JP2007294304A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】位相遅れ補償演算のみで流体の圧力変化に必要な流量を演算することで、圧力変化に必要な流量を正確に演算することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、空気及び水素ガスが供給されて発電する燃料電池と、空気を供給するコンプレッサと、コンプレッサが供給する空気の状態量(圧力)を操作する空気圧力弁と、目標圧力演算部31と、目標流量演算部32とを備える。目標圧力演算部31は、燃料電池を搭載した移動体の操作量に対して位相を遅らせる第1の演算を行うことにより流体の目標圧力Rを求める。目標流量演算部32は、移動体の操作量に対して位相を遅らせる第2の演算を行うことにより流体の目標流量Rを求める。なお、目標流量Rの位相は、目標圧力Rの位相よりも進んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体の流量及び圧力を調整することにより出力電力を制御する燃料電池システムに関する。
燃料電池は、水素を含む燃料ガスと酸素を含む空気が供給されて発電する発電装置である。燃料電池へ供給される燃料ガス、空気の流量及び圧力などの状態量は、燃料電池から取り出す電流量(発電負荷)などに基づいて目標値が演算され、この目標値に追従するように制御される。通常、発電負荷と流量や圧力との間には位相の差が存在するが、発電負荷に対して位相の遅れ又は進みを補償する演算を行うことにより、目標流量や目標圧力を求めている。
例えば、特許文献1では、発電負荷から演算される信号に位相進み補償演算を行うことにより目標流量を生成する。発電負荷から演算される信号に位相遅れ補償演算を行うことにより目標圧力を生成している。
また、特許文献2では、発電負荷を基にして求めた目標流量に対して進み要素又は進み遅れ要素を用いて補償を加えることにより目標流量を生成している。
特開平01−144569号公報 特許第2695860号公報
理論上、流体の圧力を変化させるために必要な流体の流量は、圧力の微分を含む演算で求められる。しかしながら、この微分演算は実現できないため、上記の特許文献の例では微分演算の代わりに位相進み補償演算を行っている。一方で、この位相進み補償は微分演算ではないため、圧力変化に必要な流量を正確に演算できないとともに、位相進み補償の特性から演算後の信号が振動的になりやすい。
このような問題に対して、本発明では、位相遅れ補償演算のみで流体の圧力変化に必要な流量を演算することで、圧力変化に必要な流量を正確に演算することを目的とする。
本発明に係わる燃料電池システムは、流体が供給されて発電する燃料電池と、流体を供給する流体供給手段と、流体供給手段が供給する流体の状態量を操作する状態量操作手段と、目標圧力演算手段と、目標流量演算手段とを備える。目標圧力演算手段は、燃料電池を搭載した移動体の操作量に対して位相を遅らせる第1の演算を行うことにより流体の目標圧力を求める。目標流量演算手段は、移動体の操作量に対して位相を遅らせる第2の演算を行うことにより流体の目標流量を求める。なお、目標流量の位相は、目標圧力の位相よりも進んでいる。
本発明によれば、移動体の操作量から目標圧力及び目標流量を生成するために、移動体の操作量の位相を遅らせるだけでよくなる。したがって、位相進み補償演算を行うことなしに目標圧力を実現するのに必要な目標流量を生成することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一の部分には同一の符号を付している。
<燃料電池システム>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係わる燃料電池システム全体の構成を説明する。燃料電池システムは、流体が供給されて発電する燃料電池1と、流体を供給する流体供給手段と、流体供給手段が供給する流体の状態量を操作する状態量操作手段とを少なくとも備える。
燃料電池1は、アノード(燃料極)に水素ガスが供給され、カソード(酸化剤極)に空気が供給され、以下に示す電極反応が進行され発電される。

