに接触させることにより行う。効率良く、且つフィルムの形状、寸法を保持して加熱が容易であり、好ましい。
(2)前記加熱温度を75〜120℃(特に75〜110℃)の温度範囲で行う。塗工層に含まれる溶剤が蒸発しやすく、クレータの発生が減少する。
(3)上記乾燥を80〜130℃の温度範囲で行う。塗布時に、透明支持フィルムの表面付近にある塗工層に含まれる溶剤(好ましくは比較的高沸点の溶剤、特にトルエン)が蒸発しやすい温度環境になるので好ましい。
(4)ロールで加熱された後90秒以内に、透明支持フィルムの表面上に誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する。透明支持フィルムの表面の加熱により上昇した温度を、ある程度保持することができ、好ましい。
(5)誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する際の透明支持フィルムの表面温度が50〜90℃(好ましくは60〜85℃)である。この範囲の温度に透明支持フィルムの表面温度を保持することにより、塗工液の塗布膜に含まれる溶剤を円滑に蒸発させることが容易であり、好ましい。
(6)誘電体前駆層の層厚が、50〜100μmである。本発明の方法は、比較的厚い塗布膜から溶剤を円滑に除去することが容易であるが、50〜100μmの範囲が好適である。
(7)誘電体前駆層形成用塗工液が、ガラスフリット、バインダ樹脂及び溶剤を含み、該溶剤の内50質量%以上がトルエンである。塗工前の透明支持フィルムを75〜100℃に加熱する本発明の方法において、残留溶剤を低下させるために好適な組成であり好ましい。
(8)透明支持フィルムの材料が、ポリエチレンテレフタレートである。本発明の方法における加熱に対して、形状、寸法において安定しており、好ましい。
本発明は、プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法により得られるプラズマディスプレイパネル用誘電体層転写フィルムにもある。
さらに本発明は、上記プラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの誘電体前駆層をガラス基板に転写し、焼成することにより形成された誘電体層を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルにもある。
上記プラズマディスプレイパネルにおける誘電体層の厚さが、20〜60μmである。厚い誘電体層を容易に製造することができる。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法によれば、誘電体前駆層形成用塗工液の塗工前に透明支持フィルムを75℃以上で接触加熱(好ましくはロールで)することにより、得られる誘電体前駆層の残留溶剤を低下させることが可能である。これにより、クレータの発生がなく、高い透明性を有するように誘電体層を容易に形成することができる。たとえ、膜厚の大きい誘電体層であっても、このような優れた特性の誘電体層を得ることが可能である。
従って、本発明の転写フィルムによって形成された、クレータの発生がなく、高い透明性を有する誘電体が設けられたプラズマディスプレイパネルは、表示欠陥(輝度ムラ等)の発生がほとんど見られない。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルム及びその製造方法について、以下に詳細に説明する。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法の好ましい1例を説明するための概略断面図を図1に示す。図1において、送り出しロール11から透明支持フィルム12が送り出され、回転する加熱ロール13に接触して加熱されると共に送られ、その後加熱された透明支持フィルム12は、その表面温度が余り低下しないような位置に配置されたコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための塗工液16が塗工される。塗工された透明支持フィルムは、乾燥炉17を通過して乾燥され、塗工層中の溶剤がほとんど除去されて誘電体前駆層16Aが形成され、その後案内ロール18を介して巻き取りロール19で巻き取られる。巻き取る際、送りロール9から送りされた剥離シート10で誘電体前駆層を保護しながら3層で巻き取られる。
加熱ロール13は、75℃以上、好ましくは75〜120℃(特に75〜110℃)での加熱されており、一般に、透明支持フィルムの表面温度もほぼ同程度の温度に上昇する。加熱の程度の調整は、温度の設定、送り速度の設定、ロールの寸法、材質の変更により行うことができる。勿論、加熱されたロール以外の装置(例えば移動するベルト)による接触加熱でも良い。但し、ロールによる加熱は、効率良く、且つフィルムの形状、寸法を保持して加熱が容易であり、好ましい。
このように加熱された透明支持フィルムの表面温度は、誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する時点でも、この温度から余り下がっていない温度、好ましくは50〜90℃(好ましくは60〜85℃)の範囲になるように、条件を設定することが好ましい。即ち、このために、加熱ロール13とコーター14との間の距離は、加熱された後90秒以内(好ましくは10〜60秒)に塗工できるようにすることが好ましい。従って、この距離は透明支持フィルの送り速度に依存し、送り速度が大きい場合は、距離も長くなり、送り速度が小さい場合は、距離も短くる。
乾燥炉17では、透明支持フィルムに塗工された塗工層から溶剤が除去される。この際の乾燥炉の温度は、一般に80〜130℃の温度範囲に設定される。塗工時には、すでに透明支持フィルムが加熱されていることから、塗工層、特に透明支持フィルムの表面付近に存在する塗工層は、即座に加熱されるため、透明支持フィルムの表面付近の塗工層に含まれる溶剤(好ましくは比較的高沸点の溶剤、特にトルエン)が、特に蒸発し易い。それを補完するように乾燥炉で加熱されるため、塗工層全体の溶剤が円滑に除去されると考えられる。
