JP2006160009A - 車両用ボンネットステー取付構造 - Google Patents

車両用ボンネットステー取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】シュラウドを取り外したときにもエンジンルームのメンテナンスが容易な車両用ボンネットステー取付構造を提供する。
【解決手段】ボンネットステー20が車体前部に取り付けられる車両用ボンネットステー取付構造1において、取り外し可能な樹脂製シュラウド7を設け、このシュラウド7の車幅方向外側で前後に延びるフロントサイドフレーム2前端上部に取付ブラケット10を接合する。この取付ブラケット10にボンネットステー20の基端部20aを取り付け、このボンネットステー20にボンネット22をオープン状態に保持させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ボンネットステーを車体前部に取り付ける構造に関するものである。
従来より、ボンネットをオープン状態に保持するために車体前部に取り付けられるボンネットステーを車体に取り外し可能なシュラウドに取り付ける構造は知られている(例えば、特許文献1参照)。この構造では、ラジエータ、ヘッドランプと共に、ボンネットステーを予めシュラウドに取り付け、このサブ組み立てされたシュラウドを車体に組み付けるようにしている。
特開2001−206243号公報
しかしながら、上記従来の車両用ボンネットステー取付構造では、メンテナンス時にシュラウドを車体から取り外すと、ボンネットステーも車体から取り外されてしまい、ボンネットをオープン状態に保持できず不便であるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ボンネットステーの取付位置を工夫することにより、シュラウドを取り外したときにもエンジンルームのメンテナンスが容易な車両用ボンネットステー取付構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、シュラウドの車幅方向外側で前後に延びるフロントサイドフレーム前端上部に取付ブラケットを接合し、この取付ブラケットにボンネットステーの基端部を支持させるようにした。
具体的には、第1の発明は、ボンネットをオープン状態に保持するためのボンネットステーが車体前部に取り付けられる車両用ボンネットステー取付構造を対象とする。
そして、車両機器を保持するための取り外し可能なシュラウドと、このシュラウドの車幅方向外側で前後に延びるフロントサイドフレーム前端上部に接合された取付ブラケットとを備え、この取付ブラケットにボンネットステーの基端部が取り付けられる構成とする。
上記の構成によると、剛性の高いフロントサイドフレームに接合された取付ブラケットにボンネットステーの基端部を支持させているので、ボンネットをオープン状態に保持したときの荷重は、フロントサイドフレーム前端上部でしっかりと支えられる。また、シュラウドとは別の取付ブラケットにボンネットステーの基端部を支持させているので、シュラウドを取り外したときにも、ボンネットは、ボンネットステーにより支持される。
第2の発明では、上記ボンネットの外周縁部裏面には、上記ボンネットステーの自由端部を係止するための係止孔が設けられ、上記取付ブラケットは、平面視で上記フロントサイドフレーム前端側から、後方に向かって車幅方向外側へ広がるように延びる構成とする。
上記の構成によると、ボンネットステーの基端部は、ボンネット裏面におけるボンネットステーの自由端部が保持される係止孔を設けた外側縁部よりも車幅方向内側のフロントサイドフレーム前端上部に支持される。このことで、片持ち支持されたボンネットの自重は、係止孔よりもボンネットの重心に近い車幅方向内側のフロントサイドフレームに支持される。
第3の発明では、上記フロントサイドフレームの上方には、上記シュラウドよりも後方のフロントサスペンションタワー上部に隣接する位置にフェンダーパネルを補強するためのエプロンレインが設けられており、上記取付ブラケットは、ヘッドランプが取り付けられ、かつ上記フロントサイドフレーム前端上部と上記エプロンレインの上面とに跨って接合されている。
上記の構成によると、剛性の高いエプロンレインの上面とフロントサイドフレーム前端上部とに跨った取付ブラケットにヘッドランプが取り付けられ、この取付ブラケットがボンネットオープン状態のボンネットの自重を支え、その荷重は、エプロンレインとフロントサイドフレームとに支持される。