アノード(燃料極):H2→2H++2e-
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2

アノードへの水素供給は水素タンク2から水素タンク元弁3、減圧弁4、水素供給弁5を通じてなされる。水素タンク2から供給される高圧水素は、オン/オフ弁である減圧弁4により機械的に所定の圧力まで減圧され、開度調整可能な水素供給弁5により燃料電池1での水素圧力が所望の水素圧に制御される。水素循環装置7はポンプ等からなり、アノードで消費されなかった水素を再循環させるために設置されている。アノードの水素圧は、圧力センサ6aで検出した水素圧力をフィードバックして水素供給弁5の開度を調整することによって制御される。水素圧を所望の目標圧力に制御することによって、燃料電池1が消費した分だけの水素が自動的に補われる。
パージ弁8は、(1)水素循環機能を確保するために、水素系内に蓄積した窒素を排出する、(2)セル電圧を回復させるために、ガス流路に詰まった水詰まりを吹き飛ばす、(3)起動時に水素系を水素で置換するために水素系内のガスを排出する、などの機能を備える。
排水素処理装置9は、パージ弁8から排出される水素を可燃濃度未満の水素濃度になるように空気で希釈して本実施形態の外へ排出するか、あるいは水素と空気を反応させて燃焼させることで排出水素濃度を下げる。
カソードへの空気供給はコンプレッサ10により行われる。コンプレッサ10の回転数は、インバータを介してコントローラ30により行われる。加湿装置11は、カソードへ供給する空気を加湿する。カソードの空気圧及び空気流量は、圧力センサ6bで検出した空気圧力と流量センサ6cで検出した空気流量をフィードバックして空気調圧弁12の開度及びコンプレッサ10の回転数によって制御される。圧力センサ6eは大気圧を測定し、温度センサ6dは大気温度を測定する。
燃料電池1を冷却するために供給される冷却水は冷却水流路を循環する。冷却水流路への冷却水の供給は、冷却水ポンプ13により行われる。三方弁16は、冷却水の流路をラジエタ17方向とラジエタバイパス方向に切り替えるか、或いは任意の割合で分流する。ラジエタファン18は、ラジエタ17へ風を通過させて冷却水を冷やす。温度センサ14により燃料電池入口における冷却水の温度が検出され、温度センサ15により燃料電池出口における冷却水の温度が検出される。これらの検出結果に基づいてコントローラ30が三方弁16とラジエタファン18を駆動して、燃料電池1の温度を一定に保つ。なお、コントローラ30は、中央処理装置(CPU)及び周辺インターフェースを有するマイクロコンピュータからなる。
燃料電池1の出力(電流或いは電力)はパワーマネージャー20により取り出される。燃料電池1から取り出された出力は、図示しない移動体(例えば、車両)を駆動するためのモータ等へ供給される。取り出されるときの電圧は電圧センサ21aにより測定され、取り出される電流は電流センサ21bにより測定される。
本発明の実施の形態では、空気系の流量制御及び圧力制御に対して本発明を適用する場合について説明する。しかし、本発明はこれに限定されること無く、燃料電池システムの水素系の制御又は冷却系の制御においても同様に適用することができることは言うまでもない。
具体的には、流体を供給する流体供給手段や流体の状態量を操作する状態量操作手段として、空気を供給するコンプレッサ10、空気調圧弁12を採用した場合について説明する。しかしこれに限定されること無く、水素循環装置7、水素供給弁5、及び冷却水を供給する冷却水ポンプ13、三方弁16などを採用しても構わない。
図2を参照して、図1のコントローラ30の第1の構成例を説明する。コントローラ30は、燃料電池1を搭載した移動体の操作量(例えば、アクセル操作など)に対して位相を遅らせる第1の演算を行うことにより流体(空気)の目標圧力Rを求める目標圧力演算部31(目標圧力演算手段)と、移動体の操作量に対して位相を遅らせる第2の演算を行うことにより流体の目標流量Rを求める目標流量演算部32(目標流量演算手段)とを備える。なお、目標流量Rの位相は、目標圧力Rの位相よりも進んでいる。
