JP3070923B1 - 気泡入り水中油型乳化調味料 - Google Patents

気泡入り水中油型乳化調味料

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JP3070923B1 JP11012170A JP1217099A JP3070923B1 JP 3070923 B1 JP3070923 B1 JP 3070923B1 JP 11012170 A JP11012170 A JP 11012170A JP 1217099 A JP1217099 A JP 1217099A JP 3070923 B1 JP3070923 B1 JP 3070923B1
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Abstract

【要約】 【課題】 製造直後の軽い食感、さらには食味が長期間
維持された気泡入り水中油型乳化調味料を提供する。 【解決手段】 卵黄リポ蛋白質、及びpH3.0〜5.
0の範囲で酸変性を起こす前記卵黄リポ蛋白質以外の蛋
白質が配合され、全体の粘度が10万〜100万mPa
・s、pHが3.0〜5.0、比重が脱気された水中油
型乳化調味料に対し80〜98%であり、窒素を含泡さ
せた気泡入り水中油型乳化調味料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造直後の軽い食
感、さらには食味が長期間維持された気泡入り水中油型
乳化調味料に関する。
【0002】水中油型乳化調味料の代表的製品としてマ
ヨネーズやサラダドレッシング等が知られている。とこ
ろが、近年、嗜好の多様化に伴い従来のこのような製品
よりも軽い食感を有するものが要望される傾向になっ
た。
【0003】このような嗜好の変化に対応すべく特開平
3−228663号公報には、気泡を入れて従来の製品
よりも軽い食感とした水中油型乳化調味料が提案されて
いる。しかしながら、ここに提案されている気泡入り水
中油型乳化調味料は、確かに気泡が入っているため製造
直後は軽い食感を有するものの、その後、長期間放置す
ると気泡を安定に保つことが難しいためか、製造直後の
軽い食感を維持することが出来ないという問題があっ
た。
【0004】そこで本発明の目的は、製造直後の軽い食
感、さらには食味が長期間維持された気泡入り水中油型
乳化調味料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)卵黄リポ蛋白
質、及びpH3.0〜5.0の範囲で酸変性を起こす前
記卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質が配合され、全体の粘度
が10万〜100万mPa・s、pHが3.0〜5.
0、比重が脱気された水中油型乳化調味料に対し80〜
98%であり、窒素を含泡させた気泡入り水中油型乳化
調味料、(2)製品に対し卵黄リポ蛋白質が1.5〜
7.5重量%、pH3.0〜5.0の範囲で酸変性を起
こす前記卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質が0.2〜0.8
重量%配合された(1)の気泡入り水中油型乳化調味
料、(3)卵黄リポ蛋白質の一部又は全部が卵黄リゾホ
スホリポ蛋白質である(1)乃至(2)の気泡入り水中
油型乳化調味料、(4)卵黄リポ蛋白質中における卵黄
リゾホスホリポ蛋白質の含有量が全卵黄リポ蛋白質に対
し10重量%以上である(3)の気泡入り水中油型乳化
調味料、を提供することである。
【0006】本発明において水中油型乳化調味料とは、
水相中に食用油脂が均一に分散して乳化状態が維持され
た調味料をいい、代表的製品としては例えば、マヨネー
ズやサラダドレッシング等が挙げられる。このような水
中油型調味料は、一般的に食用油脂を20〜90重量%
含有しており、本発明品の食用油脂含有量も同様であ
る。また本発明に用いる食用油脂は一般的に水中油型調
味料として用いられている食用油脂であれば特に限定す
