JP2006173246A - 塗布装置及び塗布方法及び塗布処理プログラム - Google Patents

塗布装置及び塗布方法及び塗布処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 塗布処理時に発生する被処理基板上の静電気を適切かつ効率的に除去すること。
【解決手段】 このレジスト塗布ユニット(CT)82は、塗布処理時に基板Gの被処理面上に発生する静電気を除去するために接地式の除電部160を備えている。この除電部160は、片側のスライダ132の上に搭載または取付されており、保持部136に保持されている基板Gの一側縁部の非塗布領域NEにて金属膜GMに接触可能な可動の接触子162と、この接触子162を復動位置と往動位置との間で移動操作するためのアクチエータ164と、接触子162を電気的にグランド電位に接続するためのアース線166とを有する。

【選択図】 図12

Description

本発明は、被処理基板上にスピンレス方式で処理液を塗布する技術に係わり、特に静電対策をとる塗布装置、塗布方法および塗布処理プログラムに関する。
従来より、LCD等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程には、スリット状の吐出口を有する長尺型のレジストノズルを用いて被処理基板(ガラス基板等)上にレジスト液をスピンレス法で塗布する塗布装置がよく用いられている。
このようなスピンレス方式の塗布装置は、たとえば特許文献1に開示されるように、載置台またはステージ上に基板を水平に載置して、このステージ上の基板と長尺型レジストノズルの吐出口との間に100μm程度の微小なギャップを設定し、基板上方でレジストノズルを走査方向(一般にノズル長手方向と直交する水平方向)に移動させながら基板上にレジスト液を帯状に吐出させて塗布する。長尺型レジストノズルを基板の一端から他端まで1回移動させるだけで、レジスト液を基板の外に落とさずに所望の膜厚でレジスト塗布膜を形成することができる。
特開平10−156255
上記のようなスピンレス法のレジスト塗布処理においては、レジストノズルより基板上に滴下されたレジスト液と基板上面(被処理面)との摩擦により静電気が発生し、塗布走査の進行につれて、つまり基板上でレジスト塗布膜が拡がるにつれて基板の被処理面に蓄積する静電気の量も増大する。この基板被処理面に蓄積した静電気が付近の外部導体たとえば搬送アーム等との間で放電すると、基板上の回路パターンや素子を破壊するおそれがある。
従来より、様々なFPD用処理装置において、ガラス基板等の絶縁性の被処理基板の表面に発生する静電気を除去するために、基板全体をカバーするサイズを有するバー(横棒)タイプのイオナイザ(除電バー)や平板タイプの軟X線照射除電装置等が用いられている。しかしながら、スピンレス方式の塗布装置は、レジストノズルをステージに対して相対的に移動させる走査機構との兼ね合いで除電バーや軟X線照射除電装置を設置するのはスペース的に難しい面がある。また、除電バーや軟X線照射除電装置は、基板全面を覆う範囲で電荷中和用イオンの雰囲気を形成する方式であるため、除電処理に時間がかかり、スループットの低下を来たすという不利点もある。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、塗布処理時に発生する被処理基板上の静電気を適切かつ効率的に除去するようにした塗布装置、塗布方法および塗布処理プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の塗布装置は、被処理面のほぼ全面に導電膜が形成され、前記被処理面の少なくとも周縁部に非塗布領域が設定されるとともに前記非塗布領域の内側に塗布領域が設定されている被処理基板に対して前記塗布領域に処理液を塗布する塗布部と、電気的にグランド電位に接続される接触子を有し、前記導電膜から静電気を除去するために前記基板の非塗布領域にて前記導電膜に前記接触子を着脱可能に接触させる除電部とを有する。
また、本発明の塗布方法は、被処理面のほぼ全面に導電膜が形成され、前記被処理面の少なくとも周縁部に非塗布領域が設定されるとともに前記非塗布領域の内側に塗布領域が設定されている被処理基板に対して、電気的にグランド電位に接続されている導体を前記非塗布領域にて前記導電膜に接触させ、前記導電膜に前記導体を接触させた状態で前記基板の塗布領域に処理液を塗布し、塗布終了後に前記導体を前記基板から離して前記導電膜の接地を解除する。
上記第1の塗布装置および塗布方法は、被処理面のほぼ全面に導電膜が形成され、被処理面の少なくとも周縁部に非塗布領域が設定されるとともに非塗布領域の内側に塗布領域が設定されている被処理基板を処理対象とする。塗布処理中に基板の非塗布領域の導電膜に導体または接触子を接触させて接地するので、被処理面上に静電気が発生ないし蓄積するのを確実かつ効果的に防止ないし抑制することができる。
本発明の好適な一態様によれば、塗布部が、基板の塗布領域に処理液を供給するためのノズルと、このノズルを基板に対して相対的に移動させる塗布走査部とを有し、スピンレス法の塗布処理を行う。
特に好ましい一態様によれば、塗布部が、ステージ上面に多数の噴出口を有し、それらの噴出口より噴出する気体の圧力で基板を所望の高さに浮かせるステージと、このステージ上で浮いた状態の基板を所定の方向に移動させる基板搬送部と、ステージの上方で基板の塗布領域に処理液を供給する処理液供給部とを有し、浮上搬送でスピンレス法の塗布処理を行う。この場合、好ましい一形態として、基板搬送部は、基板の移動する方向と平行に延びるようにステージの両側に配置されるガイドレールと、このガイドレールに沿って移動可能なスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動するように駆動する搬送駆動部と、スライダからステージの中心部に向かって延在し、基板の両側縁部を着脱可能に保持する保持部とを有する。また、保持部が、基板の縁部に着脱可能に結合可能なパッドと、基端部がスライダに固定されるとともに、先端部がパッドに結合され、基板の高さ位置に応じて先端部の高さ位置が鉛直方向で変位するパッド支持部とを有する。また、処理液供給部は、ステージの上方から基板の塗布領域に向けて処理液を吐出または滴下するノズルを有してよい。このノズルは、基板の移動する方向と直交して水平方向に延びる吐出口を有するのが好ましい。また、基板の移動する方向において処理液供給部よりも下流側の所定位置で基板を搬出時に上方へ持ち上げるために、ステージの貫通孔を貫通して昇降移動可能な複数のリフトピンが設けられてよい。
さらに、好適な一態様として、上記のような浮上搬送式において、除電部が、スライダに取り付けられ、接触子を基板の非塗布領域で導電膜と接触する第1の位置と基板の一側面よりも外側の第2の位置との間で双方向に移動させるアクチエータを有する。
本発明の第2の塗布装置は、被処理面に導電膜が形成されている被処理基板上に処理液を塗布する塗布部と、塗布中または塗布終了後に前記基板の被処理面上で露出する前記導電膜に除電用のイオンを供給する除電部とを有する。
上記第2の塗布装置においては、被処理面に導電膜が形成されている被処理基板を処理対象とし、除電部が塗布中または塗布終了後に基板の被処理面上で露出する導電膜に除電用のイオンを供給して除電するので、被処理面上に静電気が発生ないし蓄積するのを確実かつ効果的に防止ないし抑制することができる。また、上記第1の塗布装置と同様に、スピンレス法、特に浮上搬送式の塗布処理で除電をより効果的に行うことができる。
本発明の好適な一態様によれば、徐電部が、基板の移動する方向において処理液供給部の上流側近傍で基板の導電膜に局所的に帯電中和用のイオンを供給する第1のイオナイザを含み、あるいは処理液供給部よりも下流側で基板の導電膜に局所的に帯電中和用のイオンを供給する第2のイオナイザを含む。これらのイオナイザはスポット式であるため、機構やスペースが小さくて済み、処理時間も短く済む。
また、本発明の塗布処理プログラムは、被処理面に導電膜が形成されている被処理基板を気体の圧力を用いてステージ上でほぼ水平に浮かせ、かつ所定の方向に搬送するステップと、前記浮上搬送の途中で前記ステージの上方から前記基板の被処理面に処理液を供給するステップと、前記基板の被処理面に処理液を供給している最中に前記基板の被処理面の塗布前の部位にて前記導電膜に除電用のイオンを供給するステップとを実行する。
本発明の塗布装置、塗布方法または塗布処理プログラムによれば、上記のような構成と作用により、塗布処理時に発生する被処理基板上の静電気を適切かつ効率的に除去することができる。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1に、本発明の塗布装置、塗布方法および塗布処理プログラムを適用できる一構成例としてのFPD用塗布現像処理システムを示す。この塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、おもて面または被処理面の全面に金属膜が形成されているFPD用パネル基板たとえばガラス基板を被処理基板とし、該金属膜をパターニングするフォトリソグラフィー加工においてレジストパターンを形成するために洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の一連の処理を行うものである。露光処理は、この処理システムに隣接して設置される外部の露光装置12で行われる。
