JP2006142834A - ポリイミド付き低粗度金属箔および金属箔表面の処理方法 - Google Patents

ポリイミド付き低粗度金属箔および金属箔表面の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来公知の基板用の金属箔積層体が有する前記の表面粗さの小さい金属箔を使用すると接着強度が小さいという問題点を解消した、オ−ルポリイミドの基板材料として好適なポリイミド付き金属箔および金属箔表面の処理方法を提供する。
【解決手段】、Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこの誘導体(酸、酸エステルあるいは酸のハ−フエステル)から得られる厚みが0.1〜5μmのポリイミド塗膜を設けたポリイミド付き金属箔。Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、前記ポリイミドを与えるポリアミック酸の有機溶媒溶液を、加熱後のポリイミド塗膜の厚みが0.1〜5μmとなるように塗布することを特徴とする表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法。
【選択図】 なし

Description

この発明は、表面粗さの小さい金属箔表面に、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸類から得られるポリイミドからなる薄いポリイミド塗膜を設けたポリイミド付き金属箔に関する。
また、この発明は、表面粗さの小さい金属箔表面に、有機溶媒中で2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸類を反応させて得られるポリアミック酸の有機溶媒溶液を薄く塗布することを特徴とする表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法に関する。
カメラ、パソコン、液晶ディスプレイなどの電子機器類への用途として芳香族ポリイミドフィルムは広く使用されている。芳香族ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性、機械的強度、電気的特性などが優れているが、接着剤の耐熱性等が劣るため、本来のポリイミドの特性を損なうことが指摘されている。このような問題を解決するために、接着剤を使用しないでポリイミドフィルムに銅を電気メッキしたり、銅箔にポリアミック酸溶液を塗布し、乾燥、イミド化したり、熱可塑性ポリイミドを熱圧着させたオ−ルポリイミド基材が開発されている。しかし、これらの方法によって得られるオ−ルポリイミドの金属箔積層体は、接着強度が小さいとか、接着強度は大きいが広幅、長尺の製品を得ることが困難であり、塗工厚みが厚い場合にイミド化に長時間を要し生産性が悪いという問題点が指摘されている。
また、ポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド接着剤をサンドイッチ状に接合したポリイミドラミネ−トが知られている(米国特許第4543295号)。しかし、このポリイミドラミネ−トでは、低熱線膨張のビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドフィルムについては接着強度が小さく使用できないという問題がある。
このため、ロ−ルラミネ−ト法においてラミネ−トロ−ルの材質として特定の硬度を有する金属を使用する方法や、熱圧着性のポリイミドとして特定の芳香族ジアミンによって得られたものを使用する方法が提案されている。しかし、このポリイミドラミネ−トおよびその製法は、表面粗さの小さい金属箔については剥離強度(接着強度)が小さく使用が制限されるという問題がある。
米国特許第4543295号明細書
この発明の目的は、従来公知の基板用の金属箔積層体が有する前記の表面粗さの小さい金属箔を使用すると接着強度が小さいという問題点を解消した、オ−ルポリイミドの基板材料として好適なフレキシブル金属箔積層体を与えるポリイミド付き金属箔および表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法を提供することである。
すなわち、この発明は、Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこの誘導体(酸、酸エステルあるいは酸のハ−フエステル)から得られる厚みが0.1〜5μmのポリイミド塗膜を設けたポリイミド付き金属箔に関する。
また、この発明は、Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、有機溶媒中で2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこの誘導体(酸、酸エステル、酸のハ−フエステル)を反応させて得られるポリアミック酸の有機溶媒溶液を、加熱後のポリイミド塗膜の厚みが0.1〜5μmとなるように塗布することを特徴とする表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法に関する。
この発明によれば、以上のような構成を有しているため、次のような効果を奏する。
この発明によれば、広幅で長尺で、表面粗さの小さい金属箔を使用しても、大きな接着強度を有し、製品外観が良好である基板材料として好適なフレキシブル金属箔積層体を提供することができる。
以下にこの発明の好ましい態様を列記ずる。
1)表面粗さの小さい金属箔が、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔あるいは合金箔である上記のポリイミド付き金属箔。
2)表面粗さの小さい金属箔が、銅箔である上記のポリイミド付き金属箔。
3)表面粗さの小さい金属箔が、圧延銅箔である上記のポリイミド付き金属箔。
4)表面粗さの小さい金属箔が、厚みが3μm〜40μmの金属箔である上記のポリイミド付き金属箔。
5)ポリアミック酸の有機溶媒溶液が、ポリアミック酸の濃度が1〜20重量%である上記の表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法。
この発明のフレキシブル金属箔積層体の構成としては、例えば次の組み合わせが挙げられる。次の記載でTPIは熱圧着性ポリイミド塗膜を示し、TPI−Fは熱圧着性多層ポリイミドフィルムを示す。
表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F
