JP2009110850A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不純物による燃料ガスの純度低下によって燃料ガスが欠乏し、発電が困難となるといった事態を抑制する。
【解決手段】燃料極における燃料ガスの圧力が低下した後に、燃料電池の電圧が判定電圧よりも下がったことを条件として、燃料極に供給されるガスに含まれる燃料ガスの純度低下による燃料ガスの欠乏を判断する。そして、燃料ガスの欠乏が判断された場合には、燃料極における燃料ガスの圧力を増加させる欠乏抑制制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムおよびその制御方法に関する。
従来より、燃料極に燃料ガス(例えば、水素)が供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば、空気)が供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。
例えば、特許文献1には、燃料極から排出される燃料ガスを循環させる循環系を備え、この循環系により未使用な燃料ガスを再利用する燃料電池システムが開示されている。
特開2003−157874号公報
しかしながら、例えば、燃料タンクに充填される燃料ガスの純度が低い、または、燃料ガス中に含まれる不純物が増加した場合には、燃料電池へ供給される燃料ガスの純度が低くなるため(純粋な燃料ガスの濃度が低くなるため)、燃料ガスが欠乏し、発電が困難になるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料極に供給される燃料ガス中の不純物による純度低下によって燃料ガスが欠乏し、発電が困難となるといった事態を抑制することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料極における燃料ガスの圧力が低下した後に、燃料電池の電圧が判定電圧よりも下がったことを条件として、燃料極に供給されるガスに含まれる燃料ガスの純度低下による燃料ガスの欠乏を判断する。そして、燃料ガスの欠乏が判断された場合には、欠乏抑制制御として、燃料極における燃料ガスの圧力を増加させる。
本発明によれば、燃料ガスの欠乏が判断された場合、燃料極における燃料ガスの圧力を増加させることにより、燃料極における燃料ガス濃度を高めることができるので、低下した電圧を回復させることができる。これにより、燃料ガスの欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。なお、同図は、後述する第2以降の実施形態に関する構成要素も含んで描かれている。
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池構造体をセパレータで挟持して、これを複数積層して構成される燃料電池スタック(燃料電池)1を備える。この燃料電池スタック1は、個々の燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、個々の酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、これらの反応ガスを電気化学的に反応させて発電電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。
燃料電池システムには、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系と、燃料電池スタック1を冷却するための冷却系とが備えられている。
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料タンク10(例えば、高圧水素ボンベ)に貯蔵されており、この燃料タンク10から水素供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク10の下流には燃料タンク元バルブ(図示せず)が設けられており、この燃料タンク元バルブが開状態となると、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧バルブ(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素ガスは、減圧バルブよりも下流に設けられた水素調圧バルブ11によってさらに減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。この水素調圧バルブ11は、燃料電池スタック1の燃料極における水素の圧力を調整する圧力調整手段である。
燃料極からの排出ガス(未使用の水素を含むガス)は、燃料電池スタック1から水素循環流路L2に排出される。この水素循環流路L2は、他方の端部が水素調圧バルブ11よりも下流側の水素供給流路L1に接続されており、水素循環流路L2には、例えば、水素循環ポンプ12といったガス循環手段が設けられている。この水素循環ポンプ12を駆動することにより、燃料極からの排出ガスが、水素循環流路L2を通り水素供給流路L1に循環される。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いるケースでは、空気中の不純物が酸化剤極から燃料極に透過するため、燃料極を含む水素循環流路L2内での不純物が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。ここで、不純物は、燃料ガスである水素以外の非燃料ガス成分であり、代表的には窒素を挙げることができる。窒素量が多くなりすぎると、燃料電池スタック1からの出力が低下したりする。そのため、燃料極を含む水素循環流路L2内の窒素量を管理する必要がある。そこで、水素循環流路L2には、流路内の循環ガスを外部に排出するパージ流路L3が設けられている。パージ流路L3には、排出バルブ13が設けられており、この排出バルブ13の開き量を調整することにより、パージ流路L3を介して外部に排出される窒素量を調整することができる。これにより、燃料極および水素循環流路L2内に存在する窒素量が、発電性能を維持できるように管理される。また、水素循環流路L2には、ガス中に含まれる水素を希釈するための希釈ブロア14と、希釈ブロア14によって希釈されたガス中に含まれる水素を燃焼処理する燃焼器15とが設けられている。
空気系において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ20によって取り込まれるとともに加圧され、加圧された空気は、空気供給流路L4を介して燃料電池スタック1に供給される。この空気供給流路L4には、図示しないアフタークーラーや加湿装置が設けられており、コンプレッサ20から供給される空気は、燃料電池スタック1における反応に適した温度まで冷却され、加湿される。酸化剤極からの排出ガス(酸素が消費された空気)は、空気排出流路L5を介して外部に排出される。空気排出流路L5には、燃料電池スタック1へ供給される空気の圧力を調整する空気調圧バルブ21が設けられている。
冷却系は、燃料電池スタック1を冷却する冷却水(熱媒体)が循環する閉ループ状の冷却流路L6を有しており、この冷却流路L6には、冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ30が設けられている。この冷却水循環ポンプ30を動作させることにより、冷却流路L6内の冷却水が循環する。また、冷却流路L6には、ラジエタ31と、このラジエタ31を送風するラジエタファン32が設けられている。燃料電池スタック1の冷却によって温度が上昇した冷却水は、冷却流路L6を経由して、ラジエタ31に流れ、ラジエタ31によって冷却される。冷却された冷却水は、燃料電池スタック1に供給される。冷却流路L6は、燃料電池スタック1内においてその流路が細かく分岐しており、これにより、燃料電池スタック1は、その内部が全体に亘って冷却されるようになっている。冷却水の温度は、例えば、ラジエタファン32の回転数を制御することにより、調整することができる。
燃料電池スタック1には、パワーマネージャ2が接続されている。このパワーマネージャ2は、燃料電池スタック1から電流を取り出し、車両を駆動するモータ(図示せず)へ電力を供給する。