目標圧力演算部31は、第1の伝達関数を用いて第1の演算を行う。目標流量演算部32は、第1の伝達関数31bと流体の圧力から目標流量Rまでの圧力流量伝達関数32bとの積からなる第2の伝達関数を用いて第2の演算を行う。
図3を参照して、図1のコントローラ30の第2の構成例を説明する。第2の構成例に係わるコントローラ30は、第1の構成例と同様に、目標圧力演算部31と、目標流量演算部32とを備える。そして、目標圧力演算部31は、第1の伝達関数を用いて第1の演算を行い、目標流量演算部32は、第1の伝達関数31bと流体の圧力から目標流量Rまでの圧力流量伝達関数32bとの積からなる第2の伝達関数を用いて第2の演算を行う。ただし、第1の伝達関数や、圧力流量伝達関数のゲインを変更して、目標圧力に対する目標流量の位相の進み度合いを調整することができる。
たとえば、目標圧力演算部31又は目標流量演算部32は、移動体の操作量が所定の閾値よりも大きい場合、目標圧力Rに対する目標流量Rの位相の進み度合いを大きくし、移動体の操作量が所定の閾値以下である場合、目標圧力Rに対する目標流量Rの位相の進み度合いを小さくすればよい。
あるいは、流体(空気)の温度を検知する温度検知手段として図1の温度センサ6dを備えている場合、目標圧力演算部31又は目標流量演算部32は、温度センサ6dが測定した大気の温度が所定の閾値よりも大きい場合、目標圧力Rに対する目標流量Rの位相の進み度合いを大きくし、大気の温度が所定の閾値以下である場合、目標圧力Rに対する目標流量Rの位相の進み度合いを小さくしてもよい。または、目標流量演算部32は、流体(空気)の温度が高いほど、第2の伝達関数のゲインを小さくしても構わない。
図4を参照して、図1のコントローラ30の第3の構成例を説明する。第3の構成例に係わるコントローラ30は、第1の構成例と同様に、目標圧力演算部31と、目標流量演算部32とを備える。そして、目標流量演算部32は、移動体の操作量に対して位相を遅らせる第2の演算を行うことにより流体(空気)の目標圧力Rを実現するために必要な第1の流量を求める圧力実現流量演算部34(圧力実現流量演算手段)と、燃料電池が発電するために必要な第2の流量を求める発電流量演算部35(発電流量演算手段)と、第1の流量及び第2の流量のうち大きい方を流体(空気)の目標流量Rとする流量選択部36(流量選択手段)とを備える。
なお、燃料電池1、流体供給手段及び状態量操作手段のいずれか2つの間の体積が大きい程、すなわち、燃料電池1、コンプレッサ10、空気調圧弁12のうちのいずれか2つの間の体積が大きい程、圧力実現流量演算部34は、第2の演算で用いる伝達関数のゲインを大きくすることが望ましい。
一方、目標圧力演算部31は、移動体の操作量に基づいて燃料電池1から取り出す目標電力を演算する目標電力演算部33(目標電力演算手段)を備える。目標電力演算部33は、目標圧力Rに対して同位相又は位相の遅れた目標電力を演算する。
次に、図5及び図6を参照して、図1の燃料電池システムにおける流体(空気)の圧力及び流量を制御する方法を説明する。なお、図5及び図6に示す一連の手順は所定時間毎(例えば10ms毎)に実行され、繰り返し実行されるものである。また、ここでは図1の燃料電池システムを車両に搭載した燃料電池自動車を例にとり説明する。
(イ)まず図6のS201段階において、燃料電池1に対する負荷信号Uを決定する。これは例えば、自動車のアクセル操作に応じて決めればよい。
(ロ)次に、S202段階において、S201段階で求めた負荷信号Uに基づいて、発電パラメータPを演算する。この演算は例えば、(1)式に示す2次遅れフィルタを用いて行うことができる。ただし、sはラプラス演算子を示す。

