JP2006143136A - フレキシブル幌枠 - Google Patents
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Abstract
【課題】トラックの荷台に設けるのに好適な、幅や高さ寸法を可変としたフレキシブル幌枠に関し、設置が容易で、設置の際に門形枠の高さ及び幅を容易に調節して強固に固定でき、かつ貯蔵や運搬にも便利な幌枠を得る。
【解決手段】門形枠4が、縦パイプ10及び天井パイプ11とこれらの端部からパイプ内に挿入される細長い挿入杆15、16を備えた肩部の逆L材12とで形成され、これらの挿入杆は、先端を傾斜受面21とした中空杆18と、この中空杆に挿通されたロックボルト19と、このロックボルトの先端に螺合されて傾斜当面23を前記傾斜受面に当接させたロック臼20とを備えている。縦パイプ10及び天井パイプ11への挿入杆15、16の挿入長さを調整することにより、門形枠4の高さ及び幅寸法を自由に調整でき、ボルト19を締め付けてやれば強固に固定される。
【選択図】 図3
【解決手段】門形枠4が、縦パイプ10及び天井パイプ11とこれらの端部からパイプ内に挿入される細長い挿入杆15、16を備えた肩部の逆L材12とで形成され、これらの挿入杆は、先端を傾斜受面21とした中空杆18と、この中空杆に挿通されたロックボルト19と、このロックボルトの先端に螺合されて傾斜当面23を前記傾斜受面に当接させたロック臼20とを備えている。縦パイプ10及び天井パイプ11への挿入杆15、16の挿入長さを調整することにより、門形枠4の高さ及び幅寸法を自由に調整でき、ボルト19を締め付けてやれば強固に固定される。
【選択図】 図3
Description
この発明は、金属の棒材やパイプ材で形成される幌枠に関するもので、特にトラックの荷台に設けるのに好適な幌枠に関し、幅寸法や高さ寸法を可変としたフレキシブル幌枠に関するものである。
トラックの荷台に幌を設けるときは、荷台の両側辺にあるあおりを支えにして複数の門形枠を荷台前後方向に略等間隔で立設し、これらの門形枠を縦通材で連結して幌枠を組み立て、この幌枠に幌布を被せてロープなどで固定する。
トラックの荷台には種々の大きさがあり、また車の種類や大きさによって地上からの幌高さにも制限があるので、それらに適合する大きさの幌枠を設けなければならない。荷台前後方向の長さに対しては、設置する門形枠の個数と縦通材の長さを変えてやればよいので、対応は比較的簡単であるが、門形枠については、車種ごとに高さ及び幅寸法の異なるものを準備しなければならない。そして、幌の取り付けを必要とする車両の割合が少ないので、車種ごとに既製の幌枠が準備されているという状況にもなっていない。そのため、トラックの荷台に幌を設けるときは、個々の車両ごとに幌枠と幌布とを注文生産して取り付けているのが実情である。
特開平10−250379号公報
しかし、車両ごとに幌枠を製造するときは、材料の寸法取りや加工及び荷台への取り付けに時間と手間を要し、コスト高となって不経済であるとともに、注文してから設置までに時間がかかるという問題がある。一方、車種ごとに既存のものを準備しようとすると、車種が多数あることから在庫量が多くなり、使用されないまま廃棄される幌枠も多くなって、これまた不経済である。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、設置が容易で、設置の際に門形枠の高さ及び幅を容易に調節して強固に固定することができ、かつ比較的短い部品に分解することができて、貯蔵や運搬にも便利な幌枠を得ることを課題としている。
上記課題を解決した本願の請求項1の発明に係るフレキシブル幌枠は、複数の門形枠4と、これらを繋ぐ縦通材5とを備えた幌枠において、前記門形枠が、縦パイプ10及び天井パイプ11とこれらの端部からパイプ内に挿入される細長い挿入杆15、16を備えた肩部の逆L材12とで形成され、これらの挿入杆は、先端を傾斜受面21とした中空杆18と、この中空杆に挿通されたロックボルト19と、このロックボルトの先端に螺合されて基端の傾斜当面23を前記傾斜受面に摺動自在に当接させたロック臼20とを備えていることを特徴とするものである。
