JP2006151998A - オクタフルオロシクロペンテンの製造方法 - Google Patents

オクタフルオロシクロペンテンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工業的規模での製造に適したオクタフルオロシクロペンテンの製造方法を提供する。
【解決手段】
次の第一工程および第二工程によって、オクタフルオロシクロペンテンを製造する。
第一工程:一般式(1)C5ClA8-A(Aは1〜8の整数を表す。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを、気相中で、クロム、アンチモン、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、およびアルミニウムからなる群より選ばれたフッ素化触媒存在下、フッ化水素でフッ素化し、一般式(2)C5ClB8-B(Bは0〜7の整数を表し、A>Bである。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を得る工程。
第二工程:第一工程で得られた一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を、金属フッ素化物によってフッ素化し、オクタフルオロシクロペンテンを得る工程。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素系洗浄剤、フッ素系乾燥溶剤等として有用な1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンタンの製造における中間体または各種の含フッ素化合物製造の中間体として有用なオクタフルオロシクロペンテンの製造方法に関する。
従来、フッ素化シクロペンタン類は対応する塩素化シクロアルケンをフッ素化して一旦vic−ジクロロフッ素化シクロアルケン誘導体を得て、それをさらにフッ素化および水素添加することで製造されることが知られている。具体的にはこの様なvic−ジクロロフッ素化アルケン誘導体の製造方法としては、パークロロシクロオレフインを用いる方法とパークロロシクロ共役ジエン化合物を用いる方法の二つが知られている。
パークロロシクロオレフイン化合物を用いる方法としては、例えば、非特許文献1には、オクタクロロシクロペンテンを三フッ化アンチモン/三フッ化二塩化アンチモン混合物と反応させて1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンを製造する方法が開示されている。また、特許文献1には、オクタクロロシクロペンテンを五塩化アンチモン存在下に塩素及びフッ化水素と反応させる1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンの製造方法が開示されている。また、パークロロシクロ共役ジエン化合物を用いる方法としては、例えば特許文献2には、三塩化アンチモン存在下塩素を反応させることでヘキサクロロシクロペンタジエンをオクタクロロシクロペンテンとすると共に、三塩化アンチモンを五塩化アンチモンとし、次いでこれにフッ化水素を加え反応させることで1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンを合成できることが記載されている。
一方、特許文献3にはヘキサクロロシクロペンタジエンと五弗化アンチモンを作用させて1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンを製造する方法が開示されている。また、特許文献4には五塩化アンチモン存在下にヘキサクロロシクロペンタジエンと弗化水素を反応させて1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンを製造する方法が開示されている。
J.Am.Chem.Soc.,67,1235(1945) 独国特許第3935493号明細書 特開平8−333285号公報 米国特許第2459783号明細書 米国特許第2449233号明細書
しかしながら、上記方法は何れもアンチモン触媒を用いた液相反応であって、ハロゲン化アンチモンの腐食性の大きいこと、また、工業規模では一般的なフッ素化剤としてフッ化水素を用いた場合、反応圧力が9.8×105〜2.94×106Pa(10〜30kg/cm2)と高いこと等に起因する装置上の困難を有していた。
本発明者らはかかる従来技術の問題点に鑑み、工業的規模での製造に適したオクタフルオロシクロペンテンの製造方法を確立するべく各種の製造プロセスについて鋭意検討を加えたところ、オクタクロロシクロペンテンなどの塩素化シクロペンテン類をフッ化水素で気相フッ素化するにあたって、特定の金属を触媒として使用することにより、目的とするオクタフルオロシクロペンテンが得られることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、次の第一工程および第二工程を含む、オクタフルオロシクロペンテンの製造方法である。
第一工程:一般式(1)C5ClA8-A(Aは1〜8の整数を表す。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを、気相中でフッ素化触媒存在下フッ化水素でフッ素化し、一般式(2)C5ClB8-B(Bは0〜7の整数を表し、A>Bである。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を得る工程であって、フッ素化触媒が、クロム、アンチモン、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、およびアルミニウムからなる群より選ばれた1種以上の金属によりなることを特徴とする、一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を得る工程。
第二工程:第一工程で得られた一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を、金属フッ素化物によってフッ素化し、オクタフルオロシクロペンテンを得る工程。
ここで、本発明者らはさらに検討を加えたところ、反応領域として各々独立に温度を設定できる複数の反応領域を直列に配列した反応装置を用いることで、長期にわたり運転を停止することなく目的とする一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンが得られることを見い出し、本発明に到達したものである。
したがって、他の発明は、一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを気相でフッ化水素と反応させて一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを製造する方法であって、反応領域が各々独立に反応温度を設定できるm個(mは2から10の整数を表す。)の反応領域を直列に配列した反応領域であることを特徴とする一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの製造方法である。
本明細書において、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン−1は1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンまたは1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンをいう。また、別途説明のない場合には、反応原料として「オクタクロロシクロペンテン」と言うときは一部塩素がフッ素で置換したクロロフルオロシクロペンテン類であってよく、反応生成物として「1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテン」というときは本反応の中間体であるクロロフルオロシクロペンテン類、クロロヘプタシクロペンテン、オクタフルオロシクロペンテンであってもよい。
