JP2006152275A - 蓄熱断熱体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の蓄熱断熱体は、特定の結晶性ビニルモノマーを重合して得られるカプセル壁に潜熱蓄熱材を内包させた蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱体と、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満の断熱体とが積層されたことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
さらに、メラミンホルマリン樹脂の製造には、ホルムアルデヒド等の物質を使用するため、環境に対し好ましいものでもない。
特許文献2では、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体等の熱可塑性樹脂を主成分とするカプセル壁に、相転移自在な有機化合物(潜熱蓄熱材)を内包した蓄熱用マイクロカプセルが開示されている。カプセル壁に用いられている熱可塑性樹脂としては、メチル(メタ)アクリレート等の炭素数10以下の(メタ)アクリルモノマーが用いられている。(段落0008記載)
本発明の蓄熱体は、カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成された蓄熱性マイクロカプセルを含有するものである。
(化学式1)
(R1は水素(−H)またはメチル基(−CH3)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、R2は炭素数12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の直鎖アルキル基)
また、炭素数12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、潜熱蓄熱材との相溶性に優れている。そのため、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。また、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が凝集し難いマイクロカプセルを得ることができる。本発明では、特に、炭素数が18以上36以下である場合、上記効果が得られやすく好ましい。
炭素数12未満の直鎖アルキル基を有するビニルモノマーを用いた場合、カプセル壁が可塑化されるおそれがあり、カプセル同士が融着・凝集する場合がある。また、メラミン等のモノマーを用いた場合、柔軟性に劣るおそれがあり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕し、潜熱蓄熱材が漏洩する場合がある。
ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート等のビニルエステル系ビニルモノマー;
ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル系ビニルモノマー;
等が挙げられる。
このような架橋性モノマーは、親水性が高く、カプセル粒子表面で効率良く架橋するため、得られたカプセルは優れた貯蔵安定性を示すことができる。疎水性が高い架橋性モノマーを用いた場合、架橋性モノマーがカプセル粒子内部に取りこまれた状態で架橋するため、貯蔵安定性を有するカプセルを得ることは、難しい場合がある。
このようなモノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−N−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−N−プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリルモノマー;
アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセチルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げられる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物を混合することにより、有機処理された層状の粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込む。有機処理された層状の粘土鉱物は、有機処理されたものであるため、潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に入り込みやすく、また潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となっている。
このような有機処理された層状の粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、結果として、潜熱蓄熱材の粘度を上昇させ、カプセル内に潜熱蓄熱材を担持し、より保持し続けることができる。
さらに有機処理された層状の粘土鉱物は、潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
また、潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
このような重合では、上記結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、他のモノマー等)と潜熱蓄熱材と、公知の開始剤、界面活性剤、分散剤、溶媒、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤等を混合して得ることができる。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
例えば、水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
例えば、油溶性重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2、2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
また、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
(i)(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを均一に混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、
または、
(ii)(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを混合し、液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μmとなるように分散させ、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、懸濁重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、
等が挙げられる。
このような状態で乳化重合することにより、カプセルの平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)であり水分散安定性、長期的な貯蔵安定性に優れ、取扱易いマイクロカプセルを形成することができる。平均粒子径が20μmより大きくなると、マイクロカプセルの水分散安定性が劣ってくる。
マイクロカプセルの水分散液体の固形分としては、20重量%以上80重量%以下、さらには30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
このような相変化機構により、高含有量の潜熱蓄熱材がカプセルに内包されているにもかかわらず、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。また、このような蓄熱性マイクロカプセルは、最外壁がモノマーを重合して得られる重合体であれば特に限定されず、カプセル内は、潜熱蓄熱材をコア、重合体をシェルとするコアシェル状でもよいし、潜熱蓄熱材が多数分散したポーラス状でもよいし、あるいはゲル状でもよい。
分散させる方法としては、特に限定されないが、公知の高せん断力を付与する装置等を用いて分散させればよい。
このような状態で懸濁重合することにより、カプセルの平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)であり水分散安定性、長期的な貯蔵安定性に優れ、取扱易いマイクロカプセルを形成することができる。平均粒子径が20μmより大きくなると、マイクロカプセルの水分散安定性が劣ってくる。
マイクロカプセルの水分散液体の固形分としては、20重量%以上80重量%以下、さらには30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
また、炭素数12以上(好ましくは炭素数12以上36以下、さらに好ましくは炭素数18以上36以下)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
冷却する方法としては、特に限定されないが、公知の冷却装置や、冷却物質を用いてもよいし、また結晶化温度にもよるが、結晶化温度が室温より高ければ、室温で自然冷却することもできる。
