JP2006175930A - 空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルタ等を保持するためのリブを備える空調装置において、風量を増加させる。
【解決手段】 送風機3における吸入口321の周囲に複数のリブ322を備え、リブ322にフィルタ2または整流格子を載せて保持する空調装置において、リブ322は、フィルタ2または整流格子を通過した空気流を、吸入口321側に案内するように向きが設定されている。これによると、回転しつつ吸入口321に向かって進む空気流のうち外周側部分の空気流Bは、リブ322に衝突した後リブ322に誘導されて吸入口321側に向かい、その風に引かれてリブ322間に停滞している空気が流れる。したがって、従来は空気が流れなかった部位も空気通路として利用されるため、風量を増加させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルタまたは整流格子をリブに載せて保持する空調装置に関するものである。
従来の一般的な車両用空調装置は、吸入される空気を清浄化するフィルタを、空気流を発生させる送風機の空気流れ上流側に配置している(例えば、特許文献1参照)。
そして、より詳細には、図7に示すように、送風機における吸入口321の周囲にリブ322が設けられ、空気を清浄化するフィルタをこのリブ322に載せて保持するようになっている。リブ322は、送風機の回転軸Zを挟んで平行に2つ形成されている。そして、フィルタ設置部前後付近では、空気流は回転軸Zに沿って且つ回転しつつ吸入口321に向かって進む。
特開平10−331795号公報
しかしながら、図7に示す従来の空調装置は、フィルタと吸入口321との間の空気通路は2つのリブ322に挟まれた部分であり、各リブ322とケース32の側壁との間の空間Eは空気が流れないため、空気通路面積が不足して充分な風量を得ることができないという問題があった。
本発明は上記点に鑑みて、フィルタ等を保持するためのリブを備える空調装置において、風量を増加させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路を形成するケース(11、32)と、回転軸(Z)を中心に回転して空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、ケース(11、32)に形成されるとともに、送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、空気通路中に配置されるとともに、リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、リブ(322)は、フィルタ(2)または整流格子を通過した空気流を、吸入口(321)側に案内するように向きが設定されていることを特徴とする。
これによると、回転しつつ吸入口に向かって進む空気流のうち外周側部分の空気流は、リブに衝突した後リブに誘導されて吸入口側に向かい、その風に引かれてリブ間に停滞している空気が流れる。したがって、従来は空気が流れなかった部位も空気通路として利用されるため、風量を増加させることができる。
請求項2に記載の発明では、空気通路を形成するケース(11、32)と、回転軸(Z)を中心に回転して空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、ケース(11、32)に形成されるとともに、送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、空気通路中に配置されるとともに、リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、リブ(322)は、回転向き(R)の前方側が吸入口(321)側に寄るように斜めに形成されていることを特徴とする。
これによると、請求項1の発明と同様にして、風量を増加させることができる。
請求項3に記載の発明では、空気通路を形成するケース(11、32)と、回転軸(Z)を中心に回転して空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、ケース(11、32)に形成されるとともに、送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、空気通路中に配置されるとともに、リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、リブ(322)の両端部のうち送風機(3)の回転向き(R)の前方側に位置する端部を前方側端部(322a)とし、リブ(322)の両端部のうち送風機(3)の回転向き(R)の後方側に位置する端部を後方側端部(322b)とし、前方側端部(322a)から回転軸(Z)までの距離を前方側距離(L1)とし、後方側端部(322b)から回転軸(Z)までの距離を後方側距離(L2)としたとき、リブ(322)は、前方側距離(L1)よりも後方側距離(L2)の方が長く、且つ、回転軸(Z)と前方側端部(322a)とを結ぶ線に対して傾斜していることを特徴とする。
