JP3556853B2 - 3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法 - Google Patents

3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬・農薬の中間体として、また含フッ素基導入試薬として有用な3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
Dokl.Chem.(Engl.Transl.),307,241(1989)には、3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オンから水銀化合物を触媒として無水溶媒中でアルミニウムエノラートを経て3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンが合成できることが記載されている。
【0003】
しかしながら、この製造工程を厳密に無水状態に保たれなければならない上に、水銀を使用する等、この方法は工業的に採用するには問題がある。そこで、本出願人は、工業的規模での製造に適した3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法として、ペンタクロロアセトンをフッ化水素で気相フッ素化することで3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンが得られることを見出し、既に出願した(特願平10−104507号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このフッ化水素による製造方法では、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンを主生成物として得ることはできるが、かなりの量の3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンが副生することが明らかとなった。
【0005】
【問題点を解決するための具体的手段】
そこで、本発明者らは上記方法に検討を加えたところ、副生する3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンと3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン副生成物も特定の触媒とフッ化水素の存在下においては、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンに転化できることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、気相中において固体触媒存在下、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンと3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンからなる原料混合物をフッ化水素存在下で反応させることを特徴とする3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法である。
【0007】
本発明に使用する3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンは、どの様な製造方法によって得られた物であってもよいが、好ましい例としては、ペンタクロロアセトンを気相フッ素化した際に3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの副生成物として得られるものが挙げられる。これらの副生成物は気相フッ素化反応生成物を蒸留などの公知の精製手段で精製することで容易に分離して得ることができる。
【0008】
原料混合物の3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン/3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの組成比(モル比)は特に限定されないが、1/9〜9/1であり、3/7〜7/3が好ましく、実用上は4/6〜6/4とするのがより好ましい。
【0009】
本発明に使用する固体触媒は、アルミナまたは金属担持アルミナをフッ素化したフッ素化アルミナまたは金属の担持されたフッ素化アルミナである。
【0010】
本発明にかかるフッ素化アルミナを調製するためのアルミナは、特に限定されないが、普通アルミニウム塩水溶液からアンモニアなどを用いて生じさせた沈殿を成型・脱水させて得られるアルミナであり、通常、触媒担体用あるいは乾燥用として市販されているγ−アルミナを好ましく採用できる。
【0011】
本発明にかかる固体触媒は、アルミナをフッ化水素、塩素化フッ素化炭化水素などのフッ素含有物質で部分的にまたは完全にフッ素化されたフッ素化アルミナが好適に使用される。フッ素化剤としては、無機フッ素化剤、例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウム、フッ素、一フッ化塩素、三フッ化塩素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素など、有機フッ素化合物、例えば、クロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、四フッ化炭素、ヘキサフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタンなどが挙げられる。
【0012】
また、本発明にかかるフッ素化アルミナは、例えば、フッ化水素溶液、例えばフッ化水素水夜液にアルミナを浸漬したり、またはアルミナにフッ化水素溶液をスプレーし、その後乾燥させる方法、または容器に充填したアルミナを加熱し、そこへ上記のフッ素化剤を気体状態で流通させる方法などをとることができる。いずれの方法を採用する場合でも、フッ素化アルミナの調製の最終段階では、フッ素化反応の反応温度以上の温度でフッ化水素を流通させることが好ましい。従って、通常200〜500℃、あるいは250〜450℃で処理する。
【0013】
また、本発明にかかる固体触媒として、アルミニウム、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄の中から選ばれる1種または2種以上の金属の酸化物、フッ化物、塩化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシ塩化物、オキシフッ化塩化物等が使用できる。複数の金属を使用する場合、その1種をアルミニウム、クロムまたは鉄とすることは好ましい。これらはまた、アルミナまたはフッ素化アルミナに担持されていてもよい。フッ素化アルミナとはアルミニウムの酸化物を一部または完全にフッ素化した、アルミニウムのフッ化物、フッ化塩化物、オキシフッ化物、オキシフッ化塩化物等をいう。
【0014】
これらの金属を担体に担持して用いる場合、担持金属は担体100重量部に対し0.1〜100重量部であり、1〜50重量部が好ましい。
【0015】
これらの触媒を調製する方法は限定されないが、担体を用いないで触媒を調製する場合、上記金属の可溶性化合物の溶液から塩基性物質を用いて析出させた金属水酸化物から一旦調製された金属酸化物をフッ化水素、塩化水素、塩素化フッ素化炭化水素などで一部または完全にハロゲンで修飾することにより得られる。また、担持触媒として使用する場合、前記のγ−アルミナなどまたはフッ素化アルミナにクロム、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄の中から選ばれる1種または2種以上の金属の可溶性化合物を溶解した溶液を含浸するか、スプレーし、次いで乾燥し、その後前記のアルミナと同様の方法で、フッ素化剤により部分的にまたは完全に担体をフッ素化されたフッ素化アルミナとすることでフッ素化触媒は調製される。
