JP5597142B2 - 硫酸化c−配糖体及びその単離方法並びに合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規化合物である硫酸化C−配糖体に関する。詳しくは、本発明は、ステロイド剤と同等又はそれ以上に優れた抗炎症作用等の生理活性が期待されるチャフロサイド及びその類縁体の前駆体である硫酸化C−配糖体、その茶葉からの単離方法、その新規な合成方法、及び該硫酸化C−配糖体からのチャフロサイド及びその類縁体の製造方法に関する。
チャフロサイド(chafuroside)は、フラボン誘導体の一種であるフラボンC配糖体(C-glycoside)であり、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用等を示すことが知られている。チャフロサイドは、ウーロン茶から単離される化合物であることが知られており、その構造式が決定されている。
上原らは、アトピー患者に対し、市販のウーロン茶を2倍に濃縮した濃厚溶液400mlを毎朝食と夕食後にその半量ずつ4週間飲用させ、該患者特有の日常的な皮膚炎症とそれに付随する強度のかゆみ発症を効果的に予防するか否かを調べる試験を行い、同ウーロン茶がこの試験参加のアトピー患者の62%に有効であったとの知見を得た(非特許文献1参照)。
上記知見をもとに、糠谷らは2,4-dinitro-fluorobenzene誘発アトピーモデルに対する有効性を分離の指標に、同ウーロン茶からの有効成分の単離を試みた(特許文献1参照)。その結果、このウーロン茶用の茶葉約3.5kgから経口投与で活性を示す二つの成分のそれぞれ約1mgを得、構造式を決定し、新規物質であったことからチャフロサイドA(chafuroside A)とチャフロサイドB(chafuroside B)と命名した(特許文献1参照)。
それによれば、チャフロサイドAとBは、下記構造式でそれぞれA2−2とB2−2として表すことができる。
Figure 0005597142
続いて、チャフロサイドAとBの生物活性について詳細な検討が加えられた。そして、2,4-dinitro-fluorobenzeneで誘発したアトピーモデルにおいて、チャフロサイドAは市販のステロイド抗炎症剤Predonisolone (10mg/kg)及びbetamethasone (0.8mg/kg)よりも低用量の10μg/kgでそれらと同程度の、有意な皮膚炎症抑制活性を示すことが示された(特許文献1、非特許文献2参照)。
また、Minマウスのラット大腸におけるアゾキシメタン(AOM)誘発腸管ポリープ形成に対してチャフロサイドAは、インドメタシン(indomethacin)と同用量の2.5mg/kgで効果的に抑制する作用を発揮することが確認された。そして、この効果はチャフロサイドAがCOX−2に阻害的に作用するためと推察された。これらのこととその構造から、チャフロサイドAは新しいタイプの抗炎症剤となる可能性が高い(特許文献2,非特許文献3参照)。
このように、チャフロサイドA及びBは、現在最も有用な薬の一つステロイド抗炎症剤よりも優れた生理活性を示しその有用性が期待されていることから、従来それらを工業的に製造するための様々な方法が検討されている。例えば、既知のフラボンC配糖体であるイソビテキシン(isovitexin)とビテキシン(vitexin)からそれぞれ合成しようとする試みがなされており、そのなかでもイソビテキシンとビテキシンから以下の化学反応式に示すような光延反応を用いてチャフロサイドAとBを合成することが提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法は爆発の危険の高いアゾ試薬を用いるために、その工業化は極めて難しい。
Figure 0005597142
また、上述した非特許文献2にも、チャフロサイドAの新規な化学合成法が開示されているが、安全性が低いという欠点を有する(特許文献3、特許文献4、非特許文献2参照)。
上述したようなチャフロサイドA及びBの構造、製法及び生理活性などから、チャフロサイドA及びBのウーロン茶葉中における生成メカニズムには非常に興味が持たれているが、簡便かつ高収率で、しかも安全で安価な工業的生産方法は未だ確立されておらず、これらの化合物の高い有用性からすると、その効率よい生産方法の開発が強く望まれている。
特開2004−035474号公報 特開2006−342103号公報 特開2005−314260号公報 特開2005−289888号公報
上原ら、皮膚科紀要92、143−148(1997) T. Nakatsuka et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14(2004) 3201-3203 N. Niho et al., Cancer Science 97(2006) 248-251
本発明は、チャフロサイド及びその類縁体の前駆体として新規な化合物である硫酸化C−配糖体、及び該硫酸化C−配糖体の効率よい製造方法、並びにそれを用いたチャフロサイド及びその類縁体の効率よい製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、チャフロサイドAとBの生成要因について検討を加え、生成要因を特定することに成功した。そして、この成果をもとにチャフロサイドAとBの各前駆体を単離し、新規化合物であるそれらの両前駆体の構造を各種物理化学的データにより推定し、合成によって構造決定した。
さらに、これら前駆体を加熱処理することにより、容易かつ高収率にてそれぞれチャフロサイドAとBへ変換可能、すなわちこれら前駆体より極めて効率的にチャフロサイドAとBが得られることを見いだした。