本発明に係る一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンのハロゲン原子は塩素原子またはフッ素原子である。塩素原子の数は0〜7の整数であり、フッ素原子の数は1〜8の整数である。該ハロゲン原子はどの炭素原子に結合してもよい。一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンとしては特に限定されないが、例えば、オクタフルオロシクロペンテン、1−クロロ−ヘプタフルオロシクロペンテン、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5−ペンタフルオロシクロペンテン、1,2,3,4−テトラクロロ−3,4,5,5−テトラフルオロシクロペンテン、1,2,3,4,4−ペンタクロロ−3,5,5−トリフルオロシクロペンテン、ヘキサクロロ−3,3−ジフルオロシクロペンテン、ヘキサクロロ−4,4−ジフルオロシクロペンテン、ヘプタクロロ−5−フルオロシクロペンテンなどが挙げられる。
本発明に係る一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンのハロゲン原子は塩素原子またはフッ素原子である。塩素原子の数は1〜8の整数であり、フッ素原子の数は0〜7の整数である。該ハロゲン原子はどの炭素原子に結合してもよい。一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンとしては特に限定されないが、例えば、1−クロロ−ヘプタフルオロシクロペンテン、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5−ペンタフルオロシクロペンテン、1,2,3,4−テトラクロロ−3,4,5,5−テトラフルオロシクロペンテン、1,2,3,4,4−ペンタクロロ−3,5,5−トリフルオロシクロペンテン、ヘキサクロロ−3,3−ジフルオロシクロペンテン、ヘキサクロロ−4,4−ジフルオロシクロペンテン、ヘプタクロロ−5−フルオロシクロペンテン、オクタクロロシクロペンテンなどが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は公知の方法で合成することができる。例えば、ヘキサクロロシクロペンタジエンを金属塩化物などを触媒として塩素により塩素化してオクタクロロシクロペンテンを製造する方法(文献:Newcomer;McBee, J.Amer.Chem.Soc., 71<1949>946, 950)、オクタクロロシクロペンテンを三フッ化アンチモン/三フッ化二塩化アンチモン混合物と反応させて1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンと共に1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5−ペンタフルオロシクロペンテンおよび1,2,3,4−テトラクロロ−3,4,5,5−テトラフルオロシクロペンテンを得る方法(Henne,et al.J.Am.Chem.Soc.,67,1235(1945))などが知られている。
本発明に係る第一工程、すなわち、一般式(1)C5ClA8-A(Aは1〜8の整数を表す。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを気相中でフッ素化触媒存在下フッ化水素でフッ素化することからなる一般式(2)C5ClB8-B(Bは0〜7の整数を表し、A>Bである。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物の製造工程を以下に詳細に説明する。
フッ素化触媒としては1b族、2b族、4b族、5b族、6b族、7b族、8族、3a族、4a族、5a族から選ばれた1種以上の金属を使用する。金属は酸化物、フッ化物(フッ素化物)、塩化物(塩素化物)、フッ化塩化物(フッ素化塩素化物)、オキシフッ化物(酸化物の部分フッ素化物)、オキシ塩化物(酸化物の部分塩素化物)またはオキシフッ化塩化物(酸化物の部分フッ素化塩素化物)等として使用できる。これらのうちクロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、銅、アンチモン、チタン、スズ、タンタルが好ましい。また、クロムまたはアンチモンは特に好ましく使用でき、複数の金属を使用する場合はその1種をクロムまたはアンチモンとすることが好ましい。これらの金属は公知の担体に担持されていてもよい。担体としてはフッ素化反応に安定であれば特に限定されないが、活性炭、金属アルミニウム、ジルコニア、マグネシア、チタニア、フッ化水素等により脱シリカしたクレー、アルミニウムの酸化物(アルミナ)、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物(部分フッ素化アルミナ)、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物等などを用いることができる。例えば、クロム担持活性炭、クロム担持アルミナもしくはクロム酸化物またはそれらの部分フッ素化物、アンチモン担持活性炭は特に好適な触媒として挙げられる。
本発明で使用するフッ素化触媒の担体となる活性炭は、特に限定されない。本発明で使用する活性炭は、木材、のこくず、木炭、椰子殻炭、パーム核炭、素灰などを原料とする植物質系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などを原料とする石炭系、石油残渣、硫酸スラッジ、オイルカーボンなどを原料とする石油系あるいは合成樹脂を原料とするものなどがある。このような活性炭は、各種のものが市販されているのでそれらのうちから選んで使用すればよい。例えば、瀝青炭から製造された活性炭(例えば、カルゴン粒状活性炭CAL(東洋カルゴン(株)製)、椰子殻炭(例えば、武田薬品工業(株)製)などを挙げることができるが、当然これらの種類、製造業者に限られることはない。また、これらの活性炭は通常粒状で使用するが、その形状、大きさは特に限定されず、通常の知識をもって反応器の大きさを基準に決定することができる。
本発明において使用する活性炭は比表面積の大きな活性炭が好ましい。活性炭の比表面積ならびに細孔容積は、市販品の規格の範囲で十分であるが、それぞれ400m2/gより大きく、0.1cm3/gより大きいことが望ましい。また、それぞれ800〜3000m2/g、0.2〜1.0cm3/gであればよい。さらに活性炭を担体に用いる場合、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液に常温付近で10時間程度またはそれ以上の時間浸漬するか、活性炭を触媒担体に使用する際に慣用的に行われる硝酸、塩酸、フッ酸等の酸による常温または加熱状態での前処理を施し、予め担体表面の活性化ならびに灰分の除去を行うことが望ましい。
また、アンチモン、チタン、スズ、タンタルなどのハロゲン化物を担持処理する際に加水分解等により劣化しないように前もって加熱したり、減圧等することで水分を可及的に除去するのが望ましい。
本発明で担体として使用するアルミナは特に限定されないが、普通アルミニウム塩水溶液からアンモニアなどの塩基性物質を用いて生じさせた沈殿を成型・脱水させて得られるアルミナであり、通常、触媒担体用あるいは乾燥用として市販されているγ−アルミナを好ましく採用できる。