制御部40は、システム全体を制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、燃料電池スタック1の運転状態を制御する。本実施形態との関係において、制御部40は、燃料極における水素の欠乏を判断するとともに、水素の欠乏が判断された場合には、水素の欠乏を抑制する欠乏抑制制御として、燃料極における水素の圧力を増加させる昇圧制御を行う。ここで、水素の欠乏とは、燃料極に供給される燃料ガス自体の量が欠乏した状態を意味するのではなく、燃料極に供給される燃料ガス、すなわち、不純物を含むことによる水素の純度低下に起因した水素の欠乏を意味している。
制御部40としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部40は、システムの状態を参照した上で、制御プログラムに従い各種の演算を行い、この演算結果に基づいて各種のアクチュエータ(図示せず)を制御することにより、水素調圧バルブ11、水素循環ポンプ12、排出バルブ13、ラジエタファン32、パワーマネージャ2の状態を制御する。この制御部40には、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。
電圧センサ41は、燃料電池スタック1の電圧を検出する電圧検出手段であり、個々のセル電圧と、総電圧とをそれぞれ検出する。ここで、セル電圧は、単位セル(本実施形態では、単一のセルによって単位セルが構成される)に関する個別的な電圧であり、総電圧は、燃料電池スタック1、すなわち、全セルの総体的な電圧である。電流センサ42は、パワーマネージャ2によって燃料電池スタック1から取り出される電流(以下「取出電流」という)を検出する。タンク圧センサ42は、燃料タンク10のタンク内の圧力(以下「タンク圧力」という)を検出する。水素圧力センサ44は、燃料電池スタック1の入口に設けられており、燃料極における水素の圧力(以下「水素圧力」という)を検出する圧力検出手段である。本実施形態において、水素圧力は、透過窒素などの不純物を含んだ水素(燃料ガス)、すなわち、燃料極におけるガスの総体的な圧力であるが、燃料極におけるガス中の純粋な水素(燃料ガス)の圧力(水素分圧)であってもよい。濃度センサ45は、希釈ブロア14から排出されるガスの水素濃度を排水素濃度として検出する。燃焼温度センサ46は、燃焼器15における燃焼温度を検出する。冷却水温度センサ47は、燃料電池スタック1に供給される冷却水の温度を冷却水温度として検出する。
図2は、第1の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。制御部40は、これを機能的に捉えた場合、欠乏判断部(判断手段)40aと、昇圧処理部(制御手段)40bと、水素圧力制御部(制御手段)40cと、取出電流演算部40dとを有している。
欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果(本実施形態では、個々の単位セルに関するセル電圧)と、水素圧力センサ44の検出結果とに基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する(欠乏判断)。
昇圧処理部40bは、欠乏判断部40aによって水素の欠乏が判断された場合に、燃料電池スタック1の燃料極における水素欠乏を改善させる観点から、燃料極の水素圧力を上昇させるための昇圧目標値を水素圧力制御部40cに出力する。
水素圧力制御部40cは、燃料電池スタック1の入口における供給水素の圧力目標値(以下「目標水素圧力」という)に基づいて、水素調圧バルブ11を制御する。具体的には、水素圧力制御部40cは、水素圧力センサ44によって検出される水素圧力が、目標水素圧力と対応するように、水素調圧バルブ11の開度を演算し、この演算された開度に基づいて、水素調圧バルブ11を制御する。水素圧力制御部40cは、通常、取出電流演算部40dから出力される電流対応圧力を目標水素圧力として用いるが、昇圧処理部40bから昇圧目標値が出力される場合には、電流対応圧力に換えて昇圧目標値を目標水素圧力として用いる。
取出電流演算部40dは、車両の速度や、ドライバーの加速要求量(例えば、アクセルペダルの踏込量)に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流の目標値(以下「目標取出電流」という)を決定するとともに、この目標取出電流を燃料電池スタック1から取り出すために必要な目標水素圧力を電流対応圧力として決定する。ここで、図3に示すように、目標水素圧力は、目標取出電流が増加する程、その値が大ききなるような傾向となっており、実験やシミュレーションを通じて両者の関係が取得されている。取出電流演算部40dは、このような関係を、マップまたは演算式として保持しており、目標取出電流に応じて目標水素圧力を一義的に決定することができる。
図4は、第1の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。
まず、ステップ10(S10)において、水素圧力センサにおいて検出される水素圧力Phが欠乏判断部40aおよび水素圧力制御部40cに読み込まれる。また、ステップ11(S11)において、電圧センサ41において検出される電圧、本実施形態では、個々のセル電圧Vcが欠乏判断部40aに読み込まれる。
ステップ12(S12)において、欠乏判断部40aは、昇圧フラグFpuが「1」であるか否かを判断する。この昇圧フラグFpuは、水素欠乏の観点から、燃料極の水素圧力が、取出電流に対応した圧力(電流対応圧力)よりも昇圧させた状態にあるのか否かを示すフラグであり、初期的には、すなわち、非昇圧状態には、「0」にセットされている。このステップ12において肯定判定された場合、すなわち、昇圧フラグFpuが「1」である場合には、ステップ13(S13)からステップ14(S14)までの処理をスキップしてステップ15(S15)に進む。一方、ステップ12において否定判定された場合、すなわち、昇圧フラグFpuが「0」である場合には、ステップ13に進む。
ステップ13において、欠乏判断部40aは、現在の水素圧力Phが、所定時間前に読み込まれた水素圧力Phtよりも小さいか否かを判断する。ここで、所定時間は、水素圧力が経時的に低下しているか否かを判断するため設定されている時間であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。ステップ13において肯定判定された場合、すなわち、現在の水素圧力Phが所定時間前の水素圧力Phtよりも小さい場合には、ステップ14に進む。一方、ステップ13において否定判定された場合、すなわち、現在の水素圧力Phが所定時間前の水素圧力Phより小さくない場合には、後述するステップ17(S17)に進む。
ステップ14において、欠乏判断部40aは、個々のセル電圧Vcのうちの最低セル電圧Vcminが、判定セル電圧Vcthよりも小さいか否かを判断する。この判定セル電圧Vcthは、セル電圧が異常に低下しているか否かを判断するための値であり、正常時に取り得るセル電圧の範囲よりも低い電圧として、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。ステップ14において肯定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcthよりも小さい場合には、ステップ15に進む。一方、ステップ14において否定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcth以上である場合には、ステップ17に進む。
ステップS15において、昇圧処理部40bは、欠乏条件を具備したこと、すなわち、ステップ13およびステップ14において肯定判定されたことを条件として、昇圧目標値を水素圧力制御部40cに出力する。本実施形態において、昇圧処理部40bは、システムに許容される運転圧力の最大値である最大運転圧力を昇圧目標値として用いている。これにともない、水素圧力制御部40cは、目標水素圧力として最大運転圧力を設定した上で、水素調圧バルブ11を制御する。
ステップS16(S16)において、欠乏判断部40aは、昇圧フラグFpuを「1」にセットする。