特にこのような方法に適した溶剤組成としては、沸点100〜130℃程度の溶剤。特にトルエンを主体にしたものが好ましい。特に溶剤の内50質量%がトルエンであることが好ましい。また乾燥により得られる誘電体前駆層の層厚は、50〜100μm(好ましくは60〜100μm)が一般的である。本発明の方法は、比較的厚い塗布膜から溶剤を円滑に除去することが容易であり、さらに厚くても透明性に優れた誘電膜を得ることができる。上記塗工は、一般にロールコーター、ブレードコーター又はダイコーター等を用いることができる。
以下、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの構成要素について詳細に説明する。
本発明の透明支持フィルムは、一般に、透明性、可撓性を有するポリマーフィルムである。透明支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコーター又はダイコーター等によって誘電体前駆層形成塗工液を塗布することができ、誘電体前駆層を有するフィルムをロール状に巻いた状態で保存し、供給することが可能となる。透明支持フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレン等の含フッ素樹脂、ナイロン、セルロース等を挙げることができる。特に、加熱に対して、形状、寸法において安定しておりPETが好ましい。透明支持フィルムの厚さは、一般に20〜100μmの範囲である。なお、透明支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、PDPのガラス基板への転写工程において、透明支持フィルムの剥離作業を容易に行うことができる。
透明支持フィルムに塗工される本発明の誘電体前駆層形成塗工液は、ガラスフリット、バインダ樹脂及び溶剤を主成分とするものである。
上記ガラスフリットとしては、そのDTA(示唆熱分析)軟化点が400〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。ガラスフリットの軟化点が400℃未満である場合には、得られた誘電体前駆層の焼成工程において、バインダ樹脂等の有機物質が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが溶融してしまうため、形成されるガラス焼結体(誘電体層)中に有機物質の一部が残留し、その結果、ガラス焼結体が着色されて光透過率が低下する傾向がある。一方、ガラスフリットの軟化点が600℃を超える場合には、600℃より高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪み等が発生しやすい。好適なガラスフリットの例としては、(1) 酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カルシウム(PbO−B23 −SiO2−CaO 系)、(2) 酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B23 −SiO2 系)、(3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B23 −SiO2 −Al23 系)、(4)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B23−SiO2 系)等を挙げることができる。
またDTA転移点が400〜600℃の範囲内にあるものが好ましい。
本発明で用いられるガラスフリットは、球形度が、一般に0.2以上、0.5以上、特に0.7以上であることが好ましい。本発明におけるガラスフリットの球形度は、下記式により定義される。
(球形度)=(粒子の投影面積に等しい面積を有する円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)
この式に含まれる投影面積および投影像は、誘電体前駆層の断面SEM写真等から容易に測定できる。
さらに、本発明で用いられるガラスフリットは、円摩度が、一般に0.15以上、0.2以上、さらには0.3以上であることが好ましい。本発明におけるガラスフリットの円摩度は下記式により計算される。
円摩度=(r1+r2+r3+ ・・・・)/(R×N)
上式において、r1+r2+r3+ ・・・・:粒子の輪郭について凸部の曲率半径をとる、R:最大内接円の半径、N:凸部の全数である。
この式に含まれる粒子の輪郭、凸部の曲率半径、最大内接円の半径、凸部の数は膜形成材料層の断面SEM写真および種々の画像解析装置等から容易に測定できる。
球形度および円摩度は、粒径、比表面積等と同様に広く粉体工学等で使用されている粒子の特性を表す数値である。本発明で用いられる球形度及び円摩度が高いガラスフリットは、例えば、原料の塊状ガラスを、ジェットミル、衝撃式微粉砕機等により粉砕することで、容易に製造することができる。
本発明で用いられるガラスフリットの平均粒径は、一般に0.5〜3μm、1〜2.5μmが好ましい。ガラスフリットの平均粒径が0.5μm未満の場合には、得られる誘電体前駆層を焼成処理するときに、ガラスフリットの分散媒であるバインダ樹脂等が分解除去されにくくなり、最終的に形成されるガラス焼結体に有機物質が残留してしまう場合がある。そして、この結果、得られるガラス焼結体(誘電体層)が着色されたり、白濁したりして、透明性の著しい低下を招くことがある。一方、ガラスフリットの平均粒径が3μmを超える場合には、得られる膜形成材料層上にクレータ状のへこみが多発しやすく、これを焼成処理して形成されるガラス焼結体が優れた表面平滑性を有するものとならない場合がある。なお、ここで言う「ガラスフリットの平均粒径」は、レーザー回折散乱法により測定された粒子径から求められる値をさす。
本発明で用いられるガラスフリットの粒度分布は、粒径が10μm以上である粒子の割合が10質量%以下であることが好ましい。粒径が10μm以上である粗大粒子の割合が10質量%を超える場合には、形成されるガラス焼結体が、表面平滑性に劣るものとなる場合がある。また、ガラスフリットの粒度分布として、粒径が0.7〜2.5μmの範囲にある粒子の割合が40質量%以上であることが好ましい。粒子径が0.7〜2.5μmの範囲にある粒子の割合が40質量%未満である場合には、ガラスフリットの粒度分布にバラつきが生じ、得られる転写フィルムのフィルム強度が不均一になる場合があり、形成されるガラス焼結体(誘電体層)にひび割れが生ずる場合がある。なお、「ガラスフリットの粒度分布」は、レーザー回折散乱法により測定された粒子径から求められる値をさす。
