JP2006176239A - エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機からの振動を有効に抑制できるエレベータを提供する。
【解決手段】 巻上機によって移動されるロープに固定されたヒッチプレート3と、乗りかご7を支持するかご枠4と、かご枠4とヒッチプレート3の互いに対向する連結箇所に永久磁石9をそれぞれ設け、この対向する永久磁石9間の斥力によって非接触状態でかご枠4とヒッチプレート3間を連結する非接触連結手段8Aとを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、巻上機の駆動力をロープを介して乗りかごに伝達するエレベータに関し、特に、巻上機が発生源である振動に起因する乗りかごや建屋の振動や騒音を抑制する技術に係わる。
ロープ式のエレベータでは、巻上機の振動がロープを伝播して乗りかごに伝わり、乗りかごの振動や騒音の原因になる。又、巻上機の振動がマシンベッド、マシンベース及びマシンビームを介して建屋に伝わり、建屋の振動や騒音の原因になる。特に、ギヤード巻上機では、ギヤの噛み合わせによる振動が加わるため、乗りかごや建屋の振動・騒音が問題となり易い。
このような振動を抑制する従来技術としては、防振ゴムを使用したエレベータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このエレベータは、ロープの先端に固定されたヒッチプレートと乗りかごを支持するかご枠との連結箇所に防振ゴムを介在させることによって、巻上機側からの振動を防振ゴムで減衰させるようになっている。また、建屋における巻上機を設置する面に載置されたマシンベッドとマシンベースとマシンビームの各部材間に防振ゴムを介在させることによって、巻上機からの振動を防振ゴムで減衰させるものがある。
特開2000−318946号公報
しかしながら、防振ゴムは、その材質、厚み、構造等によって振動減衰特性が大きく異なるため、振動周波数及び振動レベルに適応した構造のものを設置しなければ有効な振動抑制を行うことができない。また、巻上機側からの振動は、エレベータの設置条件によって振動周波数及び振動レベルが異なる。エレベータの設置条件は各物件によって全て異なるため、各エレベータの設置後に振動測定を行う必要があり、調整作業が非常に面倒であるという問題があった。また、エレベータ設置後に設置条件が変化した場合には、防振ゴムの設置変更を余儀なくされる場合もある。
そこで、本発明は、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機からの振動を有効に抑制できるエレベータを提供することを目的とする。
この発明の第1の特徴は、巻上機によって移動されるロープに固定されたヒッチプレートと、乗りかごを支持するかご枠と、前記かご枠と前記ヒッチプレートの互いに対向する連結箇所に介在された非接触連結手段と、備えたことを要旨とする。
なお、非接触連結手段としては、互いに斥力で反発して非接触状態を保持する一対の永久磁石もしくは一対の電磁石や、かご枠とヒッチプレートの互いに対向する連結箇所同士の間に空気を噴射する空気噴射部を用いたり、連結箇所同士の間に介在された液体ダンパーなどを用いることができる。
この発明の第2の特徴は、巻上機によって移動されるロープに固定されたヒッチプレートと、乗りかごを支持するかご枠と、このかご枠とヒッチプレートの連結箇所に介在された皿バネ構造部と、を備えることを要旨とする。
この発明の第3の特徴は、マシンビームと、このマシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、このマシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、このマシンベッドの上面に配置された巻上機と、マシンビームとマシンベースの互いに対向する箇所、およびマシンベースとマシンベッドの互いに対向する箇所に、それぞれ斥力により反発する一対の永久磁石もしくは一対の電磁石を配置してなり、マシンビームとマシンベース間、およびマシンベースとマシンベッド間を非接触状態に保持する非接触連結手段と、を備えたことを要旨とする。
この発明の第4の特徴は、マシンビームと、マシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、マシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、マシンベッドの上面に配置された巻上機と、マシンビームと前記マシンベースの互いに対向する箇所、およびマシンベースとマシンベッドの互いに対向する箇所において対向する箇所の一方から他方に向けて空気を噴射して対向する箇所同士の間の非接触状態を保持する空気噴射部と、を備えたことを要旨とする。
