JP2006175488A - 双ロール式連続鋳造機及び双ロール式連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中心部に未凝固部が残っている鋳片を、バルジングの発生を防止しつつ冷却する。
【解決手段】 ロール101,102間の最小ギャップ部から出てくる鋳片113は、中心部が未凝固となっている。この鋳片113は、接触弧長αにわたり凹型ロール102に接触してから引き出される。また、接触弧長αにわたりロール102に接触している鋳片113は、ピンチロール120で挟まれると共に、サポートローラ121及び鋳片支持治具122にて支持されてバルジング変形が防止され、更に、スプレー123による水噴射と水冷構造の鋳片支持治具122への接触ならびにロール102への接触により確実な冷却がなされる。また、鋳片113をロール102に沿い湾曲させているため、ロール直下部分の空間が広くなり、スプレー123等の配置が容易になる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ロール101,102間の最小ギャップ部から出てくる鋳片113は、中心部が未凝固となっている。この鋳片113は、接触弧長αにわたり凹型ロール102に接触してから引き出される。また、接触弧長αにわたりロール102に接触している鋳片113は、ピンチロール120で挟まれると共に、サポートローラ121及び鋳片支持治具122にて支持されてバルジング変形が防止され、更に、スプレー123による水噴射と水冷構造の鋳片支持治具122への接触ならびにロール102への接触により確実な冷却がなされる。また、鋳片113をロール102に沿い湾曲させているため、ロール直下部分の空間が広くなり、スプレー123等の配置が容易になる。
【選択図】 図2
Description
本発明は双ロール式連続鋳造機及び双ロール式連続鋳造方法に関するものである。
更に詳述すると、溶鋼が冷却して形成された凝固シェルを、ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接して、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片を、ロール間の隙間から引き出すタイプの双ロール式連続鋳造機において、ロール隙間から引き出した鋳片の効率的な冷却と、鋳片のバルジング変形(樽状に膨らんで変形すること)を防止するように工夫したものである。
更に詳述すると、溶鋼が冷却して形成された凝固シェルを、ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接して、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片を、ロール間の隙間から引き出すタイプの双ロール式連続鋳造機において、ロール隙間から引き出した鋳片の効率的な冷却と、鋳片のバルジング変形(樽状に膨らんで変形すること)を防止するように工夫したものである。
連続鋳造機は、精錬を終了した溶鋼を連続して鋳込み、直接、鋳片(スラブまたはストリップ)を製造するものである。連続鋳造機を用いた連続鋳造方法では、従来の造塊,分塊法に比較して偏析が少なく、表面品質も良好で、鋼板用鋳片を製造するのに適している。
連続鋳造機としては、鋳片とともに鋳型が移動する同期式双ロール式鋳型(移動鋳型)を用いた双ロール式連続鋳造機がある。
図9は双ロール式連続鋳造機010の一般的な例を示すものである。この双ロール式連続鋳造機010では、一対の逆方向に回転するロール011,012を、同じ高さ位置にて平行にしつつ近接して配置しており、ロール011,012の軸方向両端は、ロール端面に圧着するサイド堰013,014により仕切っている。ロール011,012及びサイド堰013,014でなる移動鋳型の内部空間(湯溜まり部)には、ノズル015を介して溶鋼016が供給される。
ロール011,012が互いに逆方向に回転すると(溶鋼016を下方に巻き込むように回転すると)、溶鋼016はロール011,012に接触することにより冷却され、その結果、ロール011,012の周面にそれぞれ凝固シェルが形成される。この双方の凝固シェルはロール回転に伴い成長し、ロール011,012の最小ギャップ部にて圧接・一体化され、鋳片017として取り出される。
次に、鋳造する鋳片の厚さを厚くするようにロール形状を工夫した双ロール式連続鋳造機の一例(特開昭59−118249号等)を、図10及び、図10のA−A矢視図である図11を参照して説明する。
図10及び図11に示すように、一対のロール10,11と、ロール10,11の端面に圧着されてロール端面側を仕切るサイド堰12,13と、ロール10,11に接設したダム14,15とによりなる移動鋳型の内部空間が、湯溜まり部となる。この湯溜まり部には溶鋼16が供給される。
ロール10の両端部にはフランジ状に段部10a,10bが形成されている。同様に、ロール11の両端部にはフランジ状に段部11a,11bが形成されている。
ロール10の両端部にはフランジ状に段部10a,10bが形成されている。同様に、ロール11の両端部にはフランジ状に段部11a,11bが形成されている。