この塗布現像処理システム10は、中心部に横長のプロセスステーション(P/S)16を配置し、その長手方向(X方向)両端部にカセットステーション(C/S)14とインタフェースステーション(I/F)18とを配置している。
カセットステーション(C/S)14は、システム10のカセット搬入出ポートであり、角型のガラス基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容可能なカセットCを水平方向たとえばY方向に4個まで並べて載置可能なカセットステージ20と、このステージ20上のカセットCに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構22とを備えている。搬送機構22は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム22aを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するプロセスステーション(P/S)16側と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
プロセスステーション(P/S)16は、システム長手方向(X方向)に延在する平行かつ逆向きの一対のラインA,Bに各処理部をプロセスフローまたは工程の順に配置している。より詳細には、カセットステーション(C/S)14側からインタフェースステーション(I/F)18側へ向う上流部のプロセスラインAには、洗浄プロセス部24と、第1の熱的処理部26と、塗布プロセス部28と、第2の熱的処理部30とを横一列に配置している。一方、インタフェースステーション(I/F)18側からカセットステーション(C/S)14側へ向う下流部のプロセスラインBには、第2の熱的処理部30と、現像プロセス部32と、脱色プロセス部34と、第3の熱的処理部36とを横一列に配置している。このライン形態では、第2の熱的処理部30が、上流側のプロセスラインAの最後尾に位置するとともに下流側のプロセスラインBの先頭に位置しており、両ラインA,B間に跨っている。
両プロセスラインA,Bの間には補助搬送空間38が設けられており、基板Gを1枚単位で水平に載置可能なシャトル40が図示しない駆動機構によってライン方向(X方向)で双方向に移動できるようになっている。
上流部のプロセスラインAにおいて、洗浄プロセス部24は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42を含んでおり、このスクラバ洗浄ユニット(SCR)42内のカセットステーション(C/S)10と隣接する場所にエキシマUV照射ユニット(e−UV)41を配置している。スクラバ洗浄ユニット(SCR)42内の洗浄部は、基板Gをコロ搬送またはベルト搬送により水平姿勢でラインA方向に搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すようになっている。
洗浄プロセス部24の下流側に隣接する第1の熱的処理部26は、プロセスラインAに沿って中心部に縦型の搬送機構46を設け、その前後両側に複数の枚葉式オーブンユニットを基板受け渡し用のパスユニットと一緒に多段に積層配置してなる多段ユニット部またはオーブンタワー(TB)44,48を設けている。
たとえば、図2に示すように、上流側のオーブンタワー(TB)44には、基板搬入用のパスユニット(PASSL)50、脱水ベーク用の加熱ユニット(DHP)52,54およびアドヒージョンユニット(AD)56が下から順に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSL)50は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42からの洗浄処理の済んだ基板Gを第1の熱的処理部26内に搬入するためのスペースを提供する。下流側のオーブンタワー(TB)48には、基板搬出用のパスユニット(PASSR)60、基板温度調整用の冷却ユニット(CL)62,64およびアドヒージョンユニット(AD)66が下から順に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSR)60は、第1の熱的処理部26で所要の熱処理の済んだ基板Gを下流側の塗布プロセス部28へ搬出するためのスペースを提供する。
図2において、搬送機構46は、鉛直方向に延在するガイドレール68に沿って昇降移動可能な昇降搬送体70と、この昇降搬送体70上でθ方向に回転または旋回可能な旋回搬送体72と、この旋回搬送体72上で基板Gを支持しながら前後方向に進退または伸縮可能な搬送アームまたはピンセット74とを有している。昇降搬送体70を昇降駆動するための駆動部76が垂直ガイドレール68の基端側に設けられ、旋回搬送体72を旋回駆動するための駆動部78が昇降搬送体70に取り付けられ、搬送アーム74を進退駆動するための駆動部80が回転搬送体72に取り付けられている。各駆動部76,78,80はたとえば電気モータ等で構成されてよい。
上記のように構成された搬送機構46は、高速に昇降ないし旋回運動して両隣のオーブンタワー(TB)44,48の中の任意のユニットにアクセス可能であり、補助搬送空間38側のシャトル40とも基板Gを受け渡しできるようになっている。
第1の熱的処理部26の下流側に隣接する塗布プロセス部28は、図1に示すように、レジスト塗布ユニット(CT)82と減圧乾燥ユニット(VD)84とをプロセスラインAに沿って一列に配置している。塗布プロセス部28内の構成は後に詳細に説明する。
塗布プロセス部28の下流側に隣接する第2の熱的処理部30は、上記第1の熱的処理部26と同様の構成を有しており、両プロセスラインA,Bの間に縦型の搬送機構90を設け、プロセスラインA側(最後尾)に一方のオーブンタワー(TB)88を設け、プロセスラインB側(先頭)に他方のオーブンタワー(TB)92を設けている。
図示省略するが、たとえば、プロセスラインA側のオーブンタワー(TB)88には、最下段に基板搬入用のパスユニット(PASSL)が配置され、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば3段積みに重ねられてよい。また、プロセスラインB側のオーブンタワー(TB)92には、最下段に基板搬出用のパスユニット(PASSR)が配置され、その上に基板温度調整用の冷却ユニット(COL)がたとえば1段重ねられ、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば2段積みに重ねられてよい。
第2の熱的処理部30における搬送機構90は、両オーブンタワー(TB)88,92のそれぞれのパスユニット(PASSL),(PASSR)を介して塗布プロセス部28および現像プロセス部32と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40や後述するインタフェースステーション(I/F)18とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
下流部のプロセスラインBにおいて、現像プロセス部32は、基板Gを水平姿勢で搬送しながら一連の現像処理工程を行う、いわゆる平流し方式の現像ユニット(DEV)94を含んでいる。
現像プロセス部32の下流側には脱色プロセス部34を挟んで第3の熱的処理部36が配置される。脱色プロセス部34は、基板Gの被処理面にi線(波長365nm)を照射して脱色処理を行うためのi線UV照射ユニット(i−UV)96を備えている。
第3の熱的処理部36は、上記第1の熱的処理部26や第2の熱的処理部30と同様の構成を有しており、プロセスラインBに沿って縦型の搬送機構100とその前後両側に一対のオーブンタワー(TB)98,102を設けている。
図示省略するが、たとえば、上流側のオーブンタワー(TB)98には、最下段に基板搬入用のパスユニット(PASSL)が置かれ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)がたとえば3段積みに重ねられてよい。また、下流側のオーブンタワー(TB)102には、最下段にポストベーキング・ユニット(POBAKE)が置かれ、その上に基板搬出および冷却用のパス・クーリングユニット(PASSR・COL)が1段重ねられ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)が2段積みに重ねられてよい。