この発明の第5の特徴は、マシンビームと、マシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、マシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、マシンベッドの上面に配置された巻上機と、マシンビームとマシンベースの互いに対向する箇所、およびマシンベースとマシンベッドの互いに対向する箇所に液体ダンパーと、液体ダンパー内の加圧液体により、マシンビームとマシンベースとの間、およびマシンベースとマシンベッドとの間を非接触状態に保持することを要旨とする。
本発明によれば、巻上機からロープを伝播してヒッチプレートに伝達される振動が減衰されるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。したがって、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機からの振動を有効に抑制できる。
以下、本発明の実施の形態に係るエレベータの詳細を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示し、図1(a)はヒッチプレート3とかご枠4との連結箇所の平面図、図1(b)はその正面図、図2は図1(a)のA−A線断面図である。
図示しない巻上機によって移動されるロープ1の先端には、シャックルロッド2を介してヒッチプレート3が固定されている。図1(a)、(b)および図2に示すように、ヒッチプレート3は、底面プレート部3aと、この底面プレート部3aの両端より直角に立ち上げられた一対の外側立設プレート部3bと、この外側立設プレート部3bより中央側で、底面プレート部3aより直角に立ち上げられた方形枠状の内側立設プレート部3cとから構成されている。
かご枠4は、内側位置の乗りかご7を支持している。かご枠4は、乗りかご7の側面に沿って立設された一対の立梁5と、乗りかご7の上面に沿って配置され、一対の立梁5間に固定された一対の上梁6と、乗りかご7の下面に沿って配置され、一対の立梁5間に固定された一対の下梁(図示せず)とから主に構成されている。立梁5は、断面コ字状であり、基本プレート部5aとこの基本プレート部5aの両側より直角に立ち上げられた一対の側面プレート部5bとから構成されている。上梁6は、断面立方枠状であり、下面部6a、上面部6bと左右両側の側面部6cとから構成されている。
ヒッチプレート3とかご枠4の各面は、上下方向(図中、矢印Zで示す方向)で一面が、水平方向(図中、矢印X、Yで示す方向)で左右対称位置の少なくとも2面が対向配置されている。この対向配置された面同士が非接触連結手段8Aを介して連結されている。
非接触連結手段8Aは、ヒッチプレート3の底面プレート部3aと上梁6の下面部6aの対向箇所と、ヒッチプレート3の外側立設プレート部3bと上梁6の側面部6cの左右の対向箇所と、ヒッチプレート3の内側立設プレート部3cと立梁5の基本プレート部5aの左右の対向箇所がそれぞれ永久磁石9に着磁されることによって構成されている。各永久磁石9は、互いの対向面が同じ磁極(S極同士又はN極同士)になるよう着磁されている。対向する永久磁石9間の斥力によって非接触状態で連結されている。
つまり、ヒッチプレート3とかご枠4のZ方向については、永久磁石9によるZ方向の斥力とかご枠4側の荷重とがバランスする微小間隔を介して連結される。ヒッチプレート3とかご枠4のX、Y方向については、X方向およびY方向の対向位置に配置された永久磁石9による斥力同士が均衡する微小間隔を介して連結される。なお、図1(a),(b)において、永久磁石9を設けた箇所は、図面上での明確化を図るために斜線で示している。
このような構成において、ロープ1の下端のヒッチプレート3とかご枠4との間は、永久磁石9間の斥力によって微小間隔を隔てて非接触で連結されている。そして、巻上機(図示せず)の駆動でロープ1が上下方向に移動し、ヒッチプレート3が上下方向に変移すると、ヒッチプレート3との間の微小間隔を維持しつつかご枠4および乗りかご7が共に変移する。
このかご枠4および乗りかご7の移動に際して巻上機(図示せず)からの振動がロープ1を伝播し、ヒッチプレート3に伝達される。そして、ヒッチプレート3まで伝達された振動は、永久磁石9間の非接触空間によって十分に減衰されてかご枠4に伝達される。このように振動減衰が非接触によって行われるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機からの振動を有効に抑制できる。
(第2の実施の形態)
図3〜図5は本発明の第2の実施の形態を示し、図3はヒッチプレート3とかご枠4との連結箇所の平面図、図4はその正面図、図5は図3のB−B線断面図である。
図3〜図5において、上述の第1の実施の形態の非接触連結手段8Aは永久磁石9を利用して構成されていたが、この第2の実施の形態の非接触連結手段8Bは、電磁石10を利用して構成されている。
