JP2006179333A - 燃料電池の冷却制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の出力特性に応じて冷却液の流量を制御することのできる燃料電池の冷却制御装置1を提供する。
【解決手段】電流センサ7が燃料電池2の取出電流を検出し、電圧センサ8が燃料電池2の出力電圧を検出し、出力特性検出部9が、検出された電流−電圧特性から出力特性として劣化率を算出し、冷却液流量調整部10が、算出された劣化率に基づいてポンプ3の駆動を調整して冷却液の流量を増量させる。
【選択図】図1
【解決手段】電流センサ7が燃料電池2の取出電流を検出し、電圧センサ8が燃料電池2の出力電圧を検出し、出力特性検出部9が、検出された電流−電圧特性から出力特性として劣化率を算出し、冷却液流量調整部10が、算出された劣化率に基づいてポンプ3の駆動を調整して冷却液の流量を増量させる。
【選択図】図1
Description
本発明は燃料電池の冷却液の流量を制御する燃料電池の冷却制御装置に係り、特に燃料電池の出力特性に応じて冷却液の流量を制御する燃料電池の冷却制御装置に関する。
燃料電池システムは、水素ガスなどの燃料ガスと、空気などの酸化剤ガスとを燃料電池に流入させ、電気化学反応によって起電力を発生させている。ところが、燃料電池が劣化するにしたがって出力電圧が低下してしまうので、所望の出力電力を得るためにさまざまな制御を行う必要がある。
従来から、このような燃料電池セルの特性劣化に対応させて制御を行う燃料電池装置の制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、燃料電池の劣化率に対応させて水素極に供給する水素量を増加させることによって、安定した出力電力が得られるようにしている。燃料電池はその劣化の進行に伴い出力電圧の低下を引き起こすが、所望の電力を確保するためには出力電圧が低下している分だけ、より多くの電流を取り出す必要があり、そのために供給する水素量が不足しないように水素の供給量を増加させている。
特開平5−3041号公報
しかしながら、燃料電池の出力電圧が低下するということは、発電効率の低下が生じているということであり、燃料電池の発熱量の増加を意味する。この発熱量の増加にもかかわらず、上述した特許文献1に開示された従来例では、燃料電池を冷却するための制御が行われていない。したがって、燃料電池の温度が上昇し、燃料電池が熱的影響を受けて耐久性が悪化してしまうという問題点があった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池の冷却制御装置は、アノードとカソード間に挟持された電解質膜での電極反応によって発電する燃料電池の冷却系を制御する燃料電池の冷却制御装置において、燃料電池の出力特性を検出する出力特性検出手段と、前記出力特性検出手段によって検出された出力特性に応じて、前記燃料電池に循環させる冷却液の流量を調整する冷却液流量調整手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る燃料電池の冷却制御装置では、出力特性検出手段で検出された出力特性に応じて、燃料電池に循環させる冷却液の流量を調整するので、燃料電池の出力特性が低下して発熱量が増えた場合であっても、冷却液の流量を調整して燃料電池を安定して冷却することができる。これによって発熱量増加による燃料電池の温度上昇を緩和して燃料電池の過温度による損傷を防止することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1は、アノードとカソード間に挟持された電解質膜での電極反応によって発電する燃料電池2と、燃料電池2を冷却するための冷却液を循環させるポンプ3と、循環する冷却液の放熱を行うラジエター4と、冷却液を冷やすためにラジエター4へ冷却風を送るラジエターファン5と、燃料電池2から電流を取り出すパワーマネージャー(PM)6と、燃料電池2からの取出電流の値を計測する電流センサ7と、燃料電池2の出力電圧を計測する電圧センサ8と、燃料電池2の出力特性を検出する出力特性検出部(出力特性検出手段)9と、出力特性検出部9で検出された出力特性に応じて、燃料電池2に循環させる冷却液の流量を調整する冷却液流量調整部(冷却液流量調整手段)10とを備えている。
ここで、燃料電池2は、アノードに燃料ガスである水素ガス(図示しない)を供給し、カソードに酸化剤ガスである空気を供給して、式(1)、(2)に示す電極反応を進行させて電力を発電する。
