JP2006176407A - 新規フラボン誘導体、その製造法およびそれらを含む医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗炎症作用を有する新規フラボン誘導体、またはその薬理学的に許容される塩およびそれらの製造法、ならびにその製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、抗炎症作用を有する多くのフラボン類が知られている。本発明者は抗炎症作用を有する化合物に関し鋭意研究を行ってきた結果、今回、新規で強力な抗炎症作用を有する新規フラボン誘導体を見出した。さらに、本発明が提供する新規フラボン誘導体を製造する方法を利用することにより、ウーロン茶葉抽出物から多段階の製造工程を経て得られた抗炎症作用を有する特願2002−194828に記載される次式(Ia):
【0003】
【化26】
で表わされる化合物を、簡便な方法で製造できることを見出した。
【0004】
また、本発明が提供する新規フラボン誘導体は、抗アレルギー作用、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対し極めて有効なものであることを見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、抗炎症作用を有し、抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の予防または治療に有効な、新規フラボン誘導体、またはその薬理学的に許容される塩およびそれらの製造法、ならびにその製造中間体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための本発明は、次式(I):
【化27】
【0007】
(式中、R1a、R1b、R1c、R1dおよびR1eは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはハロゲン原子を表わす)
で表わされる化合物、およびその薬理学的に許容される塩を提供する。
また、かかる式(I)で示されるフラボン誘導体の製造法を提供する。
その製造方法は、具体的には、下記の化学式に示した方法により表わすことができる。
【0008】
【化28】
【0009】
上記の方法の他、化合物(VI)から化合物(X)を経て化合物(IV)に至る方法もある。
【化29】
【0010】
(上記化学式中の各置換基の定義は、後記する定義を参照のこと)
すなわち本発明は、上記化学式中に示される式(I)で表わされる新規フラボン誘導体、その製造法、ならびにその中間体の製造法、当該中間体を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、上記化学反応式に基づいて、詳細に説明していく。
【0012】
本発明においては、特に断らない限り当業者にとって明らかなように、記号:
【化30】
は、紙面の向こう側、すなわちα−配置に結合していることを表わし、記号:
【化31】
は、紙面の手前側、すなわちβ−配置に結合していることを表わし、記号:
【化32】
は、α−あるいはβ−配置またはそれらの混合物であることを表わす。
【0013】
また、式(I)あるいは式(II)で表わされる化合物、またはその薬理学的に許容される塩は、公知の方法により溶媒和物に変換することができる。適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)の溶媒和物があげられる。溶媒和物に変換する方法としては、例えば薬剤学(塩崎仁、木村聡城郎編 廣川書店(1989年)第150頁)に記載されている水または有機溶媒から再結晶する方法があげられる。
【0014】
また、ここで置換基R2、R3a、R3b、R3c、R5、R10で表わされる保護基とは、水酸基に対して特定の条件下において導入できる官能基であり、特定の条件下においては反応せず、水酸基へと変換する必要が生じたときに、一定の条件下において脱保護することにより水酸基とすることができる官能基をいう。そのようなR2、R3a、R3b、R3c、R5、R10としては、ベンジル基、p−ニトロベンジル基のようなアリールメチル基;アリル基;メチル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基;t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのように水酸基と合わさってカーボナートを形成する基を用いることができる。
【0015】
その導入はよく知られており、例えばベンジル基を例にあげると、水酸基を有する化合物に対して、NaH、K2CO3などの塩基の存在下、臭化ベンジルあるいは塩化ベンジルなどを作用させることにより導入することができる。
【0016】
またその脱保護は、エタノールあるいはメタノールなどのアルコール類;酢酸エチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;酢酸などの有機酸あるはこれらの任意の組合せの溶媒中、Pd−炭素、Pd(OH)2、Pd黒などの触媒存在下、水素ガス雰囲気下に攪拌することによって行うことができる。またBCl3、AlCl3、HBrなどの酸性条件下でも脱保護することができる。
【0017】
上記に示した保護基は、塩基性条件、還元的条件、酸性条件、またはBu4NF、Pdなどの遷移金属錯体などを用いることにより脱保護することができる。それぞれの組合せは、用いる保護基の組合せ、あるいは、脱保護を必要とする組合せによって異なるが、例えば、ベンジル基とメチル基がそれぞれ保護基として用いられている場合には、Pd−炭素存在下水素ガスを作用させれば、ベンジル基のみを脱保護することができ、BCl3を作用させることによってフェノール性水酸基の保護基としてメチル基を用いている場合には、ベンジル基およびメチル基が同時に脱保護される。また、AlBr3をアセトニトリル中作用させることによってフェノール性水酸基の保護基としてメチル基を用いている場合には、他の水酸基がベンジル基で保護されても、メチル基のみを選択的に脱保護させることができる。
【0018】
上記した以外にも容易かつ選択的に導入および脱保護できる基であれば、特に限定されない。例えば、保護基の選択、組合せ、脱保護条件などについては、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。
【0019】
以下に本発明の各製造工程について詳細に説明する。
【0020】
第一工程:
【化33】
(式中、R3a、R3b、R3cおよびR11は水酸基の保護基を表わし、Zはイミダートあるいはフッ素原子を表わす)
【0021】
この第一工程は、保護されたメチルピラノシドの2位水酸基をR3a、R3b、R3cとそれぞれ異なる条件により脱保護できる保護基を導入した後、メチルピラノシドの加水分解、次いで1位にイミダートあるいはフッ素原子を導入する工程である。出発原料である化合物(XVIII)は、R3a、R3b、R3cがベンジル基である場合にはDanishefskyらの方法[J. Amer. Chem. Soc., Vol.111, 6661, (1992)]により合成することができる。また、その他の保護基を用いた場合にもそれに準じた方法、あるいは、これを原料にして合成することができる。
【0022】
置換基R3a、R3bあるいはR3cとしては、ベンジル基、アリル基などのエーテル型保護基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基のようなシリルエーテル型保護基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル型保護基であり、R11としては、p−ニトロベンジル基、ベンジル基、アリル基などのエーテル型保護基;あるいはt−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリルエーテル型保護基をあげることができる。
【0023】
この場合、R3a、R3b、R3cおよびR11は、同時に同じ保護基を用いることはない。R3a、R3bおよびR3cがベンジル基であり、R11がp−ニトロベンジル基の場合には、式(XVIII)の化合物に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類など、望ましくは塩化メチレン中、酸化銀あるいはトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)の存在下、0〜80℃、好ましくは室温〜40℃で、塩化p−ニトロベンジルあるいは臭化p−ニトロベンジルを作用させることにより、2−O−p−ニトロベンジルピラノシド誘導体が得ることができる。
【0024】
得られた糖誘導体に対して、酸性条件下、すなわち酢酸中希硫酸、あるいは希硫酸中、室温〜150℃、好ましくは90〜120℃に加熱することにより、1−ヒドロキシピラノース誘導体を得ることができる。これはさらに、ジアザビシクロウンデセン(DBU)のような有機塩基あるいはCs2CO3などの無機塩基の存在下、トリクロロアセトニトリルを塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類あるいはこれらの2種以上の混合物などを溶媒として用いることができるが、望ましくは、塩化メチレン中0〜60℃、好ましくは室温にて反応させることにより、化合物(XI)[Z:−O(C=NH)−CCl3]を得ることができる。
【0025】
あるいは、上記に示した1−ヒドロキシピラノース誘導体に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合溶媒中−78℃〜−40℃において(ジメチルアミン)サルファ トリフルオリドを作用させるか、1−ヒドロキシピラノース誘導体を通常の方法により1−アセチル体に誘導した後、ピリジン−HF錯体を作用させることによっても化合物(XI)[Z:F]を得ることができる。
【0026】
第2工程:
【化34】
【0027】
本第2工程は、ピラノース誘導体(XI)に対して、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン誘導体(XVII)[式中、R12およびR13は、この反応において、反応を阻害せず、かつ反応しないものであればよく、例をあげれば、ベンジル基などのエーテル類;t−ブチルジフェニルシリル基などのようなシリルエーテルなどを用いることができる]を、ルイス酸の存在下作用させることにより、選択的にC−グリコシドを形成する反応である。
【0028】
化合物(XVII)を−78℃〜60℃、好ましくは−40℃〜室温において、BF3ジエチルエーテル錯体、トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)、Cp2HfCl2−AgClO4等の反応促進剤を作用させることによって化合物(XII)を得ることができる。
【0029】
第3工程:
【化35】
【0030】
本第3工程は、化合物(XII)のフェノール性水酸基の保護を行う工程である。保護基としては、他の水酸基の保護基であるR11、R12、R13の保護基の脱保護過程において反応しないものであればよいが、R3a、R3b、R3c、R11、R12、R13の保護基の種類によって、例えば、メチル基、アリル基、ビニル基などのエーテル性保護基;メチルチオメチル基、トリメチルシリルメトキシメチル基などのアセタール型保護基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル型保護基などを用いることができる。
【0031】
例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R11がp−ニトロベンジル基である場合には、R2として、例えばメチル基を選ぶことができる。保護基の導入方法は、通常の製造方法で用いられるものを適用すればよいが、メチル基を導入する場合には、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;あるいはジメチルホルムアミドのようなアミド類を溶媒として用い、K2CO3、Na2CO3、NaHなどの無機塩基、あるいはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、MeI、Me2SO4などのメチル化剤を−20℃ないし80℃で作用させることにより得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0032】
第4工程:
【化36】
【0033】
本第4工程は、ピラノースの2位の水酸基であるR11の保護基の脱保護工程である。脱保護条件としては、水酸基の保護基であるR3a、R3b、R3c、R12、R13の保護基がこの脱保護過程において反応しないものであればよい。例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R2がメチル基であり、R11がp−ニトロベンジル基である場合には、大過剰のインジウム粉末の存在下、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類と水との混合溶媒中、塩化アンモニウム水溶液を室温ないし100℃、好ましくは60℃ないし90℃で反応させることによって目的化合物(XIV)を得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0034】
第5工程:
【化37】
【0035】
本第5工程は、水酸基の保護基であるR12の脱保護工程である。脱保護条件としては、水酸基の保護基であるR2、R3a、R3b、R3cがこれらの脱保護過程において反応しないものであればよい。また、保護基R13は、この工程において脱保護されても、あるいは、反応しなくてもよい。例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R2がメチル基である場合には、水素ガス雰囲気下、Pd−炭素触媒をテトラヒドロフランのようなエーテル類を溶媒として用い、0℃ないし室温、好ましくは室温において常圧下これを攪拌し、反応完了後触媒を濾過した後、溶媒を減圧下に留去することによって目的化合物(XV)[式中、R10は水素原子あるいは保護基を表わす]を得ることができる。この場合には、R13も脱保護されR10は水素原子となる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0036】
第6工程:
【化38】
【0037】
本第6工程は、糖2位水酸基とフェノール性水酸基との、糖2位水酸基の立体反転を伴った脱水縮合反応工程、およびR10が水酸基の保護基である場合にはその脱保護反応である。置換基R2、R3a、R3b、R3c、R10はこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基、R2としてメチル基、R10として水素原子などをあげることができる。
【0038】
反応は、例えば、光延反応を利用することにより行うことができる。具体的には、トリフェニルホスフィン等のアリールホスフィン;あるいはトリブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィンの存在下、ジエチルアゾジカルボキシラートあるいはテトラメチルアゾジカルボキサミドなどの通常の光延反応に用いられるアゾ化合物をベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類中、−40℃ないし40℃、好ましくは室温にて1時間ないし48時間反応させることによって得ることができる。
【0039】
R10が水素原子である場合には、反応完了後通常の後処理を行うことにより目的物(VI)が得られる。目的物(VI)は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。R10が水酸基の保護基である場合には、さらに保護基R10の脱保護を行う。得られた化合物(VI)は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0040】
第7工程:
【化39】
【0041】
この工程において保護基であるR2、R3a、R3b、R3cはこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R2としてメチル基などを、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などをあげることができる。反応は具体的には、化合物(VI)に対して4−ジメチルアミノピリジンあるいはピリジンなどの塩基の存在下、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、1等量ないし2等量、好ましくは1.2等量の化合物(VII)[式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]を、−20℃ないし40℃、好ましくは室温において10分ないし24時間作用させる。反応完了後通常の後処理を行うことにより得られた化合物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製し、目的物(VIII)を得ることができる。
【0042】
第8工程:
【化40】
