JP6767169B2 - 起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents

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本発明は、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物及び、該起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を使用した酸性調味料に関する。
水相が酸性である水中油型乳化物、すなわち酸性水中油型乳化油脂組成物としては、マヨネーズ、ドレッシング、タルタルソース等の酸性調味料が最も親しまれている。
一方、起泡性を有する水中油型乳化物、すなわち起泡性水中油型乳化油脂組成物としては生クリームやホイップクリーム等のフィリングクリームが最も親しまれている。
しかし、この両方の特性をもつ、起泡性のあるマヨネーズ、或いは、水相が酸性のホイップクリームなどの、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物はほとんど見られない。
この理由は、マヨネーズなどの酸性調味料が液状油を使用しているために起泡性がないこともあるが、固形脂を使用して起泡性を持たせた場合であっても、調味料は塩分を多く含有するものであるため、この塩分が乳化を不安定化することから、このような高塩分の水中油型乳化物は乳化安定性が悪く、とくに起泡した状態の場合は特に不安定であること、また一方、水相が酸性のホイップクリームであると、酸は乳蛋白を不溶化させるため、乳化構造が破壊され、起泡前であっても分離してしまうことがあるためである。
このように、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は、食塩及び酸性の両方の要因による乳化破壊を生じるため、ほとんど今まで存在しなかったのである。
このような課題に対し、耐酸性の面からは以下のような起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物が提案されている。
例えば、タンパク質と酸乳安定用増粘多糖類とを予め酸性域で反応させ、結合させた後、中性域に中和した水中油型エマルション(特許文献1)、タンパクの等電点よりも1.1以下の範囲で低いpHを示し、タンパクとペクチンを含有する酸性飲食品(特許文献2)、大豆や卵黄由来のリン脂質をリゾ化したリゾ化レシチンを利用する方法(特許文献3,4)、乳由来のクリームを転相することで生じた水相成分をさらにリゾ化して得られるリゾ化組成物(特許文献5)が挙げられる。
しかし、引用文献1の水中油型エマルションでは製造工程が増えてしまい、操作が繁雑になるという問題があり、特許文献2の酸性飲食品では、タンパク質の等電点を基準としているため、等電点の離れた複数のタンパク質を含有する場合には乳化が不安定になる場合があった。特許文献3,4のようなリゾ化レシチンは、リゾ化に伴う苦味や異味・雑味が生じてしまい、適用できる用途が限られてしまうという課題があった。
また、特許文献5のリゾ化組成物は、特許文献3、4のリゾ化レシチンに比べれば風味は良好であるが、まだ若干の苦味を感じるため、調味料として使用する場合はその呈味が問題となるものであった。
特開2000−139344号公報 特開平10−014494号公報 特開2000−060481号公報 特開2010−166862号公報 特開2014−079204号公報
よって、本発明の目的は、酸性であり且つ食塩を多量に含有しているにもかかわらず、乳化安定性及び起泡性が良好である起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく種々検討した結果、乳由来の特定の成分をリゾ化処理することなく、酸性であり且つ高塩分の水中油型乳化物に含有させた場合、意外にも極めて乳化安定性に優れた酸性水中油型乳化油脂組成物が得られ、起泡性も良好であることを知見した。
すなわち、本発明は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として1〜15質量%、及び、食塩を1〜5質量%含有する起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を提供するものである。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は、酸性且つ食塩を多量に含有しているにもかかわらず、乳化安定性及び起泡性が良好である。
以下、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物について、好ましい実施形態に基づき、詳細に説明する。
まず、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物で使用される、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料について述べる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有することにより、リゾ化レシチンを使用せずとも乳化安定性が良好で、且つ、起泡性も良好である。なお、上記乳原料における乳由来の固形分中のリン脂質の含有量は、該固形分に対し、好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。
本明細書において、乳由来の固形分とは、無脂乳固形分(乳タンパクを主成分とする乳脂肪以外の固形分)と乳脂肪分との合計をいう。また、乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを示し、具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン等を示す。
上記の乳原料は、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳などの乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の乳原料としては、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例として、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分が挙げられる。
このクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクとは組成が大きく異なり、リン脂質を多量に含有しているという特徴がある。バターミルクは、その製法の違いによって大きく異なるが、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、通常、0.5〜1.5質量%程度であるのに対して、クリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が、大凡、2〜15質量%であり、多量のリン脂質を含有している。