ステップ17において、水素圧力制御部40cは、目標水素圧力として、取出電流演算部40dから出力される電流対応圧量を設定した上で、水素調圧バルブ11を制御する。
図5は、第1の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および最低セル電圧の経時的な推移を示す説明図である。水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが判定セル電圧Vcthよりも下がった場合(時刻T1)、すなわち、欠乏条件を具備する場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。そして、水素欠乏と判断された場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧される。
水素の生成方法はさまざまであるため、それにより水素の純度にばらつきがある。そのため、設計許容値を外れた純度の燃料ガスを燃料タンク10に充填してしまうと、燃料電池スタック1に供給される水素濃度が低下する。もっとも、酸化剤極から燃料極へ透過する窒素量が増加しても同様に、燃料電池スタック1に供給される水素濃度が低下する。この際、設計許容値を大きくとっておけば、水素が欠乏するといった事態は抑制することはできるが、排出バルブ13から排出されるガスの排出量が増加することになり、燃費が悪化してしまうことになる。
水素が欠乏してない正常時、目標水素圧力は、燃料電池スタック1から取出電流に応じて決定される。取出電流が下がった場合、正常であるならば最低セル電圧Vcは増加するため、最低セル電圧Vcが下がる場合には異常と判断することができる。また、セル電圧の低下だけでは、水素の欠乏のみならず、燃料電池スタック1の水詰まりまたは乾燥が要因としても考えられる。ここで、燃料タンクに低純度の水素を充填した場合には、循環系において窒素などの不純物濃度の上昇が顕著となり、燃料電池スタック1の各セルに十分な量の水素が供給されなくなる。燃料極における水素圧力が高いときには水素濃度は高いが、燃料極の水素圧力が下がるときには、発電によってアノード系の水素が消費されて水素濃度は低くなる。排出バルブ13からの不純物の排出には時間がかかるため、不純物濃度が上がってしまい、セル電圧が低下することとなる。したがって、燃料極における水素圧力と、セル電圧とをセットで監視することにより、水素が欠乏している状態を正確に判断することができる。
また、水素欠乏のシーンでは、目標水素圧力を最大運転圧力に設定することにより、燃料極における水素圧力が増加する。そのため、燃料極における水素濃度を高めることができるので、低下したセル電圧を回復させることができる。これにより、水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、システムの運転を停止まで、欠乏抑制制御が継続されるので、システム停止まで、安定した発電を維持することができる。
なお、本実施形態では、欠乏条件を具備している場合、昇圧処理部40bにおける昇圧目標値には、最大運転圧力が設定されているが、水素圧力を昇圧する方向に昇圧目標値が設定されるのであれば、この形態に限定されない(後述する各実施形態についても同様)。例えば、昇圧処理部40bは、図6に示すように、セル電圧の時系列的な推移を参照した上で、セル電圧が低下する前の水素圧力(例えば、判最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcthよりも小さいと判断されるタイミングよりも所持時間ΔTだけ前の水素圧力)を、昇圧目標値として設定してもよい。かかる構成であっても、水素が欠乏したシーンでは、目標水素圧力が昇圧目標値、すなわち、セル電圧が低下する以前の圧力に設定されるので、水素系における水素圧力が増加する。そのため、燃料極における水素濃度を高めることができるので、低下したセル電圧を回復させることができる。これにより、水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
図7は、最低セル電圧と昇圧目標値との関係を示す説明図である。また、これ以外にも、昇圧処理部40bは、最低セル電圧に応じて昇圧目標値を決定してもよい。昇圧目標値は、最大運転圧力を上限として、最低セル電圧が低下する程その値が大きくなるように設定されている。かかる構成であっても、水素が欠乏したシーンでは(すなわち、最低セル電圧が低下しているシーン)、目標水素圧力が昇圧目標値、すなわち、最低セル電圧の低下に応じて大きな圧力に設定されるので、水素系における水素圧力が増加する。そのため、燃料極における水素濃度を高めることができるので、低下したセル電圧を回復させることができる。これにより、水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第2の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、制御部40における水素欠乏の判断処理である。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
制御部40において、欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果(個々の単位セルに関するセル電圧)と、水素圧力センサ44の検出結果と、電流センサ42の検出結果とに基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する(欠乏判断)。具体的には、欠乏判断部40aは、基準電圧を設定し、この基準電圧と最低セル電圧Vcminとを比較して、欠乏判断を行う。
図9は基準電圧の説明図である。燃料電池スタック1において、取出電流とセル電圧との対応特性は、図9の破線で示すように、取出電流の増加に応じて減少する関係として、実験やシミュレーションを通じて予め取得することができる。上述の基準電圧は、一般的な対応特性で定まる電圧に対して所定のマージンが確保されるような小さい値に設定されている(図9の実線を参照)。
図10は、第2の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第2の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ11の処理に続きステップ18(S18)の処理が追加され、ステップ13の肯定判定に続きステップ19(S19)の処理が追加されるとともに、ステップ14の処理に換えてステップ20(S20)の処理が設けられている。
具体的には、ステップ18において、欠乏判断部40aは、電流センサ42において検出される取出電流Iaを読み込む。そして、ステップ19において、欠乏判断部40aは、取出電流Iaに基づいて、基準電圧Vstを算出する。図9に示すように、取出電流と基準電圧との関係は、マップまたは演算式として欠乏判断部40aに保持されており、基準電圧Vstは取出電流Iaに基づいて一義的に算出される。
ステップ20において、欠乏判断部40aは、最低セル電圧Vcminが、基準電圧VStよりも小さいか否かを判断する。ステップ20において肯定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが基準電圧VStよりも小さい場合には、ステップ15に進む。一方、ステップ20において否定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが基準電圧VSt以上である場合には、ステップ17に進む。
図11は、第2の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および最低セル電圧の経時的な推移を示す説明図である。このように本実施形態によれば、水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが基準電圧Vstよりも下がった場合(時刻T1)、すなわち、欠乏条件が具備する場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。そして、水素欠乏が判断さた場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧される。