ロール10,11が回転すると、溶鋼16はロール10,11の周面(この周面には段部10a,10b,11a,11bの周面も含む)に接触することにより冷却されて、凝固シェル17,18が形成される。凝固シェル17,18はロール回転に伴い成長していく。そして、段部10aと段部11aとの隙間、並びに、段部10bと段部11bとの隙間が最も小さくなる最小ギャップ部において、凝固シェル17のうち段部10a,10bの外周に形成された部分と、凝固シェル18のうち段部11a,11bの外周に形成された部分とが、段部10a,10bと段部11a,11bによる狭圧力により圧接・一体化される。この結果、凝固シェル17と凝固シェル18の両端部が圧接・一体化され、両凝固シェル17,18は中心部分に溶鋼16を残したままで、図11に示すように、袋綴じ状に接合されて鋳片19となる。
最小ギャップ部にて凝固シェル17,18が袋綴じ状に圧接されて中心部に溶鋼16を残した状態の鋳片19は、ロール10,11から引き出されて搬送され、搬送途中で冷却されることにより、中心部分の溶鋼16も凝固していく。
図10及び図11に示す例では、隙間が狭くなっている段部10a,10bと段部11a,11bにて凝固シェル17,18の端部で圧接ができるため、ロール10,11間の隙間を広くしても、凝固シェル17,18を袋綴じ状に圧接でき、ロール10,11から引き出されていく鋳片19は、中心部は溶融状態のままであるが表面は凝固した状態となる。このようにロール10,11間の隙間を広くすることができるため、製造される鋳片19の厚さを厚くすることができる。このように鋳片19の厚さを厚くすることができるので、鋳片製造量を増大することができると共に、各種の厚さの鋼板の製造にも対処することができる。
ロール10,11の間から引き出された鋳片19(凝固シェル17,18を袋綴じ状に圧接したもの)は、その表面は凝固しているが中心部分に未凝固の溶鋼16を残したままである。このため、中心部分に未凝固の溶鋼16を残した鋳片19は、図10のB−B断面である図12に示す矢印X方向に膨らむ変形(バルジング変形)が生ずる。このバルジング変形が生じて復熱が進むと、鋳片割れ(ブレークアウト)が発生する恐れがある。
このため、一般的には、図10に示すように、最小ギャップ部から引き出された鋳片19を、その両側から抑える(膨らみを防止する)サポートロール20を、ロール10,11の直下に備えている。
また、引き出された鋳片19と、ロール10,11の周面のうち最小ギャップ部より下側の周面との間の楔状の空間(ここを本明細書では「ロールニップ部」と称する)に、鋳片19の表面に接触してバルジングを防止すると共に水冷構造を有する鋳片支持治具21を配置することも検討されている。
更に、ロール10,11の間から引き出された鋳片19(凝固シェル17,18を袋綴じ状に圧接したもの)を効果的に冷却するため、引き出された直後から、鋳片19に対して冷却水を吹き付ける必要がある。具体的には最小ギャップ部に向かって(下方から上方に向かって)、ロールニップ部に冷却水を吹き付けている。
ところで、図10や図11に示すように、表面は凝固しているが中心部分に未凝固の溶鋼16を残したままの鋳片19を、ロール10,11の間から引き出すタイプの双ロール式連続鋳造機では、バルジングの発生を防止するためにサポートロール20や鋳片支持治具21を備えなければならない。しかし、ロール10,11の直下部分の空間(ロールニップ部)は狭隘な空間であり、しかも、中央部分に真っ直ぐ下方に鋳片19が引き出されてこの狭隘な空間を分割しているため、サポートロール20や鋳片支持治具21を備えることが極めて難しくなる。
特に、大径のロールを使用した場合には、ロール直下部分の空間がより狭くなるので、かかる問題が顕著になる。
特に、大径のロールを使用した場合には、ロール直下部分の空間がより狭くなるので、かかる問題が顕著になる。
また、ロール10,11の間から引き出された鋳片19を、引き出された直後から冷却水を吹き付けると、ロール10,11と鋳片19との間に水分がしみ込んで、移動鋳型内に浸入する危険性がある。仮に、移動鋳型内に水分が浸入すると、水蒸気爆発の可能性があり危険である。
本発明は、上記従来技術に鑑み、ロールの間から引き出された、中央部分に未凝固部分を含む鋳片のバルジングを効果的に防止すると共に、効果的な冷却ができる、双ロール式連続鋳造機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、互いに逆方向に回転すると共に少なくとも一つのロールはロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一対のロールの間に溶鋼を供給し、各ロールの周面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片をロール間の隙間から引き出す双ロール式連続鋳造機において、
前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、このロールから離して引き出すことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、このロールから離して引き出すことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片を、前記一方のロールとの間で挟み込むピンチロールを設けたことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のピンチロールを有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のピンチロールを有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面を、前記一方のロールとは反対側から接触して支持する鋳片支持装置を