アノード(水素極):H2→2H++2e- (1)
カソード(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
ポンプ3は、冷却液を燃料電池2からラジエター4へと循環させ、冷却液流量調整部10による回転数の制御によって循環する冷却液の流量を調整する。
ラジエター4は、循環する冷却液をラジエターファン5から送られる冷却風によって冷却している。
パワーマネージャー6は、取出電流の値を指令する取出電流指令に従って、燃料電池2を駆動して取出電流を出力させる。
出力特性検出部9は、電流センサ7で検出された取出電流の値と電圧センサ8で検出された出力電圧の値に基づいて、劣化率や電気抵抗の特性、電流−電圧特性を燃料電池2の出力特性として検出する。
冷却液流量調整部10は、取出電流指令と出力特性検出部9で検出された劣化率などの出力特性とに基づいてポンプ3の駆動回転数を演算し、冷却液の流量を調整している。
次に、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置1による冷却制御処理を説明する。まず、取出電流指令を取得したパワーマネージャー6が燃料電池2を駆動制御して燃料電池2から取出電流を出力させる。このとき、電流センサ7は取出電流の電流値を検出し、電圧センサ8は出力電圧の電圧値を検出している。
そして、出力特性検出部9は電流センサ7で検出された取出電流の電流値と電圧センサ8で検出された出力電圧の電圧値とを取得して、燃料電池2の出力特性として劣化率を算出する。
ここで、出力特性検出部9における劣化率の算出方法を図2に基づいて説明する。図2は燃料電池2の取出電流と出力電圧との関係を示す電流−電圧特性の図である。図2に示すように、燃料電池2の取出電流が大きくなるにしたがって発電効率が低下し、出力電圧が低下する。この電圧低下は燃料電池2の発熱をもたらし、燃料電池2が劣化すると出力電圧はさらに下がり、発熱量をさらに増加させる。ここで、本実施形態では、例えば定格電圧などの所定の電圧をノミナル電圧とし、式(3)に示すようにノミナル電圧と劣化時の電圧との差をノミナル電圧で割り算した値を劣化率と定義して算出する。
劣化率 = (ノミナル電圧−劣化時電圧)÷ノミナル電圧 (3)
式(3)において、劣化時の電圧とは実測された電圧であり、ノミナル電圧とは新品時に想定された電圧である。ただし、本実施形態では出力特性として劣化率を算出しているが、燃料電池2の取出電流の値と出力電圧との値から電気抵抗特性を算出し、この電気抵抗特性に応じて燃料電池2に循環させる冷却液の流量を調整するようにしてもよい。これにより、燃料電池2の電気抵抗が増加して発熱量が増加した場合でも燃料電池2を安定して冷却することができる。また、燃料電池2の電流−電圧特性に応じて燃料電池2に循環させる冷却液の流量を調整するようにしてもよい。これにより、燃料電池2の取出電流に対する出力電圧が低いときには燃料電池2の発電効率が低く発熱量が大きいので、冷却液の流量を増量することによって燃料電池2を安定して冷却することができる。逆に、取出電流に対する出力電圧が高いときには冷却液の流量を減らすことによってポンプ3の消費電力を小さくし、燃料電池2の搭載されている車両の燃費を向上させることができる。
そして、上述したように出力特性検出部9によって劣化率が算出されると、次に冷却液流量調整部10によって冷却液の流量の調整が行われる。ここで、冷却液流量調整部10による冷却液の流量調整処理を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、まず冷却液流量調整部10は出力特性検出部9によって検出された劣化率から、予め設定されている流量補正係数演算テーブル31に基づいて冷却液の流量補正係数を算出する。この流量補正係数演算テーブル31は、劣化率が0のときには補正係数が1となるように設定されており、劣化率が大きくなるのに従って(電圧低下が進むにつれて)補正係数が大きくなるように設定されている。
一方、冷却液流量調整部10は取得した取出電流指令から、予め設定されている基準流量演算テーブル32に基づいて冷却液の基準流量を算出する。ここで、燃料電池2では取出電流が大きくなるほど発熱量が大きくなるので、基準流量演算テーブル32では取出電流が小さい領域では基準流量を小さく設定してポンプ3の消費電力を節約し、取出電流が増加すると基準流量もそれに比例して増えるように設定されている。ただし、取出電流がより小さな領域では基準流量が一定の値になるように設定されている。また、燃料電池2の発電量に基づいて基準流量を設定するようにしても、同様の効果を得ることができる。
