JP2006175779A - 多層成形体の製造装置および製造方法 - Google Patents

多層成形体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸着させる対象物があらかじめ立体成形されていて、しかも穴やスリットなどの開口部が形成された比較的大型の加飾シートであっても、射出成形用雌型に十分に吸着させることができ、加飾シートの破損やシワに起因する成形不良も抑制できる多層成形体の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】 加飾シート11を成形面に沿わせて立体成形するシート成形用雄型25を有するシート成形装置20と、前記シート成形用雄型25と嵌合する射出成形用雌型41を有する射出成形装置40とを備え、立体成形された前記加飾シート11と射出成形された樹脂成形体とが一体化した多層成形体を製造する製造装置10であって、前記射出成形用雌型41を帯電させる帯電手段と、前記射出成形用雌型41からの帯電電荷のリークを防止する絶縁手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、立体成形された加飾シートと、該加飾シートに一体化した樹脂成形体とからなる多層成形体の製造装置および製造方法に関する。
例えば、自動車の内外装部品などには、絵柄などが形成された加飾シートが樹脂成形体の表面に一体化した多層成形体が広く使用されている。
このような多層成形体の製造方法として、次のような方法がある。
まず、加熱軟化した加飾シートを、真空成形用雄型の表面に真空吸引し、密着させ、この雄型の表面に沿う形状に立体成形する。ついで、立体成形された加飾シートを真空成形用雄型の表面から剥がし、射出成形用雌型に配置する。ついで、射出成形用型を型締めし、そのキャビティ内に溶融樹脂を注入する。このような方法により、加飾シートとその裏面側に一体化した樹脂成形体とからなる多層成形体が得られる。
ところがこのような方法では、立体成形された加飾シートを真空成形用雄型の表面から剥がして射出成形用雌型に配置する際に、加飾シートにシワが生じたり破損したりする場合があった。
そこで、最近では、例えば特許文献1に記載されているように、立体成形された加飾シートを真空成形用雄型の表面に保持したまま、これを射出成形用雌型に嵌合させ、ついで射出成形用雌型の備える吸引手段を作動させることにより、加飾シートを射出成形用雌型に移動させ、これに吸引保持させる方法が検討されている。このような方法によれば、立体成形された加飾シートを真空成形用雄型の表面から剥がすことなく、直に射出成形用雌型に移動させるため、加飾シートのシワ、破損を防止でき、これに起因する多層成形体の成形不良も抑制できる。
ところが、このような方法では、吸引力により射出成形用雌型の表面に加飾シートを移動させ保持しているため、加飾シートに穴、スリットなどの開口部が設けられている場合には、そこから空気がリークしてしまい、確実な移動、保持ができないという問題があった。
一方、特許文献2には、プラスチック容器などの樹脂の表面にラベルシートを一体化させるインモールドラベリング方法として、予め印刷されたラベルシートを射出成形型に静電気的に吸着させ、ついで樹脂を射出する方法が開示されている。
特開2001−225350号公報 特開2004−66669号公報
しかしながら、特許文献2に記載された技術では、吸着の対象物であるラベルシートを帯電させ、その静電気により吸着させているため、吸着が不十分となる場合があった。また、対象物が、特許文献2に記載のラベルシートのように比較的小型で平面状のものである場合にはこのような方法で吸着できたとしても、対象物が大型である場合や立体成形されたものである場合には、確実に吸着させることは困難であった。さらに、特許文献2の技術においては、ラベルシートを吸盤で保持した状態で帯電させているが、対象物が大型である場合や立体成形されたものである場合には吸盤で確実に保持すること自体が困難である。そこで、吸盤で保持せず、真空成形用雄型に吸引保持した状態などで対象物を帯電させることも考えられるが、その場合には対象物が真空成形用雄型から離れなくなり、射出成形型に移動させることが困難となると推測される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、吸着させる対象物があらかじめ立体成形されていて、しかも穴やスリットなどの開口部が形成された比較的大型の加飾シートであっても、射出成形用雌型に十分に吸着させることができ、加飾シートの破損やシワに起因する成形不良も抑制できる多層成形体の製造装置および製造方法を提供することを課題とする。