設置したことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の鋳片支持装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の鋳片支持装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記鋳片支持装置は、サポートロールであることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のサポートロールを有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のサポートロールを有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記鋳片支持装置は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面に滑らかに接触する湾曲面を有する鋳片支持治具であることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の鋳片支持治具を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の鋳片支持治具を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
この場合、前記鋳片支持治具は、水冷構造により冷却されていることを特徴とする。
更に前記鋳片支持装置は、鋳片支持具とサポートロールを組み合わせたものであることを特徴とする。
更に前記鋳片支持装置は、鋳片支持具とサポートロールを組み合わせたものであることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片に対して、前記一方のロールとは反対側から冷媒を吹き付けて冷却する冷却装置を備えていることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の冷却装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の冷却装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、ロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一方のロールとこの一方のロールとは逆方向に回転する他方のロールに巻き掛けられた無端のベルトとの間に溶鋼を供給し、前記一方のロールの周面と前記無端のベルトの表面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片を形成し、
前記無端のベルトが、他方のロールの周面のうち、少なくとも上面及び一方のロールに対面する面に巻き掛けられると共に、一方のロールの周面のうち、最小ギャップ部からこの一方のロールの回転方向に沿い予め決めた接触弧長に亘る範囲に対して隙間を介して対面した状態で配置されることにより、前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記無端のベルトと一方のロールの周面とで挟みつつ、一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、この一方のロールから離して引き出すことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
前記無端のベルトが、他方のロールの周面のうち、少なくとも上面及び一方のロールに対面する面に巻き掛けられると共に、一方のロールの周面のうち、最小ギャップ部からこの一方のロールの回転方向に沿い予め決めた接触弧長に亘る範囲に対して隙間を介して対面した状態で配置されることにより、前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記無端のベルトと一方のロールの周面とで挟みつつ、一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、この一方のロールから離して引き出すことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成の双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造機の構成は、前記無端のベルトのうち前記一方のロールの周面に隙間を介して対面して配置された部分に、前記一方のロールとは反対側から接
触して支持するベルト支持装置を備えたことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のベルト支持装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
触して支持するベルト支持装置を備えたことを特徴とする。
また本発明の双ロール式連続鋳造方法は、上記構成のベルト支持装置を有する双ロール式連続鋳造機を用いて鋳造をすることを特徴とする。
本発明では、一対のロール間の最小ギャップ部から出てくる、中心部に未凝固部分が残っている鋳片を、一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けるようにしたので、ロール直下の空間が広くなり、この部分に、バルジング防止や冷却のための装置を容易に配置することができるようになった。
