JP2006152948A - 可変ノズルターボチャージャの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気化の不十分な燃料や低温のタービンハウジング表面で凝集した燃料が排気とともにリンク室内に入り込むのを抑制する。
【解決手段】可変ノズルターボチャージャ16は、タービンホイール27の周りにタービン渦室44を有するタービンハウジング39と、タービンホイール27を取り囲んだ状態でタービン渦室44の内周部44Aに配置され、かつ同内周部44Aに面して設けられたノズルリング47に支持された複数のノズルベーン49と、ノズルリング47を挟んで内周部44Aとは反対側のリンク室52内に設けられ、かつアクチュエータ61により駆動されるリンク機構51とを備える。電子制御装置は、エンジンの運転状態に応じてアクチュエータ61を制御することにより、リンク機構51を介して各ノズルベーン49のノズル開度を調整するとともに、排気浄化用の燃料噴射に応じ上記ノズル開度を強制的に開き側に変更する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、タービンホイールに吹付けられる排気の経路に可変ノズルを備え、その可変ノズルの開度を変更して排気の流速を調整するようにした可変ノズルターボチャージャの制御装置に関するものである。
一般に、車両に搭載されたエンジンの出力を向上させるためには、燃焼室に充填される空気の量を増やすことが望ましい。そこで、ピストンの移動に伴って燃焼室内に発生する負圧を利用して空気を燃焼室に充填するだけでなく、その空気を強制的に燃焼室に送り込んで、燃焼室への空気の充填効率を高めるようにした過給機が種々実用化されている。この過給機の一形態として、可変ノズル機構を有する可変ノズルターボチャージャがある(例えば特許文献1参照)。
このタイプのターボチャージャでは、タービンハウジング内にタービンホイールが設けられ、またコンプレッサハウジング内にコンプレッサホイールが設けられ、これらのタービンホイール及びコンプレッサホイールは、センタハウジングに支持されたロータシャフトによって一体回転可能に連結されている。
そして、排気通路を流れる排気は、タービンハウジング内に流入すると、タービンホイールの周りのタービン渦室を通った後、タービンホイールに吹付けられる。この排気の吹付けによりタービンホイールが回転すると、その回転はロータシャフトを介してコンプレッサホイールに伝達される。こうしてコンプレッサホイールが回転することにより、吸気通路を流れる空気がコンプレッサハウジングを通過する過程で圧縮される。この圧縮により、空気の圧力(過給圧)が高められ、その結果、空気が強制的に燃焼室に送り込まれる。
また、可変ノズル機構は、タービン渦室の内周部において、タービンホイールの周りに略等角度毎に配置された複数の可変ノズルを備える。これらの可変ノズルは、タービン渦室の内周部に面して設けられたノズルリングに対し、軸により回動可能に支持されている。そして、各可変ノズルが軸を中心に回動することにより、隣合う可変ノズル間の間隙が変化し、同間隙を通ってタービンホイールに吹付けられる排気の流速が調整される。
さらに、可変ノズル機構は、上記複数の可変ノズルを一斉に回動させるためのリンク機構を、ノズルリングを挟んでタービン渦室の内周部とは反対側のリンク室内に備える。リンク機構は、ノズルリングと同軸上に回動可能に配置されたユニゾンリングを備え、このユニゾンリングと各可変ノズルとが、可変ノズル毎のノズルアームによって連結されている。そして、アクチュエータによってユニゾンリングが回動させられると、その回動が各ノズルアームを介して可変ノズルに伝達され、全ての可変ノズルが軸を中心に同期して同一方向へ回動させられる。
こうした可変ノズルターボチャージャでは、可変ノズルの実際の開度が、エンジンの運転状態に応じた目標開度に近づくようにアクチュエータが駆動制御される。
特開2002−115554号公報(第2−3頁)
ところが、前記可変ノズルターボチャージャを、燃焼室内での燃焼に供される燃料の噴射とは別に、排気浄化用の燃料を噴射するようにしたディーゼルエンジンに適用した場合には、次に示す問題が生ずる。ここで、排気浄化用の燃料噴射としては、燃料噴射弁において、燃焼室内での燃焼に供される燃料の噴射がなされた後の膨張行程中や排気行程中に行われる噴射(アフター噴射、ポスト噴射等と呼ばれる噴射)が挙げられる。また、上記燃料噴射弁とは別に排気通路に設けられた排気燃料添加弁によって行われる燃料の噴射(添加)も挙げられる。
可変ノズルターボチャージャでは、タービンハウジングとノズルリングとの間に少なからず隙間が存在する。そのため、上記タービン渦室内の排気の圧力が高いと、その排気の一部は、タービン渦室からタービンホイールに向う途中で上記隙間を通ってリンク室内に流入する。また、排気浄化のために噴射された燃料は、排気温度が低いと十分気化しなかったり、低温のタービンハウジングの表面で凝集したりする。こうした気化の不十分な燃料や凝集した燃料は、上記排気に乗ってタービン渦室から上記隙間を通りリンク室に入り込むと、リンク室の壁面やリンク機構の各部に付着する。リンク室は温度が低いため、リンク機構に付着した上記燃料は気化せず、しばらくは液状のまま残りやすい。そして、排気中に含まれる粒子状物質(PM)等からなるスーツが、リンク機構において燃料で濡れた箇所に付着・堆積すると、ユニゾンリング等、リンク機構の可動部の摺動抵抗が増加し、ノズル開度の制御精度の悪化を招くおそれがある。
特に、上記特許文献1を含めて、可変ノズルターボチャージャを搭載した一般的なディーゼルエンジンでは、低負荷時にノズル開度を閉じ側に制御し、隣合う可変ノズル間の間隙を狭め、その間隙を通過する排気の流速を高めるようにしている。そのため、上記制御により、タービン渦室内の排気の圧力が高くなる。加えて、低負荷時には排気の温度が低く、燃料の気化が不十分となりやすい。また、排気の温度が低いことから、これに接するタービンハウジングの温度も低く、排気浄化のために噴射された燃料がタービンハウジングの表面で凝集しやすい。従って、低負荷時には、スーツの堆積、及びそれに起因する上記不具合が起りやすい。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、気化の不十分な燃料や低温のタービンハウジング表面で凝集した燃料が排気とともにリンク室内に入り込むのを抑制することのできる可変ノズルターボチャージャの制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、排気を浄化するための燃料を噴射するディーゼルエンジンに用いられるものであり、タービンホイールの周りにタービン渦室を有するタービンハウジングと、前記タービンホイールを取り囲んだ状態で前記タービン渦室の内周部に配置され、かつ同内周部に面して設けられたノズルリングにそれぞれ支持された複数の可変ノズルと、前記ノズルリングを挟んで前記タービン渦室の前記内周部とは反対側のリンク室内に設けられ、かつアクチュエータにより駆動されるリンク機構と、前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて前記アクチュエータを制御することにより、前記リンク機構を介して前記各可変ノズルのノズル開度を調整するノズル開度制御手段とを備える可変ノズルターボチャージャの制御装置であって、前記排気を浄化するための燃料噴射に応じ、前記ノズル開度制御手段によるノズル開度を強制的に開き側に変更するノズル開度変更手段をさらに備えるとする。