金属を担体に担持して用いる場合、担持金属は担体100重量部に対し0.1〜50重量部(金属単体として)が用いられ、0.5〜50重量部が好ましく、2〜50重量部がより好ましく、5〜50重量部がさらに好ましい。金属の担持量は多い方が活性が高くなるので好ましいが、余り多い場合には触媒の粉化などが起こるので取り扱いを慎重にしなければならない。
これらの触媒を調製する方法は限定されないが、担持触媒として使用する場合、前記のγ−アルミナなどのアルミニウム酸化物、予めフッ化水素、塩化水素、塩素化フッ素化炭化水素などで処理され部分的にフッ素化されたアルミナまたは活性炭に1種または2種以上の前記金属の可溶性化合物を溶解した溶液または液体の化合物である場合にはそのままで含浸させるか、スプレーし、次いで乾燥させ、その後さらに加熱状態でフッ化水素、塩素化フッ素化炭化水素などのガス状のフッ素化剤と接触させ、担体または担持金属を部分的にまたは完全にフッ素化することでフッ素化触媒は調製される。フッ素化アルミナを担体とする場合には、調製の最終段階では目的とするフッ素化反応の反応温度以上の温度でフッ化水素と接触させ安定なフッ素含有量とするのが好ましい。従って、この処理は通常150〜800℃程度で行うことが好ましい。
また、担体を用いないで触媒を調製する場合、上記金属の可溶性化合物の溶液からアンモニア等の塩基性物質を用いて析出させた金属水酸化物から焼成などの方法で一旦調製した金属酸化物をフッ化水素、塩化水素、塩素化フッ素化炭化水素などで一部または完全にフッ素化することにより得られる。金属酸化物は、例えば、硝酸クロムの水溶液をアンモニア水溶液で沈殿させて得られるクロミアゲルを焼成したもの、また、同様の方法で得たアルミナゲルをクロミアゲルと湿った状態で練り合わせて焼成したもの、さらに硝酸クロム水溶液に上記したマンガン等のフッ素化触媒に用いる金属を溶解させて共沈法で得られた混合ゲルを焼成したものを挙げることができる。他の金属についても同様に調製することができる。
本発明で使用する触媒においては、副成分としてマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類元素およびランタン、セリウム等のランタノイド系元素などを添加することもできる。これらは、担体または担持金属であるオキシハロゲン化物の再結晶化を抑制し活性を維持させるために添加される。担持金属に対する副成分元素の重量比としては、50:50〜99.9:0.1、好ましくは70:30〜99:1が適当である。
金属の可溶性化合物としては、水、エタノール、アセトンなどの溶媒に溶解する該当金属の硝酸塩、塩化物、有機酸塩、有機金属錯体などが挙げられ、また、金属単体、酸化物、水酸化物等を塩酸、硝酸などの鉱酸に溶解して調製したものも用いることができる。具体的には、硝酸クロム、三塩化クロム、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、硝酸マンガン、塩化マンガン、二酸化マンガン、酢酸マンガン、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルト、硝酸鉄、塩化鉄、塩化モリブデン、塩化ニオブ、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸銅、塩化銅、五塩化アンチモン、三塩化アンチモン、五フッ化アンチモン、四塩化チタン、三塩化チタン、四塩化スズ、五塩化タンタルなどを用いることができるが、これらに限られない。
活性炭などの前記した担体にアンチモン、チタン、スズ、タンタルなどの高原子価状態のハロゲン化物を担持した触媒は、アンチモン、チタン、スズ、タンタルなどの高原子価状態のハロゲン化物を使用して次のような方法を採用することができる。例えば、脱水、酸処理等の前処理を必要に応じて施した活性炭に常温で液体のハロゲン化物をそのまま徐々に添加するか、もしくは不活性な溶媒、例えば、塩素化溶剤:四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン等、フッ素化塩素化溶剤:2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等またはアルコール、例えばメタノール、エタノールなどに溶解して得られる溶液に浸漬後、加熱または/および減圧することで調製できる。
また、アンチモン化合物では比較的容易に酸化されるので三塩化アンチモンなどの低原子価のハロゲン化物を前記不活性な溶媒を使用して担持させその後で塩素などで5価のハロゲン化物とする方法を採用することもできる。これらの場合には水溶液を用いて調製した場合と異なり、高原子価状態を維持したまま金属ハロゲン化物が触媒として機能すると考えられるため、後に述べるように比較的低温において触媒活性を示すことがある。
この様な高原子価金属ハロゲン化物触媒としては、活性炭に担持した五塩化アンチモン、五フッ化アンチモン、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化タンタルなどが挙げられ、これらは複数を併せて使用することもできるが、五塩化アンチモンに少量の四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化タンタルまたはクロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、銅などの塩化物を加えるのが好ましい。また、これらの触媒の活性種は明確ではないが、塩素の一部がフッ素で置換した混合ハロゲン化物となっていると推定される。
何れの金属、担体、方法を用いて調製した触媒も、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化またはフッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤で処理し、反応中の触媒の組成変化を防止することが有効である。
本発明の方法で使用するフッ素化触媒が、反応により活性を失った際には、再活性化することができる。すなわち、失活した触媒は、高められた温度で酸化性物質、例えば、酸素、空気、オゾン、塩素などと接触させることで再活性化することができる。また、酸素、オゾン、塩素、フッ化塩素、三フッ化塩素、酸化窒素、亜酸化窒素などの酸化性物質を反応系中に常時連続的にあるいは断続的に供給することは触媒寿命を長く保つためには好ましい場合がある。
本発明のパーハロゲン化シクロペンテンの製造方法における反応温度は40〜800℃であるが、フッ素化触媒の金属の種類、調製方法により異なる。例えば、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、銅等またはアンチモン、チタン、スズ、タンタルなどであっても水溶液などを使用して低原子価状態にある金属を活性種として調製した場合では、反応温度は150〜800℃程度であり、好ましくは200〜750℃、より好ましくは250〜700℃である。一方、アンチモン、チタン、スズ、タンタル等の高原子価状態のハロゲン化物が活性種となるように調製した場合には、反応温度は40〜300℃程度であり、好ましくは50〜250℃、より好ましくは60〜200℃である。反応温度がそれぞれ150℃または40℃の下限より低ければ反応は遅く実用的ではない。反応温度を高くすれば、反応は速く進行するが触媒の劣化が起こりやすく、また高い反応温度を得るために多量の熱エネルギ−を必要とするため経済的に好ましくない。
