JP2006179439A - 負極および電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】初回充放電効率およびサイクル特性を向上させることができる電池およびそれに用いる負極を提供する。
【解決手段】負極活物質層12は、負極活物質と、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含んでいる。第1の重合体により、負極集電体11と負極活物質層12との密着性が向上している。また、第2の重合体により、負極活物質の表面が被覆されている。これにより、サイクル特性の低下が抑制されつつ、初回充放電効率が改善されるようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】負極活物質層12は、負極活物質と、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含んでいる。第1の重合体により、負極集電体11と負極活物質層12との密着性が向上している。また、第2の重合体により、負極活物質の表面が被覆されている。これにより、サイクル特性の低下が抑制されつつ、初回充放電効率が改善されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、重合体を含む負極、およびそれを用いた電池に関する。
携帯電話あるいは携帯情報端末などの携帯型電子機器の電源として、電池が重要な位置を占めている。これらの電子機器では、更なる小型軽量化が要求され、電池についても軽量化が求められており、また、機器内の収納スペースを効率的に利用できる形状等にすることが求められている。このような要求に応える電池としては、例えば、エネルギー密度あるいは出力密度の大きなリチウムイオン二次電池が最も適格である。
このリチウムイオン二次電池では、電子機器の高性能化に伴い更なる電池特性の向上が求められている。このときに問題となるのが、負極において電解質が分解してサイクル特性などの電池特性が低下してしまうことである。負極周辺は、充電状態において強い還元雰囲気に曝されており、電解質と非常に反応し易くなっているからである。
従来のリチウムイオン二次電池では、電解質の分解により負極表面に不働態被膜が形成され、準安定な状態となっている。ところが、この不働態被膜は、主として初回充電時に形成されるので、ある程度の電荷量が必要であり、電池容量を低下させる原因となっていた。例えば、通常負極活物質として使用される炭素材料のリチウム吸蔵放出能力を調べると、対極としてリチウム金属を用いた試験電極の場合、初回充電容量に対する初回放電容量は低く、初回充放電効率[(初回放電容量/初回充電容量)×100(%)]は、80%〜95%であった。すなわち、負極活物質の充填量に対して、使用できる容量が低く、無駄が多くなっていた。
そこで、従来は、主溶媒よりも貴な還元電位を有する1種以上の非水溶媒、例えば、炭酸ビニレンあるいはその誘導体を添加剤として添加して充電することにより、負極に不働態被膜を形成し、負極電位を主溶媒が還元分解されない電位に保つことが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−325988号公報
しかしながら、このように添加剤を添加して電気化学的に不働態被膜を形成する場合においても、不働態被膜の形成には必ず電荷量が必要である。また、電解質における添加剤の濃度分布が不均一になるので、均一な不働態被膜を形成するのが難しく、しかも、添加剤の品質により不働態被膜の状態が異なってしまうという問題があった。更に、副反応として、正極において添加剤が酸化分解されてしまうという問題や、余分な充電工程が必要になる、または、添加剤の分だけコストが高くなるという問題もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性の低下を抑制しつつ、初回充放電効率を向上させることができる電池およびそれに用いる負極を提供することにある。
本発明の負極は、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含むものである。
本発明の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含むものである。
本発明の負極によれば、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体を含むようにしたので、負極集電体と、負極活物質層との接着性を向上させることができる。また、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体を含むようにしたので、負極活物質の表面を被覆することができる。よって、この負極を用いた電池によれば、電気伝導性の低下を抑制することができると共に、電解質の分解反応を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができる。また、第2の重合体により予め負極活物質を被覆しているので、被膜形成のために使用する電荷量を低減することができ、初回充放電効率を向上させることができる。
更に、第1の重合体と、第2の重合体との質量比を8:2〜6:4の範囲内にするようにすれば、サイクル特性および初回充放電効率をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る負極10の構成を表したものである。負極10は、例えば、一対の対向面を有する負極集電体11と、負極集電体11の片面に設けられた負極活物質層12とを有している。なお、図示しないが、負極集電体11の両面に負極活物質層12を設けるようにしてもよい。
負極集電体11は、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有することが好ましく、銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。特に、銅は高い電気伝導性を有するので好ましい。
負極活物質層12は、例えば、負極活物質として、リチウム(Li)などを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでいる。リチウムなどを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素,易黒鉛化炭素,黒鉛類,熱分解炭素類,コークス類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,活性炭およびカーボンブラックなどの炭素材料のいずれか1種または2種以上を用いることができる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化スズなどが挙げられ、高分子材料としては、ポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムなどを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムなどを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成可能なマグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモン(Sb),およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