本発明の多層成形体の製造方法は、加飾シートを成形面に沿わせて立体成形するシート成形用雄型を有するシート成形装置と、前記シート成形用雄型と嵌合する射出成形用雌型を有する射出成形装置とを備え、立体成形された前記加飾シートと射出成形された樹脂成形体とが一体化した多層成形体を製造する製造装置であって、前記射出成形用雌型を帯電させる帯電手段と、前記射出成形用雌型からの帯電電荷のリークを防止する絶縁手段とを備えていることを特徴とする。
前記帯電手段は、放電電極と、該放電電極に電圧を印加するジェネレータとを備えていることが好ましい。
前記シート成形用雄型は、前記射出成形用雌型に対して側方から接近離間自在であるとともに、前記放電電極を付帯し、前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型に対して接近離間に移動させながら、該射出成形用雌型を帯電可能であることが好ましい。
前記射出成形用雌型は、その背面が雌型取付板に固定されていて、前記絶縁手段は、前記射出成形用雌型と前記雌型取付板との間に設けられた絶縁板を少なくとも備えて構成されていることが好ましい。
本発明の多層成形体の製造方法は、立体成形された加飾シートをその成形面に保持したシート成形用雄型を、該シート成形用雄型と嵌合する射出成形用雌型に向けて相対移動させる第1の移動工程と、前記射出成形用雌型を帯電させる第1の帯電工程と、前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型に嵌合させ、該射出成形用雌型に前記加飾シートを静電吸着させるシート吸着工程と、前記シート成形用雄型を前記加飾シートから離す離型工程と、前記射出成形用雌型に前記射出成形用雄型を嵌合させるとともに、該嵌合により形成されたキャビティ内に樹脂または樹脂の原料を射出して、前記加飾シートと前記樹脂からなる成形体とが一体化した多層成形体を成形する一体化工程とを有することを特徴とする。
前記第1の移動工程中に、前記第1の帯電工程を行うことが好ましい。
前記離型工程と前記一体化工程との間に、前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型から離れるように相対移動させる第2の移動工程を有し、該第2の移動工程中に、静電吸着された前記加飾シートを少なくとも帯電させる第2の帯電工程を行うことが好ましい。
前記シート吸着工程において、前記シート成形用雄型から加熱気体を送風することにより、前記加飾シートを軟化させることが好ましい。
本発明によれば、対象物があらかじめ立体成形されていて、しかも穴やスリットなどの開口部が形成された比較的大型の加飾シートであっても、射出成形用雌型に十分に吸着させることができ、加飾シートの破損やシワに起因する成形不良も抑制できる。
以下本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態例である多層成形体の製造装置10を概略的に示す平面図であって、表面に絵柄などが形成され意匠性が付与された加飾シート11と、その裏面に配置された樹脂成形体とが一体化した多層成形体を製造するためのものである。
この製造装置10は、加飾シート11を立体成形するシート成形装置20と、立体成形された加飾シート11に樹脂成形体を一体化して多層成形体とする射出成形装置40とを具備して構成されている。この例でシート成形装置20は、加飾シート11を固定するシート固定機21と、このシート固定機21に対向配置され、固定された加飾シート11を立体成形するシート成形用雄型25を備えた可動式成形機22とから概略構成されている。また、射出成形装置40は、シート成形用雄型25と嵌合する射出成形用雌型41と、図示略の射出成形用雄型とを有して構成されている。