上記発明によれば、縦パイプ10及び天井パイプ11と、逆L材12とで門形枠4を組み立てる際に、パイプ10、11内への挿入杆15、16の挿入長さを調整することにより、門形枠4の高さ寸法及び幅寸法を自由に調整することができ、かつその調整した位置でボルト19を締め付けてやれば、ロック臼の傾斜当面23が挿入杆先端の傾斜受面21に沿って滑って、ロック臼20が横移動することによって、パイプ10、11の内壁に強く押圧され、この押圧力はボルト19のねじ作用と、斜面21、23の楔作用とにより強大なものとなるので、当該調節した位置で、縦パイプ10及び天井パイプ11と逆L材12とが強固に固定されて、車両走行時の振動を受けても緩むことがない。
各門形枠4は、1本の天井パイプ11と2本の縦パイプ10及び2個の逆L材12に分解して貯蔵及び運搬できるので、かさ張らず貯蔵や運搬に便利であると共に、幌枠の組み立て時にこれらの各部品が組み付けられるので、幌枠の設置も容易である。
幌枠部品の貯蔵や運搬を容易にし、かつ各種長さの荷台への対応もより容易にするには、縦通材5や幌枠をトラックの荷台に取り付ける高欄29も分解可能で、かつ長さ調整可能にするのが好ましい。
本願の請求項2の発明は、門形枠4をトラックの荷台あおり1に立設する高欄29を分解かつ長さ調整して固定可能にしたもので、トラック荷台用の上記請求項1記載のフレキシブル幌枠において、荷台あおり1の上縁前後に固定され当該前後端及び中間ないし対向端に支持パイプ9を備えた所定長さの固定高欄6、6と、前後の固定高欄の上縁対向端相互を繋ぐ繋ぎ材8とを備え、前記門形枠の縦パイプ10が前記支持パイプに挿入して立設されていることを特徴とするものである。
また、本願の請求項3の発明は、前後の門形枠を連結する縦通材を分解かつ長さ調整して固定可能にしたもので、上記請求項1又は2記載のフレキシブル幌枠において、縦通材5が、幌枠前後端の固定杆13とそれらの対向端から両端をパイプ内に挿入して止めネジ54で固定された繋ぎ杆14とを備えていることを特徴とするものである。
この発明によれば、幌枠の高さ及び幅をトラックの荷台などの寸法に合せて調整しながら組み立てることが可能な幌枠を提供することができ、各種寸法の荷台に対応できることから、部品を在庫品として準備しておけば、必要なときに必要な車両に速やかに幌を設置することができる。そして、一種類の部品セットで各種大きさの幌や荷台に対応できることから、在庫量が少なくて済み、ある車種の販売中止、突然の荷台寸法変更などによって、使用できなくなる部品が生ずるおそれがなく、再販された中古車にも対応できる。
また、貯蔵搬送及び組み立てが容易であるので、貯蔵や納品に要するコストを小さくすることができ、また、門形枠の肩部に露出しているボルト頭を締結するという簡単な作業で門形枠の組み立て寸法を強固に固定することができるので、設置の際の労力も低減できて経済的である。
更に、請求項2及び3の発明によれば、縦通材なども短く分解して貯蔵及び運搬ができると共に、幌枠の長さ寸法も容易に調整できるので、長尺物の貯蔵や搬送も不要となり、設置時に縦通材を切断したりする作業が不要になるので、幌枠の設置作業もより容易になるという効果がある。
以下、図面を参照して、この発明を更に説明する。
図1は、この発明の幌枠の一例を示す側面図、図2は背面図で、想像線で示す1はトラックの荷台あおり、2は後車輪である。
図1は、この発明の幌枠の一例を示す側面図、図2は背面図で、想像線で示す1はトラックの荷台あおり、2は後車輪である。
図の幌枠3は、7個の門形枠4と、側面上部及び中間部の縦通材5と、荷台あおりの前後端に取り付けた固定高欄6と、荷台の長手中央に取り付けた繋ぎ高欄7と、前後の固定高欄6と繋ぎ高欄7の対向端上縁相互を連結している繋ぎ材8とを備えている。固定高欄6は、前後端と中央に支持パイプ9を備え、繋ぎ高欄7は、中央に支持パイプ9を備えており、7個の門形枠4は、縦パイプ10の下端を支持パイプ9に挿通して立設されている。各門形枠4は、両側の縦パイプ10と、中央で僅かに上凸に屈曲した1本の天井パイプ11と、縦パイプ10の上端と天井パイプとを連結している両側肩部の逆L材12とによって構成されている。また、縦通材5は、前後各3個の門形枠を連結している固定杆13と、前後の固定杆相互及び中央の門形枠4を連結している繋ぎ杆14とで形成されている。