即ち、第2の実施の形態の非接触連結手段8Bは、ヒッチプレート3の底面プレート部3aと上梁6の下面部6aの対向箇所と、ヒッチプレート3の外側立設プレート部3bと上梁6の側面部6cの左右の対向箇所と、ヒッチプレート3の内側立設プレート部3cと立梁5の基本プレート部5aの左右の対向箇所に付設された電磁石10と、この電磁石10に電流を通電する電流出力ユニット11とを備えている。ヒッチプレート3とかご枠4のZ方向については、電磁石10によるZ方向の斥力とかご枠4側の荷重とがバランスする微小間隔を介して連結される。ヒッチプレート3とかご枠4のX、Y方向については、X方向およびY方向の対向位置に配置された電磁石10による斥力同士が均衡する微小間隔を介して連結される。
電流出力ユニット11は、対向配置された電磁石10同士の対向面が同極になるよう通電する。そして、電流出力ユニット11は、各箇所の電磁石10に対して一括して、又は、個別に電流値レベルを調整できる。なお、図3〜図5において、電磁石10は、図面上での明確化を図るために斜線で示されている。本実施の形態の他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
このような構成において、エレベータの起動モードが選択されると、電流出力ユニット11が電磁石10に通電する。すると、ロープ1の下端のヒッチプレート3とかご枠4との間は、電磁石10間の斥力によって微小間隔を隔てて非接触で連結される。そして、巻上機(図示せず)の駆動でロープ1が上下方向に移動し、ヒッチプレート3が上下方向に変移すると、ヒッチプレート3との間の微小間隔を維持しつつかご枠4および乗りかご7が共に変移する。
このかご枠4および乗りかご7の移動に際して巻上機(図示せず)からの振動がロープ1を伝播し、ヒッチプレート3に伝達される。そして、ヒッチプレート3まで伝達された振動は、電磁石10間の非接触空間によって十分に減衰されてかご枠4に伝達される。振動減衰が非接触によって行われるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機(図示せず)からの振動を有効に抑制できる。
この第2実施の形態では、電磁石10への電流値を可変して電磁石10間の斥力を調整できるため、かご枠4および乗りかご7のトータル荷重が可変しても非接触連結手段8Bの微小間隔を容易に一定に保つことができる。また、X、Y方向に配置された各電磁石10への電流値を可変することによってX、Y方向の対称位置の各斥力を個々に調整できるため、かご枠4および乗りかご7のX、Y方向のバランスを容易に取ることができる。
(第3の実施の形態)
図6および図7は本発明の第3の実施の形態を示し、図6はヒッチプレート3とかご枠4との連結箇所の平面図、図7はその正面図である。
図6および図7において、ヒッチプレート3の構成は、前記第1実施の形態のものと多少異なり、底面プレート部3aと、この底面プレート部3aより立設された方形枠状の立設プレート部3dとから構成されている。
かご枠4の構成は、前記第1実施の形態のものと同様であるため、図面の同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
ヒッチプレート3とかご枠4の各面は、上下方向(Z方向)で一面が、水平方向(X,Y方向)で左右対称位置の2面が対向配置されている。この対向配置された面同士が非接触連結手段8Cを介して連結されている。
ヒッチプレート3の底面プレート部3aと上梁6の下面部6aとの間と、ヒッチプレート3の立設プレート部3dと上梁6の側面部6cとの間と、ヒッチプレート3の立設プレート部3dと立梁5の基本プレート部5aとの間がそれぞれ対向配置されている。そして、非接触連結手段8Cは、これら対向配置されたヒッチプレート3側の各部材に付設された複数の空気流噴射部である空気流噴射ノズル12と、この各空気流噴射ノズル12に一端が接続された複数の配管13と、各配管13の他端側が接続された空気ポンプユニット14とから構成されている。空気ポンプユニット14は、各箇所の空気流噴射ノズル14に対して一括して、又は、個別に空気圧レベルを調整できる。
上記構成において、エレベータの起動モードが選択されると、空気ポンプユニット14が圧縮空気を送出する。すると、ロープ(図示せず)の下端のヒッチプレート3とかご枠4との間は、空気流の圧力によって微小間隔を隔てて非接触で連結される。そして、巻上機(図示せず)の駆動でロープ(図示せず)が上下方向に移動し、ヒッチプレート3が上下方向に変移すると、ヒッチプレート3との間の微小間隔を維持しつつかご枠4および乗りかご7が共に変移する。