さらに、本発明で用いられるガラスフリットのBET比表面積は、1.0〜5.5m2 /gの範囲にあることが好ましい。BET比表面積が1.0m2 /g未満である場合には、転写フィルムの膜形成材料層におけるバインダ樹脂の吸着面積が小さすぎて得られる転写フィルムのフィルム強度が小さくなるため、形成されるガラス焼結体が基板から剥離したり、ひび割れが生ずる場合がある。一方、BET比表面積が5.5m2 /gを超える場合には、ガラスフリットとバインダ樹脂との吸着が強すぎて、焼成処理の際にバインダ樹脂が除去されにくくなり、ガラス焼結体に残留する場合がある。
また、本発明で用いられるガラスフリットのBlain値は、3,000〜20,000cm2 /gの範囲にあることが好ましい。ここで、「Blain値」とは、空気透過法により測定される比表面積であり、一般に、凝集二次粒子の比表面積を表すと言われている。ガラスフリットのBlain値が3,000未満である場合には、転写フィルムの膜形成材料層中に凝集二次粒子が多く存在し、得られるガラス焼結体の表面平滑性に悪影響を与える場合がある。一方、Blain値が20,000を超える場合には、ガラスフリットとバインダ樹脂との吸着が強すぎて、焼成処理の際にバインダ樹脂が除去されにくくなり、ガラス焼結体に残留する場合がある。
本発明の転写フィルムにおいて、誘電体前駆層中に占めるガラスフリットの割合は、形成されるガラス焼結体(誘電体層)に更に優れた無色透明性(高い光透過率)を付与するという観点から、50質量%以上、特に50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の転写フィルムに用いられるバインダ樹脂には、通常の熱可塑性樹脂を用いることができる。その例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。これらの中では、アクリル樹脂が好ましい。バインダ樹脂としてアクリル樹脂を使用することにより、形成される誘電体前駆層の、ガラス基板に対する優れた(加熱)接着性が得られる。従って、本発明の誘電体前駆層転写フィルムは、誘電体前駆層の転写性(ガラス基板への転写性)においても優れた性質を示す。このようなアクリル樹脂としては、適度な粘着性を有してガラスフリットを結着させることができ、誘電体前駆層の焼成処理温度(一般に400〜600℃)によって完全に酸化除去される(共)重合体の中から選択される。このようなアクリル樹脂としては、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の単独重合体、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の2種以上の共重合体、および下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物と他の共重合性単量体との共重合体を挙げることができる。
Figure 2006181423
式(1)において、R1 は水素原子またはメチル基を表し、R2 は1価の有機基を表す。上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中で、上記一般式(1)中、R2がアルキル基又はオキシアルキレン基を含む基であることが好ましく、特に好ましい(メタ)アクリレート化合物として、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートおよび2−エトキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
(メタ)アクリレート化合物との共重合に供される他の共重合性単量体としては、上記(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な化合物であれば特に制限はなく、例えば(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、ビニルフタル酸等の不飽和カルボン酸類;ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン等のビニル基含有ラジカル重合性化合物を挙げることができる。上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物由来の共重合成分は、一般に70質量%以上、さらに90質量%以上、特には100質量%であることが好ましい。
本発明の転写フィルムにおいて、誘電体前駆層を構成するバインダ樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量として2000〜300000であることが好ましく、さらに5000〜200000が好ましい。
本発明の誘電体前駆層におけるバインダ樹脂の含有割合としては、ガラスフリット100質量部に対して、一般に5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。バインダ樹脂の割合が過小である場合には、ガラスフリットを確実に結着保持することができず、一方、この割合が過大である場合には、焼成工程に長い時間を要したり、形成されるガラス焼結体(誘電体層)が十分な強度や膜厚を有するものとならなかったりする。
誘電体前駆層形成用塗工液を構成する溶剤としては、ガラスフリットとの親和性、バインダ樹脂の溶解性が良好で、膜形成材料組成物に適度な粘性を付与することができると共に、乾燥されることにより比較的容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が100〜200℃、特に100〜150℃である炭化水素、ケトン類、アルコール類及びエステル類を挙げることができ、これを主体とする溶剤組成が好ましい。従って、標準沸点(1気圧における沸点)が100℃未満の溶剤、300℃を超える溶剤を使用しても差し支えない。本発明では、標準沸点100〜200℃の溶剤としては特に芳香族炭化水素(中でもトルエン)が好ましい。
