JP2006158204A - 耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物;並びに水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物;並びに水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、マヨネーズやドレッシング類などの耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法に関し、詳しくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を含有することにより得られる、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法に関する。
マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化物は、油脂の凝固点以下の低温下に置かれ、次いで室温に戻ったとき、油分離を起こすことがある。
現実的には、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化物を冬期に北海道や東北地方などの寒冷地に流通させた際や、家庭用冷蔵庫内で冷気吹き出し口付近や冷凍庫に置かれた場合などに油分離が見られることがあるが、油分離の原因としては次の様に推測される。
現実的には、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化物を冬期に北海道や東北地方などの寒冷地に流通させた際や、家庭用冷蔵庫内で冷気吹き出し口付近や冷凍庫に置かれた場合などに油分離が見られることがあるが、油分離の原因としては次の様に推測される。
即ち、水中油型乳化物が油脂の凝固点以下の低温下に置かれた場合、油相である油滴中に油脂結晶が生じ、これが油滴を安定化している乳化被膜を突き破って油滴同士が互いに接触し、室温に戻ったとき、油滴は合一して油分離を起こすものと推測される。
このような水中油型乳化物の低温安定性、換言すれば、耐冷凍性を改善する手段としては、油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、トランス酸を含有する水添大豆油を使用する技術が提案されている。
このような水中油型乳化物の低温安定性、換言すれば、耐冷凍性を改善する手段としては、油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、トランス酸を含有する水添大豆油を使用する技術が提案されている。
また、油脂結晶の生成を妨害する、低HLBの油溶系乳化剤を使用する技術が提案されている。例えば、特許文献2には、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であるソルビタン脂肪酸エステルを使用する技術が提案されている。
更に、水中油型乳化物の油分量を低下させることによっても耐冷凍性が改善されることが知られており、例えば、特許文献3には、油相を40%以下にした技術が提案されている。
しかしながら、前記の様に油の種類を変えたり、低HLBの油溶系の乳化剤を使用する方法では、操作上、工業的に煩雑であり、更に、ブレンドシステムを要するなど、装置上での高コストを伴う問題点がある。
また、水中油型乳化物の油分量を低下させる方法は、最も簡単に耐冷凍性を改善できる方法であるが、その反面おいしさが低下するといった問題点がある。
また、水中油型乳化物の油分量を低下させる方法は、最も簡単に耐冷凍性を改善できる方法であるが、その反面おいしさが低下するといった問題点がある。
本発明は、前記従来の問題点を解決し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、従来技術のように油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用したり、油脂結晶の生成を阻害する低HLBの油溶系乳化剤を使用したり、或いは、水中油型乳化物の油分量を低下させる場合に見られる、操作上、工業的に煩雑であったり、ブレンドシステムを要するなどの装置上での高コストを伴ったり、或いは、おいしさが低下するといった問題がなく、水相原料と油相原料が乳化されてなる水中油型乳化物において、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、従来技術のように油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用したり、油脂結晶の生成を阻害する低HLBの油溶系乳化剤を使用したり、或いは、水中油型乳化物の油分量を低下させる場合に見られる、操作上、工業的に煩雑であったり、ブレンドシステムを要するなどの装置上での高コストを伴ったり、或いは、おいしさが低下するといった問題がなく、水相原料と油相原料が乳化されてなる水中油型乳化物において、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、水相原料と油相原料とが乳化してなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することにより、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明による耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法は、これまでに全く知られていない。
本発明による耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法は、これまでに全く知られていない。
即ち、請求項1に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物を提供するものである。
次に、請求項2に係る本発明は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐冷凍性に優れた水中油型乳化物を提供するものである。
更に、請求項3に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法を提供するものである。
次に、請求項2に係る本発明は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐冷凍性に優れた水中油型乳化物を提供するものである。
更に、請求項3に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、油脂の凝固点以下の低温下に置かれ、次いで室温に戻ったとき、油分離を起こすおそれのない、優れた耐冷凍性を有する水中油型乳化物及びその製造方法が提供される。
本発明によれば、水中油型乳化物に耐冷凍性を付与させるために、従来技術のように、油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用することなく、また、油脂結晶の生成を阻害する低HLBの油溶系乳化剤を使用することなく、更に水中油型乳化物の油分量を低下させる必要がなく、通常のマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化物にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することにより、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物が提供される。