表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F/金属箔
表面粗さの小さい金属箔/TPI/TPI−F/TPI/表面粗さの小さい金属箔
この発明においては、Raが0.2μm以下程度の表面粗さの小さい金属箔表面に予め前記のポリイミド塗膜を形成しておくことが必要である。このポリイミド塗膜は厚みが5μm以下程度、特に0.1〜5μm程度が好適である。
前記の表面粗さの小さい金属箔としては、粗化処理を施していない金属箔が挙げられる。特にこの発明においては前記の表面粗さの小さい金属箔として、SUS(新日本製株式会社製、SUS304H)や、アルミニウム箔(日本製箔株式会社製、A1085H)などの粗化処理を施していない金属箔を使用すると顕著な効果が得られる。前記の粗化処理を施していないレベル以上の表面状態の金属箔は、表面のRaが0.2μm程度以下で、厚みが1〜100μm程度、特に3〜40μmであることが高密度化の要求される基板材料用として好ましい。
前記の表面粗さの小さい金属箔に塗膜を形成するためのポリイミドとしては、好適にはガラス転移温度が200〜300℃の範囲にある非結晶性ポリイミドが使用でき、好適には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物やこれらの誘導体(酸、酸エステル、酸のハ−フエステル)などの芳香族テトラカルボン酸成分と1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン(BAPS)、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどの柔軟な結合[O、C(CH、SO]を有する多環芳香族ジアミン成分とから得ることができる。前記の芳香族テトラカルボン酸成分および多環芳香族ジアミン成分の一部を他の芳香族テトラカルボン酸成分、例えばピロメリット酸二無水物や他の芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルで置き換えてもよい。また、前記の非結晶性ポリイミドの末端を無水フタル酸などで封止したものであってもよい。
前記のポリイミド塗膜は、前記各成分を有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミック酸の溶液とし、このポリアミック酸の溶液あるいはポリアミック酸の溶液にさらに有機溶媒を加えてポリアミック酸濃度を1〜20重量%程度に調節したものをド−プとして使用し、表面粗さの小さい金属箔に前記のド−プ液の薄膜を形成し、50〜400℃で1〜30分間程度加熱乾燥して、その薄膜から溶媒を蒸発させ除去すると共にポリアミック酸をイミド環化することにより形成することができる。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムは、例えば高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体(ポリアミック酸ともいう)溶液乾燥膜の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積層した後、あるいは好ましくは、共押出し−流延製膜法によって高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液を積層した後、乾燥、イミド化して熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得る方法によって得ることができる。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムにおける高耐熱性の芳香族ポリイミドは、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記することもある。)とパラ−フェニレンジアミン(以下単にPPDと略記することもある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下単にDADEと略記することもある。)および/またはピロメリット酸二無水物(以下単にPMDAと略記することもある。)とから製造される。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。また、s−BPDA/PMDAは100:0〜50/50であることが好ましい。また、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから製造される。この場合DADE/PPD(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。さらに、高耐熱性の芳香族ポリイミドは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)とパラフェニレンジアミン(PPD)および4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADE)とから製造される。この場合、酸二無水物中BTDAが20〜90モル%、PMDAが10〜80モル%、ジアミン中PPDが30〜90モル%、DADEが10〜70モル%であることが好ましい。前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で、他の種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を使用してもよい。また、前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミンの芳香環にフッ素基、水酸基、メチル基あるいはメトキシ基などの置換基を導入してもよい。