このかご枠4および乗りかご7の移動に際して巻上機(図示せず)からの振動がロープ(図示せず)を伝播し、ヒッチプレート3に伝達される。そして、ヒッチプレート3まで伝達された振動は、噴射空気流で形成される非接触空間によって十分に減衰されてかご枠4に伝達される。このように振動減衰が非接触によって行われるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機(図示せず)からの振動を有効に抑制できる。
この第3の実施の形態では、空気流噴射ノズル12への空気圧を可変することによって空気流の圧力を調整できるため、かご枠4および乗りかご7のトータル荷重が可変されてもヒッチプレート3とかご枠4間の微小間隔を容易に一定に保つことができる。また、X、Y方向に配置された各空気流噴射ノズル12の空気圧を可変することによってX、Y方向の対称位置の各噴射空気圧を個々に調整できるため、かご枠4および乗りかご7のX、Y方向のバランスを容易に取ることができる。
(第4の実施の形態)
図8は本発明の第4の実施の形態を示し、図8はヒッチプレート3とかご枠4との連結箇所の正面図である。
図8において、ヒッチプレート3は、上記第1の実施の形態と異なり、平板状である。
かご枠4の構成は、前記第1実施の形態のものと同様であるため、図面の同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
ヒッチプレート3とかご枠4との間は、流体圧を利用した非接触連結手段8Dを介して連結されている。この非接触連結手段8Dは、ヒッチプレート3と上梁6との間に介在された複数の液体ダンパーである油圧ダンパー15と、この各油圧ダンパー15に一端が接続された複数の配管16と、この各配管16の他端が接続された油圧ポンプユニット17とから構成されている。油圧ポンプユニット17は、各箇所の油圧ダンパー15に対して一括して、又は、個別に油圧レベルを調整できる。
上記構成において、エレベータの起動モードが選択されると、油圧ポンプユニット17が圧縮オイルを送出する。すると、ロープ(図示せず)の下端のヒッチプレート3とかご枠4との間は、油圧ダンパー15内のオイルを介して非接触で連結される。そして、巻上機(図示せず)の駆動でロープ(図示せず)が上下方向に移動し、ヒッチプレート3が上下方向に変移すると、ヒッチプレート3との間の間隔を維持しつつかご枠4および乗りかご7が共に変移する。
このかご枠4および乗りかご7の移動に際して巻上機(図示せず)からの振動がロープ(図示せず)を伝播し、ヒッチプレート3に伝達される。そして、ヒッチプレート3まで伝達された振動は、油圧ダンパー15内のオイルによって十分に減衰されてかご枠4に伝達される。振動減衰が非接触によって行われるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機(図示せず)からの振動を有効に抑制できる。
この第4実施の形態では、油圧ダンパー15内の油圧レベルを可変することによりかご枠4および乗りかご7のトータル荷重が可変されてもヒッチプレート3と上梁6間の間隔を容易に一定に保つことができる。また、X、Y方向の対称位置に配置された油圧ダンパー15の各油圧レベルを個々に調整することにより、かご枠4および乗りかご7のX、Y方向のバランスを容易に取ることができる。
この第4実施の形態の変形例としては、油圧に替えて水圧を利用することが考えられる。つまり、変形例の非接触連結手段(図示せず)は、ヒッチプレート3と上梁6との間に介在された複数の水圧ダンパー(図示せず)と、この各水圧ダンパーに一端が接続された水還流用配管(図示せず)と、この各水還流用配管の他端が接続された水圧調整ポンプユニット(図示せず)とから構成される。水還流用配管は、水圧調整ポンプより所定水圧の水を水圧ダンパーに供給する往流路と、水圧ダンパーから水圧調整ポンプユニットに水を戻す復流路とから構成される。水は、オイルに較べて粘性が低いことから噴出力によってダンピング効果を得るようにするためである。
この変形例の非接触連結手段では、水圧調整ポンプユニットによって水圧ダンパー内に水を常時環流させる。すると、ロープ(図示せず)の下端のヒッチプレート3とかご枠4との間が水圧ダンパー内の水を介して非接触で連結される。これにより、第4実施の形態と同様の効果が得られる。
(第5の実施の形態)
図9は本発明の第5の実施の形態に係るヒッチプレート3とかご枠4との連結箇所の側面図である。
図9において、ヒッチプレート3は、平板状である。かご枠4は、一対の上梁18を有する。この一対の上梁18とヒッチプレート3との間が皿バネ構造部19を介して連結されている。具体的には、各上梁18は、基本梁部18aと、この上端より垂直方向に突設された上面梁部18bと、基本梁部18aの下端より斜め下方向に突設された傾斜梁部18cとからそれぞれ構成されている。この一対の傾斜梁部18cの先端箇所とヒッチプレート3間がボルト締めされることによって皿バネ構成部19が形成されている。