蓄熱性マイクロカプセルを固形微粉末として用いる場合は、第(3)の工程として、重合体の結晶化温度よりも低い温度で、回収することが好ましい。本発明における回収工程とは、分離工程、乾燥工程、分級工程等を含むもので、このような回収工程により固形微粉末のマイクロカプセルが得られるものである。本発明では、重合体の結晶化温度よりも低い温度で回収することにより、重合体が結晶性を維持したまま回収でき、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことがない上に、カプセル壁が破粋することなく、また、カプセル同士の融着・凝集を防止することもできる。そのため、マイクロカプセルを固形微粉末として回収することが容易であり、高収率で固形微粉末を得ることができる。回収工程としては、重合体の結晶化温度よりも低い温度であれば、公知の方法を採用すればよい。
また、得られたマイクロカプセル固形微粉末は、再度、水等の溶媒に分散させて用いることもできる。
かつ、蓄熱性マイクロカプセルは、カプセル壁が結晶性であるため、カプセル内に内包された有機潜熱蓄熱材によってカプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集を防止することができる。
さらに本発明で用いる結晶性ビニルモノマーから形成されるカプセル壁は、カプセル壁自体が蓄熱性を有している。そのため、潜熱蓄熱材の蓄熱性とカプセル壁の蓄熱性により、より優れた蓄熱性を示すことができる。
また、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーを材料に塗付積層する方法や、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーや、蓄熱性マイクロカプセルを水に分散させた水分散体をケースに流し込みケーシングする方法等により製造することもできる。
本発明の蓄熱性マイクロカプセルは、混練、攪拌したとしてもカプセル壁が破砕し難くいため、潜熱蓄熱材が漏れ出すことがなく、簡便に製造することができる。
また得られたスラリーは、刷毛、ローラー、こて、スプレー等で塗付積層すればよい。この際にも、蓄熱性マイクロカプセルには、せん断応力等の力が加えられるが、カプセル壁が破砕し難く、潜熱蓄熱材が漏れ出すことはない。
このような結合剤としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機結合剤、
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石膏、コロイダルシリカ、水溶性珪酸アルカリ金属塩等の無機結合剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
具体的には、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、砂利、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の粉砕物を使用することもできる。これらに着色を施したものも使用することができる。骨材の粒子径は通常0.5μm〜5mm(好ましくは1μm〜3mm)とすればよい。
着色顔料、骨材等の混合比率は、特に限定されないが、着色顔料は、結合剤(固形分)100重量部に対し、10重量部〜1000重量部、好ましくは30〜800重量部である。骨材は、結合剤(固形分)100重量部に対し、50重量部〜4000重量部、好ましくは100〜2000重量部である。
材料としては、例えば、コンクリート、石膏ボード、モルタル、スレート板等の無機材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
例えば、蓄熱性マイクロカプセルを水等の溶媒に分散させたものや蓄熱性マイクロカプセルの固体微粉末、及び、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリー等をケースに注入したり、ラミネートして得ることができる。
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明における断熱体は、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)のものであれば特に限定されず用いることができる。このような熱伝導率を有することにより、優れた断熱性を示すことができる。
断熱体の厚さは、特に限定されないが、通常1〜30mm、さらには2〜20mm程度が好ましい。
本発明の蓄熱断熱体は、特に限定されず、公知の方法により、蓄熱体と断熱体を積層すればよい。
例えば、予め製造しておいた蓄熱体と断熱体を公知の接着剤や接着テープ等で貼着する方法、予め製造しておいた断熱体に蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリーを塗付積層する方法、予め製造しておいた蓄熱体に断熱体形成成分を塗付し、発泡させる方法等が挙げられる。
スラリーや、断熱体形成成分を塗付する場合は、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。
10.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属材料からなる鋼板等、あるいはこれらの金属材料を含む塗膜またはシート等が挙げられる。本発明では、特に、アルミニウム板を好適に用いることができる。
熱伝導体の厚さとしては、特に限定されないが、通常5〜1000μm程度であることが好ましい。
表面材としては、けい酸カルシウムボード、石膏ボード等の無機系ボード、松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、塗り材料、シート材料、壁紙等を用いることができ、これらのうち1種または2種以上を積層して用いることができる。
−蓄熱性マイクロカプセルA−
ステアリルアクリレート40重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、ミリスチン酸メチル(相変化温度20℃、潜熱量190kJ/kg)60重量部を均一に混合し、さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、過流酸カリウム1重量部、水100重量部を加えプレ乳化液を作製した。次に、重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間乳化重合を行い、2時間熟成した。その後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルA(平均粒径1.1μm)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルAを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)は18.6℃、潜熱量(kJ/kg)は118kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は45℃であった。
なお、平均粒径はマイクロトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
ステアリルアクリレート35重量部、メチルメタクリレート15重量部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド2重量部、n−ヘキサデカン50重量部を均一に混合し、さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、過流酸カリウム1重量部、水100重量部を加えプレ乳化液を作製した。このプレ乳化液の50重量部を重合槽に投入し、重合槽内を脱気、窒素雰囲気下した後、残りのプレ乳化液156重量部を3時間かけて滴下しながら、80℃で3時間乳化重合を行い、2時間熟成した。重合後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルB(平均粒径1.0μm)を得た。
このマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状のマイクロカプセルBを得た。この時、水層からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、マイクロカプセルBの相変化温度(℃)は18℃、潜熱量(kJ/kg)は122kJ/kg、マイクロカプセル壁の結晶化温度(℃)は49℃であった。
ステアリルアクリレート100重量部、n−ヘキサデカン150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は5.5μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルC(平均粒子径:6.1μm、固形分50重量%)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルCを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルCの相変化温度(℃)は18℃、潜熱量(kJ/kg)は125kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は50℃であった。
