JP2006161477A - 閉塞部材アタッチメント及び閉塞部材の圧入方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 杭圧入機1は、昇降自在なチャック装置15で、鋼管杭2を把持して下降させることにより圧入する。閉塞部材アタッチメント4は、隣り合う鋼管杭2同士の間を閉塞する閉塞部材3を前記杭圧入機のチャック装置15を用いて圧入可能とする。そして、閉塞部材アタッチメント4は、チャック装置15で把持することが可能で、閉塞部材3を上下に貫通可能な筒状本体部41と、筒状本体部41内を貫通する閉塞部材3を把持する把持部42とを備える。把持部42は、把持部42内に閉塞部材を貫通させた状態で把持部42を縮径することにより閉塞部材3を把持する。また、把持部42は、把持部42を鋼管杭2内に挿入した状態で拡径することにより鋼管杭2を把持する。
【選択図】図1
Description
なお、このような杭圧入機は、先に圧入した杭上を移動するとともに、これら杭から反力を取って、連続的に杭を並べて地盤中に圧入することで、土留め壁等の壁状構造物(所謂矢板壁)を造ることを主な目的の一つとして開発された。
従って、基本的に、隣り合う回転圧入された鋼管杭同士の間には、隙間が生じてしまう。そこで、土留めや止水等の目的で、回転圧入された鋼管同士の間に、隙間を閉塞する部材を圧入することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
なお、特許文献2では、鋼管杭同士の間を完全には閉塞せずに、透水性を持たせるようにしている。
この場合に、杭圧入機として、鋼管用の回転圧入機と、閉塞部材用の杭圧入機とが必要となり、これによりコストが高くなってしまう。特に、通常の杭圧入機は、先に圧入された杭をクランプ装置で把持して杭上に固定された状態で、新たな杭を把持して下降するチャック装置で杭を圧入するが、この際に、クランプ装置で把持する杭と、チャック装置で把持する杭とは同形状となる。しかし、閉塞部材用の杭圧入機は、細く強度的に弱い閉塞部材で杭圧入機を支持することが困難な場合があることから、クランプ装置で先に圧入された閉塞部材を掴むのではなく、先に圧入された鋼管杭を掴み、チャック装置で閉塞部材を掴む構造となる可能性がある。
従って、上述のことから圧入された鋼管杭同士の間に閉塞部材を圧入するには、特殊な杭圧入機を必要とすることでコストがさらに高くなる可能性がある。
前記チャック装置で把持することが可能で、前記閉塞部材を上下に貫通可能な筒状本体部41と、
前記筒状本体部内を貫通する閉塞部材を把持する把持部42と、
を備えたことを特徴とする。
また、杭は、鋼管杭でなくても良いが、本発明は、回転圧入される鋼管杭に好適に用いることができる。
また、閉塞部材は、完全に鋼管同士の間を閉塞してしまうものに限られるものではなく、孔等が形成されて透水性等を有するものであっても良い。また、閉塞部材は、鋼管同士の完全な間となる部分に圧入されるとは限らず、間より僅かに後方となる位置等に圧入されても良い。
また、杭圧入機のチャック装置に杭に代えて閉塞部材アタッチメントを把持させることで、容易に閉塞部材アタッチメントを杭圧入機に取り付けることができる。
前記把持部の少なくとも一部が前記筒状本体部の下端より下方に露出して形成され、
前記把持部が径を拡縮自在とされ、
前記把持部内に閉塞部材を貫通させた状態で縮径することにより閉塞部材を把持し、
把持部の少なくとも一部を筒状杭端部内に挿入した状態で拡径することにより筒状杭を把持することを特徴とする。
筒状杭は、円筒状の鋼管杭に限られるものではなく、角形鋼管杭や、筒状のプレキャストコンクリート杭などでも良いが、回転圧入可能な円筒状のものに本発明を好適に適用することができる。
例えば、圧入された筒状杭を把持するクランプ装置を有するとともに該クランプ装置により筒状杭上に支持される圧入機本体部と、該圧入機本体部に対して相対的に水平方向に移動自在で、かつ、昇降自在なチャック装置とを備えた杭圧入機を用い前記杭圧入機により筒状杭を連続的に(並んだ状態に)圧入した後に、前記閉塞部材アタッチメントを前記チャック装置で把持し、前記閉塞部材アタッチメントで圧入された筒状杭を把持するとともに、クランプ装置による筒状杭の把持を解除し、前記チャック装置に対して前記圧入機本体部を水平方向に移動し、移動先で再びクランプ装置により圧入された筒状杭を把持することで、杭圧入機を並んだ筒状杭上で移動させ、かつ、閉塞部材アタッチメントに閉塞部材を把持させた後にチャック装置を下降させることで閉塞部材を圧入する。
前記杭圧入機の前記チャック装置に前記閉塞部材アタッチメントを把持させるとともに、該閉塞部材アタッチメントに閉塞部材を把持させて、前記チャック装置により、隣り合う杭同士の間に前記閉塞部材を圧入することを特徴とする。