本発明の方法において、反応領域へ供給する一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテン/フッ化水素のモル比は反応原料の種類、第一工程で目的とする一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの種類、反応温度により変わりうるが、例えばオクタクロロシクロペンテンを反応原料として1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンを得ようとする場合、1/6〜1/60であり、1/8〜1/50が好ましく、1/10〜1/40がより好ましい。この際、原料に一部フッ素化された一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを使用する時、または目的とする一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンがより低次のフッ素化物であるときには、適宜フッ化水素の比率を減少させることが好ましい。フッ化水素が過剰であると、単位時間当たりの生産量の減少をきたす。一方、フッ化水素が少ないと反応率は低下し、目的生成物の収率も低下する。
反応圧力は特に限定されないが、装置の面から9.8×104〜9.8×105Pa(1〜10kg/cm2)で行うのが好ましい。系内に存在する原料有機物、中間物質およびフッ化水素が、反応系内で実質的に液化しない、すなわち、液滴として存在しないような条件を選ぶことが望ましい。接触時間は、通常0.1〜300秒、好ましくは1〜100秒、さらに好ましくは5〜50秒である。
反応器は、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有する材質で作られれば良く、ステンレス鋼、ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、これらの金属でライニングされた材料で作ることもできる。
上記の示した反応からなる方法により製造された一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物からなるフッ素化反応生成物は公知の方法を適用して精製してもよい。例えば、塩化水素、未反応のフッ化水素とともに反応器から液体または気体状態で取り出された後、水または塩基性水溶液により洗浄し、あるいは塩化水素、過剰のフッ化水素を蒸留もしくは液相分離などの操作で除去し、ついで残留した酸性成分を塩基性物質などで除いた後、精製蒸留により一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを得ることができる。
しかしながら、第一工程に引き続き第二工程を実施する場合には、第一工程におけるフッ素化方法によっては必ずしもかかる精製を行う必要はない。すなわち、第一工程で得られる塩化水素、未反応のフッ化水素などを伴うフッ素化反応生成物は、酸性成分を除去しただけの一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物であってもよく、さらには酸性成分すら除く必要のない場合もあり、単に酸性成分の含有量を減らすのみでもよい場合もある。
本発明に係る第二工程はフッ素化反応からなるが、第一工程とは異なる反応系により行う。例えば、塩素化アルカンまたは塩素化アルケンにおいて常用される金属フッ化物による塩素−フッ素交換反応により行うことができる。この方法を採用する際には、第一工程で得られた一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンは混合物で用いることができる。また酸性成分が少量存在することは問題はないが、予め除いておくことが好ましい。この方法で用いる金属フッ化物は、アルカリ金属フッ化物などであり特に限定されないが、例えばフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ルビジウムなどが挙げられる。好ましくはフッ化カリウム、フッ化セシウムなどの化合物である。金属フッ化物の使用量としては、通常、原料である一般式(2)C5ClBF8-B(Bは0〜7の整数を表し、A>Bである。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテン1モルに対してBモル以上、好ましくはB〜10Bモル、さらに好ましくはB〜5Bモルの範囲である。反応溶媒は必要に応じて使用することができ、例えばホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを挙げることができる。また、必要に応じて上記の酸アミド類、スルホキシド類などの反応溶媒と相溶性のある炭化水素類(キシレンなど)を加えることができる。反応温度は、通常200℃以下、好ましくは60〜180℃で、さらに好ましくは80〜150℃の範囲であり、反応時間は使用する金属フッ化物の種類により適宜選択されるが、通常は24時間以内である。
塩素化炭化水素を気相法で触媒の存在下フッ化水素によりフッ素化する場合、通常塩素化炭化水素とフッ化水素は予め加熱・気化して反応領域に導入されるが、反応温度は所望の目的生成物が得られる温度に設定されるため、原料化合物の分解温度近くまで加熱することが多い。特に塩素原子数の多い塩素化炭化水素は沸点が高く、また、フッ化水素はそれ自体で重合や異性化の触媒として働くとも言われることからこの様な予備加熱はしばしば重合体の生成を起こすことがある。この様な好ましくない分解反応により生成した高沸点化合物はさらに時間の経過とともにタール様物質や固体炭素に変化し、反応器を閉塞させたり、触媒表面を覆い触媒の活性を低下させることがしばしば見受けられる。
ところが、この様な問題を回避するために反応温度を低く設定すると反応率の低下を招くこととなる。
本発明の第一工程におけるフッ素化方法は、複数の反応領域を直列に設け、且つそれぞれの反応領域の温度を独立に制御することができるようにするのが好ましい。反応領域はそれぞれが独立の反応器であってもよく、また、単一の反応器を部分毎に独立に温度を制御できるように加熱装置を設けたものであってもよい。反応の形式は特に限定されず、固定床式、流動床式、移動床式のいずれでもよいが、固定床式が最も適している。反応器の形式は特に限定されず、通常、外部加熱方式の単管式または多管式反応器が好ましい。
直列に配列する反応領域の数は2以上で可能な限り多いことが好ましいが経済的観点並びに操作が煩雑となるなどの理由から10以下とするのが良い。さらに好ましくは2から4が推奨される。以下、反応領域または反応器について第n番目との表示はいずれも原料送入側から第n番目の反応領域または反応器をいい、最終のものを第z番目というものとする。
それぞれの反応領域の温度の設定については、原料、各反応領域の触媒、反応条件、目的生成物により最適の分布に設定することができるが、通常、主たる反応領域となる第z番目の反応領域を所望の原料反応率と目的生成物の選択率が得られる温度とし、第1番目から第z番目まで順次設定温度を高くするのが好ましい。また、各反応領域の大きさは任意に設定すればよいが、通常、主たる反応領域を大きく、第1番目の反応領域をそれより小さくすることが反応を制御し易くするので好ましい。さらに各反応領域で触媒は同じでも異なっても良いが、通常同一の触媒を使用するのが好適である。
本方法における主たる反応領域の温度は、所期の反応率、選択率および触媒寿命に関係し、80〜800℃である。反応温度は前記したように触媒の種類にも大きく依存するが、特に80℃の下限よりも低い温度で目的とする生成物が得られる場合には敢えて反応領域を複数にすることにメリットは少ない。800℃よりも高くすれば、反応は速く進行するが触媒寿命が短くなり、高い反応温度を得るために多量の熱エネルギ−を必要とするため、経済的に好ましくない。