図3及び図4は、逆L材12の正面図及び上面図である。逆L材12は、縦パイプ10に挿入される垂直方向の縦挿入杆15と、天井パイプ11に挿入される水平方向の横挿入杆16とを、頂角略90度の円弧に屈曲した曲り杆17の両端側面に溶着した構造で、図示のものは、2本の曲り杆17の両端を縦横の挿入杆15、16の端部両側(幌枠の前後側)に溶着した構造であるが、曲り杆17は1本のみであってもよい。
挿入杆15及び16は、天井パイプ11及び縦パイプ10の内径に軽く挿入される外径を備えた中空杆18と、細長いロックボルト19と、中空杆18と等しい外径のロック臼20とを備えている。中空杆18の先端は、斜めに切断されて、傾斜受面21が形成されている。中空杆18の基端にはボルト挿通孔を設けた栓22が溶着されている。ロックボルト19は、このボルト挿通孔を通って中空杆18を貫通し、先端が中空杆18から突出して当該先端にロック臼20が螺合されている。ロック臼20の基端には、中空杆の傾斜受面21と等しい傾斜角の傾斜当面23が形成されている。
図の例では、中空杆18は、端部に溶着したスリーブ24を介して曲り杆17に溶着されており、2本の曲り杆17の間にロックボルト19のボルト頭25を回動操作するのに必要なスペースが確保されている。スリーブ24は、縦パイプ10及び天井パイプ11と同じ外径を備えている。曲り杆17を天井パイプ11及び縦パイプ10の側面に溶着しているのは、ボルト頭25の操作スペースを設けるためである。
縦方向の中空杆18の頂部の幌26の内側となる部分には、後述する縦通材5のピン27を挿入するための短い受パイプ28が溶着されている。このような受パイプ28は、特に図示しないが、縦パイプ10の中間位置にも溶着されている。
図5及び6は、固定高欄6の側面図及び上面図である。固定高欄6は、山形鋼からなる下辺30の前後端及び中央に支持パイプ9の下端を溶着して立設し、これらの支持パイプの上端をコの字型鋼からなる上縁31に設けた貫通孔32に挿通して溶着した構造で、下辺の山形鋼30には、これをトラックの荷台あおり1に固定するためのボルト孔が設けられているが、図には示されていない。支持パイプ9は、そのパイプ孔に縦パイプ10がちょうど挿入される大きさである。
図7及び8は、繋ぎ高欄7の側面図及び上面図である。繋ぎ高欄7は、固定高欄6と同一の鋼材からなる下辺34と上縁35の中央に固定高欄6の支持パイプと同一の支持パイプ9を溶着した構造で、下辺34と上縁35の前後端は、上縁35の側方に突出しないように溶着した帯板36で連結されている。上縁35の前後端上面には、後述する繋ぎ材8を締結するためのねじ孔37が設けられている。
図9及び10は、繋ぎ材8の上面図及び端面図である。繋ぎ材8は、固定高欄及び繋ぎ高欄の上縁31、35に上からちょうど被せることができる内法寸法の断面コの字形の鋼材で、その上面両端には、支持パイプ9の突出端を挿通する挿通孔38と、繋ぎ高欄のねじ孔37に螺合されるボルトを挿入するための多数の長孔39とが設けられている。この繋ぎ材8は、固定高欄6の繋ぎ高欄7側端部の支持パイプ9に挿通孔38を挿入して、固定高欄の上縁35と繋ぎ高欄の上縁35とに橋渡すように嵌着して、繋ぎ高欄のねじ孔37に合致する長孔39にボルトを挿入して締結することにより、固定高欄6と繋ぎ高欄7の上縁端部相互を連結する。図の繋ぎ材で挿通孔38が両端に設けられ、長孔39が非対称に配置されているのは、ねじ孔37と長孔39とが合致しないときに、繋ぎ材8を前後逆にして使用できるようにするためである。
図11は縦通材5の固定杆13の側面図、図12はその繋ぎ杆14と固定杆13との接続部を示す説明図である。固定杆13は、パイプ材の両端と中央に前述した受パイプ28のパイプ孔に挿通されるピン27を溶着した構造で、このピン27を受パイプ28に挿入することによって、荷台前後のそれぞれ3個ずつの門形枠4を連結する。この固定杆13の一方の端部には、下部又は上部に貫通孔が設けられて、当該貫通孔を設けた部分にナット40が溶着されている。繋ぎ杆14は固定杆13のパイプ孔にちょうど挿入される金属棒材の中央に連結ピン27を溶着した構造で、その両端を前後の固定杆の対向端に挿入すると共に、連結ピン27を中央の門形枠の受パイプ28に挿入して、ナット40に螺合した止めねじ54で締結することにより、前後の固定杆13及び中央の門形枠4cを連結している。