【0043】
本第8工程は、化合物(VIII)から化合物(III)およびその互変異性体である(IIIa)への変換工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などを、R2としてメチル基などをあげることができる。なお、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である。
【0044】
反応は、具体的には、化合物(VIII)に対して、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ヘキサン、ペンタン中、あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)を1等量ないし15等量、好ましくは2等量ないし10等量を−78℃ないし40℃、好ましくは−20℃ないし室温にて、10分ないし2時間反応させることにより目的物を得ることができる。反応完了後通常の後処理を行うことにより得られた化合物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製し、目的物(III)およびその互変異性体(IIIa)を得ることができる。
【0045】
第9工程:
【化41】
【0046】
本第9工程は、化合物(III)およびその互変異性体(IIIa)からフラボン骨格を構築する工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこの反応において、反応せず、かつ反応を阻害しないものであればよい[置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]が、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などを、R2としてメチル基などをあげることができる。
【0047】
反応は、具体的には、化合物(III)およびその互変異性体(IIIa)に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、−20℃ないし40℃、好ましくは室温において、1ないし3等量のルイス酸、例えばトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート、あるいは塩酸水溶液を10分ないし24時間作用させることにより、目的物(IV)を得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0048】
ここに説明した第7工程、第8工程および第9工程は、以上に説明したように段階的に行うこともできるが、化合物(VI)に対してベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、1等量ないし4等量のジアザビシクロウンデセン(DBU)の存在下、化合物(VII)を室温ないし120℃にて作用させることによっても化合物(IV)を得ることができる。
【0049】
上記に述べた方法とは異なって、化合物(IV)の製造方法として、次の方法もある。
【化42】
【0050】
すなわち、化合物(VI)[式中、置換基R2、R3a、R3b、R3c、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]に対して、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等の水と混和する溶媒中、1等量ないし10等量の塩基、例えば、KOHあるいはNaOH水溶液の存在下、化合物(IX)を0℃ないし80℃にて作用させ化合物(X)とした後、必要であれば、これを通常の方法で精製し、さらに化合物(X)に対して、酸性条件下加熱することによって化合物(IV)を得ることができる。例えば、酸化剤としてヨウ素あるいはDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)などを用いることができる。化合物(X)に対して、酢酸ヨウドソベンゼン存在下メタノール中水酸化カリウムなどの塩基を室温にて作用させることによって、化合物(IV)を得ることもできる。
【0051】
第10工程:
【化43】
【0052】
本第10工程は、化合物(IV)の保護基の脱保護工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこれまで工程において保護基として用いることができるものであればよいが、具体的には、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基、アセチル基などを、R2としてメチル基、アセチル基などをあげることができる。なお、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である。
【0053】
脱保護の工程は、これらの保護基を水酸基に変換し、かつ化合物(IV)および化合物(I)の分解を引き起こさないような方法であればよい。それらの方法の選択に関しては、当業者であれば自明のことである。また、脱保護の条件などについては、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。
【0054】
例えば、置換基R3a、R3b、R3cとしてベンジル基であり、R2としてメチル基である化合物(IV)に対して、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、BCl3を−20℃ないし40℃、好ましくは0℃ないし室温にて、10分ないし5時間作用させ、その後−20℃ないし40℃、好ましくは0℃ないし室温にてメタノール中10分ないし2時間攪拌した後、酢酸−水の混合溶媒中攪拌、あるいはメタノールと塩酸水溶液の混合溶媒中攪拌し、得られる反応溶液を通常の後処理を行うことにより得ることができる。この目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製することができる。
【0055】
また、置換基R2、R3a、R3b、R3cがアセチル基の場合には、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エタノール、メタノールなどのアルコール類中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を作用させることによって化合物(I)を得ることができる。この工程は、必ずしも1段階で行う必要はなく、数段階に分割して行うこともできる。また、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eに水酸基の保護基をその基の中に有するものがあれば、この保護基の脱保護工程中、あるいは別途その保護基を脱保護する工程を行うことによって、化合物(I)を得ることができる。
【0056】
また、脱保護の方法として、精製工程の簡略化、あるいは収率の向上などを目的として、先ず置換基R2、R3a、R3b、R3cで示される保護基を全て、あるいはその一部を脱保護し、生成する水酸基に別の保護基を導入した後に脱保護工程を行うこともできる。このとき新たに導入する保護基としては、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基;t−ブトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基などのように水酸基と合わさってカーボナートを形成する基を用いることができる。これらの保護基を導入した場合の脱保護の方法は、当業者に自明であるが、例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。例えば、R2がメチル基であり、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基を用いた場合には、R2、R3a、R3b、R3cを脱保護した後、生成した水酸基をアセチル基で保護した後、これを再度、全ての保護基を同時に脱保護することができる。
【0057】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩は、抗アレルギー作用を示し、特にTNCB(2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン)により誘発される耳介浮腫形成抑制作用を示すことから、抗アレルギー剤として、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対して有効な化合物である。
【0058】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩を抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対し適用する場合には、例えば、フラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩をそのまま、あるいは水等で希釈して、あるいは公知の医薬用担体と共に製剤化して、経口的に投与することができる。その製剤の形態は特に制限されず、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、トローチ剤等の経口的固形製剤として投与することができる。
【0059】
製剤化に用いられる医薬用担体としては、製剤学的に許容される、固形製剤における各種の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を、また液状製剤における各種の賦形剤、懸濁化剤、結合剤等をあげることができる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色料、甘味剤などの添加物を用いることもできる。
【0060】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、形質無水ケイ酸などを上げることができ、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどをあげることができる。また結合剤としては、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどをあげることができる。さらに崩壊剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどをあげることができる。
【0061】
液剤に使用される媒体としては、例えば精製水、アルコール、プロピレングリコールなどがあげられ、懸濁化剤としては、例えば、ステアリン酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、さらにはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子化合物などをあげることができる。
【0062】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール等をあげることができ、抗酸化剤としては、アスコルビン酸などをあげることができる。
【0063】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩を抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療剤として用いる場合の投与量は、患者の年齢、体重、疾患の種類およびその重篤度、ならびに投与経路により一概に限定し得ないが、一般に1日1〜3回の投与で、一処理あたり0.001〜100mg/kg程度である。
【0064】
【実施例】
以下に本発明を実施例等によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等により限定されるものではない。
なお、以下の実施例において使用した符号は、以下の意味を有する。
Bn :ベンジル基
pNB:p−ニトロベンジル基
Me :メチル基
Ac :アセチル基
【0065】
実施例1:メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシドの製造
【化44】
【0066】
メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−D−グルコピラノシド(1.35g)の塩化メチレン(20ml)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸銀(990mg)、2,4,6−コリジン(670μl)およびp−ニトロベンジルブロミド(880mg)を室温下に加えて6時間攪拌した。この反応溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀(990mg)、2、4,6−コリジン(500μl)およびp−ニトロベンジルブロミド(470mg)を室温下に加え、終夜攪拌した。生じた不溶物を濾別した後、得られた濾液を酢酸エチルにて希釈した。有機層を飽和重硫酸カリウム水溶液、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物(1.044g)を得た。
【0067】
NMR(CDCl3):3.35-3.80(m,6H), 3.54(s,3H), 4.28(d,1H,J=8Hz), 4.5-4.65(m,3H), 4.75-4.84(m,4H), 4.97(d,1H,J=3Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.4(m,13H), 7.43(d,2H,J=8.5Hz), 8.09(d,2H,J=8.5Hz).
【0068】
実施例2:3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノースの製造
【化45】
【0069】
メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシド(2.6g)の酢酸(28ml)および2M H2SO4(4ml)混合溶液を20分間加熱還流した後、K2CO3(1.4g)と氷水の混合物にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した後、フラッシュクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物1.35gを得た。
【0070】
NMR(CDCl3):2.83(d,0.5H,J=2.6Hz), 3.3-3.4(m,0.5H), 3.5-3.8(m,4H), 3.95-4.10(m,1.5H), 4.45-4.65(m,3H), 4.7-4.9(m,5H), 5.0(d,0.5H,J=8.8Hz), 5.3-5.4(m,0.5H), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.4(m,13H), 7.45(d,2H,J=8.5Hz), 8.05-8.15(m,2H).
【0071】
実施例3:3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノースの製造
【化46】
【0072】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(130mg)の塩化メチレン溶液(2ml)に、Cs2CO3(5mg)およびトリクロロアセトニトリル(0.22ml)を室温にて加えて30分間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物をα体およびβ体の混合物として116mg得た。
【0073】
NMR(CDCl3):3.6-3.85(m,5H), 3.95-4.1(m,1H), 4.45-5.0(m,8H), 5.79(d,0.5H,J=7.5Hz), 6.57(d,0.5H,J=3.4Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.35(m,13H), 7.35-7.45(m,2H), 8.05-8.15(m,2H), 8.55(s,0.5H), 8.71(s,0.5H).
【0074】
実施例4:3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−α−D−グルコピラノースの製造
【化47】
【0075】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(130mg)の塩化メチレン溶液(2ml)に、ジアザビシクロウンデセン(14μl)およびトリクロロアセトニトリル(0.22ml)を室温にて加えて10分間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物110mgを得た。
【0076】
NMR(CDCl3):3.65-3.85(m,4H), 3.95-4.1(m,2H), 4.45-4.65(m,3H), 4.7-4.9(m,5H), 6.57(d,1H,J=3.4Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.35(m,13H), 7.41(d,2H,J=8.6Hz), 8.11(d,2H,J=8.6Hz), 8.55(s,1H).