標準沸点100〜200℃の溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチル等の乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のエーテル系エステル類等を例示することができる。これらの特定溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。特定溶剤以外の溶剤の具体例としては、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の低沸点溶剤;テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等の高沸点溶剤を挙げることができる。
本発明で用いられる誘電体前駆層形成用塗工液における溶剤の割合は、誘電体前駆層形成用塗工液の粘度を好適な範囲に維持する観点から、ガラスフリット100質量部に対して、一般に10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部である。また、全溶剤に対する100〜200℃(特に100〜150℃)である溶剤(特にトルエン等の芳香族炭化水素)の割合は、50質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは70質量%以上である。
本発明の誘電体前駆層形成用塗工液には、シランカップリング剤が含有していても良い。その例としては、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−エイコシルジメチルメトキシシラン等の飽和アルキルジメチルメトキシシラン類;n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−エイコシルジエチルメトキシシラン等の飽和アルキルジエチルメトキシシラン類;n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−エイコシルジプロピルメトキシシラン等の飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類;n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−エイコシルジメチルエトキシシラン等の飽和アルキルジメチルエトキシシラン類;n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−エイコシルジエチルエトキシシラン等の飽和アルキルジエチルエトキシシラン類;n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−エイコシルジプロピルエトキシシラン等の飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類;n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−エイコシルジメチルプロポキシシラン等の飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類;n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−エイコシルジエチルプロポキシシラン等の飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類;n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−エイコシルジプロピルプロポキシシラン等の飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類;n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−エイコシルメチルジメトキシシラン等の飽和アルキルメチルジメトキシシラン類;n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−エイコシルエチルジメトキシシラン等の飽和アルキルエチルジメトキシシラン類;n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−エイコシルプロピルジメトキシシラン等の飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類;n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−エイコシルメチルジエトキシシラン等の飽和アルキルメチルジエトキシシラン類;n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−エイコシルエチルジエトキシシラン等の飽和アルキルエチルジエトキシシラン類;n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−エイコシルプロピルジエトキシシラン等の飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類;n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−エイコシルメチルジプロポキシシラン等の飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類;n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−エイコシルエチルジプロポキシシラン等の飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類;n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−エイコシルプロピルジプロポキシシラン等の飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類;n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−エイコシルトリメトキシシラン等の飽和アルキルトリメトキシシラン類;n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−エイコシルトリエトキシシラン等の飽和アルキルトリエトキシシラン類;n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−エイコシルトリプロポキシシラン等の飽和アルキルトリプロポキシシラン類等を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシランが特に好ましい。
