(第1の実施形態)
以下、図1乃至図8に基づいて、本発明の第1実施形態である電話装置およびその着信方法について説明する。本実施形態の電話装置は、有線タイプの電話装置であって、外線(電話回線)および電話局(交換局の端末)を介して他の(発信側の)電話装置にそれぞれ接続される。
なお、図1は本実施形態における電話装置に関するブロック図、図2は図1に示す記憶部に記憶されている定型の音声メッセージテーブル、図3は図1に示す記録部に記録されている電話帳テーブル、図4は図1に示す記録部に記録されている着信履歴テーブルである。
図1に示すように、電話システムSにおいて、複数の電話装置10(10A,10B)は、外線50および電話局52を介して接続される。そして、電話装置10は、電話局52を経由して、相互に通信可能となっており、音声データなどのデータの送受信を行う。
(電話装置の構成)
電話装置10(10A)は、第1の応答手段、処理手段、出力手段および判断手段を有する制御部(CPU)12と、第1の記憶手段である記録部16と、第2の記憶手段である記憶部14と、を含む。さらに、電話装置10(10A)は、計時手段であるタイマ18と、操作手段である操作キー20と、入力手段であるダイヤルキーパッド22と、表示手段または着信表示手段の一部を構成する表示部(LCD)24と、を含んで構成されている。そして、電話装置10は、着信時に発信側の電話番号データを、表示部24に表示するナンバーディスプレイ機能(着信表示機能)を備える。
また、電話装置10は、デジタル/アナログ変換器またはアナログ/デジタル変換器などを含む音声処理部26と、音声信号(データ)の有無を検出(解析)する音声検出部28と、音声データを合成する音声合成部30と、通話を行う受話器(ハンドセット)32と、受話器32のオン・オフの状態を検出するフックスイッチ34と、パス切換スイッチ36と、呼び出し音または各種の音を外部へ出力するスピーカ38と、を含んで構成されている。
さらに、電話装置10は、外線50と接続するインタフェース(I/F)40と、プッシュボタン信号を検出し解析するプッシュボタン信号受信部42と、モデム信号を検出し解析するモデム信号受信部44と、を含んで構成されている。
操作キー20は、たとえば切断モード(機能),通話モード,留守電モードまたは掛け直しモードなどを設定する各種キーである。また、ダイヤルキーパッド22は、ダイヤル入力を行うパッドである。制御部12は、電話装置10の全体的な動作を司り、たとえば操作キー20またはダイヤルキーパッド22のダイヤルキーが操作された場合に、その操作に基づく処理を行う。
記憶部14は、電話装置10に各種の処理を行わせるプログラムや、各種データたとえば定型の音声メッセージテーブル60(図2参照:第2の記憶手段),動作ログなどの読み書き用の記憶域を有する。即ち、記憶部14は、ワーク領域などの記憶域を備える。また、記録部16には、たとえば図3に示す電話帳テーブル62(第1の記憶手段),図4に示す着信履歴テーブル64および音声データなどを記録する。
図1に示す記憶部14には、図2に示すように、定型の音声メッセージテーブル60が、メッセージデータとメモリ番号(アドレス)とを関連付けて記憶されている。例えば、メッセージデータ「さんからお電話です」が、メモリ番号「1」に関連付けられて記憶されている。また、メッセージデータ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」が、メモリ番号「2」に関連付けられて記憶されている。
さらに、メッセージデータ「ただいま電話に出ることができません。後ほどおかけ直しします」が、メモリ番号「3」に関連付けられて記憶されている。また、メッセージデータ「ただいま電話に出ることができません。発信音の後にメッセージをお願いします」が、メモリ番号「4」に関連付けられて記憶されている。さらに、メッセージデータ「おつなぎ出来ません」が、メモリ番号「5」に関連付けられて記憶されている。
図1に示す記録部16には、図3に示すように、電話帳テーブル62たとえば「登録NO(アドレス)と、電話番号(データ)と、この電話番号に対応する名前(データ)と、発信者自身の音声による名前音声データと」を、それぞれ関連付けて記録されている。たとえば、電話番号「0334567890」と,名前「アイウエオカキ」と,音声による名前音声データ「音声ファイル1」とが、登録NO「1」に関連付けられて記録されている。
ここで、「音声ファイル1」は、登録NO「1」と関連付けて、図1に示す記録部16の音声データ記録領域(図示省略)に記録されている。そして、図1に示す検索手段である制御部12が、登録NO「1」に対応する「音声ファイル1」を検索し、記録部16の音声データ記録領域から読出す。なお、登録NO「2」には、名前音声データが記録されていない。また、登録NO「3」には、名前データが記録されていない。
図1に示す記録部16には、図4に示すように、着信履歴テーブル64たとえば「履歴番号(アドレス)と、着信日時(データ)と、発信者番号(データ)と、扱い(データ)と、電話帳登録(データ)と、着信拒否登録(データ)と、アクション(データ)と」を、それぞれ関連付けて記録されている。
たとえば、着信日時「2004/7/1 7:34」と、発信者番号「0334567890」と,扱い「応答」と,電話帳登録「済み」と,着信拒否登録「−」(着信拒否ではない旨の印)と,アクション「−」(記録すべきアクションがない旨の印)が、履歴番号「1」に関連付けられて記録されている。なお、「扱い」には、切断、掛け直し、留守番などのデータが記録される。また、「アクション」には、掛け直し済み、聴取済み、未掛け直しなどのデータが記録される。
音声処理部26は、デジタル/アナログ変換器またはアナログ/デジタル変換器などによって、音声信号のデジタル信号をアナログ信号へ変換し、または音声信号のアナログ信号をデジタル信号へ変換する。
モデム信号受信部44は、インタフェース40と制御部12との間に接続され、外線50からの電話装置10の電話番号データを通知するモデム信号を受信し解析する。
音声検出部28は、インタフェース40と制御部12との間に接続され、耐雑音機能を備え、かつ話者による音声データの有無を検出(解析)する。そして、音声検出部28に入力される音声データ以外の話中音データ,ハウラー音データまたは無音データなどを、音声検出部28が検出した場合、制御部12は、録音エラーと判断する。
パス切換スイッチ36は、制御部12とインタフェース40との間に接続されていると共に、音声処理部26,フックスイッチ34,スピーカ38にも接続されている。即ち、音声処理部26はパス切換スイッチ36と制御部12との間に接続されている。また、フックスイッチ34は、パス切換スイッチ36と制御部12との間に接続されている。
そして、パス切換スイッチ36は、制御部12による各種処理に基づき、音声処理部26,スピーカ38または受話器32(フックスイッチ34)に対する接続を切換える。
表示部(LCD)24は、制御部12による各種処理に基づき、発信者の情報または操作の案内情報などの各種情報を表示する。タイマ18は、時間(時刻または日付)をカウントし、たとえば記憶部14で予め設定された所定時間(5秒)をカウントする。
なお、電話装置10Bは、電話装置10Aと同様の構成ではなくても良く、例えばナンバーディスプレイ機能を備えないタイプであっても良い。また、電話装置10Bは、携帯電話または公衆電話などであっても良い。
(本実施形態の作用)
次に、図5乃至図8を参照して、電話装置10(10A)における着信通話モードに関する処理について説明する。ここで、図5に示す処理(着信通話モード)は、図1に示す電話装置10の制御部12によって実行される処理ルーチンを示すフローチャートであり、該プログラムは予め記憶部14(図1参照)のプログラム領域に記憶されている。なお、本実施形態は、図1に示す電話装置10Bから電話装置10Aに対して、呼び出しを行う例である。
(着信通話モード)
図5に示すように、ステップ200において、制御部12は、電話装置10Aに着信を受けているか否かを判断する。このステップ200の判断は、図1に示すインタフェース40が、電話装置10Aの着信を検出し、この検出信号が制御部12へ入力されることに基づくものである。
ステップ200が肯定の場合すなわち電話装置10Aが着信を受けた場合、制御部12は、ステップ201で、発信側の電話装置10Bがナンバーディスプレイ契約をしているか否かを判断する。即ち、制御部12は、記録部16(図1参照)のデータ記録領域(図示省略)に記録されているナンバーディスプレイ契約データを検索(アクセス)し、この検索結果に基づいてステップ201の判断を行う。
ステップ201が肯定の場合すなわち上記契約データが記録部16にある場合には、ステップ202で、制御部12は、電話局(電話会社の端末)52からの発信側の電話番号データを、受信したか否かを判断する。そして、この発信側の電話番号データがインタフェース40を介してモデム信号受信部44で受信すると、モデム信号受信部44は、上記電話番号データを解析し、この解析結果データを制御部12へ出力する。
ステップ202が肯定の場合すなわち上記電話番号データを受信した場合には、ステップ203で、制御部12は、上記電話番号データが記録部16の電話帳テーブル62(図3参照:第1の記憶手段)に登録(記録)済みであるか否かを判断する。そして、制御部12は、上記受信した電話番号データが、記録部16内の電話帳テーブル62に格納(記録)されている電話番号データと一致するか否かを検索する。