上記構成において、巻上機(図示せず)からロープ(図示せず)を伝播してヒッチプレート3に伝達される振動は、皿バネ構造部19によって十分に減衰されてかご枠4に伝達される。皿バネ構造部19は、防振ゴムに比較して振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動抑制する。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機(図示せず)からの振動を有効に抑制できる。
(第6の実施の形態)
図10は本発明の第6の実施の形態に係る巻上機25の設置箇所の側面図である。
図10において、建屋21の設置面21a上には、マシンビーム22、マシンベース23およびマシンベッド24の順に載置されている。マシンベッド24の上面に巻上機25が固定されている。巻上機25にはメインシーブ26が回転自在に支持されている。このメインシーブ26の下方には、マシンビーム22に固定されたサブシーブ27が回転自在に設けられている。巻上機25の駆動によってメインシーブ26が回転し、このメインシーブ26およびサブシーブ27に掛けられたロープ1が移動する。このロープ1の移動によって乗りかご(図示せず)が昇降路内を移動する。
また、マシンビーム22、マシンベース23,マシンベッド24の各部材間は、非接触連結手段28Aを介して非接触で連結されている。非接触連結手段28Aは、マシンビーム22の上面とマシンベース23の下面に対向配置された同一極の永久磁石29と、マシンベース23の上面とマシンベッド24の下面に対向配置された同一極の永久磁石29と、これら永久磁石29の斥力によって微小間隔を隔てて配置されたマシンビーム22とマシンベース23間、および、マシンベース23とマシンベッド24間を広狭方向の変移を許容しつつ連結し、マシンビーム22、マシンベース23、マシンベッド24と金属接触しない構造のボルト32とから構成されている。なお、図10において、永久磁石29は、図面上での明確化を図るため斜線で示されている。ボルト32は、略形状で示されている。
上記構成において、エレベータの昇降モードが選択されると、巻上機25が駆動してロープ1が移動する。このロープ1の移動によって乗りかご(図示せず)およびかご枠(図示せず)が昇降される。
駆動時における巻上機25の振動は、マシンベッド24、マシンベース23、マシンビーム22の順に伝播されて建屋21に伝達される。建屋21に伝達される振動は、永久磁石29間の非接触空間によって十分に減衰されて伝達される。このように振動減衰が非接触によって行われるため、その振動周波数や振動レベルに関わらず有効に振動が抑制される。従って、エレベータの設置条件に左右されることなく巻上機25からの振動を有効に抑制できる。
(第7の実施の形態)
図11は本発明の第7の実施の形態に係る巻上機25の設置箇所の側面図である。
図11において、上記第6の実施の形態の非接触連結手段28Aは永久磁石29を利用して構成されたが、この第7の実施の形態の非接触連結手段28Bは、電磁石30を利用して構成されている。
つまり、第7の実施の形態の非接触連結手段28Bは、マシンビーム22、マシンベース23およびマシンベッド24間の各対向面に付設された電磁石30と、この電磁石30に電流を通電する電流出力ユニット31と、電磁石30間の斥力によって微小間隔を隔てて配置されたマシンビーム22とマシンベース23の間、および、マシンベース23とマシンベッド24の間を広狭方向の変移を許容しつつ連結し、マシンビーム22、マシンベース23、マシンベッド24と金属接触しない構造のボルト32とから構成されている。電流出力ユニット31は、対向配置された電磁石30同士の対向面が同極になるよう通電し、その通電レベルを調整できる。図11において、電磁石30は、図面上での明確化を図るため斜線で示されている。ボルト32は、略形状で示されている。他の構成は、上記第6の実施の形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第7の実施の形態でも上記第6の実施の形態と同様の効果が得られる。この第7の実施の形態では、電磁石30間の磁力を調整できるため、ロープ1の外力の変化等によって巻上機25の荷重が変化してもマシンビーム22、マシンベース23およびマシンベッド24間の各微小間隔を所定の値に維持できる。
(第8の実施の形態)
図12は本発明の第8の実施の形態に係る巻上機25の設置箇所の側面図である。