誘電体前駆層形成用塗工液におけるシランカップリング剤の含有割合としては、ガラスフリット100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜5質量部である。シランカップリング剤の割合が上記範囲を下回る場合には、ガラスフリットの分散安定性の向上効果、形成される膜形成材料層における可撓性の向上効果を十分に発揮させることができない。一方、この割合が上記範囲を超える場合には、得られる誘電体前駆層を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、シランカップリング剤同士で反応が起こり、焼成後の光透過率を下げる原因になったりする場合がある。
本発明の誘電体前駆層に良好な可撓性と燃焼性とを付与するために、誘電体前駆層中に可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤としては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレート、或いはポリプロピレングリコールが好ましい。
可塑剤を含有する誘電体前駆層を備えた転写フィルムによれば、折り曲げても、誘電体前駆層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生するようなことはなく、また、当該転写フィルムは柔軟性に優れたものとなり、これをロール状に巻き取ることも容易に行うことができる。
誘電体前駆層における可塑剤の含有割合としては、ガラスフリット100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部とされる。可塑剤の割合が上記範囲を下回る場合には、膜形成材料層の可塑性を十分に向上させることができない場合がある。可塑剤の添加量が増えすぎると、得られる転写フィルムのフィルム柔度の値は一般的に高くなる傾向にある。
本発明の誘電体前駆層形成用塗工液は、上記の成分のほかに、分散剤、粘着性付与剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤、分散剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
本発明の誘電体前駆層形成用塗工液の調製は、例えば下記のように行うことができる。
酸化鉛50〜80質量%、酸化ホウ素5〜20質量%、酸化ケイ素10〜25質量%、酸化カルシウム5質量%を有する混合物からなるガラスフリット100質量部に対して、アクリル樹脂10〜40質量部と、トルエン(溶剤)20〜80質量部とを主成分とする材料を混合することにより得ることができる。即ち、本発明の誘電体前駆層形容塗工液は、上記ガラスフリット、バインダ樹脂、溶剤および必要に応じて添加する任意成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、サンドミル等の混練・分散機を用いて混練、混合することにより調製することができる。得られる誘電体前駆層形容塗工液の粘度としては、0.3〜30Pa.sであることが好ましい。
上記誘電体前駆層形成用塗工液を、透明支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい塗膜を効率よく形成することができる方法であることが好ましく、例えば、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ワイヤーコーター、ダイコーターによる塗布方法、特にロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ダイコーターによる塗布方法を挙げることができる。誘電体前駆層の膜厚は20〜100μm、好ましくは50〜100μmが良い。
上記誘電体前駆層の表面には、一般に、剥離シートが設けられる。剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
このようにして得られる本発明のPDP用誘電体前駆層転写フィルムは、図2に示すように、PDPのガラス基板21の表面に貼り合わされて使用される。本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの誘電体前駆層をガラス基板に転写し、焼成することにより形成された誘電体層を有する本発明のプラズマディスプレイパネルの例が、前記の図2に示されている。ガラス基板22にも、本発明の誘電体層を設けても良い。
本発明の転写フィルムによってガラス基板上に形成された誘電体層は、クレータの発生がなく、高い透明性を有するので、このような誘電体層を有するプラズマディスプレイパネルは、表示欠陥(輝度ムラ等)の発生がほとんど見られない。
上記転写工程は例えば次のように行うことができる。必要に応じて使用される転写フィルムの剥離シートを剥離した後、ガラス基板の表面(電極固定面)に、誘電体前駆層の表面が接触するように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラ等により熱圧着した後、誘電体前駆層から透明支持フィルムを剥離除去する。これにより、ガラス基板の表面に誘電体前駆層が転写される。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が80〜110℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの移動速度が0.5〜10.0m/分を挙げることができる。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜60℃とすることができる。
誘電体前駆層の焼成工程は、例えば誘電体前駆層が形成されたガラス基板を、高温雰囲気下に配置することにより、誘電体前駆層中に含有されている有機物質(例えばバインダ樹脂、残存溶剤、各種の添加剤)が分解等によって除去され、無機物質であるガラスフリットが溶融して焼結する。これにより、ガラス基板上には、ガラス焼結体の誘電体層が形成される。焼成温度としては、誘電体前駆層の構成物質によっても異なるが、一般に400〜700℃である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(誘電体前駆層転写フィルムの作製)