ステップ203が否定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されていない場合には、ステップ206(第1の応答処理)で、制御部12は、図1に示す記憶部14に記憶されている定型の(音声)メッセージ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」(図2参照)に対応するメッセージデータを発信側の電話装置10Bへ出力する。
即ち、制御部12は、上記メッセージデータを記憶部14から読出した後、音声処理部26で音声データに変換すると共に、パス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由し、発信側の電話装置10Bへ出力する。引続き、制御部12は、名前音声データの入力の開始を示す発信音データも、発信側の電話装置10Bへ出力する。
なお、ステップ201が否定の場合すなわちナンバーディスプレイ契約データが記録部16に記録されていない場合(公衆電話からの着信などである場合),またはステップ202が否定の場合すなわち発信側の電話装置10Bが番号非通知を選択している場合には、上記ステップ206以降の処理が行われる。
ステップ208では、発信者の音声データの録音処理が行われる。この録音処理では、発信側の電話装置10Bで入力された発信者の音声データが、受信側の電話装置10Aのインタフェース40およびパス切換スイッチ36を経由し、音声処理部26に入力される。
入力された音声データは音声処理部26でデジタル化され、このデジタル化された音声データは図3に示す電話帳テーブル62のアドレスデータすなわち電話番号データ(名前データ)に関連付けられて記録部16の音声データ記録領域に記録される。
なお、上記録音処理は、タイマ18で所定時間たとえば録音処理開始から5秒をカウントし、この所定時間経過と同時に、音声データの録音を終了させる。
ステップ210では、制御部12が、音声データが正常に録音された否かを判断する。ここで、音声検出部28は、送信側の電話装置10Bから送信されるデータ(インタフェース40からのデータ)が、音声データか否かを検出(解析)する。そして、音声検出部28が音声データ以外の話中音データまたは無音データなどであることを検出すると、音声検出部28は音声データでないとの検出信号を制御部12へ出力する。この場合、制御部12は、録音エラー(正常に録音されていない)と判断する。
ステップ210が肯定の場合すなわち正常に録音された場合には、ステップ212で、音声合成部30が、録音された発信者の名前音声データ「○○」および記憶部14の定型の音声メッセージデータ「さんからお電話です」を合成する。即ち、制御部12は、上記録音された発信者の名前音声データ「○○」と,上記音声メッセージデータ60中のメッセージデータ「さんからお電話です」とを、音声合成部30へ入力させる。
音声合成部30は、上記発信者の名前音声データ「○○」を、上記音声メッセージデータの「さんからお電話です」の先頭部分へ、挿入して「○○さんからお電話です」と合成し、発信者自身の音声を一部(先頭の○○部分)に使用した着信音データとする。
ステップ214では、制御部12が、上記発信者自身の着信音データを、前記着信に対して通話を開始する第2の応答処理の前に、音声処理部26およびパス切換スイッチ36を経由して、電話装置10Aのスピーカ38から出力させる。即ち、制御部12は、上記着信音データを音声処理部26でアナログ信号に変換させた後に、パス切換スイッチ36へ出力させる。以上のステップ208乃至214は、着信音出力処理に相当する。
ステップ203が肯定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されている場合には、制御部12の判断手段が、ステップ216で、電話帳テーブル62内に発信者の音声データがあるか否かを判断する。ステップ216が否定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが無い場合には、ステップ206へ進み、図1に示すメッセージNO「2」と対応する「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」を第2の記憶手段である音声メッセージテーブル60から読出し、発信側の電話装置10Bへ送信する。その後は、ステップ208以降の処理が続けられる。
ステップ216が肯定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが存在する場合には、ステップ218で、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル62(図3参照)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。
即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図3に示す電話帳テーブル62中の該当する「音声ファイル1」に対応する音声データを音声データ記録領域から読出す。そして、ステップ212へ進み、制御部12は、「音声ファイル1」に対応する音声データおよび図2に示す音声メッセージテーブル60(第2の記憶手段)の登録NO「1」の連続音データを、音声合成部30で合成させる。また、制御部12は、ステップ214で、発信者自身の上記着信音データを、スピーカ38から出力させる。
ステップ210が否定の場合すなわち正常に録音されなかった場合(録音エラーと判断された場合)には、ステップ220で、制御部12が、非通知の着信拒否が設定されているか否かを判断する。即ち、本実施形態では、図1に示す記録部16に、発信側の電話装置10Bが電話番号の通知を拒否する処理(例えば「184」のダイヤル操作)を行った場合に、発信側の電話装置10Bの接続を拒否する「非通知拒否」を設定(記録)することができる。
ステップ220が否定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されていない場合には、ステップ222で、制御部12が、通常の着信音たとえば呼び出し音(コール音)を、図1に示すスピーカ38から出力させる。
ステップ224において、制御部12は、図6に示す選択モードの処理を行う。この選択モードは、切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモードの4種類の中から1つを、選択するモードである。
ステップ226において、制御部12は、図8に示す履歴集計モードの処理を行う。この履歴集計モードは、図1に示す記録部16に記録されている着信履歴テーブル64(図4参照)中に、着信履歴データを新たに登録(記録)などするモードである。
上記ステップ226の履歴集計モードが終了した場合は、本フローチャートを終了させる。また、ステップ220が肯定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されている場合には、ステップ228で、制御部12は、図6に示す切断モードの処理を行い、その後ステップ226の履歴集計モードの処理を行う。
(選択モード)
次に、図6のサブルーチンに基づき、図5に示す選択モード(ステップ224参照)について、説明する。上記選択モードの前提として、図1に示す制御部12は、図5に示す着信音データ(ステップ214参照)または呼出音(コール音)の出力中(ステップ222参照)において、図1に示す表示部24に、「1:通話,2:留守電,3:掛け直し,4:切断」の選択メニューを表示させる。
そして、電話装置10Aの利用者が、上記表示部24に表示された選択メニュー中から、上記選択番号に対応するダイヤルキーパッド22(図1参照)のダイヤルキー(図示省略)を選択する操作に基づき、各種のモードが選択される。即ち、図6に示すサブルーチンは、制御部12が、上記ダイヤルキーの操作による操作信号を検出し、判断することによって実行される。
図6において、ステップ300では、制御部12が、切断モードが選択されたか否かを判断する。ステップ300が肯定の場合すなわち切断モードが選択された場合には、ステップ302で、制御部12は、図1に示す記憶部14に記憶されている定型の音声メッセージテーブル60からメッセージNO「5」に対応するメッセージデータを音声データ記録領域から読出し、上記メッセージデータを発信側の電話装置10Bに発信する。
即ち、制御部12は、上記読み出したメッセージ「おつなぎ出来ません」のデータを、図1に示す音声処理部26でアナログ信号に変換し、パス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由して、発信側の電話装置10Bに発信する。
上記メッセージの発信後、制御部12は、インタフェース40に対し外線50を開放させる制御信号を出力し、且つパス切換スイッチ36に対し受話器32側(通話路側)の接続を切断させる制御信号を出力する。即ち、制御部12は、受話器32に対する通話路を切断させる。