【0077】
実施例5:3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシル フルオリドの製法
【化48】
【0078】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(100mg)の塩化メチレン溶液(1ml)に、−78℃にてジエチルアミノサルファー トリフルオリド(34μl)を加え、3分攪拌後飽和重曹水を加えた。塩化メチレンにて抽出後、有機層を飽和重硫酸カリウムにて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物(77mg)をα、β配置の混合物として得た。
【0079】
NMR(CDCl3):3.5-4.0(m,6H), 4.5-4.95(m,8H), 5.20(dd,0.75Hz,53Hz), 5.66(dd,0.25H,J=2.3Hz,54Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.3(m,13H), 7.4-7.5(m,2H), 8.1-8.2(m,2H).
【0080】
実施例6:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化49】
【0081】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(50mg)および4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアセトフェノン(40mg)の塩化メチレン(2ml)溶液に、−40℃にてトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(5μl)を加え、徐々に室温まで昇温させた。1時間室温にて攪拌後、飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物10mgを得た。
【0082】
NMR(CDCl3):2.47(s,1.5H), 2.55(s,1.5H), 3.5-3.8(m,6H), 4.4-5.1(m,13H), 5.85(s,0.5H), 5.95(s,0.5H), 7.04(d,2H,J=8.5Hz), 7.1-7.4(m,25H), 14.2(s,0.5H), 14.4(s,0.5H).
【0083】
実施例7:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化50】
【0084】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシル フルオリド(56mg)および4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアセトフェノン(98mg)の塩化メチレン(1ml)溶液に、−78℃にてBF3・OEt2(25μl)を加え、徐々に室温まで昇温させた。20分室温にて攪拌後、飽和重曹水を加えた後、塩化メチレンにて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、実施例6と同一の標記化合物46mgを得た。
【0085】
実施例8:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化51】
【0086】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(57mg)のアセトン(1.5ml)の溶液にK2CO3(15mg)、ヨウ化メチル(214μl)を加え、60℃にて28時間加熱攪拌した。不溶物を濾別し、溶媒を留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物27mgを得た。
【0087】
NMR(CDCl3):2.37(s,1.5H), 2.47(s,1.5H), 3.5-3.8(m,9H), 4.2-5.1(m,13H), 6.23(s,0.5H), 6.24(s,0.5H), 6.95-7.05(m,2H), 7.15-7.45(m,25H), 7.85-7.95(m,2H).
【0088】
実施例9:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【0089】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(505mg)のジメチルホルムアミド(7ml)の溶液にNaH(22mg、60%ヌジョール)、ヨウ化メチル(1ml)を加え、室温にて40分熱攪拌した。酢酸エチルにて希釈後有機層を水洗した、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、実施例8と同一化合物である標記化合物を256mg得た。
【0090】
実施例10:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化52】
【0091】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(256mg)のイソプロパノール(7ml)およびメタノール(7ml)混合溶媒に飽和塩化アンモニウム水溶液(1.9ml)、インジウム末(640mg)を加え75℃にて32時間加熱攪拌した。不溶物を濾別した後酢酸エチルにて希釈し、1N塩酸水溶液にて有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製することにより標記化合物を174mg得た。
【0092】
NMR(CDCl3):2.46(s,3H), 3.5-3.8(m,9H), 4.4-5.1(m,11H), 6.35(s,1H), 7.2-7.5(m,25H).
IR(cm-1):3459, 2867, 1699, 1596, 1098.
【0093】
実施例11:4,6−ジヒドロキシ−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化53】
【0094】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(174mg)のテトラヒドロフラン(8ml)溶液に10%Pd−炭素(22mg)を加え、水素ガス雰囲気下、常圧にて10時間攪拌した後触媒を濾過した。溶媒を減圧下に留去することにより、標記化合物を140mg得た。
【0095】
NMR(CDCl3):2.66(s,3H), 3.6-4.0(m,6H), 3.77(s,3H), 4.4-4.6(m,3H), 4.75-4.95(m,4H), 6.30(s,1H), 7.15-7.35(m,15H), 8.55(br,s,1H), 12.99(s,1H).
【0096】
実施例12:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化54】
【0097】
4,6−ジヒドロキシ−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(140mg)のベンゼン溶液(3ml)に、トリブチルホスフィン(82μl)および1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(57mg)を室温下に順次加え、5時間攪拌した。反応液をそのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物101mgを無色結晶として得た。
【0098】
NMR(CDCl3):2.59(s,3H), 3.45-3.55(m,2H), 3.65-3.80(m,2H), 3.96(dd,1H,J=8.6Hz,4.7Hz), 4.14(s,3H), 4.47(dd,2H,J=14Hz,12Hz), 4.57(d,1H,J=13Hz), 4.61(t,1H,J=4Hz), 4.77(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.90(m,2H), 5.12(d,1H,J=4Hz), 6.24(s,1H), 7.2-7.4(m,6H), 14.07(s,1H).
【0099】
実施例13:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−(p−ベンジルオキシベンゾイルオキシ)−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化55】
【0100】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(38mg)の塩化メチレン(1ml)溶液にp−ベンジルオキシベンゾイル クロリド(16mg)、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(10mg)を室温にて加え、1時間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を45mg得た。
【0101】
NMR(CDCl3):2.44(s,3H), 3.5-3.6(m,2H), 3.7-3.8(m,2H), 3.97(dd,1H,J=9Hz,5Hz), 4.06(s,3H), 4.49(s,2H), 4.59(d,1H,J=11Hz), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.77(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.1-5.15(m,3H), 6.56(s,1H), 7.02(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.5(m,20H), 8.06(d,2HJ=9Hz).
【0102】
実施例14:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1,3−プロパンジオンの製造
(但し、標記化合物は、その互変異性体の混合物として得られる)
【化56】
【0103】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−(p−ベンジルオキシベンゾイルオキシ)−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(45mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を、予めジイソプロピルアミン(78μl)とn−ブチルリチウム(0.56mmol)から調製したリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン溶液(0.5ml)に−30℃で加え、−20℃から−30℃に温度を保ちながら1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を32mg得た。
【0104】
NMR(CDCl3):3.4-3.8(m,4H), 3.81(s,1H), 3.85-4.0(m,1H), 4.05(s,2H), 4.3-4.9(m,7H), 5.0-5.1(m,1H), 5.13(s,2H), 6.24(s,0.34H), 6.32(s,0.66H), 7.02(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.5(m,20H), 7.85(d,1.32H,J=9Hz), 7.92(d,0.66H,J=9Hz), 13.16(s,0.66H), 13.89(s,0.34H), 15.62(s,0.66H).
【0105】
実施例15:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化57】
【0106】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1,3−プロパンジオンとその互変異性体との混合物(23mg)の塩化メチレン溶液(0.8ml)に、室温にてトリメチルシリル トリフラート(7μl)を加え、10分間攪拌した。飽和重曹水を加えた後、塩化メチレンにて抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製することにより標記化合物を14mg得た。
【0107】
NMR(CDCl3):3.5-3.85(m,4H), 4.00(dd,1H,J=9Hz,5Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.8-4.95(m,3H), 5.14(s,2H), 5.18(d,1H,J=3Hz), 6.55(s,1H), 6.78(s,1H), 7.07(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.45(m,20H), 7.80(d.2H,J=9Hz).
【0108】
実施例16:(2R,3S,4S,4aS,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−[4−ヒドロキシフェニル]−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化58】
【0109】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(14mg)に室温にてBCl3の塩化メチレン溶液(1M、0.5ml)を加え、10分後飽和重曹水を加えた。析出した固形物をメタノール(2ml)に溶解し、これにBCl3の塩化メチレン溶液(1M、0.5ml)を氷冷下加え、室温にて20分攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をMeOH/AcOH/H2O=0.5ml/1ml/1mlに溶解した後、HPLC(ODS逆相カラム:CH3CN/H2O=20/80からCH3CN/H2O=84/16までのグラジエント溶出)にて精製し、標記化合物を0.7mg得た。
【0110】
NMR(CD3OD):3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=2Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,10Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 5.20(d,1H,J=3Hz), 6.64(s,1H), 6.65(s1H), 6.89(d,2H,J=9Hz), 7.85(d,2H,J=9Hz).
【0111】
実施例17:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−7−ベンゾイルオキシ−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化59】
【0112】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(46mg)とベンゾイル クロリド(11μl)を用いて、実施例13と同様に操作を行い、標記化合物を50mg得た。
【0113】
NMR(CDCl3):2.45(s,3H), 3.5-3.6(m,2H), 3.7-3.8(m,2H), 3.98(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.07(s,3H), 4.50(s,2H), 4.59(d,1H,J=11Hz), 4.65(t,1H,J=4Hz), 4.78(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.14(d,1H,J=4Hz), 6,56(s,1H), 7.2-7.55(m,17H), 7.61(t,1H,J=7Hz), 8.11(d,2H,J=7Hz).
【0114】
実施例18:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオンの製造
(但し、標記化合物は、その互変異性体との混合物として得られる)
【化60】
【0115】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−7−ベンゾイルオキシ−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンとその互変異性体の混合物(50mg)を用いて実施例14と同様の操作により標記化合物を35mg得た。
【0116】
NMR(CDCl3):3.4-3.8(m,4H), 3.78(s,1.5H), 3.9-4.0(m,1H), 4.07(s,1.5H), 4.3-4.9(m,7H), 5.03(d,0.5H,J=4Hz), 5.10(d,0.5H,J=4Hz), 7.2-7.6(m,18H), 7.85-8.0(m,2H), 13.14(s,0.5H), 13.87(s,0.5H), 15.41(s,0.5H).
【0117】
実施例19:
(2R,3S,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化61】
【0118】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオンとその互変異性体の混合物(35mg)を用い、実施例15と同様の操作を行い,標記化合物を8mg得た。
【0119】
NMR(CDCl3):3.5-3.75(m,3H), 3.83(t,1H,J=9Hz), 3.95-4.05(m,1H), 4.13(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.82(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.20(d,1H,J=3Hz), 6.65(s,1H), 7.2-7.6(m,18H), 7.85-7.9(m,20H).
【0120】
実施例20:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オンの製造
【化62】
【0121】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(20mg)のジオキサン溶液(0.8ml)にベンズアルデヒド(3.8μl)および50%NaOH水溶液(0.8ml)を室温にて加え、4時間攪拌した。1N塩酸水溶液15mlを加え、酢酸エチルにて抽出した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を18mg得た。
【0122】
NMR(CDCl3):3.5-3.8(m,4H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.07(s,3H), 4.4-4.6(m,3H), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.7-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 7.2-7.5(m,18H), 7.6-7.7(m,2H), 7.79(s,2H), 13.95(s,1H).