負極活物質層12は、また、第1の重合体と、この第1の重合体よりも重量平均分子量が小さい第2の重合体を含んでいる。第1の重合体は、結着剤として機能し、負極集電体11と負極活物質層12との接着性を向上させ、電気伝導性の低下を抑制するものであり、また、第2の重合体は、負極活物質の表面を被覆し、電解質の分解反応を抑制するものである。これにより、例えば、電池において、サイクル特性が向上するようになっている。また、電池の組み立て時において、第2の重合体により負極活物質が予め被覆されているので、被膜形成のために使用する電荷量が低減され、初回充放電容量が向上するようになっている。
第1の重合体の重量平均分子量は、55万以上であることが好ましい。低いと接着性が低下してしまうからである。第2の重合体の重量平均分子量は、1000以上40万以下の範囲内であることが好ましい。この範囲よりも高いと、負極活物質の表面を被覆する効果が低下してしまい、またこの範囲よりも低いと、電気化学的に不安定になり表面を被覆する効果が低下してしまうからである。
これらの重合体としては、ポリフッ化ビニリデン,フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,ポリクロロトリフルオロエチレン、あるいはポリフッ化ビニルなどのフッ素を含む重合体が好ましく挙げられ、中でも、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体が好ましい。リチウムイオン導電性を有すると共に、電池内での安定性が高いからである。結着剤には1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよく、また、第1の重合体と、第2の重合体とは、同種であっても、異種であってもよい。
また、第2の重合体は、融点以上の温度で加熱されて溶融していることが好ましい。これにより、流動性が発現して負極活物質を均一に被覆することができ、より高い効果が得られるからである。
第1の重合体と、第2の重合体との質量比は、8:2〜6:4の範囲内であることが好ましい。この範囲内で初回充放電効率およびサイクル特性をより向上させることができるからである。
負極10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、負極材料と、第1の重合体と、第2の重合体とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーを作製する。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し、乾燥させて溶剤を除去したのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層12を形成する。その際、例えば、第2の重合体の融点以上の温度で加熱して、この重合体を溶融する。これにより、図1に示した負極10が得られる。
この負極10は、例えば、次のようにして二次電池に用いられる。
(第1の二次電池)
図2はその二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶21の内部に、帯状の正極31と帯状の負極10とがセパレータ32を介して積層し巻回された巻回電極体30を有している。電池缶21は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶21の内部には、液状の電解質である電解液が注入され、セパレータ32に含浸されている。また、巻回電極体30を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板22,23がそれぞれ配置されている。
図2はその二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶21の内部に、帯状の正極31と帯状の負極10とがセパレータ32を介して積層し巻回された巻回電極体30を有している。電池缶21は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶21の内部には、液状の電解質である電解液が注入され、セパレータ32に含浸されている。また、巻回電極体30を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板22,23がそれぞれ配置されている。
電池缶21の開放端部には、電池蓋24と、この電池蓋24の内側に設けられた安全弁機構25および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)26とが、ガスケット27を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶21の内部は密閉されている。電池蓋24は、例えば、電池缶21と同様の材料により構成されている。安全弁機構25は、熱感抵抗素子26を介して電池蓋24と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板25Aが反転して電池蓋24と巻回電極体30との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子26は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット27は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体30は、例えば、センターピン33を中心に巻回されている。巻回電極体30の正極31にはアルミニウムなどよりなる正極リード34が接続されており、負極10にはニッケルなどよりなる負極リード35が接続されている。正極リード34は安全弁機構25に溶接されることにより電池蓋24と電気的に接続されており、負極リード35は電池缶21に溶接され電気的に接続されている。
図3は図2に示した巻回電極体30の一部を拡大して表すものである。負極10は上述した構成を有している。これにより、初回充放電効率およびサイクル特性が向上するようになっている。なお、図3では、負極活物質層12は、負極集電体11の両面に形成されているように表されている。