また、一方のロールの周面に巻き付いた鋳片を、一方のロールとピンチロールとで挟むことにより、鋳片の確実な送り出し(引き抜き)ができるようになった。
また、一方のロールの周面に巻き付いた鋳片を、鋳片支持装置(サポートロールや鋳片支持治具)により支持することにより、鋳片のバルジング変形を確実に防止することができるようになった。
また、一方のロールの周面に巻き付いた鋳片に冷媒を吹き付けて冷却する冷却装置を備えたため、鋳片は、その一方の表面がロール接触により冷却され、その他方の面が冷媒吹き付けにより冷却され、結果的に両側の面から冷却されるため、確実かつ効果的に冷却されるようになった。
更に本発明では、一方のロールと、他方のベルトに巻き掛けられた無端のベルトとの間の最小ギャップから出てくる、中心部に未凝固部分が残っている鋳片を、引き続き、他方のロールとベルトで挟んだ状態で、予め決めた接触弧長だけ搬送していくようにした。このため、ロールとベルトで挟まれた鋳片は、バルジングの発生を確実に防止されつつ、ロール及びベルトに接触して確実に冷却されるようになった。
このとき、ベルト支持装置によりベルトを支持することにより、ベルトの撓みを防ぎ、より確実にバルジングの発生を防止できるようになった。
このとき、ベルト支持装置によりベルトを支持することにより、ベルトの撓みを防ぎ、より確実にバルジングの発生を防止できるようになった。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
ここで、本発明の実施例において用いる「凹型ロール」について先に説明をしておく。「凹型ロール」とは、「ロールの軸方向に沿う両端の径が、ロールの中央部分の径よりも大きくなっているロール」をいう。
ここで、本発明の実施例において用いる「凹型ロール」について先に説明をしておく。「凹型ロール」とは、「ロールの軸方向に沿う両端の径が、ロールの中央部分の径よりも大きくなっているロール」をいう。
例えば「凹型ロール」としては、図1(a)に示すように、ロールRの両端に段部Dを有するものや、図1(b)に示すように、ロールRの両端がテーパー状に広がってから段部Dを有するものや、図1(c)に示すように、両端に段部Dを有するとともに、ロールRは軸方向の中央に向かうに従い径が漸減する鼓状になっているものなど、各種の形状のロールがある。
このような凹型ロールを少なくとも一方のロールに用いれば、凝固シェルを袋綴じ状に圧接することができ、鋳造する鋳片を厚くすることができる。
このような凹型ロールを少なくとも一方のロールに用いれば、凝固シェルを袋綴じ状に圧接することができ、鋳造する鋳片を厚くすることができる。
本発明の実施例1に係る双ロール式連続鋳造機を、図2及び、図2のC−C矢視図である図3を参照しつつ説明する。
実施例1に係る双ロール式連続鋳造機100では、逆方向に回転する平ロール101と凹型ロール102を、同じ高さ位置にて平行にしつつ近接して配置しており、ロール101,102の軸方向両端は、ロール端面に圧着するサイド堰103,104により仕切っている。ロール101,102及びサイド堰103,104によりなる移動鋳型の内部空間(湯溜まり部)には、ノズル105を介して溶鋼106が供給される。
平ロール101は、段部を有しない円柱状(または円筒状)のロールであり、凹型ロール102は、ロール両端に段部102a,102bを有している。
一対のロール101,102が互いに逆方向に回転すると、溶鋼106はロール101,102の表面(この表面には段部102a,102bの表面を含む)に接触することにより冷却されて、凝固シェル111,112が形成される。凝固シェル111,112はロール回転に伴い成長していく。そして、平ロール101と凹型ロール102との隙間が最も小さくなる最小ギャップ部において、凝固シェル111の端部と凝固シェル112の端部が圧接・一体化される。このとき、凝固シェル111と凝固シェル112の両端部が圧接・一体化され、図3に示すように、両凝固シェル111,112は中心部分に溶鋼106を残したままで袋綴じ状に接合されて鋳片113となる。
最小ギャップ部から出てきた鋳片113は、凹型ロール102の周面に予め決めた接触弧長αだけ引き続き巻き付き、凹型ロール102とピンチロール120とで挟まれた部分を過ぎてから、凹型ロール102から離れて引き出されていく。
ピンチロール120は、その軸方向長さがロール102の軸方向長さと略等しくなっているフリーのロール(回転駆動力を自発的には発生しないロール)であり、このピンチロール120は、鋳片113を凹型ロール102側に押しつける作用をする。
鋳片113は、凹型ロール102とピンチロール120とで挟み込まれているため接触抵抗が増大し、凹型ロール102が回転すると、凹型ロール102の回転力が確実に鋳片113に伝わり、鋳片113を送り出す力が確実に発生し、鋳片113の引き出しが行われる。
ここではピンチロール120はフリーのロール(回転駆動力を自発的には発生しないロール)としているが、勿論、駆動ロール(回転駆動力を自発的に発生するロール)としてもよい。
鋳片113は、凹型ロール102とピンチロール120とで挟み込まれているため接触抵抗が増大し、凹型ロール102が回転すると、凹型ロール102の回転力が確実に鋳片113に伝わり、鋳片113を送り出す力が確実に発生し、鋳片113の引き出しが行われる。
ここではピンチロール120はフリーのロール(回転駆動力を自発的には発生しないロール)としているが、勿論、駆動ロール(回転駆動力を自発的に発生するロール)としてもよい。