IR(NaCl, film, cm-1):2861, 1628, 1558, 1454.
【0123】
実施例21:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オンの製造
【化63】
【0124】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(42mg)のジオキサン溶液(1.6ml)に、4−メチルベンズアルデヒド(8.2μl)を用いて実施例20と同様の反応を行い、標記化合物を30mg得た。
【0125】
NMR(CDCl3):2.38(s,3H), 3.5-3.8(m,4H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.06(s,3H), 4.45-4.50(m,2H), 4.58(d,1H,J=11Hz), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.75-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 7.2-7.45(m,17H), 7.50(d,2H,J=8Hz), 7.76(d,2H,J=2Hz), 13.99(s,1H).
【0126】
実施例22:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オンの製造
【化64】
【0127】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(42mg)のジオキサン溶液(1.6ml)に、4−メトキシベンズアルデヒド(9.4μl)を用いて実施例20と同様の反応を行い、標記化合物を37mg得た。
【0128】
NMR(CDCl3):3.5-3.8(m,4H), 3.87(s,3H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.06(s,3H), 4.45-4.50(m,2H), 4.58(d,1H,J=11Hz), 4.63(t,1H,J=4Hz), 4.75-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 6.92(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.4(m,15H), 7.55(d,2H,J=9Hz), 7.68(d,1H,J=15Hz), 7.78(d,1H,J=15Hz), 14.06(s,1H).
【0129】
実施例23:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化65】
【0130】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オン(18mg)のDMSO溶液(0.4ml)にヨウ素(0.30mg)のDMSO(100μl)溶液を加え,150℃にて1時間加熱した。酢酸エチルにて希釈後,有機層をハイポ水溶液で洗浄し,無水硫酸ナトリウムにて乾燥後,溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し,標記化合物を5mg得た。この化合物の機器分析データは,実施例19で得た化合物と完全に一致した。
【0131】
実施例24:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【0132】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オン(17mg)のメタノール(1ml)溶液にKOH(16mg)のメタノール(180μl)溶液を氷冷下に加え、さらにヨードベンゼンジアセタート(17mg)を加えた後室温にて2時間加熱した。塩化メチレンにて希釈後,有機層をハイポ水溶液で洗浄し,無水硫酸ナトリウムにて乾燥後,溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し,標記化合物を5mg得た。この化合物の機器分析データは,実施例19で得た化合物と完全に一致した。
【0133】
実施例25:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−(4−メチルフェニル)−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化66】
【0134】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オン(30mg)のメタノール(2.1ml)溶液を用いて、実施例24と同様の反応を行い、標記化合物を14mg得た。
【0135】
NMR(CDCl3):2.42(s,3H), 3.5-3.75(m,3H), 3.82(t,1H,J=9Hz), 4.00(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.82(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.19(d,1H,J=3Hz), 6.61(s,1H), 6.79(s,1H), 7.2-7.4(m,15H), 7.42(d,2H,J=7Hz), 7.75(d,2H,J=8Hz).
【0136】
実施例26:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化67】
【0137】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(37mg)のメタノール(2.5ml)溶液を用いて、実施例24と同様の反応を行い、標記化合物を9mg得た。
【0138】
NMR(CDCl3):3.5-3.75(m,3H), 3.82(t,1H,J=9Hz), 3.88(s,3H), 4.00(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.83(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.19(d,1HmJ=3Hz), 6.56(s,1H), 6.78(s,1H), 7.00(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.45(m,15H), 7.81(d,2H,J=9Hz).
【0139】
実施例27:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化68】
【0140】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(8mg)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、標記化合物を0.7mg得た。
【0141】
NMR(CD3OD):3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=3Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.7-4.75(m,1H), 5.22(d,1H,J=3Hz), 6.70(s,1H), 6.81(s,1H), 7.5-7.6(m,3H), 7.95-8.05(m,2H).
【0142】
実施例28:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−(4−メチルフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化69】
【0143】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メチルフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(14mg)の塩化メチレン溶液(0.5ml)に氷冷下BCl3の塩化メチレン溶液(1M溶液、1ml)を加え、10分間攪拌後、メタノール(4ml)を加えた。減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(10ml)および1N塩酸水溶液(10ml)を室温にて加え、45時間攪拌した。メタノールを減圧下に留去した後、酢酸(7ml)を加え、得られる溶液を逆相クロマトグラフィーにて精製し、目的物を含むフラクションを凍結乾燥することにより、標記化合物を5.1mg得た。
【0144】
NMR(CD3OD):2.42(s,3H), 3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=2Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.65-4.7(m,1H), 5.22(d,1H,J=3Hz), 6.67(s,1H), 6.75(s,1H), 7.34(d,2H,J=8Hz), 7.88(d,2H,J=8Hz).
【0145】
実施例29:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化70】
【0146】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(9mg)を用い、実施例28と同様の操作を行うことにより、標記化合物を4.3mg得た。
【0147】
NMR(DMSO-d6):3.2-3.25(m,1H), 3.3-3.45(m,2H), 3.6-3.7(m,1H), 3.8-3.9(m,4H), 4.44(t,1H,J=6Hz), 4.6-4.65(m,1H), 5.01(d,1H,J=5Hz), 5.09(d,1H,J=3Hz), 5.39(d,1H,J=6Hz), 6.80(s,1H), 6.96(s,1H), 7.13(d,2H,J=9Hz), 8.07(d,2H,J=9Hz), 13.5(s,1H).
【0148】
実施例30:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリス(アセチルオキシ)−2−[(アセチルオキシシ)メチル]−10−オキソ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化71】
【0149】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(1mg)のピリジン(100μl)溶液に、ジメチルアミノピリジン(2mg)、無水酢酸(5μl)を室温にて加え、20分間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、標記化合物を得た。
【0150】
NMR(CDCl3):2.01(s,3H), 2.07(s,3H), 2.17(s,3H), 2.48(s,3H), 3.75-3.85(m,1H), 4.0-4.1(m,1H), 4.26(dd,1H,J=5Hz,12Hz), 4.88(dd,1H,J=5Hz), 5.15(d,1H,J=5Hz), 5.28(t,1H,J=9Hz), 5.39(dd,1H,J=5Hz,10Hz), 6.59(s,1H), 7.45-7.55(m,3H), 7.8-7.9(m,2H).
【0151】
実施例31:実施例27で得られた化合物の散剤
実施例27で得られた化合物1g、乳糖865gおよびトウモロコシデンプン100gをブレンダーで混合し、散剤を得た。
【0152】
実施例32:実施例27で得られた化合物を用いたマウスの接触性皮膚炎抑制試験
BALB/cマウス(7〜9週齢、雄性;日本チャールズリバー)の腹部を小動物電気バリカン(大東電気工業社製)で剃毛し、7%2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン(7%TNCB−アセトン:オリーブ油=4:1)を100μl塗布することにより感作させた。感作の6日後に、右耳介表嚢に1%TNCB(1%TNCB−アセトン:オリーブ油=1:9)を10μlずつ(計20μl)塗布することによって接触性皮膚炎を惹起させた。被検物質は惹起の30分前、6時間後、21時間後に、0.5%ヒドロキシプロピルセルロース溶液に懸濁して経口投与した(各群7匹)。なお、評価は惹起前と惹起後24時間後に耳介厚をデジマチックインジケーター(Mitsutoyo製)で測定し、その差異を耳介肥厚とした。陽性対照薬として吉草酸ベタメタゾンを用いた。
【0153】
その結果を図1に示した。図に示したごとく、TNCBで感作させたマウスの耳介にTNCBを塗布することによって顕著な耳介肥大が惹起された。実施例27で得られた化合物を経口投与した結果、マウス接触性皮膚炎モデルにおける耳介肥厚は、用量依存的に抑制され、2μg/kg以上の用量において統計的学的な有意差(p<0.05;Dunnett’test)が認められた。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明で提供される新規フラボン誘導体は、抗炎症作用、抗アレルギー作用柄を有し、特に、マウス接触性皮膚炎において優れた抑制効果を有するものであり、炎症性疾患、アレルギー性疾患の治療剤として有用なものである。特にその抗アレルギー効果は優れたものであり、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などの予防もしくは治療のための医薬として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例32の結果を示した図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗炎症作用を有する新規フラボン誘導体、またはその薬理学的に許容される塩およびそれらの製造法、ならびにその製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、抗炎症作用を有する多くのフラボン類が知られている。本発明者は抗炎症作用を有する化合物に関し鋭意研究を行ってきた結果、今回、新規で強力な抗炎症作用を有する新規フラボン誘導体を見出した。さらに、本発明が提供する新規フラボン誘導体を製造する方法を利用することにより、ウーロン茶葉抽出物から多段階の製造工程を経て得られた抗炎症作用を有する特願2002−194828に記載される次式(Ia):
【0003】
【化26】
で表わされる化合物を、簡便な方法で製造できることを見出した。
【0004】
また、本発明が提供する新規フラボン誘導体は、抗アレルギー作用、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対し極めて有効なものであることを見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、抗炎症作用を有し、抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の予防または治療に有効な、新規フラボン誘導体、またはその薬理学的に許容される塩およびそれらの製造法、ならびにその製造中間体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための本発明は、次式(I):
【化27】
【0007】
(式中、R1a、R1b、R1c、R1dおよびR1eは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはハロゲン原子を表わす)
で表わされる化合物、およびその薬理学的に許容される塩を提供する。
また、かかる式(I)で示されるフラボン誘導体の製造法を提供する。
その製造方法は、具体的には、下記の化学式に示した方法により表わすことができる。
【0008】
【化28】
【0009】
上記の方法の他、化合物(VI)から化合物(X)を経て化合物(IV)に至る方法もある。
【化29】
【0010】
(上記化学式中の各置換基の定義は、後記する定義を参照のこと)
すなわち本発明は、上記化学式中に示される式(I)で表わされる新規フラボン誘導体、その製造法、ならびにその中間体の製造法、当該中間体を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、上記化学反応式に基づいて、詳細に説明していく。
【0012】
本発明においては、特に断らない限り当業者にとって明らかなように、記号:
【化30】
は、紙面の向こう側、すなわちα−配置に結合していることを表わし、記号:
【化31】
は、紙面の手前側、すなわちβ−配置に結合していることを表わし、記号:
【化32】
は、α−あるいはβ−配置またはそれらの混合物であることを表わす。
【0013】