るものではなく例えば、コーン油、綿実油、サフラワー
油、オリーブ油、紅花油、大豆油、ヤシ油、パーム油、
魚油等の動植物油及びこれらのサラダ油やMCT(中鎖
脂肪酸エステル)等のように化学的処理を施して得られ
る油脂等が挙げられる。
【0007】また本発明は気泡がほぼ全体に均一に存在
した気泡入り水中油型乳化調味料であるが、気泡の大き
さとしてはホイップされた一般的な食品とその気泡の大
きさは同程度であり、通常その大きさは数ミクロンから
数千ミクロン程度である。また本発明では気泡中の気体
は窒素を用いる。後述の試験例に示すように窒素以外の
ガス例えば、炭酸ガスを用いると、あるいは単に空気を
用いると食味において、製造直後は問題ないが、その
後、長期間放置していると製造直後の食味が維持されず
好ましくない。なお、窒素としては純度がほぼ100容
量%のものが望ましいが、約90容量%以上の純度であ
れば問題ない。
【0008】本発明において卵黄リポ蛋白質とは、リン
脂質、コレステロール、トリグリセリド及び卵黄蛋白質
等の成分からなる卵黄の主成分として存在する複合体で
あるが、本発明ではさらに卵黄リポ蛋白質をリン脂質分
解酵素であるホスホリパーゼAで処理しリン脂質の1位
あるいは2位のいずれかのエステル結合を分解しリゾリ
ン脂質と脂肪酸の状態で複合体を形成した卵黄リゾホス
ホリポ蛋白質や、卵黄リポ蛋白質を蛋白分解酵素で処理
したもの、加圧あるいは加熱変性したもの等も含まれ
る。なお、本発明で用いる卵黄リポ蛋白質としては、通
常乳化食品の原料として用いられている卵黄液をそのま
ま本発明品に用いてもよく、また上述のような処理を施
して得られる液、あるいはこれらの液を噴霧乾燥(スプ
レードライ)や凍結乾燥(フリーズドライ)等により乾
物としたもの、さらにはこの乾物を水戻ししたもの等を
用いてもよい。
【0009】本発明で用いる卵黄リポ蛋白質としては、
卵黄リポ蛋白質の一部又は全部が卵黄リゾホスホリポ蛋
白質であることが好ましく、さらに卵黄リポ蛋白質中に
おける卵黄リゾホスホリポ蛋白質が全卵黄リポ蛋白質に
対し10重量%以上であることがより好ましい。その理
由は、後述の試験例に示すように卵黄リポ蛋白質の一部
又は全部が卵黄リゾホスホリポ蛋白質であるものを用い
たほうが長期間放置しても製造直後の軽い食感がより維
持され好ましく、さらに卵黄リゾホスホリポ蛋白質の割
合が10重量%以上の卵黄リポ蛋白質を用いたほうが製
造直後においてより軽い食感が得られ、また長期間放置
しても製造直後のより軽い食感を維持できるからであ
る。
【0010】また卵黄リポ蛋白質の一部又は全部が卵黄
リゾホスホリポ蛋白質であるものを得るには、例えば、
卵黄液にホスホリパーゼAを作用させて所望するところ
でその反応を終了させる方法、あるいは全卵黄リポ蛋白
質をホスホリパーゼAで卵黄リゾホスホリポ蛋白質とし
た卵黄液と未処理の卵黄液とを任意の割合で混合するあ
るいは別々に製品に配合する方法等がある。
【0011】本発明においてpH3.0〜5.0の範囲
で酸変性を起こす卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質とは例え
ば、卵白蛋白質、カゼイン及びその塩、大豆蛋白質、小
麦蛋白質等のように酸変性を起こしやすいものをいい、
気泡しやすくて泡が安定な卵白蛋白質が望ましい。後述
の試験例に示すようにpH3.0〜5.0で酸変性を起
こしにくいと言われている乳清蛋白質のみでは製造直後
軽い食感を有し問題ないものの、その後、長期間放置す
ることで製造直後の軽い食感を維持できないため好まし
くない。
【0012】本発明では、上述の卵黄リポ蛋白質とpH
3.0〜5.0の範囲で酸変性を起こす卵黄リポ蛋白質
以外の蛋白質とを製品に対しそれぞれ1.5〜7.5重
量%及び0.2〜0.8重量%配合させることが後述の
試験例に示すように長期間放置しても製造直後の軽い食
感をより維持できることから好ましい。
【0013】本発明の気泡入り水中油型乳化調味料は、
全体の粘度が10万mPa・s以上である。これよりも
粘度が低いと後述の試験例に示すように製造直後の軽い