つまり、図3に示すように、ロール101,102は、凝固シェル111,112を介して両端部分で圧接状態となっているだけであるため、ロール101,102による鋳片113の送り出し力が不足することがあるが、図2に示すように、ピンチロール120を配置することにより、凹型ロール102とピンチロール120とで鋳片113を挟むことにより、鋳片113の送り出し力を確実に発生させている。
なお軸方向に長いピンチロール120の代わりに、軸方向に沿い複数に分割したピンチロールを、軸方向に並んで複数個配置するようにしてもよい。
最小ギャップ部とピンチロール120との間においては、鋳片113の表面のうち凹型ロール102の周面とは反対側の面は、サポートローラ121と鋳片支持治具122が接触しつつ支持している。
サポートローラ121は、鋳片113の幅方向(図2では紙面に垂直方向)に沿い長くなっており、鋳片113の全幅に転接しつつ支持して、鋳片113のバルジングの発生を防止している。
図4に示すように、鋳片支持治具122は、楔形となっており、ロールニップ部の上部に配置されている。この鋳片支持治具122は、湾曲した湾曲面122aを有しており、この湾曲面122aが鋳片113の表面の全幅に滑らかに接触しつつ支持して、鋳片113のバルジングを防止している。このとき、鋳片支持治具122は、楔形となっており、その頂部がロールニップ部の上部に差し込まれる状態で配置されているため、鋳片113が最小ギャップ部から出てきた直後から、この鋳片113の表面の支持をしてバルジングの発生を防止することができる。
また鋳片支持治具122は、内部水冷構造により冷却されているため、鋳片113が鋳片支持治具122に接触することにより、最小ギャップ部から出てきた直後から鋳片113の冷却を行うことができる。
本実施例では、最小ギャップ部から出てきた鋳片113が、真っ直ぐ下方に引き出されているのではなく、凹型ロール102に沿い巻き付けているため、ロール101,102の直下部分の狭隘な空間(ロールニップ部)が、鋳片113により分割されていない。
このため、サポートロール121や鋳片支持治具122を取り付ける余裕スペースが従来より広くなり、サポートロール121や鋳片支持治具122の取り付けが容易になる。
また、余裕スペースが従来より広くなるため、鋳片支持治具122を、なるべく最小ギャップ部に近い位置(なるべく上方の位置)に配置することができ、最小ギャップ部から出てきた直後から、鋳片支持治具122によるバルジング防止を効果的に行うことができる。
このため、サポートロール121や鋳片支持治具122を取り付ける余裕スペースが従来より広くなり、サポートロール121や鋳片支持治具122の取り付けが容易になる。
また、余裕スペースが従来より広くなるため、鋳片支持治具122を、なるべく最小ギャップ部に近い位置(なるべく上方の位置)に配置することができ、最小ギャップ部から出てきた直後から、鋳片支持治具122によるバルジング防止を効果的に行うことができる。
最小ギャップ部とピンチロール120との間においては、凹型ロール102とは反対側から鋳片113の表面に水を吹き付けて冷却するスプレー123が配置されている。したがって、最小ギャップ部とピンチロール120との間において、鋳片113は、上面側が凹型ロール102に接触することにより冷却され、下面側がスプレー123から吹き付けられた水により冷却される。
このような冷却により、鋳片113の中心部分に残っていた溶鋼106の冷却が確実に進行していく。
このような冷却により、鋳片113の中心部分に残っていた溶鋼106の冷却が確実に進行していく。
スプレー123は、ピンチロール120とサポートローラ123との間の隙間、または、サポートローラ123相互間の隙間、または、サポートローラ123と鋳片支持治具122との間の隙間を介して、水を鋳片113に吹き付けている。
つまり、最小ギャップ部(ロールニップ部の上部)に向かって水を吹き付けているわけではない。このため、水がロール101,102と鋳片113との間にしみ込んで移動鋳型内に浸入する危険性(かかる状況が発生すると水蒸気爆発の危険がある)はない。
つまり、最小ギャップ部(ロールニップ部の上部)に向かって水を吹き付けているわけではない。このため、水がロール101,102と鋳片113との間にしみ込んで移動鋳型内に浸入する危険性(かかる状況が発生すると水蒸気爆発の危険がある)はない。
最小ギャップ部から出てきた鋳片113(中心部に未凝固の溶鋼106を有している)の一方の表面は、凹型ロール102に接触することにより冷却され、鋳片113の他方の表面は、鋳片支持治具122に接触することにより冷却されると共にスプレー123から吹き付けられた水により冷却される。この結果、鋳片113は、両方の表面から効果的かつ確実に冷却される。
凹型ロール102とピンチロール120の間から引き出された鋳片113は、更に搬送されてこの搬送途中でも冷却されることにより、中心部分の溶鋼106が完全に凝固する。
なお、凹型ロール102の代わりに、他のタイプの凹型ロール(図1参照)を使用することもできる。
また、図5に示すように、鋳片支持治具122を、鋳片113の幅方向(図5ではY方向)に沿う複数箇所で分割したものとしてもよい。このようにすれば、分割した隙間を通して、スプレーから噴射した水を鋳片113に吹き付けて冷却をすることができる。
このとき、吹き付けた水を吸引する吸引装置を並設するようにしてもよい。吸引装置により水を吸引するようにすれば、水噴射経路に滞留している水(噴射後の水)を効果的に除去し、これから噴射する水を確実に鋳片113の表面に向けて噴射でき、より効果的な冷却ができる。