P = ω2 / (s2 + 2ζωs + ω2) U ・・・(1)

ここで、ζとωは図1の燃料電池システムが発電する能力に応じて定めればよい。急峻な負荷変動に対して発電も急峻に行える場合はωを大きくすればよい。ζも同様に急峻な応答をさせたい場合は値を小さくすればよい。オーバーシュートが問題となる場合はζを大きくすればよい。(1)式より、図5のD(s)は(2)式で表される。

D(s)=P / U=ω2 / (s2 + 2ζωs + ω2) ・・・(2)

また、圧力実現流量演算部34が第2の演算において用いる第2の伝達関数の分母の次数が分子の次数以上になるように(2)式の次数を調整することができる。つまり、後述するS204段階の(6)式に示すF1の特性を見ながら(2)式を修正できる。具体的には、(6)式のF1全体の分母の次数が分子の次数以上となるように(2)式のsの次数を決める。つまり、(6)式のF1のsの次数が0以下の数であることが望ましい。さらに、圧力制御の性能をより向上させたい場合は後述する(6)式のF1の分母の次数が分子の次数より大きくなるように(2)式のD(s)を設定すればよい。つまり、(6)式のF1のsの次数が負の数であることが望ましい。このように、D(s)は後述するGfpの分母と分子の次数に応じて調整を行う。
(ハ)S203段階において、S202段階で求めた発電パラメータPに基づいて、燃料電池1が発電するために必要な流体の圧力Rpを演算し目標圧力として記憶する。これは例えば6bの圧力センサで検出される圧力の目標値のことである。以下、空気系についてのみ説明するが、同じ考え方は水素系はもちろん冷却系をはじめ、燃料電池1へ供給される流体全てに適用できることはいうまでもない。ここではたとえば、(2)式に示す1次遅れフィルタを用いて目標圧力を演算すればよい。(3)式より、図5のH(s)は(4)式で表される。

Rp= 1 / (1+Ts) P ・・・(3)
H(s)=1 / (1+Ts) ・・・(4)

ここで、Tは図1の燃料電池システムの圧力の動特性を実験などで調べながら決めればよい。急峻な圧力変化が行える場合はTを小さくすれば良い。もちろん、この値も負荷信号Uに応じて変化させてもよい。このとき、燃料電池1からパワーマネージャー20が取り出す電流の目標値Riも(3)式のTを用いて(5)式としておけば、目標電流Riと目標圧力Rpの位相を合わせることができる。

Ri = α / (1 + Ts) P ・・・(5)

もちろんこれらの位相は必要に応じてずらすこともできる。目標電流Riより目標圧力Rpの位相を進めたい場合は目標圧力Rpを決める時定数をRiを決める時定数よりも小さくすればよい。また必要に応じて発電パラメータPをそのまま目標圧力Rpとしてもよい。この場合はS203段階は省略されることになる。
(ニ)S204段階において、目標流量演算部32は、第2の演算を行うことにより、S203段階で求めた目標圧力Rpを実現するために必要な空気流量(圧力実現流量)を演算する。第2の演算は、第1の伝達関数と流体(空気)の圧力から目標流量までの圧力流量伝達関数との積からなる第2の伝達関数F1を用いて行う。また、第2の演算は、S201段階でもとめた負荷信号Uから演算する。具体的には、図1の流量センサ6cで検出される空気流量の目標値をRfとし、圧力センサ6eで検出する圧力値をYpとし、検出圧力Ypから目標流量Rfまでの伝達関数をGfpとする。圧力実現流量は(6)式として計算すればよい。なお、P、U、RpはS201〜S203段階で述べた変数である。また、Rp / PはS203段階を実行しない場合は省略することができる。

F1 = Gfp ×( P / U )× ( Rp / P ) ・・・(6)