食感を長期間維持することが出来ず好ましくない。な
お、全体の粘度を100万mPa・s以下としたのは、
それより大きくても製造直後の軽い食感は維持できるも
のの粘度が高すぎて水中油型乳化調味料として好ましく
ないからである。また本発明の粘度は、200ml容量
のビーカーに200ml程度本発明の気泡入り水中油型
乳化調味料を充填後、HELIPATH STAND付
B型粘度計[(株)東京計器製]でT−BAR SPI
NDLE Dのローターを用い、品温約20℃、回転数
2rpmで1分後の粘度である。
【0014】本発明品はpHが5.0以下である。これ
よりもpHが高いと後述の試験例に示すように製造直後
の軽い食感を長期間維持することが出来ず好ましくな
い。なお、pHを3.0以上としたのは、それより小さ
くても目的とするものは出来る場合があるものの食味が
すっぱすぎて水中油型乳化調味料として好ましくないか
らである。本発明でpHを5.0以下とする方法として
は特に限定するものではないが、例えば、酢酸、乳酸、
リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク
酸、アジピン酸等の有機酸あるいはこれらを主成分とし
た例えば、食酢、醗酵乳酸、リンゴ酢、レモン水等の酸
材を用いると良い。
【0015】また本発明品は比重が脱気された水中油型
乳化調味料に対し80〜98%、好ましくは85〜96
%である。後述の試験例に示すように98%より少ない
と含泡させたとしても製造直後の食感が軽くないため好
ましくなく、また80%より多いと製造直後の軽い食感
を長期間維持できないため好ましくない。なお、本発明
における脱気品に対する比重の割合は、3L(リット
ル)測定用のメスシリンダーを用い、品温約20℃のと
きの比重により算出した割合である。
【0016】本発明の気泡入り水中油型乳化調味料に
は、上述の食品原料以外に本発明の効果を損なわない範
囲で各種食品原料を適宜選択し配合することが出来る。
例えば、グルタミン酸ナトリウム、砂糖、食塩、味噌、
醤油、諸味、豆板醤等の各種調味料、動植物のエキス
類、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェラン
ガム、タマリンド種子ガム、生澱粉、化工澱粉等の増粘
剤、からし粉等の香辛料、各種具材やペースト状物等が
挙げられる。
【0017】本発明の気泡入り水中油型乳化調味料は、
卵黄リポ蛋白質、及びpH3.0〜5.0の範囲で酸変
性を起こす前記卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質が配合さ
せ、全体の粘度が10万〜100万mPa・s、pHが
3.0〜5.0、比重が脱気された水中油型乳化調味料
に対し80〜98%とし、窒素を含泡させることによ
り、はじめて製造直後の軽い食感、さらには食味が長期
間維持された好ましい乳化調味料となる。
【0018】次に、本発明を実施例及び試験例に基づ
き、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0019】
【実施例】[実施例1]卵黄リポ蛋白質の約30重量%
が卵黄リゾホスホリポ蛋白質である卵黄液10kg、清
水7.0kg、生卵白4.5kg、食酢(酸度13重量
%)4.5kg、食塩1.8kg、上白糖1.7kg及
びからし粉0.5kgを順次ミキサー内に投入しなが
ら、窒素(純度99容量%以上)を溶液内に噴入すると
共に攪拌して、含泡させると共に均一とした。その後、
窒素の噴入は続けながらサラダ油70kgを徐々に添加
し、含泡させながら粗乳化させた。次にこの気泡入りの
粗乳化物を直ちにコロイドミルに通し仕上げ乳化を施し
た後、300ml容量のチューブに充填・密封した。
【0020】得られた気泡入り水中油型乳化調味料は、
窒素を噴入せずに製造したものに比べ軽い食感を有し、
また室温保存2ヶ月後も製造直後の軽い食感、さらには
食味を維持していた。なお、製品中の卵黄リポ蛋白質
(その内30重量%は卵黄リゾホスホリポ蛋白質)は5