第3の熱的処理部36における搬送機構100は、両多段ユニット部(TB)98,102のパスユニット(PASSL)およびパス・クーリングユニット(PASSR・COL)を介してそれぞれi線UV照射ユニット(i−UV)96およびカセットステーション(C/S)14と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
インタフェースステーション(I/F)18は、隣接する露光装置12と基板Gのやりとりを行うための搬送装置104を有し、その周囲にバッファ・ステージ(BUF)106、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108および周辺装置110を配置している。バッファ・ステージ(BUF)106には定置型のバッファカセット(図示せず)が置かれる。エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108は、冷却機能を備えた基板受け渡し用のステージであり、プロセスステーション(P/S)16側と基板Gをやりとりする際に用いられる。周辺装置110は、たとえばタイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とを上下に積み重ねた構成であってよい。搬送装置104は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム104aを有し、隣接する露光装置12や各ユニット(BUF)106、(EXT・COL)108、(TITLER/EE)110と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
図3に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上のいずれかのカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)16の洗浄プロセス部24のエキシマUV照射ユニット(e−UV)41に搬入する(ステップS1)。
エキシマUV照射ユニット(e−UV)41内で基板Gは紫外線照射による乾式洗浄を施される(ステップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有機物が除去される。紫外線洗浄の終了後に、基板Gは、カセットステーション(C/S)14の搬送機構22によって洗浄プロセス部24のスクラバ洗浄ユニット(SCR)42へ移される。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42では、上記したように基板Gをコロ搬送またはベルト搬送により水平姿勢でプロセスラインA方向に平流しで搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより、基板表面から粒子状の汚れを除去する(ステップS3)。そして、洗浄後も基板Gを平流しで搬送しながらリンス処理を施し、最後にエアーナイフ等を用いて基板Gを乾燥させる。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42内で洗浄処理の済んだ基板Gは、第1の熱的処理部26の上流側オーブンタワー(TB)44内のパスユニット(PASSL)50に平流しで搬入される。
第1の熱的処理部26において、基板Gは搬送機構46により所定のシーケンスで所定のオーブンユニットに順次移送される。たとえば、基板Gは、最初にパスユニット(PASSL)50から加熱ユニット(DHP)52,54の1つに移され、そこで脱水処理を受ける(ステップS4)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)62,64の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。しかる後、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)56に移され、そこで疎水化処理を受ける(ステップS6)。この疎水化処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)62,64の1つで一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。最後に、基板Gは下流側オーブンタワー(TB)48内のパスユニット(PASSR)60に移される。
このように、第1の熱的処理部26内では、基板Gが、搬送機構46を介して上流側の多段オーブンタワー(TB)44と下流側のオーブンタワー(TB)48との間で任意に行き来できるようになっている。なお、第2および第3の熱的処理部30,36でも同様の基板搬送動作が行なわれる。
第1の熱的処理部26で上記のような一連の熱的または熱系の処理を受けた基板Gは、下流側オーブンタワー(TB)48内のパスユニット(PASSR)60から塗布プロセス部28のレジスト塗布ユニット(CT)82へ移される。
レジスト塗布ユニット(CT)82において、基板Gは、後述するように長尺型のレジストノズルを用いるスピンレス法により基板上面(被処理面)にレジスト液を塗布される。次いで、基板Gは、下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)84で減圧による乾燥処理を受ける(ステップS8)。
上記のようなレジスト塗布処理を受けた基板Gは、減圧乾燥ユニット(VD)84から隣の第2の熱的処理部30の上流側オーブンタワー(TB)88内のパスユニット(PASSL)に搬入される。
第2の熱的処理部30内で、基板Gは、搬送機構90により所定のシーケンスで所定のユニットに順次移送される。たとえば、基板Gは、最初にパスユニット(PASSL)から加熱ユニット(PREBAKE)の1つに移され、そこでプリベーキングの加熱処理を受ける(ステップS9)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。しかる後、基板Gは下流側オーブンタワー(TB)92側のパスユニット(PASSR)を経由して、あるいは経由せずにインタフェースステーション(I/F)18側のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108へ受け渡される。
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108から周辺装置110の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS11)。
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると(ステップS11)、先ず周辺装置110のタイトラー(TITLER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS12)。しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置104によって行われる。
プロセスステーション(P/S)16では、第2の熱的処理部30において搬送機構90がエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108より露光済の基板Gを受け取り、プロセスラインB側のオーブンタワー(TB)92内のパスユニット(PASSR)を介して現像プロセス部32へ受け渡す。
現像プロセス部32では、該オーブンタワー(TB)92内のパスユニット(PASSR)から受け取った基板Gを現像ユニット(DEV)94に搬入する。現像ユニット(DEV)94において基板GはプロセスラインBの下流に向って平流し方式で搬送され、その搬送中に現像、リンス、乾燥の一連の現像処理工程が行われる(ステップS13)。
現像プロセス部32で現像処理を受けた基板Gは下流側隣の脱色プロセス部34へ平流しで搬入され、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS14)。脱色処理の済んだ基板Gは、第3の熱的処理部36の上流側オーブンタワー(TB)98内のパスユニット(PASSL)に搬入される。
第3の熱的処理部36において、基板Gは、最初に該パスユニット(PASSL)から加熱ユニット(POBAKE)の1つに移され、そこでポストベーキングの加熱処理を受ける(ステップS15)。次に、基板Gは、下流側オーブンタワー(TB)102内のパスクーリング・ユニット(PASSR・COL)に移され、そこで所定の基板温度に冷却される(ステップS16)。第3の熱的処理部36における基板Gの搬送は搬送機構100によって行われる。
カセットステーション(C/S)14側では、搬送機構22が、第3の熱的処理部36のパスクーリング・ユニット(PASSR・COL)から塗布現像処理の全工程を終えた基板Gを受け取り、受け取った基板Gをステージ20上のいずれかのカセットCに収容する(ステップS1)。