このように本実施形態において、最低セル電圧Vcminと比較される判定電圧は、燃料電池スタック1の電流と電圧との特性に基づいて定まる、取出電流に対応した電圧よりも低い電圧(基準電圧)が設定される。かかる構成によれば、燃料電池の電流−電圧特性において、取出電流が大きいほど電圧が下がる傾向となる。そのため、この特性に基づいて電流に対する基準電圧を設定することによって、電圧が下がり始める傾向を素早く検知することができるので、水素の欠乏を早期に判断することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、制御部40における水素欠乏の判断処理である。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
制御部40において、欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果と、水素圧力センサ44の検出結果とに基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する。具体的には、欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果として、個々のセル電圧に換えて総電圧を用いる。
図12は、第3の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第3の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ11の処理に換えてステップ21(S21)の処理が設けられるとともに、ステップ14の処理に換えてステップ22(S22)の処理が設けられている。
具体的には、ステップ21において、欠乏判断部40aは、電圧センサ41において検出される電圧、本実施形態では、総電圧Vtoを読み込む。
ステップ22において、欠乏判断部40aは、総電圧Vtoが、判定総電圧Vtthよりも小さいか否かを判断する。この判定総電圧Vtthは、総電圧が異常に低下しているか否かを判断するための値であり、正常時に取り得る総電圧の範囲よりも低い電圧といったように、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。ステップ22において肯定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcthよりも小さい場合には、ステップ15に進む。一方、ステップ22において否定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcth以上である場合には、ステップ17に進む。
図13は、第3の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および総電圧の経時的な推移を示す説明図である。このように本実施形態によれば、水素圧力Phが下がり、かつ、総電圧Vtoが判定総電圧Vtoよりも下がった場合(時刻T1)、すなわち、欠乏条件を具備すると、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。そして、これにともない、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧される。
このように本実施形態において、セル電圧に換えて、総電圧によって欠乏判断を行っている。かかる構成によれば、セル電圧を用いた場合と同様に、水素が欠乏している状態を判断することができる。
(第4の実施形態)
図14は、第4の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第4の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、燃料タンク10に水素が充填されたか否かを判断することである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、制御部40は、第1の実施形態に示す、欠乏判断部40a、昇圧処理部40b、水素圧力制御部40cおよび取出電流演算部40dに加えて、充填判断部40eをさらに有している。この充填判断部40eには、タンク圧センサ43からセンサ信号が入力されている。
充填判断部40eは、システムの起動時にタンク圧センサ43の検出結果を読み込むとともに、起動時のタンク圧力に基づいて、燃料タンク10に水素が充填されたか否かを判断する。充填判断部40eによる判断の結果は、欠乏判断部40aに入力される。欠乏判断部40aは、充填判断部40eの判断結果に基づいて、燃料タンク10に水素が充填された場合には、水素が欠乏しているか否かの判断を行う。
図15は、第4の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第4の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ10の処理の前提として、ステップ22(S22)からステップ24(S24)の処理が追加されるとともに、ステップ12の否定判定に続きステップ25(S25)の処理が追加されている。
具体的には、ステップ22において、充填判断部40eは、起動フラグFstが「1」にセットされているか否かを判断する。この起動フラグFstは、システムの起動直後に実行される処理であるか否かを判断するためのフラグであり、初期的には「0」に設定されている。ステップ22に否定判定された場合、すなわち、システムの起動直後である場合には(Fst=1)、ステップ23(S23)に進む。一方、ステップ22において肯定判定された場合、すなわち、システムの起動直後でない場合には(Fst=0)、ステップ23からステップ24までの処理をスキップして、ステップ10に進む。
ステップ23において、充填判断部40eは、タンク圧センサ43よりタンク内圧Pftを読み込む。そして、ステップ24において、充填判断部40eは、起動フラグFstを「1」にセットする。なお、「1」にセットされた起動フラグFstは、システム終了時に「0」にセットされる。
ステップ25において、充填判断部40eは、現在の起動時におけるタンク内圧Pftが、前回の起動時におけるタンク内圧Pftbよりも大きいか否かを判断する。燃料タンク10に水素が充填されない限り、水素の消費とともにタンク内圧Pftは減少する傾向となる。そのため、現在の起動時におけるタンク内圧Pftが、前回の起動時におけるタンク内圧Pftbより大きい場合には、燃料タンク10に水素が充填されたと判断することができる。このステップ25において肯定判定された場合、すなわち、前回の起動から現在の起動までの間に水素が充填されている場合(Pft>Pftb)、ステップ13に進む。一方、ステップ25において否定判定された場合、すなわち、前回の起動から現在の起動までの間に水素が充填されていない場合(Pft≦Pftb)、ステップ17に進む。
このように本実施形態において、欠乏判断部40aは、燃料タンク10に水素が充填されたことをさらなる条件として、水素の欠乏判断を行う。水素が欠乏する要因として、純度の低い水素を燃料タンク10に充填することが考えられる。したがって、水素が充填されたか否かを条件に追加することにより、水素の欠乏判断の精度向上を図ることができる。
なお、水素充填後の運転が短時間で終わってしまい、2回目の運転時に水素の欠乏を起こすことも考えられる。そこで、水素を充填後の走行距離や燃料電池スタック1からの取出電流の積算値が所定値を超えるまで、欠乏判断を継続して実施するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図16は、第5の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第5の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、水素循環ポンプ12の制御を追加的に行うことである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、制御部40は、第1の実施形態に示す、欠乏判断部40a、昇圧処理部40b、水素圧力制御部40cおよび取出電流演算部40dに加えて、水素循環ポンプ12の回転数を制御するポンプ制御部40fをさらに有している。また、欠乏判断部40aには、水素循環ポンプ12の回転数を検出する回転数センサ48、および、水素循環ポンプ12の駆動電流を検出する駆動電流センサ49からの検出信号がさらに入力されている。駆動電流センサ49は、駆動電流を検出することにより、水素循環ポンプ12の駆動トルクを間接的に検出する機能を担っている。
欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果(本実施形態では、個々の単位セルに関するセル電圧)および水素圧力センサ44の検出結果に加え、さらに、回転数センサ48の検出結果および駆動電流センサ49の検出結果に基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する(欠乏判断)。具体的には、欠乏判断部40aは、基準駆動電流を設定し、この基準駆動電流と駆動電流センサ49の検出結果とを比較して、欠乏判断を行う。欠乏判断部40aの判断結果は、ポンプ制御部40fに対しても出力される。
図17は、回転数をベースとした水素循環ポンプ12の駆動電流特性を示す説明図である。水素系(特に、循環系)の不純物濃度が上昇した場合、循環系のガスが重たくなるため、回転数に対する駆動電流は総体的に大きくなる。そこで、正常時の駆動電流特性L13と、窒素濃度が上昇した時の駆動電流特性L12との間に、基準駆動電流特性L11を設定しておく。
図18は、第5の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第5の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ11の処理に続きステップ26(S26),27(S27)の処理が追加され、ステップ12の否定判定に続きステップ28(S28),29(S29)の処理が追加されるとともに、ステップ15,17の処理に続きステップ30(S30),31(S31)の処理がそれぞれ設けられている。
ステップ26において、欠乏判断部40aは、回転数センサ48から水素循環ポンプ12の回転数Rpを読み込む。また、ステップ27において、欠乏判断部40aは、駆動電流センサ49から水素循環ポンプ12の駆動電流Idaを読み込む。
ステップ28において、欠乏判断部40aは、水素循環ポンプ12の回転数Rpに基づいて、基準駆動電流Idsを算出する。欠乏判断部40aは、図17に示すように、回転数に対応する基準駆動電流特性L11をマップまたは演算式として保持しており、回転数Rpより一義的に基準駆動電流Idaを算出する。
ステップ29において、欠乏判断部40aは、駆動電流センサ49による駆動電流Idaが、基準駆動電流Idsよりも大きいか否かを判断する。このステップ29において肯定判定された場合、すなわち、実際の駆動電流Idaが基準駆動電流Idsよりも大きい場合には(Ida>Ids)、ステップ13の処理に進む。一方、ステップ29において否定判定された場合、すなわち、実際の駆動電流Idaが基準駆動電流Ids以下の場合には(Ida≦Ids)、ステップ17の処理に進む。
ステップ30において、ポンプ制御部40fは、水素循環ポンプ12の回転数の目標値である目標回転数を、ポンプに許容される最大回転数に設定する。これに対して、ステップ31において、ポンプ制御部40fは、水素循環ポンプの目標回転数を、電流対応回転数に設定する。この電流対応回転数は、取出電流に応じて決定される水素循環ポンプ12の回転数であり、実験やシミュレーションを通じて両者の関係が予め取得されている。
このように本実施形態によれば、水素循環ポンプ12における実際の駆動電流Ida(すなわち、実施の駆動トルク)が基準駆動電流Ids(すなあち、水素循環ポンプ12の回転数に応じた基準トルク)よりも大きく、水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが判定セル電圧Vcthよりも下がった場合、すなわち、欠乏条件を具備した場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。循環ガス中の不純物濃度が上昇した場合にはガスが重たくなるため、水素循環ポンプ12の駆動トルクに基づいて、水素の欠乏を精度よく判断することができる。
また、水素欠乏と判断された場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧されるとともに、水素循環ポンプ12の回転数が増加させられる。かかる構成によれば、燃料極へ供給する水素流量が増加するので、より安定して発電することができる。水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第6の実施形態)
図19は、第6の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第6の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、排出バルブ13の制御を追加的に行うことである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、制御部40は、第1の実施形態に示す、欠乏判断部40a、昇圧処理部40b、水素圧力制御部40cおよび取出電流演算部40dに加えて、排出バルブ13の開閉状態を制御するパージ制御部40gをさらに有している。また、欠乏判断部40aには、濃度センサ45の検出結果がさらに入力されている。
欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果(本実施形態では、個々の単位セルに関するセル電圧)および水素圧力センサ44の検出結果に加え、さらに、濃度センサ45の検出結果に基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する(欠乏判断)。具体的には、欠乏判断部40aは、管理濃度を設定し、この管理濃度と濃度センサ45の検出結果とを比較して、欠乏判断を行う。欠乏判断部40aの判断結果は、パージ制御部40gに対しても出力される。
図20は、排水素濃度の特性を示す説明図である。水素系(特に、循環系)の不純物濃度が上昇した場合、排出バルブ13から排出される水素濃度は総体的に小さくなる。そこで、正常時の排水素濃度の特性L23と、窒素濃度が上昇した時の排水素濃度の特性L22との間に、管理濃度の特性L21を設定しておく。
図21は、第6の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第6の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ11の処理に続きステップ32(S32)の処理が追加され、ステップ12の否定判定に続きステップ33(S33)の処理が追加されるとともに、ステップ15,17の処理に続きステップ34(S34),35(S35)の処理がそれぞれ設けられている。ステップ26において、欠乏判断部40aは、濃度センサ45から排水素濃度Chpを読み込む。
ステップ33において、欠乏判断部40aは、濃度センサ45による排水素濃度Chpが、管理濃度Chmsよりも小さいか否かを判断する。このステップ33において肯定判定された場合、すなわち、実際の排水素濃度Chpが管理濃度Chmsよりも小さい場合には(Chp<Chms)、ステップ13の処理に進む。一方、ステップ33おいて否定判定された場合、すなわち、実際の排水素濃度Chpが管理濃度Chms以上の場合には(Chp≧Chms)、ステップ17の処理に進む。
ステップ34において、パージ制御部40gは、排出バルブ13の開度を全開に制御する。これに対して、ステップ35において、パージ制御部40gは、排出バルブ13を制御して、通常運転時のパージ処理を行う。ここで、通常運転時のパージ処理において、パージ制御部40gは、基本的に、排出バルブ13の開度を全閉に制御しているが、例えば、燃料極および酸化剤極の圧力から換算した窒素混入量の積算値によって燃料極における窒素濃度を推定し、必要に応じて、所定時間だけ全開へと制御する。