本発明によれば、水中油型乳化物に耐冷凍性を付与させるために、従来技術のように、油脂結晶の生成し難い特定の種類の油を使用することなく、また、油脂結晶の生成を阻害する低HLBの油溶系乳化剤を使用することなく、更に水中油型乳化物の油分量を低下させる必要がなく、通常のマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化物にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することにより、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、請求項1に係る本発明について、詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とするものである。
まず、請求項1に係る本発明について、詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化物とは、水相原料と油相原料とが乳化されてなるものをいい、代表的なものとしてマヨネーズやドレッシング類などが挙げられる。水中油型乳化物としては、従来公知のものを用いることができる。
請求項1に係る本発明の特徴は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されている点にある。
請求項1に係る本発明において、用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)とは、次のようなものである。
ソルビトールを酸性下で加熱処理するなどの適当な条件で処理すると、分子内脱水反応が起こり、この結果、ソルビタンが生成される。
次に、得られたソルビタンを高度脂肪酸を用いてエステル化することにより生成されたものが、非イオン系界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステルである。このソルビタン脂肪酸エステルには、ソルビタン・ラウリン酸モノエステル(商標名:スパン20)、ソルビタン・パルミチン酸モノエステル(商標名:スパン40)、ソルビタン・ステアリン酸モノエステル(商標名:スパン60)、ソルビタン・ステアリン酸トリエステル(商標名:スパン65)、ソルビタン・オレイン酸モノエステル(商標名:スパン80)及びソルビタン・オレイン酸トリエステル(商標名:スパン85)の6種類がある。
次に、得られたソルビタンを高度脂肪酸を用いてエステル化することにより生成されたものが、非イオン系界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステルである。このソルビタン脂肪酸エステルには、ソルビタン・ラウリン酸モノエステル(商標名:スパン20)、ソルビタン・パルミチン酸モノエステル(商標名:スパン40)、ソルビタン・ステアリン酸モノエステル(商標名:スパン60)、ソルビタン・ステアリン酸トリエステル(商標名:スパン65)、ソルビタン・オレイン酸モノエステル(商標名:スパン80)及びソルビタン・オレイン酸トリエステル(商標名:スパン85)の6種類がある。
更に、これらのソルビタン脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加させたものが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)であり、前記のソルビタン脂肪酸エステルに符合している。
即ち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの種類には、ポリソルベート20(スパン20+酸化エチレン)、ポリソルベート40(スパン40+酸化エチレン)、ポリソルベート60(スパン60+酸化エチレン)、ポリソルベート65(スパン65+酸化エチレン)、ポリソルベート80(スパン80+酸化エチレン)、ポリソルベート85(スパン85+酸化エチレン)の6種類がある。
即ち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの種類には、ポリソルベート20(スパン20+酸化エチレン)、ポリソルベート40(スパン40+酸化エチレン)、ポリソルベート60(スパン60+酸化エチレン)、ポリソルベート65(スパン65+酸化エチレン)、ポリソルベート80(スパン80+酸化エチレン)、ポリソルベート85(スパン85+酸化エチレン)の6種類がある。
請求項1に係る本発明においては、これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの中でも特にポリソルベート60(スパン60+酸化エチレン)を用いることが必要である。ここでポリソルベート60ではなく、例えばポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80などを用いたとしても、本発明の目的を達成することはできない。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化物におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60の含有量は、水相原料と油相原料との配合比率などにより異なるが、請求項2に記載した如く、0.3質量%以上であることが好ましい。この場合、上限値は特に制限されないが、下記したように配合量に見合うだけの効果の向上といった点を考慮して1.5質量%を上限値とする。このポリソルベート60の含有量としては、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
ここで水中油型乳化物における、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60の含有量が0.3質量%未満では、水中油型乳化物の耐冷凍性が十分でない。
一方、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60の含有量が1.5質量%を超えても、配合量に見合うだけの効果の向上が得られないため、経済的にも好ましくない。
一方、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60の含有量が1.5質量%を超えても、配合量に見合うだけの効果の向上が得られないため、経済的にも好ましくない。
なお、請求項1に係る本発明の水中油型乳化物の水相を構成する原料(水相原料)は、マヨネーズやドレッシング類などの製造に際して使用される原料やその配合割合に準じて決定すればよく、特に制限されない。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩、食酢、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料;乳化剤;砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖などの糖類;澱粉類;果汁類;ガム類;香辛料;着香料などがある。
乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵黄の他、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等の蛋白系の乳化剤を使用することができ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩、食酢、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料;乳化剤;砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖などの糖類;澱粉類;果汁類;ガム類;香辛料;着香料などがある。
乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵黄の他、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等の蛋白系の乳化剤を使用することができ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一方、油相を構成する原料(油相原料)としては、通常、食品に添加可能な親油性の物質であれば特に制限がなく、例えば、食用植物油脂や親油性のある着香料、香辛料等が挙げられる。
ここで食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。2種以上混合して使用する場合、それらの配合割合は、通常使用されるものに準じて、適宜定めることができる。
ここで食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。2種以上混合して使用する場合、それらの配合割合は、通常使用されるものに準じて、適宜定めることができる。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化物における油相と水相との割合については、特に制限はないが、通常、油相40〜90質量%に対し、水相60〜10質量%、好ましくは、油相50〜80質量%に対して、水相50〜20質量%とする。
ここで油相の比率が40質量%未満であると、調製された水中油型乳化物は耐冷凍性は強くなるものの、美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
ここで油相の比率が40質量%未満であると、調製された水中油型乳化物は耐冷凍性は強くなるものの、美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
上記した如き条件を具備している限り、請求項1、2に係る本発明の水中油型乳化物の製造は既知の手法により行えばよく、特に制限されないが、請求項3に係る本発明の方法によれば、請求項1、2に係る本発明の耐冷凍性に優れた水中油型乳化物を好適に製造することができる。
即ち、請求項3に係る本発明は、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とするものである。
即ち、請求項3に係る本発明は、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とするものである。
ここでポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60については、請求項1、2に係る本発明において説明したとおりである。
請求項3に係る本発明においては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合すること以外は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。
例えば、水以外の水相原料を水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば、市販の万能混合攪拌機を用いて、予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により、仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化物を製造することができる。
請求項3に係る本発明においては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合すること以外は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。
例えば、水以外の水相原料を水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば、市販の万能混合攪拌機を用いて、予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により、仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化物を製造することができる。
ここで、前記のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60の添加は、水溶性であることから、水以外の水相原料を水へ分散・溶解する際に行えばよい。
このようにして製造された水中油型乳化物は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が添加・配合されていることにより、耐冷凍性に優れたものとなっている。
このようにして製造された水中油型乳化物は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が添加・配合されていることにより、耐冷凍性に優れたものとなっている。
通常用いられる蛋白系の乳化剤と共に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用することによって、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物が得られる理由については、明らかではないが、蛋白系の乳化剤との併用により乳化被膜がより強くなり、この結果、耐冷凍性が付与されたのではないかと推測される。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明はこれらによって、何ら制限を受けるものではない。
実施例1〜5
(1)水中油型乳化物(マヨネーズ)の調製
表1に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製した。
即ち、水相原料である、卵黄、食塩、食酢及び水、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60(Quest International Japan K.K製)を混合・溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルト・ミキサー(ホバルト社製)にて予備乳化した。
次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1000インチ、回転数:3,000rpm)により、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製した。
(1)水中油型乳化物(マヨネーズ)の調製
表1に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製した。
即ち、水相原料である、卵黄、食塩、食酢及び水、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60(Quest International Japan K.K製)を混合・溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルト・ミキサー(ホバルト社製)にて予備乳化した。
次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1000インチ、回転数:3,000rpm)により、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製した。
(2)水中油型乳化物(マヨネーズ)の耐冷凍性の評価
上記(1)で得られた水中油型乳化物(マヨネーズ)について、耐冷凍性の評価を以下のようにして行った。