上記の構成によれば、ノズル開度制御手段により、ディーゼルエンジンの運転状態に応じてアクチュエータが制御されると、そのアクチュエータによりリンク機構が駆動されて、ノズルリングに支持された複数の可変ノズルの開度(ノズル開度)が調整される。この調整に応じて隣合う可変ノズル間の間隙が変化し、同間隙を通ってタービンホイールに吹付けられる排気の流速が変化する。
上記アクチュエータの制御中、排気浄化のために燃料が噴射されると、その噴射に応じノズル開度変更手段では、上記ノズル開度制御手段によるノズル開度が強制的に開き側に変更される。この変更に伴いタービン渦室内の排気の圧力が低下し、タービン渦室を通過する過程でタービンハウジングとノズルリングとの間の隙間を通ってリンク室内に流入する排気が少なくなる。また、排気浄化のために噴射されたが、排気温度が低いために気化が十分でなかったり、低温のタービンハウジングの表面で凝集したりした燃料(以下、液状燃料という)が排気に乗ってタービンハウジング内を移動しても、上記隙間を通ってリンク室へ入り込みにくくなって、リンク機構に付着する液状燃料が少なくなる。その結果、リンク機構に堆積する排気中のスーツが減少し、可動部の摺動抵抗の増加が抑制され、もってノズル開度制御手段によるノズル開度の制御精度が向上する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記ノズル開度変更手段による変更後のノズル開度は、前記ディーゼルエンジンの負荷が低いときには、同負荷の高いときよりも開き側の値にされるとする。
ここで、ディーゼルエンジンの負荷(以下、エンジン負荷という)が低いときには排気の温度が低いことから、排気浄化のために噴射された燃料が気化しにくい。また、排気に接するタービンハウジングの温度が低く、上記燃料がタービンハウジングの表面で凝集(液化)しやすい。そのため、仮にタービン渦室内の排気の圧力が高いと、排気に乗ってリンク室内に入り込む液状燃料が多い。一方、エンジン負荷が高いときには排気の温度が高いことから、タービン渦室内における液状燃料自体が少なく、これに伴い、排気に乗ってリンク室内に入り込む液状燃料も少ない。
また、エンジン負荷の低いときには、可変ノズルターボチャージャによる出力向上効果はさほど要求されないが、エンジン負荷が高くなるに従いこの効果がより要求される。
この点、請求項2に記載の発明では、エンジン負荷の低いときには、高いときよりもノズル開度が開き側に変更される。エンジン負荷の低いときには、高いときと同じノズル開度とした場合に比べ、タービン渦室内の排気の圧力が低くなる。そのため、タービン渦室内の液状燃料はエンジン負荷の高いときよりも多いが、排気に乗ってリンク室内に入り込む量は少なくなる。また、エンジン負荷の高いときには、低いときと同じノズル開度とした場合に比べ、タービン渦室内の排気の圧力が高くなるものの、タービン渦室内の液状燃料がもともと少ないため、排気に乗ってリンク室内に入り込む液状燃料は少ない。
一方、エンジン負荷の低いときに高いときよりもノズル開度が開き側に変更されることで、隣合う可変ノズル間の間隙が広くなり、タービンホイールに吹付けられる排気の流速が低下し、出力向上効果が得られにくい。しかし、上述したように、エンジン負荷の低いときには出力向上効果がさほど要求されないため、問題とはならない。また、エンジン負荷の高いときには低いときよりも、ノズル開度の開き側への変更度合いが小さくなるため、タービンホイールに吹付けられる排気の流速の低下度合いが少なくなる。その結果、ノズル開度を開き側に変更することに伴い失われる出力向上効果が少なくなる。
このように、エンジン負荷の高いときにおける可変ノズルターボチャージャによる出力向上効果を確保しつつ、排気に乗ってリンク室内に入り込む液状燃料をエンジン負荷に拘わらず少なくすることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記ノズル開度変更手段による前記ノズル開度の変更は、前記排気を浄化するための燃料の噴射終了後も所定の継続時間が経過するまで続けられるとする。
ここで、タービン渦室内に液状燃料が存在すると、その燃料は排気の熱によって気化され、それに伴い排気の蒸気圧が高くなる。この際の液状燃料の気化は、排気の蒸気圧の飽和蒸気圧との差が大きいほどしやすくなる。この観点からは、タービン渦室内を新しい排気が流動していることが有利である。
この点、請求項3に記載の発明では、排気浄化用の燃料噴射が終了した後、所定の継続時間が経過するまでノズル開度が開き側に変更され続ける。この燃料噴射の終了から所定の継続時間が経過するまでの期間には、新しい排気がタービン渦室内を流動する。そのため、排気浄化用の燃料噴射が終了した後に液状燃料がタービン渦室内に残っていたとしても、その液状燃料は気化されやすく、リンク室内に入り込む液状燃料が少なくなる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明では、前記ノズル開度変更手段による前記継続時間は、前記ディーゼルエンジンの負荷が低いときには高いときよりも長くされるとする。
ここで、ディーゼルエンジンの負荷(エンジン負荷)が低いときには高いときに比べて排気の温度が低い。そのため、排気浄化用の燃料噴射が終了した後にタービン渦室内に液状燃料が残っていた場合、その燃料は、エンジン負荷の高いときよりも気化しにくい。液状燃料の気化に要する時間は、エンジン負荷の高いときよりも低いときの方が長くなる。
こうした傾向を考慮せずに、エンジン負荷に拘わらず継続時間を一定とし、かつエンジン負荷の高いときを基準に継続時間を設定すると、エンジン負荷の高いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン負荷の低いときに、液状燃料が気化する前にノズル開度が変更前の閉じ側のノズル開度に戻されるおそれがある。この場合、タービン渦室内の排気の圧力が高くなって、液状燃料がリンク室内に入り込む。また、エンジン負荷の低いときを基準に継続時間を設定すると、エンジン負荷の低いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン負荷の高いときには、液状燃料が気化し終わっているにも拘わらず、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるおそれがある。
この点、請求項4に記載の発明では、エンジン負荷の低いときには継続時間が長くされ、エンジン負荷の高いときには継続時間が短くされる。そのため、エンジン負荷の低いときに、液状燃料が気化するよりも前にノズル開度の開き側への変更が終了するのを抑制することができる。また、エンジン負荷の高いときに、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるのを抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明では、前記ノズル開度変更手段による前記継続時間は、前記ディーゼルエンジンの回転速度が低いときには高いときよりも長くされるとする。