第4の発明では、上記取付ブラケットは、フロントサイドフレーム前端上部から上方へ垂直に延びる垂直部と、該垂直部の上端からエプロンレインの上面に向かって延びる傾斜部とからなり、上記ボンネットステーの基端部は、上記垂直部に取り付けられている。
上記の構成によると、垂直方向に掛かるボンネットの自重が取付ブラケットの垂直部によって支えられ、取付ブラケットのフロントサイドフレーム前端上部との接合部に曲げ荷重が掛かり難くなる。
第5の発明では、上記ボンネットステーの基端部の取付位置がシュラウド上面部よりも上方に配置されると共に、シュラウド上面部にボンネットステーの自由端部側の係止部が設けられる構成とする。
上記の構成によると、ボンネットステーの不使用時には、ボンネットステーの自由端部側がシュラウドの上面部の係止部に係止される。
以上説明したように、上記第1の発明によれば、剛性の高いフロントサイドフレームに接合された取付ブラケットにボンネットステーの基端部を支持させ、ボンネットをオープン状態に保持したときの荷重をフロントサイドフレーム前端上部で支えている。このため、シュラウドを取り外したときにもボンネットを確実に保持してエンジンルームのメンテナンスを容易に行うことができる。
上記第2の発明によれば、ボンネットステーの基端部を自由端部側が係止されるボンネットの外側縁部よりも車幅方向内側のフロントサイドフレーム前端上部に支持している。このため、ボンネットステーによって片持ち支持されたボンネットの自重を確実に取付ブラケット及びフロントサイドフレーム前端上部に伝達することができるので、ボンネットを安定して保持することができる。
上記第3の発明によると、剛性の高いフロントサスペンションタワー上部に隣接するエプロンレインの上面とフロントサイドフレーム前端上部とに跨り、ヘッドランプが取り付けられた取付ブラケットによってボンネットの自重を支えるようにしている。このため、取付ブラケットの両端で荷重が伝達されるので、ボンネットをさらに確実に安定して支持することができる。
上記第4の発明によると、垂直方向に掛かるボンネットの自重を取付ブラケットの垂直部によって支えている。このため、ブラケットの変形を防いでボンネットをさらに確実に安定して支持することができる。
上記第5の発明によると、ボンネットステーの不使用時には、ボンネットステーの自由端部側をシュラウドの上面部に係止している。このため、ボンネットステーの自由端部側を係止し易い車体前側のシュラウドの上面部を有効に使用することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
−車両用ボンネットステー取付構造の構成−
図1〜図3に本発明の実施形態にかかる車両用ボンネットステー取付構造1を備えた車体前部を示す。この車体前部には、車体の前後方向に延びる一対のフロントサイドフレーム2が設けられ、この各フロントサイドフレーム2の上方には、フロントサイドフレーム2前端よりも後方位置から後方へ延びるエプロンレイン3が設けられている。各エプロンレイン3の外側には、フロントフェンダー4が取り付けられている。また、車体前部は、エンジンルーム6と車室とを仕切るダッシュパネル5を備えている。なお、図3では、フロントフェンダー4を除いている。
上記両フロントサイドフレーム2間には、正面視ロ字状のシュラウド7が取り付けられている。このシュラウド7は、繊維強化プラスチックなどよりなる樹脂成形品であり、このシュラウド7の後側に図示しない車両機器としてのラジエータなどが取り付けられるようになっている。このシュラウド7の上面には、後述するボンネットステー20の自由端部20b側を保持するための係止部としての係止用クリップ8が設けられている。図7に示すように、この係止用クリップ8は、シュラウド7上面に設けた貫通孔7aに係止用クリップ8下側の係止爪8aを挿入して固定され、この係止用クリップ8上側の係止部8bに、この係止部8bを押し広げながらボンネットステー20の自由端部20b側を押し込むことで、ボンネットステー20がシュラウド7上面に保持されるようになっている。
上記ダッシュパネル5前方の上記両フロントサイドフレーム2よりも車幅方向外側には、サスペンションタワー9がそれぞれ設けられている。このサスペンションタワー9は、上側が閉じた筒状のもので、その内部には軸心を略鉛直方向に配したサスペンション(図示せず)の上端部が取り付けられてサスペンションを支持するようになっている。このサスペンションタワー9の上部に上記エプロンレイン3が隣接されている。