重量%であり、卵白蛋白質は0.45重量%である。ま
た全体の粘度は約25万mPa・s、pHは4.0であ
り、比重は脱気しながら製造したものに対し92%であ
った。
【0021】[実施例2]清水に化工澱粉(アルファー
化化工澱粉:Oji-National COMPANY,LTD.製、商品名「イ
ンスタントクリアーシ゛ェル」)3.0kg、キサンタンガム0.2
kg及びタマリンド種子ガム0.1kgを溶解させた水
溶液28.7kg、卵黄リポ蛋白質の約30重量%が卵
黄リゾホスホリポ蛋白質である卵黄液10kg、生卵白
7.0kg、食酢(酸度13重量%)6.1kg、上白
糖4.7kg、食塩3.0kg及びグルタミン酸ナトリ
ウム0.5kgを順次ミキサー内に投入しながら、窒素
(純度99容量%以上)を溶液内に噴入すると共に攪拌
して、含泡させると共に均一とした。その後、窒素の噴
入は続けながらサラダ油40kgを徐々に添加し、含泡
させながら粗乳化させた。次にこの気泡入りの粗乳化物
を直ちにコロイドミルに通し仕上げ乳化を施した後、3
00ml容量のチューブに充填・密封した。
【0022】得られた気泡入り水中油型乳化調味料は、
窒素を噴入せずに製造したものに比べ軽い食感を有し、
また室温保存2ヶ月後も調整直後の軽い食感、さらには
食味を維持していた。なお、製品中の卵黄リポ蛋白質
(その内30重量%は卵黄リゾホスホリポ蛋白質)は5
重量%であり、卵白蛋白質は0.7重量%である。また
全体の粘度は約24万mPa・s、pHは4.1であ
り、比重は脱気しながら製造したものに対し91%であ
った。
【0023】
【試験例】[試験例1]含泡させる気体の種類による食
味の経時的変化を調べるため、実施例1において窒素に
換えて炭酸ガスを用いたもの(比較品No.1)と空気
を用いたものを(比較品No.2)製造し、これと実施
例1で得られたもの(発明品No.1)とを比較した。
なお、試験は室温で2ヶ月間保存し、これと新たに製造
したものを製造直後品として両者を試食し評価した。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、含泡させる気体の種類として窒
素を用いなければ長期間放置した場合、製造直後の食味
を維持できないことが理解される。なお、各気体を噴入
せず脱気しながら製造したものと比較し各気体を噴入し
た製造直後品は軽い食感を有し、また室温保存2ヶ月後
も調整直後の軽い食感を維持していた。
【0026】[試験例2]卵黄リポ蛋白質を用いた場合
とそうでない場合との食感の経時的変化を調べるため、
実施例1において実施例1で用いた卵黄リポ蛋白質の代
わりにこの卵黄リポ蛋白質中に存在するほぼ同量の卵黄
リン脂質[キユーピー(株)製、商品名「卵黄レシチン
PL-100H」]及び卵黄リゾリン脂質[キユーピー(株)
製、商品名「卵黄レシチンLC-100」]を用い、不足分は
清水を加配したもの(比較品No.3)を製造し、これ
と実施例1で得られたもの(発明品No.1)とを比較
した。なお、試験は試験例1と同様に室温で2ヶ月間保
存し、これと新たに製造したものを製造直後品として両
者を試食し評価した。また窒素を噴入せず脱気しながら
製造したものを陰性対照とした。
【0027】
【表2】
【0028】註1)表中の記号 ◎:保存後も保存前の軽い食感あるいはやや軽い食感を
維持しているもの ○:保存前の軽い食感あるいはやや軽い食感が保存後若
干変化しているものの問題のない程度であるもの △:保存前は軽い食感であるが、保存後やや軽い食感と
変化したもの ×:保存前あるいは保存後において陰性対照と同程度の
食感を有するもの
【0029】表2より、卵黄リポ蛋白質を配合しなけれ
ば長期間放置した場合、製造直後の軽い食感を維持でき
ないことが理解される。なお、いずれの保存品とも製造
直後の食味は維持されていた。
【0030】[試験例3]pH3.0〜5.0の範囲で
酸変性を起こす卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質を用いた場
合とそうでない場合との食感の経時的変化を調べるた