ここで、ディーゼルエンジンの回転速度(以下、エンジン回転速度という)の低いときには高いときに比べて排気の流量が少ない。そのため、排気浄化用の燃料噴射が終了した後にタービン渦室内に液状燃料が残っていた場合、その燃料はエンジン回転速度の高いときよりも気化しにくい。これは、エンジン回転速度の低いときには、タービン渦室内を流動する新しい排気の量が少なく、排気の蒸気圧の飽和蒸気圧との差が小さくなるからである。そして、上記のようにエンジン回転速度に応じて気化のしやすさが異なることから、液状燃料の気化に要する時間は、エンジン回転速度の低いときには高いときよりも長くなる。
こうした傾向を考慮せずに、エンジン回転速度に拘わらず継続時間を一定とし、かつエンジン回転速度の高いときを基準に継続時間を設定すると、エンジン回転速度の高いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン回転速度の低いときに、液状燃料が気化する前にノズル開度が変更前の閉じ側のノズル開度に戻されるおそれがある。この場合、タービン渦室内の排気の圧力が高くなって、液状燃料がリンク室内に入り込む。また、エンジン回転速度の低いときを基準に継続時間を設定すると、同低いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン回転速度の高いときには、液状燃料が気化し終わっているにも拘わらず、ノズル開度の開き側への変更が不要に継続されるおそれがある。
この点、請求項5に記載の発明では、エンジン回転速度の低いときには継続時間が長くされ、エンジン回転速度の高いときには継続時間が短くされる。そのため、エンジン回転速度の低いときに、液状燃料が気化するよりも前にノズル開度の開き側への変更が終了するのを抑制することができる。また、エンジン回転速度の高いときに、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるのを抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は、本実施形態が適用される車両用多気筒ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)11の構成を示している。
エンジン11は、大きくは吸気通路12、燃焼室13、及び排気通路14を備えて構成されている。吸気通路12の最上流部には、同吸気通路12に吸入された空気を浄化するエアクリーナ15が設けられている。エンジン11においては、エアクリーナ15から吸気下流側に向けて順に、ターボチャージャのコンプレッサホイール17、インタークーラ18、及び吸気絞り弁19が配設されている。吸気通路12は、吸気絞り弁19の吸気下流側に設けられた吸気マニホールド21において分岐されており、この分岐部分を通じて、エンジン11の気筒毎の燃焼室13に接続されている。
エンジン11には、燃焼室13内での燃焼に供される燃料を噴射する燃料噴射弁22が気筒毎に設けられている。各燃料噴射弁22には、高圧燃料を蓄圧する高圧燃料配管であるコモンレール23が接続されている。このコモンレール23には、燃料ポンプ24から吐出された高圧燃料が供給される。
一方、排気通路14の各燃焼室13との接続部分は排気ポート25となっている。排気通路14には、各燃焼室13から排気ポート25を通じて排出された排気を集合させるための排気マニホールド26、及びターボチャージャのタービンホイール27が設けられている。
エンジン11には、排気の一部を吸気中に再循環させる排気再循環(EGR)装置28が設けられている。EGR装置28は、排気通路14と吸気通路12とを連通させるEGR通路29を備える。EGR通路29の途中には、再循環される排気を浄化するEGRクーラ触媒31、再循環される排気を冷却するEGRクーラ32、再循環される排気の流量を調整するEGR弁33が配設されている。
こうしたエンジン11では、吸気通路12に吸入された空気が、エアクリーナ15で浄化された後、ターボチャージャのコンプレッサホイール17に導入される。コンプレッサホイール17では、導入された空気が圧縮され、インタークーラ18に吐出される。圧縮によって高温となった空気は、インタークーラ18にて冷却された後、吸気絞り弁19及び吸気マニホールド21を介して気筒毎の燃焼室13に分配供給される。こうした吸気通路12内の空気の流量は吸気絞り弁19の開度制御を通じて調整される。
空気の導入された燃焼室13では、各気筒の圧縮行程において燃料噴射弁22から燃料が噴射される。そして、吸気通路12を通じて導入された空気と燃料噴射弁22から噴射された燃料との混合気が燃焼室13内で燃焼される。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン(図示略)が往復動され、出力軸であるクランクシャフト20が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
各燃焼室13での燃焼により生じた排気は、排気マニホールド26を通じてターボチャージャのタービンホイール27に導入される。この導入された排気の流勢によってタービンホイール27が駆動されると、吸気通路12に設けられたコンプレッサホイール17が連動して駆動され、上記空気の圧縮が行われる。
一方、上記燃焼により生じた排気の一部はEGR通路29に導入される。EGR通路29に導入された排気は、EGRクーラ触媒31で浄化され、EGRクーラ32で冷却された後、吸気通路12における吸気絞り弁19の吸気下流側の空気中に再循環される。こうして再循環される排気の流量は、EGR弁33の開度制御を通じて調整される。
ここで、本実施形態では、上記ターボチャージャとして、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速を調整するための可変ノズル機構34を有する可変ノズルターボチャージャ16が用いられている。次に、この可変ノズルターボチャージャ16の具体的な構成について説明する。
図2に示すように、可変ノズルターボチャージャ16のセンタハウジング35には、ロータシャフト36がその軸線37を中心に回転可能に支持されている。ロータシャフト36の両端部には、コンプレッサホイール17及びタービンホイール27が取り付けられている。
ロータシャフト36の軸線37に沿う方向(軸方向)について、センタハウジング35の両側には、コンプレッサハウジング38及びタービンハウジング39が取り付けられている。コンプレッサハウジング38における上記軸線37上には吸気入口41が開口されている。また、コンプレッサハウジング38の内部において、上記コンプレッサホイール17の周りには、渦巻き状に延びて前記吸気通路12に連通するコンプレッサ渦室42が設けられている。そのため、コンプレッサハウジング38内では、ロータシャフト36の回転に基づきコンプレッサホイール17が軸線37を中心に回転すると、空気が吸気入口41及びコンプレッサ渦室42を順に通って吸気通路12へ強制的に送り出される。
一方、タービンハウジング39の内部において、上記タービンホイール27の周りには、渦巻き状に延びるタービン渦室44が設けられている。タービン渦室44は、前記エンジン11の排気通路14に連通しており、燃焼室13からの排気が同排気通路14を通ってタービン渦室44に送り込まれる。この排気は、タービン渦室44の出口である内周部44Aからタービンホイール27に吹付けられる。この吹付けにより、タービンホイール27が軸線37を中心に回転する。タービンハウジング39における軸線37上には排気出口46が開口されており、上記タービンホイール27に吹付けられた後の排気は、この排気出口46を通じて排気通路14の下流側へ送り出される。