正極31は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体31Aの両面あるいは片面に正極活物質層31Bが設けられた構造を有している。正極集電体31Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層31Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて人造黒鉛あるいはカーボンブラックなどの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウムリン酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるリチウム複合酸化物あるいはリチウムリン酸化物が好ましい。なお、式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、例えば、コバルト,ニッケル,マンガン,鉄,アルミニウム,バナジウム(V)およびチタンのうちの少なくとも1種が好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10の範囲内の値である。Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,LiNi0.5 Co0.5 O2 ,LiNi0.5 Co0.3 Mn0.2 O2 、あるいはスピネル型結晶構造を有するLiMn2 O4 などが挙げられる。また、Liy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物の具体例としては、LiFePO4 ,LiFe0.5 Mn0.5 PO4 などが挙げられる。
セパレータ32は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ32には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,1,3−ジオキソール−2−オン,γ−ブチロラクトン,スルホラン,メチルスルホラン,炭酸ジエチル,炭酸ジメチルあるいは炭酸エチルメチルなどが挙げられる。溶媒には、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩には、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 H5 )4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrが用いられる。これらは単独で使用してもよく、複数種を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、上述したようにして負極10を作製する。次いで、例えば、正極材料と、必要に応じて導電剤および結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーを作製する。次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体31Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより正極活物質層31Bを形成し、正極31を作製する。
続いて、正極集電体31Aに正極リード34を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体11に負極リード35を溶接などにより取り付ける。そののち、正極31と負極10とをセパレータ32を介して積層して巻回し、正極リード34の先端部を安全弁機構25に溶接すると共に、負極リード35の先端部を電池缶21に溶接して、巻回した正極31および負極10を一対の絶縁板22,23で挟み電池缶21の内部に収納する。次いで、例えば、電解質を電池缶21の内部に注入し、セパレータ32に含浸させる。そののち、電池缶21の開口端部に電池蓋24,安全弁機構25および熱感抵抗素子26をガスケット27を介してかしめることにより固定する。これにより、図2および図3に示した二次電池が形成される。
この二次電池では、充電を行うと、正極活物質層31Bからリチウムイオンが放出され、電解質を介して、負極活物質層12に吸蔵される。次いで、放電を行うと、負極活物質層12からリチウムイオンが放出され、電解質を介して、正極活物質層31Bに吸蔵される。この二次電池では、負極10に上述した第1の重合体と、第2の重合体を含むようにしたので、第1の重合体により、負極集電体11と負極活物質層12との接着性が保たれると共に、第2の重合体により、負極活物質が被覆されており、電解質の分解反応が抑制される。
このように本実施の形態に係る負極10によれば、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体を含むようにしたので、負極集電体11と、負極活物質層12との接着性を向上させることができる。また、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体を含むようにしたので、負極活物質の表面を被覆することができる。よって、この負極10を用いた本実施の形態に係る二次電池によれば、電気伝導性の低下を抑制することができると共に、電解質の分解反応を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができる。また、第2の重合体により予め負極活物質を被覆しているので、被膜形成のために使用する電荷量を低減することができ、初回充放電効率を向上させることができる。
更に、第1の重合体と、第2の重合体との質量比を8:2〜6:4の範囲内にするようにすれば、サイクル特性および初回充放電効率をより向上させることができる。
(第2の二次電池)
図4は、第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード41および負極リード42が取り付けられた巻回電極体40をフィルム状の外装部材50の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
図4は、第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード41および負極リード42が取り付けられた巻回電極体40をフィルム状の外装部材50の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード41,負極リード42は、それぞれ、外装部材50の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード41および負極リード42は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材50は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材50は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体40とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材50と正極リード41および負極リード42との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム51が挿入されている。密着フィルム51は、正極リード41および負極リード42に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材50は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図5は、図4に示した巻回電極体40のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体40は、正極43と負極10とをセパレータ44および電解質層45を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ46により保護されている。