こうして基準流量と流量補正係数とが算出されると、基準流量に流量補正係数を掛け合わせて目標流量を演算し、この目標流量から予め設定されているポンプ回転数演算テーブル33に基づいてポンプ3の回転数を算出する。このポンプ回転数演算テーブル33は、冷却流路の圧損とポンプのPQ特性から流量と回転数の関係を求めて作成されている。
このようにしてポンプ3の回転数が算出されると、冷却液流量調整部10による冷却液の流量調整処理は終了し、算出された回転数でポンプ3が運転されて冷却液の流量が調整される。
このように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、出力特性検出部9で検出された出力特性に応じて、燃料電池2に循環させる冷却液の流量を調整するので、燃料電池2の出力特性が低下して発熱量が増えた場合であっても、冷却液の流量を調整して燃料電池2を安定して冷却することができ、これによって発熱量増加による燃料電池2の温度上昇を緩和して燃料電池2の過温度による損傷を防止することができる。また、燃料電池2の入口と出口における冷却液の温度差を抑制できるので、熱応力による歪みの発生を防止して熱的影響による燃料電池2の耐久性の悪化を防止することもできる(請求項1の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、出力特性検出部9が燃料電池2の出力特性として劣化率を検出するので、燃料電池2の劣化が進行した場合でも燃料電池2を安定して冷却することができる。また、燃料電池2の劣化の進行度合いを予め見込んで初期から冷却液の流量を多めに設定する必要がないので、ポンプ3の消費電力を節約することができ、燃料電池を搭載している車両の燃費を向上させることができる(請求項2の効果)。
また、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、出力特性検出部9が燃料電池2の出力特性として電気抵抗特性を検出するようにしたので、燃料電池2の電気抵抗が増加して燃料電池2の発熱量が増加した場合でも燃料電池2を安定して冷却することができる(請求項3の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、出力特性検出部9が燃料電池2の出力特性として電流−電圧特性を検出するようにしたので、燃料電池2の取出電流に対する出力電圧が低いときには冷却液の流量を増量させて燃料電池2を安定して冷却することができ、逆に取出電流に対する出力電圧が高いときには冷却液の流量を減量させてポンプ3の消費電力を小さくし、燃料電池2の搭載されている車両の燃費を向上させることができる(請求項4の効果)。
また、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、冷却液流量調整部10が冷却液の基準流量を設定し、この基準流量に対して出力特性に応じた補正係数を掛けることによって調整流量を決定するので、燃料電池2の出力特性が想定していた特性から変動した場合でも、容易に冷却液の流量を補正できるとともに、冷却に必要な冷却液の流量を正確に補正することができる(請求項7の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置1では、取出電流指令、あるいは燃料電池2の発電量に基づいて基準流量を設定するので、燃料電池2の取出電流や発電量が大きいときには冷却液の基準流量を多く設定して燃料電池2の温度上昇を防止することができ、逆に燃料電池2の取出電流や発電量が小さいときには冷却液の基準流量を少なく設定してポンプ3の消費電力を節約することができる(請求項8の効果)。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。
次に、本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置41は、発熱量演算部11をさらに備えたことが第1の実施形態と異なっている。そして、出力特性検出部9は、電流センサ7で検出された取出電流と電圧センサ8で検出された出力電圧に基づいて、燃料電池2の電流−電圧特性を検出し、検出した電流−電圧特性とノミナルの電流−電圧特性とに基づいて、それらの電圧差を出力特性として出力する。