ここで、Gfpは、通常、例えばs+bのような微分を含んだ形で表すことができる。P / Uは(2)式で表され、Rp / P は(4)式で表される。よって、これらの積からなるF1全体として、F1の分母の次数が分子の次数より大きくなり、つまり、F1の次数は負の数(ここでは、−1)となる。このように、圧力流量伝達関数Gfpのみでは、sの次数は2であり、2回の微分演算が必要となるが、(2)式及び(4)式からなる第1の伝達関数とGfpとの積からなるF1を第2の伝達関数とすることにより、第2の伝達関数全体としては1回の積分演算となる。したがって、負荷信号Uから圧力実現流量を生成するために、負荷信号Uの位相を遅らせるだけでよくなる。したがって、位相進み補償演算を行うことなしに目標圧力を実現するのに必要な目標流量を生成することができる。換言すれば、(6)式の第2の伝達関数の分母の次数を分子の次数以上とすることにより、位相進み補償演算を行うことなく、(3)式の目標圧力を実現するのに必要な空気流量を演算することができる。
さらに、Gfpは実験などから求めることができる。例えば圧力センサ6eで検出した圧力値Ypから目標流量Rfまでの伝達関数を実験で求めればよい。求めた伝達関数は必要に応じて、低次元化することもできる。低次元化する際は低次元化する前後で応答が極力かわらないように低次元化した伝達関数をシミュレーション等から求めればよい。
また、Gfpは空気調圧弁12が固定開度としたときの伝達関数として求めればよい。例えば、固定開度は空気調圧弁12が全閉の状態の伝達関数とすればよい。すなわち、目標流量演算部32は、状態操作手段(空気調圧弁12)で操作された流体(空気)の状態量(圧力)が所定値であることを前提とした場合の、圧力流量伝達関数32bを用いればよい。
また、図1の燃料電池システムの空気系の体積が変化する場合にはその体積に応じて圧力実現流量F1を変化させることができる。体積が大きい場合にはゲインをあげ、体積が小さい場合にはゲインを下げるようにすればよい。具体的には、燃料電池1、コンプレッサ10、空気調圧弁12のうちいずれか2つの間の体積が大きい程、圧力実現流量演算部34は、第2の演算で用いる伝達関数のゲインを大きくする。
さらに、F1は図1の燃料電池システムの最低運転温度のときの伝達関数としてもよい。さらに言及すれば、F1は温度センサ14や温度センサ6dなどの値に応じて変化させてもよい。温度が高いときはF1のゲインを下げればよい。温度が低いときにはF1のゲインを上げればよい。
(ホ)S205段階において、流量センサ6cで検出される空気流量の目標値Rfを求める。目標流量Rfは、例えば、S204段階で求めた圧力実現流量とS203段階で求めたパワーマネージャー20が取り出す電流の目標値Riとの関係に基づいて決めればよい。まず、発電流量演算部35は、目標電流Riから発電に必要な空気流量(発電流量F2)を演算する。発電流量F2は、例えば図7に示すようなテーブルから演算すればよい。そして、流量選択部36は、最終的な流量センサ6cで検出される空気流量の目標値Rfを、(7)式から演算する。すなわち、流量選択部36は、(7)式を用いて、第1の流量(圧力実現流量)及び第2の流量(発電流量)のうち大きい方を流体の目標流量Rfとする。ここで、δは目標流量Riから演算される発電により消費される酸素量を示す。

Rf = max ( F2 , F1 +δ) ・・・(7)