本発明の方法においては、少なくとも第1番目の反応領域は原料である一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの沸点よりも低く設定するのが好ましい。すなわち、第1番目の反応領域において期待される反応は、必ずしも一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの反応系圧力下での沸点に相当する温度またはそれ以上の温度が必要ではなく、それよりも低い温度で一部の塩素原子はフッ素原子で置換され、沸点の低い中間体に転換することができる。明確ではないが、この様に一部フッ素化がなされた中間体は比較的重合などの副反応に安定であり、より高い所望の反応温度を設定した反応領域において目的とする反応のみ効率的に生じさせることができるため、本発明の効果が得られたものと推測される。その結果、望ましくない過フッ素化物、タール様化合物の生成を減らし、目的生成物の収率を高め、さらに触媒の寿命を長期化するのに効果があるものと考えられる。
第2番目から第z−1番目の反応領域の温度は、通常第1番目より高く第z番目よりは低く設定するのが好ましい。
本発明の方法において、一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンがオクタクロロシクロペンテンである場合では、反応領域へ供給するオクタクロロシクロペンテン/フッ化水素のモル比は、主たる反応領域または第z番目の反応領域の温度により変わりうるが、1/6〜1/60であり、1/8〜1/50が好ましく、1/10〜1/40がより好ましい。この際、原料に一部フッ素化されたクロロフルオロシクロペンテン類を使用する時、または目的とする生成物がより低次のフッ素化物を含んだ状態で得られてよい場合には、適宜フッ化水素の比率を減少させることが好ましい。フッ化水素が少ないと反応率は低下し、目的生成物の収率も低下するので好ましくないが、過剰に用いるのは反応後回収分離し、原料として再利用するので問題とはならない。
本発明の方法では、フッ化水素を第1段目での所望の反応に必要な量よりも多く使用することが好ましい。フッ化水素を十分に多くすることで第1段目の反応領域の温度を比較的低く設定できるという効果がある。この過剰量のフッ化水素は反応に不活性なガスで一部を代用することもできるが、その様なガスは他の目的を有する場合を除き避けることが、生成物の分離・精製への負担を増加させないので好ましい。したがって、何れの反応領域においても不活性ガスは実質的に存在させないことが特に好ましい。フッ化水素は必ずしも全量を第1番目の反応領域に導入する必要はないけれども、上に述べたように、反応温度の緩和の点から見て、通常第1番目に全量を導入するの好ましい。
本発明の方法を実施する際には、原料の一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンは沸点よりも1〜50℃程度低い温度に予熱し、また、フッ化水素は第1番目の反応領域の温度程度まで予熱して気化させておくのが好ましい。これらは単一の予熱器で同時に予熱することもできるが、それぞれを別々の予熱器で予熱することが好ましい。
本発明の方法においては、各反応領域で生成する塩化水素は後の反応において化学平衡上好ましくない物質であるので、各反応領域の中間において塩化水素を除去することは反応の面からは好ましいが、同時に未反応のフッ化水素を除去することとなることが多いので、敢えてこの様な塩化水素の除去を行うことは必要ではない。一方、各反応領域で微量の高沸点有機物が生成する場合には、それを除去することは触媒の寿命を延長するのに効果が認められる場合がある。その手段は特に限定されないが、例えば、活性炭による吸着、硫酸での吸収、溶媒による吸収、または冷却して液化分離するなどの方法が適宜採用できる。
本発明の複数の反応領域を使用してなるフッ素化方法によりオクタクロロシクロペンテンをフッ素化すると、オクタフルオロシクロペンテン、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフロオロシクロペンテン、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフロオロシクロペンテン、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン、ヘキサクロロジフルオロシクロペンテン、ヘプタクロロモノフルオロシクロペンテンなどが各反応領域で中間体または生成物として得られる。
本発明が意図するところが、新規な1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンの製造プロセスを提供することであることに鑑み、本発明の方法における中間の各反応領域での生成物はクロロフルオロシクロペンテン類であればよくその組成は特に限定されない。
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限られない。
[調製例1]
活性アルミナ(住友化学製KHS−46:粒径4〜6mm、)800gを計り取り水で表面に付着した粉を洗浄除去した。フッ化水素(無水フッ酸)306gを水2760gに溶解し10%フッ化水素水溶液を調製した。洗浄した活性アルミナに調製した10%フッ化水素水溶液を徐々に入れ撹拌後3時間静置し、水洗し、ろ過し、次いで電気炉において200℃で2時間乾燥を行った。乾燥した活性アルミナを内径4.2cm長さ60cmのSUS304製反応管に800ml入れ窒素を流しながら電気炉を200℃ まで昇温し、更にフッ化水素を窒素に同伴させながらフッ化水素処理を行った。処理を行うにつれ温度が上昇するが400℃ を越えないように窒素とフッ化水素の流量を調整した。発熱が収まった時点で更に電気炉の設定を400℃ のままで2時間維持しフッ素化アルミナを調製した。
[調製例2]
435gの特級試薬CrCl3・6H2Oを純水に溶かして1.3lとした。この溶液に調製例1で調製したフッ素化アルミナ200gを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過してアルミナを取り出し、熱風循環式乾燥器中で100℃に保ち、さらに一昼夜乾燥した。得られたクロム担持アルミナを電気炉を備えた直径2.5cm長さ40cmの円筒形SUS304製反応管に200ml充填し、窒素ガスを流しながら300℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填されたクロム担持アルミナのフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達したところで反応器温度を400℃に上げ、その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。表1に触媒調製条件をまとめた。
Figure 2006151998
[調製例3]
448gの特級試薬CrCl3・6H2Oを純水に溶かして1.3lとした。この溶液に粒状活性炭(武田薬品工業(株)製品、粒状白鷺GX、椰子殻活性炭、円柱状炭・4〜6メッシュ)200gを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、ナス型フラスコに入れエバポレ−タ−で70℃に保ち、減圧にて乾燥した。得られたクロム担持活性炭を電気炉を備えた直径2.5cm長さ40cmの円筒形SUS304製反応管に200ml充填し、窒素ガスを流しながら300℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。反応器温度を徐々に上げて最終的に350℃まで昇温し、その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例4]