ガラスフリットとして、鉛硼珪酸系ガラス(酸化鉛67質量%、酸化ホウ素3質量%、他は酸化ケイ素及び酸化カルシウム;DTA転移点:460℃;DTA軟化点:569℃)60質量部と、アクリル酸エステル共重合体(樹脂分55質量%、トルエン40質量%、酢酸エチル5質量%;重量平均分子量:100000)(バインダ樹脂)40質量部と、トルエン(溶剤)20質量部とを混練することにより、粘度1500cpのペースト状の誘電体前駆層形成用塗工液を調製した。
次いで、図1に示す様な装置を用いて調製されたペースト状誘電体前駆層形成用塗工液を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から5m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度80℃)に接触させて加熱し、60秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。30秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を60秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚65μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は60℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
(誘電体前駆層の転写)
6インチパネル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、誘電体前駆層の表面が接触するよう上記転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラにより熱圧着した。圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を1m/分とした。熱圧着処理の終了後、誘電体前駆層から透明支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガラス基板の表面に膜形成材料層が転写された。この誘電体前駆層の膜厚を測定したところ前記と同様65μmであった。
(誘電体層の形成)
転写された誘電体前駆層を室温から10℃/分の昇温速度で600℃まで昇温し、600℃の温度雰囲気下50〜60分間に亘って焼成処理することにより、ガラス基板の表面に、ガラス焼結体の誘電体層を形成した。この誘電体層の膜厚を測定したところ30μmであった。
[実施例2]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から10m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度90℃)に接触させて加熱し、30秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。15秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を30秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚80μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は80℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
[実施例3]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から8m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度90℃)に接触させて加熱し、36秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。18秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を36秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚70μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は75℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
[実施例4]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から9m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度90℃)に接触させて加熱し、33秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。17秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を33秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚85μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は78℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
[比較例1]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から20m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度50℃)に接触させて加熱し、15秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。8秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を15秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚50μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は45℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