次に、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速を調整するための可変ノズル機構34について、図3及び図4を参照して説明する。なお、図3(A)は可変ノズル機構34の断面図を示し、図3(B)は可変ノズル機構34の側面図を示している。また、図4は、可変ノズルターボチャージャ16における可変ノズル機構34、及びその周辺部分の拡大断面図を示している。
可変ノズル機構34は、センタハウジング35及びタービンハウジング39間において、タービン渦室44の内周部44Aに面した状態で固定されたノズルリング47を備えている。ノズルリング47には、複数の軸48が同ノズルリング47の円心を中心として等角度毎に設けられている。各軸48は、ノズルリング47に対し、その厚み方向に貫通して回動可能に支持されている。各軸48のタービン渦室44側の端部には、ノズルベーン49が可変ノズルとして固定されている。
可変ノズル機構34は、上記複数のノズルベーン49を同期して回動させるためのリンク機構51を備えている。前記ノズルリング47を挟んでタービン渦室44の内周部44Aとは反対側(図4の左側)にはリンク室52が形成されており、リンク機構51がリンク室52内に組み込まれている。
このリンク機構51の詳細について説明すると、各軸48のタービン渦室44とは反対側の端部(図4の左端部)には、同軸48と直交してノズルリング47の外縁部に向けて延びるノズルアーム53が固定されている。ノズルアーム53の先端には、二股に分岐した一対の挟持部53Aが形成されている。
一方、ノズルアーム53及びノズルリング47間であって、そのノズルリング47と同軸上にはユニゾンリング54が回動可能に設けられている。ユニゾンリング54には、その円心を中心として等角度毎に複数のピン55が設けられており、それらピン55が各ノズルアーム53の両挟持部53Aによって挟持されている。このようにして、複数のノズルベーン49及びユニゾンリング54が、そのノズルベーン49毎の軸48、ノズルアーム53等によって連結されている。
そして、ユニゾンリング54がその円心を中心に回動されると、各ピン55が各ノズルアーム53の挟持部53Aをユニゾンリング54の回動方向へ押す。その結果、それらノズルアーム53は軸48を回動させることとなり、軸48の回動に伴い各ノズルベーン49は同軸48を中心にして各々同期した状態で開閉動作する。
さらに、可変ノズルターボチャージャ16には、上記リンク機構51を作動させるべくユニゾンリング54を回動させるための駆動機構が設けられている。詳しくは、ユニゾンリング54の外縁部(図4の下端部)にはピン56が設けられている。一方、センタハウジング35には支軸57が回動可能に挿通されており、その支軸57のリンク室52側(図4の右側)の端部に連結部材58が固定され、反対側の端部にレバー59が固定されている。そして、連結部材58が上記ピン56に回動可能に連結されている。また、レバー59には電動モータ等のアクチュエータ61が連結されている。
そのため、アクチュエータ61の駆動によりレバー59が操作されて支軸57が回動すると、その支軸57の回動に伴い連結部材58が支軸57を中心に回動する。その結果、ユニゾンリング54が、連結部材58によりピン56を介して周方向に押され、軸線37を中心に回動する。このユニゾンリング54の回動により、隣合うノズルベーン49間の隙間が、各ノズルベーン49の回動角度(ノズル開度)に応じた大きさとなり、同間隙を通ってタービンホイール27に吹付けられる排気の流速が調整される。例えば、ノズルベーン49が閉じ側に回動すると、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速が大となる。反対に、ノズルベーン49が開き側に回動すると、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速が小となる。
さらに、タービンホイール27へ吹付けられる排気の流速を調節することにより、タービンホイール27、ロータシャフト36及びコンプレッサホイール17の回転速度が適宜に調節され、ひいては過給圧が調整される。こうした過給圧の調整を行うことにより、エンジン11の出力向上と燃焼室13内の過剰圧防止との両立が図られる。
上記のようにしてエンジン11が構成されている。次に、このエンジン11から排出される排気を浄化するための排気浄化装置について説明する。図1に示すように、排気浄化装置62は、排気燃料添加弁63を備えるほか、排気浄化触媒として3つの触媒コンバータ(第1触媒コンバータ64、第2触媒コンバータ65、及び第3触媒コンバータ66)を備えて構成されている。
第1触媒コンバータ64はタービンホイール27の排気下流側に配設されている。第1触媒コンバータ64には吸蔵還元型のNOx触媒が担持されており、排気中の窒素酸化物NOxを吸蔵するとともに、還元剤となる未燃燃料成分の噴射供給によりその吸蔵した窒素酸化物NOxを還元して浄化する。第2触媒コンバータ65は第1触媒コンバータ64の排気下流側に配設されている。第2触媒コンバータ65は、排気中のガス成分の通過を許容し、かつ同排気中の微粒子物質PMの通過を阻止する多孔質材によって形成されており、吸蔵還元型のNOx触媒が担持されている。第3触媒コンバータ66は第2触媒コンバータ65の排気下流側に配設されている。第3触媒コンバータ66には、排気中の炭化水素HC及び一酸化炭素COの酸化を通じて排気の浄化を行う酸化触媒が担持されている。
排気燃料添加弁63は、排気通路14のタービンホイール27よりも上流側に設けられている。排気燃料添加弁63は、燃料通路67を通じて上記燃料ポンプ24に接続されており、同燃料ポンプ24から供された燃料を還元剤として排気中に噴射(添加)する。この添加された燃料により、排気を一時的に還元雰囲気とし、第1触媒コンバータ64及び第2触媒コンバータ65に吸蔵されている窒素酸化物NOxを還元浄化する。さらに、第2触媒コンバータ65では微粒子物質PMの浄化も同時に実行する。
さらに、車両には、エンジン11の運転状態を検出するための各種センサ71〜73が設けられている。例えば、エンジン11には、クランクシャフト20が所定角度回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ71が設けられている。このパルス信号は、クランクシャフト20の時間当りの回転数であるエンジン回転速度NEの算出に用いられる。吸気通路12には、吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧センサ72が設けられている。アクセルペダル(図示略)の近傍には、運転者による同ペダルの踏込み量を検出するアクセルセンサ73が配置されている。さらに、可変ノズルターボチャージャ16には、ノズルベーン49のノズル開度を検出するノズル開度センサ74が設けられている。