また、下記一般式に示すように、チャフロサイドAとB各前駆体の部分構造(a)(下記式中、左)を有する化合物は、それぞれチャフロサイドA及びBと同じ部分構造(b)(下記式中、右)を有する化合物に変換されると考えられることから、該部分構造(a)を有する他の化合物群からも同様にしてチャフロサイドA及びBと同じ部分構造を有する化合物群が得られることが推定される。
Figure 0005597142
本発明者は、上述したことを前提に、自然界又は合成的に製造可能な糖誘導体の2−sulfateからチャフロサイド及びその類縁化合物が誘導されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す硫酸化C−配糖体、その単離方法及び合成方法、並びに該硫酸化C−配糖体からのチャフロサイド及びその類縁体の製造方法を提供するものである。
(1)下記一般式(A1)又は(B1)で表される硫酸化C−配糖体。
Figure 0005597142
(上記一般式(A1)及び(B1)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
(2)前記硫酸化C−配糖体が、下記式(A1−2)で表されるイソビテキシンの硫酸化体又は下記一般式(B1−2)で表されるビテキシンの硫酸化体であることを特徴とする、請求項1記載の硫酸化C−配糖体。
Figure 0005597142
(3)(1)又は(2)記載の硫酸化C−配糖体を単離する方法であって、前記硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋から水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて該硫酸化C−配糖体を抽出する工程を含むことを特徴とする、硫酸化C−配糖体の単離方法。
(4)以下の工程(イ)、(ロ)及び(ハ)を含むことを特徴とする、請求項3記載の硫酸化C−配糖体の単離方法。
(イ)前記硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋の粉砕物を、水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて抽出し、該硫酸化C−配糖体を含む抽出液を得る抽出工程
(ロ)前記抽出工程(イ)で得られた抽出液を減圧下で加熱濃縮乾固させ、前記硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を得る濃縮・乾固工程
(ハ)前記濃縮・乾固工程(ロ)で得られた硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を、水及びn−ブタノール溶剤を用いて液液分配し、その水層部を化学分離精製法により精製する精製工程
(5)(1)又は(2)記載の硫酸化C−配糖体を合成する方法であって、下記一般式(A0)又は(B0)で表されるフラボンC−配糖体と、ピリジン−SO 錯体、硫酸−DCC、及びトリエチルアミン−SO 錯体からなる群から選択される硫酸基導入剤とを反応させ、該フラボンC−配糖体を硫酸化する工程を含むことを特徴とする、硫酸化C−配糖体の合成方法。
Figure 0005597142
(上記一般式(A0)及び(B0)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
(6)前記硫酸基導入剤が、ピリジン−SO体である、(5)記載の硫酸化C−配糖体の合成方法。
Figure 0005597142
(上記一般式(A2)及び(B2)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
本発明においては、チャフロサイドAとBの前駆体として、新規の硫酸化C−配糖体(イソビテキシンとビテキシンの硫酸化体)を単離することができた。そして、両化合物は新規化合物であったので、各種の物理化学的データにより、その構造を推定し、合成によって決定した。
これにより、チャフロサイドA及びBは、茶葉中でそれぞれイソビテキシン及びビテキシンの硫酸化体から製造されることが判明した。なお、本発明者の知る限りでは、フラボン配糖体、及びフラボンC−配糖体の硫酸化体はこれまで見いだされておらず、本発明においてはじめて見いだされたものである。
チャフロサイドA及びBの両前駆体それぞれから、加熱処理によってチャフロサイドAとチャフロサイドBが生成される。チャフロサイドAとチャフロサイドBは抗炎症作用を示し、特に前者の作用は市販ステロイド剤よりも優れていると報告されている。
本発明で確認されているのはチャフロサイドAの前駆体(イソビテキシン2−sulfate)とチャフロサイドBの前駆体(ビテキシン2−sulfate)からそれぞれチャフロサイドAとBが生成することのみであるが、チャフロサイドA及びBの両前駆体と同じ部分構造を有する化合物は、チャフロサイドAとBと同じ部分構造を有する化合物に変換されることが推定される。また、チャフロサイドA及びBと同じ部分構造を有するこれらの化合物群にも優れたステロイド様の抗炎症の生理活性が期待される。
本発明における、チャフロサイド及びその類縁体の前駆体として新規の化合物である硫酸化C−配糖体の発見は、これらによってチャフロサイドを多く含む茶品種や他の食用素材の探索、各種茶葉や他の食用素材からの食品の製造においてチャフロサイド含量のコントロール、及びそれを多く含む茶や他の食品の製造を可能とするものであり、その意義は高い。
本発明の硫酸化C−配糖体は、固相の状態で加熱により容易に立体反転を伴う環化反応を起こす。したがって、本発明によって、イソビテキシンとビテキシン等のフラボンC−配糖体より硫酸化C−配糖体を経てチャフロサイド及びその類縁体を合成し得る、安価なチャフロサイド及びその類縁体の合成法を提供することができる。本発明の方法によれば、安価で安全な出発物質や試薬を用い、且つ比較的穏やかな反応条件であるにもかかわらず、高収率でチャフロサイド及びその類縁体を生成することができるため、スケールアップにより工業的生産が可能であり、産業上極めて有用である。