この塗布現像処理システム10においては、塗布プロセス部28のレジスト塗布ユニット(CT)82に本発明を適用することができる。以下、図4〜図20を参照して本発明をレジスト塗布ユニット(CT)82に適用した実施形態を説明する。
[実施形態1]
図4および図5に示すように、本発明の第1の実施形態におけるレジスト塗布ユニット(CT)82は、プロセスラインAの方向(X方向)に長く延びるステージ112を有し、このステージ112の上で基板Gを同方向(X方向)に平流しで搬送しながら、ステージ112の上方に配置されたレジストノズル114より基板G上にレジスト液を供給して、基板上面(被処理面)の金属膜(たとえばCr膜、Al膜等)GMの上に一定の膜厚でレジスト塗布膜を形成するように構成されている。ここで、ステージ112は、基板Gを載置して保持する載置台として機能するのではなく、基板Gを空気圧の力で空中に浮かせるための基板浮上台として機能する。そして、ステージ112の両側に配置されている直進運動型の基板搬送部116が、ステージ112上で浮いている基板Gの両側縁部を着脱可能に保持してプロセスラインAの方向またはステージ長手方向(X方向)に基板Gを搬送するようになっている。レジストノズル114は、移動型または走査型ではなく定置型であり、搬送方向(X方向)においてステージ112の中心部の上方に固定設置されている。
より詳細には、ステージ112は、その長手方向(X方向)において5つの領域M1,M2,M3,M4,M5に分割されている(図5)。左端の領域M1は搬入領域であり、上流側隣のユニットつまりオーブンタワー(TB)48のパスユニット(PASSR)60(図2)から移送されてきた基板Gは、この領域M1に搬入される。この搬入領域M1には、図示しない搬送アームから基板Gを受け取るための昇降可能な搬入用のリフトピン118が所定の間隔を置いて複数本(たとえば4本)設けられている。これらの搬入用リフトピン118は、たとえばエアシリンダ等の駆動源を有するリフトピン昇降部174(図13)によって昇降駆動される。また、この搬入領域M1は浮上式の基板搬送が開始される領域でもあり、この領域内のステージ上面には基板Gを所望の高さ位置Haで浮かせるために高圧または正圧の圧縮空気を噴き出す噴出口120が一定の密度で多数設けられている。ここで、搬入領域M1においてステージ112の上面からみた基板Gの高さ位置または浮上位置Haは、特に高い精度を必要とせず、たとえば100〜200μmの範囲内に保たれればよい。また、搬送方向(X方向)において、搬入領域M1のサイズは基板Gのサイズを上回っているのが好ましい。
ステージ112の中心部に設定された領域M3はレジスト液供給領域または塗布領域であり、基板Gはこの領域M3を通過する際に上方のレジストノズル114からレジスト液の供給を受ける。この塗布領域M3のステージ上面には、基板Gを所望の浮上位置Hbで浮かせるために高圧または正圧の圧縮空気を噴き出す噴出口120と負圧で空気を吸い込む吸引口122とが一定の密度で混在して多数設けられている。
ここで、正圧の噴出口120と負圧の吸引口122とを混在させているのは、浮上位置Hbを高い精度で設定値(たとえば50μm)に保持するためである。つまり、塗布領域M3における浮上位置Hbは、ノズル下端(吐出口)と基板上面(被処理面)との間のギャップS(たとえば100μm)を規定する。このギャップSはレジスト塗布膜やレジスト消費量を左右する重要なパラメータであり、高い精度で一定に維持される必要がある。この実施形態では、基板Gの塗布領域M3を通過している部分に対しては、噴出口120から圧縮空気による垂直上向きの力を加えると同時に、吸引口122より負圧吸引力による垂直下向きの力を加えて、双方向の合成された圧力のバランスを制御することで、浮上位置Hbを設定値(50μm)に維持するようにしている。この浮上位置制御のために、基板Gの高さ位置を検出する高さ検出センサ(図示せず)等を含むフィードバック制御機構が設けられてよい。なお、搬送方向(X方向)における塗布領域M3のサイズは、レジストノズル114の直下に上記のような狭いギャップSを安定に形成できるほどの余裕があればよく、通常は基板Gのサイズよりも小さくてよい。
搬入領域M1と塗布領域M3との間に設定された中間の領域M2は、搬送中に基板Gの高さ位置を搬入領域M1における浮上位置Ha(100〜200μm)から塗布領域M3における浮上位置Hb(50μm)へ変化または遷移させるための遷移領域である。この遷移領域M2内でもステージ112の上面には噴出口120と吸引口122とを混在させて配置している。ただし、吸引口122の密度を搬送方向に沿って次第に大きくしており、これによって搬送中に基板Gの浮上位置が漸次的にHaからHbに移るようになっている。
塗布領域M3の下流側隣の領域M4は、搬送中に基板Gの高さ位置を塗布用の浮上位置Hb(50μm)から搬出用の浮上位置Hc(たとえば100〜200μm)に変えるための遷移領域である。この遷移領域M4のステージ上面には、搬送方向において上記した上流側の遷移領域M2と対照的な配置パターンで噴出口120と吸引口122とが混在して配置されている。
ステージ112の下流端(右端)の領域M5は搬出領域である。このレジスト塗布ユニット(CT)82でレジスト塗布処理を受けた基板Gは、この搬出領域M5から図示しない搬送アームによって下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)84へ搬出される。この搬出領域M5は上記した搬入領域M1と空間的に対照的な構成になっており、基板Gの受け渡しのための昇降可能な搬出用のリフトピン124が所定の間隔を置いて複数本(たとえば4本)設けられるとともに、基板Gを上記浮上位置Hcに浮かせるための噴出口120がステージ上面に一定の密度で多数設けられている。これらの搬出用リフトピン124も、たとえばエアシリンダを有するリフトピン昇降部174(図13)により昇降駆動される。
レジストノズル114は、ステージ112上の基板Gを一端から他端までカバーできる長さでY方向に延びる長尺状のノズル本体126を有し、レジスト液供給源に通じるレジスト液供給管128に接続されている。ノズル本体126は門形または逆さコ字状のノズル支持体(図示せず)に支持されており、その下端にはノズル長手方向(Y方向)に延びるスリット状または多孔型の微細径吐出口(図示せず)が形成されている。このレジストノズル114は定置型であるが、直下を通過する基板GとのギャップSを調整するために上下方向で移動可能(高さ調整可能)とするのが好ましい。上記レジスト液供給源、レジスト液供給管128およびレジストノズル114等によりレジスト液供給部172(図13)が構成されている。
図4、図6および図7に示すように、基板搬送部116は、ステージ112の両側に平行に配置された左右一対のガイドレール130と、両ガイドレール130上で軸方向(X方向)に移動可能に取り付けられた左右一対のスライダ132と、両ガイドレール130上で両スライダ132を同時に直進移動させる搬送駆動部134と、両スライダ132からステージ112の中心部に向かって延びて基板Gの両縁部を着脱可能に保持する左右一対の保持部136とを有している。
ここで、搬送駆動部134は直進型の駆動機構たとえばリニアモータによって構成されてよい。また、保持部136は、基板Gの下面側縁部に真空吸着力で吸着する真空吸着パッド138と、先端部で真空吸着パッド138を支持し、スライダ132に固定された基端部を支点として先端部の高さ位置を変えられるように弾性変形可能な板バネ型のパッド支持部140とを有している。真空吸着パッド138は一定のピッチで一列に配置され、パッド支持部140は真空吸着パッド138を各々独立に支持している。この構成により、個々の真空吸着パッド138およびパッド支持部140が独立した高さ位置で(異なる高さ位置でも)基板Gを安定に保持できるようになっている。
図8に示すように、真空吸着パッド138は、たとえば合成ゴム製で直方体形状のパッド本体138aの上面に複数個の吸引口138bを設けている。図示の吸引口138bはスリット状の長穴であるが、丸や矩形の小孔でもよい。真空吸着パッド138には、たとえば合成ゴムからなる帯状のバキューム管142が接続されている。このバキューム管142の管路142aはたとえば真空ポンプ等の真空源(図示せず)に通じている。また、図6および図7に示すように、このバキューム管142は、スライダ130の上面に取り付けられたヒンジ143に支持されており、真空吸着パッド138に追随するように弾性変形して先端部の高さ位置を変えられるようになっている。
保持部136においては、図4に示すように、片側一列の真空吸着パッド138およびパッド支持部140が1組毎に分離している分離型または完全独立型の構成が好ましい。しかし、図9に示すように、切欠き部141を設けた一枚の板バネで片側一列分のパッド支持部140を形成してその上に片側一列の真空吸着パッド138を配置する一体型の構成も可能である。