正極43は、正極集電体43Aの片面あるいは両面に正極活物質層43Bが設けられた構造を有している。負極10は、負極集電体11の片面あるいは両面に負極活物質層12が設けられた構造を有しており、負極活物質層12の側が正極活物質層43Bと対向するように配置されている。正極集電体43A,正極活物質層43B,およびセパレータ44の構成は、それぞれ上述した正極集電体31A,正極活物質層31B,およびセパレータ32と同様である。
電解質層45は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層45は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液(すなわち溶媒および電解質塩など)の構成は、図2に示した円筒型の二次電池と同様である。高分子化合物は、例えばポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極43および負極10のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層45を形成する。そののち、正極集電体43Aの端部に正極リード41を溶接により取り付けると共に、負極集電体11の端部に負極リード42を溶接により取り付ける。次いで、電解質層45が形成された正極43と負極10とをセパレータ44を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ46を接着して巻回電極体40を形成する。最後に、例えば、外装部材50の間に巻回電極体40を挟み込み、外装部材50の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード41および負極リード42と外装部材50との間には密着フィルム51を挿入する。これにより、図4および図5に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極43および負極10を作製し、正極43および負極10に正極リード41および負極リード42を取り付けたのち、正極43と負極10とをセパレータ44を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ46を接着して、巻回電極体40の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材50で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材50の内部に収納する。続いて、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物とを用意し、外装部材50の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装部材50の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次いで、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層45を形成し、図4に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池は、第1の二次電池と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
図4および図5に示した二次電池を作製した。まず、負極活物質である人造黒鉛95質量部と、重合体5質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、銅箔よりなる負極集電体11に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型し、更にオーブンにより真空中、200℃で1時間加熱処理して負極活物質層12を形成し、負極10を作製した。その際、重合体には第1の重合体と第2の重合体とを用い、第1の重合体は、重量平均分子量が55万,57万または59万のポリフッ化ビニリデンとした。第2の重合体は、1000,28万または40万のポリフッ化ビニリデンとした。第1の重合体と、第2の重合体とは、第1の重合体:第2の重合体=7:3の質量比で配合した。また、重量平均分子量は、各重合体の粉末をジメチルアセトアミドに0.2質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製;8010シリーズ、カラムTSK−GEL GMHXL、直径7.8mm、長さ300mm、直列2本;温度40℃、流速0.8ml/min.)を用いて測定した。そののち、負極集電体11の一端にニッケル製の負極リード42を取り付けた。
図4および図5に示した二次電池を作製した。まず、負極活物質である人造黒鉛95質量部と、重合体5質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、銅箔よりなる負極集電体11に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型し、更にオーブンにより真空中、200℃で1時間加熱処理して負極活物質層12を形成し、負極10を作製した。その際、重合体には第1の重合体と第2の重合体とを用い、第1の重合体は、重量平均分子量が55万,57万または59万のポリフッ化ビニリデンとした。第2の重合体は、1000,28万または40万のポリフッ化ビニリデンとした。第1の重合体と、第2の重合体とは、第1の重合体:第2の重合体=7:3の質量比で配合した。また、重量平均分子量は、各重合体の粉末をジメチルアセトアミドに0.2質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製;8010シリーズ、カラムTSK−GEL GMHXL、直径7.8mm、長さ300mm、直列2本;温度40℃、流速0.8ml/min.)を用いて測定した。そののち、負極集電体11の一端にニッケル製の負極リード42を取り付けた。
また、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成してリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。このLiCoO2 と、導電剤である黒鉛と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとしたのち、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体43Aに均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層43Bを形成し、正極43を作製した。その際、LiCoO2 と、黒鉛と、ポリフッ化ビニリデンとは、LiCoO2 :黒鉛:ポリフッ化ビニリデン=91:6:10の質量比で混合した。そののち、正極集電体43Aの一端にアルミニウム製の正極リード41を取り付けた。