495gの特級試薬Cr(NO33・9H2Oを1000gの純水に溶解した。この溶液に調整例3で用いたものと同種の粒状活性炭200gを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、ナス型フラスコに入れエバポレ−タ−で70℃に保ち、減圧にて乾燥した。乾燥終了後、常圧で150℃まで昇温し、硝酸塩を熱分解した。NO2の発生が止んだ時点を終点とした。得られたクロム担持活性炭を電気炉を備えた直径2.5cm長さ40cmの円筒形SUS304製反応管に200ml充填し、窒素ガスを流しながら徐々に350℃まで昇温した。反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めながら350℃まで昇温した。その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例5]
495gの特級試薬Cr(NO33・9H2Oを1000gの純水に溶解した。この溶液に調製例1で調製したフッ素化アルミナ200gを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過してアルミナを取り出し、ナス型フラスコに入れエバポレ−タ−で70℃に保ち、減圧にて乾燥した。乾燥終了後、常圧で150℃まで昇温し、硝酸塩を熱分解した。NO2の発生が止んだ時点を終点とした。得られたクロム担持アルミナを電気炉を備えた直径2.5cm長さ40cmの円筒形SUS304製反応管に200ml充填し、窒素ガスを流しながら徐々に400℃まで昇温した。水の流出が見られなくなった時点で、反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めながら400℃まで昇温した。その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例6]
3960gの特級試薬Cr(NO33・9H2Oを8000gの純水に溶解した。この溶液に調製例3で用いたものと同種の粒状活性炭4200gを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、ナス型フラスコに入れエバポレ−タ−で70℃に保ち、減圧にて乾燥した。乾燥終了後、常圧で150℃まで昇温し、硝酸塩を熱分解した。NO2の発生が止んだ時点を終点とした。得られたクロム担持活性炭を電気炉を備えた直径5.4cm長さ200cmの円筒形SUS304製反応管に4200ml充填し、窒素ガスを流しながら徐々に350℃まで昇温した。反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めながら350℃まで昇温した。その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例7]
粒状のCr23(高純度化学研究所製品、酸化クロム、粒状・粉末焼結・4メッシュ以下)を電気炉を備えた直径2.5cm長さ40cmの円筒形SUS304製反応管に200ml充填し、窒素ガスを流しながら徐々に350℃まで昇温した。反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めながら350℃まで昇温した。その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
[調製例8]
6.72kgの特級試薬Cr(NO33・9H2Oを3.28kgの純水に溶解した。この溶液に調製例3で用いたものと同種の粒状活性炭を2.00kg浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過して活性炭を取り出し、ナス型フラスコに入れエバポレ−タ−で70℃に保ち、減圧にて乾燥した。乾燥終了後、常圧で150℃まで昇温し、NO2の発生が止んだ時点を終点とした。
[調製例9]
300mlナス型フラスコに、100℃〜120℃で減圧乾燥した調製例3で用いたものと同種の粒状活性炭200mlを入れ、滴下ロ−トより五塩化アンチモン100gを良く振り混ぜながら50℃以下で滴下した。
得られた触媒200mlを電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径2.5cm、長さ40cm)に充填し、窒素(1.2l/時)および反応器上部に設けた気化器でガス化したフッ化水素を36g/時で導入しながら、反応管を室温から150℃まで徐々に昇温し、150℃で1時間その状態を保った。次いで、フッ化水素を止め、反応管を室温まで冷却した後、塩素を300ml/時で導入しながら、室温から150℃まで徐々に昇温し、150℃で1時間その状態を保ち触媒の調製を行った。
[調製例10、11、12、15、17、19、21]
調製例4と同様の方法で、金属化合物の種類、量、溶解に使用する水の量、担体の種類(調整例3で使用したのと同じ種類の活性炭)、量を表1に示す通りにし、他の条件を同一にして触媒を調製した。
[調製例13、18]
調製例5と同様の方法で、金属化合物の種類、量、溶解に使用する水の量、担体の種類(調製例1と同じ方法で調製したフッ素化アルミナ)、量を表1に示す通りにし、他の条件を同一にして触媒を調製した。
[調製例14、16、20]
調製例3と同様の方法で、金属化合物の種類、量、溶解に使用する水の量、担体の種類(調製例1と同じ方法で調製したフッ素化アルミナ)、量を表1に示す通りにし、他の条件を同一にして触媒を調製した。
[実施例1]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、直径2.5cm・長さ40cm)に気相フッ素化触媒として調製例2で調製した触媒を190ml充填した。約1.2l/時の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を12g/時の速度で窒素ガスに同伴させた。徐々に昇温し反応管の温度が、330℃に達したところで、窒素ガスを止め、フッ化水素を12g/時、オクタクロロシクロペンテンを18g/時の速度で反応器へ供給開始した。
オクタクロロシクロペンテンを90g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスを氷−水トラップ中に回収した。得られた62gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン0.2%(クロマトグラムでの面積%、検出器:FID、以下同じ。)、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン27.3%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン40.7%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン22.7%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン3.9%であった。結果を表2に示す。
Figure 2006151998
[実施例2、3、4、5、6、7]
実施例1と同じ気相反応装置を用いて表2に示す触媒を190ml充填し、実施例1と同じ窒素ガス処理とフッ化水素ガス処理(表2に示す供給量)を同じ温度で行い、次いで表2に示すオクタクロロシクロペンテンおよびフッ化水素の供給量で反応を行った。生成物を実施例1と同様に捕集し、分析した。結果を表2に示す。
[実施例8]
調製例9で調製した触媒200mlを充填した電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径2.5cm、長さ40cm)に50℃で窒素(1.2l/時)およびフッ化水素を41.2g/時の速度で流しながら、徐々に昇温し反応管の温度が200℃に達したところで窒素ガスを止め、オクタクロロシクロペンテン93.3g及びフッ化水素144.3gを3.5時間かけて供給した。反応器から流出する生成ガスを氷−水トラップ中に回収し、得られた58.0gの有機物をガスクロマトグラフィ−で分析したところ、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン75.7%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン18.1%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン4.9%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン0.4%の組成であった。結果を表3に示す。