前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドとしては、単層のポリイミドフィルムの場合にガラス転移温度が約350℃未満程度の温度では確認不可能であるものが好ましく、特に線膨張係数(50〜200℃)(MD、TDおよびこれらの平均のいずれも)が5x10−6〜25x10−6cm/cm/℃であるものが好ましい。この高耐熱性の芳香族ポリイミドの合成は、最終的に各成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロック重合、ブレンド、あるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を得る、いずれの方法によっても達成される。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドとしては、300〜400℃程度の温度で熱圧着できる熱可塑性の芳香族ポリイミドであれば何でも良い。好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)(以下、TPERと略記することもある。)と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)とから製造される。また、前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とから製造される。あるいは、4,4'−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)およびピロメリット酸二無水物と1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)とから製造される。また、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから、あるいは3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とから製造される。
この熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のテトラカルボン酸二無水物、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などで置き換えられてもよい。また、熱圧着性の芳香族ポリイミドの物性を損なわない範囲で他のジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環を有する柔軟な芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどのジアミノジシロキサンによって置き換えられてもよい。前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドのアミン末端を封止するためにジカルボン酸類、例えば、フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロフタル酸およびその置換体、コハク酸およびその置換体やそれらの誘導体など、特に、フタル酸を使用してもよい。
前記の熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前記各成分と、さらに場合により他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミンとを、有機溶媒中、約100℃以下、特に20〜60℃の温度で反応させてポリアミック酸の溶液とし、このポリアミック酸の溶液をド−プ液として使用できる。この発明における熱圧着性のポリイミドを得るためには、前記の有機溶媒中、酸の全モル数(テトラ酸二無水物とジカルボン酸の総モルとして)の使用量がジアミン(モル数として)に対する比として、好ましくは0.92〜1.1、特に0.98〜1.1、そのなかでも特に0.99〜1.1であり、ジカルボン酸の使用量がテトラカルボン酸二無水物のモル量に対する比として、好ましくは0.00〜0.1、特に0.02〜0.06であるような割合が好ましい。
また、ポリアミック酸のゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミック酸重合時に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.01〜1%の範囲で添加することができる。また、イミド化促進の目的で、ド−プ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。例えば、イミダゾ−ル、2−イミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルなどをポリアミック酸(固形分)に対して0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。また、接着強度の安定化の目的で、熱圧着性の芳香族ポリイミド原料ド−プに有機アルミニウム化合物、無機アルミニウム化合物または有機錫化合物を添加してもよい。例えば水酸化アルミニウム、アルミニウムトリアセチルアセトナ−トなどをポリアミック酸(固形分)に対してアルミニウム金属として1ppm以上、特に1〜1000ppmの割合で添加することができる。
前記のポリアミック酸を得るために使用する有機溶媒は、高耐熱性の芳香族ポリイミドおよび熱圧着性の芳香族ポリイミドのいずれに対しても、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記の熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造においては、好適には共押出し−流延製膜法、例えば上記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液の片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を共押出して、これをステンレス鏡面、ベルト面等の支持体面上に流延塗布し、100〜200℃で半硬化状態またはそれ以前の乾燥状態とする方法が採用できる。200℃を越えた高い温度で流延フィルムを処理すると、熱圧着性多層ポリイミドフィルムの製造において、接着性の低下などの欠陥を来す傾向にある。この半硬化状態またはそれ以前の状態とは、加熱および/または化学イミド化によって自己支持性の状態にあることを意味する。
前記高耐熱性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液と熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸の溶液との共押出しは、例えば特開平3−180343号公報(特公平7−102661号公報)に記載の共押出法によって二層あるいは三層の押出し成形用ダイスに供給し、支持体上にキャストしておこなうことができる。前記の高耐熱性の芳香族ポリイミドを与える押出し物層の片面あるいは両面に、熱圧着性の芳香族ポリイミドを与えるポリアミック酸溶液を積層して多層フィルム状物を形成して乾燥後、熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上で劣化が生じる温度以下の温度、好適には300〜400℃の温度(表面温度計で測定した表面温度)まで加熱して(好適にはこの温度で1〜60分間加熱して)乾燥およびイミド化して、高耐熱性(基体層)の芳香族奥ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドを有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを製造することができる。