また、式(I)あるいは式(II)で表わされる化合物、またはその薬理学的に許容される塩は、公知の方法により溶媒和物に変換することができる。適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)の溶媒和物があげられる。溶媒和物に変換する方法としては、例えば薬剤学(塩崎仁、木村聡城郎編 廣川書店(1989年)第150頁)に記載されている水または有機溶媒から再結晶する方法があげられる。
【0014】
また、ここで置換基R2、R3a、R3b、R3c、R5、R10で表わされる保護基とは、水酸基に対して特定の条件下において導入できる官能基であり、特定の条件下においては反応せず、水酸基へと変換する必要が生じたときに、一定の条件下において脱保護することにより水酸基とすることができる官能基をいう。そのようなR2、R3a、R3b、R3c、R5、R10としては、ベンジル基、p−ニトロベンジル基のようなアリールメチル基;アリル基;メチル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基;t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのように水酸基と合わさってカーボナートを形成する基を用いることができる。
【0015】
その導入はよく知られており、例えばベンジル基を例にあげると、水酸基を有する化合物に対して、NaH、K2CO3などの塩基の存在下、臭化ベンジルあるいは塩化ベンジルなどを作用させることにより導入することができる。
【0016】
またその脱保護は、エタノールあるいはメタノールなどのアルコール類;酢酸エチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;酢酸などの有機酸あるはこれらの任意の組合せの溶媒中、Pd−炭素、Pd(OH)2、Pd黒などの触媒存在下、水素ガス雰囲気下に攪拌することによって行うことができる。またBCl3、AlCl3、HBrなどの酸性条件下でも脱保護することができる。
【0017】
上記に示した保護基は、塩基性条件、還元的条件、酸性条件、またはBu4NF、Pdなどの遷移金属錯体などを用いることにより脱保護することができる。それぞれの組合せは、用いる保護基の組合せ、あるいは、脱保護を必要とする組合せによって異なるが、例えば、ベンジル基とメチル基がそれぞれ保護基として用いられている場合には、Pd−炭素存在下水素ガスを作用させれば、ベンジル基のみを脱保護することができ、BCl3を作用させることによってフェノール性水酸基の保護基としてメチル基を用いている場合には、ベンジル基およびメチル基が同時に脱保護される。また、AlBr3をアセトニトリル中作用させることによってフェノール性水酸基の保護基としてメチル基を用いている場合には、他の水酸基がベンジル基で保護されても、メチル基のみを選択的に脱保護させることができる。
【0018】
上記した以外にも容易かつ選択的に導入および脱保護できる基であれば、特に限定されない。例えば、保護基の選択、組合せ、脱保護条件などについては、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。
【0019】
以下に本発明の各製造工程について詳細に説明する。
【0020】
第一工程:
【化33】
(式中、R3a、R3b、R3cおよびR11は水酸基の保護基を表わし、Zはイミダートあるいはフッ素原子を表わす)
【0021】
この第一工程は、保護されたメチルピラノシドの2位水酸基をR3a、R3b、R3cとそれぞれ異なる条件により脱保護できる保護基を導入した後、メチルピラノシドの加水分解、次いで1位にイミダートあるいはフッ素原子を導入する工程である。出発原料である化合物(XVIII)は、R3a、R3b、R3cがベンジル基である場合にはDanishefskyらの方法[J. Amer. Chem. Soc., Vol.111, 6661, (1992)]により合成することができる。また、その他の保護基を用いた場合にもそれに準じた方法、あるいは、これを原料にして合成することができる。
【0022】
置換基R3a、R3bあるいはR3cとしては、ベンジル基、アリル基などのエーテル型保護基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基のようなシリルエーテル型保護基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル型保護基であり、R11としては、p−ニトロベンジル基、ベンジル基、アリル基などのエーテル型保護基;あるいはt−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリルエーテル型保護基をあげることができる。
【0023】
この場合、R3a、R3b、R3cおよびR11は、同時に同じ保護基を用いることはない。R3a、R3bおよびR3cがベンジル基であり、R11がp−ニトロベンジル基の場合には、式(XVIII)の化合物に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類など、望ましくは塩化メチレン中、酸化銀あるいはトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)の存在下、0〜80℃、好ましくは室温〜40℃で、塩化p−ニトロベンジルあるいは臭化p−ニトロベンジルを作用させることにより、2−O−p−ニトロベンジルピラノシド誘導体が得ることができる。
【0024】
得られた糖誘導体に対して、酸性条件下、すなわち酢酸中希硫酸、あるいは希硫酸中、室温〜150℃、好ましくは90〜120℃に加熱することにより、1−ヒドロキシピラノース誘導体を得ることができる。これはさらに、ジアザビシクロウンデセン(DBU)のような有機塩基あるいはCs2CO3などの無機塩基の存在下、トリクロロアセトニトリルを塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類あるいはこれらの2種以上の混合物などを溶媒として用いることができるが、望ましくは、塩化メチレン中0〜60℃、好ましくは室温にて反応させることにより、化合物(XI)[Z:−O(C=NH)−CCl3]を得ることができる。
【0025】
あるいは、上記に示した1−ヒドロキシピラノース誘導体に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合溶媒中−78℃〜−40℃において(ジメチルアミン)サルファ トリフルオリドを作用させるか、1−ヒドロキシピラノース誘導体を通常の方法により1−アセチル体に誘導した後、ピリジン−HF錯体を作用させることによっても化合物(XI)[Z:F]を得ることができる。
【0026】
第2工程:
【化34】
【0027】
本第2工程は、ピラノース誘導体(XI)に対して、2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン誘導体(XVII)[式中、R12およびR13は、この反応において、反応を阻害せず、かつ反応しないものであればよく、例をあげれば、ベンジル基などのエーテル類;t−ブチルジフェニルシリル基などのようなシリルエーテルなどを用いることができる]を、ルイス酸の存在下作用させることにより、選択的にC−グリコシドを形成する反応である。
【0028】
化合物(XVII)を−78℃〜60℃、好ましくは−40℃〜室温において、BF3ジエチルエーテル錯体、トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)、Cp2HfCl2−AgClO4等の反応促進剤を作用させることによって化合物(XII)を得ることができる。
【0029】
第3工程:
【化35】
【0030】
本第3工程は、化合物(XII)のフェノール性水酸基の保護を行う工程である。保護基としては、他の水酸基の保護基であるR11、R12、R13の保護基の脱保護過程において反応しないものであればよいが、R3a、R3b、R3c、R11、R12、R13の保護基の種類によって、例えば、メチル基、アリル基、ビニル基などのエーテル性保護基;メチルチオメチル基、トリメチルシリルメトキシメチル基などのアセタール型保護基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル型保護基などを用いることができる。
【0031】
例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R11がp−ニトロベンジル基である場合には、R2として、例えばメチル基を選ぶことができる。保護基の導入方法は、通常の製造方法で用いられるものを適用すればよいが、メチル基を導入する場合には、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;あるいはジメチルホルムアミドのようなアミド類を溶媒として用い、K2CO3、Na2CO3、NaHなどの無機塩基、あるいはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、MeI、Me2SO4などのメチル化剤を−20℃ないし80℃で作用させることにより得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0032】
第4工程:
【化36】
【0033】
本第4工程は、ピラノースの2位の水酸基であるR11の保護基の脱保護工程である。脱保護条件としては、水酸基の保護基であるR3a、R3b、R3c、R12、R13の保護基がこの脱保護過程において反応しないものであればよい。例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R2がメチル基であり、R11がp−ニトロベンジル基である場合には、大過剰のインジウム粉末の存在下、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類と水との混合溶媒中、塩化アンモニウム水溶液を室温ないし100℃、好ましくは60℃ないし90℃で反応させることによって目的化合物(XIV)を得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0034】
第5工程:
【化37】
【0035】
本第5工程は、水酸基の保護基であるR12の脱保護工程である。脱保護条件としては、水酸基の保護基であるR2、R3a、R3b、R3cがこれらの脱保護過程において反応しないものであればよい。また、保護基R13は、この工程において脱保護されても、あるいは、反応しなくてもよい。例えば、R3a、R3b、R3c、R12、R13がベンジル基であり、R2がメチル基である場合には、水素ガス雰囲気下、Pd−炭素触媒をテトラヒドロフランのようなエーテル類を溶媒として用い、0℃ないし室温、好ましくは室温において常圧下これを攪拌し、反応完了後触媒を濾過した後、溶媒を減圧下に留去することによって目的化合物(XV)[式中、R10は水素原子あるいは保護基を表わす]を得ることができる。この場合には、R13も脱保護されR10は水素原子となる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0036】
第6工程:
【化38】
【0037】
本第6工程は、糖2位水酸基とフェノール性水酸基との、糖2位水酸基の立体反転を伴った脱水縮合反応工程、およびR10が水酸基の保護基である場合にはその脱保護反応である。置換基R2、R3a、R3b、R3c、R10はこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基、R2としてメチル基、R10として水素原子などをあげることができる。
【0038】
反応は、例えば、光延反応を利用することにより行うことができる。具体的には、トリフェニルホスフィン等のアリールホスフィン;あるいはトリブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィンの存在下、ジエチルアゾジカルボキシラートあるいはテトラメチルアゾジカルボキサミドなどの通常の光延反応に用いられるアゾ化合物をベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類中、−40℃ないし40℃、好ましくは室温にて1時間ないし48時間反応させることによって得ることができる。
【0039】
R10が水素原子である場合には、反応完了後通常の後処理を行うことにより目的物(VI)が得られる。目的物(VI)は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。R10が水酸基の保護基である場合には、さらに保護基R10の脱保護を行う。得られた化合物(VI)は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0040】
第7工程:
【化39】
【0041】
この工程において保護基であるR2、R3a、R3b、R3cはこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R2としてメチル基などを、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などをあげることができる。反応は具体的には、化合物(VI)に対して4−ジメチルアミノピリジンあるいはピリジンなどの塩基の存在下、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、1等量ないし2等量、好ましくは1.2等量の化合物(VII)[式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]を、−20℃ないし40℃、好ましくは室温において10分ないし24時間作用させる。反応完了後通常の後処理を行うことにより得られた化合物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製し、目的物(VIII)を得ることができる。
【0042】
第8工程:
【化40】
【0043】
本第8工程は、化合物(VIII)から化合物(III)およびその互変異性体である(IIIa)への変換工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこの反応において反応しないものであればよいが、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などを、R2としてメチル基などをあげることができる。なお、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である。
【0044】
反応は、具体的には、化合物(VIII)に対して、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ヘキサン、ペンタン中、あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)を1等量ないし15等量、好ましくは2等量ないし10等量を−78℃ないし40℃、好ましくは−20℃ないし室温にて、10分ないし2時間反応させることにより目的物を得ることができる。反応完了後通常の後処理を行うことにより得られた化合物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製し、目的物(III)およびその互変異性体(IIIa)を得ることができる。
【0045】
第9工程:
【化41】
【0046】
本第9工程は、化合物(III)およびその互変異性体(IIIa)からフラボン骨格を構築する工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこの反応において、反応せず、かつ反応を阻害しないものであればよい[置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]が、例えば、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基などを、R2としてメチル基などをあげることができる。
【0047】
反応は、具体的には、化合物(III)およびその互変異性体(IIIa)に対して、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、−20℃ないし40℃、好ましくは室温において、1ないし3等量のルイス酸、例えばトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート、あるいは塩酸水溶液を10分ないし24時間作用させることにより、目的物(IV)を得ることができる。得られた目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0048】
ここに説明した第7工程、第8工程および第9工程は、以上に説明したように段階的に行うこともできるが、化合物(VI)に対してベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、1等量ないし4等量のジアザビシクロウンデセン(DBU)の存在下、化合物(VII)を室温ないし120℃にて作用させることによっても化合物(IV)を得ることができる。