代謝において硫酸化は解毒的排泄機構と関連づけられてきたことを考慮すると、茶葉中に硫酸化体であるチャフロサイド前駆体が存在することの意義は大きい。イソビテキシンとビテキシンについては、それらの抗ガン作用、UV照射によるダメージの軽減効果、COX抑制作用、抗酸化的な効果、抗不安効果等が最近注目されている。本発明の新規化合物であるチャフロサイド前駆体は硫酸化体で、水に解けやすいことから、水に極めて難溶なイソビテキシンとビテキシンに比し、人体への移行性が高く、その体内動態及び生理活性についてもイソビテキシン及びビテキシンと同様の薬理作用が期待され、より高効率でしかも安全性に優れた天然由来の新しいタイプの抗炎症剤などとして利用できる可能性が高い。
また、チャフロサイド前駆体の含量が多くの市販紅茶に少ないことから、茶製造の発酵における酸化的酵素反応でチャフロサイド前駆体がどのように代謝変換されるかにも興味がもたれる。
チャフロサイド前駆体の分離工程の一例を示すチャート図である。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
(1)硫酸化C−配糖体
本発明の硫酸化C−配糖体は新規化合物であり、下記一般式(A1)又は(B1)で表されるフラボン骨格を有するフラボンC−配糖体の硫酸化体である。
Figure 0005597142
ここで、上記一般式(A1)及び(B1)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。好ましくは、R1はOH基であり、R1及びR2は各々水素原子である。
上記一般式(A1)又は(B1)で表される化合物の具体例としては、下記式に示したA1−1、A1−2、A1−3、A1−4、B1−1、B1−2、B1−3、及びB1−4が挙げられる。(式中、R、R1及びR2は、それぞれ上記一般式(A1)及び(B1)におけるのと同義である。)
Figure 0005597142
上記一般式(A1)で表される化合物のうち特に好ましいものは、チャフロサイド前駆体A(prechafuroside A)(上記化合物(A1-2))であり、このものはイソビテキシンの硫酸化体(Isovitexin 2"-sulfate)である。一般式(B1)で表される化合物のうち特に好ましいものはチャフロサイド前駆体B(prechafuroside B)(上記化合物(B1-2))であり、このものはビテキシンの硫酸化体(Vitexin 2"-sulfate)である。
(2)茶葉中の硫酸化C−配糖体の単離方法
本発明の上記一般式(A1)又は(B1)で表される硫酸化C−配糖体は、該硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋から水、低級アルコール溶剤又はそれらの混合物を用いて抽出することにより単離することができる。すなわち、本発明の硫酸化C−配糖体の単離方法は、前記硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋から水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて該硫酸化C−配糖体を抽出する工程を含むことを特徴とする。
単離の具体的な手順は特に限定されないが、好ましくは以下の工程(イ)〜(ハ)を含む方法で行われる。
(イ)前記硫酸化C−配糖体を含有する生茶葉、茶葉又は茶渋の粉砕物を、水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて抽出し、該硫酸化C−配糖体を含む抽出液を得る抽出工程
(ロ)前記抽出工程(イ)で得られた抽出液を減圧下で加熱濃縮乾固させ、前記硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を得る濃縮・乾固工程
(ハ)前記濃縮・乾固工程(ロ)で得られた硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を、水及びn−ブタノール溶剤を用いて液液分配し、その水層部を化学分離精製法により精製する精製工程
前記抽出工程(イ)で用いられる硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋の粉砕物において、茶葉としては、例えば生茶葉、緑茶用茶葉、焙じ茶用茶葉、紅茶用茶葉、ウーロン茶などを挙げることができるが、特に好ましいものは、生茶葉、強く加熱していない緑茶用茶葉又はウーロン茶葉である。また、硫酸化C−配糖体を含有する茶渋において、渋茶としては、緑茶の製造工程において茶葉の主に芽の部分などの比較的もろい部分から出る粉茶あるいはこれが固まったものを使用することができる。これら茶葉又は茶渋の粉砕方法は特に制限されない。
前記抽出工程(イ)で用いられる炭素数1〜3の低級アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられるが、好ましくはメタノールである。水とメタノールとを用いて抽出を行う場合、より具体的には、硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋を粉砕して水に分散させ、その茶葉又は茶渋粉末を前記水の5〜20倍容量(好ましくは5〜15倍容量)の40〜60wt%(好ましくは45〜55wt%)メタノール水溶液を用いて、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、硫酸化C−配糖体を含む抽出液を得る。