【0016】
可溶性化合物としては、水、エタノール、アセトンなどの溶媒に溶解する該当金属の酸化物または塩であれば特に限定されないが、例えば硝酸塩、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩などが挙げられる。具体的には、硝酸クロム、三塩化クロム、三酸化クロム、重クロム酸カリウム、硝酸マンガン、塩化マンガン、二酸化マンガン、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸コバルト、塩化コバルト、硝酸鉄、塩化鉄などを用いるのが好ましい。これらの化合物は水和物であってもよく、その金属の価数は任意の価数であってよい。
【0017】
何れの方法で調製した触媒も、使用の前に所定の反応温度以上の温度で予めフッ化水素、フッ素化またはフッ素化塩素化炭化水素などのフッ素化剤で処理し、反応中の触媒の組成変化を防止することが有効である。また、反応中に酸素、塩素、フッ素化または塩素化炭化水素などを反応器中に供給することは触媒寿命の延長、反応率、反応収率の向上に有効である。
【0018】
本発明にかかるフッ素化触媒が、反応により活性を失った際には、容易に再活性化することができる。すなわち、失活した触媒は、高められた温度で酸化性物質、例えば、酸素、空気、オゾン、塩素などと接触させることで再活性化することができる。その時の処理温度は、200〜550℃であり、300〜500℃が好ましい。200℃未満では未再活性化状態のままであり、550℃を超えると触媒が変性して活性を得ることができない。
【0019】
本発明の方法の反応温度は100〜500℃であり好ましくは130〜400℃、より好ましくは160〜300℃である。反応温度が100℃より低ければ反応は遅く実用的ではない。反応温度を高くすれば、反応は早く進行するが、3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの塩素原子がフッ素に置換した化合物が生成し3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの選択率が低下するので好ましくない。
【0020】
本発明において、反応領域へ供給する有機物/フッ化水素のモル比は条件により変わりうるが1/0.1〜1/50であり、1/0.1〜1/20が好ましく、1/0.2〜1/5がより好ましい。本反応では有機物がフッ化水素によってフッ素化される必要はないのでフッ化水素が過剰にあることは反応の点からは問題はないが、多量のフッ化水素は生成物との分離に支障をきたすので好ましくない。
【0021】
反応圧力は特に限定されないが、装置の面から1〜10kg/cmで行うのが好ましい。系内に存在する原料有機物、中間物質およびフッ化水素が反応系内で液化しないような条件を選ぶことが望ましい。接触時間は、通常0.1〜300秒、好ましくは1〜60秒、さらに好ましくは10〜30秒である。
【0022】
反応器は、耐熱性とフッ化水素、塩化水素等に対する耐食性を有する材質で作られれば良く、ステンレス鋼、インコネル、ハステロイ、モネル、白金などが好ましい。また、これらの金属でライニングされた材料で作ることもできる。
【0023】
本発明の方法で製造された3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンは、フッ素化反応生成物について公知の方法を適用して精製される。例えば、未反応のフッ化水素とともに反応器から液体または気体状態で取り出された後、過剰のフッ化水素が蒸留あるいは液相分離などの操作で除去し、ついで残留した酸性成分を塩基性物質などで除いた後、精製蒸留により目的とする高純度の3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンを得ることができる。また、この時回収される未反応原料の3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンと3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンは反応系に戻し反応原料として使用できる。
【0024】
【実施例】
[調製例1]
活性アルミナ(住友化学製KHS−46:粒径4〜6mm、)400gを計り取り水で表面に付着した粉を洗浄除去した。フッ化水素(無水フッ酸)153gを水1380gに溶解し10%フッ化水素水溶液を調製した。洗浄した活性アルミナに調製した10%フッ化水素水溶液を徐々に入れ攪拌後3時間静置し、水洗し、ろ過し、次いで電気炉において200℃で2時間乾燥を行った。乾燥した活性アルミナを内径4.2cm長さ60cmのステンレス製反応管に400cc入れ窒素を流しながら電気炉を200℃まで昇温し、更にフッ化水素を窒素に同伴させながらフッ化水素処理を行った。処理を行うにつれ温度が上昇するが400℃を越えないように窒素とフッ化水素の流量を調整した。発熱が収まった時点で更に電気炉の設定を400℃のままで2時間維持し触媒調製を終了した。
【0025】
[調製例2]
1336gの特級試薬硝酸第二鉄六水塩(Fe(NO・6HO)を純水に溶かして4kgとした。この溶液に調製例1と同様に調製したフッ素化アルミナ4.5kgを浸漬し、一昼夜放置した。次に濾過してアルミナを取り出し、熱風循環式乾燥器中で100℃に保ち、さらに一昼夜乾燥した。得られた鉄担持フッ素化アルミナを電気炉を備えた直径5.4cm長さ200cmの円筒形SUS316L製反応管に充填し、窒素ガスを流しながら300℃まで昇温し、水の流出が見られなくなった時点で、窒素ガスにフッ化水素を同伴させその濃度を徐々に高めた。充填された鉄担持フッ素化アルミナのフッ素化によるホットスポットが反応管出口端に達した後、その状態を1時間保ち触媒の調製を行った。
【0026】
[実施例1]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径4.2cm・長さ60cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を328g充填した。約30ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を250℃に上げ、フッ化水素を約0.3g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物(47:43)を予め気化させて2.5g/分の速度で反応器へ供給開始した。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物を100g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた101gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン47.2%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン24.4%および3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン13.8%であった。
【0027】