ステップ304において、図1に示す制御部12は、記録部16(図1参照)に記録されている着信履歴テーブル64(図4参照)の「発信者番号(電話番号)」欄中に、上記着信した電話装置10Bに該当する発信者番号データが、記録されているのか否かを判断する。
ステップ304が肯定の場合すなわち上記着信番号データが着信履歴テーブル64(リスト)に記録されている場合には、ステップ306で、制御部12が、着信拒否をリストに登録するのか否か判断する。即ち、制御部12は、ステップ306の処理前に、ユーザが上記登録の有無を選択するために、図1に示す表示部24に、「1:着信拒否登録する,2:着信拒否登録しない」の選択メニューを表示させる。
そして、図1に示すダイヤルキーパッド22の該当するキー(図示省略)が操作されると、その操作信号が制御部12に入力されるので、制御部12は入力された上記操作信号に基づき、着信拒否の登録の有無を判断する。
ステップ306が肯定の場合すなわち着信拒否をリストに登録する場合には、ステップ308で、制御部12が、図4に示す着信履歴テーブル64の着信拒否登録の欄に「済み」を記録(登録)する。そして、このステップ308で「着信拒否登録」が「済み」として記録された場合、制御部12は、着信後直ちに通話路を切断させる。
ステップ304が否定の場合すなわち上記着信番号がリストに記録されていない場合およびステップ306が否定の場合すなわち着信拒否をリストに登録しない場合には、本サブルーチンは終了する。なお、図5に示すステップ220における「非通知拒否」の場合には、着信履歴テーブル64の発信者番号欄に、番号なしと登録すると共に、着信履歴テーブル64の扱いの欄に、切断と登録する。
次に、ステップ300が否定の場合すなわち切断モードが選択されない場合には、ステップ310で、制御部12は、通信モードが選択されたか否かを判断する。ステップ310が肯定の場合すなわち通信モードが選択された場合(第2の応答時)には、ステップ312で、制御部12は、通話処理を行う(第2の応答処理)。
ステップ312の通話処理は、図1に示す受話器32がセットオフされる際のフックスイッチ34(図1参照)の検出(オフ)信号を、制御部12が検出すると開始する。即ち、制御部12は、パス切換スイッチ36に対しインタフェース40を介して外線50と受話器32とを接続させる制御信号を出力し、通話(受話器32に対するデータの送受信)を可能とする。
ステップ314では、制御部12が、通話が終了したか否かを判断する。この判断は、図1に示す受話器32がセットオンされる際のフックスイッチ34(図1参照)の検出(オン)信号を、制御部12が検出することに基づいて行う。
ステップ314が肯定の場合すなわち通話を終了させる場合には、ステップ316で、制御部12は、インタフェース40およびパス切換スイッチ36を制御することにより、受話器32に対する通話路を切断させる。なお、ステップ314の処理は、上記フックスイッチ34のオン信号が制御部12に入力されるまで続けられる。
ステップ316の切断処理の終了後は、ステップ318で、図1に示す制御部12は、記録部16にアクセスし、記録部16(図1参照)に記録されている電話帳テーブル62(図3参照)の「電話番号」欄中に、上記着信した電話装置10Bに該当する電話番号データが、記録されているのか否かを判断する。
ステップ318が肯定の場合すなわち上記電話番号が電話帳テーブル62の「電話番号」欄中に記録されている場合には、ステップ320で、制御部12が、上記電話番号データを、電話帳テーブル62の「電話番号」欄中に登録(記録)するのか否か判断する。
即ち、制御部12は、ステップ320の処理前に、ユーザが上記登録の有無を選択するために、図1に示す表示部24に、「1:電話帳登録する,2:電話帳登録しない」の選択メニューを表示させる。
そして、図1に示すダイヤルキーパッド22の該当するキー(図示省略)が操作されると、その操作信号が制御部12に入力されるので、制御部12は入力された上記操作信号に基づき、電話帳への登録の有無を判断する。
ステップ320が肯定の場合すなわち電話番号データを電話帳テーブル62の「電話番号」欄中に登録する場合には、ステップ322で、電話帳登録モード(図7参照)を実行する。なお、ステップ318が否定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62の「電話番号」欄中に記録されていない場合およびステップ320が否定の場合すなわち電話番号データを電話帳テーブル62に登録しない場合には、本サブルーチンは終了する。
(電話帳登録モード)
次に、図7のサブルーチンに基づき、図6に示す電話帳登録モード (ステップ322参照)について、説明する。図7に示すステップ501において、図1に示す制御部12は、電話装置10Aのナンバーディスプレイ機能に基づき、電話局52(図1参照)から送信される電話番号(データ)を、電話装置10Aの表示部24(図1参照)に表示する。
そして、ユーザは、電話装置10Aの表示部24に表示された電話番号データを視認することにより、発信側の電話装置10Bの電話番号を確認することができる。なお、電話番号データを受信していない場合(図5のステップ202が否定の場合)、制御部12は、表示部24に電話番号データを表示させない。
ステップ502において、制御部12は、上記電話番号が確認済みであることを示す確認キー(図1に示す操作キー20の中の1つ)が、押下されたか否かを、上記確認キーのキー信号に基づいて判断する。
ステップ502が否定の場合すなわち確認キーが押下されない場合、制御部12は、図1に示すダイヤルキーパッド22から入力される電話番号データを、図1に示す表示部24に表示する。そして、ステップ503の処理後すなわち電話番号データが表示部24に表示された後は、ステップ502に戻り、確認キーが押下されたか否かを判断する。
ステップ502が肯定の場合すなわち確認キーが押下された場合には、ステップ504で、制御部12は、確認キーに対応する電話番号データを、図3に示す電話帳テーブル62の「電話番号」に対応する記録領域に保存(記録)する。
ステップ505において、制御部12は、名前データの入力処理を行う。上記名前データの入力処理は、まず、たとえば「名前の入力処理」などの名前を入力する旨のメッセージを、図1に示す表示部24に表示する。そして、ユーザは、図1に示すダイヤルキーパッド22から該当する文字キー(図示省略)を選択し、発信者(自分)の名前データを入力する。
ステップ506において、制御部12は、名前データの入力が終了したか否かを判断する。即ち、制御部12は、データの入力を確定する確定キー(図1に示す操作キー20の中の1つ)が、押下されたか否かを判断する。ステップ506が肯定の場合すなわち確定キーが押下された場合には、ステップ507で、制御部12は、文字キーで入力された名前データを、上記電話帳テーブル62(図3参照)の名前に対応する名前記録領域に保存(記録)する。
ステップ508において、制御部12は、記録部16中の音声データ記録領域に記録(録音)されている名前音声データを読出すと共に、読出された名前音声データを音声処理部26(図1参照)でアナログ変換し、パス切換スイッチ36を経由してスピーカ38から出力させる。
ステップ509において、制御部12は、上記ステップ508の処理後、録音した名前音声データを記録部16に保存(記録)するのか否かを、ダイヤルキーパッド22から出力される操作信号に基づいて判断する。即ち、制御部12は、表示部24に「1:音声保存,2:再録音,3:消去」を表示させる。
そして、ステップ509が肯定の場合すなわち録音された名前音声データを保存する場合には、ステップ511で、制御部12は、図3に示す電話帳テーブル62中の発信者の名前データに対応する音声データ記録領域に、録音された名前音声データを保存する。即ち、ユーザは、録音された名前音声データで良い場合(ステップ509が肯定の場合)には、ダイヤルキーパッド22で番号「1」を入力(選択)する。
ステップ509が否定の場合すなわち名前音声データを録音しない場合(録音に問題がある場合)には、ステップ510で、制御部12は、再録音するのか否かを判断する。ステップ510が肯定の場合すなわち再録音する場合には、ステップ513において、図1に示す電話装置10Aの利用者(ユーザ)の音声で再録音する。なお、ステップ510を選択するには、ユーザが、ダイヤルキーパッド22で番号「2」を入力する。
そして、制御部12は、記憶部14から図2に示す音声メッセージテーブル60から名前録音の開始の定型ガイダンス(例えば、NO「2」)を読出し、利用者が受話器32を介して音声データを録音(記録)する。ステップ513の処理後は、ステップ509に戻る。
ステップ510が否定の場合すなわち再録音しない場合には、ステップ512で、制御部12は、名前音声データの録音を消去する。即ち、ユーザは、録音された名前音声データを消去する場合(ステップ510が否定の場合)には、ダイヤルキーパッド22で番号「3」を入力(選択)する。
そして、制御部12は、電話帳テーブル62(図3参照)に記録されている名前(発信者名)データに対応する記録領域を、クリアにして空き状態にする。ステップ512の処理後、本サブルーチンは終了する。
図6に戻り、選択モードについて、説明する。ステップ310が否定の場合すなわち通話モードが選択されない場合には、ステップ324で、留守電モードが選択されたか否かを判断する。ステップ324が肯定の場合すなわち留守電モードに切換えられた場合には、ステップ326で、制御部12は、記憶部14に記憶されている音声メッセージテーブル60(図2参照)中のメッセージNO「4」を読出し、スピーカ38から音声を出力させる。