前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミドは、前記の酸成分とジアミン成分とを使用することによって、ガラス転移温度が180〜275℃、特に200〜275℃であって、好適には前記の条件で乾燥・イミド化して熱圧着性の芳香族ポリイミドのゲル化を実質的に起こさせないことによって得られる、ガラス転移温度以上で300℃以下の範囲内の温度で液状化せず、かつ弾性率が、通常275℃での弾性率が室温付近の温度(50℃)での弾性率の0.0002〜0.2倍程度を保持しているものが好ましい。
前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する高耐熱性の(基体層)ポリイミド層の厚さは5〜120μm、特に5〜40μmであることが好ましい。5μm未満では作成した熱圧着性多層ポリイミドフィルムの機械的強度、寸法安定性に問題が生じる。また120μmより厚くなると溶媒の除去、イミド化に難点が生じる。また、この発明において、前記の熱圧着性多層ポリイミドを構成する熱圧着性の芳香族ポリイミド層の厚みは各々0.5〜10μm、特に1〜8μm程度が好ましい。0.5μm未満では接着性能が低下し、10μmを超えても使用可能であるがとくに効果はなく、むしろフレキシブル金属箔積層体の耐熱性が低下する。また、熱圧着性多層ポリイミドフィルムは厚みが7〜50μm、特に7〜50μmであることが好ましい。7μm未満では作成したフィルムの取り扱いが難しく、125μmより厚くなると溶媒の除去、イミド化に難点が生じる。
前記の共押出し−流延製膜法によれば、高耐熱性の芳香族ポリイミド層とその片面あるいは両面の熱圧着性の芳香族ポリイミドとを比較的低温度でキュアして熱圧着性の芳香族ポリイミドの劣化を来すことなく、自己支持性フィルムのイミド化、乾燥を完了させることができ、良好な電気特性および接着強度を有する熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得ることができる。
前記の場合により使用される他の金属箔としては、銅、アルミニウム、鉄、金などの金属箔あるいはこれら金属の合金箔など各種金属箔が挙げられるが、好適には圧延銅箔、電解銅箔などがあげられる。金属箔として、表面粗度の余り大きくなくかつ余り小さくない、好適にはRzが7μm以下、特にRaが5μm以下、特に0.5〜5μmであるものが好ましい。このような金属箔、例えば銅箔はVLP、LP(またはHTE)として知られている。前記の他の金属箔の厚さは特に制限はないが、5〜35μm、特に5〜18μmであることが好ましい。また、Raが小さい場合には、金属箔表面を表面処理したものを使用してもよい。
前記の熱圧着性ポリイミドフィルム塗膜を形成した表面粗さの小さい金属箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムと場合によりさらに熱圧着性ポリイミドフィルム塗膜を形成した同種の金属箔あるいは異種の金属箔とをダブルベルトプレスに導入し、好適には導入する直前のインラインで150〜250℃程度に予熱して、加圧下に高温加熱−冷却して積層一体化して、積層体を得る。
また、ダブルベルトプレスの加熱圧着ゾ−ンの温度が熱圧着性の芳香族ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上高く400℃以下の温度、特にガラス転移温度より30℃以上高く400℃以下の温度で加圧下に熱圧着し、引き続いて冷却ゾ−ンで加圧下に冷却して、好適には熱圧着性ポリイミドのガラス転移温度より20℃以上低い温度、特に30℃以上低い温度まで冷却して、積層体を得ることが好ましい。前記の方法において、製品が片面金属箔のフレキシブル金属箔積層体である場合には、剥離容易な高耐熱性フィルム、例えばRzが2μm未満の高耐熱性フィルムまたは金属箔、好適にはポリイミドフィルム(宇部興産社製、ユ−ピレックスS)やフッ素樹脂フィルムなどの高耐熱性樹脂フィルムや圧延銅箔などであって表面粗さが小さく表面平滑性の良好な金属箔を保護材として、熱圧着性ポリイミド層と他の金属面との間に介在させてもよい。この保護材は積層後、積層体から除いて巻き取っても良く、保護材を積層したままで巻き取って使用時に取り除いてもよい。
特に、ダブルベルトプレスを用いて加圧下に熱圧着−冷却して積層することによって、長尺で幅が約400mm以上、特に約500mm以上の幅広の、接着強度が大きく(90度ピ−ル強度:0.7kg/cm以上、特に1kg/cm以上)、金属箔表面に皺が実質的に認められない程外観が良好なフレキシブル金属箔積層体を得ることができる。
このフレキシブル金属箔積層体は、そのままあるいはロ−ル巻き、エッチング、および場合によりカ−ル戻し等の各処理を行った後、必要ならば所定の大きさに切断して、電子部品用基板として使用できる。例えば、FPC、TAB、多層FPC、フレックスリジッド基板の基板として好適に使用することができる。特に、金属箔の厚みが5〜12μmで熱圧着性多層ポリイミドフィルム層の厚みが7〜15μmである片面銅箔積層体(全体厚みが15〜27μm)あるいは両面銅箔積層体(全体厚みが25〜40μm)から、エポキシ系接着剤あるいは熱可塑性ポリイミドや熱可塑性ポリアミドイミドあるいはポリイミドシロキサン−エポキシ系などの耐熱性ポリイミド系接着剤から選ばれる耐熱性接着剤(厚み5〜50μm、好ましくは5〜15μm、特に7〜12μm)で複数の銅箔積層体を接着することによって銅箔積層体が2〜10層で、高耐熱性・低吸水・低誘電率・高電気特性を満足する多層基板を好適に得ることができる。このフレキシブル金属箔積層体には、長尺状のものだけでなく前記のように長尺状のものを所定の大きさに切断したものも含まれる。
このフレキシブル金属箔積層体には、それ自体公知のエッチング工程および加熱工程の逐次処理を加えて、回路基板として使用される。前記のエッチング工程としては、例えばフレキシブル金属箔積層体の銅箔などの金属箔を常温で塩化第二鉄水溶液などのエッチング処理液によってエッチング処理する方法が挙げられる。また、前記の加熱工程としては、例えばフレキシブル金属箔積層体を280℃の半田浴に10秒間程度浸漬する半田処理や、他のフレキシブル金属箔積層体と耐熱性接着剤によって積層して多層基板とする加熱圧着が挙げられる。