【0049】
上記に述べた方法とは異なって、化合物(IV)の製造方法として、次の方法もある。
【化42】
【0050】
すなわち、化合物(VI)[式中、置換基R2、R3a、R3b、R3c、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である]に対して、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等の水と混和する溶媒中、1等量ないし10等量の塩基、例えば、KOHあるいはNaOH水溶液の存在下、化合物(IX)を0℃ないし80℃にて作用させ化合物(X)とした後、必要であれば、これを通常の方法で精製し、さらに化合物(X)に対して、酸性条件下加熱することによって化合物(IV)を得ることができる。例えば、酸化剤としてヨウ素あるいはDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)などを用いることができる。化合物(X)に対して、酢酸ヨウドソベンゼン存在下メタノール中水酸化カリウムなどの塩基を室温にて作用させることによって、化合物(IV)を得ることもできる。
【0051】
第10工程:
【化43】
【0052】
本第10工程は、化合物(IV)の保護基の脱保護工程である。置換基R2、R3a、R3b、R3cはこれまで工程において保護基として用いることができるものであればよいが、具体的には、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基、アセチル基などを、R2としてメチル基、アセチル基などをあげることができる。なお、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eは、請求項6の定義と同義である。
【0053】
脱保護の工程は、これらの保護基を水酸基に変換し、かつ化合物(IV)および化合物(I)の分解を引き起こさないような方法であればよい。それらの方法の選択に関しては、当業者であれば自明のことである。また、脱保護の条件などについては、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。
【0054】
例えば、置換基R3a、R3b、R3cとしてベンジル基であり、R2としてメチル基である化合物(IV)に対して、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの組合せ混合溶媒中、BCl3を−20℃ないし40℃、好ましくは0℃ないし室温にて、10分ないし5時間作用させ、その後−20℃ないし40℃、好ましくは0℃ないし室温にてメタノール中10分ないし2時間攪拌した後、酢酸−水の混合溶媒中攪拌、あるいはメタノールと塩酸水溶液の混合溶媒中攪拌し、得られる反応溶液を通常の後処理を行うことにより得ることができる。この目的物は、必要であれば再結晶、クロマトグラフィーなど通常用いられる方法により精製することができる。
【0055】
また、置換基R2、R3a、R3b、R3cがアセチル基の場合には、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エタノール、メタノールなどのアルコール類中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を作用させることによって化合物(I)を得ることができる。この工程は、必ずしも1段階で行う必要はなく、数段階に分割して行うこともできる。また、置換基R4a、R4b、R4c、R4d、R4eに水酸基の保護基をその基の中に有するものがあれば、この保護基の脱保護工程中、あるいは別途その保護基を脱保護する工程を行うことによって、化合物(I)を得ることができる。
【0056】
また、脱保護の方法として、精製工程の簡略化、あるいは収率の向上などを目的として、先ず置換基R2、R3a、R3b、R3cで示される保護基を全て、あるいはその一部を脱保護し、生成する水酸基に別の保護基を導入した後に脱保護工程を行うこともできる。このとき新たに導入する保護基としては、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などのシリル基;t−ブトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシカルボニル基などのように水酸基と合わさってカーボナートを形成する基を用いることができる。これらの保護基を導入した場合の脱保護の方法は、当業者に自明であるが、例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts,:「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd. Ed., John Wiley & Sons, Inc. New York 1991」などを参考にすることができる。例えば、R2がメチル基であり、R3a、R3b、R3cとしてベンジル基を用いた場合には、R2、R3a、R3b、R3cを脱保護した後、生成した水酸基をアセチル基で保護した後、これを再度、全ての保護基を同時に脱保護することができる。
【0057】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩は、抗アレルギー作用を示し、特にTNCB(2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン)により誘発される耳介浮腫形成抑制作用を示すことから、抗アレルギー剤として、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対して有効な化合物である。
【0058】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩を抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療に対し適用する場合には、例えば、フラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩をそのまま、あるいは水等で希釈して、あるいは公知の医薬用担体と共に製剤化して、経口的に投与することができる。その製剤の形態は特に制限されず、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、トローチ剤等の経口的固形製剤として投与することができる。
【0059】
製剤化に用いられる医薬用担体としては、製剤学的に許容される、固形製剤における各種の賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を、また液状製剤における各種の賦形剤、懸濁化剤、結合剤等をあげることができる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色料、甘味剤などの添加物を用いることもできる。
【0060】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、形質無水ケイ酸などを上げることができ、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどをあげることができる。また結合剤としては、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどをあげることができる。さらに崩壊剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどをあげることができる。
【0061】
液剤に使用される媒体としては、例えば精製水、アルコール、プロピレングリコールなどがあげられ、懸濁化剤としては、例えば、ステアリン酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、さらにはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子化合物などをあげることができる。
【0062】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール等をあげることができ、抗酸化剤としては、アスコルビン酸などをあげることができる。
【0063】
本発明が提供するフラボン誘導体あるいはその薬理学的に許容される塩を抗アレルギー剤、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎の治療剤として用いる場合の投与量は、患者の年齢、体重、疾患の種類およびその重篤度、ならびに投与経路により一概に限定し得ないが、一般に1日1〜3回の投与で、一処理あたり0.001〜100mg/kg程度である。
【0064】
【実施例】
以下に本発明を実施例等によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等により限定されるものではない。
なお、以下の実施例において使用した符号は、以下の意味を有する。
Bn :ベンジル基
pNB:p−ニトロベンジル基
Me :メチル基
Ac :アセチル基
【0065】
実施例1:メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシドの製造
【化44】
【0066】
メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−D−グルコピラノシド(1.35g)の塩化メチレン(20ml)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸銀(990mg)、2,4,6−コリジン(670μl)およびp−ニトロベンジルブロミド(880mg)を室温下に加えて6時間攪拌した。この反応溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀(990mg)、2、4,6−コリジン(500μl)およびp−ニトロベンジルブロミド(470mg)を室温下に加え、終夜攪拌した。生じた不溶物を濾別した後、得られた濾液を酢酸エチルにて希釈した。有機層を飽和重硫酸カリウム水溶液、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物(1.044g)を得た。
【0067】
NMR(CDCl3):3.35-3.80(m,6H), 3.54(s,3H), 4.28(d,1H,J=8Hz), 4.5-4.65(m,3H), 4.75-4.84(m,4H), 4.97(d,1H,J=3Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.4(m,13H), 7.43(d,2H,J=8.5Hz), 8.09(d,2H,J=8.5Hz).
【0068】
実施例2:3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノースの製造
【化45】
【0069】
メチル 3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシド(2.6g)の酢酸(28ml)および2M H2SO4(4ml)混合溶液を20分間加熱還流した後、K2CO3(1.4g)と氷水の混合物にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した後、フラッシュクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物1.35gを得た。
【0070】
NMR(CDCl3):2.83(d,0.5H,J=2.6Hz), 3.3-3.4(m,0.5H), 3.5-3.8(m,4H), 3.95-4.10(m,1.5H), 4.45-4.65(m,3H), 4.7-4.9(m,5H), 5.0(d,0.5H,J=8.8Hz), 5.3-5.4(m,0.5H), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.4(m,13H), 7.45(d,2H,J=8.5Hz), 8.05-8.15(m,2H).
【0071】
実施例3:3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノースの製造
【化46】
【0072】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(130mg)の塩化メチレン溶液(2ml)に、Cs2CO3(5mg)およびトリクロロアセトニトリル(0.22ml)を室温にて加えて30分間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物をα体およびβ体の混合物として116mg得た。
【0073】
NMR(CDCl3):3.6-3.85(m,5H), 3.95-4.1(m,1H), 4.45-5.0(m,8H), 5.79(d,0.5H,J=7.5Hz), 6.57(d,0.5H,J=3.4Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.35(m,13H), 7.35-7.45(m,2H), 8.05-8.15(m,2H), 8.55(s,0.5H), 8.71(s,0.5H).
【0074】
実施例4:3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−α−D−グルコピラノースの製造
【化47】
【0075】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(130mg)の塩化メチレン溶液(2ml)に、ジアザビシクロウンデセン(14μl)およびトリクロロアセトニトリル(0.22ml)を室温にて加えて10分間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物110mgを得た。
【0076】
NMR(CDCl3):3.65-3.85(m,4H), 3.95-4.1(m,2H), 4.45-4.65(m,3H), 4.7-4.9(m,5H), 6.57(d,1H,J=3.4Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.35(m,13H), 7.41(d,2H,J=8.6Hz), 8.11(d,2H,J=8.6Hz), 8.55(s,1H).
【0077】
実施例5:3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシル フルオリドの製法
【化48】
【0078】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(100mg)の塩化メチレン溶液(1ml)に、−78℃にてジエチルアミノサルファー トリフルオリド(34μl)を加え、3分攪拌後飽和重曹水を加えた。塩化メチレンにて抽出後、有機層を飽和重硫酸カリウムにて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物(77mg)をα、β配置の混合物として得た。
【0079】
NMR(CDCl3):3.5-4.0(m,6H), 4.5-4.95(m,8H), 5.20(dd,0.75Hz,53Hz), 5.66(dd,0.25H,J=2.3Hz,54Hz), 7.1-7.2(m,2H), 7.2-7.3(m,13H), 7.4-7.5(m,2H), 8.1-8.2(m,2H).
【0080】
実施例6:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化49】
【0081】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノース(50mg)および4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアセトフェノン(40mg)の塩化メチレン(2ml)溶液に、−40℃にてトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(5μl)を加え、徐々に室温まで昇温させた。1時間室温にて攪拌後、飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物10mgを得た。
【0082】
NMR(CDCl3):2.47(s,1.5H), 2.55(s,1.5H), 3.5-3.8(m,6H), 4.4-5.1(m,13H), 5.85(s,0.5H), 5.95(s,0.5H), 7.04(d,2H,J=8.5Hz), 7.1-7.4(m,25H), 14.2(s,0.5H), 14.4(s,0.5H).