本発明では、上記のような通常のクリームからバターを製造する際に生じるいわゆるバターミルクそのものを用いることはできないが、バターミルクを乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上となるように濃縮したものを用いることは可能である。
上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記の乳原料をさらに濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたものなどを用いることも可能である。しかしながら、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物においては、上記の乳原料を溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。
本発明で用いる上記の乳原料における乳由来の固形分中のリン脂質の含有量は、例えば以下の方法にて測定することができる。但し、抽出方法などについては、乳原料の形態などによって適正な方法が異なるため、以下の定量方法に限定されるものではない。
まず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳由来の固形分100g中のリン脂質の含有量(g/100g)を求め、それに100を乗ずることにより、乳由来の固形分中のリン脂質の該固形分に対する含有量(質量%)を算出する。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))〕×25.4×(0.1/1000)
また、本発明では、上記の乳原料は、製造中の乳化安定性を向上させる目的で、好ましくは、予めpHが3〜6、より好ましくはpH4〜6、更に好ましくは4.7〜5.8となるように酸処理を行ったものを使用する。上記の乳原料のpHは25℃で測定する。
上記酸処理は、上記の乳原料に酸を添加する方法であっても、また、上記の乳原料に乳酸醗酵などの醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは上記の乳原料に酸を添加する。上記の乳原料に添加する酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられ、果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルトなどの有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
また、本発明では、上記の乳原料に、乳化安定性を向上させる目的で、乳リン脂質1質量部あたり、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.02〜0.5質量部、更に好ましくは0.05〜0.3質量部のカルシウム塩を添加しても良い。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては、得られる起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の風味が良好である点で、塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。
また、本発明で用いる上記の乳原料は、乳化安定性を更に向上させることができる点、及び、呈味発現性をより高めることができる点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。特に上記酸処理やカルシウム塩添加を行なう場合は、その効果を高めるために均質化処理を行なうことが特に好ましい。均質化処理は1回でも良く、2回以上行っても良い。また、上記の乳原料の粘性が高いなどの場合は、加水により乳原料の粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。上記の乳原料の均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、バブル式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル、ディスパーミルなどがあげられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0〜100MPaである。2段式ホモゲナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行っても良い。
さらに本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行っても良い。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120〜150℃であり、処理時間は好ましくは1〜6秒である。
このようにして得られる、本発明で用いる乳原料や乳原料加工品は、液状、ペースト状、粉末状、固形状などの状態のものとすることができ、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物ではいずれの状態のものでも使用できる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における上記乳原料の配合割合は、固形分として1〜15質量%の範囲から適宜選択可能であるが、呈味の発現性の点で、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
ここで、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における上記乳原料の配合割合が1質量%未満であると、本発明の効果が得られず、15質量%超であると呈味の発現性が悪化するおそれがある。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は食塩を1〜5質量%、好ましくは2〜5質量%、より好ましくは2.5〜4.5質量%含有する。
ここで、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における食塩含量が1質量%未満であると、呈味の発現性が悪く、得られる調味料が味気ない物足りない風味となってしまう。また、5質量%超であると塩味が強すぎ、調味料として不適当なものとなってしまう。
上記食塩としては、精製された塩化ナトリウムをはじめ、海塩、岩塩、湖塩、天日塩、焼塩、藻塩、フレーク塩、低ナトリウム塩などの塩化ナトリウムを主成分とする食塩類が挙げられる。
次に、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物に使用する油脂について述べる。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なかでも、本発明では、油脂の一部又は全部、好ましくは油脂の10〜65質量%、より好ましくは10〜33質量%がランダムエステル交換油脂であることが好ましい。