続いて、溶媒である炭酸エチレンと炭酸プロピレンとを、炭酸エチレン:炭酸プロピレン=6:4の質量比で混合した混合溶媒に、電解質塩であるLiPF6 を0.7mol/kgとなるように溶解して電解液を作製した。この電解液と、高分子化合物であるフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体と、混合溶剤である炭酸ジメチルとを混合し、溶解させゾル状の前駆溶液を作製した。共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの割合は、6.9質量%とした。
得られた前駆溶液を正極43および負極10のそれぞれにバーコーターを用いて塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル状の電解質層45を形成した。
そののち、電解質層45をそれぞれ形成した正極43と負極10とを、厚み20μmのポリエチレンフィルムからなるセパレータ44を介して積層し、巻回して巻回電極体40を作製した。
得られた巻回電極体40をラミネートフィルムよりなる外装部材50に挟み込み、減圧封入することにより図4および図5に示した二次電池を作製した。
実施例1−1〜1−3に対する比較例1−1として、第1の重合体を重量平均分子量が53万であるポリフッ化ビニリデンとし、第2の重合体を重量平均分子量が700であるポリフッ化ビニリデンとして負極を作製したことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。また、比較例1−2として、第1の重合体を重量平均分子量が54万であるポリフッ化ビニリデンとし、第2の重合体を重量平均分子量が900であるポリフッ化ビニリデンとして負極を作製したことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。また、比較例1−3として、重合体として重量平均分子量が57万であるポリフッ化ビニリデンのみを用いて負極を作製したことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。また、比較例1−4として、第1の重合体を重量平均分子量が60万であるポリフッ化ビニリデンとし、第2の重合体を重量平均分子量が50万であるポリフッ化ビニリデンとして負極を作製したことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。なお、比較例1−1,1−2,1−4では、第1の重合体と第2の重合体とは、第1の重合体:第2の重合体=7:3の質量比で配合した。
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−4の二次電池について、充放電試験を行い、初回充放電効率およびサイクル特性を次のようにして調べた。その際、充電は、23℃で0.5Cの定電流充電を上限4.2Vまで行った後、4.2Vで2時間にわたり定電圧充電を行い、放電は、0.2Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行った。なお、初回充放電効率は、初回(1サイクル目)の充電容量に対する初回(1サイクル目)の放電容量の割合[(初回放電容量/初回充電容量)×100(%)]から求めた。また、サイクル特性は、上述した条件で400サイクル充放電を行い、1サイクル目の放電容量に対する400サイクル目の放電容量維持率[(400サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100(%)]から求めた。それらの結果を表1に示す。なお、0.2C,0.5Cは、理論容量をそれぞれ5時間,2時間で放出しきる電流値である。また、ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量と、融点との関係を表2に示す。融点は、示差走査熱量分析(DSC;differential scanning calorimetry )装置を用い、5℃/min で昇温した際の融解による吸熱ピークとした。
表1から分かるように、負極10に重量平均分子量が55万以上であるポリフッ化ビニリデンと、重量平均分子量が1000以上40万以下であるポリフッ化ビニリデンとを含む重合体を用いた実施例1−1〜1−3によれば、平均分子量がいずれもこれらの範囲外ある重合体を用いた比較例1−1,1−2よりも初回充放電効率およびサイクル特性を向上し、また、重量平均分子量が1000以上40万以下であるポリフッ化ビニリデンを用いていない比較例1−3,1−4よりも初回充放電効率が向上した。また、表2から分かるように、ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が小さくなるについて、融点は低下し、特に40万以下において大きく低下した。この結果から、実施例1−1〜1−3における重量平均分子量が1000以上40万以下であるポリフッ化ビニリデンには、高い流動性が発現して負極活物質が均一に被覆されたと考えられる。
すなわち、負極10に、第1の重合体として重量平均分子量が55万以上であるポリフッ化ビニリデンと、第2の重合体として重量平均分子量が1000以上40万以下であるポリフッ化ビニリデンとを含むようにすれば、サイクル特性の低下を抑制しつつ、初回充放電効率を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−8)
第1の重合体と、第2の重合体との配合比を変化させて負極10を作製したたことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。その際、配合比(質量比)は、第1の重合体:第2の重合体=1:9、2:8、3:7、4:6、5:5、6:4、8:2、9:1とした。なお、第1の重合体は、重量平均分子量が57万であるポリフッ化ビニリデンであり、第2の重合体は、重量平均分子量が28万であるポリフッ化ビニリデンである。
第1の重合体と、第2の重合体との配合比を変化させて負極10を作製したたことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。その際、配合比(質量比)は、第1の重合体:第2の重合体=1:9、2:8、3:7、4:6、5:5、6:4、8:2、9:1とした。なお、第1の重合体は、重量平均分子量が57万であるポリフッ化ビニリデンであり、第2の重合体は、重量平均分子量が28万であるポリフッ化ビニリデンである。
得られた二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして、初回充放電効率およびサイクル特性を調べた。それらの結果を表3に示す。
表3から分かるように、第1の重合体:第2の重合体=8:2〜6:4の範囲内にある実施例2−6,2−7によれば、この範囲外にある実施例2−1〜2−5,2−8よりも初回充放電効率および放電容量維持率について高い値が得られた。
すなわち、第1の重合体と、第2の重合体との質量比は、8:2〜6:4の範囲内が好ましいことが分かった。
(実施例3−1)
第1の重合体および第2の重合体として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用いて負極10を作製したことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。その際、第1の重合体の重量平均分子量は57万とし、第2の重合体の重量平均分子量は28万とした。第1の重合体と第2の重合体との配合比(質量比)は、第1の重合体:第2の重合体=7:3とした。