そして、本発明の特徴として、上記シュラウド7の車幅方向外側で前後に延びるフロントサイドフレーム2前端上部には、取付ブラケット10が接合されている。この取付ブラケット10は、平面視でフロントサイドフレーム2前端上部から、後方に向かって車幅方向外側へ広がるように延び、後端はフロントサスペンションタワー9上部近傍のエプロンレイン3の上面に接合されている。また、取付ブラケット10は、平面視でフロントサイドフレーム2前端上部から上方へ垂直に延びる垂直部10aと、この垂直部10aの上端からエプロンレイン3の上面に向かって延びる傾斜部10bとから構成されている。
図5に拡大して示すように、上記取付ブラケット10の垂直部10aの上端には、棒状のボンネットステー20の基端部20aを支持するための突起部11が溶接により接合されている。図5において、溶接部分を×印にて示している。基端部20aは、ボンネットステー20の端部をL字状に折り曲げて形成されている。一方、図6に示すように、突起部11には、支持孔12が形成されると共に、この支持孔12にグロメット13が嵌め込まれ、グロメット13に形成された支持孔13aにボンネットステー20の基端部20aが挿入されている。このようにして、ボンネットステー20の基端部20aは、上記突起部11の支持孔12にグロメット13を介して挿入された状態で揺動可能に支持されている。また、この突起部11により、上記ボンネットステー20の基端部20aの取付位置を係止用クリップ8が設けられるシュラウド7上面部よりも上方に配置している。なお、取付ブラケット10の前後方向略中央部には、ボンネット22の荷重を受けるための受け部材10cが設けられている。
一方、ボンネット22の外周縁部裏面には、上記ボンネットステー20の自由端部20bを係止するための係止孔23が設けられている。ボンネット22をオープン状態に保持するときには、この係止孔23にボンネットステー20の自由端部20bが挿入されて、ボンネット22の自重がボンネットステー20に支持されるようになっている。
図4に示すように、上記取付ブラケット10の車幅方向外側には、車体前後方向に延びるヘッドランプ21が取り付けられている。具体的には、ヘッドランプ21の内側には、後側、中央部及び前側に第1,第2,第3取付部21a,21b,21cがそれぞれ設けられている。この第1及び第2取付部21a,21bは、上記取付ブラケット10に締結され、前側の第3取付部21cは上記シュラウド7の側面に取り付けられている。
−作用−
次に、本実施形態にかかる車両用ボンネットステー取付構造1の作用について説明する。
ボンネット22をオープン状態に保持しない通常時には、ボンネットステー20の自由端部20bは、シュラウド7上面の係止用クリップ8に保持される。
一方、ボンネット22をオープン状態に保持するときには、ボンネット22を上方に引き上げ、片手でボンネット22を支えながら、他方の手でボンネットステー20の自由端部20b側を係止用クリップ8から取り外し、ボンネットステー20の自由端部20bを揺動させてその先端をボンネット22裏面の係止孔23に係止する。
このとき、ボンネット22の荷重は、ボンネットステー20から係止孔23よりも車幅方向内側の取付ブラケット10に伝達され、その垂直部10aからフロントサイドフレーム2前端上部に伝達され、ボンネット22は確実に支持される。
さらに、シュラウド7を取り外す際には、ボンネットステー20の基端部20aは、取付ブラケット10に支持されているので、ボンネット22をオープン状態に保持しながら、ヘッドランプ21を取り外した後、シュラウド7が取り外される。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる車両用ボンネットステー取付構造1によると、剛性の高いフロントサイドフレーム2に接合された取付ブラケット10にボンネットステー20の基端部20aを支持させ、ボンネット22をオープン状態に保持したときの荷重をフロントサイドフレーム2前端上部で支えている。このため、シュラウド7を取り外したときにもエンジンルーム6のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、ボンネットステー20の基端部20aを自由端部20b側が係止されるボンネット22の外側縁部よりも車幅方向内側のフロントサイドフレーム2前端上部に支持している。このため、ボンネットステー20によってボンネット22の自重を確実に取付ブラケット10及びフロントサイドフレーム2前端上部に伝達してボンネット22を安定して支持することができる。
また、上記実施形態によれば、剛性の高いエプロンレイン3の上面とフロントサイドフレーム2前端上部とに跨り、ヘッドランプ21が取り付けられた取付ブラケット10によってボンネット22の自重を支えるようにしている。このため、取付ブラケット10の両端で荷重が伝達されるので、ボンネット22をさらに確実に安定して支持することができる。