また、これらのセンサ71〜73の検出値等に基づき、エンジン11の各部の作動を制御する手段として、車両には電子制御装置70が設けられている。電子制御装置70は、マイクロコンピュータを中心として構成されている。電子制御装置70では、中央処理装置(CPU)が各種センサ71〜73の検出値等に基づき、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
電子制御装置70は、前記各種制御として例えば燃料噴射制御を実行する。この燃料噴射制御では、燃料噴射弁22から噴射される燃料の量及び噴射時期(いずれも目標値)を、クランク角センサ71によるエンジン回転速度NE、アクセルセンサ73によるアクセル踏込み量等に基づき決定する。そして、クランク角センサ71の出力信号が燃料の噴射開始時期と一致した時点で、燃料噴射弁22への通電を開始する。この開始時点から、前記噴射燃料量に対応した噴射時間が経過した時点で通電を停止する。
また、電子制御装置70は、ノズルベーン49の目標開度をエンジン11の運転状態に基づいて算出し、ノズル開度センサ74によって検出される実際のノズル開度がこの目標開度に近づくようにアクチュエータ61に対する通電を制御する。
上記制御により、例えばエンジン11の低負荷時にはノズルベーン49が閉じ側に制御され、隣合うノズルベーン49間の隙間が狭められ、同間隙を流れる排気の流速が高められる。これは、低負荷時には排気量が少ないが、タービンホイール27の回転速度及び回転力を増加させることで、コンプレッサホイール17の回転速度及び回転力を増加させ、コンプレッサハウジング38における吸気の圧縮率を向上させるためである。
さらに、電子制御装置70は、排気の浄化のために排気浄化触媒に対する制御を実行する。この制御には、触媒再生制御モード、硫黄被毒回復制御モード、NOx還元制御モード、及び通常制御モードという4つの触媒制御モードが設定されており、電子制御装置70は触媒コンバータ64〜66の状態に応じた触媒制御モードを選択して実行する。
触媒再生制御モードとは、特に第2触媒コンバータ65内に堆積している微粒子物質PMを燃焼させて二酸化炭素CO2 と水H2 Oにして排出する制御を行うモードである。触媒再生制御モードが設定されると、空燃比が理論空燃比(ストイキ)よりも高い状態で、排気燃料添加弁63からの燃料添加を継続的に繰り返して触媒温度(触媒床温)を高温化する。
硫黄被毒回復制御モードとは、第1触媒コンバータ64及び第2触媒コンバータ65内のNOx吸蔵還元触媒が硫黄酸化物SOxによって被毒されて窒素酸化物NOxの吸蔵能力が低下した場合に硫黄酸化物SOxを放出させる制御を行うモードである。
NOx還元制御モードとは、第1触媒コンバータ64及び第2触媒コンバータ65内のNOx吸蔵還元触媒に吸蔵された窒素酸化物NOxを、窒素N2 、二酸化炭素CO2 及び水H2 Oに還元して放出するモードである。このモードでは、排気燃料添加弁63からの比較的時間をおいた間欠的な燃料添加により、触媒温度が比較的低温となる。これ以外の状態が通常制御モードとなり、このモードでは排気燃料添加弁63からの還元剤添加はなされない。
ところで、上記可変ノズルターボチャージャ16では、タービンハウジング39とノズルリング47の外周面との間に少なからず隙間76(図4参照)が存在する。そのため、タービン渦室44内の排気の圧力(以下、排気圧力という)が高いと、その排気の一部は、タービン渦室44からタービンホイール27に向う途中で上記隙間76を通り、リンク室52内に入り込む。また、上記排気燃料添加弁63からの排気浄化用の添加燃料は、排気温度が低いと十分気化しなかったり、タービンハウジング39が低温である場合に、その表面で凝集したりする。そして、こうした気化の不十分な燃料や凝集した燃料(以下、これらの燃料を液状燃料という)が、上記排気に乗って、タービン渦室44から上記隙間76を通りリンク室52に入り込むと、リンク室52の壁面やリンク機構51の各部に付着する。リンク室52は温度が低いため、リンク機構51に付着した上記燃料はすぐに気化することなく、しばらくは液状のまま残りやすい。リンク機構51において、この液状燃料が付着して濡れた箇所には、排気中のスーツが付着・堆積しやすい。そのため、スーツの堆積を抑制するには、液状燃料がリンク室52内に入り込むのを抑制することが重要である。
そこで、本実施形態では、排気燃料添加弁63からの燃料の添加に応じノズル開度を強制的に開き側に変更する制御を行うことで、タービン渦室44内の排気圧力を低下させ、タービン渦室44から隙間76を通ってリンク室52へ入り込む排気及び燃料を少なくするようにしている。この制御は、図5に示すノズル開度制御ルーチンに従って行われる。
ノズル開度制御ルーチンでは、電子制御装置70はまずステップ110において、所定の演算式等に従って、そのときのエンジン11の運転状態に応じたノズルベーン49の目標開度を算出する。
続いて、ステップ120において、排気燃料添加弁63による燃料の添加が行われているかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(燃料添加中である)と、ステップ130において、上記ステップ100での目標開度が、予め定められた拡大開度Bよりも小さいかどうか、すなわち閉じ側の値であるかどうかを判定する。拡大開度Bとは、液状燃料のリンク室52内への流入を抑制する観点からノズルベーン49に要求されるノズル開度である。
ここで、タービン渦室44から隙間76を通ってリンク室52内に入り込む排気及び燃料は、タービン渦室44内の排気圧力が低いほど少なくなる。同排気圧力は、ノズル開度に応じて変化し、ノズル開度が大きくなる(開き側の値になる)ほど低くなる。従って、リンク室52へ燃料が入り込むのを抑制する観点からは拡大開度Bは、より開き側の値であることが望ましい。本実施形態では、この拡大開度Bとして、エンジン11の運転状態に拘わらず一定の値を用いるようにしている。
上記ステップ130の判定条件が満たされているとステップ140へ移行し、上記拡大開度Bをノズル開度の最終的な目標開度である最終目標開度として設定する。これに対し、ステップ130の判定条件が満たされていないと、ステップ150において、上記目標開度を最終目標開度として設定する。このように、ステップ140,150では、目標開度及び拡大開度Bのうち、より開き側の値を最終目標開度として設定する。
続いて、ステップ160において、ノズル開度センサ74によって検出される実際のノズル開度が、上記ステップ140又は150で設定した最終目標開度となるように、アクチュエータ61に対する通電をフィードバック制御する。そして、このステップ160の処理を経た後に、ノズル開度制御ルーチンの一連の処理を終了する。
一方、ステップ120の判定条件が満たされていない(燃料添加中でない)と、ステップ170へ移行し、燃料添加が終了した後、予め定められた継続時間Tが経過していないかどうかを判定する。継続時間Tとは、燃料の添加が終了した後も拡大開度Bを保持する時間である。これは、主として、燃料の添加が終了した後にも液状燃料がタービン渦室44内に残った場合の対策である。
ここで、タービン渦室44内に液状燃料が存在すると、その液状燃料は排気の熱によって気化され、それに伴い排気の蒸気圧が高くなる。この際の液状燃料の気化は、排気の蒸気圧の飽和蒸気圧との差が大きいほどしやすくなる。この観点からは、タービン渦室44内を新しい排気が流動していることが有利である。