上記ランダムエステル交換油脂は、油脂配合物をランダムエステル交換(非選択的エステル交換)して得られる油脂である。該油脂配合物に使用することのできる油脂としては、上記油脂と同様の油脂を使用可能であるが、なかでも本発明では、上記油脂配合物が、極度硬化油脂を1〜40質量%含有し、脂肪酸組成において炭素数6〜14の脂肪酸含量が20〜80質量%であることが、起泡性が良好な点、特にシマリを防止可能な点で特に好ましい。
上記極度硬化油脂の原料油脂としては、上記油脂と同様の油脂を使用可能であるが、なかでも、パーム油、パーム分別軟部油、パーム分別中部油、パーム分別硬部油等のパーム系油脂を使用することが好ましい。すなわち、上記極度硬化油脂として、パーム極度硬化油脂を使用することが好ましい。
上記油脂配合物中の上記極度硬化油脂の含有量は、1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜35質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。油脂配合物中の極度硬化油脂の含有量が1質量%未満であると、シマリ現象が発生しやすく、40質量%を超えると、口溶けが悪くなってしまう。
また、上記油脂配合物の構成脂肪酸組成において、炭素数6〜14の脂肪酸の含有量は、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。油脂配合物の構成脂肪酸組成における炭素数6〜14の脂肪酸の含有量が20質量%未満であると、口溶けが悪くなってしまい、80質量%を越えると、シマリ現象が発生しやすいという問題がある。
上記油脂配合物に含まれる、極度硬化油脂以外の油脂としては、パーム核油、ヤシ油、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂等の、炭素数6〜14の脂肪酸を多く含む油脂を使用することが好ましい。
上記ランダムエステル交換の反応は、化学的触媒による方法でも、位置選択性のない酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における油脂の含有量は、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは10〜60質量%、最も好ましくは20〜55質量%である。本発明において、油脂の含有量が20質量%よりも少ないと調味料としてのコク味が感じられなくなり、80質量%よりも多いと水相成分の呈味を感じられなくなりやすい。
なお、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物に、油脂を含有する原材料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの原材料に含まれる油脂分も含めるものとする。
次に本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物で使用される水について述べる。
上記水としては特に限定されず、通常の水道水、ミネラルウォーター、イオン交換処理水、蒸留水等の何れであってもよい。これらの水は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における水の含量は下記のその他の成分に含まれる水分をあわせた合計量として、15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは20〜55質量%である。
水の含量が15質量%未満であると呈味を感じにくくなり、また70質量%超であると喫食時に感じるジューシー感やコク味が不足する恐れがある。
なお、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物に、水を含有する原材料を使用した場合は、上記水の含有量には、それらの原材料に含まれる水分も含めるものとする。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は、水相のpHが少なくとも酸性であることが必要であり、好ましくはpH2〜6、より好ましくはpH4〜6、より好ましくは4.2〜5.8である。本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物においては、酸味料を用いて起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の製造に用いる水相のpHを調整することにより、起泡性水中油型乳化油脂組成物のpHを酸性とすることができる。上記の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物のpHは25℃で測定する。
上記のpHの調整に用いる酸味料としては、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸をはじめ、食酢、果汁、ジャム、コーヒー及びコーヒー製品、カカオ及びカカオ製品、発酵乳、チーズ等の酸味を有する飲食品や食品素材が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物においては、最適な酸味強度を得る上で、上記水及び酸味料を使用して、水相のpHを酸性、好ましくはpH2〜6、より好ましくはpH4.0〜6.0、より好ましくは4.2〜5.8とする。なお、上記酸味料の使用量については、使用する酸味料の種類等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の水相中の1〜30質量%となる量である。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は、乳化安定性の向上のため及び調味料としての好ましい甘味度付与のため、糖類を2〜40質量%、より好ましくは3〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%含有することが好ましい。
上記糖類としては、特に限定されないが、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ、スクラロースなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲において、上記乳原料、食塩、油脂、水、酸味料、糖類以外のその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル等の乳化剤、牛乳、脱脂乳、乳清ミネラル、脱脂粉乳、WPC、ホエーパウダー等の乳や乳製品、全卵、卵黄、卵白、乾燥卵黄、乾燥卵白などの卵や卵製品、大豆たんぱく質、小麦たんぱく質、卵たんぱく質、乳たんぱく質等のたんぱく質、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等の増粘安定剤、リン酸塩、クエン酸塩などの安定剤、塩化カリウム等の塩味剤、苦味剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、ステビア、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料、調味料、アミノ酸、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、穀類、デキストリン類、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果実、酸味のない果汁、ナッツペースト、香辛料、紅茶、緑茶、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材等が挙げられる。