また、垂直方向に掛かるボンネット22の自重を取付ブラケット10の垂直部10aによって支えている。このため、取付ブラケット10の変形を防いで、ボンネット22をさらに確実に安定して支持することができる。
また、上記実施形態によれば、ボンネットステー20の不使用時には、ボンネットステー20の自由端部20bをシュラウド7の上面部に係止している。このため、ボンネットステー20の自由端部20bを係止し易い車体前側のシュラウド7の上面部が有効に使用される。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、取付ブラケット10の垂直部10aの上端に突起部11を設けているが、垂直部10aの上端の高さが、係止用クリップ8が設けられるシュラウド7上面部よりも上方にある場合には、垂直部10aの上端に直接係止孔を設け、この係止孔にボンネットステー20の基端部20aを支持させればよい。
また、上記シュラウド7は、繊維強化プラスチックなどよりなる樹脂成形品としたが、これに限定されず、金属製のものでもよい。要は、シュラウドは車体から取り外し可能なものであればよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、取り外し可能なシュラウドを備えた車両用ボンネットステー取付構造について有用である。
本発明の実施形態にかかる車両用ボンネットステー取付構造を備えた車体前部を示す斜視図である。 車両用ボンネットステー取付構造を備えた車体前部を示す正面図である。 車両用ボンネットステー取付構造を備えた車体前部を右側から見た側面図である。 ヘッドランプが取り付けられた取付ブラケットを示す斜視図である。 突起部周辺の拡大斜視図である。 図2のVI−VI線拡大断面図である。 図2のVII−VII線拡大断面図である。
符号の説明
1 車両用ボンネットステー取付構造
2 フロントサイドフレーム
3 エプロンレイン
7 シュラウド
8 係止用クリップ(係止部)
9 サスペンションタワー
10 取付ブラケット
10a 垂直部
10b 傾斜部
20 ボンネットステー
20a 基端部
20b 自由端部
21 ヘッドランプ
22 ボンネット
23 係止孔

Claims (5)

  1. ボンネットをオープン状態に保持するためのボンネットステーが車体前部に取り付けられる車両用ボンネットステー取付構造において、
    車両機器を保持するための取り外し可能なシュラウドと、
    上記シュラウドの車幅方向外側で前後に延びるフロントサイドフレーム前端上部に接合された取付ブラケットとを備え、
    上記取付ブラケットにボンネットステーの基端部が取り付けられていることを特徴とする車両用ボンネットステー取付構造。
  2. 請求項1に記載の車両用ボンネットステー取付構造において、
    上記ボンネットの外周縁部裏面には、上記ボンネットステーの自由端部を係止するための係止孔が設けられ、
    上記取付ブラケットは、平面視で上記フロントサイドフレーム前端側から、後方に向かって車幅方向外側へ広がるように延びていることを特徴とする車両用ボンネットステー取付構造。
  3. 請求項2に記載の車両用ボンネットステー取付構造において、
    上記フロントサイドフレームの上方には、上記シュラウドよりも後方のフロントサスペンションタワー上部に隣接する位置にフェンダーパネルを補強するためのエプロンレインが設けられており、
    上記取付ブラケットは、ヘッドランプが取り付けられ、かつ上記フロントサイドフレーム前端上部と上記エプロンレインの上面とに跨って接合されていることを特徴とする車両用ボンネットステー取付構造。
  4. 請求項3に記載の車両用ボンネットステー取付構造において、
    上記取付ブラケットは、フロントサイドフレーム前端上部から上方へ略垂直に延びる垂直部と、該垂直部の上端からエプロンレインの上面に向かって延びる傾斜部とからなり、
    上記ボンネットステーの基端部は、上記垂直部に取り付けられていることを特徴とする車両用ボンネットステー取付構造。
  5. 請求項4に記載の車両用ボンネットステー取付構造において、
    上記ボンネットステーの基端部の取付位置がシュラウド上面部よりも上方に配置されると共に、シュラウド上面部にボンネットステーの自由端部側を係止するための係止部が設けられていることを特徴とする車両用ボンネットステー取付構造。
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