即ち、制御部12は、「ただいま電話に出ることができません。発信音の後にメッセージをお願いします」のメッセージデータを、読出して音声処理部26でアナログ信号に変換すると共に、パス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由して、発信者の電話装置10Bへ発信する。
ステップ328において、制御部12は、発信者によって入力されたメッセージ(音声データ)を、留守録する電話装置10Aの記録部16に記録する。即ち、留守録モード(ステップ328)において、メッセージは電話装置10Aのインタフェース40およびパス切換スイッチ36を経由し、音声処理部26でデジタル処理される。そして、制御部12は、メッセージを記録部16に記録させる。
また、留守録モードにおいて、発信者側の電話装置10Bのフックスイッチ34がオフすることによってインタフェース40が終話を検出すると、制御部12は、メッセージの記録を停止させると共に、ステップ316に進む。即ち、留守録モード(ステップ328)の終了後は、ステップ316に進み、ステップ316以降の処理(通話路の切断などの処理)が行われる。
なお、留守録されたメッセージの内容を確認するには、先ず、留守録モードを解除する操作キー20を押下する。制御部12は、留守録モードを解除し、記録部16に記録されているメッセージを順次読出す。そして、読出されたメッセージを、信号処理部26でアナログ信号に変換し、パス切換スイッチ36を切換えて電話装置10Aのスピーカ38からメッセージ(音声データ)を出力させる。
ステップ324が否定の場合すなわち留守電モードが選択されていない場合には、ステップ330で、制御部12は、掛け直しモードが選択されたか否かを判断する。ステップ330が肯定の場合すなわち掛け直しモードが選択された場合には、ステップ332で、制御部12は、記憶部14に記憶されている音声メッセージテーブル60(図2参照)中のメッセージNO「3」を読出し、スピーカ38から音声を出力させる。
即ち、制御部12は、「ただいま電話に出ることができません。後ほどおかけ直しします」のメッセージデータを記憶部14から、読出し、音声処理部26でアナログ信号に変換すると共に、パス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由して、発信者の電話装置10Bへ発信する。そして、ステップ332の処理後は、ステップ316に進み、ステップ316以降の処理(通話路の切断などの処理)が行われる。ステップ330が否定の場合すなわち掛け直しモードが選択されていない場合、本サブルーチンは終了する。
引続き、図8に基づき、履歴集計モード(図5のステップ226参照)について説明する。図8に示すステップ600において、制御部12は、利用者が電話装置10間の接続を切断(応答中に外線50を開放)したか否かを判断する。ステップ600が肯定の場合すなわち外線50の接続が切断された場合には、ステップ602で、着信拒否リストに登録済みか否かを判断する。
ステップ602が否定の場合すなわち着信拒否リストに登録していない場合、ステップ604で、制御部12は、同一の電話番号からの着信を切断した回数(同一切断回数)が、予めユーザが設定した回数(規定着信数)を超えたか否かを判断する。本実施形態では、例えば規定着信数が、2回に設定されている。
ステップ604が肯定の場合すなわち同一切断回数が規定着信数を超えた場合には、ステップ606で、制御部12は、拒否リストに登録する。例えば、図4に示す着信履歴テーブル64において、履歴番号2では、発信者番号(発信者の電話番号)が「0112233445」であり、呼び出しに対する「扱い」が切断である。
その後、履歴番号4において、上記電話番号と同一の発信者番号の着信が切断されているが、規定着信数が2回であるので、着信拒否登録を未だ行わない。さらに、履歴番号7において、上記電話番号と同一の発信者番号の着信が切断され、規定着信数が2回を超えるので、制御部12は、着信拒否登録において済みの登録を行い、本サブルーチンを終了させる。
ステップ602が肯定の場合すなわち着信拒否リストに登録している場合、およびステップ604が否定の場合すなわち規定着信数を超えていない場合は、本サブルーチンを終了させる。
ステップ600が否定の場合すなわち外線50の接続を切断しない場合には、ステップ608で、制御部12は、掛け直しを選択したか否かを判断する。ステップ608が肯定の場合すなわち掛け直しを選択した場合には、ステップ610で、制御部12は、掛け直し済みか否かを判断する。
ステップ610が否定の場合すなわち掛け直し済みではない場合には、ステップ612において、制御部12は、図1に示すタイマ18で未掛け直し時間(掛け直しする旨のメッセージを出力した時間から現在の時間)を計測すると共に、予めユーザが設定した時間(規定時間)を経過したか否かを判断する。なお、ステップ612の処理は、規定時間が経過するまで続けられる。
ステップ612が肯定の場合すなわち規定時間を経過した場合には、ステップ614で、制御部12は、図1に示すスピーカ38(警告手段)からアラーム音(警告データ)を出力すると共に、表示部24(図1参照:警告手段)に掛け直しが未だである旨のメッセージデータを表示(出力)する。この際には、掛け直しの電話番号も、併せて表示させる。
ステップ616において、制御部12は、警告表示中にフックスイッチ34がオンになったか否かを判断する。
すなわち、図1に示す受話器32が持ち上げられることにより、フックスイッチ34がオンとなる。ステップ616が肯定の場合すなわち警告表示中にフックスイッチ34がオンになった場合には、ステップ618で、表示部24に表示されている警告表示を解除する。また、ステップ620において、制御部12は、パス切換スイッチ36およびインタフェース40を制御し、掛け直しのメッセージデータを電話装置10Bに発信する。
ステップ616が否定の場合すなわち警告表示中にフックスイッチ34がオフのままの場合には、ステップ622で、制御部12は、表示部24に表示されている警告表示を解除するのか否かを判断する。即ち、制御部12は、図1に示す操作キー20(警告解除キー)が押下されることにより、操作信号が入力されたか否かを判断する。
ステップ622が肯定の場合すなわち警告解除キーが所定時間内に押下された場合には、ステップ624で、制御部12は、表示部24に表示されている警告表示を解除する。なお、ステップ622が否定の場合すなわち警告解除キーが所定時間内に押下されない場合には、ステップ616に戻り、フックスイッチ34がオンになった否かを判断する。
ステップ608が否定の場合すなわち掛け直しを選択しない場合には、制御部12は、留守電モードおよび通話モードであると判断し、ステップ626に進む。ステップ626において、制御部12は、着信した電話番号が、図3に示す電話帳テーブル62に記録されているか否かを判断する。
ステップ626が否定の場合すなわち着信した電話番号が電話帳テーブル62に記録されていない場合には、ステップ628で、制御部12は、同一の電話番号からの着信の回数(同一着信回数)が、予めユーザが設定した回数(規定着信数)を超えたか否かを判断する。
ステップ628が肯定の場合すなわち同一着信回数が規定着信数を超えた場合には、ステップ630で、制御部12は、着信した電話番号を電話帳テーブル62(図3参照)に登録(記録)する。なお、ステップ610が肯定の場合すなわち掛け直し済みの場合も、制御部12は、ステップ626以降の登録モードの処理を行う。
一方、ステップ626が肯定の場合すなわち着信した電話番号を電話帳テーブル62に登録されている場合には、既に上記電話番号が電話帳テーブル62に登録されているので、制御部12は、本サブルーチンを終了させる。また、ステップ628が否定の場合すなわち同一着信回数が規定着信数を超えていない場合も、着信回数が規定した回数に達していないので、制御部12は、本サブルーチンを終了させる。
本実施形態では、着信時における電話装置10Aの第1の応答時に、メッセージテーブルに基づいて受信した発信者自身の音声を記録部16に記録し、この発信者自身の音声データを着信音とするので、電話装置10Aで着信した着信者が、着信に対して通話が開始される第2の応答前に、誰からの着信であるかを、発信者自身の着信音(音声データ)を聞くことで、確認できる。
即ち、本実施形態によれば、未登録の電話番号からの着信または発信者の電話装置の電話番号が不明の着信に対して、発信者を積極的に特定できる。従って、本実施形態によれば、第2の応答前に、発信者を積極的に特定できるので、電話を利用した犯罪を未然に防止できる。
(第2の実施形態)
以下、図9に基づいて、本発明の第2実施形態である電話装置の着信方法(着信通話モード)について説明する。本実施形態の電話装置は、図1に示す電話装置10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施形態の電話装置10Aは、制御部12の判断手段が、発信者の音声データを第1の記憶手段(記録部16)に記憶していると判断した場合において、制御部12の呼出手段が第2の応答前に通常の着信音(コール音)を出力させ、通常の着信音の出力中において、呼出手段(制御部12)が通常の着信音に対する応答データを検出した場合に、制御部12の出力手段が着信音データ(発信者の音声データ)を出力する。