前記濃縮・乾固工程(ロ)においては、抽出工程(イ)で得られた抽出液を減圧下(好ましくは10〜500mmHgの減圧下)で十分な温度(好ましくは該抽出液の沸点より20℃以上高い温度)にまで加熱して抽出液の溶媒を蒸発させて濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて溶媒を実質的に除去し、抽出液中に溶解している物質を乾固させて硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を得ることが特に好ましい。
前記精製工程(ハ)においては、濃縮・乾固工程(ロ)で得られた硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を、水及びn−ブタノール溶剤を用いて液液分配し、その水層部を化学分離精製に用いられる方法によって精製する。化学分離精製法としては、薄層クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPCL)、電気泳動などが挙げられる。
前記硫酸化C−配糖体はイソビテキシンやビテキシンと異なり、硫酸基の存在により水溶性が高い高極性な物質である。したがって、水とn-ブタノール溶剤との液液分配では、イソビテキシンやビテキシン、及びチャフロサイドはn-ブタノール溶剤層に移行するのに対し、前記硫酸化C−配糖体は水層部に含まれる。
より具体的には、前記精製工程(ハ)において、液液分配後の水層部を合成吸着剤等に通してから、水で充分に洗浄後、吸着部を10〜60%メタノール(好ましくは30%メタノール)で溶出させた後、ゲル濾過やシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の方法で分画し、各溶出画分を140〜190℃で5〜180分(より好ましくは160℃で40分)加熱処理後に生成するチャフロサイド量をLC−MS/MS分析により求め、生成量が最も高い分画のみをHPLC法での精製に供する。
吸着クロマトグラフィーには、商品名「Diaion SP825」(三菱化学(株)製)、Diaion SP207(三菱化学(株)製)、アンバーライトXAD(オルガノ(株))、クロマト用シリカゲル(和光純薬社製、メルク社製)等を用いることができる。
ゲル濾過は、商品名「Sephadex LH-20」(ファルマシア社製)、Bio Gel P-2等のゲル濾過クロマトグラフィーを用いることができる。
LC−MS/MS分析法としては、メタノール水溶液又はアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法を用いることができる。また前記HPLC−MS/MS分析法では、例えば、インタクト株式会社製のC18カラムを用い、特定の溶媒を用いる「Cadenza CD C18のHPLC−MS/MS分析法」を用いることができる。
前記のメタノール水溶液又はアセトニトリル水溶液は、20〜80wt%のメタノール水溶液、又は10〜60wt%のアセトニトリル水溶液であることが、特にHPLC−MS/MS分析法において高い精度で茶葉やそれより分離過程で得た分画の加熱処理後にそれらに含まれるチャフロサイド又はその類縁体を定量することができるので、さらに好ましい。
(3)フラボンC−配糖体からの硫酸化C−配糖体の合成方法
本発明の硫酸化C−配糖体は、下記一般式(A0)又は(B0)で表されるフラボンC−配糖体から合成することによっても得ることができる。ここで、下記一般式(A0)及び(B0)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。
Figure 0005597142
上記一般式(A0)又は(B0)で表されるフラボンC−配糖体としては、下記式に示したA0−1、A0−2、A0−3、A0−4、B0−1、B0−2、B0−3、及びB0−4が挙げられる。(式中、R、R1及びR2は、それぞれ上記一般式(A1)及び(B1)におけるのと同義である。)
Figure 0005597142
上記一般式(A0)で表される化合物のうち特に好ましいものは、イソビテキシン(上記化合物(A0−2))である。一般式(B0)で表される化合物のうち特に好ましいものはビテキシン(上記化合物(B0−2))である。
本発明の硫酸化C−配糖体の合成方法は、上記一般式(A0)又は(B0)で表されるフラボンC−配糖体と硫酸基導入剤とを反応させ、該フラボンC−配糖体を硫酸化する工程を含むことを特徴とする。チャフロサイド前駆体Aを合成する場合はフラボンC−配糖体としてイソビテキシンを、チャフロサイド前駆体Bを合成する場合はフラボンC−配糖体としてビテキシンを用いる。
ここで用いられる硫酸基導入剤としては、ピリジン−SO錯体(Pyridine-SO3 (1:1) complex)、硫酸−DCC(硫酸とジシクロヘキシルカルボジイミドとの組み合わせ)、及びトリエチルアミン−SO錯体からなる群から選択されるものが挙げられる。

上記合成方法のうち、イソビテキシン及びビテキシンからそれぞれチャフロサイド前駆体A及びBを合成する方法についてより具体的に述べると、第1段階で、イソビテキシン又はビテキシンの4位と5位の水酸基を予め保護する。保護基の導入には、例えばベンズアルデヒドジメチルアセタール−PPTS、ベンズアルデヒド−塩化亜鉛等を用いることができる。
次いで、4位と5位に保護基を導入された前記化合物に硫酸基導入剤を反応させ、所望する2位に硫酸基を導入する。このときの反応温度は、好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜40℃であり、反応時間は0.5〜8時間、より好ましくは2〜4時間である。