上記のように、ステージ112の上面には多数の噴出口120が設けられている。この実施形態では、ステージ112の搬入領域M1および搬出領域M5に属する各噴出口120について、空気の噴出流量を基板Gとの相対的な位置関係で個別的かつ自動的に切り換える噴出制御部144を流量切換弁の形態でステージ112の内部に設けている。
図10に、噴出制御部144の一構成例を示す。この噴出制御部144は、ステージ112の内部に形成された球面体形状の壁面を有する弁室146と、この弁室146の中で移動可能に設けられた球状の弁体148とを有している。弁室146の頂部および底部には、鉛直方向で互いに対向する出口146aおよび入口146bがそれぞれ形成されている。出口146aは、当該噴出制御部144と対応する噴出口120に連通している。入口146bはステージ112の下部を走っている圧縮空気供給路150に連通している。
図11に、ステージ112内における圧縮空気供給路150の配管パターンの一例を示す。たとえばコンプレッサ等の圧縮空気源(図示せず)からの圧縮空気は、外部配管152の中を流れてきてステージ112内の圧縮空気導入部154に導入される。圧縮空気導入部154に導入された圧縮空気は、そこからステージ112内に張り巡らされている多数の圧縮空気供給路150に分配される。
図10において、弁室146の出口146aの周りは弁座を構成する。この弁座には、出口146aから放射状に延びる溝部146cが周回方向に所定の間隔(たとえば90°間隔)を置いて複数個(4個)形成されている。これにより、弁体148が弁座に密着または着座して出口146aを塞いでも弁室146から圧縮空気が溝部146cを通って噴出口120側に漏出するようになっている。弁体148は、弁室146の内径よりも一回りないし二回り小さな直径を有するたとえば樹脂製の球体であり、球面の下半部に入口146b側の空気圧に応じた垂直上向きの力PUを受けるとともに、球面の上半部に出口146a側の空気圧に応じた垂直下向きの力(反作用)PDを受ける。また、弁体148にはその質量に応じた重力PG(一定値)が常時垂直下向きに作用する。弁体148は、上記のような垂直上向きの力PUと垂直下向きの力(PD+PG)との差に応じて弁室146内で鉛直方向の位置(高さ位置)を変える。
図10に示すように、各噴出口120の上方に基板Gが在るか否かに応じて、当該噴出口120直下の噴出制御部144では、弁室146内の弁体148の高さ位置が出口146a側の弁座に密着する第1の位置か、該弁座から離間して弁室146内で浮いた状態になる第2の位置かのいずれかに切り換わるようになっている。
すなわち、各噴出口120の上方に(厳密には設定浮上位置Ha以下の接近距離で)基板Gが在るときは、基板Gからの反作用で当該噴出口120付近やその直下の弁室146の出口146a付近の空気圧が高くなって、弁体148に作用する垂直下向きの力(特にPD)が垂直上向きの力PUと互角かそれを少し上回る程に増大し、弁体148が出口146a側の弁座から離間する。これにより、出口146aが開状態となり、入口146bより弁室146に導入された圧縮空気は大きな流量で出口146aを通り抜けて噴出口120より噴き出る。
しかし、各噴出口120の上方に(厳密には設定浮上位置Ha以下の接近距離で)基板Gが無いときは、当該噴出口120ないしその直下の弁室146の出口146a付近の空気圧は低いため、弁体148に作用する垂直下向きの力(PD+PG)よりも垂直上向きの力PUの方が大きく勝り、弁体148は出口146a付近の弁座に下から押し付けられるようにして密着する。これにより、出口146aが実質的に閉状態となるが、弁室146内の圧縮空気は溝部146cを通って漏出し、少ない流量で噴出口120より外へ出るようになっている。
このレジスト塗布ユニット(CT)82は、塗布処理時に基板Gの被処理面上に発生する静電気を除去するために接地式の除電部160を備えている。図4、図6、図7および図12に示すように、この除電部160は、片側のスライダ132の上に搭載または取付されており、保持部136に保持されている基板Gの一側縁部の非塗布領域NEにて金属膜GMに接触可能な可動の接触子162と、この接触子162を復動位置と往動位置との間で移動操作するためのアクチエータ164と、接触子162を電気的にグランド電位に接続するためのアース線166とを有する。
接触子162は、たとえば金属、電気伝導性樹脂あるいは導電性高分子等の弾性変形可能な導電性部材で構成されてよい。アクチエータ164は、たとえばロータリシリンダまたは電気モータ等からなり、その回転駆動軸164aに接触子162の基端部を固定し、接触子162を旋回または回動させて、基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)に接触する往動位置と基板Gの一側面よりも外側に退避する復動位置との間で接触子162の位置を変えられるようになっている。アース線166は、たとえば銅線または被覆線からなり、一端が接触子162に接続され、他端が付近のグランド電位の物体に接続される。図示の例で、たとえばスライダ132がアルミニウムまたはステンレス鋼等の導電性金属からなり、同じく導電性金属からなるガイドレール130を介してグランド電位に接続されている場合は、アース線168の他端はスライダ132に接続されてよい。
なお、基板Gの被処理面においては、四辺の各側縁部(周縁部)に一定の幅(たとえば10mm)で枠状の非塗布領域NEが設定され、この非塗布領域NEで囲まれた内側の矩形領域が塗布領域CEとなっており、塗布領域CEにレジスト液が塗布されるようになっている。ここで、塗布領域CEは、パネル領域または製品領域を含む。もっとも、通常は、塗布領域CEにおける塗り残しを確実に防止するために、レジスト塗布膜を塗布領域CEから非塗布領域NEに多少(数ミリ程度)はみ出させるようにしている。したがって、この実施形態の除電部160において、接触子162が基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)に接触する往動位置は、塗布領域CEとの境界線からある程度(たとえば5mm以上)の距離を置いた位置に設定されるのが好ましい。
図13に、このレジスト塗布ユニット(CT)82における制御系の構成を示す。制御部170は、マイクロコンピュータからなり、ユニット内の各部、特に基板搬送部116、レジスト液供給部172、リフトピン昇降部174、除電部160(180)、除電測定部186等の個々の動作と全体の動作(シーケンス)を制御する。
図14に、この実施形態において基板Gに対して行われる主要な動作の手順をフローチャートで示す。制御部170は、たとえば光ディスク等の記憶媒体に格納されているレジスト塗布処理プログラムを主メモリに取り込んで実行し、プログラムされた一連の動作(ステップA1〜A11)を制御する。
上記のように、第1の熱的処理部26(図1)で所定の熱処理を受けた基板Gが下流側オーブンタワー(TB)48内のパスユニット(PASSR)60(図2)からレジスト塗布ユニット(CT)82に転送され、図示しない搬送アームによってステージ112の搬入領域M1に搬入される。
基板Gが搬入領域M1に搬入されると(ステップA1)、制御部170はリフトピン昇降部174を通じてリフトピン118に基板Gをステージ112上の所定の高さ位置まで降ろさせる(ステップA2)。リフトピン118は、図5に点線で示すようにステージ112の上面から基板受け渡し用の高さ位置まで上昇または突出して基板Gを受け取り、次いで基板Gを水平姿勢のまま搬送用の高さ位置つまり浮上位置Haまで降ろす。この時、搬入領域M1の各噴出口120における空気の噴出流量は、上記のような噴出制御部(流量切換弁)144の作用(図10)により、基板Gが浮上位置Haに着く以前は(弁体148が弁室146の出口146aを塞いでいるため)少ない流量に制限されており、基板Gが浮上位置Haに下りるや否や(噴出口120付近の圧力が増大して弁体148が弁室146内で出口146aから離れることにより)大きな流量に切り換わる。こうして、基板Gは、予設定の浮上位置Haでステージ上面(噴出口120)から所要の圧力で基板全体に垂直上向きの力を受け、水平姿勢を保って空中に浮くことができる。
また、基板搬送部116のスライダ132および保持部136も搬入領域M1で待機している。リフトピン118によって浮上位置Haまで下ろされた基板Gの両側縁部が保持部136の真空吸着パッド138に載ると、制御部170は所定の位置センサ(図示せず)あるいはリフトピン昇降部174等からの信号に応じてこの基板の高さ位置または載置状態を検出し、保持部136に基板Gを吸着させる(ステップA3)。こうして、真空源からのバキューム力が真空吸着パッド138に供給され、基板Gは両側縁部にて保持部136ないしスライダ132に支持される。