[比較例2]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から20m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度60℃)に接触させて加熱し、15秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。8秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度100℃)を15秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚70μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は40℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
[比較例3]
誘電体前駆層転写フィルムの作製において、実施例1でペースト状組成物(塗工液)を用いて透明支持フィルム上に誘電体前駆層を以下のように形成した。
予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの透明支持フィルム(幅200mm,長さ30m,厚さ38μm)を、送り出しロール11から18m/分の速度で送り出し、加熱ロール13(スチール製、直径20cm;温度70℃)に接触させて加熱し、18秒後に加熱された透明支持フィルム12の表面にナイフコーター14により支持ロール15で支持されながらプラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための前記ペースト状の塗工液16を塗工した。10秒後に、塗工された透明支持フィルムを、乾燥炉17(温度110℃)を18秒で通過して乾燥し、透明支持フィルム上に誘電体前駆層(膜厚60μm)を形成した。尚、塗工時の透明支持フィルムの表面温度は60℃であった。これにより、誘電体前駆層転写フィルムの作製を得た。
(誘電体層の評価)
(1)表面欠陥個数(個/1cm角)
実施例及び比較例で形成された誘電体層について、断面及び表面を走査型電子顕微鏡で観察し、全てのパネル材料に形成された誘電体層においてクレータ個数(表面欠陥個数)を目視で数えた。
(2)透過率(%)
JIS−K−7105−1987に従い測定した。測定波長は400〜700nmであった。測定器は(U4000、日立(株)製)を使用した。
得られた試験結果を表1に示す。
Figure 2006181423
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法の好ましい1例を説明するための概略断面図である。 従来及び本発明のプラズマディスプレイパネルの構成を示す概略断面図である。
符号の説明
11 送り出しロール
12 透明支持フィルム
13 加熱ロール
14 コーター
15 支持ロール
16 誘電体前駆層形成用塗工液
16A 誘電体前駆層
17 乾燥炉
18 案内ロール
19 巻き取りロール
9 送りロール
10 剥離シート

Claims (12)

  1. 走行する透明支持フィルムの表面上に、プラズマディスプレイパネル用誘電体層の前駆層を形成するための塗工液を塗工し、次いで乾燥して誘電体前駆層を形成するプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法において、
    前記誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する前に、前記走行する透明支持フィルムを、75℃以上で接触加熱すること特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  2. 前記走行する透明支持フィルムの75℃以上での接触加熱を、前記走行する透明支持フィルムに75℃以上に加熱された回転するロールに接触させることにより行う請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  3. 前記加熱温度を75〜120℃の温度範囲で行う請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  4. 前記乾燥を80〜130℃の温度範囲で行う請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  5. 透明支持フィルムの表面上への誘電体前駆層形成用塗工液の塗工を、加熱後90秒以内に行う請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  6. 誘電体前駆層形成用塗工液を塗工する際の透明支持フィルムの表面温度が50〜90℃である請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  7. 誘電体前駆層の層厚が、50〜100μmである請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  8. 誘電体前駆層形成用塗工液が、ガラスフリット、バインダ樹脂及び溶剤を含み、該溶剤の内50質量%以上がトルエンである請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  9. 透明支持フィルムの材料が、ポリエチレンテレフタレートである請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの製造方法により得られるプラズマディスプレイパネル用誘電体層転写フィルム。
  11. 請求項10に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体前駆層転写フィルムの誘電体前駆層をガラス基板に転写し、焼成することにより形成された誘電体層を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  12. 誘電体層の厚さが、20〜60μmである請求項11に記載のプラズマディスプレイパネル。
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