【0083】
実施例7:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化50】
【0084】
3,4,5−トリ−O−ベンジル−1−O−(2,2,2−トリクロロエタンイミドイル)−2−O−p−ニトロベンジル−D−グルコピラノシル フルオリド(56mg)および4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアセトフェノン(98mg)の塩化メチレン(1ml)溶液に、−78℃にてBF3・OEt2(25μl)を加え、徐々に室温まで昇温させた。20分室温にて攪拌後、飽和重曹水を加えた後、塩化メチレンにて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、実施例6と同一の標記化合物46mgを得た。
【0085】
実施例8:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化51】
【0086】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(57mg)のアセトン(1.5ml)の溶液にK2CO3(15mg)、ヨウ化メチル(214μl)を加え、60℃にて28時間加熱攪拌した。不溶物を濾別し、溶媒を留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物27mgを得た。
【0087】
NMR(CDCl3):2.37(s,1.5H), 2.47(s,1.5H), 3.5-3.8(m,9H), 4.2-5.1(m,13H), 6.23(s,0.5H), 6.24(s,0.5H), 6.95-7.05(m,2H), 7.15-7.45(m,25H), 7.85-7.95(m,2H).
【0088】
実施例9:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【0089】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(505mg)のジメチルホルムアミド(7ml)の溶液にNaH(22mg、60%ヌジョール)、ヨウ化メチル(1ml)を加え、室温にて40分熱攪拌した。酢酸エチルにて希釈後有機層を水洗した、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、実施例8と同一化合物である標記化合物を256mg得た。
【0090】
実施例10:4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化52】
【0091】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−2−O−p−ニトロベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(256mg)のイソプロパノール(7ml)およびメタノール(7ml)混合溶媒に飽和塩化アンモニウム水溶液(1.9ml)、インジウム末(640mg)を加え75℃にて32時間加熱攪拌した。不溶物を濾別した後酢酸エチルにて希釈し、1N塩酸水溶液にて有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製することにより標記化合物を174mg得た。
【0092】
NMR(CDCl3):2.46(s,3H), 3.5-3.8(m,9H), 4.4-5.1(m,11H), 6.35(s,1H), 7.2-7.5(m,25H).
IR(cm-1):3459, 2867, 1699, 1596, 1098.
【0093】
実施例11:4,6−ジヒドロキシ−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノンの製造
【化53】
【0094】
4,6−ビス(ベンジルオキシ)−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(174mg)のテトラヒドロフラン(8ml)溶液に10%Pd−炭素(22mg)を加え、水素ガス雰囲気下、常圧にて10時間攪拌した後触媒を濾過した。溶媒を減圧下に留去することにより、標記化合物を140mg得た。
【0095】
NMR(CDCl3):2.66(s,3H), 3.6-4.0(m,6H), 3.77(s,3H), 4.4-4.6(m,3H), 4.75-4.95(m,4H), 6.30(s,1H), 7.15-7.35(m,15H), 8.55(br,s,1H), 12.99(s,1H).
【0096】
実施例12:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化54】
【0097】
4,6−ジヒドロキシ−2−メトキシ−3−(3,4,5−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)アセトフェノン(140mg)のベンゼン溶液(3ml)に、トリブチルホスフィン(82μl)および1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(57mg)を室温下に順次加え、5時間攪拌した。反応液をそのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物101mgを無色結晶として得た。
【0098】
NMR(CDCl3):2.59(s,3H), 3.45-3.55(m,2H), 3.65-3.80(m,2H), 3.96(dd,1H,J=8.6Hz,4.7Hz), 4.14(s,3H), 4.47(dd,2H,J=14Hz,12Hz), 4.57(d,1H,J=13Hz), 4.61(t,1H,J=4Hz), 4.77(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.90(m,2H), 5.12(d,1H,J=4Hz), 6.24(s,1H), 7.2-7.4(m,6H), 14.07(s,1H).
【0099】
実施例13:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−(p−ベンジルオキシベンゾイルオキシ)−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化55】
【0100】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(38mg)の塩化メチレン(1ml)溶液にp−ベンジルオキシベンゾイル クロリド(16mg)、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(10mg)を室温にて加え、1時間攪拌した。そのままフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を45mg得た。
【0101】
NMR(CDCl3):2.44(s,3H), 3.5-3.6(m,2H), 3.7-3.8(m,2H), 3.97(dd,1H,J=9Hz,5Hz), 4.06(s,3H), 4.49(s,2H), 4.59(d,1H,J=11Hz), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.77(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.1-5.15(m,3H), 6.56(s,1H), 7.02(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.5(m,20H), 8.06(d,2HJ=9Hz).
【0102】
実施例14:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1,3−プロパンジオンの製造
(但し、標記化合物は、その互変異性体の混合物として得られる)
【化56】
【0103】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−(p−ベンジルオキシベンゾイルオキシ)−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(45mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を、予めジイソプロピルアミン(78μl)とn−ブチルリチウム(0.56mmol)から調製したリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン溶液(0.5ml)に−30℃で加え、−20℃から−30℃に温度を保ちながら1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層は飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を32mg得た。
【0104】
NMR(CDCl3):3.4-3.8(m,4H), 3.81(s,1H), 3.85-4.0(m,1H), 4.05(s,2H), 4.3-4.9(m,7H), 5.0-5.1(m,1H), 5.13(s,2H), 6.24(s,0.34H), 6.32(s,0.66H), 7.02(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.5(m,20H), 7.85(d,1.32H,J=9Hz), 7.92(d,0.66H,J=9Hz), 13.16(s,0.66H), 13.89(s,0.34H), 15.62(s,0.66H).
【0105】
実施例15:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化57】
【0106】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1,3−プロパンジオンとその互変異性体との混合物(23mg)の塩化メチレン溶液(0.8ml)に、室温にてトリメチルシリル トリフラート(7μl)を加え、10分間攪拌した。飽和重曹水を加えた後、塩化メチレンにて抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製することにより標記化合物を14mg得た。
【0107】
NMR(CDCl3):3.5-3.85(m,4H), 4.00(dd,1H,J=9Hz,5Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.8-4.95(m,3H), 5.14(s,2H), 5.18(d,1H,J=3Hz), 6.55(s,1H), 6.78(s,1H), 7.07(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.45(m,20H), 7.80(d.2H,J=9Hz).
【0108】
実施例16:(2R,3S,4S,4aS,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−[4−ヒドロキシフェニル]−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化58】
【0109】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(14mg)に室温にてBCl3の塩化メチレン溶液(1M、0.5ml)を加え、10分後飽和重曹水を加えた。析出した固形物をメタノール(2ml)に溶解し、これにBCl3の塩化メチレン溶液(1M、0.5ml)を氷冷下加え、室温にて20分攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をMeOH/AcOH/H2O=0.5ml/1ml/1mlに溶解した後、HPLC(ODS逆相カラム:CH3CN/H2O=20/80からCH3CN/H2O=84/16までのグラジエント溶出)にて精製し、標記化合物を0.7mg得た。
【0110】
NMR(CD3OD):3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=2Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,10Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 5.20(d,1H,J=3Hz), 6.64(s,1H), 6.65(s1H), 6.89(d,2H,J=9Hz), 7.85(d,2H,J=9Hz).
【0111】
実施例17:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−7−ベンゾイルオキシ−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンの製造
【化59】
【0112】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(46mg)とベンゾイル クロリド(11μl)を用いて、実施例13と同様に操作を行い、標記化合物を50mg得た。
【0113】
NMR(CDCl3):2.45(s,3H), 3.5-3.6(m,2H), 3.7-3.8(m,2H), 3.98(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.07(s,3H), 4.50(s,2H), 4.59(d,1H,J=11Hz), 4.65(t,1H,J=4Hz), 4.78(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.14(d,1H,J=4Hz), 6,56(s,1H), 7.2-7.55(m,17H), 7.61(t,1H,J=7Hz), 8.11(d,2H,J=7Hz).
【0114】
実施例18:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオンの製造
(但し、標記化合物は、その互変異性体との混合物として得られる)
【化60】
【0115】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−7−ベンゾイルオキシ−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノンとその互変異性体の混合物(50mg)を用いて実施例14と同様の操作により標記化合物を35mg得た。
【0116】
NMR(CDCl3):3.4-3.8(m,4H), 3.78(s,1.5H), 3.9-4.0(m,1H), 4.07(s,1.5H), 4.3-4.9(m,7H), 5.03(d,0.5H,J=4Hz), 5.10(d,0.5H,J=4Hz), 7.2-7.6(m,18H), 7.85-8.0(m,2H), 13.14(s,0.5H), 13.87(s,0.5H), 15.41(s,0.5H).
【0117】
実施例19:
(2R,3S,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化61】
【0118】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオンとその互変異性体の混合物(35mg)を用い、実施例15と同様の操作を行い,標記化合物を8mg得た。
【0119】
NMR(CDCl3):3.5-3.75(m,3H), 3.83(t,1H,J=9Hz), 3.95-4.05(m,1H), 4.13(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.82(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.20(d,1H,J=3Hz), 6.65(s,1H), 7.2-7.6(m,18H), 7.85-7.9(m,20H).
【0120】
実施例20:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オンの製造
【化62】
【0121】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(20mg)のジオキサン溶液(0.8ml)にベンズアルデヒド(3.8μl)および50%NaOH水溶液(0.8ml)を室温にて加え、4時間攪拌した。1N塩酸水溶液15mlを加え、酢酸エチルにて抽出した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を18mg得た。
【0122】
NMR(CDCl3):3.5-3.8(m,4H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.07(s,3H), 4.4-4.6(m,3H), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.7-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 7.2-7.5(m,18H), 7.6-7.7(m,2H), 7.79(s,2H), 13.95(s,1H).
IR(NaCl, film, cm-1):2861, 1628, 1558, 1454.
【0123】
実施例21:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オンの製造
【化63】
【0124】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(42mg)のジオキサン溶液(1.6ml)に、4−メチルベンズアルデヒド(8.2μl)を用いて実施例20と同様の反応を行い、標記化合物を30mg得た。
【0125】
NMR(CDCl3):2.38(s,3H), 3.5-3.8(m,4H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.06(s,3H), 4.45-4.50(m,2H), 4.58(d,1H,J=11Hz), 4.64(t,1H,J=4Hz), 4.75-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 7.2-7.45(m,17H), 7.50(d,2H,J=8Hz), 7.76(d,2H,J=2Hz), 13.99(s,1H).
【0126】
実施例22:1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オンの製造
【化64】
【0127】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}エタノン(42mg)のジオキサン溶液(1.6ml)に、4−メトキシベンズアルデヒド(9.4μl)を用いて実施例20と同様の反応を行い、標記化合物を37mg得た。
【0128】
NMR(CDCl3):3.5-3.8(m,4H), 3.87(s,3H), 3.97(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.06(s,3H), 4.45-4.50(m,2H), 4.58(d,1H,J=11Hz), 4.63(t,1H,J=4Hz), 4.75-4.9(m,3H), 5.11(d,1H,J=4Hz), 6.32(s,1H), 6.92(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.4(m,15H), 7.55(d,2H,J=9Hz), 7.68(d,1H,J=15Hz), 7.78(d,1H,J=15Hz), 14.06(s,1H).