発熱量演算部11は、出力特性検出部9で検出された電圧差と取出電流指令に基づいて燃料電池2による発熱量の増加分を演算する。
冷却液流量調整部10は、取出電流指令と発熱量演算部11で検出された発熱量の増加分に基づいて、ポンプ3の駆動回転数を演算し、冷却液の流量を調整する。ただし、その他の構成については、第1の実施形態と同様なので詳しい説明は省略する。
次に、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置41による冷却制御処理を説明する。まず、取出電流指令を取得したパワーマネージャー6が燃料電池2を駆動制御して燃料電池2から取出電流を出力させる。このとき、電流センサ7は取出電流の電流値を検出し、電圧センサ8は出力電圧の電圧値を検出している。
そして、出力特性検出部9は電流センサ7で検出された取出電流の電流値と電圧センサ8で検出された出力電圧の電圧値とを取得して、燃料電池2の電流−電圧特性を算出する。そして、実際に検出された電流−電圧特性とノミナルの電流−電圧特性とを比較し、取出電流指令で指定された電流値における電圧差を出力特性として算出する。
次に、この電圧差を取得した発熱量演算部11によって発熱量が演算される。ここで、発熱量演算部11における発熱量の演算方法を図5に基づいて説明する。図5に示すように、燃料電池2から実際に検出された電流−電圧特性とノミナルの電流−電圧特性とを比較し、電圧差ΔVに取出電流指令で指定された電流値を掛けることによって燃料電池2における発熱量の増加分を算出することができる。
こうして発熱量演算部11により発熱量の増加分が算出されると、次に冷却液流量調整部10によって冷却液の流量の調整が行われる。ここで、冷却液流量調整部10による冷却液の流量調整処理を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、まず冷却液流量調整部10は発熱量演算部11によって算出された発熱量の増加分から、予め設定されている流量増量分演算テーブル61に基づいて冷却液の流量増量分を算出する。この流量増量分演算テーブル61は、発熱量の増加分が0のときに流量増量分も0となるように設定されており、発熱量の増加分に比例して流量増量分が変化するように設定されている。
一方、冷却液流量調整部10は取得した取出電流指令から、予め設定されている基準流量演算テーブル62に基づいて冷却液の基準流量を算出する。ここで、燃料電池2では取出電流が大きくなるほど発熱量が大きくなるので、基準流量演算テーブル62では取出電流が小さい領域では基準流量を小さく設定してポンプの消費電力を節約し、取出電流が増加すると基準流量もそれに比例して増えるように設定されている。ただし、取出電流がより小さい領域では基準流量が一定の値になるように設定されている。また、燃料電池2の取出電流と出力電圧とを掛け合わせて発熱量を算出し、この発熱量に基づいて基準流量を設定するようにしても同様の効果を得ることができる。
そして、基準流量と流量増量分とが算出されると、基準流量に流量増量分を加算して目標流量を演算する。ただし、本実施形態では流量増量分を加算して目標流量を演算しているが、第1の実施形態で説明したように流量補正係数を求めて基準流量に掛けることによって目標流量を演算してもよい。
こうして目標流量を算出すると、この目標流量から予め設定されているポンプ回転数演算テーブル63に基づいてポンプ3の回転数を算出する。このポンプ回転数演算テーブル63は、冷却流路の圧損とポンプのPQ特性から流量と回転数の関係を求めて作成されている。そして、ポンプ3の回転数が算出されると、冷却液流量調整部10による冷却液の流量調整処理は終了し、算出された回転数でポンプ3が運転されて冷却液の流量が調整される。
このように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置41では、燃料電池2の出力特性に基づいて燃料電池2の発熱量の増加分を算出し、この発熱量の増加分に基づいて燃料電池2に循環させる冷却液の流量を調整するので、燃料電池2の発熱量が出力特性に依存することを利用して正確に発熱量の増加分を把握することができ、これによって冷却に必要な冷却液の流量を正確に調整することができる(請求項5の効果)。