そこで、燃料添加終了後もしばらくの期間(継続時間T)ノズル開度を開き側にし続けることで、新しい排気をタービン渦室44内で流動させ、上記液状燃料を気化(蒸発)しやすくしている。従って、継続時間Tとしては、こうした液状燃料を確実に気化させるために必要な時間を設定することが望ましい。
上記ステップ170の判定条件が満たされている(継続時間T未経過)と、上述したステップ130へ移行し、ノズル開度を開き側に変更する制御を継続する。
これに対し、ステップ170の判定条件が満たされていないと、すなわち、燃料添加終了後に継続時間Tが経過していると、上述したステップ150,160の各処理を順に行うことでノズル開度を開き側に変更する処理を終え、その後にノズル開度制御ルーチンを終了する。
上記ノズル開度制御ルーチンにおいては、ステップ160の処理がノズル開度制御手段に相当し、ステップ130,140の処理がノズル開度変更手段に相当する。
上記ノズル開度制御ルーチンによると、燃料添加に応じ最終目標開度が例えば図6に示すように変化する。この例は、タイミングt0〜t1の期間に燃料添加が行われる一方、目標開度として拡大開度Bよりも閉じ側の値が設定される場合を示している。なお、図6中のタイミングt2は、タイミングt1から継続時間Tが経過した時点である。
タイミングt0よりも前のタイミングでは、燃料添加が停止されているため、ステップ120,170の判定条件がともに満たされない。そのため、ノズル開度制御ルーチンでは、ステップ110→120→170→150→160の順に処理が行われる。これらの処理により目標開度が最終目標開度として設定され、実際のノズル開度がこの最終目標開度(目標開度)となるようにアクチュエータ61が制御される。
タイミングt0では、燃料添加が開始されてステップ120,130の判定条件がともに満たされる。そのため、ノズル開度制御ルーチンでは、ステップ110→120→130→140→160の順に処理が行われる。これらの処理により、拡大開度Bが最終目標開度として設定される。実際のノズル開度がこの最終目標開度(拡大開度B)となるようにアクチュエータ61が制御される。
タイミングt1で燃料添加が停止されると、ステップ120の判定条件が満たされなくなるが、ステップ170,130の判定条件は満たされる。そのため、ノズル開度制御ルーチンでは、ステップ110→120→170→130→140→160の順に処理が行われる。これらの処理により、上記タイミングt0〜t1の期間と同様に拡大開度Bが最終目標開度として設定される。実際のノズル開度がこの最終目標開度(拡大開度B)となるようにアクチュエータ61が制御される。
そして、上記タイミングt1から継続時間Tが経過したタイミングt2ではステップ120,170の判定条件がともに満たされなくなる。そのため、ノズル開度制御ルーチンでは、上述したタイミングt0よりも前のタイミングと同様の処理、すなわち、ステップ110→120→170→150→160の順に処理が行われる。これらの処理により目標開度が最終目標開度として設定され、実際のノズル開度がこの最終目標開度(目標開度)となるようにアクチュエータ61が制御される。
このように、タイミングt0での燃料添加の開始に伴いノズル開度の開き側への変更が開始される。そして、この変更は、燃料添加が停止されたタイミングt1の後、継続時間Tが経過するタイミングt2まで継続される。このタイミングt0〜t2の期間にわたる開度変更により、タービン渦室44内の排気圧力が低下する。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)排気燃料添加弁63から燃料が添加されると、エンジン11の運転状態に応じた目標開度と拡大開度Bとを比較し、拡大開度Bが目標開度よりも大(開き側の値)であると、拡大開度Bを強制的にアクチュエータ61の最終目標開度としている(ステップ120〜140)。
このように、拡大開度Bを強制的に最終目標開度とすることで、タービン渦室44内の排気圧力を低下させ、タービン渦室44を通過する過程で、隙間76を通ってリンク室52内に流入する排気を少なくすることができる。
また、排気浄化のために噴射(添加)されたが、排気温度が低いために気化が十分でなかったり、低温のタービンハウジングの表面で凝集したりした液状燃料が排気に乗ってタービンハウジング内を移動しても、リンク室52内へ入り込みにくくすることができる。そして、リンク機構51に付着する液状燃料を少なくすることができる。
その結果、リンク機構51において、上記燃料の付着により濡れた箇所に堆積する排気中のスーツを減少させ、ユニゾンリング54等の可動部の摺動抵抗の増加を抑制し、電子制御装置70によるノズル開度の制御精度を向上させることができる。
(2)拡大開度Bを最終目標開度とする処理を、燃料添加が終了した後も所定の継続時間Tが経過するまで続けることで、燃料添加の終了から所定の継続時間Tが経過するまでの期間に、新しい排気がタービン渦室44内を流動するようにしている。そのため、排気浄化用の燃料添加が終了した後に液状燃料がタービン渦室44内に残っていたとしても、その液状燃料を積極的に気化させ、リンク室52内に入り込む液状燃料を少なくすることができ、上記(1)の効果がより一層確実に得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。第2実施形態は、変更後のノズル開度である拡大開度Bを、エンジン負荷Aの低いときに、高いときよりも開き側の値にする点において第1実施形態と異なっている。
上記のように拡大開度Bをエンジン負荷Aに応じて可変とするのは次の理由による。エンジン負荷Aの低いときには排気の温度が低いことから、排気浄化のために添加された燃料が気化しにくい。また、上記のように温度の低い排気が流れる(接触する)タービンハウジング39の温度が低く、上記燃料がタービンハウジングの表面で凝集(液化)しやすい。そのため、仮にタービン渦室44内の排気圧力が高いと、排気に乗ってリンク室52内に入り込む液状燃料が多い。一方、エンジン負荷Aの高いときには排気の温度が高いことから、タービン渦室44内における液状燃料が少なく、これに伴い、排気に乗ってリンク室52内に入り込む液状燃料も少ない。
また、エンジン負荷Aの低いときには、可変ノズルターボチャージャ16による出力向上効果はさほど要求されないが、エンジン負荷Aが大きくなるに従いこの効果がより要求される。
そこで、第2実施形態では、図7に示すように、エンジン負荷Aが採り得る領域を2つ(所定値A1を基準として、それよりも低い領域とそれ以上の領域)に分けるとともに、拡大開度Bを2つ(所定値B1,B2)設定している。ただし、所定値B2は所定値B1よりも大きな値(開き側の値)である。そして、エンジン負荷Aが所定値A1よりも低いときには、所定値B2を拡大開度Bとして設定し、エンジン負荷Aが所定値A1以上のときには所定値B1を拡大開度Bとして設定する。
そのため、エンジン負荷Aが所定値A1よりも低いとき(低負荷時)には、拡大開度Bを、エンジン負荷Aが所定値A1以上のとき(高負荷時)と同じ値(B1)とした場合に比べ、タービン渦室44内の排気圧力が低くなる。タービン渦室44内の液状燃料は、エンジン負荷Aが所定値A1以上のときよりも多いが、排気に乗ってリンク室52内に入り込む量は少なくなる。また、エンジン負荷Aが所定値A1以上のときには、拡大開度Bを、エンジン負荷Aが所定値A1よりも低いときと同じ値(B2)とした場合に比べ、タービン渦室44内の排気圧力が高くなるものの、タービン渦室44内の液状燃料がもともと少ないため、排気に乗ってリンク室52内に入り込む液状燃料は少ない。