次に、制御部170は、除電部160を制御して接触子162を基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)に付着または接触させる(ステップA4)。この場合、除電部160においては、図7に示すように、アクチエータ164が接触子162を一点鎖線で示す復動位置から実線で示す往動位置まで旋回運動させる。こうして、基板Gの被処理面の金属膜GMは除電部160の接触子162およびアース線166等を通じて電気的にグランド電位に接続される。
上記のようにして基板搬入動作が完了すると、制御部170は基板搬送部116に基板Gの浮上搬送を開始させる(ステップA5)。すると、基板搬送部116は搬送駆動部134を作動させ、左右のスライダ132を同時または平行にガイドレール130に沿って搬送方向(X方向)に一定速度で移動させる。こうして、基板Gは、ステージ112上で水平姿勢を保ちながら空中に浮いた状態で搬入領域M1から遷移領域M2を通って塗布領域M3に移送される。この浮上搬送中も、除電部160は接触子162を基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)に接触させた状態つまり接地状態を保つ。
搬入領域M1の各噴出口120においては、左端側から順に基板Gが上方を去っていくことになる。そうすると、各噴出口120における空気の噴出流量は、上記のような噴出制御部(流量切換弁)144の作用(図10)により、それまでの基板浮上用の大流量から待機用の小流量に切り換わる。すなわち、各噴出口120の上方から基板Gが去ると、当該噴出口120ないしその直下の弁室146の出口146a付近の空気圧が低くなり、弁体148が出口146aを塞ぐようになる。
こうして、搬入領域M1の左端側から順に噴出口120の噴出量が実質的にオンからオフに切り換わり、基板Gの後端が搬入領域M1を抜けると、搬入領域M1内の全ての噴出口120の噴出量が実質的にオフ状態となり、次の基板Gが搬入されてくるまでこのオフ状態が維持される。このことにより、搬入領域M1における基板浮上用の用力(圧縮空気)の消費量を大幅に節約することができる。
また、塗布領域M3では、基板Gの高さ位置が搬入領域M1側の浮上位置Ha(100〜200μm)から塗布領域M3側の浮上位置Hb(50μm)へ漸次的に変化する。この時、除電部160においては、図7に示すように、基板の浮上位置の変動に合わせてアクチエータ164が接触子162を実線で示す高さ位置から二点鎖線で示す高さ位置まで下向きに(反時計回りに)回動させることにより、接触子162の先端部が基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)から離れずに接触状態を保つようになっている。
基板搬送部116による浮上搬送で基板Gの始端部が塗布領域M3に入りレジストノズル114の位置に差し掛かると、所定の位置センサ(図示せず)より発生される信号に応動して制御部170はレジスト液供給部172にレジスト液の吐出(塗布)を開始させる(ステップA6)。こうして、レジストノズル114が真下を通過する基板Gの上面(被処理面)に向けてスリット状の微細径吐出口から帯状のレジスト液Rを吐出または滴下することにより、搬送方向(X方向)において基板始端部から後端部に向かって基板Gの塗布領域CEにレジスト液Rが相対的な掃引または走査で塗布され、塗布領域CEの全域に一定の膜厚でレジスト塗布膜RMが形成される。この際、上述したように、レジスト塗布膜RMが塗布領域CEから周縁部の非塗布領域NEに少しはみ出るが、除電部160の接触子162まで及ぶことはない。基板Gの後端部がレジストノズル114の真下に来ると、所定の位置センサ(図示せず)より発生される信号に応動して制御部170はレジスト液供給部172にレジスト液の吐出(塗布)を停止または終了させる。
上記のようにして塗布領域M3で基板Gの被処理面にレジスト液Rが塗布される際には、レジスト液と基板被処理面との摩擦により静電気が発生する。さらに、レジスト液自体が帯電した状態でレジストノズル114から吐出される場合もある。いずれにしても、塗布の開始から終了まで始終、除電部160が接触子162を基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)にて金属膜GMに接触させているので、塗布中に基板Gの被処理面上に持ち込まれた静電気も、そこで発生した静電気も全て除電部160の接触子162およびアース線166等を通じてグランドへ放出される。このため、レジスト液の塗布によって基板Gの被処理面上に静電気が蓄積されることはない。
上記のようにして塗布領域M3でレジスト液Rを塗布された基板Gは、遷移領域M4を通って搬出領域M5に移送される。この際、基板の浮上位置が上昇するのに合わせて、除電部160ではアクチエータ164が接触子162を二点鎖線で示す高さ位置から実線で示す高さ位置まで上向きに(図7では時計回りに)回動させることにより、接触子162の先端部が屈曲変形せずに基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)との接触状態を保つようになっている。
基板Gが搬出領域M5内の終点位置に着くと、所定の位置センサ(図示せず)からの信号に応答して制御部170は基板搬送部116に基板搬送を停止または終了させ(ステップA7)、直後に基板Gに対する保持部136の吸着を解除させる(ステップA8)。次いで、制御部170は、リフトピン昇降部174に搬出用リフトピン124をステージ112の中から上方に突出させ、リフトピン124の先端に載せて基板Gを水平姿勢のまま所定の高さ位置(搬送アームに基板を渡す高さ位置)まで上昇させる(ステップA9)。
ここで、基板Gが保持部136の真空吸着パッド138から分離する時に、両者(G,138)の間で静電気が発生することがある。この場合、基板Gの下面または裏面が一次的に静電気で帯電し、分極作用により二次的に基板Gの上面または被処理面も逆極性の電荷に帯電する。この実施形態では、図15および図16に示すように、リフトピン124の基板Gを保持部136の真空吸着パッド138から分離させる際にも、除電部160が接触子162を基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)から離さずに接触状態つまり接地状態を保つようにしている。これによって、走査基板Gの被処理面側が帯電するのを抑制することができ、ひいては基板Gの下面側の帯電を抑制できる。
制御部170は、リフトピン124により基板Gと保持部136との分離が行われた後に、除電部160に基板Gの接地を解除させる(ステップA10)。除電部160においては、図16に示すように、アクチエータ164が接触子162を実線で示す往動位置から一点鎖線で示す復動位置まで(時計回りに)回動させることにより、接触子162は基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)から離間し、かつ基板Gの側方へ退避する。
しかる後、制御部170は、搬送アームにリフトピン124から基板Gを受け取らせ、この塗布ユニット(CT)82から搬出させる(ステップA11)。
上記のように、この実施形態では、被処理面のほぼ全面に金属膜GMが形成されているガラス基板G上の塗布領域CEに長尺型のレジストノズル114を用いてスピンレス法でレジスト液を塗布するに際して、除電部160が塗布処理の開始から終了まで基板Gの非塗布領域NEにて金属膜GMに接触子162を接触させて金属膜GMを接地するので、基板全面をカバーするほどの除電雰囲気を形成する必要がないうえ除電処理に特別の時間を充てる必要もなく、被処理面上に静電気が発生ないし蓄積するのを確実かつ効果的に防止ないし抑制することができる。
しかも、この実施形態は、基板Gをステージ112から空中に浮かせた状態で塗布処理を行う方式であり、基板をステージに載置して塗布処理を行い塗布終了後に基板をステージから引き離す方式に比して、基板Gとステージ112との間で発生する静電気が非常に少ないという利点もある。また、この実施形態では、浮上搬送を行う基板搬送部116に除電部160を取り付けているため、除電装置用の特別な支持機構やスペースが不要になっている。
[実施形態2]
図17および図18に、本発明の第2の実施形態におけるレジスト塗布ユニット(CT)82の構成を示す。図中、上述した第1の実施形態のものと同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を附している。