また、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置41では、冷却液流量調整部10が冷却液の基準流量を設定し、この基準流量に対して出力特性あるいは発熱量の増加分に応じた流量増量分を加算することによって調整流量を決定するので、燃料電池2の出力特性が想定していた特性から変動した場合でも、容易に冷却液の流量を補正できるとともに、冷却に必要な冷却液の流量を正確に補正することができる(請求項6の効果)。また、基準流量に対して発熱量の増加分に応じた補正係数を掛けることによって調整流量を決定しても、同様の効果を得ることができる(請求項7の効果)。
さらに、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置41では、燃料電池2の発熱量に基づいて基準流量を設定するので、燃料電池2の発熱量が大きいときには冷却液の基準流量を多く設定して燃料電池2の温度上昇を防止することができ、逆に燃料電池2の発熱量が小さいときには冷却液の基準流量を少なく設定してポンプ3の消費電力を節約することができる(請求項8の効果)。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71は、燃料電池2の入口における冷却液温度を検出する温度センサ(第1の温度検出手段、入口温度検出手段)12と、燃料電池2の出口における冷却液温度を検出する温度センサ(第2の温度検出手段、出口温度検出手段)13と、冷却液の流量調整量を補正する冷却液流量補正部(冷却液流量補正手段)14をさらに備えたことが第2の実施形態と異なっている。ただし、その他の構成については、第2の実施形態と同様なので詳しい説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態に係る燃料電池の冷却制御装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71は、燃料電池2の入口における冷却液温度を検出する温度センサ(第1の温度検出手段、入口温度検出手段)12と、燃料電池2の出口における冷却液温度を検出する温度センサ(第2の温度検出手段、出口温度検出手段)13と、冷却液の流量調整量を補正する冷却液流量補正部(冷却液流量補正手段)14をさらに備えたことが第2の実施形態と異なっている。ただし、その他の構成については、第2の実施形態と同様なので詳しい説明は省略する。
ここで、温度センサ12は燃料電池2の入口における冷却液温度を検出するように本実施形態では説明しているが、ラジエター4の出口における冷却液温度を検出するようにしてもよい。また、温度センサ13は燃料電池2の出口における冷却液温度を検出するように本実施形態では説明しているが、ラジエター4の入口における冷却液温度を検出するようにしてもよい。
冷却液流量補正部14は、冷却液流量調整部10で算出された冷却液の流量調整量を、燃料電池2の入口と出口における冷却液温度に応じて補正する。
次に、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71による冷却制御処理を説明する。まず、取出電流指令を取得したパワーマネージャー6が燃料電池2を駆動制御して燃料電池2から取出電流を出力させる。このとき、電流センサ7は取出電流の電流値を検出し、電圧センサ8は出力電圧の電圧値を検出している。
そして、出力特性検出部9は電流センサ7で検出された取出電流の電流値と電圧センサ8で検出された出力電圧の電圧値とを取得して、燃料電池2の電流−電圧特性を算出する。そして、実際に検出された電流−電圧特性とノミナルの電流−電圧特性とを比較し、取出電流指令で指定された電流値における電圧差を出力特性として算出する。
次に、発熱量演算部11以降の処理を図8に基づいて説明する。まず、出力特性検出部9から電圧差を取得した発熱量演算部11は、電圧差ΔVに取出電流指令で指定された電流値を掛けることによって燃料電池2における発熱量の増加分を算出する。
そして、冷却液流量調整部10は算出された発熱量の増加分から、予め設定されている流量増量分演算テーブル81に基づいて冷却液の流量増量分を算出する。一方、冷却液流量調整部10は取得した取出電流指令から、予め設定されている基準流量演算テーブル82に基づいて冷却液の基準流量を算出する。
こうして基準流量と流量増量分とが算出されると、次に冷却液流量補正部14は、温度センサ12によって検出された燃料電池2の入口温度から予め設定されている入口温度流量補正テーブル83に基づいて流量補正分を算出する。
ここで、入口温度流量補正テーブル83は、燃料電池2の入口における冷却液の温度が、所定の値よりも高くなると補正流量を出力するように設定されている。