このようにして得た、イソビテキシン又はビテキシンの4位と5位の水酸基が保護され、2“又は3”位が硫酸化されたイソビテキシン又はビテキシン誘導体を、陽イオン交換樹脂(IR-120)、40%酢酸等で加水分解処理で4位と5位の水酸基の保護基を除去した後、所望するチャフロサイド前駆体はSep-Pack C18を用いる分配カラムクロマトグラフィー、ODS-C18カラムを用いるHPLC、ゲル濾過等で単離、精製することができる。
(4)チャフロサイド及びその類縁体の製造方法
本発明のチャフロサイド及びその類縁体の製造方法は、前記硫酸化C−配糖体を140〜190℃、好ましくは150〜180℃で加熱する工程を含むことを特徴とする。硫酸化C−配糖体を加熱することによって、遷移状態を経て分子内環化反応が進行しチャフロサイド及びその類縁体が生成すると考えられる。その化学反応式について、チャフロサイド前駆体A(イソビテキシン2"-sulfate)からチャフロサイドAの製造、及びチャフロサイド前駆体B(ビテキシン2"-sulfate)からチャフロサイドBの製造における化学反応の例を以下に示す。
Figure 0005597142
前記硫酸化C−配糖体のうち、一般式(A1)で表される硫酸化C−配糖体からは、下記一般式(A2)で表されるチャフロサイド及びその類縁体が得られる。一般式(B1)で表される硫酸化C−配糖体からは、下記一般式(B2)で表されるチャフロサイド及びその類縁体が得られる。ここで、下記一般式(A2)及び(B2)中、R、R1及びR2は、それぞれ上記一般式(A1)及び(B1)におけるのと同義である。
Figure 0005597142
より具体的には、前記硫酸化C−配糖体のうち、下記一般式(A1−1)及び(B1−1)で表される硫酸化C−配糖体からは、各々下記一般式(A2−1)及び(B2−1)で表されるチャフロサイドの類縁体が得られる。一般式(A1−2)及び(B1−2)で表されるチャフロサイド前駆体AとBからは、各々下記一般式(A2−2)及び(B2−2)で表されるチャフロサイドAとBが得られる。一般式(A1−3)及び(B1−3)で表される硫酸化C−配糖体からは、各々下記一般式(A2−3)及び(B2−3)で表されるチャフロサイドの類縁体が得られる。一般式(A1−4)及び(B1−4)で表される硫酸化C−配糖体からは、各々下記一般式(A2−4)及び(B2−4)で表されるチャフロサイドの類縁体が得られる。
Figure 0005597142
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例1では、各種の茶葉中に含まれるチャフロサイドAとチャフロサイドBの含量を、以下の方法で分析した。まず、ニュージランド産のPuriri(Vitex lucens)を原料として、これから調製したイソビテキシン及びビテキシンから光延反応でチャフロサイドAとBをそれぞれ合成し、それらを用いてチャフロサイド分析用の検量線を作製し、それをもとに各種茶葉中のチャフロサイドAとBの定量分析を行った。
(1)試薬
合成に使用した試薬、溶媒はすべて和光純薬社製特級品を用いた。分配型分離剤としてはWaters社の商品名「Sep-Pack C18 Cartridge」に充填されている「ODS C18」を用いた。ゲル濾過に商品名「Sephadex LH 20」(ファルマシア社製)、吸着分離剤として商品名「Diaion SP825」(三菱化学(株)製)を使用した。分離用HPLCカラムに商品名「Cadenza CD-C18」(インタクト(株)製)を使用した。
(2)試料
実験用茶葉には以下の品種のものを使用した。
緑茶;静7132、藪北、さやまかおり
焙じ茶;静7132、藪北
ウーロン茶;静7132、水仙、鉄観音
紅茶;静7132、アッサム、ダージリン
なお、静7132から製造した緑茶、ウーロン茶、及び紅茶は、静岡県島田市在住の茶製造の専門家が作成したものである。
茶葉の抽出は、茶葉をコーヒーミルで粉砕後、その0.2gを50%MeOH(2ml)で攪拌下、90℃で20分間行った。なお、この操作は2回繰り返した。抽出液を減圧下濃縮乾固し、H2O(1ml)に溶解した後、n−BuOH(1ml×2)を用いて抽出し得たn−BuOH層部を減圧下濃縮乾固後、30%−CH3CN(0.5ml)に溶解し、分析用サンプルとした。
(3)測定及び分析の方法
NMR測定は、商品名「JNM−ECA 500」(日本電子社製)、LC−MS/MS分析には商品名「Agilent 1100」及び「API 2000」(Applied Bio社製)を併用し、QTOF−MS測定には商品名「QSTAR」(Applied Bio社製)、UV測定は商品名「U3900」((株)日立製作所製)、加熱にはミクロ蒸留用加熱恒温槽(Buchi社製)を使用した。
(4)チャフロサイドAとB、及びイソビテキシンとビテキシンの分析
予め合成したチャフロサイドAとB、及びイソビテキシンとビテキシンから、それぞれ0.2ng/ml、1.0ng/ml、10ng/ml、100ng/ml及び1000ng/mlの標準溶液を調製した。これらの各標準溶液を使用し、カラムには商品名「Cadenza CD-C18」(3×150mm)を用い、溶出展開はH2O−CH3CNの混合溶媒を用いて20分かけて15〜50%とするグラジエント法を使用した。
各濃度の標準溶液10μlを用いて得たクロマトグラムの各化合物のピーク面積より検量線を作成し、それをもとにESI法を用いたPLC−MS/MS法で定量分析を行った。MS/MS条件は以下に示した。
Figure 0005597142
(5)結果及び考察
上記各銘柄の茶葉に含まれるチャフロサイドA、チャフロサイドB、イソビテキシン、及びビテキシンの量をHPLC−MS/MS法で分析した結果を、下記表2に示す。なお、表中に示される含有量の単位は「ng/g」である。
Figure 0005597142
上記各銘柄の茶葉のすべてについて、イソビテキシンとビテキシンとともにチャフロサイドA及びチャフロサイドBが検出された。イソビテキシン及びビテキシンの含量は、茶葉1グラム当たり数十から100μgで、平均値で眺めるとその量は緑茶、焙じ茶、ウーロン茶、紅茶の順に多く、各茶及び銘柄間に大きな差は無かった。