一方、エンジン負荷Aが所定値A1よりも低いときの拡大開度Bが、所定値A1以上のときの拡大開度Bよりも開き側の値(B2)にされることで、隣合うノズルベーン49間の間隙が広くなり、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速が低下し、出力向上効果が得られにくい。しかし、上述したようにエンジン負荷Aが低いときには出力向上効果がさほど要求されないため、問題とはならない。また、エンジン負荷Aが所定値A1以上のときには、低いときよりも開き側への変更度合いが小さくなるため、タービンホイール27に吹付けられる排気の流速の低下度合いが少なくなる。その結果、ノズル開度を開き側に変更することに伴い失われる出力向上効果が少なくなる。
従って、第2実施形態によると、上記(1),(2)に加え、次の効果が得られる。
(3)拡大開度Bを、エンジン負荷Aの低いときに高いときよりも開き側の値としている。そのため、エンジン負荷Aの高いときにおける可変ノズルターボチャージャ16による出力向上効果を確保しつつ、排気に乗ってリンク室52内に入り込む液状燃料をエンジン負荷Aに拘わらず少なくすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。第3実施形態は、継続時間Tをエンジン負荷Aが低いときには高いときよりも長くしている点において第1実施形態と異なっている。エンジン負荷Aとしては、吸気圧センサ72による吸気圧、アクセルセンサ73によるアクセル踏込み量等を用いることができる。
上記のように継続時間Tをエンジン負荷Aに応じて可変とするのは、次の理由による。エンジン負荷Aの低いときには高いときに比べて排気の温度が低い。そのため、排気浄化用の燃料添加が終了した後にタービン渦室44内に液状燃料が残っていた場合、その燃料はエンジン負荷Aの高いときよりも気化しにくい。液状燃料の気化に要する時間は、エンジン負荷Aの高いときよりも低いときの方が長くなる。
こうした傾向を考慮せずに、エンジン負荷Aに拘わらず継続時間Tを一定とし、かつエンジン負荷Aの高いときを基準に継続時間Tを設定すると、エンジン負荷Aの高いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン負荷Aの低いときに、液状燃料が気化する前に変更前の閉じ側のノズル開度に戻されるおそれがある。この場合、タービン渦室44内の排気圧力が高くなって、液状燃料がリンク室52内に入り込む。また、エンジン負荷Aの低いときを基準に継続時間Tを設定すると、エンジン負荷Aの低いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン負荷Aの高いときには、液状燃料が気化し終わっているにも拘わらず、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるおそれがある。
そこで、第3実施形態では、図8に示すように、エンジン負荷Aが採り得る領域を2つ(所定値A2を基準として、それよりも低い領域とそれ以上の領域)に分けるとともに、継続時間Tを2つ(所定値T1,T2)設定している。ただし、所定値T2は所定値T1よりも大きな(長い)値である。そして、エンジン負荷Aが所定値A2よりも低いときには所定値T2を継続時間Tとして設定し、エンジン負荷Aが所定値A2以上のときには所定値T1を継続時間Tとして設定するようにしている。この設定により、エンジン負荷Aが所定値A2よりも低いときには、ノズル開度を開き側に変更した状態が、所定値A2以上のときよりも遅くまで継続されることとなる。
従って、第3実施形態によると、上述した(1),(2)に加え、次の効果が得られる。
(4)エンジン負荷Aの低いときには継続時間Tを長くし、エンジン負荷Aの高いときは継続時間Tを短くしている。そのため、エンジン負荷Aが所定値A2よりも低いときには、液状燃料が気化するよりも前にノズル開度の開き側への変更が終了するのを抑制することができる。同終了によりタービン渦室44内の排気圧力が高くなって、液状燃料がリンク室52内に入り込む現象を抑制することができる。また、エンジン負荷Aが所定値A2以上のときには、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるのを抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について説明する。第4実施形態は、継続時間Tをエンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも長くしている点において第1実施形態と異なっている。
上記のように継続時間Tをエンジン回転速度NEに応じて可変とするのは、次の理由による。エンジン回転速度NEの低いときには高いときに比べて排気の流量が少ない。そのため、排気浄化用の燃料添加が終了した後にタービン渦室44内に液状燃料が残っていた場合、その燃料はエンジン回転速度NEの高いときよりも気化しにくい。これは、エンジン回転速度NEの低いときには、タービン渦室44内を流動する新しい排気の量が少なく、排気の蒸気圧の飽和蒸気圧との差が小さくなるからである。そして、上記のようにエンジン回転速度NEに応じて気化のしやすさが異なることから、液状燃料の気化に要する時間は、エンジン回転速度NEの高いときよりも低いときの方が長くなる。
こうした傾向を考慮せずに、エンジン回転速度NEに拘わらず継続時間Tを一定とし、かつエンジン回転速度NEの高いときを基準に継続時間Tを設定すると、エンジン回転速度NEの高いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン回転速度NEの低いときに、液状燃料が気化する前に変更前の閉じ側のノズル開度に戻されるおそれがある。この場合、タービン渦室44内の排気圧力が高くなって、液状燃料がリンク室52内に入り込む。また、エンジン回転速度NEの低いときを基準に継続時間Tを設定すると、エンジン回転速度NEの低いときには液状燃料を過不足なく気化させることができる。その反面、エンジン回転速度NEの高いときには、液状燃料が気化し終わっているにも拘わらず、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるおそれがある。
そこで、第4実施形態では、図9に示すように、エンジン回転速度NEが採り得る領域を2つ(所定値NE1を基準として、それよりも低い領域とそれ以上の領域)に分けるとともに、継続時間Tを2つ(所定値T3,T4)設定している。ただし、所定値T4は所定値T3よりも大きな(長い)値である。そして、エンジン回転速度NEが所定値NE1よりも低いときには所定値T4を継続時間Tとして設定し、エンジン回転速度NEが所定値NE1以上のときには所定値T3を継続時間Tとして設定するようにしている。この設定により、エンジン回転速度NEが所定値NE1よりも低いときには、ノズル開度を開き側に変更した状態が、所定値NE1以上のときよりも遅くまで継続されることとなる。
従って、第4実施形態によると、上述した(1),(2)に加え、次の効果が得られる。