これによると、請求項1の発明と同様にして、風量を増加させることができる。
請求項4に記載の発明のように、送風機(3)として、遠心式送風機を用いることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の空調装置において、複数のリブ(322)は、回転軸(Z)と前方側端部(322a)とを結ぶ線に対する傾斜角(θ)が等しいことを特徴とする。
そして、全てのリブの傾斜角θを、リブに衝突した空気流を吸入口側に誘導するために適切な角度に設定することにより、さらに風量を増加させることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空調装置において、ケース(11、32)は、フィルタ(2)または整流格子を脱着するための開口部(113)を備え、リブ(322)の両端部のうち開口部(113)に近い側の端部が、フィルタ(2)または整流格子の挿入向きに対して傾斜していることを特徴とする。
これによると、フィルタまたは整流格子の挿入作業性が向上する。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る空調装置の送風機ユニット部を模式的に半断面で示す正面図、図2は図1のファンケース単体の平面図である。
図1に示す送風機ユニット部は、通常、自動車の車室内前部の計器盤下方で、助手席側の部位に配置される。なお、図1の上下方向の矢印は、車両搭載時における送風機ユニット部の上下方向を示している。
送風機ユニット部は、図1に示すように、空気流れ上流側から順に、内気導入口および外気導入口をドアにて開閉する内外気切替装置1、吸入される空気を清浄化するフィルタ2、空気流を発生させる送風機3が配置されている。
内外気切替装置1は、空気通路を形成する樹脂製の切替箱ケース11を備え、切替箱ケース11には、車室内空気を導入するための内気導入口111と、車室外空気を導入するための外気導入口112が形成されている。
ここで、内気導入口111は車室内空間に直接連通し、一方、外気導入口112は図示しない外気取り入れ通路を介して車体側の外気取り入れ口に接続され、この車体側の外気取り入れ口から外気が外気導入口112に導入されるようになっている。
切替箱ケース11には、内気導入口111および外気導入口112を開閉する内外気切替ドア12が、回転自在に装着されている。因みに、図1は、内外気切替ドア12により外気導入口112を閉塞して、内気導入口111を全開する内気モードの状態を示しているので、外気導入口112の開口領域に内外気切替ドア12が全面的に重合している。そして、内外気切替ドア12が図1において時計回りに約90°回転することにより、内気導入口111を閉塞して外気導入口112を全開する外気モードの状態となる。
切替箱ケース11には、フィルタ2の脱着のために開口部113が形成されており、この開口部113は通常はカバー(図示せず)によって閉塞されている。このカバーは切替箱ケース11に脱着可能に取り付けられており、カバーを取り外すことによりフィルタ2を開口部113から脱着して交換可能になっている。
因みに、フィルタ2は、ひだ折りされた不織布製のフィルタ濾材と、フィルタ濾材の両端に配置されてフィルタ濾材のひだ折り形状を保持する端板とを備えている。
送風機3は、回転軸Z方向から吸入した空気を径方向外側に向けて吹き出す遠心式の多翼送風機であり、回転軸Zを中心に回転して空気を径方向外側に向けて吹き出す樹脂製の羽根車31と、空気通路を形成するとともに羽根車31を収納し、羽根車31から吹き出す空気を集合させる渦巻き状の流路を形成する樹脂製のファンケース32と、羽根車31を駆動する電動モータ33とからなる。なお、切替箱ケース11およびファンケース32は、本発明のケースに相当する。
図1、図2に示すように、ファンケース32には、フィルタ2と対向する側にベルマウス状の吸入口321が形成されている。この吸入口321は、開口部が円形であり、羽根車31の回転軸Zと同軸になっている。そして、内気導入口111または外気導入口112から導入された空気は、フィルタ2を通過した後、吸入口321を通って羽根車31内に流入するようになっている。
ファンケース32には、吸入口321の周囲に、フィルタ2が載せられる多数のリブ322が形成されている。このリブ322は、回転軸Z方向に延びるとともに(図1参照)、ファンケース32の側壁から内部側に向かって延びている(図2参照)。
ここで、リブ322を回転軸Z方向に見たときのリブ322の向きについて、図2にて説明する。リブ322の両端部322a、322bのうち羽根車31の回転向きRの前方側に位置する端部322aを前方側端部とし、リブ322の両端部322a、322bのうち回転向きRの後方側に位置する端部322bを後方側端部とし、前方側端部322aから回転軸Zまでの距離L1を前方側距離とし、後方側端部322bから回転軸Zまでの距離L2を後方側距離とする。