このように本実施形態によれば、排水素濃度Chpが管理濃度Chmsよりも小さく、水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが判定セル電圧Vcthよりも下がった場合、すなわち、欠乏条件を具備した場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。循環ガス中の不純物濃度が上昇した場合には、水素濃度が相対的に下がるため、排水素濃度も下がる傾向となる。そのため、排水素濃度を参照することにより、水素が欠乏した状態を正確に判断することができる。
また、水素の欠乏が判断された場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧されるとともに、排出バルブ13が全開に制御され、循環ガスの排出量が増加される。かかる構成によれば、循環系に蓄積された不純物が排出されるので、燃料極へ供給される水素濃度を高めることができる。これにより、水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第7の実施形態)
図22は、第7の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第7の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、燃料電池スタック1の出力制限を追加的に行うことである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、制御部40は、第1の実施形態に示す、欠乏判断部40a、昇圧処理部40b、水素圧力制御部40cおよび取出電流演算部40dに加えて、パワーマネージャ2による取出電流を制限する出力制限部40hをさらに有している。また、欠乏判断部40aには、燃焼温度センサ46の検出結果がさらに入力されている。
欠乏判断部40aは、電圧センサ41の検出結果(本実施形態では、個々の単位セルに関するセル電圧)および水素圧力センサ44の検出結果に加え、さらに、燃焼温度センサ46の検出結果に基づいて、燃料電池スタック1の燃料極において、発電に必要な水素が欠乏しているかを判断する(欠乏判断)。具体的には、欠乏判断部40aは、管理燃焼温度と燃焼温度センサ46の検出結果とを比較して、欠乏判断を行う。欠乏判断部40aの判断結果は、出力制限部40hに対しても出力される。
図23は、燃焼温度の特性を示す説明図である。水素系(特に、循環系)の不純物濃度が上昇した場合、燃焼温度は総体的に小さくなる。管理燃焼温度は、特性L31として示すように、正常時の燃焼温度の特性L33と、窒素濃度が上昇した時の燃焼温度の特性L32との間で設定されている。
図24は、第7の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第7の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ11の処理に続きステップ36(S36)の処理が追加され、ステップ12の否定判定に続きステップ37(S37)の処理が追加されるとともに、ステップ15,17の処理に続きステップ38(S38),39(S39)の処理がそれぞれ設けられている。
ステップ36において、欠乏判断部40aは、燃焼温度センサ46から燃焼温度Tfaを読み込む。
ステップ37において、欠乏判断部40aは、燃焼温度センサ46による燃焼温度Tfaが、管理燃焼温度Tfthよりも小さいか否かを判断する。このステップ33において肯定判定された場合、すなわち、実際の燃焼温度Tfaが管理燃焼温度Tfthよりも小さい場合には(Tfa<Tfth)、ステップ13の処理に進む。一方、ステップ33おいて否定判定された場合、すなわち、実際の燃焼温度Tfaが管理燃焼温度Tfth以上の場合には(Tfa≧Tfth)、ステップ17の処理に進む。
ステップ38において、出力制限部40hは、パワーマネージャ2を制御して、燃料電池スタック1から取り出す電流を制限する。これに対して、ステップ39において、出力制限部40hは、燃料電池スタック1から取り出す電流に対する制限を非実施とする。
このように本実施形態によれば、燃焼温度Tfaが管理燃焼温度Tfthよりも小さい、水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが判定セル電圧Vcthよりも下がった場合、すなわち、欠乏条件を具備した場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。
循環ガス中の不純物濃度が上昇した場合には、水素濃度が総体的に下がるため、燃焼器15における燃焼温度も総体的に低くなる。したがって、燃焼温度を参照することにより、水素が欠乏した状態を正確に判断することができる。
また、水素欠乏の場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧されるとともに、出力制限が実施される。これにより、発電による水素消費が少なくなるため、水素圧力の昇圧を素早く行うことができる。また、また出力を制限しているので発電に必要な水素が十分に供給されるので、水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第8の実施形態)
図25は、第8の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図である。第8の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、冷却系の制御を追加的に行うことである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、制御部40は、第1の実施形態に示す、欠乏判断部40a、昇圧処理部40b、水素圧力制御部40cおよび取出電流演算部40dに加えて、冷却制御部40hをさらに有している。この冷却制御部40hは、冷却水温度センサ47の検出結果に基づいて、ラジエタファン32を制御することにより、冷却水の温度を制御する。冷却制御部40hは、燃料電池スタック1の特性に応じて予め設定された目標冷却水温度に基づいて、ラジエタファン32を制御する。この冷却制御部40hには、欠乏判断部40aの判断結果も入力されている。
図26は、第8の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。第8の実施形態では、第1の実施形態に示す手順と比較して、ステップ15,17の処理に続きステップ40(S40),41(S41)の処理がそれぞれ設けられている。
ステップ40において、冷却制御部40hは、目標冷却水温度として通常運転時の温度より所定温度だけ減少させた温度を用い、この目標冷却水温度となるようにラジエタファン32の回転数を制御する。一方、ステップ40において、冷却制御部40hは、目標冷却水温度として通常運転時用に設定された温度を用い、この目標冷却水温度となるようにラジエタファン32の回転数を制御する。
このように本実施形態によれば、水素圧力Phが下がり、かつ、最低セル電圧Vcが判定セル電圧Vcthよりも下がった場合、すなわち、欠乏条件を具備した場合には、欠乏判断部40aによって水素欠乏と判断される。そして、水素欠乏が判断された場合には、水素圧力が最大運転圧力まで昇圧されるとともに、冷却水の温度が低く設定されることにより、燃料電池スタック1の冷却量が増加される。燃料電池スタック1の冷却量を増加させることにより、酸化剤極から燃料極へ透過する窒素量を低減できるので、燃料極における水素濃度を高めることができる。水素の欠乏によって発電が困難となるといった事態を抑制することができる。
(第9の実施形態)
図27は、第9の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャートである。第9の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、水素欠乏にともなう昇圧制御の解除判定を行うことである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順については、符号を引用して重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