第1の重合体および第2の重合体として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用いて負極10を作製したことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製した。その際、第1の重合体の重量平均分子量は57万とし、第2の重合体の重量平均分子量は28万とした。第1の重合体と第2の重合体との配合比(質量比)は、第1の重合体:第2の重合体=7:3とした。
実施例3−1に対する比較例3−1として、重合体として重量平均分子量が57万であるフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体のみを用いて負極を作製したことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。
得られた二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして、初回充放電効率およびサイクル特性を調べた。それらの結果を表4に示す。
表4から分かるように、負極10に、他の重合体を用いた場合にも、重量平均分子量が55万以上のものと、重量平均分子量が1000以上40万以下であるものとを含むようにすれば、サイクル特性の低下を抑制しつつ、初回充放電効率を向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、コイン型,シート型,ボタン型あるいは角型などの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または正極および負極を複数積層した積層構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、負極活物質と反応可能であればナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの長周期型周期表における他の1族の元素、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの長周期型周期表における2族の元素、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な正極活物質あるいは溶媒などは、その電極反応物質に応じて選択される。
更に、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液を用いる場合、あるいは電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、これらの電解質に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
10…負極、11…負極集電体、12…負極活物質層、21…電池缶、22,23…絶縁板、24…電池蓋、25…安全弁機構、25A…ディスク板、26…熱感抵抗素子、27…ガスケット、30,40…巻回電極体、31,43…正極、31A,43A…正極集電体、31B,43B…正極活物質層、32,44…セパレータ、33…センターピン、34,41…正極リード、35,42…負極リード、45…電解質層、46…保護テープ、50…外装部材、51…密着フィルム。
Claims (8)
- 重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含むことを特徴とする負極。
- 前記第1の重合体と、第2の重合体との質量比は、8:2〜6:4の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の負極。
- 前記第2の重合体は、融点以上の温度で加熱され溶融したことを特徴とする請求項1記載の負極。
- 前記第1の重合体および第2の重合体のうちの少なくとも一方は、ポリフッ化ビニリデン,フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,ポリクロロトリフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニルからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の負極。
- 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記負極は、重量平均分子量が55万以上である第1の重合体と、重量平均分子量が1000以上40万以下である第2の重合体とを含むことを特徴とする電池。 - 前記第1の重合体と、第2の重合体との質量比は、8:2〜6:4の範囲内にあることを特徴とする請求項5記載の電池。
- 前記第2の重合体は、融点以上の温度で加熱され溶融したことを特徴とする請求項5記載の電池。
- 前記第1の重合体および第2の重合体のうちの少なくとも一方は、ポリフッ化ビニリデン,フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,ポリクロロトリフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニルからなる群のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5記載の電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008140683A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Sony Corp | 電池 |
JP2010225423A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Daikin Ind Ltd | リチウム二次電池の電極合剤用スラリー、電極、その製造方法およびリチウム二次電池 |
WO2011062232A1 (ja) * | 2009-11-18 | 2011-05-26 | 三井化学株式会社 | 電気化学セル用水性ペースト、該水性ペーストを塗布してなる電気化学セル用極板、および該極板を含む電池 |
JP2017073237A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 積水化学工業株式会社 | 電極、リチウムイオン二次電池、電極の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法 |
JP2021072269A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 株式会社Gsユアサ | 電極の製造方法、電極及び蓄電素子 |
-
2004
- 2004-12-24 JP JP2004374332A patent/JP2006179439A/ja active Pending
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