同様にして温度センサ13によって検出された燃料電池2の出口温度から予め設定されている出口温度流量補正テーブル84に基づいて流量補正分を算出し、さらに温度センサ12によって検出された燃料電池2の入口温度と温度センサ13によって検出された燃料電池2の出口温度との差を求め、予め設定されている温度差流量補正テーブル85に基づいて流量補正分を算出する。出口温度流量補正テーブル84は、入口温度流量補正テーブル83と同様に、冷却液の温度が所定の値よりも高くなると補正流量を出力するように設定されている。また、温度差流量補正テーブル85は出口と入口の温度差が、所定の値よりも高くなると補正流量を出力するように設定されている。
こうして各流量補正分が算出されたら、冷却液流量補正部14はこれらの流量補正分のうち最も大きな流量補正分を補正流量として出力する。そして、冷却液流量調整部10は、基準流量に流量増量分及び流量補正分を加算して目標流量を演算し、この目標流量から予め設定されているポンプ回転数演算テーブル86に基づいてポンプ3の回転数を算出する。ポンプ3の回転数が算出されると、冷却液流量調整部10による冷却液の流量調整処理は終了し、算出された回転数によりポンプ3が運転されて冷却液の流量が調整される。
このように、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71では、燃料電池2の入口あるいはラジエター4の出口における冷却液の温度に基づいて、冷却液流量調整部10によって調整された冷却液の流量を補正するので、ラジエター4による放熱が不足して燃料電池2の入口あるいはラジエター4の出口の冷却液温度が上昇した場合に、冷却液の流量を増量させてラジエター4の放熱量を増加させ、冷却液温度の上昇を緩和することができる。これにより、燃料電池2の過温度による損傷を防止することができる(請求項9の効果)。
また、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71では、燃料電池2の出口あるいはラジエター4の入口における冷却液の温度に基づいて、冷却液流量調整部10によって調整された冷却液の流量を補正するので、燃料電池2の出力特性に応じた発熱量が想定より大きくなって燃料電池2の出口あるいはラジエター4の入口の冷却液温度が上昇した場合に、冷却液の流量を増量させて冷却液温度の上昇を緩和することができる。これにより、燃料電池2の過温度による損傷を防止することができる(請求項10の効果)。
また、本実施形態の燃料電池の冷却制御装置71では、燃料電池2の入口と出口における冷却液の温度差に基づいて、冷却液流量調整部10によって調整された冷却液の流量を補正するので、燃料電池2の出力特性に応じた発熱量が想定とずれた場合に、冷却液の流量を増量させて燃料電池2の入口と出口における冷却液の温度差を抑制することができ、これによって燃料電池2の熱応力による歪みの発生を防止することができる(請求項11の効果)。
上記のように、本発明は、第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
燃料電池の冷却液の流量を制御する燃料電池の冷却制御装置に係り、特に燃料電池の出力特性に応じて冷却液の流量を制御するための技術として極めて有用である。
1 燃料電池の冷却制御装置
2 燃料電池
3 ポンプ
4 ラジエター
5 ラジエターファン
6 パワーマネージャー(PM)
7 電流センサ
8 電圧センサ
9 出力特性検出部(出力特性検出手段)
10 冷却液流量調整部(冷却液流量調整手段)
11 発熱量演算部(発熱量演算手段)
12 温度センサ(第1の温度検出手段、入口温度検出手段)
13 温度センサ(第2の温度検出手段、出口温度検出手段)
14 冷却液流量補正部(冷却液流量補正手段)
31 流量補正係数演算テーブル
32、62、82 基準流量演算テーブル
33、63、86 ポンプ回転数演算テーブル
61、81 流量増量分演算テーブル
83、入口温度流量補正テーブル
84 出口温度流量補正テーブル
85 温度差流量補正テーブル
2 燃料電池
3 ポンプ
4 ラジエター
5 ラジエターファン
6 パワーマネージャー(PM)
7 電流センサ
8 電圧センサ
9 出力特性検出部(出力特性検出手段)
10 冷却液流量調整部(冷却液流量調整手段)
11 発熱量演算部(発熱量演算手段)
12 温度センサ(第1の温度検出手段、入口温度検出手段)