フローチャートに示す処理は、システムの起動とともに呼び出され、制御部40によって所定周期で実行される。本実施形態では、ステップ16に続き、ステップ50(S50)からステップ54(S54)までの処理が追加されている。
ステップ50において、欠乏判断部40aは、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcth以上であるか否かを判断する。ステップ50において肯定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcth以上の場合には、ステップ51(S51)に進み、時間カウントを行う。一方、ステップ50において否定判定された場合、すなわち、最低セル電圧Vcminが判定セル電圧Vcthよりも小さい場合には、ステップ54に進む。
ステップ51に続くステップ52(S52)において、欠乏判断部40aは、時間カウント値が所定時間に到達したか否かを判断する。この所定時間は、セル電圧Vcminが復活したと判断するための経過時間であり、実験やシミュレーションを通じその最適値が予め設定されている。ステップ51において肯定判定された場合、すなわち、時間カウント値が所定時間に到達した場合には、ステップ53(S53)に進む。
ステップ53において、欠乏判断部40aは、昇圧フラグFpuを「0」にセットする。また、ステップ54において、欠乏判断部40aは、時間カウント値をリセットする。
このように本実施形態によれば、水素欠乏が判断されなくなった場合には、欠乏抑制制御が中止される。かかる構成によれば、水素の欠乏時に対応して一時的に欠乏抑制制御を行うため、燃費の悪化を抑制することができる。
なお、本実施形態では、最低セル電圧Vcminに基づいて欠乏抑制制御を中止するか否かを判断している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ステップ50において、水素圧力センサ44によって検出される水素圧力が最大運転圧力に到達したか否を判断し、これにより、欠乏抑制制御の中止の可否を判断してもよい。
また、水素欠乏が判断されなくなり、欠乏抑制制御を中止し、その後再度水素欠乏が判断された場合には、それ以降は欠乏抑制制御を継続的に行うとしてよい。
なお、本実施形態では、第1の実施形態をベースに欠乏抑制制御を中止する形態について記載したが、かかる手法は上述した全ての実施形態に適用可能である。
なお、第4の実施形態に示すように、タンク内圧を検出する構成では、図28に示すように、燃料タンク11に水素が充填されたことを判断して、欠乏抑制制御を中止してもよい。この場合、ステップ24の処理の後に、ステップ25の判断が設けられている。そして、ステップ25において肯定判定された場合(Pft>Pftb)、すなわち、燃料タンク11に水素が充填された場合に、昇圧フラグFpuが「0」にセットされる(ステップ55(S55))。
さらに、水素の欠乏を判断した場合には、警報ランプを点灯させるといったように、警報手段によりユーザに水素欠乏を報知してもよい。
本発明に係る燃料電池システムおよびその制御方法は、前述した実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。例えば、第2の実施形態から第8の実施形態に記述した追加的な欠乏判断手法と、第2の実施形態から第8の実施形態に記述した追加的な欠乏抑制制御とは適宜組み合わせて実施することもできる。
燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 第1の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 目標取出電流と目標水素圧力との対応関係を示す説明図 第1の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第1の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および最低セル電圧の経時的な推移を示す説明図 第1の実施形態の変形例にかかる取出電流、水素圧力および最低セル電圧の経時的な推移を示す説明図 最低セル電圧と昇圧目標値との関係を示す説明図 第2の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 基準電圧の説明図 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第2の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および最低セル電圧の経時的な推移を示す説明図 第3の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第3の実施形態にかかる取出電流、水素圧力および総電圧の経時的な推移を示す説明図 第4の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 第4の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第5の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 回転数をベースとした水素循環ポンプ12の駆動電流特性を示す説明図 第5の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第6の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 排水素濃度の特性を示す説明図 第6の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第7の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 燃焼温度の特性を示す説明図 第7の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第8の実施形態にかかる制御部40の構成を機能的に示すブロック図 第8の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第9の実施形態にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート 第9の実施形態の変形例にかかる燃料電池システムの水素欠乏制御の手順を示すフローチャート
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 パワーマネージャ
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
11 燃料タンク
12 水素循環ポンプ
13 排出バルブ
14 希釈ブロア
15 燃焼器
20 コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
30 冷却水循環ポンプ
31 ラジエタ
32 ラジエタファン
40 制御部
40a 欠乏判断部
40b 昇圧処理部
40c 水素圧力制御部
40d 取出電流演算部
40e 充填判断部
40f ポンプ制御部
40g パージ制御部
40h 冷却制御部
40h 出力制限部
41 電圧センサ
42 タンク圧センサ
42 電流センサ
43 タンク圧センサ
44 水素圧力センサ
45 濃度センサ
46 燃焼温度センサ
47 冷却水温度センサ
48 回転数センサ
49 駆動電流センサ

Claims (18)

  1. 燃料電池システムにおいて、
    燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料極における燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記燃料電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記燃料極における燃料ガスの圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記圧力調整手段を制御することにより、前記燃料電池から取り出す電流に応じて前記燃料極における燃料ガスの圧力を制御する制御手段と、