次に、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の製造方法について説明する。
まず、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水及び、糖類等のその他の物質を含む水相を調製する。水相における乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の含有量は、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における該乳原料の含有量が1〜15質量%となる量であり、食塩の含有量は、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物における該食塩の含有量が1〜5質量%となる量である。また、油脂その他の物質を含む油相を調製する。そして該水相と該油相とを混合乳化し、水中油型に乳化することによって、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を得ることができる。乳化方法については特に制限はなく、当該技術分野における公知の方法を採用すればよい。
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を、必要により、バルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により、圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。また、必要によりインジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌もしくは加熱殺菌処理を施してもよく、或いは直火等の加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
次に、本発明の酸性調味料について説明する。
本発明の酸性調味料は、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の起泡物であり、比重が0.3〜0.8の酸性調味料である。
具体的には、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡してそのまま酸性調味料として使用することができる。本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物は食塩を1〜5質量%も含有するため、起泡した起泡物をそのままホイップ済マヨネーズ、ホイップ済ドレッシング、ホイップ済タルタルソースなどの起泡済の酸性調味料として好適に使用することができる。
また、本発明の酸性調味料は調味成分を含んでいてもよい。その場合、調味成分を、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の構成成分として、予め起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物に配合してもよいが、風味バラエティーが容易に得られる点で、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡する前に起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物と調味成分とを混合するか、又は、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡し得られた起泡物と調味成分とを混合することが好ましく、一定の比重の起泡済の酸性調味料が安定して得られる点及び風味発現性が良好である点で、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡し得られた起泡物と調味成分とを混合することがより好ましい。すなわち、本発明の酸性調味料は、調味成分を含む場合、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の起泡物及び調味成分の混合物であり、比重が0.3〜0.8の酸性調味料であることが好ましい。
ここで、前記混合物における起泡物と調味成分との混合比は、起泡物100質量部に対し、調味成分が好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下であることが一定の比重の起泡済の酸性調味料が安定して得られる点で好ましく、また、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。また、起泡前の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物と調味成分との混合比は、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物100質量部に対し、調味成分が好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下であることが一定の比重の起泡済の酸性調味料が安定して得られる点で好ましく、また、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。
上述した通り、本発明の酸性調味料は、比重が0.3〜0.8であり、好ましくは0.4〜0.6である。酸性調味料の比重が0.3未満であると、軽すぎてボディー感がなく、保形性が乏しくなり、また、調味料の風味が感じられにくくなってしまい、0.8超であると、軽い食感や良好な口溶けが感じられにくいものとなる。酸性調味料の比重は、比重瓶や計量カップ等の容器に酸性調味料を充填し、下記の式により求めることができる

比重=[(容器+酸性調味料)質量(g)−容器質量(g)]/容器の容量(ml)
なお、上記起泡する前または起泡後に混合する調味成分としては、特に限定されないが、例えばアサフェティダ、アジョワン、アニス、オールスパイス、オニオン、オレガノ、カホクザンショウ、カルダモン、カレーリーフ、キャラウェイ、クミン、グリーンペッパー、クローブ、胡椒、コリアンダー、サフラン、山椒、紫蘇、肉桂、生姜、八角、セージ、タイム、ターメリック、タラゴン、ディル、唐辛子、一味唐辛子、ナツメグ、大蒜、バニラ、ハラペーニョ、パプリカ、フェヌグリーク、フェンネル、ホースラディッシュ、ミント、辛子、ミョウガ、ローズマリー、ローリエ、わさび等の香辛料や、砂糖、黒砂糖、塩、酢、醤油、魚醤、味噌、豆板醤、XO醤、芝麻醤、豆栗醤、甜面醤、コチュジャン、みりん、ウスターソース、中濃ソース、とんかつソース、ケチャップ、オイスターソース、サルサ、サンバルソース、バジルソース、アンチョビペースト、チリソース、オニオンペースト、チャツネ、マスタード、マヨネーズ、ラー油、ハーブ、カレー粉、卵、卵黄、果汁等が挙げられる。