このとき、リブ322は、前方側距離L1よりも後方側距離L2の方が長くなっている。また、リブ322における空気流が衝突する側の面は、回転軸Zと前方側端部322aとを結ぶ線Aに対して傾斜しており、その傾斜角θは鈍角である。
換言すると、リブ322の向きは、フィルタ2を通過した空気流を吸入口321側に案内するように設定されている。さらに換言すると、リブ322は、回転向きRの前方側が吸入口321側に寄るように(近づくように)斜めに形成されている。
なお、リブ322を回転軸Z方向に見たときのリブ322の向きは、本実施形態では全て平行になっている。
また、送風機3の空気流れ下流側には、送風空気と冷凍サイクル内の冷媒との熱交換により送風空気を冷却する蒸発器(図示せず)、送風空気とエンジン冷却水との熱交換により送風空気を加熱するヒータコア(図示せず)、ヒータコアを通る風量とバイパス通路を通る風量との風量割合を調節することにより車室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックスドア(図示せず)が配設されている。
上記構成において、送風機3の作動により、内気導入口111または外気導入口112から導入された空気が切替箱ケース11内を流通する。導入された空気は、フィルタ2にて塵埃が捕集される。そして、フィルタ2にて塵埃が捕集されて清浄化された空気は、蒸発器やヒータコアを通過して温度が調整され、車室内に吹き出される。
ここで、フィルタ2設置部前後付近では、空気流は回転軸Zに沿って且つ回転しつつ吸入口321に向かって進む。そして、図2に示すように、回転しつつ吸入口321に向かって進む空気流のうち外周側部分の空気流Bは、リブ322に衝突した後リブ322に誘導されて吸入口321側に向かい、その風(空気流B)に引かれて、リブ322間に停滞している空気が矢印Cで示すように吸入口321側に流れる。したがって、従来は空気が流れなかった部位も空気通路として利用されるため、風量が増加する。
図3は、本実施形態の空調装置と従来の空調装置の風量を比較したもので、横軸は吸入口321とリブ322間の最小距離Lmin、縦軸はリブがない場合の風量を基準にした風量変化量である。
図3から明らかなように、従来の空調装置においては、最小距離Lminの減少に伴って風量が低下する。そして、最小距離Lminを22mmにした場合、従来の空調装置は約5m/h風量が低下するのに対し、本実施形態の空調装置は風量が低下しなかった。因みに、最小距離Lminを22mmにした従来の空調装置を基準にすると、最小距離Lminを22mmにした本実施形態の空調装置は、約3%風量が増加した。
以上のように、本実施形態では、リブ322は、前方側距離L1よりも後方側距離L2の方が長く、且つ、回転軸Zと前方側端部322aとを結ぶ線Aに対して傾斜しているため、リブ322間に停滞している空気が吸入口321側に流れるようになり、風量が増加する。
なお、回転軸Zから離れた位置にあるリブ322には空気があまり流れないため、そのような位置のリブについては、空気流Bを吸入口321側に案内するように向きを設定する必要はない。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態に係る空調装置のファンケース単体の平面図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、リブ322を回転軸Z方向に見たときのリブ322の向きを全て平行にしたが、本実施形態では、図4に示すように、リブ322を回転軸Z方向に見たときのリブ322の向きは全て非平行になっている。また、リブ322は、回転向きRに沿って等間隔に8個設けられている。
具体的には、各リブ322は、回転軸Zと前方側端部322aとを結ぶ線に対する傾斜角θが全て等しくなっている。また、各リブ322の前方側距離L1も、全て等しくなっている。
そして、各リブ322の傾斜角θを、リブ322に衝突した空気流を吸入口321側に誘導するために最適な角度に設定することにより、さらに風量を増加させることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図5は第3実施形態に係る空調装置における送風機ユニット部の要部を模式的に一部断面で示す正面図、図6は図5のファンケース単体の平面図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、図5、図6に示すように、各リブ322の両端部のうち開口部113に近い側の端部で、且つ各リブ322の上面側に、フィルタ2の挿入向きDに対して傾斜した面取り部322cが形成されている。これによると、フィルタ2の挿入作業性が向上する。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、フィルタ2を備える空調装置を示したが、フィルタ2の代わりに、空気流れを整える整流格子を備える空調装置にも、本発明は適用することができる。この場合、整流格子はリブ322の上に載せられて保持される。