ベヘニルアクリレート100重量部、n−ヘキサデカン150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は5.0μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルD(平均粒子径:5.8μm、固形分50重量%)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルDを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルDの相変化温度(℃)は18℃、潜熱量(kJ/kg)は131kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は60℃であった。
ステアリルアクリレート100重量部、n−ヘキサデカン150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、2−2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は6.0μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルE(平均粒子径:6.5μm、固形分50重量%)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルEを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルEの相変化温度(℃)は18℃、潜熱量(kJ/kg)は122kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は50℃であった。
ステアリルアクリレート100重量部、エチレングリコールジメタクリレート5.0重量部、n−ヘキサデカン150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は6.2μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルF(平均粒子径:6.8μm、固形分50重量%)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルFを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルFの相変化温度(℃)は18℃、潜熱量(kJ/kg)は130kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は50℃であった。
メチルメタクリレート50重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、ミリスチン酸メチル50重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間重合を行い、2時間熟成した。その後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルG(平均粒径1.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で10時間乾燥したが、マイクロカプセル同士が凝集したため、100メッシュ以下のサイズの固形粉末として回収することはできなかった。よって、蓄熱体への適用が困難であった。
pHを4に調製した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液を重合槽に投入し、ミリスチン酸メチルを攪拌しながら添加し、乳化した。次いで、メラミンに40%ホルムアルデヒド水溶液を加えて調製したメラミン−ホルムアルデヒドの縮合物の水溶液を入れ、重合槽を70℃まで昇温し、重合を開始させた。3時間重合を行った後、重合槽を室温まで冷却して水に分散した蓄熱性マイクロカプセルH(平均粒径3.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で粉砕洗浄を行ったが、粉砕時にマイクロカプセルが破砕し、蓄熱材が漏洩した。よって、蓄熱体への適用が困難であった。
蓄熱性マイクロカプセルA60重量部、下記に示すヒドロキシル基含有化合物33重量部、イソシアネート基含有化合物7重量部を均一に混合し、反応促進剤0.1重量部を加え、十分攪拌した。攪拌後、型枠(270mm×170mm、厚さ5mm)中に流し込み、35℃で120分硬化させ、型枠から取り外し、厚さ5mmの蓄熱体を得た。攪拌の際、蓄熱性マイクロカプセルAは、カプセル壁が粉砕することなく、簡便に蓄熱体が製造できた。なおNCO/OH比率は1.0であった。得られた蓄熱体について、次の試験を行った。
・イソシアネート基含有化合物:HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%23.0%(固形分100%)
・反応促進剤:ジブチル錫ジラウレート
得られた蓄熱体を、10℃または40℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、蓄熱体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表1に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱体の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/miN、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表1に示す。
25mmのポリスチレンフォームで作製した外寸330mm×330mm×225mmの簡易ボックス内の4側面に、蓄熱体面がボックス内側になるように試験体を設置し、さらに5mmのけい酸カルシムボードを表面材として設置した。下面にはけい酸カルシムボードのみを設置し、上面はポリスチレンフォームのみとした。また、温度測定のため、ボックス内部空間の中心に熱電対を設置した。
この試験体ボックスを恒温器内に設置し、恒温器内の温度を外気温度、試験体ボックス内の温度を室内温度と見立て、次の実験を行った。
冬場の暖房運転を想定し、20℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持し、その後、ボックスの上面を塞ぎ、恒温器内温度を5℃に降温してからの、ボックス内部空間温度変化を経時的に測定した。結果を図1に示す。
また、図1には、実施例1の試験体の替わり(蓄熱断熱体)に、10mmのポリエチレンフォームのみを用いて蓄熱断熱性能評価試験を行った結果も同時に示す(比較例1)。
図1に示すように、蓄熱断熱体を適用した場合には、外気温度の影響を受け難く、ポリエチレンフォームのみ(比較例1)と比較して、室内温度の変動が少なく、蓄熱性・断熱性に優れた結果が得られた。
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルBに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱体を製造した。また、得られた蓄熱体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験を行った。結果は表1に示す。
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルCに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱体を製造した。また、得られた蓄熱体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験を行った。結果は表1に示す。
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルDに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱体を製造した。また、得られた蓄熱体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験を行った。結果は表1に示す。
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルEに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱体を製造した。また、得られた蓄熱体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験を行った。結果は表1に示す。
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルFに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱体を製造した。また、得られた蓄熱体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験を行った。結果は表1に示す。
実施例で得られた蓄熱断熱体の替わりに、ポリエチレンフォーム(熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)のみを用いて、実施例1と同様の蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は、図1に示す。
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