また、杭圧入機のチャック装置に杭に代えて閉塞部材アタッチメントを把持させることで、容易に閉塞部材アタッチメントを杭圧入機に取り付けることができる。
この実施形態で用いられる杭圧入機1は、図1及び図3〜図5に示すように、鋼管杭2,…をその軸回りに回転させながら圧入させる公知の回転圧入機であり、既に圧入された鋼管杭2,…を内側から拡径して把持する複数(例えば、3つ)のクランプ装置11,…を備えたサドル12と、サドル12に対して前後動自在なスライドベース13と、スライドベース13上で左右に旋回自在なリーダマスト14と、旋回マスト14の前面に昇降自在に取り付けられるチャック装置15と、リーダマスト14に対してチャック装置15を昇降駆動するメイン油圧シリンダ16とを備えている。
また、スライドベース13は、前方に移動することによりチャック装置15を水平に前側に移動して、サドル12を移動することなく、先頭のクランプ装置11が把持している既設の鋼管杭2の先に、二本の鋼管杭2,2を前後方向に並べて順次圧入可能となっている。
また、チャック装置15内部には、上下に貫通した状態の鋼管杭2,…を外側の四方から油圧シリンダにより作動する押圧部18,…で押圧して把持する杭把持部19を有し、該杭把持部19がチャック装置15の外周部分に対して上下の軸心回りに回転可能となっており、鋼管杭2を回転圧入可能となっている。なお、杭把持部19を回転させずにチャック装置15を下降させることも可能である。
そして、杭圧入機1は、順次鋼管杭2,…を圧入する際に、図1(A)に示すように上述の先頭のクランプ装置11が把持した既設の鋼管杭2の前に新たに鋼管杭2を圧入した後に、さらにスライドベース13を前に移動させて、二本前となる位置に鋼管杭2を圧入する、この際に、圧入途中で、クランプ装置11による既設鋼管杭2,…の把持を解除し、次いで、リーダマスト14に対して圧入途中の鋼管杭2を把持したチャック装置15を下降させることで、相対的にサドル12を上昇させてクランプ装置11,…の下端部を既設鋼管杭2,…から上方に出し、さらにサドル12を前方に移動させる。また、この際に、各クランプ装置11,…が把持していた既設鋼管杭2,…よりもそれぞれ一本前の鋼管杭2,…上までクランプ装置11,…を移動させる。次いで、サドル12を下降させて、クランプ装置11,…を鋼管杭2,…内に挿入された状態とし、クランプ装置11に鋼管杭2,…を把持させる。これにより、杭圧入機1が鋼管杭2一本分に対応して前進することになる。鋼管杭2を圧入するたびに上述の操作を繰り返すことで、杭圧入機1を鋼管杭2一本分に対応する距離だけ前進させることができる。
筒状本体部41は、例えば、チャック装置15で把持可能とするために、鋼管杭2と略同径で略同じ外周形状を有する円筒形状に形成されている。基本的には、鋼管杭2と同様の鋼管から構成することが可能であるが、繰り返し使用されることから、鋼管杭2よりも強度が高い形状(例えば、厚みが鋼管杭2よりも厚い形状や、内部に補強リブ(円周方向や軸方向に沿ったリブ)を設けた形状など)を有することが好ましい。
そして、把持部42は、筒状本体部41に固定された略半円弧状の固定部43と、該固定部43と同様の半円弧状の可動部44とを有し、これら固定部43と可動部44とを合わせることにより、内側に閉塞部材3を上下に貫通可能な穴を有し、かつ、鋼管杭2内に挿入可能な略円筒形状となる。すなわち、半円弧状の固定部43の凹部側と可動部44の凹部側とを対向させて形成される円筒状の把持部42は、その内径が閉塞部材3より大きく、外径が鋼管杭2の内径より小さくされている。なお、把持部42は、後述するように拡径可能となっており、鋼管杭2の内径より外径を僅かに大きくすることが可能である。
また、固定部43と可動部44の最も離れて対向させられた中央部からは、それぞれ、対向する方向に閉塞部材3を挟持する第1及び第2挟持部46,47が突出するように設けられている。
そして、第1挟持部46は、その前端面がL字鋼からなる閉塞部材3の一辺より僅かに狭い幅とされ、固定部43の円弧の内側となる凹んだ中央部から可動部側へ突出し、その前端面が可動部44の円弧の内側となる凹んだ中央部内まで延出している。
ここで、上述の油圧シリンダ装置45,45を伸長方向(ピストンの前進)に作動させると、固定部43の第1挟持部46の前端面と、可動部44の第2挟持部47の前端面との間に、閉塞部材3の厚みより長い間隔(距離)があき、第1挟持部46と第2挟持部47との間に閉塞部材3の一辺側を挿入可能となる。