また、スプレーから噴出した水を鋳片支持治具122にも吹き付けて、鋳片支持治具122自体を冷却することもできる。この場合には、鋳片支持治具122には必ずしも内部冷却構造を備えなくてもよい。
このとき、吹き付けた水を吸引する吸引装置を並設するようにしてもよい。吸引装置により水を吸引するようにすれば、水噴射経路に滞留している水(噴射後の水)を効果的に除去し、これから噴射する水を確実に鋳片113の表面に向けて噴射でき、より効果的な冷却ができる。
また、スプレーから噴出した水を鋳片支持治具122にも吹き付けて、鋳片支持治具122自体を冷却することもできる。この場合には、鋳片支持治具122には必ずしも内部冷却構造を備えなくてもよい。
次に本発明の実施例2に係る双ロール式連続鋳造機を、図6及び図6のD−D矢視図である図7を参照しつつ説明する。
実施例2に係る双ロール式連続鋳造機200では、一対の逆方向に回転する凹型ロール201,202を、同じ高さ位置にて平行にしつつ近接して配置しており、ロール201,202の軸方向両端は、ロール端面に密着させたサイド堰203,204により仕切っている。
凹型ロール201は、ロール両端に段部201a,201bを有しており、凹型ロール202は、ロール両端に段部202a,202bを有している。
凹型ロール201は、ロール両端に段部201a,201bを有しており、凹型ロール202は、ロール両端に段部202a,202bを有している。
高張力鋼板からなる無端のベルト207は、凹型ロール201に巻き掛けられている。このベルト207は、凹型ロール201の他に、ベルト伝達用のロール208,209にも巻き掛けられていて、巡回移動していく。
ベルト207の厚さは、凹型ロール201に巻き掛けたベルト207の周面の高さが、段部201a,201aの周面の高さに等しくなるような厚さ(厚さは例えば1.2mm)になっている。
ベルト207の厚さは、凹型ロール201に巻き掛けたベルト207の周面の高さが、段部201a,201aの周面の高さに等しくなるような厚さ(厚さは例えば1.2mm)になっている。
無端のベルト207は、本実施例では、凹型ロール201の周面のうち上側半分の面に巻き掛けられている。更に、ベルト207は、凹型ロール202の周面のうち、最小ギャップ部の位置からこのロール202の回転方向に沿い予め決めた接触弧長βの部分に対して、隙間を介して対面する状態で配置されている。
ベルト207には、テンション付与機構220により最適なテンションが付与される。このテンション付与機構220は、回転支持部221と、この回転支持部221を回転中心として回転(J方向に回転)するとともに長手方向(K方向)に伸縮する伸縮ロッド222とからなる。そして、伸縮ロッド222の先端にロール208が回転自在に支持されている。
テンション付与機構220の伸縮ロッド222の伸縮により、ベルト207に付与するテンションの調整をすることができる。
なお、鋳造準備等の場合には、伸縮ロッド222が回転支持部221を回転中心として、図6において、時計回り方向に回転して、ベルト207を凹型ロール202から離す方向に退避させることができるようになっている。
なお、鋳造準備等の場合には、伸縮ロッド222が回転支持部221を回転中心として、図6において、時計回り方向に回転して、ベルト207を凹型ロール202から離す方向に退避させることができるようになっている。
ベルト支持装置(水圧パッド)230は、ベルト207のうち凹型ロール202の接触弧長βに対面する部分で、且つ、凹型ロール202とは反対側のベルト面に接触してこのベルト207の膨らみを防止している。
ベルト支持装置230は、図8に示すように、ベルト207に滑らかに接触する湾曲面231を有している。この湾曲面には水を流す複数本の溝232が形成されている。湾曲面231がベルト207に密着することにより、溝232とベルト207とで囲んだ水通路が形成され、この水通路に圧縮した水を流通させるようにしている。
このようにベルト支持装置230は、水圧パッドとして機能するため、ベルト207を滑らかに支持することができる。また、同時にベルト207を水冷却することができる。
ロール202とベルト207とサイド堰203,204により囲ってなる移動鋳型の内部空間(湯溜まり部)には、ノズル205を介して溶鋼206が供給される。
一対のロール201,202が互いに逆方向に回転すると、溶鋼206はベルト207(並びに段部201a,201b)の表面及び凹型ロール202の表面(この表面には段部202a,202bの表面を含む)に接触することにより冷却されて、凝固シェル211,212が形成される。凝固シェル211,212はベルト移動及びロール回転に伴い成長していく。そして、ベルト207(凹型ロール201)と凹型ロール202との間の隙間が最も小さくなる最小ギャップ部において、凝固シェル211の端部と凝固シェル212の端部が圧接・一体化される。このとき、凝固シェル211と凝固シェル212の両端部が圧接・一体化され、図7に示すように、両凝固シェル211,212は中心部分に溶鋼206を残したままで袋綴じ状に接合されて鋳片213となる。
最小ギャップ部から出てきた鋳片213は、凹型ロール202とベルト207により両表面から挟まれて搬送され、凹型ロール202の周面に予め決めた接触弧長βだけ引き続き巻き付き、接触弧長βを過ぎたところで、凹型ロール202及びベルト207から離れて引き出されていく。