【0129】
実施例23:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化65】
【0130】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オン(18mg)のDMSO溶液(0.4ml)にヨウ素(0.30mg)のDMSO(100μl)溶液を加え,150℃にて1時間加熱した。酢酸エチルにて希釈後,有機層をハイポ水溶液で洗浄し,無水硫酸ナトリウムにて乾燥後,溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し,標記化合物を5mg得た。この化合物の機器分析データは,実施例19で得た化合物と完全に一致した。
【0131】
実施例24:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【0132】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−フェニル−2−プロペン−1−オン(17mg)のメタノール(1ml)溶液にKOH(16mg)のメタノール(180μl)溶液を氷冷下に加え、さらにヨードベンゼンジアセタート(17mg)を加えた後室温にて2時間加熱した。塩化メチレンにて希釈後,有機層をハイポ水溶液で洗浄し,無水硫酸ナトリウムにて乾燥後,溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し,標記化合物を5mg得た。この化合物の機器分析データは,実施例19で得た化合物と完全に一致した。
【0133】
実施例25:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−8−(4−メチルフェニル)−11−メトキシ−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化66】
【0134】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オン(30mg)のメタノール(2.1ml)溶液を用いて、実施例24と同様の反応を行い、標記化合物を14mg得た。
【0135】
NMR(CDCl3):2.42(s,3H), 3.5-3.75(m,3H), 3.82(t,1H,J=9Hz), 4.00(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.82(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.19(d,1H,J=3Hz), 6.61(s,1H), 6.79(s,1H), 7.2-7.4(m,15H), 7.42(d,2H,J=7Hz), 7.75(d,2H,J=8Hz).
【0136】
実施例26:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化67】
【0137】
1−{(2R,3R,4S,4aR,9bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−7−ヒドロキシ−9−メトキシ−3,4,4a,9b−テトラヒドロ−2H−ピラノ[3,2−b][1]ベンゾフラン−8−イル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(37mg)のメタノール(2.5ml)溶液を用いて、実施例24と同様の反応を行い、標記化合物を9mg得た。
【0138】
NMR(CDCl3):3.5-3.75(m,3H), 3.82(t,1H,J=9Hz), 3.88(s,3H), 4.00(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.12(s,3H), 4.47(s,2H), 4.63(d,1H,J=11Hz), 4.68(t,1H,J=4Hz), 4.83(d,1H,J=12Hz), 4.85-4.95(m,2H), 5.19(d,1HmJ=3Hz), 6.56(s,1H), 6.78(s,1H), 7.00(d,2H,J=9Hz), 7.2-7.45(m,15H), 7.81(d,2H,J=9Hz).
【0139】
実施例27:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化68】
【0140】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(8mg)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、標記化合物を0.7mg得た。
【0141】
NMR(CD3OD):3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=3Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.7-4.75(m,1H), 5.22(d,1H,J=3Hz), 6.70(s,1H), 6.81(s,1H), 7.5-7.6(m,3H), 7.95-8.05(m,2H).
【0142】
実施例28:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−(4−メチルフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化69】
【0143】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メチルフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(14mg)の塩化メチレン溶液(0.5ml)に氷冷下BCl3の塩化メチレン溶液(1M溶液、1ml)を加え、10分間攪拌後、メタノール(4ml)を加えた。減圧下溶媒を留去し、残渣にメタノール(10ml)および1N塩酸水溶液(10ml)を室温にて加え、45時間攪拌した。メタノールを減圧下に留去した後、酢酸(7ml)を加え、得られる溶液を逆相クロマトグラフィーにて精製し、目的物を含むフラクションを凍結乾燥することにより、標記化合物を5.1mg得た。
【0144】
NMR(CD3OD):2.42(s,3H), 3.3-3.4(m,1H), 3.55-3.65(m,2H), 3.82(dd,1H,J=2Hz,12Hz), 3.99(dd,1H,J=5Hz,9Hz), 4.65-4.7(m,1H), 5.22(d,1H,J=3Hz), 6.67(s,1H), 6.75(s,1H), 7.34(d,2H,J=8Hz), 7.88(d,2H,J=8Hz).
【0145】
実施例29:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化70】
【0146】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−11−メトキシ−8−(4−メトキシフェニル)−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(9mg)を用い、実施例28と同様の操作を行うことにより、標記化合物を4.3mg得た。
【0147】
NMR(DMSO-d6):3.2-3.25(m,1H), 3.3-3.45(m,2H), 3.6-3.7(m,1H), 3.8-3.9(m,4H), 4.44(t,1H,J=6Hz), 4.6-4.65(m,1H), 5.01(d,1H,J=5Hz), 5.09(d,1H,J=3Hz), 5.39(d,1H,J=6Hz), 6.80(s,1H), 6.96(s,1H), 7.13(d,2H,J=9Hz), 8.07(d,2H,J=9Hz), 13.5(s,1H).
【0148】
実施例30:(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリス(アセチルオキシ)−2−[(アセチルオキシシ)メチル]−10−オキソ−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オンの製造
【化71】
【0149】
(2R,3R,4S,4aR,11bS)−3,4,11−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−8−フェニル−3,4,4a,11b−テトラヒドロ−2H,10H−ピラノ[2’,3’:4,5]フロ[3,2−g]クロメン−10−オン(1mg)のピリジン(100μl)溶液に、ジメチルアミノピリジン(2mg)、無水酢酸(5μl)を室温にて加え、20分間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、標記化合物を得た。
【0150】
NMR(CDCl3):2.01(s,3H), 2.07(s,3H), 2.17(s,3H), 2.48(s,3H), 3.75-3.85(m,1H), 4.0-4.1(m,1H), 4.26(dd,1H,J=5Hz,12Hz), 4.88(dd,1H,J=5Hz), 5.15(d,1H,J=5Hz), 5.28(t,1H,J=9Hz), 5.39(dd,1H,J=5Hz,10Hz), 6.59(s,1H), 7.45-7.55(m,3H), 7.8-7.9(m,2H).
【0151】
実施例31:実施例27で得られた化合物の散剤
実施例27で得られた化合物1g、乳糖865gおよびトウモロコシデンプン100gをブレンダーで混合し、散剤を得た。
【0152】
実施例32:実施例27で得られた化合物を用いたマウスの接触性皮膚炎抑制試験
BALB/cマウス(7〜9週齢、雄性;日本チャールズリバー)の腹部を小動物電気バリカン(大東電気工業社製)で剃毛し、7%2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン(7%TNCB−アセトン:オリーブ油=4:1)を100μl塗布することにより感作させた。感作の6日後に、右耳介表嚢に1%TNCB(1%TNCB−アセトン:オリーブ油=1:9)を10μlずつ(計20μl)塗布することによって接触性皮膚炎を惹起させた。被検物質は惹起の30分前、6時間後、21時間後に、0.5%ヒドロキシプロピルセルロース溶液に懸濁して経口投与した(各群7匹)。なお、評価は惹起前と惹起後24時間後に耳介厚をデジマチックインジケーター(Mitsutoyo製)で測定し、その差異を耳介肥厚とした。陽性対照薬として吉草酸ベタメタゾンを用いた。
【0153】
その結果を図1に示した。図に示したごとく、TNCBで感作させたマウスの耳介にTNCBを塗布することによって顕著な耳介肥大が惹起された。実施例27で得られた化合物を経口投与した結果、マウス接触性皮膚炎モデルにおける耳介肥厚は、用量依存的に抑制され、2μg/kg以上の用量において統計的学的な有意差(p<0.05;Dunnett’test)が認められた。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明で提供される新規フラボン誘導体は、抗炎症作用、抗アレルギー作用柄を有し、特に、マウス接触性皮膚炎において優れた抑制効果を有するものであり、炎症性疾患、アレルギー性疾患の治療剤として有用なものである。特にその抗アレルギー効果は優れたものであり、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などの予防もしくは治療のための医薬として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例32の結果を示した図である。
Claims (36)
- R1a、R1b、R1c、R1dおよびR1eがそれぞれ水素原子である式(II)で表わされる請求項2に記載の化合物、およびその薬理学的に許容される塩。
- R1a、R1b、R1dおよびR1eがそれぞれ水素原子であり、R1cがメチル基である式(II)で表わされる請求項2に記載の化合物、およびその薬理学的に許容される塩。
- R1a、R1b、R1dおよびR1eがそれぞれ水素原子であり、R1cがメトキシ基である式(II)で表わされる請求項2に記載の化合物、およびその薬理学的に許容される塩。
- 次式(III)およびその互変異性体である次式(IIIa):
で表わされる化合物に対して酸を作用させ次式(IV):
で表わされる化合物とした後、脱保護し、必要であれば精製することを特徴とする次式(I):
で表わされる化合物の製造法。 - 請求項6に記載する一般式(III)およびその互変異性体である一般式(IIIa)で表わされる化合物。
- 請求項6に記載する式(III)およびその互変異性体である式(IIIa)において、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 請求項6に記載する式(IV)で表わされる化合物。
- 請求項6に記載する式(IV)おいて、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 請求項6に記載する式(IV)おいて、R2、R3a、R3bおよびR3cがアセチル基である化合物。
- 請求項12に記載する式(IVa)において、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 請求項12に記載する式(IVa)において、R2、R3a、R3bおよびR3cがアセチル基である化合物。
- 次式(IV):
で表わされる化合物に対して、水酸基の保護基を脱保護し、必要であれば精製することにより、次式(I):
で表わされる化合物を得ることを特徴とする製造法。 - 式(IV)において、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である請求項15に記載の製造法。
- 水酸基の脱保護をBCl3により行う請求項15に記載の製造法。
- R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である式(III)およびその互変異性体である式(IIIa)で表わされる化合物に対して酸を作用させる請求項18に記載の製造法。
- 酸としてトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホン酸を作用させる請求項18または19に記載の製造法。
- 次式(IV):
で表わされる化合物の製造法。 - 請求項21に記載する式(VI)で表わされる化合物。
- 請求項21に記載する式(VI)おいて、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 次式(VI):
で表わされる化合物の製造法。 - 次式(XI):
で表わされる化合物の製造法。 - 請求項24または25に記載の方法において、酸化剤として酢酸ヨウドソベンゼンあるいはヨウ素を使用する製造法。
- 請求項25に記載の式(XII)で表わされる化合物。
- 請求項25に記載の式(XII)の化合物において、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 請求項29に記載の式(XIII)で表わされる化合物。
- 請求項29に記載する式(XIII)の化合物において、R2がメチル基であり、R3a、R3bおよびR3cがベンジル基である化合物。
- 活性成分として、請求項1、2、3、4、5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
- 活性成分として、請求項1、2、3、4、5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を、製剤学的に許容される1種またはそれ以上の不活性で、かつ無害の担体と共に含有する医薬組成物。
- アレルギー性疾患の予防または治療に使用する請求項32または33に記載の医薬組成物。
- アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎である請求項34に記載の医薬組成物。
- 炎症性疾患の予防または治療に使用する請求項32または33に記載の医薬組成物。
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