一方、チャフロサイドAとBは茶間に大きな差が認められた。緑茶及び紅茶中の含量は茶葉1グラム当たり数十ngで、銘柄間の差はほとんどなかった。これらと比べて、静7132から製したウーロン茶を除いて、ほうじ茶とウーロン茶ではバラツキはあるが含量は茶葉1グラム当たり数μgと緑茶及び紅茶と比べて顕著にその含量は高かった。ほうじ茶では銘柄間には有意な差はなかったが、ウーロン茶では大きな差があった。
緑茶は新鮮若葉を蒸した後、すぐ冷やし、80℃位で加熱しながら水を飛ばしながら手で巻き込むように乾燥し、製茶する。紅茶は約8時間かけて若葉を撓らせ、その水分を抜き、その後手でもみ数時間酸化発酵させてから、90℃位の熱風で、短時間で乾燥しつつ製茶する。ウーロン茶は成熟した葉を2〜3時間日光浴で撓らせ、室内でタケカゴの上で揺すらせつつ中程度の発酵を施し、次いで160〜260℃の熱風により短時間で酵素を殺し、最終的に90℃位で乾燥しつつ製茶する。ほうじ茶は緑茶を160〜200℃で短時間焙煎させ製する。
室温でウーロン茶の中で含量が多いものは強く火入れされた焙煎痕が認められたが、静7132から製したウーロン茶にはその形跡がなかった。また、同族の同じ茶葉から製した緑茶は焙じることで顕著な含量上昇が認められた。
以上のことから、チャフロサイドAとチャフロサイドBの生成要因の一つは160℃以上の高温での加熱と推察された。
なお、各銘柄の茶葉中のチャフロサイドAとBの含量とイソビテキシン及びビテキシン量との間には相関性は認められなかった。
(6)生成要因の最適化
静7132より製したウーロン茶を120、140、160、180及び200℃で40分間加熱した後、それぞれの茶葉中のチャフロサイドAとBの含有量を求め、表3に示す結果を得た。なお、表中に示される含有量の単位は「ng/g」である。
Figure 0005597142
また、加熱温度160℃で20、40、60及び80分間の加熱した後の各茶葉中のチャフロサイドAとチャフロサイドBの含有量を求め、表4の結果を得た。なお、表中に示される含有量の単位は「ng/g」である。
Figure 0005597142
以上の結果から、製茶葉中でチャフロサイドAとBは加熱によって生成し、その至適温度は本茶葉では160〜180℃の範囲であることが明らかとなった。高すぎると分解することが示された。また、160℃の加熱では約40分間でその生成量は極大となり、それ以上の時間をかけても生成量は増加せず、ほぼ一定であった。
なお、各銘柄の緑茶、ウーロン茶、及び紅茶を至適温度と至適時間で加熱処理すると、緑茶とウーロン茶、及び特定の紅茶ではチャフロサイドAとBの含量は顕著に増加し、平均15μg/g(茶葉)程度となった。しかし、市販の一般的な紅茶ではその量は顕著に増加するが平均数μg/g(茶葉)程度であった。これより、製茶過程の酸化的発酵処理もチャフロサイドAとBの生成に重要であることが示された。
<実施例2>
本実施例では、チャフロサイド前駆体の分離・精製、及び構造決定を行った。
上述したように、チャフロサイドAとBはイソビテキシンとビテキシンにトリフェニルホスフィンとジエチルアゾジカルボキシレートを作用させる光延反応により生成する。そこで、最初に前駆体の抽出とその性状について以下のように検討を加えた。
(1)チャフロサイド前駆体の分離・精製
静7132より製したウーロン茶葉(1g)を粉砕し、環流下、MeOH、50%−MeOH及び水(1ml)で抽出し、抽出液を減圧下濃縮乾固後、水(0.4ml)に懸濁しn−BuOH(4及び1ml)で抽出した。各抽出物、それらより液液分配で得た水層部とn−BuOH層部を160℃で40分間加熱した。
その結果、各抽出物とその水層部中にのみ加熱によるチャフロサイドAとBの生成が認められた。また、イソビテキシンとビテキシンは、水とn−BuOHの液液分配ではn−BuOH層に移行する。これより、チャフロサイドAとBの前駆体はイソビテキシンとビテキシンとは異なり、それらより水溶性が高い高極性な物質であることが分かった。
以上の結果をもとに、前駆体の分離は、各分離段階で得た画分を乾固ののち、160℃で40分間の加熱処理後、チャフロサイドAとBのLC−MS/MS分析に供し、チャフロサイドAやBの生成量が最も高かった分画のみを次の分離に供するという方法で実施した。このようにして確立した前駆体の分離工程の一例を図1(チャート図)に示した。
静7132より製したウーロン茶葉(1Kg)を粉砕し、環流下、MeOH(10L)で抽出を行った。得られた抽出液を減圧下濃縮乾固後、抽出物(348g)を水(4L)に懸濁し、n−BuOH(4及び1L)で抽出した。水層部(142g)を水(3L)に溶解し、「Diaion SP825」(2.4L)にアプライし、水(3L)で洗浄後、30%メタノール(8L)で溶出させた。30%メタノール溶出部(248g)をメタノールで展開する「Sephadex LH-20」(12L)を用いるゲル濾過で分画した。
Kd=2.1−2.8の溶出分画(1.97g)を20%アセトニトリル溶液で展開する「ODS−C18」(400mL)カラムクロマトグラフィーにより、チャフロサイドAとBの前駆体を含む粗分画(それぞれ87mg及び63mg)を得た。
最終的に「Cadenza CD-C18」カラムと0,05%HCO2H−CH3CN(82:18)を使用するHPLC法で精製し、チャフロサイド前駆体(prechafuroside)A、及びチャフロサイド前駆体B(それぞれ5mg及び4mg)を得た。
このように、本発明によれば、水層部を強塩基性のイオン交換樹脂に付し、吸着部を「Sephadex LH-20」(12L)を用いるゲル濾過、20%アセトニトリル溶液で展開する「ODS−C18」(400mL)カラムクロマトグラフィー、「Cadenza CD-C18」カラムと0,05%HCO2H−CH3CN(82:18)を使用するHPLC法等で精製することができる。