め、実施例1において実施例1で用いた生卵白の代わり
にこの生卵白中の卵白蛋白質とほぼ同量の乳清蛋白質を
用い、不足分は清水を加配したもの(比較品No.4)
を製造し、これと実施例1で得られたもの(発明品N
o.1)とを比較した。なお、試験は試験例1と同様に
室温で2ヶ月間保存し、これと新たに製造したものを製
造直後品として両者を試食し評価した。また窒素を噴入
せず脱気しながら製造したものを陰性対照とした。表中
の記号は試験例2と同じである。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、酸変性蛋白質を配合しなければ
長期間放置した場合、製造直後の軽い食感を維持できな
いことが理解される。なお、いずれの保存品とも製造直
後の食味は維持されていた。
【0033】[試験例4]仕上がりの粘度による食感の
経時的変化を調べるため、実施例1において製造の際使
用したコロイドミルの回転数やクリアランスを変えて表
4に示す粘度としたもの(比較品No.5、発明品N
o.2〜5)、また高粘度のものはさらに化工澱粉(商
品名「インスタントクリアーシ゛ェル」)を粗乳化段階で添加し表4に
示す粘度としたもの(発明品No.6〜7、比較品N
o.6)をそれぞれ製造し評価した。なお、試験は試験
例1と同様に室温で2ヶ月間保存し、これと新たに製造
したものを製造直後品として両者を試食し評価した。ま
た窒素を噴入せず脱気しながら製造したものを陰性対照
とした。表中の記号は試験例2と同じである。
【0034】
【表4】
【0035】表4より、仕上がりの粘度を10万mPa
・s以上としなければ長期間放置した場合、製造直後の
軽い食感を維持できないことが理解される。なお、いず
れの保存品とも製造直後の食味は維持されていたが、比
較品No.6は粘度が高すぎて水中油型乳化調味料とし
ては好ましくなかった。
【0036】[試験例5]仕上がりのpHによる食感の
経時的変化を調べるため、実施例1において食酢の添加
量を変えて表5に示すpHとしたものをそれぞれ製造し
評価した。なお、試験は試験例1と同様に室温で2ヶ月
間保存し、これと新たに製造したものを製造直後品とし
て両者を試食し評価した。また窒素を噴入せず脱気しな
がら製造したものを陰性対照とした。表中の記号は試験
例2と同じである。
【0037】
【表5】
【0038】表5より、仕上がりのpHを5.0以下と
しなければ長期間放置した場合、製造直後の軽い食感を
維持できないことが理解される。なお、いずれの保存品
とも製造直後の食味は維持されていたが、比較品No.
8は食味がすっぱすぎて好ましくなかった。
【0039】[試験例6]比重の違いによる食感の経時
的変化を調べるため、実施例1において粗乳化段階での
ミキサーの回転数や攪拌時間を変えて表6に示す(窒素
を噴入せず脱気しながら製造したものに対する比重の割
合)ものをそれぞれ製造し評価した。なお、試験は試験
例1と同様に室温で2ヶ月間保存し、これと新たに製造
したものを製造直後品として両者を試食し評価した。ま
た窒素を噴入せず脱気しながら製造したものを陰性対照
とした。表中の記号は試験例2と同じである。
【0040】
【表6】
【0041】表6より、脱気品に対する比重の割合が8
0〜98%の範囲としなければ長期間放置した場合、製
造直後の軽い食感を維持できないこと、特に85〜96
%が製造直後の軽い食感の維持としては好ましいことが
理解される。なお、いずれの保存品とも製造直後の食味
は維持されていた。
【0042】[試験例7]卵黄リポ蛋白質の配合量によ
る食感の経時的変化を調べるため、実施例1において卵
黄液の配合量を変えて(過不足分は清水で調整)表7に
示す卵黄リポ蛋白質の配合量のものをそれぞれ製造し評
価した。なお、試験は試験例1と同様に室温で2ヶ月間
保存し、これと新たに製造したものを製造直後品として
両者を試食し評価した。また窒素を噴入せず脱気しなが
ら製造したものを陰性対照とした。表中の記号は試験例
2と同じである。
【0043】
【表7】
【0044】表7より、卵黄リポ蛋白質の配合量を1.