また、フィルタ2の脱着のための開口部113は、切替箱ケース11における内気導入口111側の壁面(図1の紙面左側の壁面)に形成してもよい。
本発明の第1実施形態に係る空調装置の送風機ユニット部を模式的に半断面で示す正面図である。 図1のファンケース単体の平面図である。 第1実施形態の空調装置と従来の空調装置の風量を比較した図である。 本発明の第2実施形態に係る空調装置のファンケース単体の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る空調装置の要部を模式的に一部断面で示す正面図である。 図5のファンケース単体の平面図である。 従来の空調装置におけるファンケース単体の平面図である。
符号の説明
2…フィルタ、3…送風機、11…切替箱ケース(ケース)、32…ファンケース(ケース)、321…吸入口、322…リブ、Z…回転軸。

Claims (6)

  1. 空気通路を形成するケース(11、32)と、
    回転軸(Z)を中心に回転して前記空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、
    前記ケース(11、32)に形成されるとともに、前記送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、
    前記空気通路中に配置されるとともに、前記リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、
    前記リブ(322)は、前記フィルタ(2)または前記整流格子を通過した前記空気流を、前記吸入口(321)側に案内するように向きが設定されていることを特徴とする空調装置。
  2. 空気通路を形成するケース(11、32)と、
    回転軸(Z)を中心に回転して前記空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、
    前記ケース(11、32)に形成されるとともに、前記送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、
    前記空気通路中に配置されるとともに、前記リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、
    前記リブ(322)は、回転向き(R)の前方側が前記吸入口(321)側に寄るように斜めに形成されていることを特徴とする空調装置。
  3. 空気通路を形成するケース(11、32)と、
    回転軸(Z)を中心に回転して前記空気通路中に空気流を発生する送風機(3)と、
    前記ケース(11、32)に形成されるとともに、前記送風機(3)における吸入口(321)の周囲に配置された複数のリブ(322)と、
    前記空気通路中に配置されるとともに、前記リブ(322)に載せられて保持されるフィルタ(2)または整流格子とを備える空調装置において、
    前記リブ(322)の両端部のうち前記送風機(3)の回転向き(R)の前方側に位置する端部を前方側端部(322a)とし、
    前記リブ(322)の両端部のうち前記送風機(3)の回転向き(R)の後方側に位置する端部を後方側端部(322b)とし、
    前記前方側端部(322a)から前記回転軸(Z)までの距離を前方側距離(L1)とし、
    前記後方側端部(322b)から前記回転軸(Z)までの距離を後方側距離(L2)としたとき、
    前記リブ(322)は、前記前方側距離(L1)よりも前記後方側距離(L2)の方が長く、且つ、前記回転軸(Z)と前記前方側端部(322a)とを結ぶ線に対して傾斜していることを特徴とする空調装置。
  4. 前記送風機(3)は、遠心式送風機であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空調装置。
  5. 前記複数のリブ(322)は、前記回転軸(Z)と前記前方側端部(322a)とを結ぶ線に対する傾斜角(θ)が等しいことを特徴とする請求項3に記載の空調装置。
  6. 前記ケース(11、32)は、前記フィルタ(2)または前記整流格子を脱着するための開口部(113)を備え、前記リブ(322)の両端部のうち前記開口部(113)に近い側の端部が、前記フィルタ(2)または前記整流格子の挿入向きに対して傾斜していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空調装置。
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