本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡する方法としては、特に制限がなく、当該技術分野で公知の方法を採用することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの製造例及び実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<エステル交換油脂Aの製造>
パーム極度硬化油55質量部とパーム核油45質量部を混合した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として添加し、非選択的エステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Aを得た。
<起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の製造>
パーム核油15質量部、パーム核分別硬部油15質量部、上記エステル交換油脂A7質量部、レシチン0.05質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.05質量部を混合し、65℃に加温溶解し、油相とした。一方、牛乳(pHは6.6)を原料としたクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分29質量%、乳由来の固形分中のリン脂質含量9.8質量%)をホモゲナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行ったもの10質量部、上白糖10質量部、食塩2.6質量部、WPC(ホエイタンパク質濃縮物、タンパク質含量80%)0.4質量部、キサンタンガム0.1質量部、グアーガム0.001質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.3質量部、食酢0.6質量部、水38.899質量部を混合し、65℃に加温溶解し、pHが4.7の水相を得た。上記油相と上記水相を混合、乳化して、予備乳化物を調製し、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、pHが4.7である本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Aを得た。
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Aは、下記の評価基準に従って乳化安定性及び起泡性の評価を行ない、結果を表1に記載した。
[実施例2]
実施例1で使用した「クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分29質量%)」を、下記の酸処理物に変更した以外は実施例1と同じ配合及び製法で、本発明の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Bを得た。
<酸処理物の製造>
実施例1で用いたクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分29質量%)100質量部にフィチン酸0.43質量部を添加し、該水相成分の濃縮物のpHを5.2に調整した。
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Bは、下記の評価基準に従って乳化安定性及び起泡性の評価を行ない、結果を表1に記載した。
[比較例1]
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形分29質量%)の均質化・UHT加熱処理品を無添加とし、水の配合量を38.899質量部から48.899質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、比較例の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Cを得た。
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Cは、下記の評価基準に従って乳化安定性及び起泡性の評価を行ない、結果を表1に記載した。
[比較例2]
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(固形29質量%)の均質化・UHT加熱処理品10質量部を、同量の20%加糖卵黄に変更した以外は、実施例1の配合及び製法と同様にして、比較例の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Dを得た。
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Dは、下記の評価基準に従って乳化安定性、及び、起泡性の評価を行ない、結果を表1に記載した。
[評価方法]
・乳化安定性(ボテ)の評価
得られた起泡性酸性水中油型乳化物を20℃で1時間調温した後、振動器を用い100回/37秒で水平方向に振動させた。起泡性酸性水中油型乳化物が流動性を失うまでの振動回数が10000回以上のものを◎、5000回以上〜10000回未満のものを○、5000回未満のものを×とした。
・乳化安定性(経日安定性)の評価
得られた起泡性酸性水中油型乳化物を5℃条件下で長期間保存し、10日、30日、60日経過時の離漿量について、下記基準で評価した。
−…全く離漿が見られない
±…わずかに離漿が確認できる
+…はっきりと離漿が見られる
++…激しい離漿が見られる
・起泡性の評価
得られた起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速30秒、中速30秒撹拌した後、高速で最適起泡状態に達するまで起泡させ、その最適起泡状態に達するまでの時間を測定した。
Figure 0006767169
<酸性調味料の製造>
[実施例3]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Aをミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.44の滑らかなクリーム状であるプレーン風味のホイップドレッシングAを得た。得られたホイップドレッシングAは口溶けに優れ、さわやかで良好な酸味を有していた。
[実施例4]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Bをミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.44の滑らかなクリーム状であるプレーン風味のホイップドレッシングBを得た。得られたホイップドレッシングBは口溶けに優れ、さわやかで良好な酸味を有していた。
[比較例3]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Cをミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、比較例の酸性調味料である、比重0.48のごわついたやや分離気味のクリーム状であるプレーン風味のホイップドレッシングCを得た。得られたホイップドレッシングCは口溶けが悪く、鋭いやや不良な酸味を有していた。