シート成形装置20の具備するシート固定機21は、一面が開口し、ここを加飾シート11が塞ぐように配置されることによって気密性を備える箱状のシート固定台座23と、そのように配置された加飾シート11を固定するためのシートクランプ24とを備えている。加飾シート11は、図示略の送りロールと巻取ロールとの間に掛け渡された状態で、シート固定台座23の開口端面23aに沿って配置され、シートクランプ24により固定される。また、このシート固定機21は圧空バルブ26を有し、この圧空バルブ26には図示略の圧力制御手段が接続されていて、箱状のシート固定台座23と固定された加飾シート11とにより形成される気密性の空間23b内を吸引したり、この空間23b内に圧縮空気などの加圧気体を送風したりして、空間23bの圧力を調節できるようになっている。
シート成形装置20の具備する可動式成形機22は、表面が成形面であるシート成形用雄型25を備えていて、このシート成形用雄型25をシート固定機21に固定された加飾シート11の裏面側から、シート面に対して略垂直に押圧することにより、加飾シート11を成形するものである。この例のシート成形用雄型25は、枠体30にシリンダ31により取り付けられていて、加飾シート11のシート面に対して略垂直方向(図中上下方向)に往復移動できるようになっている。
また、この例では、可動式成形機22の枠体30内は、加飾シート11を介して枠体30の前端面30aがシート固定機21の開口端面23aに当接することにより、気密性が発現するようになっているとともに、シート成形用雄型25の表面には多数の図示略の通気孔が形成されていて、この通気孔には開閉バルブ28を介して図示略の熱空送風手段と図示略の減圧手段とが接続している。よって、枠体30の前端面30aを、加飾シート11を介してシート固定機21の開口端面23aに当接させた状態で、熱空送風手段または減圧手段を作動させることにより、通気孔を通じてシート成形用雄型25の内側から外側に向けて加熱気体を送風して加飾シート11に吹き付けたり、シート成形用雄型25の表面に加飾シート11を吸引保持したりできるようになっている。
さらに、この例の可動式成形機22は、スライド機構を備えた移動装置27を備えていて、シート成形用雄型25が枠体30とともにシート固定機21に固定された加飾シート11のシート面に沿う方向(図中左右方向)に往復移動できるようになっている。そして、枠体30における射出成形用雌型41側の端部には放電電極を有する帯電バー29が設けられていて、シート成形用雄型25に枠体30を介して帯電バー29が付帯した状態となっている。よって、このシート成形用雄型25がシート固定機21の側方に設置された射出成形用雌型41に対して図中左右方向、すなわち側方から接近離間に移動する間に、射出成形用雌型41を帯電させることができる。なお、この帯電バー29には、帯電バー29の放電電極に電圧を印可する図示略のジェネレータが電気的に接続されて、帯電手段が構成されている。また、ここで加飾シート11のシート面に沿う方向とは、シート成形用雄型25と射出成形用雌型41による嵌合の方向の略垂直方向である。
図1における射出成形装置40は、シート成形用雄型25と嵌合する射出成形用雌型41と、樹脂または樹脂の原料を射出するゲートを備えた図示略の射出成形用雄型とを備えて構成され、シート成形装置20により立体成形された加飾シート11に対して樹脂成形体を一体化するものである。
この射出成形用雌型41は金属製であって、図2に示すようにボルト42によりその背面が雌型取付板43に固定されている。また、この雌型取付板43の両面には絶縁板44が配置されているとともに、雌型取付板43を貫くボルト42の外周部分には、図3に拡大して示すように絶縁ワッシャ45が配置されていて、射出成形用雌型41が帯電した場合、その帯電電荷が雌型取付板43やボルト42を通じて外部にリークしないようになっている。
このような図1の製造装置10を使用して多層成形体を製造する場合には、まず、図1に示すように、加飾シート11をシート固定台座23の開口端面23aの前方に配置し、シートクランプ24で固定する。この際加飾シート11を、その表面側が開口端面23aに直に接し、裏面側が可動式成形機22の方を向くように固定する。ついで、可動式成形機22の枠体30の前端面30aが、固定された加飾シート11およびシートクランプ24を介してシート固定台座23の開口端面23aに密着するように、可動式成形機22をシート固定機21に向けて前進させる。その後、シート固定台座23の底面(開口部分に対向する面)に設けられた図示略のシート加熱手段により、加飾シート11を所定温度に加熱して軟化する。