(着信通話モード)
図9に示すように、ステップ800において、制御部12は、電話装置10Aに着信を受けているか否かを判断する。ステップ800が肯定の場合すなわち電話装置10Aが着信を受けた場合、制御部12は、ステップ801で、発信側の電話装置10Bがナンバーディスプレイ契約をしているか否かを判断する。
ステップ801が肯定の場合すなわち上記契約データが記録部16(図1参照)にある場合には、ステップ802で、制御部12は、電話局(電話会社の端末)52からの発信側の電話番号データを、受信したか否かを判断する。
ステップ802が肯定の場合すなわち電話番号データを受信した場合には、ステップ803で、制御部12は、上記電話番号データが記録部16に登録(記録)済みであるか否かを判断する。そして、制御部12は、上記受信した電話番号テーブル62に格納(記録)されている電話番号データと一致するか否かを検索する。
ステップ803が否定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されていない場合には、ステップ806で、制御部12は、図1に示す記録部16に記録されている定型の(音声)メッセージ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」(図2参照)に対応するメッセージデータを出力する。
なお、ステップ801が否定の場合すなわちナンバーディスプレイ契約データが記録部16に記録されていない場合(公衆電話からの着信などである場合),またはステップ802が否定の場合すなわち発信側の電話装置10Bが番号非通知を選択している場合には、上記ステップ806以降の処理が行われる。
ステップ808では、発信者の音声データの録音処理が行われる。この録音処理では、発信側の電話装置10Bで入力された発信者の音声データが、受信側の電話装置10Aのパス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由し、音声処理部26に入力される。
入力された音声データは音声処理部26でデジタル化され、このデジタル化された音声データは図3に示す電話帳テーブル62のアドレスデータすなわち電話番号データ(名前データ)に関連付けられて記録部16に記録される。
ステップ810では、制御部12が、音声データが正常に録音された否かを判断する。ここで、音声検出部28は、送信側の電話装置10Bから送信されるデータ(インタフェース40からのデータ)が、音声データか否かを検出(解析)する。そして、音声検出部28が音声データ以外の話中音データまたは無音データなどであることを検出すると、音声検出部28は音声データでないとの検出信号を制御部12へ出力する。この場合、制御部12は、録音エラー(正常に録音されていない)と判断する。
ステップ810が肯定の場合すなわち正常に録音された場合には、ステップ812で、音声合成部30が、録音された発信者の名前データ「○○」および記憶部14の定型の音声メッセージデータ「さんからお電話です」を合成する。即ち、制御部12は、上記録音それた発信者の名前音声データ「○○」と,上記音声メッセージ60中のメッセージデータ「さんからお電話です」とを、音声合成部30へ入力させる。
音声合成部30は、上記発信者の名前データ「○○」を、上記音声メッセージデータの「さんからお電話です」の先頭部分へ、挿入して「○○さんからお電話です」と合成し、発信者自身の音声を一部(先頭の○○部分)に使用した着信音データとする。
ステップ803が肯定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されている場合には、ステップ816で、電話帳テーブル62内に発信者の音声データがあるか否かを判断する。ステップ816が否定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが無い場合には、ステップ806へ進み、図1に示すメッセージNO「2」と対応する「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」を読出し、発信側の電話装置10Bへ送信する。その後は、ステップ808以降の処理が続けられる。
ステップ816が肯定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが存在する場合には、ステップ818で、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル62(図3参照)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。
即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図3に示す電話帳テーブル62中の該当する「音声ファイル1」に対応する音声データを音声データ記録領域から読出す。そして、ステップ812へ進み、制御部12は、「音声ファイル1」に対応する音声データおよび図2に示す音声メッセージテーブル60の登録NO「1」を、音声合成部30で合成させる。
ここで、制御部12の判断手段が、発信者の音声データを第1の記憶手段(記録部16)に記憶していると判断した場合とは、制御部12がステップ816を肯定と判断した場合またはステップ810が肯定と判断した場合である。
ステップ813において、制御部12の呼出手段は、通常の着信音たとえば呼び出し音(コール音)を、図1に示すスピーカ38から出力させる。即ち、通常の着信音(コール音)は、制御部12が通話処理を行う前(第2の応答前)に出力する。
ステップ814において、制御部12は、ステップ813での通常の着信音(コール音)の出力中に、応答の有無(図1に示すフックスイッチ34のオフ・オフ)を判断する。
即ち、ステップ814が肯定の場合すなわち受話器32が持上げられることによってフックスイッチ34がオンに切換った場合(制御部12の呼出手段が通常の着信音に対する応答データを検出した場合)には、ステップ815で、制御部12は、発信者自身の上記着信音データを、スピーカ38より出力させる。なお、ステップ814の処理は、発信側の電話装置10Bのフックスイッチ34(図1参照)がオフになるまで続けられる。
ステップ824において、制御部12は、選択モードの処理(図6参照)を行う。この選択モードは、切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモードの4種類の中から1つを、選択するモードである。なお、通話モードの選択は、ユーザが、受話器32を持上げた状態(ステップ814での受話器32を保持した状態)で、操作キー20(通話キー)を押圧する。
ステップ826において、制御部12は、履歴集計モードの処理(図8参照)を行う。この履歴集計モードは、図1に示す記録部16に記録されている着信履歴テーブル64中に、着信履歴データを新たに登録(記録)などするモードである。上記ステップ826の履歴集計モードが終了した場合は、本フローチャートを終了させる。
ステップ810が否定の場合すなわち正常に録音されなかった場合には、ステップ820で、制御部12が、非通知の着信拒否が設定されているか否かを判断する。ステップ820が否定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されていない場合には、ステップ822で、制御部12が、通常の着信音たとえば呼び出し音を、図1に示すスピーカ38から出力させる。
また、ステップ820が肯定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されている場合には、ステップ828で、制御部12は、切断モード(図6参照)の処理を行い、その後ステップ826の履歴集計モードの処理を行う。なお、上記選択モードおよび履歴集計モードは、第1実施形態の処理と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態では、着信音データ(発信者の音声データ)を出力させる前提として、通常の呼び出し音を出力させた後、ユーザの操作(オン・フック)に基づくように設定(ステップ814)しているので、着信音テーブルが出力することを、ユーザがさらに注意する。その他の作用効果は、第1実施形態と同様であるので、詳細説明は省略する。
(第3の実施形態)
以下、図10に基づいて、本発明の第3実施形態である電話装置の着信方法(着信通話モード)について説明する。本実施形態の電話装置は、図1に示す電話装置10と同様であるので、詳細な説明は省略する。ここで、本実施形態の電話装置10Aは、第1の記憶手段(記録部16)に発信者の音声データが記憶されていることを、発信側から送信されるプッシュボタン信号に基づき、制御部12の判断手段が判断する。
(着信通話モード)
図10に示すように、ステップ900において、制御部12は、電話装置10Aに着信を受けているか否かを判断する。ステップ900が肯定の場合すなわち電話装置10Aが着信を受けた場合、制御部12は、ステップ901で、発信側の電話装置10Bがナンバーディスプレイ契約をしているか否かを判断する。