このようにして目標流量Rfを演算することで、圧力変化に必要な空気流量(圧力実現流量)及び発電に必要な空気流量(発電流量)は共に必ず確保される。
(ヘ)S206段階において、流体(空気)の状態量を操作するために、コンプレッサ10の回転数及び空気調圧弁12の開度を演算する。これらは、S201段階からS205段階までで求めた目標流量Rfと目標圧力Rpと流量センサ6cで検出された空気流量Yfと圧力センサ6bで検出された空気圧力Ypとから公知の手法を用いて演算することができる。ここで、公知の手法とは例えばPID制御理論などが挙げられる。
必要に応じて流量制御もしくは圧力制御を別々に行うこともできる。さらには、流量制御は流量センサ6cの信号を用いないフィードフォワード制御とすることもできる。圧力制御も同様に必要に応じてフィードフォワード制御とすることもできる。図5は流量制御をフィードフォワード制御、圧力制御をフィードバック制御とした場合を示す。
以上の手順を繰り返し行うことで、発電に必要な空気流量と圧力変化に必要な空気流量を過渡状態も含めて常に必要かつ十分な量を確保することができる。以上の手順は空気系の目標圧力と目標流量生成方法について述べたが他の流体(例えば、燃料ガス系や冷却液系)にも同じことが言えるのはいうまでもない。
図8(a)〜図8(c)を参照して、図6の手順に従ってコンプレッサ10の回転数及び空気調圧弁12の開度を制御した場合における空気の圧力及び流量及び発電電流の時間変化を説明する。前述したように、目標圧力R及び目標電流Rは同位相で変化する。また図7のマップから目標電流Rと発電流量F2も同位相で変化する。一方、(6)式を用いて演算される圧力実現流量は、目標圧力Rに対して位相が進んでいる。
本発明の実施の形態によれば、以下に示す作用効果が得られる。
移動体の操作量から目標圧力R及び目標流量Rを演算するため、移動体の操作量の位相を遅らせるだけでよくなる。また、移動体の操作量に対する目標流量の位相遅れ度合いが目標圧力の位相遅れ度合いよりも小さい。そのため、目標圧力と目標流量を比べると相対的に目標流量の位相が目標圧力よりも進んだ形になるが、全体としては移動体操作量から目標圧力・目標流量ともに位相の遅れた信号となる。したがって、位相進み演算を行うことなしに目標圧力を実現するのに必要な目標流量を生成することができる。
目標流量演算部32には位相を遅らせる目標圧力演算部31の特性(第1の伝達関数)と微分演算が発生する圧力から目標流量までの特性(圧力流量伝達関数)を併せ持つが、この2つの特徴を併せ持つ1つの目標流量演算部32として実装することで、不必要な特性を加えることなく目標流量の演算が実現可能になる。よって、目標流量を演算する時に微分演算を行うことなしに、目標圧力を実現するために必要な目標流量を演算することができる。
(6)式において分母の次数が分子の次数以上であるときに微分演算は発生しないため、第2の伝達関数の次数を0以下にすることにより、微分演算の発生を確実に抑えることができる。よって、目標圧力Rを実現するのに必要な目標流量Rを容易に実現することができる。
移動体の操作量に応じて流体(空気)の圧力・流量を変化させる場合を考える。移動体の操作量が大きい場合には燃料電池1への負荷も大きくなるため、圧力・流量を大きくする必要がある。よって、流量の圧力に対する位相進み具合をより大きくして、圧力変化に必要な流量を供給する必要がある。逆に、移動体操作量が小さい場合は、圧力変化に必要な流量は少なくて済むため、流量の圧力に対する位相進み具合は小さくて済む。そのため、移動体の操作量が大きい場合には流量供給手段(コンプレッサ10及び空気調圧弁12)の動特性を超える目標流量が生成される可能性がある。そこで、過渡的な応答が十分追従できるように、移動体の操作量という自明なパラメータに基づいて位相の遅れを規定する伝達特性を選定する。したがって、移動体の操作量に応じて必要な目標圧力・目標流量を生成することができるので、不必要に流量供給手段等を操作しなくてすみ、発電効率が高くなる。
目標圧力演算部31又は目標流量演算部32は、温度が所定の閾値よりも大きい場合、目標圧力に対する目標流量の位相の進み度合いを大きくし、温度が所定の閾値以下である場合、目標圧力に対する目標流量の位相の進み度合いを小さくする。これにより、温度に応じて必要な目標圧力・目標流量を生成することができるので、不必要に流量供給手段等を操作しなくてすみ、発電効率が高くなる。
