JP2014175274A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】FCシステム12では、FC電流に基づく冷媒供給装置80の暫定目標駆動量をFC40の出力制御の選択内容に応じて重み付けした目標駆動量を設定し、前記目標駆動量に基づいて冷媒供給装置80を制御する。前記出力制御の選択内容に応じた重み付けは、暫定目標駆動量が等しい場合、第1制御(電圧可変・電流可変制御)に比べて第2制御(電圧固定・電流可変制御)の目標駆動量を大きくするように行われる。
【選択図】図8
Description
1.全体的な構成の説明
[1−1.全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両10(以下「FC車両10」又は「車両10」という。)の概略全体構成図である。図2は、FC車両10の電力系のブロック図である。図1及び図2に示すように、FC車両10は、燃料電池システム12(以下「FCシステム12」という。)と、走行モータ14(以下「モータ14」という。)と、インバータ16とを有する。
モータ14は、FCユニット18及びバッテリ20から供給される電力に基づいて駆動力を生成し、当該駆動力によりトランスミッション26を通じて車輪28を回転させる。また、モータ14は、回生を行うことで生成した電力(回生電力Preg)[W]をバッテリ20等に出力する(図2参照)。
(1−3−1.全体構成)
図3は、FCユニット18の概略構成図である。FCユニット18は、燃料電池スタック40(以下「FCスタック40」又は「FC40」という。)と、FCスタック40のアノードに対して水素(燃料ガス)を給排するアノード系と、FCスタック40のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス)を給排するカソード系と、FCスタック40を冷却する冷却系41と、セル電圧モニタ42とを備える。
FCスタック40は、例えば、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟み込んで形成された燃料電池セル(以下「FCセル」という。)を積層した構造を有する。
アノード系は、水素タンク44、レギュレータ46、エゼクタ48及びパージ弁50を有する。水素タンク44は、燃料ガスとしての水素を収容するものであり、配管44a、レギュレータ46、配管46a、エゼクタ48及び配管48aを介して、アノード流路52の入口に接続されている。これにより、水素タンク44の水素は、配管44a等を介してアノード流路52に供給可能である。なお、配管44aには、遮断弁(図示せず)が設けられており、FCスタック40の発電の際、当該遮断弁は、ECU24により開とされる。
カソード系は、エアポンプ60、加湿器62、背圧弁64、循環弁66、流量センサ68、70及び温度センサ72を有する。
図3に示すように、冷却系41は、ウォータポンプ80、ラジエータ82、ラジエータファン84及び温度センサ86等を有する。ウォータポンプ80は、FC40内に冷却水(冷媒)を循環させることでFC40を冷却する。FC40を冷却して温度が上昇した冷却水は、ラジエータファン84による送風を受けるラジエータ82で放熱される。温度センサ86は、冷却水の温度(以下「実水温Tw」という。)を検出し、ECU24に出力する。
セル電圧モニタ42は、FCスタック40を構成する複数の単セル毎のセル電圧Vcellを検出する機器であり、モニタ本体と、モニタ本体と各単セルとを接続するワイヤハーネスとを備える。モニタ本体は、所定周期で全ての単セルをスキャニングし、各単セルのセル電圧Vcellを検出し、平均セル電圧及び最低セル電圧を算出する。そして、平均セル電圧及び最低セル電圧をECU24に出力する。
図2に示すように、FC40からの電力(以下「FC電力Pfc」という。)は、インバータ16及びモータ14(力行時)とDC/DCコンバータ22及び高電圧バッテリ20(充電時)とに加え、前記エアポンプ60、前記ウォータポンプ80、前記エアコンディショナ90、降圧型DC−DCコンバータ92、低電圧バッテリ94、アクセサリ96、ECU24及びラジエータファン84に供給される。なお、図1に示すように、FCユニット18(FC40)とインバータ16及びDC/DCコンバータ22との間には、逆流防止ダイオード98が配置されている。また、FC40の発電電圧(以下「FC電圧Vfc」という。)は、電圧センサ100(図2)により検出され、FC40の発電電流(以下「FC電流Ifc」という。)は、電流センサ102により検出され、いずれもECU24に出力される。