このように、鋳片213(中心部に未凝固の溶鋼206を有している)は、最小ギャップ部から出てきた直後から、その両表面が、凹型ロール202とベルト207により挟まれて搬送されるため、バルジングの発生が防止されると共に、接触している凹型ロール202及びベルト207により効果的かつ確実に冷却される。
このとき、ベルト207側に伝達した熱は、水圧パッドとして機能するベルト支持装置230により、確実に吸収される。
このとき、ベルト207側に伝達した熱は、水圧パッドとして機能するベルト支持装置230により、確実に吸収される。
この実施例2では、バルジングによる湯面変動がなく、また移動鋳型となっているため、製造した鋳片213の表面品質が向上する。
また、鋳片213に水を直接に掛けることはないため、水分の染み込みによるブレークアウトの危険性はない。
また、鋳片213に水を直接に掛けることはないため、水分の染み込みによるブレークアウトの危険性はない。
なお、凹型ロール201,202の代わりに、他のタイプの凹型ロール(図1参照)を使用することもできる。
100,200 双ロール式連続鋳造機
101 平ロール
102,201,202 凹型ロール
102a,102b,201a,201b,202a,202b 段部
103,104,203,204 サイド堰
105,205 ノズル
106,206 溶鋼
111,112,211,212 凝固シェル
113,213 鋳片
120 ピンチロール
121 サポートロール
122 鋳片支持治具
123 スプレー
207 ベルト
208,209 ロール
220 テンション付与装置
230 ベルト支持装置
101 平ロール
102,201,202 凹型ロール
102a,102b,201a,201b,202a,202b 段部
103,104,203,204 サイド堰
105,205 ノズル
106,206 溶鋼
111,112,211,212 凝固シェル
113,213 鋳片
120 ピンチロール
121 サポートロール
122 鋳片支持治具
123 スプレー
207 ベルト
208,209 ロール
220 テンション付与装置
230 ベルト支持装置
Claims (20)
- 互いに逆方向に回転すると共に少なくとも一つのロールはロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一対のロールの間に溶鋼を供給し、各ロールの周面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片をロール間の隙間から引き出す双ロール式連続鋳造機において、
前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、このロールから離して引き出すことを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項1において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片を、前記一方のロールとの間で挟み込むピンチロールを設けたことを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項1または請求項2において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面を、前記一方のロールとは反対側から接触して支持する鋳片支持装置を設置したことを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項3において、
前記鋳片支持装置は、サポートロールであることを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項3において、
前記鋳片支持装置は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面に滑らかに接触する湾曲面を有する鋳片支持治具であることを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項5において、
前記鋳片支持治具は、内部水冷構造により冷却されていることを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項3において、
前記鋳片支持治具は、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面に滑らかに接触する湾曲面を有する鋳片支持治具と、
サポートロールとを組み合わせたものであることを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項1乃至請求項7の何れか一項において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片に対して、前記一方のロールとは反対側から冷媒を吹き付けて冷却する冷却装置を備えていることを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - ロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一方のロールとこの一方のロールとは逆方向に回転する他方のロールに巻き掛けられた無端のベルトとの間に溶鋼を供給し、前記一方のロールの周面と前記無端のベルトの表面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片を形成し、