(2)チャフロサイド前駆体の構造決定
Negative modeでのQTOF−MS分析により求めたチャフロサイド前駆体AとB両化合物の精密分子量(prechafuroside A: m/z 511.05612 (M-H) _と prechafuroside B:m/z 511.05643 (M-H)-)と、13C−NMRデータ(下記表5参照)より、両化合物の分子式を「C212013S」(calcd. for C21H20O13S _ H, 511.05625)と決定した。
チャフロサイド前駆体AはそのUVスペクトルにおいてイソビテキシンと同じ波長、330nm(ε 40200)と284nm(ε 64200)で極大吸収を、またチャフロサイド前駆体Bではビテキシンの極大吸収波長、325nm(ε 44100)と285nm(ε 62200)に極大吸収を認めた。また、ピリジン・ジオキサン(1:1)による水解処理によりチャフロサイド前駆体Aからイソビテキシンが、またチャフロサイド前駆体Bよりビテキシンが、ほぼ定量的に生成した。
表5に示したチャフロサイド前駆体AとBおよびイソビテキシンとビテキシンの13C−NMRデータから明らかなように、チャフロサイド前駆体Aとイソビテキシンの間、およびチャフロサイド前駆体Bとビテキシン両者間の各炭素原子のケミカルシフト値はともにC−2”をのぞいて、有意な相違は認められない。
そして、チャフロサイド前駆体Aとイソビテキシン、およびチャフロサイド前駆体Bとビテキシン間のC−2”炭素原子のケミカルシフト値の差、低磁場シフト値よりチャフロサイド前駆体Aとチャフロサイド前駆体BはそれぞれイソビテキシンとビテキシンのC−2”位のOH基が硫酸化された化合物であることを強く示唆した。
Figure 0005597142
これらの結果から、チャフロサイド前駆体AとBの構造は下記化学式に示したそれぞれ「isovitexin 2”-O-sulfate」と「vitexin 2”-O-sulfate」と結論した。下記化学式中、左は「isovitexin 2”-O-sulfate」であり、右は「vitexin 2”-O-sulfate」である。
Figure 0005597142
QTOF−MS/MS測定でチャフロサイド前駆体Aは[isovitexin-H]に相当するC21H19O10に帰属できるフラグメントイオン(m/z 431.1040(calcd for C21H19O10, 431.0978))とOSO3H相当のフラグメントイオン(m/z 96.9618 (calcd. for HSO4, 96.9601))を、またチャフロサイド前駆体Bも[vitexin-H]相当のC21H19O10で示されるフラグメントイオン(m/z 431.1040(calcd for C21H19O10, 431.0978))とOSO3H相当のフラグメントイオン(m/z 96.9604 (calcd. for HSO4, 96.9601))をそれぞれ与えたことは、これらの構造をよく支持する(下記化学式参照)。又、以下に述べる合成法で得た推定した化合物とウーロン茶葉から得たチャフロサイド前駆体は物理科学的なデータが完全に一致したことからそれぞれをisovitexin 2”-O-sulfateとvitexin 2”-O-sulfateと決定した。
Figure 0005597142
硫酸化糖や胆汁アルコールの側鎖の水酸基が硫酸化された化合物では、強アルカリ処理によって近接するOHがO-と求核剤となり、その結果SN2タイプの置換反応が誘発され、分子内環化が進行することが知られている。
チャフロサイド前駆体AとBでは、加熱によってそれぞれ下記化学式に示したような遷移状態を経て分子内環化反応が進行しチャフロサイドAとチャフロサイドBが生成したとすると、加熱によるチャフロサイド前駆体AとBからチャフロサイドAとBへの変換は良く説明される。
Figure 0005597142
<実施例3>
本実施例では、チャフロサイド前駆体Aを、イソビテキシンから合成した。
(1)イソビテキシンの4位と5位の水酸基を保護した化合物の合成
ジメチルホルムアルデヒド(DMF)中で、触媒量のPPTS(Pyridine-p-Toluenesulfuric acid complex)の存在下、イソビテキシンに2当量のBenzaldehyde dimethylacetalを50℃で2時間作用させ、イソビテキシンの4位と5位の水酸基を保護した「化合物A」(Mw(分子量)=520)を合成した(収率:100%)。
(2)化合物Aの2"-sulfate(化合物B)の合成
前記化合物Aをピリジン(Pyridine)に溶解後、1.5当量のPyridine-SO3 (1:1) complexを50℃で2時間作用させ、前記化合物Aの2"-sulfate(以下、「化合物B」とする)(Mw=600)を合成した(収率:約50%)。この方法で、化合物Bと同じ量の化合物Aの3"-sulfateが生成した。
(3)イソビテキシンの2"-sulfate(Isovitexin 2"-sulfate)の合成
20%MeOHに溶解した化合物Bに酸性タイプの陽イオン交換樹脂(商品名「Amberlite IR-120(H+)」(ローム&ハース社製)を加え、pH3とし、約1時間50℃で撹拌下加熱し、Isovitexin 2"-sulfateを得た(収率:100%)。これらの化学反応を以下の化学式で示す。
Figure 0005597142
(4)得られたIsovitexin 2"-sulfateは、上記実施例2において茶葉から抽出したものと直接その構造を比較し、上記チャフロサイド前駆体Aであることを確認した。また、このIsovitexin 2"-sulfateを約160〜170℃で加熱したところ、チャフロサイドAが収率約85%で生成した。