そして、シート成形用雄型25を前進させ、加飾シート11をその裏面側から押圧するとともにシート固定機21の圧力制御手段を作動させて、加飾シート11に向けてその表面側から200〜500kPa程度に加圧された圧縮空気などの加圧気体を送風することにより、加飾シート11の表面側の気圧を裏面側よりも高くする。その結果、加飾シート11はシート成形用雄型25の表面の成形面に沿って密着し、成形面に沿う形状に立体成形される。なお、ここでは、加飾シート11の表面側の気圧を高める方法の他、加飾シート11の側の気圧を表面側よりも低くしてもよいし、これら両方を実施してもよい。
その後、図示略の減圧手段を作動させて、立体成形された加飾シート11をシート成形用雄型25の成形面に吸引し、確実に保持する。
ついで、加圧気体の送風を停止するとともに、シート固定機21の具備する図示略のヒートカッタを用いて、立体成形された加飾シート11をくり抜くように切り抜き、シート成形用雄型25の成形面に加飾シート11を吸引、保持した状態で、可動式成形機22をシート固定機21から離すように後退させる。
ついで、図4に示すように、可動式成形機22の具備する移動装置27を作動させて、立体成形された加飾シート11を吸引、保持したシート成形用雄型25を、シート固定機21の側方に設置された射出成形用雌型41に対向するように図中左方向に移動させ、射出成形用雌型41に接近させる(第1の移動工程)。
そして、このように移動、接近させつつ、図示略のジェネレータを作動させてシート成形用雄型25に付帯した帯電バー29から射出成形用雌型41に向けて放電し、射出成形用雌型41を帯電させる(第1の帯電工程)。ここでジェネレータからの出力電圧は通常20〜40kvで、帯電バー29からの放電電流は通常0.5mA以下である。また、この例ではマイナス(−)に帯電させている。
ついで、図5に示すようにシート成形用雄型25を射出成形用雌型41に対向する位置まで移動させ、帯電バー29からの放電を一旦停止する。そして、図6に示すようにシート成形用雄型25と射出成形用雌型41とを嵌合させるとともに、図示略の減圧手段を停止して、立体成形された加飾シート11のシート成形用雄型25への吸引吸着を解除する。すると、射出成形用雌型41は、第1の帯電工程により帯電されているとともにその絶縁手段により絶縁処理されているので、加飾シート11は静電気により射出成形用雌型41に移動し、静電吸着する(シート吸着工程)。
また、その際、シート成形用雄型25の具備する図示略の熱空送風手段を作動させて、シート成形用雄型25の表面の通気孔から加飾シート11に向けて加熱気体を送風することにより、加飾シート11は加熱され軟化するため、より一層射出成形用雌型41に密着する。また、このように加熱気体を送風することによって、射出成形用雌型41に加飾シート11が多少ずれた状態で静電吸着したとしても加飾シート11が定位置へと移動しやすくなるため、加飾シート11のずれによる多層成形体の成形不良を抑制できる。なおジジェネレータからの出力電圧が20〜40kvで、帯電バー29からの放電電流が0.5mA以下の条件で射出成形用雌型41に対して放電した場合、射出成形用雌型41は通常弱帯電の状態となり、このようなずれの補正は可能である。
ついで、図7に示すように、シート成形用雄型25を射出成形用雌型41から後退させて、射出成形用雌型41に保持された加飾シート11から離す(離型工程)。
その後、図8に示すように、可動式成形機22の具備する移動装置27を再度作動させて、シート成形用雄型25を射出成形用雌型41から離れるように移動させるとともに(第2の移動工程)、ジェネレータを再び作動させて、静電吸着により加飾シート11が保持された状態の射出成形用雌型41に向けて帯電バー29から放電する(第2の帯電工程)。これにより、射出成形用雌型41だけでなく加飾シート11も帯電させることができ強帯電の状態となり、より確実に加飾シート11を射出成形用雌型41に静電吸着させることができる。また、この例では第2の帯電工程でもマイナス(−)に帯電させている。