[実施例9]
調製例9で調製した触媒100mlを充填した電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、内径2.5cm、長さ40cm)に50℃で窒素(1.2l/時)、塩素(約150ml/時)およびフッ化水素を44g/時の速度で流しながら、徐々に昇温し反応管の温度が175℃に達したところで窒素ガスを止め、オクタクロロシクロペンテン99.1g及びフッ化水素153.9gを3.5時間かけて供給した。反応器から流出する生成ガスを氷−水トラップ中に回収し、得られた56.6gの有機物をガスクロマトグラフィ−で分析したところ、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン77.4%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン16.4%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン4.8%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン0.2%の組成であった。結果を表2に示す。
[実施例10]
表2に示す以外の条件は変えず、反応条件を表2に示すように変えて実施例9と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
[実施例11]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、直径2.5cm・長さ40cm)に気相フッ素化触媒として調製例5で調製した触媒を190ml充填した。約1.2l/時の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を12g/時の速度で窒素ガスに同伴させた。徐々に昇温し反応管の温度が、450℃に達したところで、窒素ガスを止め、フッ化水素を12g/時、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンを15g/時の速度で反応器へ供給開始した。
1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンを75g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスを氷−水トラップ中に回収した。得られた63gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、オクタフルオロシクロペンテン3.2%、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン26.8%、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン64.6%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン2.7%であった。結果を表3に示す。
Figure 2006151998
[実施例12乃至25]
実施例11と同じ気相反応装置を用いて表3に示す触媒を190ml充填し、実施例1と同じ窒素ガス処理とフッ化水素ガス処理(表3に示す供給量)を同じ温度で行い、次いで表3に示す1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンおよびフッ化水素の供給量で反応を行った。生成物を実施例11と同様に捕集し、分析した。結果を表3に示す。
[実施例26]
300mlの反応器に乾燥したフッ化カリウム59.5g、N,N−ジメチルホルムアミド114gを入れ130℃に加熱した。よく乾燥させた実施例4で得たパーハロゲン化シクロペンテン混合物(1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン0.7%、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン73.6%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン20.2%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン4.9%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン0.3%)100gを4.9時間かけて滴下すると同時に、生成する有機物を27〜28℃で留出させオクタフルオロシクロペンテン76.3g(収率90%)を得た。
[実施例27]
第一反応器と第二反応器が配管により直列に接続されたフッ素化反応装置を用い、有機物の原料を供給する前に触媒の安定化を図るための前処理をそれぞれの反応器について互いに独立に行った。第一反応器は電気ヒ−タ−により加熱可能な円筒形反応管(SUS304製、直径4.2cm、長さ40cm)で、これに気相フッ素化触媒として調製例8で調製した触媒を400ml充填し、約12l/時の流量で窒素ガスを流しながら、徐々に350℃まで昇温した後、反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させフッ化水素の濃度を徐々に高めながら330℃まで昇温し、最終的に窒素ガスの供給を停止した。次に第一反応器の温度を250℃まで降温し、予熱器を通し250℃としたフッ化水素の供給速度を330g/時として反応準備を完了した。
一方、第二反応器は熱媒により加熱可能なジャケット式円筒形反応管(SUS304製、直径5.4cm、長さ100cm)で、これに気相フッ素化触媒として調製例8で調製した触媒を2.0l充填し、約12l/時の流量で窒素ガスを流しながら徐々に350℃まで昇温した後、反応器温度を150℃まで降温し、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めながら330℃まで昇温し、最終的に窒素ガスの供給を停止した。ここで第一反応器から流出するフッ化水素を第二反応器へ流通させ始め反応準備を完了した。
その後、オクタクロロシクロペンテンを予め250℃に予熱し液体状態のまま210g/時の速度で第一反応器に供給しはじめ反応を開始した。
反応開始後に第一反応器出口の生成ガスをサンプリングし、酸性ガス(フッ化水素および塩化水素)を除去した後ガスクロマトグラフで分析したところ、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフロオロシクロペンテン2.3%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン14.3%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン39.9%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン32.7%、ヘキサクロロジフルオロシクロペンテン8.0%、ヘプタクロロモノフルオロシクロペンテン0.8%の組成であった。