(5)エンジン回転速度NEの低いときには継続時間Tを長くし、エンジン回転速度NEの高いときは継続時間Tを短くするようにしている。そのため、エンジン回転速度NEが所定値NE1よりも低いときには、液状燃料が気化するよりも前にノズル開度の開き側への変更が終了するのを抑制することができる。同終了によりタービン渦室44内の排気圧力が高くなって、液状燃料がリンク室52内に入り込む現象を抑制することができる。また、エンジン回転速度NEが所定値NE1以上のときには、ノズル開度の開き側への変更が必要以上に継続されるのを抑制することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、排気浄化用の燃料を排気燃料添加弁63から噴射供給(添加)するものに代え、いわゆるアフター噴射やポスト噴射と呼ばれる噴射を行うようにしたディーゼルエンジンにも適用可能である。アフター噴射(ポスト噴射)は、燃料噴射弁22において、燃焼室内での燃焼に供される燃料の噴射(パイロット噴射やメイン噴射など)がなされた後の膨張行程中や排気行程中に行われる燃料噴射である。この場合にも、排気浄化用の燃料噴射に応じ、ノズル開度を開き側に変更することで、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
・第2実施形態において、エンジン負荷Aと拡大開度Bとの関係を、図10に示すように変更してもよい。図10中の実線は、エンジン負荷Aが採り得る領域を3つ以上(図では3つ)に分け、各領域毎に異なる拡大開度Bを設定した態様を示している。この場合には、エンジン負荷Aが低い領域ほど拡大開度Bを大きな値に設定する。また、図10中の一点鎖線は、エンジン負荷Aが低くなるに従い拡大開度Bを大きな値に設定する態様を示している。
・第3実施形態において、エンジン負荷Aと継続時間Tとの関係を、図11に示すように変更してもよい。図11中の実線は、エンジン負荷Aが採り得る領域を3つ以上(図では4つ)に分け、各領域毎に異なる継続時間Tを設定した態様を示している。この場合には、エンジン負荷Aが低い領域ほど継続時間Tを大きな(長い)値に設定する。また、図11中の一点鎖線は、エンジン負荷Aが低くなるに従い継続時間Tを大きな(長い)値に設定する態様を示している。
・第4実施形態において、エンジン回転速度NEに対する継続時間Tの関係を、図12に示すように変更してもよい。図12中の実線は、エンジン回転速度NEが採り得る領域を3つ以上(図では5つ)に分け、各領域毎に異なる継続時間Tを設定した態様を示している。この場合には、エンジン回転速度NEが低い領域ほど継続時間Tを大きな(長い)値に設定する。また、図12中の一点鎖線は、エンジン回転速度NEが低くなるに従い継続時間Tを大きな(長い)値に設定する態様を示している。
・第3実施形態で説明したように、エンジン負荷Aが低いときには高いときよりも排気の温度が低いことから、液状燃料が気化しにくく、気化に要する時間が長くなる。また、第4実施形態で説明したように、エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも排気の流量が少ないことから、液状燃料が気化しにくく、気化に要する時間が長くなる。
このように、液状燃料の気化のしやすさ及び気化に要する時間と、エンジン負荷A及びエンジン回転速度NEとの間には相関関係が見られる。そのため、エンジン負荷A及びエンジン回転速度NEに応じて継続時間Tを可変としてもよい。この場合、例えば図13に示すように、エンジン負荷Aが低く、かつエンジン回転速度NEが低いときには、エンジン負荷Aが高く、かつエンジン回転速度NEが高いときよりも継続時間Tを長くする。
本発明の可変ノズルターボチャージャの制御装置を具体化した第1実施形態についてその構成を示す略図。 図1における可変ノズルターボチャージャの断面図。 (A)は可変ノズル機構の断面図、(B)は側面図。 可変ノズルターボチャージャにおける可変ノズル機構、及びその周辺部分の拡大断面図。 ノズル開度を制御する手順を示すフローチャート。 燃料添加及び最終目標開度の変化の態様を示すタイムチャート。 第2実施形態において、エンジン負荷と拡大開度との関係を示す説明図。 第3実施形態において、エンジン負荷と継続時間との関係を示す説明図。 第4実施形態において、エンジン回転速度と継続時間との関係を示す説明図。 エンジン負荷と拡大開度との関係について、別の形態を示す説明図。 エンジン負荷と継続時間との関係について、別の形態を示す説明図。 エンジン回転速度と継続時間との関係について、別の形態を示す説明図。 エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じて継続時間を可変とする別の実施形態において、エンジン負荷及びエンジン回転速度と、継続時間との関係を示す説明図。
符号の説明
11…ディーゼルエンジン、16…可変ノズルターボチャージャ、27…タービンホイール、39…タービンハウジング、44…タービン渦室、44A…内周部、47…ノズルリング、49…ノズルベーン(可変ノズル)、51…リンク機構、52…リンク室、61…アクチュエータ、70…電子制御装置(ノズル開度制御手段、ノズル開度変更手段)、B…拡大開度、T…継続時間。

Claims (5)

  1. 排気を浄化するための燃料を噴射するディーゼルエンジンに用いられるものであり、
    タービンホイールの周りにタービン渦室を有するタービンハウジングと、
    前記タービンホイールを取り囲んだ状態で前記タービン渦室の内周部に配置され、かつ同内周部に面して設けられたノズルリングにそれぞれ支持された複数の可変ノズルと、
    前記ノズルリングを挟んで前記タービン渦室の前記内周部とは反対側のリンク室内に設けられ、かつアクチュエータにより駆動されるリンク機構と、
    前記ディーゼルエンジンの運転状態に応じて前記アクチュエータを制御することにより、前記リンク機構を介して前記各可変ノズルのノズル開度を調整するノズル開度制御手段と
    を備える可変ノズルターボチャージャの制御装置であって、
    前記排気を浄化するための燃料噴射に応じ、前記ノズル開度制御手段によるノズル開度を強制的に開き側に変更するノズル開度変更手段をさらに備えることを特徴とする可変ノズルターボチャージャの制御装置。
  2. 前記ノズル開度変更手段による変更後のノズル開度は、前記ディーゼルエンジンの負荷が低いときには、同負荷の高いときよりも開き側の値にされる請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャの制御装置。
  3. 前記ノズル開度変更手段による前記ノズル開度の変更は、前記排気を浄化するための燃料の噴射終了後も所定の継続時間が経過するまで続けられる請求項1又は2に記載の可変ノズルターボチャージャの制御装置。
  4. 前記ノズル開度変更手段による前記継続時間は、前記ディーゼルエンジンの負荷が低いときには高いときよりも長くされる請求項3に記載の可変ノズルターボチャージャの制御装置。
  5. 前記ノズル開度変更手段による前記継続時間は、前記ディーゼルエンジンの回転速度が低いときには高いときよりも長くされる請求項3又は4に記載の可変ノズルターボチャージャの制御装置。
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