[比較例4]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物Dをミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、比較例の酸性調味料である、比重0.42のややごわついた感じのクリーム状であるプレーン風味のホイップドレッシングDを得た。得られたホイップドレッシングDは口溶けはよいが、ややくぐもった不良な酸味を有していた。
<調味成分含有酸性調味料の製造>
[実施例5−A]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物A100質量部、柚子果汁5質量部、及び、柚子一味2質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.44の滑らかなクリーム状である柚子風味のホイップドレッシングE−1を得た。得られたホイップドレッシングE−1は口溶けに優れ、さわやかで良好な柚子風味と酸味を有していた。
[実施例5−B]
上記ホイップドレッシングA100質量部、柚子果汁5質量部、及び、柚子一味2質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状である柚子風味のホイップドレッシングE−2を得た。得られたホイップドレッシングE−2は口溶けに優れ、さわやかで良好な柚子風味と酸味を有していることに加え、風味発現性がホイップドレッシングE−1よりも良好であった。
[実施例6]
上記ホイップドレッシングA100質量部、粉末わさび7質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状であるわさび風味のホイップドレッシングFを得た。得られたホイップドレッシングFは口溶けに優れ、さわやかで良好なわさび風味と酸味を有していた。
[実施例7−1]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物A100質量部、バジルソース7質量部、及び、レモン果汁1質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.44の滑らかなクリーム状であるジェノベーゼ風味のホイップドレッシングG−1を得た。得られたホイップドレッシングG−1は口溶けに優れ、さわやかで良好なジェノベーゼ風味と酸味を有していた。
[実施例7−2]
上記ホイップドレッシングA100質量部、バジルソース7質量部、及び、レモン果汁1質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状であるジェノベーゼ風味のホイップドレッシングG−2を得た。得られたホイップドレッシングG−2は口溶けに優れ、さわやかで良好なジェノベーゼ風味と酸味を有していることに加え、風味発現性がホイップドレッシングG−1よりも良好であった。
[実施例8]
上記ホイップドレッシングA100質量部、卵黄5質量部、リンゴ酢3質量部、マスタード0.2室慮部、及び、胡椒0.1質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状であるマヨネーズ風味のホイップドレッシングHを得た。得られたホイップドレッシングHは口溶けに優れ、さわやかで良好なマヨネーズ風味を有していた。
[実施例9−1]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物A100質量部、醤油5質量部、及び味醂2質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状である醤油風味のホイップドレッシングI−1を得た。得られたホイップドレッシングI−1は口溶けに優れ、さわやかで良好な醤油風味と酸味を有していた。
[実施例9−2]
上記ホイップドレッシングA100質量部、醤油5質量部、及び味醂2質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状である醤油風味のホイップドレッシングI−2を得た。得られたホイップドレッシングI−2は口溶けに優れ、さわやかで良好な醤油風味と酸味を有していることに加え、風味発現性がホイップドレッシングI−1よりも良好であった。
[実施例10−1]
上記起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物A100質量部、オニオンペースト10質量部、及び、胡椒0.1質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、本発明の酸性調味料である、比重0.44の滑らかなクリーム状であるオニオン風味のホイップドレッシングJ−1を得た。得られたホイップドレッシングJ−1は口溶けに優れ、さわやかで良好なオニオン風味と酸味を有していた。
[実施例10−2]
上記ホイップドレッシングA100質量部、オニオンペースト10質量部、及び、胡椒0.1質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して低速1分混合し、本発明の酸性調味料である、比重0.45の滑らかなクリーム状であるオニオン風味のホイップドレッシングJ−2を得た。得られたホイップドレッシングJ−2は口溶けに優れ、さわやかで良好なオニオン風味と酸味を有していることに加え、風味発現性がホイップドレッシングJ−1よりも良好であった。

Claims (6)

  1. 乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上であり且つリゾ化処理されていない乳原料を固形分として1〜15質量%、及び、食塩を1〜5質量%含有し、
    比重が0.4〜0.6である起泡物の製造に用いられる、起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物。
  2. 糖類を2〜40質量%含有する請求項1記載の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物。
  3. 更に油脂を含有し、
    前記油脂の10〜65質量%がランダムエステル交換油脂である、請求項1又は2に記載の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の起泡物であり、比重が0.4〜0.6である酸性調味料。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物の起泡物及び調味成分の混合物であり、比重が0.4〜0.6である酸性調味料。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の起泡性酸性水中油型乳化油脂組成物を起泡する前、又は起泡後に、調味成分と混合することを特徴とする、比重が0.4〜0.6である酸性調味料の製造方法。
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