そのまま反応を続け、200時間にわたって210g/時の速度でオクタクロロシクロペンテンを42kg供給し、第二反応器から流出する生成ガスを氷−水トラップ中に回収した。得られた26.4kgの有機物をガスクロマトグラフで分析したところ、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフロオロシクロペンテン2.0%、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフロオロシクロペンテン77.0%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン16.3%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン3.7%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン0.3%であった。
反応終了後、オクタクロロシクロペンテンとフッ化水素のそれぞれの予熱器、および第一反応器の入り口近くの触媒の状態を目視で観察したところ、有機物、タール様物質または炭素カスなどは全く見られなかった。
[実施例28]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS304製、直径5.4cm・長さ200cm)に気相フッ素化触媒として調製例6で調製した触媒4.2lを充填した。約30l/時の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を501g/時の速度で窒素ガスに同伴させた。徐々に昇温し反応管の温度が、330℃に達したところで、窒素ガスを止め、フッ化水素を501g/時、オクタクロロシクロペンテンを305g/時の速度で反応器へ供給開始した。
オクタクロロシクロペンテン82.35kgを270時間かけて反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスを−15℃に冷却したSUS316製の受け器に凝縮し回収した。回収されたフッ化水素及び有機物は二層に分離し、得られた有機物を10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水塩化カルシウムで乾燥した。得られた51.53kgの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−クロロ−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフロオロシクロペンテン1.37%、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフロオロシクロペンテン77.6%、トリクロロペンタフルオロシクロペンテン16.5%、テトラクロロテトラフルオロシクロペンテン3.6%、ペンタクロロトリフルオロシクロペンテン0.3%であった。
反応終了後、オクタクロロシクロペンテンとフッ化水素の予熱器、および第一反応器の入り口近くの触媒の状態を目視で観察したところ、オクタクロロシクロペンテンの予熱器にはかなりの量の炭素カスが見られ、有機物の分解の起こっていたことが推定され、また、第一反応器入り口近辺の触媒にもやはり炭素カスがたまっているのが認められた。
本発明のパーハロゲン化シクロペンテンの製造方法は、入手の容易なヘキサクロロシクロペンタジエンの塩素化により得られるオクタクロロシクロペンテンを原料とし、連続的に簡便な方法で1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、塩素化フッ素化シクロペンテンまたはオクタフルオロシクロペンテンを製造できるので、工業的な製造法として有用である。
また、設定温度の異なる複数の反応領域を設けると原料有機物からのタール様物質の生成を減らし、触媒寿命を保つことができ、もって反応装置の連続運転時間を長くすることができる。

Claims (9)

  1. 次の第一工程および第二工程を含む、オクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
    第一工程:一般式(1)C5ClA8-A(Aは1〜8の整数を表す。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンを、気相中でフッ素化触媒存在下フッ化水素でフッ素化し、一般式(2)C5ClB8-B(Bは0〜7の整数を表し、A>Bである。)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を得る工程であって、フッ素化触媒が、クロム、アンチモン、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、およびアルミニウムからなる群より選ばれた1種以上の金属を含むものである、一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を得る工程。
    第二工程:第一工程で得られた一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの混合物を、金属フッ化物によってフッ素化し、オクタフルオロシクロペンテンを得る工程。
  2. 金属フッ化物がフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムまたはフッ化ルビジウムである、請求項1に記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  3. 第一工程のフッ素化触媒が、活性炭、アルミナ、部分フッ素化アルミナ、フッ素化アルミナ、およびフッ化アルミから選ばれる担体に前記金属を担持させたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  4. 第一工程のフッ素化触媒が、前記金属の、酸化物、フッ素化物、塩素化物、フッ素化塩素化物、部分フッ素化物、部分塩素化物または部分フッ素化塩素化物であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  5. 一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンがオクタクロロシクロペンテンである、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  6. 一般式(2)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンが1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンである、請求項5に記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法であって、第一工程の反応領域が各々独立に反応温度を設定できるm個(mは2から10の整数を表す。)の反応領域を直列に配列してなる反応領域であることを特徴とする、オクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法であって、第一工程の主とする反応領域よりも前に反応系圧力下での一般式(1)で表されるパーハロゲン化シクロペンテンの沸点に相当する温度よりも低い温度に設定した少なくとも一の反応領域を配置したことを特徴とする、オクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
  9. 一の反応領域で生成した反応ガスを、塩化水素および/またはフッ化水素を分離せずにそのまま次の反応領域へ移動させることを特徴とする請求項8に記載のオクタフルオロシクロペンテンの製造方法。
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