そして、射出成形用雌型41に図示略の射出成形用雄型を嵌合させて型締めした後、形成されたキャビティ内に溶融した樹脂、または樹脂の原料であるモノマーなどを射出することにより、加飾シート11と樹脂成形体とが一体化した多層成形体を成形する(一体化工程)。ここでモノマーを射出する具体例としては、いわゆる反応射出成形(RIM)が挙げられる。
その後、このようにして得られた多層成形体には静電除去処理を行って、静電除去することが好ましい。
このような製造方法によれば、立体成形された加飾シート11をシート成形用雄型25の成形面から剥がすことなく射出成形用雌型41に移動、吸着させることができるため、加飾シート11のシワや破損を防止し、それに起因した多層成形体の成形不良を抑制できる。
また、その際、射出成形用雌型41を帯電させることにより加飾シート11を静電吸着させるため、吸着力が十分であり、加飾シート11があらかじめ立体成形された比較的大型のものであっても確実な移動や保持ができ、しかも穴やスリットなどの開口部が形成されたものの場合にも、吸引吸着の場合のように空気のリークによる吸着力の低下がない。
さらにこの例のように、第1の移動工程中や第2の移動工程中に第1の帯電工程や第2の帯電工程を行うことによって、各工程が効率的に実施でき、多層成形体の生産性に優れる。
また、図1の製造装置は、帯電手段とともに絶縁手段も備えているため、帯電電荷のリークを防止でき、より確実な吸着が可能な構成となっている。
さらに、帯電手段の具備する帯電バー29がシート成形用雄型25に付帯し、これと連動する構成となっているので、装置構成が比較的簡単であるうえ、第1の移動工程中や第2の移動工程中に第1の帯電工程や第2の帯電工程を容易に行うことができ、非常に効率的である。
なお、絶縁手段を構成する絶縁板44や絶縁ワッシャ45の材質としては、十分な絶縁性を備えたものであれば特に制限はなく、好ましくは、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、硬質ゴム、ベークライトなどが使用でき、特に好ましくは塩化ビニル樹脂である。
なお、以上の例においては、シート成形用雄型25を加飾シート11に押圧してこれを立体成形する前に、シート固定台座23の底面に設けられた図示略のシート加熱手段により、加飾シート11を所定温度に加熱して軟化しているが、軟化に加えて、加飾シート11を拡張する予張工程を行ってもよい。予張工程により加飾シート11は均一に拡張されるので、立体成形時において、加飾シート11の場所による伸びの程度に違いが生じない。よって、立体成形された加飾シート11の絵柄が部分的に異なるように見えて意匠性が低下したり、部分的に薄くなることに起因してシワが生じたりすることがない。予張工程の具体的方法としては、シート固定台座23の具備する圧力制御手段を作動させて、シート固定台座23と加飾シート11により囲まれた空間23b内を吸引して45〜55kPa程度の減圧状態にする方法が好適である。このようにして加飾シート11の表面側の気圧を裏面側よりも低くして加飾シート11をその表面側に張り出させることにより、加飾シート11はバルーン状となり、十分に拡張する。
また、このような予張工程に引き続いて、加飾シート11の表面側の気圧を裏面側よりも高くして加飾シート11を裏面側に張り出させる反転工程を行ってから、裏面側に張り出した状態にある加飾シート11に向けてシート成形用雄型25を前進、押圧し、これを立体成形してもよい。このような方法によれば、まず始めにシート成形用雄型25の頂である中央部分に加飾シート11が接し、ついで徐々にシート成形用雄型25の周縁に向けて加飾シート11が接触していくこととなる。その結果、加飾シート11とシート成形用雄型25の表面とが良好に密着し、加飾シート11にシワなどが生じず、最終的に得られる多層成形体の外観が優れたものとなる。
さらに、この際には、可動式成形機22として、シート固定機21に固定された加飾シート11の裏面側から表面側に向かって、シート面に対して略垂直に前進して加飾シート11に当接し、この加飾シート11を支持するアーム手段を具備したものを使用し、これにより加飾シート11を支持しつつ反転工程を行ってもよい。このようなアーム手段を併用することによって、加飾シート11とシート成形用雄型25の表面との密着性がより向上する。