また、油圧シリンダ装置45,45を縮小方向(ピストン後退させるよう)に作動させると、固定部43の第1挟持部46の前端面と、可動部44の第2挟持部47の前端面との間の距離が、閉塞部材3の厚みよりも短くなる。従って、油圧シリンダ装置45,45を伸長して把持部42を拡径して、第1挟持部46と第2挟持部47との間に閉塞部材3の一辺側を挿入し、次いで、油圧シリンダ装置45,45を縮小方向に作動することで、図2(A)に示すように、閉塞部材3を挟持することができる。
なお、第1挟持部46及び第2挟持部47は、それぞれ固定部43及び可動部44に対して着脱可能に取り付けるものとし、後述の別形状の閉塞部材3a〜cを挟持可能な第1挟持部46a〜c及び第2挟持部47a〜cに交換可能としても良い。
また、第1挟持部46及び第2挟持部47の前端面には滑り止めとなる爪部を設けても良い。
従って、油圧シリンダ装置45,45を縮小して把持部42を縮径した状態で、把持部42を鋼管杭2内に挿入してから油圧シリンダ装置45,45を伸長して把持部42を拡径すると、図2(B)に示すように、固定部43及び可動部44が鋼管杭2内面に押しつけられてクランプ装置11,…と同様に鋼管杭2を把持することができる。
次ぎに、図1(B)及び図3に示すようにチャック装置15に把持された閉塞部材アタッチメント4の把持部42を縮径して最後に圧入した鋼管杭2内に挿入した後に拡径させ、把持部42で鋼管杭2を把持させる。この状態で、鋼管杭2を把持した閉塞部材アタッチメント4をチャック装置15で把持することで、杭圧入機1を閉塞部材アタッチメント4を介して鋼管杭2に支持させることが可能となる。
これにより、クランプ装置11,…が鋼管杭2から上方に出た状態となる。次ぎに、スライドベース13に対してサドル12を鋼管杭2の1本分だけ(鋼管杭2同士の間の間隔を含む)後方に移動させる。次いで、サドル12及びクランプ装置11等を下降させることで、前より一本分だけ後の鋼管杭2,…にそれぞれクランプ装置11,…を挿入し、クランプ装置11,…により鋼管杭2,…を把持する。
すなわち、閉塞部材3の圧入は、チャック装置15に閉塞部材アタッチメント4を介して把持されることと、圧入中に杭把持部19を回転させないこと以外は、鋼管杭2の圧入と同様に行われる。なお、閉塞部材3の1ストローク分の圧入が終わった場合に、チャック装置15による閉塞部材アタッチメント4の把持は解除せずに、閉塞部材アタッチメント4による閉塞部材3の把持を解除して、チャック装置15を上昇させ、次いで、閉塞部材アタッチメント4で閉塞部材3を把持した状態でチャック装置15を下降させる。
また、閉塞部材3は、L字鋼に限られるものではなく、図6(A)に示すように、H型鋼からなる閉塞部材3a、C型鋼からなる閉塞部材3b、パイプ状の鋼材(細い鋼管)からなる閉塞部材3cであっても良い。
なお、把持部42は、閉塞部材3の断面形状が異なる場合に、第1及び第2挟持部46,47を変えることで対応することができる。例えば、H型鋼からなる閉塞部材3a用の第1及び第2挟持部46a,47aは、互いに同形状で、H型鋼のフランジ間より狭い幅を有し、ウエブを左右から挟持するようになっている。
また、パイプ状の鋼材からなる閉塞部材3a用の第1及び第2挟持部46c,47cは、その先端部に鋼材の外周に対応した円弧状の当接板が設けられている。
11 クランプ装置
13 サドル(圧入機本体部)
15 チャック装置
2 鋼管杭(杭、筒状杭)
3(3a、3b、3c) 閉塞部材
4 閉塞部材アタッチメント
41 筒状本体部
42 把持部
Claims (3)
- 昇降自在なチャック装置で、杭を把持して下降させることにより杭を圧入する杭圧入機を用いて複数の杭を連続的に圧入した際に、隣り合う圧入された杭同士の間を閉塞する閉塞部材を前記杭圧入機のチャック装置を用いて圧入するための閉塞部材アタッチメントであって、
前記チャック装置で把持することが可能で、前記閉塞部材を上下に貫通可能な筒状本体部と、
前記筒状本体部内を貫通する閉塞部材を把持する把持部と、
を備えたことを特徴とする閉塞部材アタッチメント。 - 前記杭が筒状杭とされ、
前記把持部の少なくとも一部が前記筒状本体部の下端より下方に露出して形成され、
前記把持部が径を拡縮自在とされ、
前記把持部内に閉塞部材を貫通させた状態で縮径することにより閉塞部材を把持し、
把持部の少なくとも一部を筒状杭端部内に挿入した状態で拡径することにより筒状杭を把持することを特徴とする請求項1に記載の閉塞部材アタッチメント。 - 請求項1又は2に記載の閉塞部材アタッチメントを用いて閉塞部材を圧入する閉塞部材の圧入方法であって、
前記杭圧入機の前記チャック装置に前記閉塞部材アタッチメントを把持させるとともに、該閉塞部材アタッチメントに閉塞部材を把持させて、前記チャック装置により、隣り合う杭同士の間に前記閉塞部材を圧入することを特徴とする閉塞部材の圧入方法。
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