ステップ901が肯定の場合すなわち上記契約データが記録部16(図1参照)にある場合には、ステップ902で、制御部12は、電話局(電話会社の端末)52からの発信側の電話番号データを、受信したか否かを判断する。
ステップ902が否定の場合すなわち上記電話番号データを受信しない場合には、ステップ903で、制御部12は、プッシュボタン信号の送出処理を行う。プッシュボタン信号の送出処理は、制御部12が、記録部14のメッセージテーブル(図2参照)中に記録されている「発信側の電話装置10Bにおける自局の電話番号を、プッシュボタン信号で入力(送信)依頼する」定型の音声(メッセージ)データを読出す。
この後、制御部12は、記憶部14から読出した上記定型の音声データを、図1に示す音声処理部26で音声信号に変換すると共に、音声処理部26で変換した音声信号を、パス切換ステップ36およびインタフェース40を経由し、発信側の電話装置10Bへ送信する。
ステップ904において、制御部12は、発信側の電話装置10Bからプッシュボタン信号を受信したか否かを判断する。ステップ904が肯定の場合すなわちプッシュボタン信号を受信した場合には、ステップ905で、制御部12は、プッシュボタン信号に基づくデータ(電話番号データ)が、記録部16内の電話帳テーブル62(第1の記憶手段)に格納(記録)されている電話番号データが一致するか否かを検索する。
ステップ905では、制御部12の判断手段が、発信側の電話装置10Bから送信されるプッシュボタン信号に基づき、電話帳テーブル62(第1の記憶手段)に発信者の音声データ(名前音声データ)が記憶されているかを判断する。
即ち、ステップ905の処理では、上記電話装置10Bからのプッシュボタン信号を、プッシュボタン受信部42で受信すると共に、プッシュボタン受信部42が上記プッシュボタン信号を解析した解析結果(電話番号データ)を制御部12に出力する。
ステップ905が否定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されていない場合には、ステップ906で、制御部12は、図1に示す記憶部14に記憶されている定型の(音声)メッセージ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」(図2参照)に対応するメッセージデータを出力する。
なお、ステップ901が否定の場合すなわちナンバーディスプレイ契約データが記録部16に記録されていない場合(公衆電話からの着信などである場合)には、ステップ903へ進み、制御部12は、プッシュボタン信号の送出処理を行う。また、ステップ902が肯定の場合すなわち発信側の電話装置10Bから電話番号データを受信した場合には、上記ステップ905以降の処理が行われる。
ステップ907では、発信者の音声データの録音処理が行われる。この録音処理では、発信側の電話装置10Bで入力された発信者の音声データが、受信側の電話装置10Aのパス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由し、音声処理部26に入力される。
入力された音声データは音声処理部26でデジタル化され、このデジタル化された音声データは図3に示す電話帳テーブル62のアドレスデータすなわち電話番号データ(名前データ)に関連付けられて記録部16に記録される。
ステップ908では、制御部12が、音声データが正常に録音された否かを判断する。ここで、音声検出部28は、送信側の電話装置10Bから送信されるデータ(インタフェース40からのデータ)が、音声データか否かを検出(解析)する。そして、音声検出部28が音声データ以外の話中音データまたは無音データなどであることを検出すると、音声検出部28は音声データでないとの検出信号を制御部12へ出力する。この場合、制御部12は、録音エラー(正常に録音されていない)と判断する。
ステップ908が肯定の場合すなわち正常に録音された場合には、ステップ909で、音声合成部30が、録音された発信者の名前データ「○○」および記憶部14の定型の音声メッセージデータ「さんからお電話です」を合成する。即ち、制御部12は、上記録音された発信者の名前音声データ「○○」と,上記音声メッセージテーブル60中のメッセージデータ「さんからお電話です」とを、音声合成部30へ入力させる。
音声合成部30は、上記発信者の名前データ「○○」を、上記音声メッセージデータの「さんからお電話です」の先頭部分へ、挿入して「○○さんからお電話です」と合成し、発信者自身の音声を一部(先頭の○○部分)に使用した着信音データとする。
ステップ905が肯定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されている場合には、ステップ916で、電話帳テーブル62内に発信者の音声データがあるか否かを判断する。ステップ916が否定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが無い場合には、ステップ906へ進み、図1に示すメッセージNO「2」と対応する「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」を読出し、発信側の電話装置10Bへ送信する。その後は、ステップ908以降の処理が続けられる。
ステップ916が肯定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが存在する場合には、ステップ918で、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル62(図3参照)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。
即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図3に示す電話帳テーブル62中の該当する「音声ファイル1」に対応する音声データを音声データ記録領域から読出す。そして、ステップ912へ進み、制御部12は、「音声ファイル1」に対応する音声データおよび図2に示す音声メッセージテーブル60の登録NO「1」を、音声合成部30で合成させる。
ステップ908が肯定の場合すなわち正常に録音された場合には、ステップ909で、音声合成部30が、録音された発信者の名前データ「○○」および記憶部14の定型の音声メッセージデータ「さんからお電話です」を合成する。即ち、制御部12は、上記録音された発信者の名前音声データ「○○」と,上記音声メッセージテーブル60中のメッセージデータ「さんからお電話です」とを、音声合成部30へ入力させる。
音声合成部30は、上記発信者の名前データ「○○」を、上記音声メッセージデータの「さんからお電話です」の先頭部分へ、挿入して「○○さんからお電話です」と合成し、発信者自身の音声を一部(先頭の○○部分)に使用した着信音データとする。
ステップ910では、制御部12が、上記発信者自身の着信音データを、音声処理部26およびパス切換スイッチ36を経由して、電話装置10Aのスピーカ38から出力させる。即ち、制御部12は、上記着信音データを音声処理部26でアナログ信号に変換させた後に、パス切換スイッチ36へ出力させる。
ステップ905が肯定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル62に登録されている場合には、ステップ916で、電話帳テーブル62内に発信者の音声データがあるか否かを判断する。ステップ916が否定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが無い場合には、ステップ906へ進み、図1に示すメッセージNO「2」と対応する「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」を読出し、発信側の電話装置10Bへ送信する。その後は、ステップ907以降の処理が続けられる。
ステップ916が肯定の場合すなわち電話帳テーブル62内に発信者の音声データが存在する場合には、ステップ918で、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル62(図3参照)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。
即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図3に示す電話帳テーブル62中の該当する「音声ファイル1」に対応する音声データを音声データ記録領域から読出す。そして、ステップ912へ進み、制御部12は、「音声ファイル1」に対応する音声データおよび図2に示す音声メッセージテーブル60の登録NO「1」を、音声合成部30で合成させる。また、制御部12は、ステップ910で、発信者自身の上記着信音データを、スピーカ38から出力させる。
ステップ908が否定の場合すなわち正常に録音されなかった場合には、ステップ920で、制御部12が、非通知の着信拒否が設定されているか否かを判断する。即ち、本実施形態では、図1に示す記録部16に、発信側の電話装置10Bが電話番号の通知を拒否する処理(例えば「184」のダイヤル操作)を行った場合に、発信側の電話装置10Bの接続を拒否する「非通知拒否」を設定(記録)することができる。