約25g容のプラスチック容器に、上記(1)で得られた水中油型乳化物(マヨネーズ)約20gを充填・シールし、次いで−15℃にて2日間保管し、更に室温に戻した後の水中油型乳化物(マヨネーズ)の乳化状態を次の3段階で評価した。「安定」と「やや安定」であれば、耐冷凍性に優れていると言うことができる。なお、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。
結果を表1に示す。
上記(1)で得られた水中油型乳化物(マヨネーズ)について、耐冷凍性の評価を以下のようにして行った。
約25g容のプラスチック容器に、上記(1)で得られた水中油型乳化物(マヨネーズ)約20gを充填・シールし、次いで−15℃にて2日間保管し、更に室温に戻した後の水中油型乳化物(マヨネーズ)の乳化状態を次の3段階で評価した。「安定」と「やや安定」であれば、耐冷凍性に優れていると言うことができる。なお、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。
結果を表1に示す。
[耐冷凍性の評価]
・安定:油分離していない。
・やや安定:僅かな分離がみられる。
・不安定:かなりの油分離がみられる。
・安定:油分離していない。
・やや安定:僅かな分離がみられる。
・不安定:かなりの油分離がみられる。
比較例1
実施例1〜5において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりに水を使用したこと以外は実施例1〜5と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜5と同様にして、耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例1〜5において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりに水を使用したこと以外は実施例1〜5と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜5と同様にして、耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
比較例2〜3
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート20をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート20をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
比較例4〜5
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート40をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート40をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
比較例6〜7
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート80をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例2〜3において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を使用せず、その代わりにポリソルベート80をそれぞれ0.5及び1.0質量%使用したこと以外は、実施例2〜3と同様にして水中油型乳化物(マヨネーズ)を調製し、更に、実施例2〜3と同様にして耐冷凍性の評価を行った。
結果を表2に示す。
表1、2から、以下のようなことが分かる。
表1の結果から明らかなように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が0.3〜1.5質量%含有された、実施例1〜5の水中油型乳化物(マヨネーズ)では、−15℃にて2日間保管した後でも、良好な耐冷凍性を示した。特に、実施例2〜5に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が0.5質量%以上含有された水中油型乳化物(マヨネーズ)では、優れた耐冷凍性を示した。
表1の結果から明らかなように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が0.3〜1.5質量%含有された、実施例1〜5の水中油型乳化物(マヨネーズ)では、−15℃にて2日間保管した後でも、良好な耐冷凍性を示した。特に、実施例2〜5に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が0.5質量%以上含有された水中油型乳化物(マヨネーズ)では、優れた耐冷凍性を示した。
これに対し、表2の結果からは、まず比較例1に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が無添加の水中油型乳化物(マヨネーズ)では、耐冷凍性は著しく劣っていたことが分かる。
また、比較例2〜3、比較例4〜5及び比較例6〜7に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を用いずに、その代わりにそれぞれポリソルベート20、ポリソルベート40及びポリソルベート80を用いた水中油型乳化物(マヨネーズ)では、比較例1と同様に、耐冷凍性は劣っていたことが分かる。
これらの結果より、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加して調製された水中油型乳化物(マヨネーズ)では、優れた耐冷凍性を持つことは明らかである。
請求項1〜3に係る本発明によれば、耐冷凍性に優れた水中油型乳化物が提供される。
よって本発明は、食品工業分野において有用である。
よって本発明は、食品工業分野において有用である。
Claims (3)
- 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が含有されていることを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物。
- ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60が、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐冷凍性に優れた水中油型乳化物。
- 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化物を製造するにあたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60を添加・配合することを特徴とする耐冷凍性に優れた水中油型乳化物の製造方法。
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JP2004349319A JP2006158204A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | 耐冷凍性に優れた水中油型乳化物及びその製造方法 |
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JP2018139572A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 株式会社明治 | クリームソース及びその製造方法 |
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