目標流量演算部32は、流体の状態量が所定値であることを前提とした場合の圧力流量伝達関数32bを用いる。状態量操作手段の操作量が所定値となっている状態を想定しているので、例えば、空気調圧弁12が所定開度となる状態を想定できる。そのため、空気調圧弁12が全閉になることがなくなり、燃料電池1に内部に常に空気流量を供給できる。したがって、状態量操作手段の操作量を想定して必要な目標圧力・目標流量を生成することができるので、目標圧力に対して目標流量の位相を不必要に進めることがなくなり、発電効率が高くなる。
目標流量演算部32は、流体(空気)の温度が高いほど、第2の伝達関数のゲインを小さくする。流体の温度が高いときほど、同じ質量流量に対する体積流量が大きくなるため、圧力が上がりやすくなる。そのため、高温時にはゲインを小さくして所定圧力における質量流量を少なくすることで所望の圧力になるようにする。流体の状態に応じて適切な目標圧力・目標流量を生成することができるので、目標圧力に対して目標流量の位相を不必要に進めることがなくなり、発電効率が高くなる。
燃料電池1、流体供給手段(コンプレッサ10)及び状態量操作手段(空気調圧弁12)のいずれか2つの間の体積が大きい程、圧力実現流量演算部34は、第2の演算で用いる伝達関数のゲインを大きくする。燃料電池システムの例えば流体流路の体積が大きいときほど、同じ質量流量に対する圧力の上がり方が遅くなるため、ゲインを大きくして所定圧力における質量流量を多くすることで所定の圧力変化を実現できる流量を供給できる。流体の状態に応じて適切な目標圧力・目標流量を生成することができるので、目標圧力に対して目標流量の位相を不必要に進めることがなくなり、発電効率が高くなる。
なお、圧力流量伝達関数は、状態量操作手段(空気調圧弁12)の動特性を含んだ伝達関数行列であることが望ましい。これにより、状態量操作手段の遅れを考慮して目標流量を適切に生成でき、目標圧力を容易に実現できる。
また、圧力流量伝達関数は、流体供給手段(コンプレッサ10)の動特性を含んだ伝達関数行列であることが望ましい。これにより、流体供給手段の遅れを考慮して目標流量を適切に生成でき、目標圧力を容易に実現できる。
燃料電池システムは、目標圧力に対して同位相又は位相の遅れた目標電力を演算する目標電力演算部33をさらに備える。移動体操作量が最も位相の進んだ信号となり、次に目標流量、その次に目標圧力、そして目標圧力と同位相か遅れた信号の目標電力となる。よって、発電に必要な流体を確実に燃料電池へ供給することができ、流体の供給不足による出力低下が発生しない。
上記のように、本発明は、1つの実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。すなわち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の実施の形態に係わる燃料電池システム全体の構成を示すブロック図である。 図1のコントローラの第1の構成例を示すブロック図である。 図1のコントローラの第2の構成例を示すブロック図である。 図1のコントローラの第3の構成例を示すブロック図である。 燃料電池の負荷信号Uから図1の燃料電池システムにおける流体(空気)の圧力及び流量の制御の手順を示すブロック図である。 燃料電池の負荷信号Uから図1の燃料電池システムにおける流体(空気)の圧力及び流量の制御の手順を示すフローチャートである。 パワーマネージャーが取り出す電流の目標値Riと発電流量F2との関係を示すマップである。 図8(a)〜図8(c)は、図6の手順に従ってコンプレッサ10の回転数及び空気調圧弁12の開度を制御した場合における空気の圧力及び流量及び発電電流の時間変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1…燃料電池
2…水素タンク
3…水素タンク元弁
4…減圧弁
5…水素供給弁
6a、6b、6e…圧力センサ
6c…流量センサ
6d…温度センサ
7…水素循環装置
8…パージ弁
9…排水素処理装置
10a…コンプレッサ
10b…インバータ
11…加湿装置
12…空気調圧弁
13…冷却水ポンプ
14…温度センサ
15…温度センサ
16…三方弁
17…ラジエタ
18…ラジエタファン
20…パワーマネージャー
30…コントローラ
31…目標圧力演算部(目標圧力演算手段)
31b…第1の伝達関数
32…目標流量演算部(目標流量演算手段)
32b…圧力流量伝達関数
33…目標電力演算部(目標電力演算手段)
34…圧力実現流量演算部(圧力実現流量演算手段)
35…発電流量演算部(発電流量演算手段)
36…流量選択部(流量選択手段)