以下、この発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の各例において、物性評価は以下の方法に従って行った。
熱線膨張係数:50−200℃、5℃/分で測定(TD、MDの平均値)、cm/cm/℃
ガラス転移温度(Tg):粘弾性より測定。
接着強度:90度剥離強度を測定した。特記しない限り表面粗さの小さい金属箔面での接着強度を示す。
製品外観:積層後の製品外観について、発泡による膨れの有無を目視判定して評価。
○は発泡無しで良好、△は一部に発泡有り、xは全面に発泡が発生
高耐熱性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成例1
撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、パラフェニレンジアミンと3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:998のモル比?でモノマ−濃度が18%(重量%、以下同じ)になるように加えた。添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けた。得られたポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25℃における溶液粘度は約1500ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プの合成−1
撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、さらに、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000?のモル比でモノマ−濃度が22%になるように、またトリフェニルホスフェ−トをモノマ−重量に対して0.1%加えた。添加終了後25℃を保ったまま1時間反応を続けた。このポリアミック酸溶液は、25℃における溶液粘度が約2000ポイズであった。この溶液をド−プとして使用した。
参考例1〜3
上記の高耐熱性の芳香族ポリイミド用ド−プと熱圧着性の芳香族ポリイミド製造用ド−プとを三層押出し成形用ダイス(マルチマニホ−ルド型ダイス)を設けた製膜装置を使用し、ダイスの厚みを変え、金属製支持体上に流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィルムを形成した。この固化フィルムを支持体から剥離した後加熱炉で200℃から320℃まで徐々に昇温して溶媒の除去、イミド化を行って、次の三種類の熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムを巻き取りロ−ルに巻き取った。これら熱圧着性三層押出しポリイミドフィルムは、次のような物性を示した。
1)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−1
厚み構成:4μm/10μm/4μm(合計18μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃
熱線膨張係数(50〜200℃):25x10−6xcm/cm/℃
体積抵抗:1x1015Ω・cm
2)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−2
厚み構成:3μm/9μm/3μm(合計15μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃
熱線膨張係数(50〜200℃):22x10−6xcm/cm/℃
体積抵抗:1x1015Ω・cm
3)熱圧着性多層ポリイミドフィルム−3
厚み構成:2μm/8μm/2μm(合計12μm)
熱圧着性の芳香族ポリイミドのTg:250℃
熱線膨張係数(50〜200℃):18x10−6cm/cm/℃
体積抵抗:1x1015Ω・cm
比較例1
Ra:0.05μmの表面粗さを有する厚み25μmのSUS(新日本製鉄社製、SUS304H、以下単にSUSと略記する。)と、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−1と、厚さ18μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製、3EC−VLP、Rz:3.8μm、以下単に圧延銅箔と略記する。)とを、ダブルベルトプレスに連続的に供給し、予熱後、加熱ゾ−ンの温度(最高加熱温度)380℃(設定)、冷却ゾ−ンの温度(最低冷却温度)117℃)で、連続的に加圧下に熱圧着−冷却して積層し、フレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.2kgf/cm以下
総合評価:x
2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)32.84g(0.08モル)、N,N−ジメチルアセトアミド224.8gを室温で、窒素雰囲気下反応容器中で撹拌、溶解した。これにs−BPDA23.31g(0.079モル)を徐々に加え、40℃で3時間撹拌した。その後、室温で3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二水和物(s−BPTA)2.12g(0.0058モル)を加え溶解した。得られたポリアミック酸溶液を10g取り、DMAc30gで希釈し5%溶液とした。このワニス(芳香族テトラカルボン酸成分/芳香族ジアミンが1.06)をド−プとしてSUSの表面粗さの小さい面に塗布し、100℃x20秒、150℃x20秒、250℃x20秒加熱して厚み0.5μmの熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移温度(Tg)が245℃であった。得られた熱圧着性ポリイミドを形成したSUS、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−1、および厚さ18μmの電解銅箔を、ダブルベルトプレスに連続的に供給した他は比較例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.4kgf/cm
総合評価:○
塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000のモル比でモノマ−濃度が22%になるように加えて反応させたこのポリアミック酸溶液を希釈して5%濃度のド−プとした他は実施例1と同様にして、SUSの表面粗さの小さい面に1.5μmのポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移温度(Tg)が250℃であった。得られたポリイミド塗膜を形成したSUS、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2、および厚さ18μmの電解銅箔を、ダブルベルトプレスに連続的に供給した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.4kgf/cm
総合評価:○
塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液をド−プとして塗膜厚みを1.5μmとした他は実施例1と同様にして、SUSに熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。この熱圧着性ポリイミド塗膜を形成したSUSを使用した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.5kgf/cm
総合評価:○
塗膜形成用の熱圧着性ポリイミドとして、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液をド−プとして塗膜厚みを5.0μmとした熱圧着性ポリイミド塗膜を形成したSUSと、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−3を使用した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.4kgf/cm
総合評価:○
比較例2
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを1000:1000のモル比でモノマ−濃度が %になるように加えて反応させたポリアミック酸溶液をド−プとし、SUSに18μmの熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移温度(Tg)が250℃であった。この熱圧着性ポリイミド層を形成したSUSと厚さ18μmの電解銅箔のみを、ダブルベルトプレスに連続的に供給した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:x
接着強度:1.5kgf/cm
総合評価:x
比較例3
2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液をド−プとして、SUSに18μmの熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは、非結晶でガラス転移温度(Tg)が245℃であった。この熱圧着性ポリイミド層を形成したSUSと厚さ18μmの電解銅箔のみをダブルベルトプレスに連続的に供給した他は実施例1と同様にして、フレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:x
接着強度:1.3kgf/cm
総合評価:x
比較例4
Ra:0.03μmの表面粗さを有する厚み18μmの圧延銅箔(ジャパンエナジ−社製)と、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2と、厚さ18μmの電解銅箔とを使用した他は実施例1と同様にして、フレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:0.2kgf/cm以下
総合評価:x
2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)とs−BPDAとから得られたポリアミック酸溶液をド−プとして、Ra:0.03μmの表面粗さを有する厚み18μmの圧延銅箔に厚み1.5μmの熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した。このポリイミドは非結晶でガラス転移温度(Tg)が245℃であった。この熱圧着性ポリイミド塗膜を形成した表面粗さの小さい圧延銅箔と、熱圧着性三層押出しポリイミドフィルム−2を使用した他は実施例1と同様にしてフレキシブル金属箔積層体(幅:約530mm、以下同じ)であるロ−ル巻状物を得た。得られたフレキシブル金属箔積層体についての評価結果を次に示す。
製品外観:○
接着強度:1.0kgf/cm
総合評価:○

Claims (7)

  1. Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこの誘導体(酸、酸エステルあるいは酸のハ−フエステル)から得られる厚みが0.1〜5μmのポリイミド塗膜を設けたポリイミド付き金属箔。
  2. 表面粗さの小さい金属箔が、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔あるいは合金箔である請求項1に記載のポリイミド付き金属箔。
  3. 表面粗さの小さい金属箔が、銅箔である請求項1に記載のポリイミド付き金属箔。
  4. 表面粗さの小さい金属箔が、圧延銅箔である請求項1記載のポリイミド付き金属箔。
  5. 表面粗さの小さい金属箔が、厚みが3μm〜40μmの金属箔である請求項1に記載のポリイミド付き金属箔。
  6. Raが0.2μm以下の表面粗さの小さい金属箔表面に、有機溶媒中で2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンおよび芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこの誘導体(酸、酸エステル、酸のハ−フエステル)を反応させて得られるポリアミック酸の有機溶媒溶液を、加熱後のポリイミド塗膜の厚みが0.1〜5μmとなるように塗布することを特徴とする表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法。
  7. ポリアミック酸の有機溶媒溶液が、ポリアミック酸の濃度が1〜20重量%である請求項6に記載の表面粗さの小さい金属箔表面の処理方法。
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