図12において、この第8の実施の形態の非接触連結手段28Cは、マシンビーム22の上面およびマシンベース23の各上面に配置された複数の空気流噴射部である空気流噴射ノズル33と、この各空気流噴射ノズル33に一端が接続された複数の配管34と、各配管34の他端側が接続された空気ポンプユニット35と、マシンビーム22とマシンベース23間、および、マシンベース23とマシンベッド24間を広狭方向の変移を許容しつつ連結し、マシンビーム22、マシンベース23、マシンベッド24と金属接触しない構造のボルト32とから構成されている。空気ポンプユニット35は、噴射空気流の空気圧を調整できる。他の構成は、上記第6の実施の形態等と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第8の実施の形態では、空気流噴射ノズル33の噴射空気流による空気圧によってマシンビーム22とマシンベース23間と、マシンベース23とマシンベッド24間が非接触で連結される。従って、この第8の実施の形態でも上記第6および第7実施の形態と同様の効果が得られる。
この第8の実施の形態では、噴射空気流による空気圧を調整できるため、ロープ1の外力の変化等によって巻上機25の荷重が変化してもマシンビーム22、マシンベース23およびマシンベッド25間の各微小間隔を所定の値に維持できる。
(第9の実施の形態)
図13は本発明の第9の実施の形態に係る巻上機25の設置箇所の側面図である。
図13において、この第9の実施の形態の非接触連結手段28Dは、マシンビーム22とマシンベース23間およびマシンベース23とマシンベッド24間にそれぞれ介在された液体ダンパーである油圧ダンパー36と、この各油圧ダンパー36に一端が接続された複数の配管37と、各配管37の他端側が接続された油圧調整ポンプユニット38と、マシンビーム22とマシンベース23間、および、マシンベース23とマシンベッド24間を広狭方向の変移を許容しつつ連結し、マシンビーム22、マシンベース23、マシンベッド24と金属接触しない構造のボルト32とから構成されている。油圧調整ユニット38は、油圧ダンパー36内の油圧を調整できる。他の構成は、上記第6の実施の形態等と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第9の実施の形態では、油圧ダンパー36内の油圧によってマシンビーム22とマシンベース23の間、マシンベース23とマシンベッド24の間が油圧ダンパー36内のオイルによって非接触で連結される。従って、この第9の実施の形態でも上記第6〜第8実施の形態と同様の効果が得られる。
この第9の実施の形態では、油圧ダンパー36内の油圧を調整できるため、ロープ1の外力の変化等によって巻上機25の荷重が変化してもマシンビーム22、マシンベース23およびマシンベッド24間を油圧ダンパー36内のオイルを介する非接触状態に維持できる。
この第9の実施の形態の変形例としては、油圧に替えて水圧を利用することが考えられる。つまり、変形例の非接触連結手段(図示せず)は、マシンビーム22とマシンベース23間およびマシンベース23とマシンベッド24間にそれぞれ介在された複数の水圧ダンパー(図示せず)と、この各水圧ダンパーに一端が接続された水還流用配管(図示せず)と、この各水還流用配管の他端が接続された水圧調整ポンプユニット(図示せず)とから構成される。水還流用配管は、水圧調整ポンプより所定水圧の水を水圧ダンパーに供給する往流路と、水圧ダンパーから水圧調整ポンプユニットに水を戻す復流路とから構成される。水は、オイルに較べて粘性が低いことから噴出力によってダンピング効果を得るようにするためである。
この変形例の非接触連結手段では、水圧調整ポンプユニットによって水圧ダンパー内に水を常時環流させる。すると、マシンビーム22とマシンベース23間と、マシンベース23とマシンベッド24間が水圧ダンパー内の水を介して非接触で連結される。これにより、第9実施の形態と同様の効果が得られる。
第1〜第5の実施の形態では、巻上機が発生源である乗りかご7の振動・騒音を抑制する場合を示し、第6〜第9の実施の形態では、巻上機25が発生源である建屋21の振動・騒音を抑制する場合を示したが、第1〜第5の実施の形態のいずれかの非接触連結手段8A〜8Dと第6〜第9の実施の形態のいずれかの非接触連結手段28A〜28Dとを選択的に組み合わせることにより乗りかご7と建屋21の双方の振動・騒音を共に抑制できる。
(a)は本発明の第1実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の平面図、(b)はその正面図。 図1(a)のA−A線断面図。 本発明の第2実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の平面図。 本発明の第2実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の正面図。 図3のB−B線断面図。 本発明の第3実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の平面図。 本発明の第3実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の正面図。 本発明の第4実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の正面図。 本発明の第5実施の形態に係るヒッチプレートとかご枠との連結箇所の側面図。 本発明の第6実施の形態に係る巻上機の設置箇所の側面図。 本発明の第7実施の形態に係る巻上機の設置箇所の側面図。 本発明の第8実施の形態に係る巻上機の設置箇所の側面図。 本発明の第9実施の形態に係る巻上機の設置箇所の側面図。