この第2の実施形態における除電部180は、ステージ112の上方に局所型またはスポット型のイオナイザを1個または複数個(図示の例は2個)を設ける。第1のイオナイザ182は、基板搬送方向(X方向)においてレジストノズル114の上流側近傍に配置され、塗布処理中つまりレジストノズル114が真下を通る基板Gに向けてレジスト液を吐出している最中に、その直ぐ上流側で塗布前の基板被処理面(金属膜GM)部分に向けて自動的または定常的に電荷中和用のイオンを供給するようになっている。第2のイオナイザ184は、レジストノズル114の下流側で搬出領域M5内に配置され、塗布処理を終えたばかりの基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)で露出している金属膜GMに向けて条件的に、つまり必要な時だけ電荷中和用のイオンを供給するようになっている。すなわち、搬出領域M5には基板Gの被処理面における静電気量または帯電量を測定する静電測定部186も配置されており、この静電測定部186で得られる測定結果にしたがって制御部170が除電部180のイオナイザ184を条件的に作動させるようになっている。
各イオナイザ182,184は下端の開口した筒状の筐体を有し、筐体内に針状の放電電極(図示せず)を備えている。高圧電源(図示)より高電圧が電気ケーブル188,190を介して該放電電極に印加され、かつガス供給源(図示せず)より清浄空気または不活性ガス(たとえば窒素ガス)がガス管192,194を介して送り込まれると、コロナ放電によってガスが正負にイオン化し、ガス流に乗ってイオンJが開口部から前方に吐出されるようになっている。
図19に、この実施形態において基板Gに対して行われる主要な動作の手順をフローチャートで示す。制御部170(図13)は、第1の実施形態の場合と同様に、たとえば光ディスク等の記憶媒体に格納されているレジスト塗布処理プログラムを主メモリに取り込んで実行し、プログラムされた一連の動作(ステップB1〜B12)を制御する。
この実施形態におけるステップB1,B2,B3,B4,B5は第1の実施形態におけるステップA1,A2,A3,A5,A6にそれぞれ対応している。すなわち、基板Gが搬入領域M1に搬入されると(ステップB1)、制御部170はリフトピン昇降部174を通じてリフトピン118に基板Gをステージ112上の所定の高さ位置まで降ろさせる(ステップB2)。そして、リフトピン118によって浮上位置Haまで下ろされた基板Gの両側縁部が保持部136の真空吸着パッド138に載ると、制御部170は保持部136に基板Gを吸着させる(ステップB3)。次に、制御部170は、基板搬送部116に基板Gの浮上搬送を開始させる(ステップB4)。
基板搬送部116による浮上搬送で基板Gの始端部が塗布領域M3に入りレジストノズル114の位置に差し掛かると、制御部170はレジスト液供給部172にレジスト液の吐出(塗布)を開始させる(ステップB5)。こうして、レジストノズル114が真下を通過する基板Gの上面(被処理面)に向けてスリット状の微細径吐出口から帯状のレジスト液Rを吐出または滴下することにより、搬送方向(X方向)において基板始端部から後端部に向かって基板Gの塗布領域CEにレジスト液Rが相対的な掃引または走査で塗布される。そして、基板Gの後端部がレジストノズル114の真下に来ると、制御部170はレジスト液供給部172にレジスト液の吐出(塗布)を停止または終了させる。こうして、基板Gの塗布領域CEの全域に一定の膜厚でレジスト塗布膜RMが形成される。
この実施形態においても、レジストノズル114より基板Gの被処理面にレジスト液Rが滴下される際には、レジスト液と基板被処理面との摩擦により静電気が発生する。さらに、レジスト液自体が帯電した状態でレジストノズル114から基板上に供給されることもある。
制御部170は、上記のようにレジスト液供給部172に基板Gに向けてレジスト液の吐出(塗布)を行わせるのと並行して、除電部180に第1のイオナイザ182を作動させて基板Gの除電を行わせる(ステップB6)。ここで、第1のイオナイザ182は、レジストノズル114の上流側近傍で真下を通過する基板Gの上面(被処理面)に正負のイオンJを局所的に吹きかけるようにして供給し、金属膜GM表面の全電荷を逆極性のイオンで中和させる。こうして、塗布中に基板Gの被処理面上に持ち込まれた静電気、あるいはそこで発生した静電気の大部分が第1のイオナイザ182による中和で除去される。厳密には、基板Gの後端部にレジスト液が塗布される時は第1のイオナイザ182は基板Gが通り去った直後であるために基板Gの金属膜GMにイオンを供給することができず、この時に発生した静電気あるいはレジスト液から持ち込まれた静電気を取り逃がすことがある。しかし、この取り逃がした静電気は、後述する第2のイオナイザ184によって除去されるようになっている。なお、第1のイオナイザ182は、基板Gの後端が真下を通過した時点でオフしてよい。
基板Gが遷移領域M4を経て搬出領域M5内の終点位置に着くと、所定の位置センサ(図示せず)からの信号に応答して制御部170は基板搬送部116に基板搬送を停止または終了させる(ステップB7)。
次いで、制御部170は、静電測定部186に基板Gの被処理面における静電気量を非接触方式で測定させ、所定の基準値を超えるほどの静電気が残っているか否かを判定する(ステップB8)。その結果、基板Gの被処理面に静電気が実質的に残っていないときは、保持部136に基板Gの吸着保持を解除させ(ステップA10)、次いでリフトピン昇降部174に基板Gを水平姿勢で所定の高さ位置まで上昇させ(ステップB11)、搬送アームに基板を搬出させる(ステップB12)。しかし、基準値を超える量の静電気が残っている場合、制御部170は、保持部136の吸着保持を解除させる前に除電部180に第2のイオナイザ184を作動させて基板Gの除電を行わせる(ステップB9)。
ここで、第2のイオナイザ184は、塗布処理を終えたばかりの基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)で露出している金属膜GMに向けて正負のイオンLを吹き付けるようにして供給し、これによって金属膜GM上の電荷を逆極性のイオンにより中和させて除去する。この場合、図20に示すように、第2のイオナイザ184がレジスト塗布膜RMを避けて基板Gの内から外へ向かうような斜め下向きで非塗布領域NEにイオンLを供給するのが好ましい。なお、第2のイオナイザ184は、保持部136が基板Gの吸着保持を解除する前にオフしてよいが、第1の実施形態と同様に、リフトピン昇降部174が基板Gを保持部136から離間させるまで除電動作(イオン供給)を継続してもよい。
このように、この実施形態では、被処理面のほぼ全面に金属膜GMが形成されているガラス基板G上の塗布領域CEに長尺型のレジストノズル114を用いてスピンレス法でレジスト液を塗布するに際して、除電部160が塗布処理の開始から終了間際までレジストノズル114の上流側近傍に配置した第1のイオナイザ182により基板G上の金属膜GMをスポット式のイオン照射によって除電するようにしている。そして、塗布終了後に、基板Gの被処理面の静電気量を静電測定部186で測定し、基準値を超える静電気量が測定された場合に第2のイオナイザ184によるスポット式のイオン照射によってレジスト塗布膜の下地膜である金属膜GMの全域から静電気を除去するようにしている。このように、塗布領域M3と搬出領域M5にスポット型のイオナイザ182,184をそれぞれ1つ配置すればよい構成であり、支持機構や設置スペースを非常に小さくすることができる。しかも、除電のための固有の処理時間が非常に短くなる。さらに、この実施形態においても、基板Gをステージ112から空中に浮かせた状態で塗布処理を行う方式であるから、基板Gとステージ112との間で発生する静電気が非常に少ないという利点がある。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。たとえば、上記した実施形態ではステージ112の各領域M1〜M5において各噴出口120毎に流量切換弁型の噴出制御部144を設けたが、たとえば領域M1,M2,M4,M5においてのみ流量切換弁型の噴出制御部144を設け、塗布領域M3では噴出制御部144を設けずに常時噴出、吸引させる構成とすることも可能である。これにより、塗布領域M3の構造を簡素化できるとともに、レジストノズル114直下付近における基板浮上精度の信頼性を向上させることができる。また、基板浮上用の圧力気体は通常は圧縮空気であるが、窒素等の他の気体も使用可能である。上記した実施形態ではレジストノズル114を定置型としたが、必要に応じて水平移動可能としてもよい。また、上記した実施形態における基板搬送部116の保持部136は真空吸着式のパッド138を有するものであったが、基板Gの縁部をメカニカルに(たとえば狭着して)保持するパッド等も可能である。また、必要に応じて基板Gをステージ112上で搬送する途中に一時停止させることも可能であり、搬送速度を可変すること等も可能である。
また、上記第1の実施形態において、塗布処理中に除電部160が接触子162を基板Gの一側縁部(非塗布領域NE)に持続的にではなく一時的、断続的または周期的に接触させるのも可能である。接触子162の形状やアクチエータ164の移動操作またはハンドリングも種々の変形が可能である。上記第2の実施形態においても、塗布処理中に除電部160が第1のイオナイザ182を持続的にではなく一時的、断続的または周期的に作動させてもよい。また、上記第2の実施形態において、第1および第2のイオナイザ182,184のいずれか片方を省くことも可能である。第1のイオナイザ182は、基板Gの被処理面の塗布直前の部位(塗布領域CNでも可)にイオンを供給して除電を行うものであるため、金属膜が塗布領域CEに限定して形成され非塗布領域NEには形成されていない基板に対しても有効に除電作用を奏することができる。