5〜7.5重量%の範囲としたものが長期間放置しても
製造直後の軽い食感をより維持することができ好ましい
ことが理解される。なお、いずれの保存品とも製造直後
の食味は維持されていた。
【0045】[試験例8]pH3.0〜5.0の範囲で
酸変性を起こす卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質の配合量に
よる食感の経時的変化を調べるため、実施例1において
生卵白の配合量を変えて(過不足分は清水で調整)表8
に示す卵白蛋白質の配合量のものをそれぞれ製造し評価
した。なお、試験は試験例1と同様に室温で2ヶ月間保
存し、これと新たに製造したものを製造直後品として両
者を試食し評価した。また窒素を噴入せず脱気しながら
製造したものを陰性対照とした。表中の記号は試験例2
と同じである。
【0046】
【表8】
【0047】表8より、蛋白蛋白質の配合量を0.2〜
0.8重量%の範囲としたものが長期間放置しても製造
直後の軽い食感をより維持することができ好ましいこと
が理解される。なお、いずれの保存品とも製造直後の食
味は維持されていた。
【0048】[試験例9]卵黄リポ蛋白質中における卵
黄リゾホスホリポ蛋白質の割合による食感の経時的変化
を調べるため、実施例1においてホスホリパーゼAの処
理条件を変えて表9に示す卵黄リゾホスホリポ蛋白質の
割合の卵黄液を用いたものをそれぞれ製造し評価した。
なお、試験は試験例1と同様に室温で2ヶ月間保存し、
これと新たに製造したものを製造直後品として両者を試
食し評価した。また窒素を噴入せず脱気しながら製造し
たものを陰性対照とした。
【0049】
【表9】
【0050】註2)表中の記号 ◎ −1:保存後も保存前の軽い食感を維持しているも
の ◎−2:保存後も保存前のやや軽い食感を維持している
もの ○−1:保存前の軽い食感が保存後若干変化しているも
のの問題のない程度であるもの ○−2:保存前のやや軽い食感が保存後若干変化してい
るものの問題のない程度であるもの △:保存前は軽い食感であるが、保存後やや軽い食感と
変化したもの ×:保存前あるいは保存後において陰性対照と同程度の
食感を有するもの
【0051】表9より、卵黄リポ蛋白質の一部又は全部
が卵黄リゾホスホリポ蛋白質であるものを用いたほうが
長期間放置しても製造直後の軽い食感を維持することが
できることから好ましく、さらに卵黄リゾホスホリポ蛋
白質の割合が10重量%以上の卵黄リポ蛋白質を用いた
ほうが製造直後においてより軽い食感が得られ、また長
期間放置しても製造直後のより軽い食感を維持すること
できることからより好ましいことが理解される。なお、
いずれの保存品とも製造直後の食味は維持されていた。
【0052】以上述べたように、本発明の気泡入り水中
油型乳化調味料は、製造直後の軽い食感、さらには食味
が長期間維持されたものであるから、水中油型乳化調味
料の更なる需要の拡大が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−32722(JP,A) 特開 昭54−98370(JP,A) 特公 昭49−7221(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵黄リポ蛋白質、及びpH3.0〜5.
    0の範囲で酸変性を起こす前記卵黄リポ蛋白質以外の蛋
    白質が配合され、全体の粘度が10万〜100万mPa
    ・s、pHが3.0〜5.0、比重が脱気された水中油
    型乳化調味料に対し80〜98%であり、窒素を含泡さ
    せることを特徴とする気泡入り水中油型乳化調味料。
  2. 【請求項2】 製品に対し卵黄リポ蛋白質が1.5〜
    7.5重量%、pH3.0〜5.0の範囲で酸変性を起
    こす前記卵黄リポ蛋白質以外の蛋白質が0.2〜0.8
    重量%配合された請求項1記載の気泡入り水中油型乳化
    調味料。
  3. 【請求項3】 卵黄リポ蛋白質の一部又は全部が卵黄リ
    ゾホスホリポ蛋白質である請求項1乃至2記載の気泡入
    り水中油型乳化調味料。
  4. 【請求項4】 卵黄リポ蛋白質中における卵黄リゾホス
    ホリポ蛋白質の含有量が全卵黄リポ蛋白質に対し10重
    量%以上である請求項3記載の気泡入り水中油型乳化調
    味料。
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