    前記圧力検出手段および前記電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記燃料極における燃料ガスの圧力が低下した後に、前記燃料電池の電圧が判定電圧よりも下がったことを条件として、前記燃料極に供給される燃料ガスの純度低下による燃料ガスの欠乏を判断する判断手段とを有し、
    前記制御手段は、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断された場合、欠乏抑制制御として、前記燃料極における燃料ガスの圧力を増加させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、システムに許容される運転圧力の最大値である最大運転圧力を目標圧力として、前記燃料極における燃料ガスの圧力を増加させることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記燃料電池の電圧が低下する前の圧力を目標圧力として、前記燃料極における燃料ガスの圧力を増加させることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、システムに許容される運転圧力の最大値である最大運転圧力を上限として、前記燃料電池の電圧が小さいほど圧力が高くなるように、前記燃料極における燃料ガスの圧力を増加させることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  5. 前記燃料極から排出されるガスを、前記燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させる循環流路と、
    前記循環流路に設けられ、回転数に応じてガスを循環させる循環手段とをさらに有し
    前記制御手段は、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断された場合、前記欠乏抑制制御として、さらに前記循環手段の回転数を増加させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  6. 前記燃料極から排出されるガスを、前記燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させる循環流路と、
    前記循環流路を流れるガスを外部に排出する排出手段とをさらに有し、
    前記制御手段は、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断された場合、前記欠乏抑制制御として、さらに前記排出手段によるガスの排出量を増加させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断された場合、前記欠乏抑制制御として、さらに前記燃料電池の出力を制限することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池を冷却する冷却手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断された場合、前記欠乏抑制制御として、さらに前記冷却手段による前記燃料電池の冷却量を増加させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  9. 前記燃料極に供給する燃料ガスを貯蔵する貯蔵手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記欠乏抑制制御を開始した場合、前記貯蔵手段に燃料ガスが充填されるまで、前記欠乏抑制制御を継続して行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  10. 前記制御手段は、前記欠乏抑制制御を開始した場合、システムの運転を停止するまで、前記欠乏抑制制御を継続して行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  11. 前記制御手段は、前記欠乏抑制制御を開始した後に、前記判断手段によって燃料ガスの欠乏が判断されなくなった場合には、前記欠乏抑制制御を中止することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  12. 前記判定電圧は、正常時に取り得る前記燃料電池の電圧の範囲よりも低い電圧が設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  13. 前記判定電圧は、前記燃料電池の電流と電圧との特性に基づいて定まる、前記燃料電池からの取出電流に対応した電圧よりも低い電圧が設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  14. 前記燃料極に供給する燃料ガスを貯蔵する貯蔵手段をさらに有し、
    前記判断手段は、前記貯蔵手段に燃料ガスが充填されたことをさらなる条件として、前記燃料極における燃料ガスの欠乏を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  15. 前記燃料極から排出されるガスを、前記燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させる循環流路と、
    前記循環流路に設けられ、回転数に応じてガスを循環させる循環手段と、
    前記循環手段の駆動トルクを検出するトルク検出手段とをさらに有し、
    前記判断手段は、前記トルク検出手段によって検出される駆動トルクが、前記循環手段の回転数に応じた基準トルクよりも大きいことをさらなる条件として、前記燃料極における燃料ガスの欠乏を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  16. 前記燃料極から排出されるガスを外部に排出する排出手段と、
    前記排出手段から排出されるガスに含まれる燃料ガス濃度を検出する濃度検出手段とをさらに有し、
    前記判断手段は、前記濃度検出手段によって検出される濃度が、燃料ガスの管理濃度よりも低いことをさらなる条件として、前記燃料極における燃料ガスの欠乏を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  17. 前記燃料極から排出されるガスを外部に排出する排出手段と、
    前記排出手段から排出されるガスに含まれる燃料ガスを燃焼処理する燃焼処理手段と、
    前記燃焼処理手段における燃焼温度を検出する温度検出手段とをさらに有し、
    前記判断手段は、前記濃度検出手段によって検出される温度が、前記燃焼温度の管理温度よりも低いことをさらなる条件として、前記燃料極における燃料ガスの欠乏を判断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  18. 燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料極における燃料ガスの圧力を検出する第1のステップと、
    前記燃料電池の電圧を検出する第2のステップと、
    前記燃料電池から取り出す電流に応じて前記燃料極における燃料ガスの圧力を制御する第3のステップと、
    前記燃料極における燃料ガスの圧力が低下した後に、前記燃料電池の電圧が判定電圧よりも下がったことを条件として、前記燃料極における燃料ガスの欠乏を判断する第4のステップとを有し、
    前記第3のステップは、前記第4のステップにおいて燃料ガスの欠乏が判断された場合、欠乏抑制制御として、前記燃料極における燃料ガスの圧力を増加させるステップを含むことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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