また、上記実施形態はステージ上で基板を浮上搬送しながら定置式のレジストノズルよりレジスト液を吐出または滴下して基板上にレジスト塗布膜を形成する塗布方式に係るものであったが、ステージ上に基板を水平に載置した状態でレジストノズルおよび/またはステージを水平移動させる塗布方式等にも本発明は適用可能である。
上記した実施形態はFPD製造の塗布現像処理システムにおけるレジスト塗布装置に係るものであったが、本発明は被処理基板上に処理液を供給する任意の処理装置やアプリケーションに適用可能である。したがって、本発明における処理液としては、レジスト液以外にも、たとえば層間絶縁材料、誘電体材料、配線材料等の塗布液も可能であり、現像液やリンス液等も可能である。本発明における被処理基板はFPD基板に限らず、CD基板、フォトマスク、プリント基板、半導体ウエハ等も可能である。
本発明の適用可能な塗布現像処理システムの構成を示す平面図である。 図1の塗布現像処理システムにおける熱的処理部の構成を示す側面図である。 図1の塗布現像処理システムにおける処理の手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す斜視図である。 第1の実施形態におけるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す略正面図である。 第1の実施形態のレジスト塗布ユニットにおける基板搬送部および除電部の構成を示す一部断面略側面図である。 第1の実施形態のレジスト塗布ユニットにおける基板搬送部および除電部の構成を示す拡大断面図である。 実施形態のレジスト塗布ユニットにおける基板搬送部のパッド部の構成を示す斜視図である。 実施形態のレジスト塗布ユニットにおける基板搬送部の保持部の一変形例を示す斜視図である。 実施形態のレジスト塗布ユニットにおける噴出制御部の構成を示す断面図である。 実施形態のレジスト塗布ユニットにおけるステージ内部の流路の構成を示す部分断面図である。 第1の実施形態における除電部の構成を示す斜視図である。 実施形態のレジスト塗布ユニットにおける制御系の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態において基板に対して行われる主要な動作の手順を示すフローチャート図である。 第1の実施形態における除電部の作用(一状態)を示す斜視図である。 第1の実施形態における除電部の作用(一状態)を示す一部断面側面図である。 第2の実施形態によるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す斜視図である。 第2の実施形態によるレジスト塗布ユニットの全体構成を示す略正面図である。 第2の実施形態において基板に対して行われる主要な動作の手順を示すフローチャート図である。 第2の実施形態における除電部の作用を示す一部断面側面図である。
符号の説明
10 プロセスステーション
28 塗布プロセス部
82 レジスト塗布ユニット(CT)
112 ステージ
114 レジストノズル
116 基板搬送部
120 噴出口
122 吸引口
130 ガイドレール
132 スライダ
134 搬送駆動部
136 保持部
138 真空吸着パッド
140 パッド支持部
142 バキューム管
144 噴出制御部
160 除電部
162 接触子
164 アクチエータ
166 アース線
170 制御部
172 レジスト液供給部
174 リフトピン昇降部
180 除電部
182 第1のイオナイザ
184 第2のイオナイザ
186 静電測定部

Claims (15)

  1. 被処理面のほぼ全面に導電膜が形成され、前記被処理面の少なくとも周縁部に非塗布領域が設定されるとともに前記非塗布領域の内側に塗布領域が設定されている被処理基板に対して前記塗布領域に処理液を塗布する塗布部と、
    電気的にグランド電位に接続される接触子を有し、前記導電膜から静電気を除去するために前記基板の非塗布領域にて前記導電膜に前記接触子を着脱可能に接触させる除電部と
    を有する塗布装置。
  2. 被処理面に導電膜が形成されている被処理基板上に処理液を塗布する塗布部と、
    塗布中または塗布終了後に前記基板の被処理面上で露出する前記導電膜に除電用のイオンを供給する除電部と
    を有する塗布装置。
  3. 前記塗布部が、
    前記基板の塗布領域に処理液を供給するためのノズルと、
    前記ノズルを前記基板に対して相対的に移動させる塗布走査部と
    を有する請求項1または請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記塗布部が、
    ステージ上面に多数の噴出口を有し、前記噴出口より噴出する気体の圧力で前記基板を所望の高さに浮かせるステージと、
    前記ステージ上で浮いた状態の前記基板を所定の方向に移動させる基板搬送部と、
    前記ステージの上方で前記基板の塗布領域に処理液を供給する処理液供給部と
    を有する請求項1または請求項2に記載の塗布装置。
  5. 前記基板搬送部が、
    前記基板の移動する方向と平行に延びるように前記ステージの両側に配置されるガイドレールと、
    前記ガイドレールに沿って移動可能なスライダと、
    前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動するように駆動する搬送駆動部と、
    前記スライダから前記ステージの中心部に向かって延在し、前記基板の両側縁部を着脱可能に保持する保持部と
    を有する請求項4に記載の塗布装置。
  6. 前記保持部が、
    前記基板の縁部に着脱可能に結合可能なパッドと、
    基端部が前記スライダに固定されるとともに、先端部が前記パッドに結合され、前記基板の高さ位置に応じて前記先端部の高さ位置が鉛直方向で変位するパッド支持部と
    を有する請求項5に記載の塗布装置。
  7. 前記処理液供給部が、前記ステージの上方から前記基板の塗布領域に向けて前記処理液を吐出または滴下するノズルを有する請求項4〜6のいずれか一項に記載の塗布装置。
  8. 前記ノズルが、前記基板の移動する方向と直交して水平方向に延びる吐出口を有する請求項7に記載の塗布装置。
  9. 前記基板の移動する方向において前記処理液供給部よりも下流側の所定位置で前記基板を搬出時に上方へ持ち上げるために、前記ステージに形成された貫通孔を貫通して昇降移動可能に設けられた複数のリフトピンを有する請求項4〜8のいずれか一項に記載の塗布装置。
  10. 前記除電部が、前記スライダに取り付けられ、前記接触子を前記基板の非塗布領域で前記導電膜と接触する第1の位置と前記基板の一側面よりも外側の第2の位置との間で双方向に移動させるアクチエータを有する請求項5〜9のいずれか一項に記載の塗布装置。
  11. 前記徐電部が、前記基板の移動する方向において前記処理液供給部の上流側近傍で前記基板の導電膜に局所的に帯電中和用のイオンを供給する第1のイオナイザを含む請求項4〜9のいずれか一項に記載の塗布装置。
  12. 前記徐電部が、前記基板の移動する方向において前記処理液供給部よりも下流側で前記基板の導電膜に局所的に帯電中和用のイオンを供給する第2のイオナイザを含む請求項4〜10のいずれか一項に記載の塗布装置。
  13. 前記基板の移動する方向において前記処理液供給部よりも下流側で前記基板の被処理面の静電気を測定するための静電測定部を有し、前記静電測定部の測定結果に応じて前記第2のイオナイザを条件的に作動させる請求項12に記載の塗布装置。
  14. 被処理面のほぼ全面に導電膜が形成され、前記被処理面の少なくとも周縁部に非塗布領域が設定されるとともに前記非塗布領域の内側に塗布領域が設定されている被処理基板に対して、電気的にグランド電位に接続されている導体を前記導電膜に接触させ、
    前記導電膜に前記導体を接触させた状態で前記基板の塗布領域に処理液を塗布し、
    塗布終了後に前記導体を前記基板から離して前記導電膜の接地を解除する塗布方法。
  15. 被処理面に導電膜が形成されている被処理基板を気体の圧力を用いてステージ上でほぼ水平に浮かせ、かつ所定の方向に搬送するステップと、
    前記浮上搬送の途中で前記ステージの上方から前記基板の被処理面に処理液を供給するステップと、
    前記基板の被処理面に処理液を供給している最中に前記基板の被処理面の塗布前の部位にて前記導電膜に除電用のイオンを供給するステップと
    を実行する塗布処理プログラム。



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