本発明の多層成形体の製造装置の一例を示す平面図である。 図1の製造装置の具備する射出成形用雌型を示す横断面図である。 図2の射出成形用雌型の要部を拡大して示す横断面図である。 本発明の製造方法のうち、第1の移動工程と第1の帯電工程とを説明する説明図である。 本発明の製造方法のうち、第1の移動工程が終了した状態を説明する説明図である。 本発明の製造方法のうち、シート吸着工程を説明する説明図である。 本発明の製造方法のうち、離型工程を説明する説明図である。 本発明の製造方法のうち、第2の移動工程と第2の帯電工程とを説明する説明図である。
符号の説明
10 多層成形体の製造装置
11 加飾シート
20 シート成形装置
25 シート成形用雄型
40 射出成形装置
41 射出成形用雌型

Claims (8)

  1. 加飾シートを成形面に沿わせて立体成形するシート成形用雄型を有するシート成形装置と、前記シート成形用雄型と嵌合する射出成形用雌型を有する射出成形装置とを備え、立体成形された前記加飾シートと射出成形された樹脂成形体とが一体化した多層成形体を製造する製造装置であって、
    前記射出成形用雌型を帯電させる帯電手段と、前記射出成形用雌型からの帯電電荷のリークを防止する絶縁手段とを備えていることを特徴とする多層成形体の製造装置。
  2. 前記帯電手段は、放電電極と、該放電電極に電圧を印加するジェネレータとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の多層成形体の製造装置。
  3. 前記シート成形用雄型は、前記射出成形用雌型に対して側方から接近離間自在であるとともに、前記放電電極を付帯し、
    前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型に対して接近離間に移動させながら、該射出成形用雌型を帯電可能であることを特徴とする請求項2に記載の多層成形体の製造装置。
  4. 前記射出成形用雌型は、その背面が雌型取付板に固定されていて、
    前記絶縁手段は、前記射出成形用雌型と前記雌型取付板との間に設けられた絶縁板を少なくとも備えて構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多層成形体の製造装置。
  5. 立体成形された加飾シートをその成形面に保持したシート成形用雄型を、該シート成形用雄型と嵌合する射出成形用雌型に向けて相対移動させる第1の移動工程と、
    前記射出成形用雌型を帯電させる第1の帯電工程と、
    前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型に嵌合させ、該射出成形用雌型に前記加飾シートを静電吸着させるシート吸着工程と、
    前記シート成形用雄型を前記加飾シートから離す離型工程と、
    前記射出成形用雌型に前記射出成形用雄型を嵌合させるとともに、該嵌合により形成されたキャビティ内に樹脂または樹脂の原料を射出して、前記加飾シートと前記樹脂からなる成形体とが一体化した多層成形体を成形する一体化工程とを有することを特徴とする多層成形体の製造方法。
  6. 前記第1の移動工程中に、前記第1の帯電工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の多層成形体の製造方法。
  7. 前記離型工程と前記一体化工程との間に、前記シート成形用雄型を前記射出成形用雌型から離れるように相対移動させる第2の移動工程を有し、該第2の移動工程中に、静電吸着された前記加飾シートを少なくとも帯電させる第2の帯電工程を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の多層成形体の製造方法。
  8. 前記シート吸着工程において、前記シート成形用雄型から加熱気体を送風することにより、前記加飾シートを軟化させることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の多層成形体の製造方法。

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