Claims (11)

  1. 流体が供給されて発電する燃料電池と、
    前記流体を供給する流体供給手段と、
    前記流体供給手段が供給する流体の状態量を操作する状態量操作手段と、
    前記燃料電池を搭載した移動体の操作量に対して位相を遅らせる第1の演算を行うことにより前記流体の目標圧力を求める目標圧力演算手段と、
    前記移動体の操作量に対して位相を遅らせる第2の演算を行うことにより前記流体の目標流量を求める目標流量演算手段とを備え、
    前記目標流量の位相は、前記目標圧力の位相よりも進んでいる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記目標圧力演算手段は、第1の伝達関数を用いて前記第1の演算を行い、
    前記目標流量演算手段は、前記第1の伝達関数と前記流体の圧力から前記目標流量までの圧力流量伝達関数との積からなる第2の伝達関数を用いて前記第2の演算を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記第2の伝達関数の分母の次数は分子の次数以上であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記目標圧力演算手段又は前記目標流量演算手段は、前記移動体の操作量が所定の閾値よりも大きい場合、前記目標圧力に対する前記目標流量の位相の進み度合いを大きくし、前記移動体の操作量が前記所定の閾値以下である場合、前記目標圧力に対する前記目標流量の位相の進み度合いを小さくすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の燃料電池システム。
  5. 前記流体の温度を検知する温度検知手段を更に備え、
    前記目標圧力演算手段又は前記目標流量演算手段は、前記温度が所定の閾値よりも大きい場合、前記目標圧力に対する前記目標流量の位相の進み度合いを大きくし、前記温度が前記所定の閾値以下である場合、前記目標圧力に対する前記目標流量の位相の進み度合いを小さくすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の燃料電池システム。
  6. 前記目標流量演算手段は、前記状態操作手段で演算された流体の状態量が所定値であることを前提とした場合の前記圧力流量伝達関数を用いることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  7. 前記流体の温度を検知する温度検知手段を更に備え、
    前記目標流量演算手段は、前記流体の温度が高いほど、前記第2の伝達関数のゲインを小さくすることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  8. 前記目標流量演算手段は、
    前記移動体の操作量に対して位相を遅らせる前記第2の演算を行うことにより前記流体の目標圧力を実現するために必要な第1の流量を求める圧力実現流量演算手段と、
    前記燃料電池が発電するために必要な第2の流量を求める発電流量演算手段と、
    前記第1の流量及び前記第2の流量のうち大きい方を前記流体の目標流量とする流量選択手段とを備え、
    前記燃料電池、前記流体供給手段及び前記状態量操作手段のいずれか2つの間の体積が大きい程、前記圧力実現流量演算手段は、前記第2の演算で用いる伝達関数のゲインを大きくすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  9. 前記圧力流量伝達関数は、前記状態量操作手段の動特性を含んだ伝達関数行列であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  10. 前記圧力流量伝達関数は、前記流体供給手段の動特性を含んだ伝達関数行列であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  11. 前記目標圧力演算手段は、前記移動体の操作量に基づいて前記燃料電池から取り出す目標電力を演算する目標電力演算手段を備え、
    該目標電力演算手段は、前記目標圧力に対して同位相又は位相の遅れた目標電力を演算することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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JP2015050106A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 三菱重工業株式会社 制御装置及び方法、それを備えた複合発電システム

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