バッテリ20は、複数のバッテリセルを含む蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池又はキャパシタ等を利用することができる。本実施形態ではリチウムイオン2次電池を利用している。バッテリ20の出力電圧(以下「バッテリ電圧Vbat」という。)[V]は、電圧センサ104(図2)により検出され、バッテリ20の出力電流(以下「バッテリ電流Ibat」という。)[A]は、電流センサ106により検出され、それぞれECU24に出力される。ECU24は、バッテリ電圧Vbatとバッテリ電流Ibatとに基づいて、バッテリ20の残容量(以下「SOC」という。)[%]を算出する。
DC/DCコンバータ22は、FCユニット18からのFC電力Pfcと、バッテリ20から供給された電力(以下「バッテリ電力Pbat」という。)[W]と、モータ14からの回生電力Pregとの供給先を制御する。
ECU24は、通信線140(図1等)を介して、モータ14、インバータ16、FCユニット18、バッテリ20及びDC/DCコンバータ22を制御する。当該制御に際しては、メモリ(ROM)に格納されたプログラムを実行し、また、セル電圧モニタ42、流量センサ68、70、温度センサ72、86、電圧センサ100、104、電流センサ102、106等の各種センサの検出値を用いる。
エアコンディショナ90は、車両10内部の温度等を調節するものであり、図4に示すように、コンデンサ160、エバポレータ162、ブロアファン164等の部品を有する。図4に示すように、コンデンサ160は、車両10の前側において、冷却系41のラジエータ82及びラジエータファン84の前方に配置される。
次に、車両10(特に、ECU24)における制御について説明する。第1実施形態の車両10では、基本的に、特許文献1、2と同様の制御を行うことができる。以下では、特許文献1、2との相違点、すなわち、FC40の出力制御及びウォータポンプ80の出力制御に着目して説明する。
図5は、第1実施形態におけるFC40の出力制御のフローチャートである。ステップS1において、ECU24は、FCシステム12が低負荷状態であるか否かを判定する。当該判定は、例えば、FCシステム12に要求される負荷(システム負荷Psys)[W]を算出し、システム負荷Psysが、低負荷を判定するための閾値(低負荷判定閾値)を下回るか否かにより行う。
図7には、第1実施形態に係るFC40の出力制御を用いた場合のタイムチャートの例が示されている。なお、図7のうち冷房要求以外の実線は、第1実施形態に係る制御に対応し、破線は、比較例に係る制御に対応する。比較例に係る制御とは、図5においてステップS1、S2、S4のみを用い、ステップS3、S5を用いないものである。
図8は、第1実施形態におけるウォータポンプ80の出力制御のフローチャートである。ステップS11において、ECU24は、第2モード(CVVC制御)を実施中であるか否かを判定する。第2モード(CVVC制御)を実施中でない場合(S11:NO)、第1モード(電圧可変・電流可変制御)を実施中である。
以上説明したように、第1実施形態によれば、第1モード(電圧可変・電流可変制御)の場合よりも第2モード(電圧固定・電流可変制御)の場合の方が、ウォータポンプ80(冷媒供給装置)の駆動量が大きくなるように目標消費電力Pwp_tar(目標駆動量)を設定する(図8、図9参照)。これにより、FC電流Ifcが等しい場合であっても、出力制御の違いに起因するFC40の放熱量Hfcの相違(図6)を補償することが可能となる。従って、FC40の温度変動を抑制することが可能となる。
1.第1実施形態との相違
第2実施形態のハードウェアの構成は、第1実施形態と同様である。以下では、同じ構成要素には、同一の参照符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係るFC車両10では、FC40の出力制御(図11)が、第1実施形態(図5)と異なる。
図11は、第2実施形態におけるFC40の出力制御のフローチャートである。図12は、第2実施形態におけるFC40の出力制御を簡略的に説明する図である。図11のステップS21〜S23は、図5のステップS1〜S3と同様である。
以上のような第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え又はこれに代えて以下の効果を奏することが可能となる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記各実施形態では、FCシステム12をFC車両10に搭載したが、これに限らず、例えば、FC40に対して冷媒を供給するウォータポンプ80等の冷媒供給装置を用いる別の対象に搭載してもよい。例えば、FCシステム12を船舶や航空機等の移動体に用いることもできる。或いは、FCシステム12を、ロボット、製造装置、家庭用電力システム又は家電製品に適用してもよい。