<実施例4>
本実施例では、チャフロサイド前駆体Bを、ビテキシンから合成した。
(1)ビテキシンの4位と5位の水酸基を保護した化合物の合成
ジメチルホルムアルデヒド(DMF)中で、触媒量のPPTS(Pyridine-p-Toluenesulfuric acid complex)の存在下、ビテキシンに2当量のBenzaldehyde dimethylacetalを50℃で2時間作用させ、ビテキシンの4位と5位の水酸基を保護した「化合物C」(Mw(分子量)=520)を合成した(収率:100%)。
(2)化合物Cの2"-sulfate(化合物D)の合成
前記化合物Cをピリジン(Pyridine)に溶解後、1.5当量のPyridine-SO3 (1:1) complexを50℃で2時間作用させ、前記化合物Cの2"-sulfate(以下、「化合物D」とする)(Mw=600)を合成した(収率:約50%)。この方法で、化合物Dと同じ量の化合物Cの3"-sulfateが生成した。
(3)ビテキシンの2"-sulfate(Vitexin 2"-sulfate)の合成
20%MeOHに溶解した化合物Dに酸性タイプの陽イオン交換樹脂(商品名「Amberlite IR-120(H+)」(ローム&ハース社製)を加え、pH3とし、約1時間50℃で撹拌下加熱し、Vitexin 2"-sulfateを得た(収率:100%)。これらの化学反応を以下の化学式で示す。
Figure 0005597142
(4)得られたVitexin 2"-sulfateは、上記実施例2において茶葉から抽出したものと直接その構造を比較し、上記チャフロサイド前駆体Bであることを確認した。また、このVitexin 2"-sulfateを約160〜170℃で加熱したところ、チャフロサイドBが収率約85%で生成した。
本発明で見いだされた新規化合物であるチャフロサイド前駆体(チャフロサイド前駆体A及びB)は、それ自体で抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用等の優れた薬理作用を有することが期待される上に、硫酸基が導入されていることから水溶性が高く人体との親和性に優れたものである。さらに、該チャフロサイド前駆体を用いれば、既にかかる薬効成分を有することが知れているチャフロサイドA及びBを極めて高い収率で製造することが可能となる。
したがって、本発明によれば、安価で安全な出発物質や試薬を用い、且つ比較的穏やかな反応条件であるにもかかわらず、高収率でチャフロサイドを生成することができるため、スケールアップにより工業的生産が可能であり、産業上極めて有用である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(A1)又は(B1)で表される硫酸化C−配糖体。
    Figure 0005597142
    (上記一般式(A1)及び(B1)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
  2. 前記硫酸化C−配糖体が、下記式(A1−2)で表されるイソビテキシンの硫酸化体又は下記一般式(B1−2)で表されるビテキシンの硫酸化体であることを特徴とする、請求項1記載の硫酸化C−配糖体。
    Figure 0005597142
  3. 請求項1又は2記載の硫酸化C−配糖体を単離する方法であって、前記硫酸化C−配糖体を含有する茶葉又は茶渋から水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて該硫酸化C−配糖体を抽出する工程を含むことを特徴とする、硫酸化C−配糖体の単離方法。
  4. 以下の工程(イ)、(ロ)及び(ハ)を含むことを特徴とする、請求項3記載の硫酸化C−配糖体の単離方法。
    (イ)前記硫酸化C−配糖体を含有する生茶葉、茶葉又は茶渋の粉砕物を、水、炭素数1〜3の低級アルコール溶剤又はそれらの混合液を用いて抽出し、該硫酸化C−配糖体を含む抽出液を得る抽出工程
    (ロ)前記抽出工程(イ)で得られた抽出液を減圧下で加熱濃縮乾固させ、前記硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を得る濃縮・乾固工程
    (ハ)前記濃縮・乾固工程(ロ)で得られた硫酸化C−配糖体を含む乾固物質を、水及びn−ブタノール溶剤を用いて液液分配し、その水層部を化学分離精製法により精製する精製工程
  5. 請求項1又は2記載の硫酸化C−配糖体を合成する方法であって、下記一般式(A0)又は(B0)で表されるフラボンC−配糖体と、ピリジン−SO 錯体、硫酸−DCC、及びトリエチルアミン−SO 錯体からなる群から選択される硫酸基導入剤とを反応させ、該フラボンC−配糖体を硫酸化する工程を含むことを特徴とする、硫酸化C−配糖体の合成方法。
    Figure 0005597142
    (上記一般式(A0)及び(B0)中、R、R及びRは各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
  6. 前記硫酸基導入剤が、ピリジン−SO体である、請求項5記載の硫酸化C−配糖体の合成方法。
  7. 下記一般式(A2)又は(B2)で表されるチャフロサイド及びその類縁体を製造する方法であって、請求項1又は2記載の硫酸化C−配糖体を130〜190℃で加熱する工程を含むことを特徴とする、チャフロサイド及びその類縁体の製造方法。
    Figure 0005597142
    (上記一般式(A2)及び(B2)中、R1、R2及びR3は各々独立して水素原子又はOH基を表す。)
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