ステップ920が否定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されていない場合には、ステップ922で、制御部12が、通常の着信音たとえば呼び出し音(コール音)を、図1に示すスピーカ38から出力させる。
ステップ924において、制御部12は、選択モードの処理(図6参照)を行う。この選択モードは、切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモードの4種類の中から1つを、選択するモードである。なお、通話モードの選択は、ユーザが、受話器32を持上げた状態(ステップ914での受話器32を保持した状態)で、操作キー20(通話キー)を押圧する。
ステップ926において、制御部12は、履歴集計モードの処理(図8参照)を行う。この履歴集計モードは、図1に示す記録部16に記録されている着信履歴テーブル64中に、着信履歴データを新たに登録(記録)などするモードである。上記ステップ926の履歴集計モードが終了した場合は、本フローチャートを終了させる。
ステップ910が否定の場合すなわち正常に録音されなかった場合には、ステップ920で、制御部12が、非通知の着信拒否が設定されているか否かを判断する。ステップ920が否定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されていない場合には、ステップ922で、制御部12が、通常の着信音たとえば呼び出し音を、図1に示すスピーカ38から出力させる。
また、ステップ920が肯定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されている場合には、ステップ928で、制御部12は、切断モード(図6参照)の処理を行い、その後ステップ926の履歴集計モードの処理を行う。なお、上記選択モードおよび履歴集計モードは、第1実施形態の処理と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態では、ステップ903及び904において、発信側の電話装置10Bにおける自局の電話番号(プッシュボタン信号)の受信を待つ処理を設けたので、発信元の電話装置10Bの特定が容易となる。その他の作用効果は、第1実施形態と同様であるので、詳細説明は省略する。
(第4の実施形態)
以下、図11乃至図13に基づいて、本発明の第4実施形態である電話装置の着信方法(着信通話モード)について説明する。本実施形態において、記録部16(図1参照)に記録されている電話帳テーブル66(第1の記憶手段)には、図11に示すように、「登録NO(アドレス)と、電話番号(データ)と、この電話番号に対応する名前(データ)と、発信者自身の音声による名前音声データと」を、それぞれ関連付けた領域の他に、パスワードを記録する領域も設けられている。本実施形態の電話装置において、上記電話帳テーブル66以外の構成は、図1に示す電話装置10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施形態の電話装置10Aは、発信側から送信される送信データに対応するパスワードデータを、検索する検索手段(制御部12)を、さらに備え、パスワードデータが、第1の記憶手段(電話帳テーブル66)に予め記憶されている場合において、発信側の電話装置10Bから送信される送信データに基づき、パスワードデータと一致するかを制御部12の検索手段が検索し、制御部12の判断手段が、制御部12の検索手段の検索結果によって発信データがパスワードデータと一致すると判断した場合には、第1の記憶手段(記録部16)に予め記憶されている音声データと、他の連続音データとを組み合わせ、連続する連続着信音データとする。
(着信通話モード)
図12に示すように、ステップ1000において、制御部12は、電話装置10Aに着信を受けているか否かを判断する。ステップ1000が肯定の場合すなわち電話装置10Aが着信を受けた場合、制御部12は、ステップ1001で、発信側の電話装置10Bがナンバーディスプレイ契約をしているか否かを判断する。
ステップ1001が肯定の場合すなわち上記契約データが記録部16(図1参照)にある場合には、ステップ1002で、制御部12は、電話局(電話会社の端末)52からの発信側の電話番号データを、受信したか否かを判断する。
ステップ1002が否定の場合すなわち上記電話番号データを受信しない場合には、ステップ1003で、制御部12は、プッシュボタン信号の送出処理を行う。プッシュボタン信号の送出処理は、制御部12が、記憶部14のメッセージテーブル(図2参照)中に記憶されている「発信側の電話装置10Bにおける自局の電話番号を、プッシュボタン信号で入力(送信)依頼する」定型の音声(メッセージ)データを読出す。
この後、制御部12は、記憶部14から読出した上記定型の音声データを、図1に示す音声処理部26で音声信号に変換すると共に、音声処理部26で変換した音声信号を、パス切換ステップ36およびインタフェース40を経由し、発信側の電話装置10Bへ送信する。
ステップ1004において、制御部12は、発信側の電話装置10Bからプッシュボタン信号を受信したか否かを判断する。ステップ1004が肯定の場合すなわちプッシュボタン信号を受信した場合には、ステップ1005で、制御部12は、プッシュボタン信号に基づくデータ(電話番号データ)が、記録部16内の電話帳テーブル66(図11参照)に格納(記録)されている電話番号データと一致するか否かを検索する。
即ち、ステップ1005の処理では、上記電話装置10Bからのプッシュボタン信号を、電話装置10Aのプッシュボタン受信部42で受信すると共に、プッシュボタン受信部42が上記プッシュボタン信号を解析した解析結果(電話番号データ)を制御部12に出力する。
ステップ1005が否定の場合すなわち上記電話番号データが図11に示す電話帳テーブル66に登録されていない場合には、ステップ1006で、制御部12は、図1に示す記憶部14に記憶されている定型の(音声)メッセージ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」(図2参照)に対応するメッセージデータを出力する。
ステップ1007では、発信者の音声データの録音処理が行われる。この録音処理では、発信側の電話装置10Bで入力された発信者の音声データが、受信側の電話装置10Aのパス切換スイッチ36およびインタフェース40を経由し、音声処理部26に入力される。
入力された音声データは音声処理部26でデジタル化され、このデジタル化された音声データは図3に示す電話帳テーブル66のアドレスデータすなわち電話番号データ(名前データ)に関連付けられて記録部16に記録される。
ステップ1008では、制御部12が、音声データが正常に録音された否かを判断する。ここで、音声検出部28は、送信側の電話装置10Bから送信されるデータ(インタフェース40からのデータ)が、音声データか否かを検出(解析)する。そして、音声検出部28が音声データ以外の話中音データまたは無音データなどであることを検出すると、音声検出部28は音声データでないとの検出信号を制御部12へ出力する。この場合、制御部12は、録音エラー(正常に録音されていない)と判断する。
ステップ1008が肯定の場合すなわち正常に録音された場合には、ステップ1010で、制御部12は、図13に示すパスワード設定モードの処理を行う。図13に示すステップ1100において、制御部12は、記憶部14のメッセージテーブル(図2参照)中に記憶されている「パスワードを設定するのか、或いは予め定められた特定のプッシュボタン信号○○○○を入力するのかの選択を、お願いします」の定型の音声(メッセージ)データを読出す。
この後、制御部12は、記憶部14から読出した上記定型の音声データを、図1に示す音声処理部26で音声信号に変換すると共に、音声処理部26で変換した音声信号を、パス切換ステップ36およびインタフェース40を経由し、発信側の電話装置10Bへ送信する。
ステップ1102では、制御部12が、パスワードの入力を選択したのか否かを判断する。ステップ1102が肯定の場合すなわちパスワードの入力が選択された場合には、ステップ1104で、制御部12は、発信側の電話装置10Bのダイヤルキーパッド22(図1参照)で入力されたプッシュボタン信号(パスワードデータ)を登録する。
即ち、ステップ1104では、上記電話装置10Bからのプッシュボタン信号を、電話装置10Aのプッシュボタン受信部42で受信すると共に、プッシュボタン受信部42が上記プッシュボタン信号を解析した解析結果(パスワードデータ)を制御部12に出力する。
そして、ステップ1104においては、制御部12は、パスワードデータを、図11に示す電話帳テーブル66のパスワード欄に、該当する電話番号のパスワードとして登録する。なお、上記パスワードの登録後、制御部12は、本サブルーチンを終了させる。
一方、ステップ1102が否定の場合すなわちパスワードデータが入力されない場合には、ステップ1100で指定された特定のプッシュボタン信号○○○○が受信されるのを待つ。そして、上記特定のプッシュボタン信号○○○○の受信後、制御部12は、本サブルーチンを終了させる。なお、パスワードデータの入力が無い場合は、図11における電話帳テーブル66の登録NO3のパスワード欄に示すように、パスワードが無いことを示す「0000」を表示する。