上記構造の図1、2の幌枠3は、7個の門形枠4を14個の縦パイプ10及び逆L材12と7本の天井パイプ11とに分割し、両側の高欄29を4個の固定高欄6と2個の繋ぎ高欄7と4本の繋ぎ材8とに分割し、両側各2本の縦通材5を8本の固定杆13と2本の繋ぎ杆14とに分割した各部品と、必要な数の固定ボルトとで、トラックの荷台上で組み立てて設置することができる。
組み立てに際しては、まず固定高欄6を荷台あおりの前後端に固定し、その中間に繋ぎ高欄7を固定して、固定高欄6の上縁と繋ぎ高欄7の上縁とを繋ぎ材8で連結する。次に固定高欄及び繋ぎ高欄の支持パイプ9に縦パイプ10を挿入して立設し、両端に逆L材12を挿入した天井パイプ11を、逆L材の縦挿入杆15を縦パイプ10の上端に挿入することによって装架し、天井パイプ11を両側の縦パイプ10の中央に位置させて、横挿入杆16のロックボルト19を締結することにより、天井パイプ11と逆L材12とを固定する。そして、天井パイプ11を所定の高さ位置まで引き上げて、当該位置で縦挿入杆15のロックボルト19を締結することにより、逆L材12と縦パイプ10とを固定する。
このようにして7個の門形枠4を組み立てたら、固定杆13のナット40を設けた側の端部に繋ぎ杆14の両端を挿通して、それらのピン27を縦パイプ10に設けた受パイプ及び逆L材12に設けた受パイプ28に挿通し、ナット40に止めねじ54を螺合して締結することにより組み立てられる。
幌枠3が図13に示すように、トラックのキャビン41から上方へ突出するときに、その突出部前面に風受枠42を設けるときは、たとえば図14に示すように、基端に門形枠をクランプするクランプ金具43を設けたパイプ材44を当該クランプ金具で前端の門形枠4に取り付け、両側のパイプ44に両端を挿入した棒材で横桁45を設け、この横桁にΩ形の止め金具などで帯板からなる縦桟を固定し、その帯板の上端を図14に示したと同様なクランプ金具で前端の門形枠の天井パイプ11に締結するなどの方法で設けることができる。
なお、上記の例では、固定高欄6及び繋ぎ高欄7の下縁をボルトでトラックの荷台あおりに固定するようにしたが、荷台あおりにボルト孔を加工したくないときは、図15に示すようなクランプ金具で高欄を荷台あおり1の上縁に固定することができる。図に示したものは、高欄下辺の山形鋼30に先端を上方の反らした受金具47を溶着すると共に、この受金具に蝶番構造でピン48回りに揺動する締結金具49を設け、この締結金具の上方延在部50に設けたボルト孔に挿通したボルト51に螺合したナット52で、当該延在部50を締め上げることにより、締結金具49と山形鋼30とで荷台あおり1をクランプする構造である。なお、ボルト51の先端は、受金具47の上方に屈折した部分で受け止められている。53は緩み止め用のロックナットである。
4 門形枠
5 縦通材
8 繋ぎ材
9 支持パイプ
10 縦パイプ
11 天井パイプ
12 逆L材
13 固定杆
14 繋ぎ杆
15 縦挿入杆
16 横挿入杆
18 中空杆
19 ロックボルト
20 ロック臼
54 止めねじ
5 縦通材
8 繋ぎ材
9 支持パイプ
10 縦パイプ
11 天井パイプ
12 逆L材
13 固定杆
14 繋ぎ杆
15 縦挿入杆
16 横挿入杆
18 中空杆
19 ロックボルト
20 ロック臼
54 止めねじ
Claims (3)
- 複数の門形枠(4)と、これらを繋ぐ縦通材(5)とを備えた幌枠において、前記門形枠が、縦パイプ(10)及び天井パイプ(11)とこれらの端部からパイプ内に挿入される細長い挿入杆(15,16)を備えた肩部の逆L材(12)とで形成され、これらの挿入杆は、先端を傾斜受面(21)とした中空杆(18)と、この中空杆に挿通されたロックボルト(19)と、このロックボルトの先端に螺合されて基端の傾斜当面(23)を前記傾斜受面に摺動自在に当接させたロック臼(20)とを備えている、フレキシブル幌枠。
- 荷台あおり(1)の上縁前後に固定され当該前後端及び中間ないし対向端に支持パイプ(9)を備えた所定長さの固定高欄(6,6)と、前後の固定高欄の上縁対向端相互を繋ぐ繋ぎ材(8)とを備え、前記門形枠の縦パイプ(10)が前記支持パイプに挿入して立設されている、トラック荷台用の請求項1記載のフレキシブル幌枠。
- 縦通材(5)が、幌枠前後端の固定杆(13)とそれらの対向端から両端をパイプ内に挿入して止めネジ(54)で固定された繋ぎ杆(14)とを備えている、請求項1又は2記載の幌枠。
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