上記各実施形態では、FC40と高電圧バッテリ20を並列に配置し、バッテリ20の手前にDC/DCコンバータ22を配置する構成としたが、これに限らない。例えば、図13に示すように、FC40とバッテリ20を並列に配置し、昇圧式、降圧式又は昇降圧式のDC/DCコンバータ22をFC40の手前に配置する構成であってもよい。或いは、図14に示すように、FC40とバッテリ20を並列に配置し、FC40の手前に昇圧式、降圧式又は昇降圧式のDC/DCコンバータ22aを、バッテリ20の手前にDC/DCコンバータ22を配置する構成であってもよい。或いは、図15に示すように、FC40とバッテリ20を直列に配置し、バッテリ20とモータ14の間にDC/DCコンバータ22を配置する構成であってもよい。
上記各実施形態では、FC40に対して冷媒を供給する装置(冷媒供給装置)としてウォータポンプ80を用いたが、例えば、第1モードと第2モードの相違に着目して冷媒の供給量を調整する観点からすれば、これに限らない。例えば、ウォータポンプ80に加えて又はこれに代えて、FC40に冷媒としての空気を供給する空気供給ファンを冷媒供給装置として用いることもできる。
上記各実施形態では、ストイキ比を調整する手段又は方法として、目標ガス濃度(目標酸素濃度、目標水素濃度)を調整したが、目標濃度の代わりに、目標流量又は目標濃度と目標流量の両方を用いることもできる。
上記各実施形態では、エアコンディショナ90が冷房中であるか否かの判定を用いたが(図5のS3、図11のS23)、その他の特徴(例えば、第1モードと第2モードとでウォータポンプ80の出力を変更する点)に着目すれば、当該判定を用いなくてもよい。
第1実施形態では、図8に示すウォータポンプ80の出力制御を用いたが、その他の特徴(例えば、エアコンディショナ90が冷房中であるか否かの判定を用いる点)に着目すれば、図8に示すウォータポンプ80の出力制御を用いなくてもよい。
22…DC/DCコンバータ(電圧調整装置)
24…ECU(制御装置) 30…負荷
40…燃料電池スタック(燃料電池) 80…ウォータポンプ(冷媒供給装置)
86…温度センサ(冷媒温度検出部) 90…エアコンディショナ
C…補正量
Pwp_tar…目標消費電力(目標駆動量)
Pwp_tar_temp…暫定目標消費電力(暫定目標駆動量)
ΔT…温度差
Claims (4)
- 燃料電池と、
前記燃料電池から電力供給を受ける負荷と、
前記燃料電池に反応ガスを供給するガス供給装置と、
前記燃料電池の出力電圧を調整する電圧調整装置と、
前記燃料電池に対して冷媒を供給する冷媒供給装置と、
前記ガス供給装置、前記電圧調整装置及び前記冷媒供給装置を制御する制御装置と
を備える燃料電池システムであって、
前記制御装置は、前記燃料電池の出力制御として、
前記燃料電池の出力電圧及び出力電流の両方を可変とする第1制御と、
前記燃料電池の出力電圧を固定すると共に、前記反応ガスの供給量を調整することで前記燃料電池の出力電流を可変とする第2制御と
を切り替えて実行し、
さらに、前記制御装置は、
前記燃料電池の出力電流に基づく前記冷媒供給装置の暫定目標駆動量を前記燃料電池の出力制御の選択内容に応じて重み付けした目標駆動量を設定し、
前記目標駆動量に基づいて前記冷媒供給装置を制御し、
前記出力制御の選択内容に応じた重み付けは、前記暫定目標駆動量が等しい場合、前記第1制御に比べて前記第2制御の前記目標駆動量を大きくするように行われる
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池システムは、前記冷媒の実温度を検出する冷媒温度検出部を備え、
前記制御装置は、
前記燃料電池の出力電流に基づき前記冷媒供給装置の暫定目標駆動量を算出し、
前記冷媒の実温度と前記冷媒の目標温度の温度差に応じて前記暫定目標駆動量の補正量を算出し、
前記出力制御の選択内容に応じた重み付けは、前記温度差が等しい場合、前記第1制御に比べて前記第2制御の前記補正量を大きくするように行われる
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1又は2記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池システムは、エアコンディショナを備え、
前記制御装置は、前記エアコンディショナが冷房を行っている場合、前記第2制御の実行を禁止する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1又は2記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池システムは、エアコンディショナを備え、
前記燃料電池の各セルにおける酸化還元反応が進行するため各セルの劣化が進む電圧範囲を酸化還元領域と定義するとき、前記制御装置は、前記エアコンディショナが冷房を行っており且つ前記第2制御を実行する場合、前記燃料電池の目標電圧を、前記酸化還元領域を上回る電圧に固定する
ことを特徴とする燃料電池システム。
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