前記無端のベルトが、他方のロールの周面のうち、少なくとも上面及び一方のロールに対面する面に巻き掛けられると共に、一方のロールの周面のうち、最小ギャップ部からこの一方のロールの回転方向に沿い予め決めた接触弧長に亘る範囲に対して隙間を介して対面した状態で配置されることにより、前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記無端のベルトと一方のロールの周面とで挟みつつ、一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、この一方のロールから離して引き出すことを特徴とする双ロール式連続鋳造機。 - 請求項9において、前記無端のベルトのうち前記一方のロールの周面に隙間を介して対面して配置された部分に、前記一方のロールとは反対側から接触して支持するベルト支持装置を備えたことを特徴とする双ロール式連続鋳造機。
- 互いに逆方向に回転すると共に少なくとも一つのロールはロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一対のロールの間に溶鋼を供給し、各ロールの周面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片をロール間の隙間から引き出す双ロール式連続鋳造方法において、
前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、このロールから離して引き出すことを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項11において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片を、ピンチロールにより前記一方のロールとの間で挟み込むことを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項11または請求項12において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面を、鋳片支持装置により前記一方のロールとは反対側から接触して支持することを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項13において、
前記鋳片支持装置は、サポートロールであることを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項13において、
前記鋳片支持装置は、前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面に滑らかに接触する湾曲面を有する鋳片支持治具であることを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項15において、
前記鋳片支持治具は、内部水冷構造により冷却されていることを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 前記鋳片支持治具は、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片の表面に滑らかに接触する湾曲面を有する鋳片支持治具と、
サポートロールとを組み合わせたものであることを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項11乃至請求項17の何れか一項において、
前記最小ギャップ部から出てきて前記ロールのうちいずれか一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付いている前記鋳片に対して、前記一方のロールとは反対側から冷却装置により冷媒を吹き付けて冷却することを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - ロール軸方向に沿う両端の径がロール中央部分の径よりも大きくなっている一方のロールとこの一方のロールとは逆方向に回転する他方のロールに巻き掛けられた無端のベルトとの間に溶鋼を供給し、前記一方のロールの周面と前記無端のベルトの表面で凝固した凝固シェルを、両ロール間の隙間が最小となっている最小ギャップ部にて圧接することにより、表面は凝固しているが中心部に未凝固の溶鋼が残っている鋳片を形成し、
前記無端のベルトが、他方のロールの周面のうち、少なくとも上面及び一方のロールに対面する面に巻き掛けられると共に、一方のロールの周面のうち、最小ギャップ部からこの一方のロールの回転方向に沿い予め決めた接触弧長に亘る範囲に対して隙間を介して対面した状態で配置されることにより、前記最小ギャップ部から出てくる鋳片を、前記無端のベルトと一方のロールの周面とで挟みつつ、一方のロールの周面に予め決めた接触弧長だけ巻き付けてから、この一方のロールから離して引き出すことを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。 - 請求項19において、前記無端のベルトのうち前記一方のロールの周面に隙間を介して対面して配置された部分では、ベルト支持装置により前記一方のロールとは反対側から接触して支持することを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。
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-
2004
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