なお、ステップ1001が否定の場合すなわちナンバーディスプレイ契約データが記録部16に記録されていない場合(公衆電話からの着信などである場合)には、ステップ1003へ進み、制御部12は、プッシュボタン信号の送出処理を行う。また、ステップ1002が肯定の場合すなわち発信側の電話装置10Bから電話番号データを受信した場合には、上記ステップ1005以降の処理が行われる。
ステップ1010のパスワード設定モードの処理が終了した後は、ステップ1011で、制御部12は、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル66(図11参照)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図11に示す電話帳テーブル66中の登録NO「1」と対応する名前データの「音声ファイル1」と、この「音声ファイル1」に対応する音声データとを読出す。
ステップ1009において、図1に示す音声合成部30は、録音された発信者の名前データ「○○」および記憶部14の定型の音声メッセージデータ「さんからお電話です」を合成する。即ち、制御部12は、上記録音された発信者の名前音声データ「○○」と,上記音声メッセージテーブル60中のメッセージデータ「さんからお電話です」とを、音声合成部30へ入力させる。
音声合成部30は、上記発信者の名前データ「○○」を、上記音声メッセージデータの「さんからお電話です」の先頭部分へ、挿入して「○○さんからお電話です」と合成し、発信者自身の音声を一部(先頭の○○部分)に使用した着信音データとする。
ステップ1012において、制御部12が、ステップ1009で登録した上記発信者自身の着信音データを記録部16から読出すと共に、読出した上記発信者自身の着信音データを、音声処理部26およびパス切換スイッチ36を経由して、電話装置10Aのスピーカ38から出力させる。即ち、制御部12は、上記着信音データを音声処理部26でアナログ信号に変換させた後に、パス切換スイッチ36へ出力させる。
ステップ1005が肯定の場合すなわち上記電話番号データが電話帳テーブル66(図11参照)に登録されている場合には、ステップ1013で、制御部12は、発信者(電話番号)に対応するパスワードデータが登録されているか否かを判断する。すなわち、制御部12は、記録部16に記録されている電話帳テーブル66に、上記パスワードデータがあるか否かを検索する。
ステップ1013が肯定の場合すなわち発信者のパスワードデータが電話帳テーブル66に登録されている場合には、ステップ1014で、制御部12は、パスワード入力処理を行う。即ち、上記パスワード入力処理は、制御部12が、図1に示す記憶部14に記憶されている定型の音声メッセージテーブル60から「パスワードの入力をお願いします」の音声メッセージデータを読出す。
この後、制御部12は、記憶部14から読出した上記定型の音声メッセージデータを、図1に示す音声処理部26で音声信号に変換すると共に、音声処理部26で変換した音声信号を、パス切換ステップ36およびインタフェース40を経由し、発信側の電話装置10Bへ送信する。
そして、受信側の電話装置10Aの制御部12は、発信側の電話装置10Bのダイヤルキーパッド22(図1参照)で入力(送信)されるプッシュボタン信号(パスワードデータ)を検索する。即ち、ステップ1014では、上記電話装置10Bからのプッシュボタン信号を、電話装置10Aのプッシュボタン受信部42で受信すると共に、プッシュボタン受信部42が上記プッシュボタン信号を解析した解析結果(パスワードデータ)を制御部12へ出力する。
ステップ1015において、制御部12は、上記パスワードデータが、図11に示す電話帳テーブル66に既に記録されている該当電話番号のパスワードデータと一致するか否かを判断する。ステップ1015が肯定の場合すなわちパスワードデータ同士が一致する場合には、制御部12が、ステップ1017で、図11に示す電話帳テーブル66内に発信者の音声データがあるか否かを判断する。
ステップ1017が否定の場合すなわち電話帳テーブル66内に発信者の音声データが無い場合には、ステップ1006へ進み、図1に示すメッセージNO「2」と対応するメッセージデータ「おつなぎ致しますので、発信音のあとにお名前を5秒以内におっしゃって下さい」を読出し、発信側の電話装置10Bへ送信する。その後は、ステップ1007以降の処理が続けられる。
ステップ1017が肯定の場合すなわち電話帳テーブル66内に発信者の音声データが存在する場合には、ステップ1011に進み、制御部12の検索手段が、発信者の音声データを図1に示す記録部16に記録されている電話帳テーブル66(図11参照:第1の記憶手段)を検索し、たとえば「音声ファイル1」を記録部16から読出す。
即ち、検索手段の一部を構成する制御部12は、図3に示す電話帳テーブル66中の該当する「音声ファイル1」に対応する音声データを音声データ記録領域から読出す。そして、制御部12は、ステップ1009以降の処理を続ける。
なお、ステップ1015が否定の場合すなわちパスワードデータ同士が一致しない場合には、制御部12が、ステップ1016で、「パスワードが不一致または登録がありません」のメッセージ(警告データ)を、電話装置10Aの表示部24(警告手段)に表示する。この場合、制御部12は、図1に示すスピーカ38(警告手段)からアラーム音(警告データ)を出力させても良い。
そして、制御部12は、電話装置10Aの表示部24に「パスワードが不一致または登録がありません」のメッセージを表示させた状態(ステップ1016の処理中)で、ステップ1017以降の処理を行う。
また、ステップ1013が否定の場合すなわち発信者のパスワードデータが電話帳テーブル66に登録されていない場合にも、ステップ1017以降の処理を行う。即ち、制御部12は、電話装置10Aの表示部24に「パスワードが不一致または登録がありません」のメッセージを表示させる。
ステップ1004が否定の場合すなわちプッシュボタン信号を受信しなかった場合、またはステップ1008が否定の場合すなわち発信者の音声データが正常に録音されなかった場合には、ステップ1020で、制御部12が、非通知の着信拒否が設定されているか否かを判断する。即ち、本実施形態では、図1に示す記録部16に、発信側の電話装置10Bが電話番号の通知を拒否する処理(例えば「184」のダイヤル操作)を行った場合に、発信側の電話装置10Bの接続を拒否する「非通知拒否」を設定(記録)することができる。
ステップ1020が否定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されていない場合には、ステップ1022で、制御部12が、通常の着信音たとえば呼び出し音(コール音)を、図1に示すスピーカ38から出力させる。
ステップ1024において、制御部12は、選択モードの処理(図6参照)を行う。この選択モードは、切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモードの4種類の中から1つを、選択するモードであり、図1に示す表示部24に選択モードの4種類「切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモード」のメニューを表示させる。
なお、本実施形態において、制御部12は、選択モード4種類「切断モード,通話モード,留守電モード,掛け直しモード」のメニュー、及びステップ1016のメッセージ「パスワードが不一致または登録がありません」を、所定時間に亘って交互に、表示部24に表示する。
ステップ1026において、制御部12は、履歴集計モードの処理(図8参照)を行う。この履歴集計モードは、図1に示す記録部16に記録されている着信履歴テーブル64中に、着信履歴データを新たに登録(記録)などするモードである。上記ステップ1026の履歴集計モードが終了した場合は、本フローチャートを終了させる。
ステップ1020が肯定の場合すなわち「非通知拒否」が設定されている場合には、ステップ1028で、制御部12は、切断モード(図6参照)の処理を行い、その後ステップ1026の履歴集計モードの処理を行う。なお、上記選択モードおよび履歴集計モードは、第1実施形態の処理と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態では、ステップ1010及び1013〜1016において、パスワードに関する処理を設けたので、発信元の電話装置10Bの特定がさらに容易となる。その他の作用効果は、第3実施形態と同様であるので、詳細説明は省略する。
なお、上記各実施形態において説明した各プログラムの処理の流れ(図5乃至図10、図12および図13参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。また、本発明では、上記構成の組み合わせるパターンを、例えば上記各実施形態または構成例の内、2つの例または2つ以上の例を組み合わせるパターンとしても良い。
さらに、上記各実施形態では、電話装置10を有線タイプとして説明したが、本発明の電話装置は無線タイプの携帯電話、または電話機能を備えるパーソナル・コンピュータ、PDAs(PERSONAL Digital Assistants)、テレビなどを含む概念である。