13 温度センサ(第2の温度検出手段、出口温度検出手段)
14 冷却液流量補正部(冷却液流量補正手段)
31 流量補正係数演算テーブル
32、62、82 基準流量演算テーブル
33、63、86 ポンプ回転数演算テーブル
61、81 流量増量分演算テーブル
83、入口温度流量補正テーブル
84 出口温度流量補正テーブル
85 温度差流量補正テーブル
Claims (11)
- アノードとカソード間に挟持された電解質膜での電極反応によって発電する燃料電池の冷却系を制御する燃料電池の冷却制御装置において、
燃料電池の出力特性を検出する出力特性検出手段と、
前記出力特性検出手段によって検出された出力特性に応じて、前記燃料電池に循環させる冷却液の流量を調整する冷却液流量調整手段と
を備えたことを特徴とする燃料電池の冷却制御装置。 - 前記出力特性検出手段は、前記燃料電池の出力特性として、燃料電池の劣化率を検出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記出力特性検出手段は、前記燃料電池の出力特性として、燃料電池の電気抵抗の特性を検出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記出力特性検出手段は、前記燃料電池の出力特性として、燃料電池の電流−電圧特性を検出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記出力特性検出手段によって検出された出力特性に基づいて、前記燃料電池の発熱量の増加分を算出する発熱量演算手段をさらに備え、
前記冷却液流量調整手段は、算出された前記発熱量の増加分に基づいて、前記燃料電池に循環させる冷却液の流量を調整することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。 - 前記冷却液流量調整手段は、前記冷却液の基準流量を設定し、この基準流量に対して前記出力特性あるいは前記発熱量の増加分に応じた流量増量分を加算することによって調整流量を決定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記冷却液流量調整手段は、前記冷却液の基準流量を設定し、この基準流量に対して前記出力特性あるいは前記発熱量の増加分に応じた補正係数を掛けることによって調整流量を決定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記基準流量は、前記燃料電池から取り出される取出電流の値を指令する取出電流指令、前記燃料電池の発電量、または前記燃料電池の発熱量のいずれかに基づいて設定されることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の燃料電池の冷却制御装置。
- 前記燃料電池の入口あるいはラジエターの出口における冷却液の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記第1の温度検出手段によって検出された冷却液の温度に基づいて、前記冷却液流量調整手段によって調整された冷却液の流量を補正する冷却液流量補正手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。 - 前記燃料電池の出口あるいはラジエターの入口における冷却液の温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記第2の温度検出手段によって検出された冷却液の温度に基づいて、前記冷却液流量調整手段によって調整された冷却液の流量を補正する冷却液流量補正手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。 - 前記燃料電池の入口における冷却液の温度を検出する燃料電池入口温度検出手段と、
前記燃料電池の出口における冷却液の温度を検出する燃料電池出口温度検出手段と、
前記燃料電池の入口と出口における冷却液の温度差に基づいて、前記冷却液流量調整手段によって調整された冷却液の流量を補正する冷却液流量補正手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の燃料電池の冷却制御装置。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2004
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