[実施例2]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径4.2cm・長さ60cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を328g充填した。約30ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を200℃に上げ、フッ化水素を約0.3g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物(47:43)を予め気化させて2.5g/分の速度で反応器へ供給開始した。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物を100g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた111gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン29.4%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン35.8%および3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン28.2%であった。
【0028】
[実施例3]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径4.2cm・長さ60cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を328g充填した。約30ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を300℃に上げ、フッ化水素を約0.3g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物(47:43)を予め気化させて2.2g/分の速度で反応器へ供給開始した。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物を100g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた92gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン46.1%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン23.7%および3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン3.9%であった。
【0029】
[実施例4]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径4.2cm・長さ60cm)に気相フッ素化触媒として調製例1で調製した触媒を328g充填した。約30ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を250℃に上げ、フッ化水素を約0.2g/分の速度で窒素ガスに同伴させた。反応器の出口バルブを制御しながら2.3kg/cmまで加圧した。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物(47:43)を予め気化させて2.5g/分の速度で反応器へ供給開始した。反応器の出口バルブを制御しながら2.3kg/cmで反応ガスを抜き出すようにした。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物を100g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた103gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン53.8%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン22.9%および3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン7.9%であった。
【0030】
[実施例5]
熱媒循環ジャケットを備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(インコネル600製、直径5.4cm・長さ150cm)に気相フッ素化触媒として調製例2で調製した触媒を3.2kg充填した。約100ml/分の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を250℃に上げ、フッ化水素を約3g/分の速度および塩素ガスを約3.3ml/分の速度で窒素ガスに同伴させた。そのまま反応管の温度を195℃に下げ、フッ化水素を約3g/分の速度および塩素ガスを約3.3ml/分の速度で窒素ガスに同伴させた。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物(42:44)を予め気化させて30g/分の速度で反応器へ供給開始した。3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンおよび3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン混合物を1kg反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた978gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン64.7%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン14.5%および3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン9.5%であった。
【0031】
[参考例]
電気炉を備えた円筒形反応管からなる気相反応装置(SUS316L製、直径4.2cm・長さ60cm)に気相フッ素化触媒として調製例2と同様の方法で調製した触媒を400g充填した。約1.2l/時の流量で窒素ガスを流しながら反応管の温度を250℃に上げ、フッ化水素を約36g/時の速度で窒素ガスに同伴させた。そのまま反応管の温度を300℃まで昇温し1時間保った。次に反応管の温度を215℃に下げ、窒素ガスの流量を1.2l/時としてフッ化水素を36g/時および塩素を0.33g/時の供給速度とし、ペンタクロロアセトンを予め気化させて36g/時の速度で反応器へ供給開始した。
【0032】
ペンタクロロアセトンを230g反応器に供給し、反応器から流出する生成ガスをドライアイス−アセトン−トラップで捕集した。得られた125gの有機物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン68.6%、3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン10.9%、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトン10.2%であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法は、工業的に採用しやすいフッ化水素によるペンタクロロアセトンのフッ素化反応で副生する原料を使用することから、工業的な製造方法として有用である。

Claims (2)

  1. 気相中において固体触媒存在下、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンと3,3,3−トリクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンからなる原料混合物をフッ化水素存在下で反応させることを特徴とする3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法。
  2. 固体触媒がアルミナまたは金属担持アルミナをフッ素化した触媒であることを特徴とする請求項1記載の3,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロアセトンの製造方法。
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