符号の説明
1 ロープ
3 ヒッチプレート
4 かご枠
7 乗りかご
8A〜8D 非接触連結手段
9 永久磁石
10 電磁石
12 空気流噴射ノズル(空気流噴射部)
15 油圧ダンパー(液体ダンパー)
19 皿バネ構造部
21 建屋
22 マシンビーム
23 マシンベース
24 マシンベッド
25 巻上機
28A〜28D 非接触連結手段
29 永久磁石
30 電磁石
33 空気流噴射ノズル(空気流噴射部)
36 油圧ダンパー(液体ダンパー)

Claims (8)

  1. 巻上機によって移動されるロープに固定されたヒッチプレートと、
    乗りかごを支持するかご枠と、
    前記かご枠と前記ヒッチプレートの互いに対向する連結箇所に介在された非接触連結手段と、
    備えたことを特徴とするエレベータ。
  2. 前記非接触連結手段は、前記かご枠と前記ヒッチプレートの互いに対向する連結箇所に、それぞれ配置された互いに斥力で反発して非接触状態を保持する、一対の永久磁石もしくは一対の電磁石であることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
  3. 前記非接触連結手段は、前記かご枠と前記ヒッチプレートの互いに対向する連結箇所同士の間に空気を噴射する空気噴射部を有し、前記空気噴射部の噴射空気を対向する連結箇所に噴射して前記かご枠と前記ヒッチプレート間を非接触状態に保持することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
  4. 前記非接触連結手段は、前記かご枠と前記ヒッチプレートの互いに対向する連結箇所同士の間に介在された液体ダンパーを有し、前記液体ダンパー内の加圧液体により前記かご枠と前記ヒッチプレート間の非接触状態を保持することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
  5. 巻上機によって移動されるロープに固定されたヒッチプレートと、
    乗りかごを支持するかご枠と、
    前記かご枠と前記ヒッチプレートの連結箇所に介在された皿バネ構造部と、
    を備えることを特徴とするエレベータ。
  6. マシンビームと、
    前記マシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、
    前記マシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、
    前記マシンベッドの上面に配置された巻上機と、
    前記マシンビームと前記マシンベースの互いに対向する箇所、および前記マシンベースと前記マシンベッドの互いに対向する箇所に、それぞれ斥力により反発する一対の永久磁石もしくは一対の電磁石を配置してなり、前記マシンビームと前記マシンベース間、および前記マシンベースと前記マシンベッド間を非接触状態に保持する非接触連結手段と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  7. マシンビームと、
    前記マシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、
    前記マシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、
    前記マシンベッドの上面に配置された巻上機と、
    前記マシンビームと前記マシンベースの互いに対向する箇所、および前記マシンベースと前記マシンベッドの互いに対向する箇所において対向する箇所の一方から他方に向けて空気を噴射して対向する箇所同士の間の非接触状態を保持する空気噴射部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  8. マシンビームと、
    前記マシンビームの上面側に配置されたマシンベースと、
    前記マシンベースの上面側に配置されたマシンベッドと、
    前記マシンベッドの上面に配置された巻上機と、
    前記マシンビームと前記マシンベースの互いに対向する箇所、および前記マシンベースと前記マシンベッドの互いに対向する箇所に液体ダンパーと、
    前記液体ダンパー内の加圧液体により、前記マシンビームと前記マシンベースとの間、および前記マシンベースと前記マシンベッドとの間を非接触状態に保持することを特徴とするエレベータ。
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